【0007】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含み、着色剤(A)は、下記式(A1)で表される化合物(以下「化合物(A1)」ということがある)と、下記式(A2)で表される化合物(以下「化合物(A2)」ということがある)とを含む。
[式(A1)中、R
1〜R
18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基又は−SO
2R
29を表す。
R
29は、−OH、−NHR
30又は−R
32を表す。
R
30は、水素原子、炭素数1〜10の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基、−R
31−O−R
32、−R
31−CO−O−R
32、−R
31−O−CO−R
32、又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R
31は、炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
R
32は、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
R
19及びR
20は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
M
1は、Cr又はCoを表す。
Yは、Na又はKを表す。]
[式(A2)中、R
21〜R
24は、それぞれ独立に、水素原子、−R
26又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。該炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R
26、−OH、−OR
26、−SO
3−、−SO
3Na、−CO
2H、−CO
2R
26、−SO
3H、−SO
3R
26又は−SO
2NHR
28で置換されていてもよい。
R
25は、−SO
3−、−SO
3Na、−CO
2H、−CO
2R
26、−SO
3H又はSO
2NHR
28を表す。
R
26は、炭素数1〜20の飽和炭化水素基を表す。該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR
26又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−NR
b−、−C(=O)−で置換されていてもよい。
R
bは、炭素数1〜3のアルキル基を表す。
R
28は、水素原子、−R
26、−CO
2R
26又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−R
26又は−OR
26で置換されていてもよい。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数のR
25は、同一であっても異なっていてもよい。
Xは、ハロゲン原子を表す。aは、0又は1の整数を表す。]
<化合物(A1)>
式(A1)におけるR
1〜R
18、R
30及びR
32において、炭素数1〜10の1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、デシル基、1−メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシル基等が挙げられる。
式(A1)におけるR
30において、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
式(A1)におけるR
31において、炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基等が挙げられる。
式(A1)におけるR
30において、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基としては、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2−プロピルシクロヘキシル基、2−イソプロピルシクロヘキシル基、2−ブチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシルキ基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−イソプロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(A1)におけるR
30において、−R
31−O−R
32としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、2−オキソ−4−メトキシブチル基、オクチルオキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基等が挙げられる。
式(A1)におけるR
30において、−R
31−CO−O−R
32としては、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルエチル基、プロポキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルエチル基等が挙げられる。
式(A1)におけるR
30において、−R
31−O−CO−R
32としては、アセチルオキシメチル基、アセチルオキシエチル基、エチルカルボニルオキシメチル基、エチルカルボニルオキシエチル基、プロピルカルボニルオキシメチル基、プロピルカルボニルオキシエチル基、ブチルカルボニルオキシメチル基、ブチルカルボニルオキシエチル基等が挙げられる。
式(A1)におけるR
1〜R
18において、−SO
2R
29としては、スルホ基;スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基、N−アリルスルファモイル基等の脂肪族炭化水素基で置換されたスルファモイル基;
N−(2−メトキシエチル)スルファモイル基、N−(2−エトキシエチル)スルファモイル基、N−(1−メトキシプロピル)スルファモイル基、N−(3−メトキシプロピルスル)ファモイル基、N−(3−エトキシプロピル)スルファモイル基、N−(3−プロポキシプロピル)スルファモイル基、N−(3−イソプロポキシプロピル)スルファモイル基、N−(3−ヘキシロキシプロピルスル)ファモイル基、N−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)スルファモイル基、N−(3−tert−ブトキシプロピル)スルファモイル基、N−(4−オクチルオキシブチル)スルファモイル基等の−R
31−O−R
32で置換されたスルファモイル基;
N−(メトキシカルボニルメチル)スルファモイル基、N−(メトキシカルボニルエチル)スルファモイル基、N−(エトキシカルボニルメチル)スルファモイル基、N−(エトキシカルボニルエチル)スルファモイル基、N−(プロポキシカルボニルメチル)スルファモイル基、N−(プロポキシカルボニルエチル)スルファモイル基、N−(ブトキシカルボニルメチル)スルファモイル基、N−(ブトキシカルボニルエチル)スルファモイル基等の−R
31−CO−O−R
32で置換されたスルファモイル基;
N−(アセチルオキシメチル)スルファモイル基、N−(アセチルオキシエチル)スルファモイル基、N−(エチルカルボニルオキシメチル)スルファモイル基、N−(エチルカルボニルオキシエチル)スルファモイル基、N−(プロピルカルボニルオキシメチル)スルファモイル基、N−(プロピルカルボニルオキシエチル)スルファモイル基、N−(ブチルカルボニルオキシメチル)スルファモイル基、N−(ブチルカルボニルオキシエチル)スルファモイル基等の−R
31−O−CO−R
32で置換されたスルファモイル基;
N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−(2−メチルシクロヘキシル)スルファモイル基、N−(3−メチルシクロヘキシル)スルファモイル基、N−(4−メチルシクロヘキシル)スルファモイル基、N−(4−ブチルシクロヘキシル)スルファモイル基、等の置換基を有するシクロヘキシル基で置換されたスルファモイル基;
N−ベンジルスルファモイル基、N−(1−フェニルエチル)スルファモイル基、N−(2−フェニルエチル)スルファモイル基、N−(3−フェニルプロピル)スルファモイル基、N−(4−フェニルブチル)スルファモイル基、N−[2−(2−ナフチル)エチル]スルファモイル基、N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]スルファモイル基、N−(3−フェニル−1−プロピル)スルファモイル基、N−(3−フェニル−1−メチルプロピル)スルファモイル基等のアラルキル基で置換されたスルファモイル基等が挙げられる。
式(A1)において、−SO
2R
32としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、1−メチルブチルスルホニル基、1,1,3,3−テトラメチルブチルスルホニル基、1,5−ジメチルヘキシルスルホニル基、1,6−ジメチルヘプチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基及び1,1,5,5−テトラメチルヘキシルスルホニル基等が挙げられる。中でも、メチルスルホニル基及びエチルスルホニル基が好ましく、メチルスルホニル基がより好ましい。
耐熱性が一層優れたパターン等を形成できる傾向にあることから、R
1〜R
18のうち、少なくとも1つはニトロ基であることが好ましい。
また、R
1〜R
5の少なくとも1つ及びR
6〜R
10のうち少なくとも1つは−SO
2R
29であることが好ましい。−SO
2R
29を複数個有する場合、複数のR
29は互いに同一であっても異なっていてもよい。
−SO
2R
29は、−SO
3H、−SO
2NHR
30又は−SO
2R
32であり、好ましくは−SO
2R
32である。中でも、好ましくは−SO
2CH
3である。
本発明の化合物が−SO
2R
32を有する場合、R
11〜R
14の少なくとも1つ及びR
15〜R
18のうち少なくとも1つが−SO
2R
32であることが好ましい。−SO
2R
32を複数個有する場合、複数のR
32は互いに同一であっても異なっていてもよい。
化合物(A1)のアニオン部として、好ましい例としては、式(1−b1)〜式(1−b60)で表されるアニオンが挙げられる。
化合物(A1)は、式(1d)で表される化合物(以下「化合物(1d)」ということがある)とクロム化合物又はコバルト化合物とを有機溶媒中で反応させることにより、製造することができる。
[式(1d)中、R
1〜R
5、R
11〜R
14及びR
19は、上記と同じ意味を表す。]
クロム化合物としては、ギ酸クロム、酢酸クロム、塩化クロム、フッ化クロム等が挙げられ、好ましくはギ酸クロム及び酢酸クロムである。コバルト化合物としては、ギ酸コバルト、酢酸コバルト等が挙げられる。
前記反応に用いられる有機溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリル等が挙げられ、その使用量は制限されない。反応温度は、通常70〜100℃である。化合物(1d)の使用量は、クロム化合物又はコバルト化合物1モルに対して、通常2〜4モルである。
化合物(1d)の好ましい例としては、式(1−a1)〜式(1−a64)で表される化合物が挙げられる。
化合物(1d)は、式(1b)で表されるジアゾニウム塩(以下「ジアゾニウム塩(1b)」ということがある)と式(1c)で表されるピラゾール化合物(以下「ピラゾール化合物(1c)」ということがある)とを反応させる方法により製造できる。ジアゾニウム塩(1b)は、例えば、式(1a)で表されるアミン(以下「アミン(1a)」という場合がある)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得られる。
[式(1a)及び式(1b)中、R
11〜R
14は、上記と同じ意味を表す。A
1−は、無機又は有機アニオンを表す。]
前記無機アニオンとしては、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン等が挙げられる。前記有機アニオンとしては、例えば、CH
3COO
−、C
6H
5COO
−等が挙げられる。好ましくは、塩化物イオン、臭化物イオン、CH
3COO
−等が挙げられる。
ジアゾニウム塩(1b)とピラゾール化合物(1c)との反応は、通常水性溶媒中で行なわれ、水性溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン等が挙げられる。反応温度は、−5℃〜60℃が好ましく、0℃〜30℃がより好ましい。反応時間は、1時間〜12時間が好ましく、1時間〜4時間がより好ましい。
[式(1c)中、R
1〜R
5及びR
19は、上記と同じ意味を表す。]
化合物(1d)が−SO
2R
29を有し、−SO
2R
29が−SO
2NHR
30である場合、−SO
2NHR
30を有するアミン(1a)を用いることによっても製造できるが、スルホ基を有するアミン(1a)を用いて反応を行った後に、スルホ基をスルホンアミド化して製造することが好ましい。例えば、化合物(1d)においてスルホ基を有するアゾ化合物(以下「化合物(1s)」という)を合成しておき、ハロゲン化チオニル化合物によってスルホ基(−SO
3H)をスルホニルハライド化(−SO
2X;Xはハロゲン原子)してスルホニルハライド化合物を得て、次いでスルホニルハライド化合物とアミン(R
30NH
2)とを反応させることによって、スルホ基をスルホンアミド化して化合物(1s)を製造することができる。
ハロゲン化チオニル化合物としては、弗化チオニル、塩化チオニル、臭化チオニル、沃化チオニル等が挙げられ、好ましくは塩化チオニル、臭化チオニル等が挙げられ、特に好ましくは塩化チオニルが挙げられる。ハロゲン化チオニルの使用量は、化合物(1s)1モルに対して、1〜10モルであることが好ましい。なお反応系中に水が持ち込まれる場合は、ハロゲン化チオニル化合物を過剰に使用することが好ましい。
スルホニルハライド化は、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン等のエーテル類(特に好ましくは環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2−ジブロモエタン等のハロゲン化炭化水素類等が使用できる。溶媒の使用量は、化合物(1s)1質量部に対して、例えば、3質量部以上(好ましくは5質量部以上)、10質量部以下(好ましくは8質量部以下)である。
またスルホニルハライド化では、N,N−ジアルキルホルムアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等)を併用することが好ましい。N,N−ジアルキルホルムアミドを用いる場合、その使用量は、ハロゲン化チオニル化合物1モルに対して、例えば、0.05〜1モルである。化合物(1s)とN,N−ジアルキルホルムアミドとを溶媒中で予め混合した後、ハロゲン化チオニル化合物を添加すると、発熱を抑制することができる。
スルホニルハライド化における反応温度は、例えば、0℃以上、好ましくは30℃以上、70℃以下、より好ましくは30℃以上、60℃以下である。反応時間は、例えば、0.5時間以上、好ましくは3時間以上、8時間以下、より好ましくは3時間以上、5時間以下である。
上記のようにして調製されたスルホニルハライド化合物は、単離してからアミン(R
30NH
2)と反応させてもよく、単離することなく反応混合物のままでアミン(R
30NH
2)と反応させてもよい。なお単離する場合には、例えば、反応混合物と水とを混合し、析出した結晶を濾取すればよい。取得したスルホニルハライド化合物の結晶は、アミン(R
30NH
2)との反応前に、必要に応じて水洗及び乾燥してもよい。
アミン(R
30NH
2)としては、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン(1,5−ジメチルヘキシルアミン等)、テトラメチルブチルアミン(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミン等)、エチルヘキシルアミン(2−エチルヘキシルアミン等)、アミノフェニルブタン(3−アミノ−1−フェニルブタン等)、イソプロポキシプロピルアミン等が含まれる。アミン(R
30NH
2)の使用量は、スルホニルハライド化合物1モルに対して、2モル以上、10モル以下、好ましくは2モル以上、7モル以下である。
スルホニルハライド化合物とアミン(R
30NH
2)との添加順は特に限定されないが、スルホニルハライド化合物にアミン(R
30NH
2)を添加(滴下)することが好ましい。またスルホニルハライド化合物とアミン(R
30NH
2)との反応は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、スルホニルハライド化合物を調製するときと同様の溶媒が使用できる。
またスルホニルハライド化合物とアミン(R
30NH
2)との反応は、好ましくは、塩基性触媒の存在下で行われる。塩基性触媒としては、例えば3級アミン(トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族3級アミン;ピリジン等の芳香族3級アミン)、及び2級アミン(ジエチルアミン等の脂肪族2級アミン;ピペリジン等の環状脂肪族2級アミン)等が挙げられる。これらの中でも、3級アミン、特にトリエチルアミン等の脂肪族3級アミンが好ましい。塩基性触媒の使用量は、アミン(R
30NH
2)に対して、1.1モル以上、6モル以下、好ましくは1.1モル以上、5モル以下である。
スルホニルハライド化合物にアミン(R
30NH
2)と塩基性触媒とを添加する場合、塩基性触媒の添加タイミングは特に限定されず、アミン(R
30NH
2)の添加前及び添加後のどちらであってもよく、アミン(R
30NH
2)と同じタイミングで添加してもよい。また反応性アミンと予め混合してから添加してもよく、アミン(R
30NH
2)とは別に添加してもよい。
スルホニルハライド化合物とアミン(R
30NH
2)との反応温度は、例えば、0℃以上、50℃以下、好ましくは0℃以上、30℃以下である。また反応時間は、1〜5時間である。
反応混合物から目的化合物である化合物(1d)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物を酸(例えば酢酸等)及び水と共に混合し、析出した結晶を濾取することが好ましい。前記酸は、予め酸の水溶液を調製してから、反応混合物を前記水溶液に添加することが好ましい。反応混合物を添加するときの温度は、好ましくは10℃以上50℃以下、より好ましくは20℃以上50℃以下、さらに好ましくは20℃以上30℃以下である。また反応混合物を酸の水溶液に添加後は、上記の温度で0.5〜2時間程度さらに攪拌することが好ましい。濾取した結晶は、水等で洗浄し、次いで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、再結晶等の公知の手法によってさらに精製してもよい。
<化合物(A2)>
式(A2)のR
21〜R
24における炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基が挙げられる。
式(A2)のR
26における炭素数1〜20の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、等の直鎖状アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、1−(1−メチルエチル)ブチル基、1−(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1−(1−メチルエチル)ペンチル基、1−ブチルブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1−プロピル−1−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルブチル基、1−プロピル−3−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−1−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−2−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基等の分枝鎖状アルキル基;等が挙げられる。
式(A2)のR
26における炭素数1〜20の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR
26又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−NR
2a−、−C(=O)−で置換されていてもよい。
R
2aは、炭素数1〜3のアルキル基を表す。
式(A2)の−OR
26としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基が挙げられる。
式(A2)の−CO
2R
26としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基が挙げられる。
式(A2)の−SO
3R
26としては、メタンスルホニル、エタンスルホニル、ヘキサンスルホニル、デカンスルホニル等が挙げられる。
式(A2)の−SO
2NHR
28としては、スルファモイル、メタンスルファモイル、エタンスルファモイル、プロパンスルファモイル、イソプロパンスルファモイル、ブタンスルファモイル、イソブタンスルファモイル、ペンタンスルファモイル、イソペンタンスルファモイル、ネオペンタンスルファモイル、シクロペンタンスルファモイル、ヘキサンスルファモイル、シクロヘキサンスルファモイル、ヘプタンスルファモイル、シクロヘプタンスルファモイル、オクタンスルファモイル、2−エチルヘキサンスルファモイル、1,5−ジメチルヘキサンスルファモイル、シクロオクタンスルファモイル、ノナンスルファモイル、デカンスルファモイル、トリシクロデカンスルファモイル、メトキシプロパンスルファモイル、エトキシプロパンスルファモイル、プロポキシプロパンスルファモイル、イソプロポキシプロパンスルファモイル、ヘキシロキシプロパンスルファモイル、2−エチルヘキシロキシプロパンスルファモイル、メトキシヘキサンスルファモイル、3−フェニル−1−メチルプロパンスルファモイル等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(A2)で表される化合物が、式(A2−1)で表される化合物であることが好ましい。
[式(A2−1)中、R
41〜R
44は、−R
26を表す。
R
45は、−SO
3−又は−SO
2NHR
28を表す。
R
46は、水素原子、−SO
3−又は−SO
2NHR
28を表す。
R
26、R
28、X及びaは、上記と同じ意味を表す。]
式(A2)で表される化合物が、式(A2−2)で表される化合物であることが好ましい。
[式(A2−2)中、R
51〜R
54は、−R
26を表す。
R
55は、−SO
3−又は−SO
2NHR
28を表す。
R
26、R
28、X及びaは、上記と同じ意味を表す。]
化合物(A2)としては、例えば、式(1−1)〜式(1−10)、式(1−3)〜式(1−15)、式(1−17)〜式(1−46)、式(1−21’)及び式(1−50)〜式(1−76)で表される化合物が挙げられる。なお、式中、R
40は、炭素数1〜20の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基、さらに好ましくは2−エチルヘキシル基である。
化合物(A2)は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R−H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−32999号公報を参考に合成することもできる。
化合物(A1)及び化合物(A2)の合計の含有量は、着色剤(A)中、1質量%以上99質量%以下が好ましく、1質量%以上80質量%以下がより好ましく、3質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。
化合物(A1)と化合物(A2)の含有質量比は、1:9〜9:1が好ましく、3:7〜7:3がさらに好ましい。
<その他の染料>
着色剤(A)は、化合物(A1)及び化合物(A2)とは異なる染料をともに含んでもよい。該染料としては、油溶性染料、酸性染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体等の染料が挙げられ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162;
C.I.ソルベントレッド45(以下、C.I.ソルベントレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、49、125、130;
C.I.ソルベントオレンジ2(以下、C.I.ソルベントオレンジの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、7、11、15、26、56;等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1(以下、C.I.アシッドイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1(以下、C.I.アシッドレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6(以下、C.I.アシッドオレンジの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B(以下、C.I.アシッドバイオレットの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、7、9、17、19;等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2(以下、C.I.ダイレクトイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79(以下、C.I.ダイレクトレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ34(以下、C.I.ダイレクトオレンジの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47(以下、C.I.ダイレクトバイオレットの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.モーダントイエロー5(以下、C.I.モーダントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1(以下、C.I.モーダントレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3(以下、C.I.モーダントオレンジの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1(以下、C.I.モーダントバイオレットの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58;等のC.I.モーダント染料等が挙げられる。
着色剤(A)は、さらに顔料をともに含んでもよい。
顔料としては、有機顔料、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1(以下、C.I.ピグメントバイオレットの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;C.I.ピグメントイエロー1(以下、C.I.ピグメントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;C.I.ピグメントオレンジ13(以下、C.I.ピグメントオレンジの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;C.I.ピグメントレッド9(以下、C.I.ピグメントレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料等が挙げられる。顔料としては、なかでも、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、C.I.ピグメントレッド177、242、254から選ばれる少なくとも1種を含有していることが好ましい。前記の顔料を含むことで、透過スペクトルの最適化が容易であり、耐薬品性が良好になる。
これらの顔料は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
有機顔料は、粒径が均一であることが好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物において、着色剤(A)として顔料を含む場合、顔料分散剤を含んでもよい。顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
前記の顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(BASF社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)等が挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料に対して、好ましくは100質量%であり、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
着色剤(A)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物中の固形分に対して、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは8〜55質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%である。ここで、固形分とは、着色硬化性樹脂組成物中の、溶剤を除く成分の合計をいう。着色剤(A)の含有量が前記の範囲にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中にバインダーポリマーを必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができる。
<ホウ素錯体(F)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、更に、ホウ素錯体(F)を含んでもよい。
ホウ素錯体(F)としては、例えば、下記式(4)で表されるアニオンが挙げられる。
[式(4)中、W
1、W
2は、それぞれ独立に、1価のプロトン供与性置換基2つがプロトンを放出してなる基を表す。]
式(4)で表されるアニオンにおける、1価のプロトン供与性置換基2つがプロトンを放出してなる基としては、置換基を有していてもよいカテコール、置換基を有していてもよい2,3−ジヒドロキシナフタレン、置換基を有していてもよい2,2’−ビフェノール、置換基を有していてもよい3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、置換基を有していてもよい2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、置換基を有していてもよい1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、置換基を有していてもよいビナフトール、置換基を有していてもよいサリチル酸、置換基を有していてもよいベンジル酸又は置換基を有していてもよいマンデル酸であることが好ましい。
前記の置換基を有していてもよいサリチル酸としては、例えば、サリチル酸、3−メチルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−アミノサリチル酸、3−クロロサリチル酸、4−ブロモサリチル酸、3−メトキシサリチル酸、3−ニトロサリチル酸、4−トリフルオロメチルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジブロモサリチル酸、3,5−ジクロロサリチル酸、3,5,6−トリクロロサリチル酸、3−ヒドロキシサリチル酸(2,3−ジヒドロキシ安息香酸)、4−ヒドロキシサリチル酸(2,4−ジヒドロキシ安息香酸)、5−ヒドロキシサリチル酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、6−ヒドロキシサリチル酸(2,6−ジヒドロキシ安息香酸)等が挙げられる。
前記の置換基を有していてもよいベンジル酸としては、例えば、
等が挙げられる。
前記の置換基を有していてもよいマンデル酸としては、例えば、
等が挙げられる。
式(4)で表されるアニオンとしては、例えば、アニオン(BC−1)〜アニオン(BC−24)等の下記式(A)で示されるアニオンや、アニオン(BC−25)〜アニオン(BC−28)が挙げられる。なお、アニオン(BC−1)〜アニオン(BC−24)は、R
61、R
62、R
63およびR
64として表1に示された置換基を有する。
【表1】
中でも、式(4)で表されるアニオンとしては、アニオン(BC−1)、アニオン(BC−2)、アニオン(BC−3)、アニオン(BC−25)、アニオン(BC−26)、アニオン(BC−27)が好ましく、アニオン(BC−1)、アニオン(BC−2)、アニオン(BC−25)がより好ましく、アニオン(BC−1)及びアニオン(BC−2)がより好ましい。これらのアニオンであると、本発明の塩は有機溶剤への溶解性に優れる傾向がある。
ホウ素錯体(F)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、0.5質量部以上10質量部以下がさらに好ましい。
<亜鉛錯体(G)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、亜鉛錯体(G)を含んでいてもよい。
亜鉛錯体(G)としては、たとえば式(5)で表される亜鉛錯体が挙げられる。
[式(5)中、R
71〜R
74は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は水酸基を表す。]
式(5)のR
71〜R
74における、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。式(5)で表される亜鉛錯体の具体例としては、表2で示した置換基を有する錯体が挙げられる。中でも耐熱性が向上する点で、(5)−18が、が好ましい。
【表2】
亜鉛錯体(G)の含有量は、着色剤(A)に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
<樹脂(B)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、樹脂(B)を含む。樹脂(B)としては、特に限定されるものではないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
樹脂(B)としては、例えば、以下の樹脂[K1]〜[K4]等が挙げられる。
[K1]炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(a)(以下「(a)」という場合がある)と、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(b)(以下「(b)」という場合がある)との共重合体。
[K2](a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)との共重合体。
[K3](b)と(c)との共重合体。
[K4](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂。
樹脂(B)が(a)に由来する構造単位を含むことにより、得られる着色パターンの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる。
(a)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環(オキソラン環)からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(a)は、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(a)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(a1)(以下「(a1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(a2)(以下「(a2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(a3)(以下「(a3)」という場合がある)等が挙げられる。
(a1)は、例えば、鎖式オレフィンをエポキシ化した構造を有する単量体(a1−1)(以下「(a1−1)」という場合がある)、環式オレフィンをエポキシ化した構造を有する単量体(a1−2)(以下「(a1−2)」という場合がある)が挙げられる。
(a1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
(a1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;ダイセル化学工業(株)製)、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物等が挙げられる。
[式(I)及び式(II)において、R
a及びR
bは、互いに独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
X
1及びX
2は、互いに独立に、単結合、−R
c−、*−R
c−O−、*−R
c−S−、*−R
c−NH−を表す。
R
cは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
R
a及びR
bとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
X
1及びX
2としては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH
2−O−(*はOとの結合手を表す)基、*−CH
2CH
2−O−基が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CH
2CH
2−O−基が挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、式(I−1)〜式(I−15)で表される化合物等が挙げられる。好ましくは式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−11)〜式(I−15)が挙げられる。より好ましくは式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−15)が挙げられる。
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)で表される化合物等が挙げられる。好ましくは式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−11)〜式(II−15)が挙げられる。より好ましくは式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−15)が挙げられる。
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いることができる。また、それらは、任意の比率で混合することができる。混合する場合、その混合比率はモル比で、好ましくは式(I):式(II)で、5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、とりわけ好ましくは20:80〜80:20である。
オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(a2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(a2)としては、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(a3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
(a3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
(a)としては、得られる着色パターンの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(a1)であることが好ましい。さらに、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(a1−2)がより好ましい。
(b)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点やアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートといわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が好ましい。
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;60〜98モル%(より好ましくは65〜95モル%)
(b)に由来する構造単位;2〜40モル%(より好ましくは5〜35モル%)
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、硬化パターンの耐溶剤性が良好になる傾向がある。
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素で、攪拌、加熱、保温する方法が例示される。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているもののいずれをも使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、着色硬化性樹脂組成物の溶剤として後述する溶剤等を用いることができる。
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、後述する溶剤(E)を使用することにより、反応後の溶液をそのまま使用することができ、製造工程を簡略化することができる。
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;2〜95モル%(より好ましくは5〜80モル%)
(b)に由来する構造単位;2〜40モル%(より好ましくは5〜35モル%)
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%(より好ましくは1〜60モル%)
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、硬化パターンの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度が良好になる傾向がある。
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
具体的には、(a)、(b)及び(c)の所定量、重合開始剤及び溶剤を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素下で、攪拌、加熱、保温する方法が挙げられる。得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)2〜40モル%、より好ましくは5〜35モル%
(c)60〜98モル%、より好ましくは65〜95モル%
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
樹脂[K4]は、(b)と(c)との共重合体を得て、(a)が有する炭素数2〜4の環状エーテルに(c)が有するカルボキシ基を付加させることにより得ることができる。
まず(b)と(c)との共重合体を、[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、(b)と(c)との共重合体を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)5〜50モル%、より好ましくは10〜45モル%
(c)50〜95モル%、より好ましくは55〜90モル%
次に、前記共重合体中の(b)に由来する構造単位に含まれるカルボキシ基及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(a)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを反応させる。
(b)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(a)、カルボキシ基と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)を(a)〜(c)の合計量に対して0.001〜5質量%、及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等を(a)〜(c)の合計量に対して0.001〜5質量%をフラスコ内に入れて、例えば、60〜130℃で、1〜10時間反応することにより、樹脂[K4]を得ることができる。仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
この場合の(a)の使用量は、(b)1モルに対して、0.05〜0.8モルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.75モルであり、さらに好ましくは0.15〜0.7モルである。この範囲とすることにより、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。
樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4]等が挙げられる。中でも、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましく、樹脂[K1]がより好ましく、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体がさらに好ましい。
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜35,000であり、特に好ましくは6,000〜30,000であり、とりわけ好ましくは7,000〜28,000である。分子量が前記の範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、解像度が向上する傾向がある。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
樹脂(B)の酸価は、好ましくは50〜150mg−KOH/gであり、より好ましくは60〜135mg−KOH/g、さらに好ましくは70〜135mg−KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(B)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、パターンが形成でき、また解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
<光重合性化合物(C)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は光重合性化合物(C)を含む。光重合性化合物(C)は、光を照射されることによって光重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び酸等によって重合しうる化合物であって、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
中でも、光重合性化合物(C)としては、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物であることが好ましい。このような光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。光重合性化合物(C)は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合性化合物(C)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分に対して、7〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。前記の光重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲にあると、硬化が十分におこり、現像前後での膜厚比率が向上し、パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があることから好ましい。
<光重合開始剤(D)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は光重合開始剤(D)を含む。
前記の光重合開始剤(D)としては、光の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始する化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤(D)としては、光の作用により活性ラジカルを発生する化合物が好ましく、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む光重合開始剤がより好ましく、オキシム化合物を含む光重合開始剤がさらに好ましい。
アルキルフェノン化合物としては、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−メチルフェニルメチル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー等が挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン等が挙げられる。イルガキュア369、907(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
オキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン等が挙げられる。イルガキュアOXE−01、OXE−02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。
ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照。)等が挙げられる。好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
光により酸を発生する酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類等を挙げることができる。
光重合開始剤(D)は、例えば、トリアジン化合物のように、光により活性ラジカルと酸とを同時発生する化合物であってもよい。
さらに光重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の光重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
光重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び光重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。光重合開始剤の含有量が、前記の範囲にあると、高感度化して露光時間が短縮され生産性が向上する。
<光重合開始助剤(D1)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物には、さらに光重合開始助剤(D1)が含まれていてもよい。光重合開始助剤(D1)は、通常、光重合開始剤(D)と組み合わせて用いられ、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。
光重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物、カルボン酸化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
光重合開始助剤(D1)は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの光重合開始助剤(D1)を用いる場合、その使用量は、樹脂(B)及び光重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.1〜40質量部である。また、光重合開始剤(D)1モルに対して、好ましくは0.01〜10モル、より好ましくは0.01〜5モルである。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲にあると、さらに高感度でパターンを形成することができ、パターンの生産性が向上する傾向にある。
<溶剤(E)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は溶剤(E)を含む。
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(−COO−を含む溶剤)、エステル溶剤以外のエーテル溶剤(−O−を含む溶剤)、エーテルエステル溶剤(−COO−と−O−とを含む溶剤)、エステル溶剤以外のケトン溶剤(−CO−を含む溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等の中から選択して用いることができる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール等が挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等がより好ましい。これらの溶剤を含むと、塗布時の平坦性に優れる。
着色硬化性樹脂組成物における溶剤(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物に対して、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
<界面活性剤(H)>
本発明の着色硬化性樹脂組成物には、さらに、界面活性剤(H)を含んでいてもよい。界面活性剤(H)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
前記のフッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(商品名)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(商品名)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(商品名)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤(H)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物に対し、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。界面活性剤(H)の含有量が前記の範囲にあると、塗膜の平坦性を良好にすることができる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物が、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)及び界面活性剤(H)からなる組成物であると、塗布性に優れ、耐溶剤性及び分光に優れた着色パターンを得ることができる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、連鎖移動剤等の種々の添加剤を含んでもよい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物を用いて着色パターンを形成する方法としては、例えば、本発明の着色硬化性樹脂組成物を、基板又は別の樹脂層(例えば、基板の上に先に形成された別の着色硬化性樹脂組成物層等)の上に塗布し、溶剤等揮発成分を除去/乾燥して着色層を形成し、フォトマスクを介して該着色層を露光して、現像するフォトリソグラフ法、インクジェット法等が挙げられる。
この場合の塗膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、例えば、0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜6μmである。
着色硬化性樹脂組成物の塗布方法は、例えば、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。また、ディップコーター、バーコーター、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター(ダイコーター、カーテンフローコーター、スピンレスコーターとも呼ばれることがある)等のコーターを用いて塗布してもよい。
溶媒の除去/乾燥は、例えば、自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等が挙げられる。具体的な乾燥温度は、10〜120℃が好ましく、25〜100℃がより好ましい。乾燥時間は、10秒間〜60分間が好ましく、30秒間〜30分間がより好ましい。
減圧乾燥は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の範囲で行うことが好ましい。
乾燥後の塗膜は、目的のパターンを形成するためのフォトマスクを介して、露光する。この際のフォトマスク上のパターン形状は特に限定されず、目的とする用途に応じたパターン形状が用いられる。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられ、特定波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、特定波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりして露光してもよい。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、マスクと基材との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ、ステッパ等の装置を使用することが好ましい。
露光後、現像液に接触させて所定部分、例えば、未露光部を溶解させ、現像することにより、パターンを得ることができる。現像液としては、アルカリ性化合物(水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等)の水溶液等が挙げられる。該現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。現像後は、水洗することが好ましい。
さらに必要に応じて、ポストベークを行ってもよい。ポストベークは、例えば、150〜230℃、10〜240分間の範囲が好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、明度とコントラストが良好な塗膜、パターン及び高品質なカラーフィルタを得ることができる。また、これらのカラーフィルタ又はパターンをその構成部品の一部として備える表示装置、例えば、公知の液晶表示装置、有機EL装置、固体撮像素子等の種々の着色画像に関連する機器の全てに、公知の態様で、利用することができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り、質量基準である。
以下において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
〔合成例1〕
2−アミノ−4−メチルスルホニル−6−ニトロフェノール(CAS No.101861−04−5)7.5部に水65部を加えた後、水酸化ナトリウム1.3部を加え、溶解させた。氷冷下、35%亜硝酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)水溶液6.1部を加え、ついで35%塩酸19.4部を少しずつ加えて溶解させ2時間撹拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。ついでアミド硫酸(和光純薬工業(株)製)5.6部を水26部に溶解させた水溶液をゆっくりと加え、過剰の亜硝酸ナトリウムを不活性化させた。
ついで、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン(和光純薬工業(株)製)5.6部を水70部に懸濁させ、水酸化ナトリウムを用いて、pHを8.0に調整した。ここに、前記ジアゾニウム塩を含む懸濁液を15分かけて、pHが7から7.5の範囲におさまるように10%水酸化ナトリウム溶液を適宜追加しながら、滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌することで黄色の懸濁液を得た。1時間攪拌した。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(p−2)で表される化合物11.7部(収率87%)を得た。
式(p−2)の化合物10部をジメチルホルムアミド(東京化成工業(株)製)100部に入れて溶解し、硫酸アンモニウムクロム(III)12水(和光純薬工業(株)製)3.1部、酢酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)1.1部を加えた後、4時間半の間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応溶液を20%食塩水1500部へ注入し、ろ過後に得られた赤橙色固体を60℃で乾燥し、式(z−2)で表される化合物13.6部(収率63%)を得た。
〔合成例2〕
撹拌機、温度計、還流冷却器及び、滴下ロートを備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート305部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、アクリル酸60部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50の割合で混合されたもの。)440部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート140部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート225部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、重量平均分子量(Mw)は、9.1×10
3、分子量分布が2.16、固形分34.8%、固形分換算の酸価は81mg−KOH/gの樹脂B1溶液を得た。樹脂B1は下記に示す構造単位を有する。
合成例で得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
実施例1及び比較例1
表3に示す組成となるように各成分を混合して赤色着色硬化性樹脂組成物を得た。
【表3】
1) 顔料は、顔料分散剤及びE−1
2)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合し、予め分散させた。
2) E−1
2)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を表す。
なお、表3中、各成分は以下のものを表す。また、樹脂(B)は、固形分換算の質量部を示した。
化合物(A2):式(1−37)で表される化合物
化合物(A1):式(z−2)で表される化合物
顔料:C.I.ピグメントレッド254
樹脂(B):樹脂B1
光重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
光重合開始剤(D):2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369;BASF社製)
光重合開始助剤(D1):2,4−ジエチルチオキサントン(KAYACURE(登録商標) DETX−S;日本化薬(株)製)
光重合開始剤(D2):イルガキュア OXE01(BASF社製)
溶剤(E):E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
溶剤(E):E−3:ダイアセトンアルコール
〔着色パターンの作製〕
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、赤色着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして組成物層を形成した。放冷後、基板上の組成物層とパターンを有する石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm
2の露光量(365nm基準)で光照射した。尚、フォトマスクとしては、100μmラインアンドスペースパターンが形成されたマスクを使用した。光照射後、上記塗膜を、非イオン系界面活性剤0.12%と炭酸ナトリウム2%を含む水系現像液に23℃で80秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、230℃で20分間ポストベークを行い、着色パターンを得た。
〔膜厚測定〕
得られた着色パターンについて、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製)を用いて膜厚を測定した。結果を表4に示す。
〔色度評価〕
得られたガラス基板上の着色パターンについて、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の等色関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)及び三刺激値Yを測定した。Yの値が大きいほど明度が高いことを表す。結果を表4に示す。
〔コントラスト評価〕
フォトマスクを使用せずに露光し、現像を行わない以外は着色パターンの形成と同様の操作を行い、ガラス基板上の着色塗膜を作製した。該得られたガラス基板上の着色塗膜について、コントラスト測色機(CT−1;壺坂電機社製、検出器;BM−5A、光源;F−10)を用いて、ブランク値を30000としてコントラストを測定した。ガラス基板上の着色塗膜を、偏光フィルム(POLAX−38S;ルケオ社製)ではさんだものを測定サンプルとした。結果を表4に示す。
【表4】
実施例2及び比較例2
表5に示す組成となるように各成分を混合して赤色着色硬化性樹脂組成物を得た。
【表5】
1) 顔料は、顔料分散剤及びE−1
2)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合し、予め分散させた。
2) E−1
2)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を表す。
なお、表5中、各成分は以下のものを表す。また、樹脂(B)は、固形分換算の質量部を示した。
化合物(A2):式(1−75)で表される化合物
化合物(A3):下記式で表される化合物
化合物(A1):式(z−2)で表される化合物
顔料:C.I.ピグメントレッド254
樹脂(B):樹脂B1
光重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
光重合開始剤(D):2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369;BASF社製)
重合開始助剤(D1):2,4−ジエチルチオキサントン(KAYACURE(登録商標) DETX−S;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D2): イルガキュア OXE01(BASF社製)
溶剤(E):E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
溶剤(E):E−3:ダイアセトンアルコール
〔着色パターンの作製〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に作製した。
〔膜厚測定〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表6に示す。
〔色度評価〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表6に示す。
〔コントラスト評価〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表6に示す。
【表6】
実施例3及び4並びに比較例3
表7に示す組成となるように各成分を混合して赤色着色硬化性樹脂組成物を得た。
【表7】
1) 顔料は、顔料分散剤及びE−1
2)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合し、予め分散させた。
2) E−1
2)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を表す。
なお、表7中、各成分は以下のものを表す。また、樹脂(B)は、固形分換算の質量部を示した。
化合物(A2):式(1−41)で表される化合物
化合物(A1):式(z−2)で表される化合物
顔料:C.I.ピグメントレッド254
ホウ素錯体(F):式(BC−2)で表される化合物
亜鉛錯体(G):式(5)−18で表される化合物
樹脂(B):樹脂B1
光重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
光重合開始剤(D):2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369;BASF社製)
重合開始助剤(D1):2,4−ジエチルチオキサントン(KAYACURE(登録商標) DETX−S;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D2): イルガキュアOXE−01(BASF社製)
溶剤(E):E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
溶剤(E):E−3:ダイアセトンアルコール
〔着色パターンの作製〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に作製した。
〔膜厚測定〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表8に示す。
〔色度評価〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表8に示す。
〔コントラスト評価〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表8に示す。
【表8】
実施例5及び6並びに比較例4
表9に示す組成となるように各成分を混合して赤色着色硬化性樹脂組成物を得た。
【表9】
1) 顔料は、顔料分散剤及びE−1
2)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合し、予め分散させた。
2) E−1
2)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を表す。
なお、表9中、各成分は以下のものを表す。また、樹脂(B)は、固形分換算の質量部を示した。
化合物(A2):式(1−37)で表される化合物
化合物(A1):式(z−2)で表される化合物
顔料(A3):C.I.ピグメントレッド254
顔料(A4):C.I.ピグメントレッド177
顔料(A5):C.I.ピグメントレッド242
顔料(A6):C.I.ピグメントイエロー150
樹脂(B):樹脂B1
光重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D): イルガキュア OXE01(BASF社製)
界面活性剤(H): SH8400(東レ・ダウコーニング社製)
溶剤(E):E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E−2:ダイアセトンアルコール
〔着色パターンの作製〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に作製した。
〔膜厚測定〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表10に示す。
〔色度評価〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表10に示す。
〔コントラスト評価〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表10に示す。
【表10】
3) 比較例4は、現像操作を行ったが、現像されず、ガラス基板上に着色パターンは形成されなかった。
実施例7及び比較例5
表11に示す組成となるように各成分を混合して赤色着色硬化性樹脂組成物を得た。
【表11】
1) 顔料は、顔料分散剤及びE−1
2)欄記載の量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと混合し、予め分散させた。
2) E−1
2)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート含有量の合計を表す。
なお、表11中、各成分は以下のものを表す。また、樹脂(B)は、固形分換算の質量部を示した。
化合物(A2):式(1−37)で表される化合物
化合物(A1):式(z−2)で表される化合物
顔料(A3):C.I.ピグメントレッド177
顔料(A4):C.I.ピグメントイエロー150
樹脂(B):樹脂B1
光重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D): イルガキュア OXE01(BASF社製)
界面活性剤(H): SH8400(東レ・ダウコーニング社製)
溶剤(E):E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E−2:ダイアセトンアルコール
〔着色パターンの作製〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に作製した。
〔膜厚測定〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表12に示す。
〔色度評価〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表12に示す。
〔コントラスト評価〕
上記実施例1及び比較例1の記載と同様に測定した。結果を表12に示す。
【表12】
4) 比較例5は、現像操作を行ったが、現像されず、ガラス基板上に着色パターンは形成されなかった。