特許第6493927号(P6493927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィネッセ ソリューションズ、インコーポレイテッドの特許一覧

特許6493927バイオプロセスコンテナ用の無菌コネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6493927
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】バイオプロセスコンテナ用の無菌コネクタ
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20190325BHJP
【FI】
   C12M1/00 C
   C12M1/00 G
【請求項の数】31
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2016-569980(P2016-569980)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公表番号】特表2017-518749(P2017-518749A)
(43)【公表日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】US2015033057
(87)【国際公開番号】WO2015184189
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年2月28日
(31)【優先権主張番号】14/292,637
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/724,659
(32)【優先日】2015年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516353652
【氏名又は名称】フィネッセ ソリューションズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】セルカー、マーク
(72)【発明者】
【氏名】パルダス、バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン、ティモシー
【審査官】 金田 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−501793(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0124035(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0151482(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00−3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
要素に取り付けられた無菌コネクタを介して、バイオプロセス要素内に滅菌済み周辺機器を設置するための無菌周辺機器接続アセンブリであって、前記周辺機器接続アセンブリは、
a.アプリケータスリーブ内に配置されたキャリアであって、前記キャリアは、前記キャリアが設置される場所で前記バイオプロセス要素上の前記無菌コネクタと漏れ止めシールを形成する前記滅菌済み周辺機器およびシール部材を有し、前記キャリアは、前記アプリケータスリーブ内の位置から、前記無菌コネクタと係合する位置へ挿入されることで、前記漏れ止めシールを形成する、キャリアと、
b.前記アプリケータスリーブおよびアプリケータコネクタを有するアプリケータであって、前記アプリケータコネクタは、前記バイオプロセス要素上の前記無菌コネクタと接続するための要素側開口部を含む、アプリケータと、
c.前記バイオプロセス要素内に設置する前に前記滅菌済み周辺機器を無菌状態に維持するべく、前記アプリケータスリーブの前記要素側開口部を覆う取り外し可能ハーメチックシールタブと
を備える、無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項2】
前記バイオプロセス要素が自己完結型コンテナまたは流路である、請求項1に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項3】
前記バイオプロセス要素がバイオリアクタまたはフィルタ流路である、請求項1または2に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項4】
前記周辺機器が単回使用センサである、請求項1から3のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項5】
前記キャリアは、2またはそれより多いセンサを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項6】
前記キャリアが、前記キャリアの側面に露出型検出面がある1または複数のセンサを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項7】
前記キャリアが概してシース形であり、前記キャリアの端部に露出型検出面があるセンサを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項8】
前記アプリケータは、前記アプリケータスリーブ上の開口部と係合するクリップまたはレッジを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項9】
前記シール部材がOリングを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項10】
前記アプリケータスリーブが剛性材料から構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項11】
前記アプリケータスリーブが、管状の形状を有し、前記アプリケータの内面とシールを形成する実質的に円形の形状を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項12】
前記アプリケータコネクタと前記無菌コネクタとを固定するためのクランプをさらに有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項13】
前記アプリケータは、1または複数の開口部を有し、前記キャリアは、前記キャリアが前記無菌コネクタと係合して前記漏れ止めシールを形成するときに前記1または複数の開口部に挿入される、1または複数のクリップを有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項14】
前記周辺機器は、前記バイオプロセス要素内に設置され、その結果、設置された位置にある前記キャリアの一端は、前記無菌コネクタを通って前記バイオプロセス要素内まで延在する、請求項1から13のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項15】
前記アプリケータコネクタは、前記キャリアが前記無菌コネクタ内に挿入されている間に、前記無菌コネクタにハーメチックシールを提供する、請求項1から14のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項16】
前記アプリケータは、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、共重合ポリエステル、および、それらの任意の組み合わせからなる群から選択された材料からできている、請求項1から15のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項17】
前記アプリケータは、動物由来成分フリー、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリー、ならびに、ガンマ線および電子ビームに対して安定なUSPクラスVI材料から構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項18】
前記キャリアは、前記キャリアが前記無菌コネクタによって所定位置に挿入されるときに、前記アプリケータスリーブとハーメチックシールを形成するためのOリングを有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項19】
前記取り外し可能ハーメチックシールタブは、前記滅菌済み周辺機器が設置される場所で前記アプリケータを前記バイオプロセス要素上の前記無菌コネクタに接続した後、および、前記キャリアを前記アプリケータ内の位置から前記無菌コネクタと係合する位置へ挿入する前に、前記無菌周辺機器接続アセンブリから取り外される、請求項1から18のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項20】
前記取り外し可能ハーメチックシールタブは、約1ミルから20ミルの間の厚さであるフィルムまたはシートを有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項21】
前記取り外し可能ハーメチックシールタブが、USPクラスVI、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリー、動物由来成分フリーのポリマープレートを有する、請求項1から20のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項22】
前記取り外し可能ハーメチックシールタブが接着剤でコーティングされる、請求項1から21のいずれか一項に記載の無菌周辺機器接続アセンブリ。
【請求項23】
a.請求項1に記載の前記無菌周辺機器接続アセンブリと、
b.前記無菌コネクタが取り付けられたバイオプロセス要素筐体と
を有する、バイオプロセス要素キット。
【請求項24】
前記バイオプロセス要素筐体が単回使用バイオプロセスベセル筐体または流路である、請求項23に記載のバイオプロセス要素キット。
【請求項25】
前記バイオプロセス要素筐体が、バイオリアクタ、または流路付きのフィルタとして設計される、請求項23または24に記載のバイオプロセス要素キット。
【請求項26】
前記バイオプロセス要素筐体が、生成物分離用の物質で充填されたコンテナを有する、請求項23から25のいずれか一項に記載のバイオプロセス要素キット。
【請求項27】
バイオプロセス要素に取り付けられた無菌コネクタを介して前記バイオプロセス要素内に滅菌済み周辺機器を設置するための無菌周辺機器接続アセンブリを製造する方法であって、前記無菌周辺機器接続アセンブリは、
(i)アプリケータスリーブ内に配置されたキャリアであって、前記キャリアは、前記キャリアが設置される場所で前記バイオプロセス要素上の前記無菌コネクタと漏れ止めシールを形成する前記滅菌済み周辺機器およびシール部材を有する、キャリアと、
(ii)アプリケータスリーブおよびアプリケータコネクタを有するアプリケータであって、前記アプリケータコネクタは、前記バイオプロセス要素上の前記無菌コネクタに接続するための要素側開口部を有する、アプリケータと、
を備え、
前記方法は、
a.前記キャリアを前記アプリケータ内に配置するする段階と、
b.前記無菌周辺機器接続アセンブリをハーメチックシールされたパッケージに包装する段階と、
c.前記無菌周辺機器接続アセンブリを滅菌する段階であって、前記滅菌は、約15kGyより高い量の放射線への曝露を利用しない、段階と
を有する、方法。
【請求項28】
包装前に前記アプリケータ内の前記キャリアをプラズマ洗浄する段階をさらに有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記アプリケータコネクタの前記要素側開口部上にハーメチックシールタブを接着する段階をさらに有する、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
バイオプロセス要素に取り付けられた無菌コネクタを介して前記バイオプロセス要素内に滅菌済み周辺機器を設置するのに無菌周辺機器接続アセンブリを使用する方法であって、前記無菌周辺機器接続アセンブリは、
(i)キャリアが設置される場所で前記バイオプロセス要素上の前記無菌コネクタと漏れ止めシールを形成する周辺機器およびシール部材を有する前記キャリアと、
(ii)スリーブおよび要素側開口部を含むアプリケータコネクタを有するアプリケータと
を備え、
前記方法は、
a.前記アプリケータの前記アプリケータコネクタを前記バイオプロセス要素上の前記無菌コネクタと接続する段階と、
b.前記アプリケータコネクタの前記要素側開口部を覆うハーメチックシールタブを取り外す段階と、
c.アプリケータスリーブ内の位置から、前記無菌コネクタと係合する位置へ前記キャリアを押し込み、それらと前記漏れ止めシールを形成する段階と
を有する、方法。
【請求項31】
前記アプリケータコネクタを前記無菌コネクタに固定する段階をさらに有する、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、すべての目的で参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、2014年5月30日に出願された、「ASEPTIC CONNECTORS FOR BIO−PROCESSING CONTAINERS」と題された米国特許出願第14/292,637号、および、2015年5月28日に申請された、「ASEPTIC CONNECTORS FOR BIO−PROCESSING CONTAINERS」と題された米国特許出願第14/724,659号の一部継続出願である。
【0002】
過去数十年間にわたって、医学および医薬品開発/バイオプロセスの分野において、単回使用または使い捨ての要素への漸進的な移行が起きている。この移行の大部分は、無菌状態および健康上の要件によって後押しされてきたが、利便性、ならびに、人件費および間接費の最小化が考慮されたことにより、1回の使用あたりのコストなどの問題によっても後押しされてきた。この関係で、バイオプロセス用の検出機器は、単回使用システムの利点を妨害してはならない。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、滅菌済み周辺機器をバイオプロセスベセルまたは要素に滅菌済み周辺機器を設置するための機器および方法について記載する。一態様は、バイオプロセスベセルに取り付けられた無菌コネクタを介して、バイオプロセスベセルまたは要素に滅菌済み周辺機器を設置するための無菌周辺機器接続アセンブリである。バイオプロセス要素は、自己完結型コンテナ(例えばバイオリアクタ)または流路であり得る。いくつかの実施形態において、バイオプロセス要素は、バイオリアクタまたはフィルタであり得る。無菌周辺機器接続アセンブリは、キャリア、アプリケータ、プランジャ、および、取り外し可能ハーメチックシールタブを含む。
【0004】
キャリアは、滅菌済み周辺機器、および、シール部材を含む。キャリアが設置される場所でバイオプロセスベセルまたは要素上の無菌コネクタまたは無菌ベセルコネクタと漏れ止めシールを形成するように構成されている。シール部材は、クリップまたはレッジを含み得る。いくつかの実施形態において、シール部材はOリングを含む。
【0005】
キャリアはディスク形で、キャリアの平坦面上に、露出型検出面を有する周辺機器を備え得る。いくつかの実施形態において、キャリアは、キャリアの平坦面上に、露出型検出面を有する2またはそれより多くの周辺機器を含む。様々な実施形態において、キャリアは全体としてシース形で、キャリアの端部に、露出型検出面を有する周辺機器を備え得る。
【0006】
周辺機器は、光応答を検出するように構成、または設計され得る。いくつかの実施形態において、周辺機器は電気化学的周辺機器、温度用周辺機器、pH用周辺機器、または酸素用周辺機器であり得る。いくつかの実施形態において、キャリアは、酸素用周辺機器、pH用周辺機器、および、温度用周辺機器を含み得る。様々な実施形態において、周辺機器は単回使用の周辺機器である。キャリアは、2またはそれより多くの周辺機器を含み得る。
【0007】
アプリケータは、バイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタに一時的に接続するように構成された、アプリケータコネクタに隣接する、スリーブおよびベセル側の開口部を含む。いくつかの実施形態において、アプリケータは、バイオプロセス要素上の無菌コネクタに一時的に接続するように構成された、アプリケータコネクタに隣接する、スリーブおよび要素側開口部を含む。キャリアがバイオプロセスベセル内に設置された後、アプリケータは、キャリアおよびバイオプロセスベセルまたは要素から取り外されるように構成され得る。アプリケータスリーブは、剛性材料から構成され得る。いくつかの実施形態において、アプリケータスリーブは管状の形状であり、プランジャはアプリケータの内面とシールを形成する実質的に円形の形状を有する。
【0008】
アプリケータコネクタは、クリップまたはレッジを含み得る。いくつかの実施形態において、アプリケータコネクタは、Oリングを含み得る。アプリケータコネクタは、プランジャがキャリアを無菌コネクタまたは無菌ベセルコネクタに挿入されている間、無菌コネクタまたは無菌ベセルコネクタとのハーメチックシールを提供するように構成される。いくつかの実施形態において、アプリケータは、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、または共重合ポリエステルから構成される。様々な実施形態において、アプリケータは、動物由来成分フリー、ラテックスフリー、およびフタル酸エステルフリーのUSPクラスVI材料から構成され、電離放射線によって滅菌することができる。いくつかの実施形態において、電離放射線による滅菌は、電子ビームまたはガンマ線源を伴い得る。
【0009】
プランジャは、アプリケータスリーブ内にあり、アプリケータスリーブ内の位置から、無菌コネクタまたは無菌ベセルコネクタと係合する位置へキャリアを押し込み、漏れ止めシールを形成するように構成されている。いくつかの実施形態において、プランジャは、キャリアを無菌コネクタまたは無菌ベセルコネクタの位置へ押し込む間にアプリケータスリーブとハーメチックシールを形成するためのOリングを有する。
【0010】
取り外し可能ハーメチックシールタブは、アプリケータスリーブのベセル側または要素側開口部を覆うことで、バイオプロセスベセルまたは要素内に設置する前に滅菌済み周辺機器の無菌状態を維持する。取り外し可能ハーメチックシールタブは、滅菌済み周辺機器が設置されることになる場所で、バイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタにアプリケータを接続した後、および、キャリアをアプリケータスリーブ内の位置から無菌ベセルコネクタと係合する位置へ押し込む前に、無菌周辺機器接続アセンブリから取り外されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能ハーメチックシールタブは、約1ミル〜約20ミル(1インチの数千分の一)の厚さを有するフィルムまたはシートを含み得る。バイオプロセスベセルが使用される場合、取り外し可能ハーメチックシールタブは、内圧が約1psig未満となるように、単純なフィルムから構成される。いくつかの実施形態において、取り外し可能ハーメチックシールタブは、USPクラスVI、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリー、動物由来成分フリーのポリマープレートを有し得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能ハーメチックシールタブは、接着剤でコーティングされる。
【0011】
他の態様は、上述の無菌周辺機器接続アセンブリを含むバイオプロセスベセルまたは要素のキット、および、無菌ベセルコネクタまたは無菌コネクタが取り付けられた、バイオプロセスベセルまたは要素の筐体である。様々な実施形態において、無菌ベセルコネクタはバイオプロセスベセルの筐体に取り付けられる。バイオプロセス要素筐体は、単回使用のバイオプロセスベセルの筐体、または、自己完結型コンテナもしくは流路であり得る。いくつかの実施形態において、バイオプロセス要素筐体は、バイオリアクタまたはフィルタとして構成または設計される。様々な実施形態において、バイオプロセス要素筐体は、流路付きのフィルタである。バイオプロセス要素筐体は、生成物分離用の物質を詰めたコンテナを含むフィルタであり得る。
【0012】
さらに他の態様は、(a)キャリアをアプリケータ内に配置する段階と、(b)滅菌時に約15kGyより高い量の放射線への曝露を利用することなく無菌周辺機器接続アセンブリを滅菌する段階と、(c)無菌周辺機器接続アセンブリを、ハーメチックシールパッケージ内に包装する段階とによって、ベセルに取り付けられた無菌コネクタを介して滅菌済み周辺機器をバイオプロセスベセル内に設置するための無菌周辺機器接続アセンブリを製造する方法である。無菌周辺機器接続アセンブリは、(i)キャリアが設置されることになる場所で、バイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタと漏れ止めシールを形成するように構成された周辺機器およびシール部材を含むキャリア、ならびに、(ii)バイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタと一時的に接続するように構成されたアプリケータコネクタと隣接するスリーブおよびベセル側の開口部を含むアプリケータを有する。この方法はさらに、包装された無菌周辺機器接続アセンブリを、バイオプロセスベセル内に設置するための場所へ送り得る。代替的実施形態において、開示される実施形態に関連して記載されたバイオプロセスベセルは、それ以外に流路またはフィルタ経路であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、この方法は、(a)の前に、周辺機器をキャリア構造に適用する段階を含み得る。この方法は、(a)の前に、キャリア構造上のコロニー形成単位(CFU)を減らすプロセスによって、完全な周辺機器を含まないキャリア構造を処理する段階、および、後でキャリア構造に周辺機器を適用する段階を含み得る。いくつかの実施形態において、この方法はさらに、キャリア内の周辺機器を較正する段階と、較正からの情報を保存する段階とを含む。
【0014】
滅菌はさらに、無菌周辺機器接続アセンブリおよび包装をガンマ、ベータ、および/または、エックス線放射に曝露する段階を含む。いくつかの実施形態において、滅菌は、無菌周辺機器接続アセンブリをプラズマ洗浄する段階を含む。いくつかの実施形態において、プラズマ洗浄は、(c)の前に実行される。いくつかの実施形態において、(c)の前に実行されるプラズマ洗浄は、エチレンオキシドによる滅菌の前に包装を行う段階を含み得る。いくつかの実施形態において、プラズマ洗浄は、約40℃未満の温度で大気圧プラズマを使用する滅菌を含む。いくつかの実施形態において、プラズマ洗浄は、室温で実行される。プラズマ洗浄は、プラズマ内の非毒性ガスへの曝露を使用して滅菌する段階を含み得る。使用されない毒性ガスの例には、ホルムアルデヒド、およびエチレンオキシドが含まれる。いくつかの実施形態において、フロースルーシステムに適応される場合、エチレンオキシドが使用される。プラズマ洗浄で使用される非毒性ガスの例として、空気がある。
【0015】
滅菌はさらに、(c)での包装後に、無菌周辺機器接続アセンブリをガンマ、ベータ、および/または、エックス線放射に曝露する段階を含む。包装は、真空包装手順を含み得る。
【0016】
無菌周辺機器接続アセンブリはさらに、(iii)アプリケータスリーブ内にあり、キャリアをアプリケータスリーブ内の位置から無菌ベセルコネクタと係合する位置へ押し込み、漏れ止めシールを形成するように構成されるプランジャ、および、(iv)バイオプロセスベセル内に設置する前に滅菌済み周辺機器を無菌状態に維持するべく、アプリケータスリーブのベセル側の開口部を覆う取り外し可能ハーメチックシールタブを含み得る。
【0017】
他の態様は、(a)アプリケータのアプリケータコネクタをバイオプロセスベセル上の無菌コネクタに接続する段階と、(b)アプリケータスリーブのベセル側の開口部を覆うハーメチックシールタブを取り外す段階と、(c)キャリアをアプリケータスリーブ内の位置から無菌ベセルコネクタと係合する位置へ押し込み、漏れ止めシールを形成する段階とによって、当該ベセルに取り付けられた無菌コネクタを介して滅菌済み周辺機器をバイオプロセスベセル内に設置するのに無菌周辺機器接続アセンブリを使用する方法である。無菌周辺機器接続アセンブリは、(i)キャリアが設置される場所で、バイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタと漏れ止めシールを形成するように構成された周辺機器およびシール部材を含むキャリアと、(ii)アプリケータコネクタと隣接するスリーブおよびベセル側の開口部を含むアプリケータとを有し得る。代替的実施形態において、いくつかの実施形態に関連して記載されるバイオプロセスベセルは、それ以外に流路またはフィルタ経路であり得る。
【0018】
アプリケータコネクタを(a)の無菌ベセルコネクタに接続する方法は、キャリアを無菌ベセルコネクタへ押し込んでいる間に、無菌ベセルコネクタとのハーメチックシールを提供する段階を含み得る。様々な実施形態において、ハーメチックシールタブを取り外す段階は、アプリケータコネクタを無菌ベセルコネクタに接続した後、および、キャリアをアプリケータスリーブ内の位置からバイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタと係合する位置へ押し込む前に実行される。
【0019】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、キャリアがバイオプロセスベセルと漏れ止めシールを形成した後で、アプリケータをキャリアおよびバイオプロセスベセルから取り外す段階を含む。アプリケータコネクタを無菌ベセルコネクタに接続する段階は、キャリアを無菌ベセルコネクタへ押し込む間維持されるハーメチックシールを無菌ベセルコネクタに提供する段階を含み得る。
【0020】
バイオプロセスベセルは、自己完結型コンテナであり得る。いくつかの実施形態において、バイオプロセスベセルは、バイオリアクタであり得る。バイオプロセスベセルは、単回使用のバイオプロセスベセルであり得る。代替的実施形態において、上述の実施形態に関連して記載されたバイオプロセスベセルは、それ以外に、流路またはフィルタ経路であり得る。
【0021】
様々な実施形態において、周辺機器は、光応答を検出するように構成または設計され得る。周辺機器は、単回使用の周辺機器であり得る。キャリアは、2またはそれより多くの周辺機器であり得る。いくつかの実施形態において、キャリアは酸素用周辺機器、pH用周辺機器、温度用周辺機器を含む。キャリアはディスク形で、キャリアの平坦面上に、露出型検出面を有する周辺機器を備え得る。様々な実施形態において、キャリアは全体としてシース形で、キャリアの端部に、露出型検出面を有する周辺機器を備え得る。シール部材は、クリップまたはレッジを含み得る。いくつかの実施形態において、アプリケータスリーブは剛性材料から構成される。アプリケータスリーブは管状の形状であり、プランジャはアプリケータの内面とシールを形成する実質的に円形の形状を有する。アプリケータコネクタも、クリップまたはレッジを含み得る。
【0022】
他の態様は、要素に取り付けられた無菌コネクタを介してバイオプロセス要素内の滅菌済み周辺機器を設置するための無菌周辺機器接続アセンブリを含み、当該周辺機器接続アセンブリは、
a.アプリケータスリーブ内に配置されたキャリアであって、キャリアは、滅菌済み周辺機器と、キャリアが設置される場所で、バイオプロセス要素上の無菌コネクタと漏れ止めシールを形成するように構成されたシール部材とを含み、キャリアは、アプリケータスリーブ内の位置から、無菌コネクタと係合する位置へ挿入されて漏れ止めシールを形成するように構成された、キャリアと、
b.アプリケータスリーブおよびアプリケータコネクタを含むアプリケータであって、アプリケータコネクタは、バイオプロセス要素上の無菌コネクタと接続するように構成された要素側開口部を含む、アプリケータと、
c.バイオプロセス要素内に設置する前に滅菌済み周辺機器の無菌状態を維持するべく、アプリケータスリーブの要素側開口部を覆う取り外し可能ハーメチックシールタブと
を有する。
【0023】
バイオプロセス要素は、自己完結型コンテナまたは流路であり得る。いくつかの実施形態において、バイオプロセス要素は、バイオリアクタまたはフィルタ流路であり得る。様々な実施形態において、周辺機器は単回使用センサである。
【0024】
キャリアは、2またはそれより多いセンサを含み得る。いくつかの実施形態において、キャリアは、キャリアの面上に、露出型検出面を有する1または複数のセンサを備える。キャリアは全体としてシース形であり得、キャリアの端部に、露出型検出面を有するセンサを備え得る。
【0025】
アプリケータは、アプリケータスリーブの開口部と係合するように構成されたクリップまたはレッジを含み得る。いくつかの実施形態において、シール部材はOリングを含む。アプリケータスリーブは、剛性材料から構成され得る。いくつかの実施形態において、アプリケータスリーブは、管状の形状を有し、アプリケータの内面とシールを形成する実質的に円形の形状を有する。
【0026】
いくつかの実施形態において、無菌周辺機器接続アセンブリはさらに、アプリケータコネクタと無菌コネクタとを固定するように構成されたクランプを有する。アプリケータは、1または複数の開口部を含み得て、キャリアは、キャリアが無菌コネクタと係合して漏れ止めシールを形成する場合に1または複数の開口部に挿入されるように構成された、1または複数のクリップを含み得る。いくつかの実施形態において、周辺機器は、設置された位置にあるキャリアの一端が無菌コネクタを通り、バイオプロセス要素の範囲内に延在するように、バイオプロセス要素内に設置される。いくつかの実施形態において、アプリケータコネクタは、キャリアが無菌コネクタに挿入されている間に、無菌コネクタとのハーメチックシールを提供するように構成される。
【0027】
様々な実施形態において、アプリケータは、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、共重合ポリエステル、または、それらの任意の組み合わせからできている。様々な実施形態において、アプリケータは、動物由来成分フリー、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリーのUSPクラスVI材料から構成され、電離放射線によって滅菌可能である。いくつかの実施形態において、電離放射線による滅菌は、電子ビームまたはガンマ線源を伴い得る。キャリアは、キャリアが無菌コネクタの位置に挿入されている場合にアプリケータスリーブとハーメチックシールを形成するためのOリングを含み得る。
【0028】
取り外し可能ハーメチックシールタブは、滅菌済み周辺機器が設置されることになる場所で、バイオプロセス要素上の無菌コネクタにアプリケータを接続した後、および、キャリアをアプリケータ内の位置から無菌コネクタと係合する位置へ挿入する前に、無菌周辺機器接続アセンブリから取り外されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能ハーメチックシールタブは、約1ミル〜20ミルの厚さのフィルムまたはシートを含む。取り外し可能ハーメチックシールタブは、USPクラスVI、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリー、動物由来成分フリーのポリマープレートを含み得る。いくつかの実施形態において、取り外し可能ハーメチックシールタブは、接着剤でコーティングされる。
【0029】
他の態様は、(a)上述のような無菌周辺機器接続アセンブリと、(b)無菌コネクタが取り付けられたバイオプロセス要素筐体とを含むバイオプロセス要素キットに関する。いくつかの実施形態において、バイオプロセス要素筐体は、単回使用バイオプロセスベセル筐体または流路である。バイオプロセス要素筐体は、バイオリアクタ、または、流路付きのフィルタとして構成または設計され得る。いくつかの実施形態において、バイオプロセス要素筐体は、生成物分離用の物質が詰められたコンテナを含む。
【0030】
他の態様は、要素に取り付けられた無菌コネクタを介してバイオプロセス要素内に滅菌済み周辺機器を設置するための無菌周辺機器接続アセンブリを製造する方法に関し、無菌周辺機器接続アセンブリは、(i)アプリケータスリーブ内に配置されたキャリアであって、キャリアが設置される場所で、バイオプロセス要素の無菌コネクタと漏れ止めシールを形成するように構成された滅菌済み周辺機器およびシール部材を含むキャリアと、(ii)アプリケータスリーブおよびアプリケータコネクタを含むアプリケータであって、アプリケータコネクタは、バイオプロセス要素上の無菌コネクタと接続するように構成された要素側開口部を含む、アプリケータとを有し、当該方法は、(a)キャリアをアプリケータ内に配置する段階と、(b)無菌周辺機器接続アセンブリをハーメチックシールされたパッケージ内に包装する段階と、(c)無菌周辺機器接続アセンブリを滅菌する段階であって、滅菌は、約15kGyより高い量の放射線への曝露を利用しない、段階とを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、包装前にアプリケータ内のキャリアのプラズマ洗浄を行う段階を含む。いくつかの実施形態において、この方法はさらに、アプリケータコネクタの要素側開口部でハーメチックシールタブを接着する段階を含む。
【0032】
他の態様は、バイオプロセス要素に取り付けられた無菌コネクタを介して当該要素内に滅菌済み周辺機器を設置するのに無菌周辺機器接続アセンブリを使用する方法に関し、無菌周辺機器接続アセンブリは、(i)キャリアが設置される場所で、バイオプロセス要素上の無菌コネクタと漏れ止めシールを形成するように構成された周辺機器およびシール部材を含むキャリアと、(ii)スリーブ、および、要素側開口部を含むアプリケータコネクタを有するアプリケータとを備え、この方法は、(a)アプリケータのアプリケータコネクタをバイオプロセス要素上の無菌コネクタと接続する段階と、(b)アプリケータコネクタの要素側開口部を覆うハーメチックシールタブを取り外す段階と、(c)アプリケータスリーブ内の位置から無菌コネクタと係合する位置へキャリアを押し込み、漏れ止めシールを形成する段階とを含む。この方法はさらに、アプリケータコネクタを無菌コネクタに固定する段階を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】Thermo Fisher製のバッグのフィルムの層ごとの分解図を示す。
【0034】
図2】摩擦嵌着に基づくシールを有するポート設計を示す。
【0035】
図3】励起および蛍光シグナルの相対的な位相差を示す。
【0036】
図4】光ファイバ位相蛍光定量システムを示す。
【0037】
図5】自由空間光位相蛍光定量システムを示す。
【0038】
図6】自由空間光キャリアを示す。
【0039】
図7】可撓性バイオプロセスシステム用コンテナに使用される取り付けフランジ内にある図6のキャリアを示す。
【0040】
図8】単回使用撹拌タンクシステムで使用される自由空間キャリア(シース)を示す。
【0041】
図9】無菌コネクタの片側を示す。
【0042】
図10】無菌コネクタシステムの両側を示す。
【0043】
図11】細菌の不活性率を紫外線量の関数として示す。
【0044】
図12】低温大気圧プラズマ処理への曝露量の関数としてのCFUレベルの減少を示す。
【0045】
図13】接続前の無菌センサ接続アセンブリの両半分を示す。
【0046】
図14図13で示したセンサコネクタアセンブリの詳細な断面図を示す。
【0047】
図15】無菌センサコネクタアセンブリの段階的な展開を示す。
【0048】
図16】シースベースセンサ無菌コネクタシステムの両側を示す。
【0049】
図17図16のシースベースセンサ無菌コネクタシステムの詳細な断面図を示す。
【0050】
図18】シースベースセンサ無菌コネクタシステムの展開における最初の3段階を示す。
【0051】
図19】シースベースセンサ無菌コネクタシステムの展開における最後の2段階を示す。
【0052】
図20A】シースベースセンサ無菌コネクタシステムの詳細な断面図を示す。
図20B】シースベースセンサ無菌コネクタシステムの詳細な断面図を示す。
図20C】シースベースセンサ無菌コネクタシステムの詳細な断面図を示す。
【0053】
図21】クランプが付いたシースベースセンサ無菌コネクタシステムの詳細な断面図を示す。
【0054】
図22】接続された、クランプ付きのシースベースセンサ無菌コネクタシステムを示す。
【0055】
図23】ネジを使用して無菌ベセルコネクタ内のセンサキャリアおよびフランジを捕捉する代替的な方法を示す。
【0056】
図24】プレス嵌めを使用して無菌ベセルコネクタ内のセンサキャリアおよびフランジを捕捉する代替的な方法を示す。
【0057】
図25】バヨネットマウントを使用して無菌ベセルコネクタ内のセンサキャリアおよびフランジを捕捉する代替的な方法を示す。
【0058】
図26】センサキャリアアセンブリが無菌ベセルコネクタアセンブリに保持される前のアセンブリの要素の断面図を示す。
【0059】
図27】単回使用センサを単回使用バイオプロセスベセルに挿入するのに現在利用されている方法のフローチャートを示す。これは、構築プロセス、較正プロセス、滅菌プロセス、および、関係者間で必要な輸送を詳細に示している。関係者とは、単回使用センサ製造者、単回使用バイオプロセスベセル製造者、およびエンドユーザである。
【0060】
図28】本明細書で記載された無菌コネクタを利用して単回使用センサを単回使用バイオプロセスベセルに挿入するためのシースを挿入する方法を詳述するフローチャートを示す。 [特定の実施形態の説明]
【0061】
バイオプロセス市場は単回使用技術の採用へ急速に移行している。バイオプロセス用単回使用システム実装へのこの移行は、通常のバイオテクノロジー関連製造施設を考慮すれば、容易に理解できる。従来のガラス/スチール製バイオリアクタ、ミキサ、および、精製システムを使用する施設を実装するのに必要なインフラストラクチャは、上述の施設を構築するのに必要な時間および費用と同様に、莫大である。装置自体、ならびに、入口および出口チューブも、316L電解研磨ステンレススチールなどの不活性材料を利用するという要件により、大きな初期資本投資が必要となる。加えて、バイオリアクタ、ミキサ(すなわち、バイオプロセスベセル)、および、下流の処理装置(例えば、クロマトグラフィスキッド、濾過システム)はすべて、利用可能なクリーンルームのスペースに対して非常に大きなフットプリントを有し、設置されると、固定的な構成のままである傾向がある。対照的に、従来の剛性ガラス/スチールソリューションと比較すると、単回使用プラットフォームの大きさ、および固有の性質により、一般に、より容易な保管および再構成が可能となる。単回使用システムの他の利点には、従来の設計と比較して、補助インフラストラクチャの要件が少ないこと、および、時間を節約できることが含まれる。具体的には、準備と滅菌の時間の減少、純水、注入用水、および蒸気発生の必要性の減少、ならびに増殖後運転メンテナンス時間の大幅な減少が挙げられる。加えて、単回使用システム、および関連するプラスチック製チューブは、製造またはプロセス要件の変更時に、迅速かつ効率的に再構成およびバリデーションを行うことに適している。
【0062】
製造コストを下げるべく、および、価格を大幅に下げる必要がある、人口が多い地域へ市場を拡大すべく、バイオプロセスがより高度化するにつれて、自動化が重要となるであろう。教育および訓練を受けた人材が乏しい場所で費用効果の高い現地生産を行うことを可能にすべく、自動化は、操作者の誤りを減らしバッチ間再現性を高める必要があるだけでなく、培地、供給物配合、および緩衝液など、原材料の消費量を最小化する必要もある。これらの材料のオンデマンド生産は、手動による装置操作を減らし、製造工場における補助インフラストラクチャに必要とされる自動化のレベルを高める。さらに、規制上の要件により、生産される各バッチについて、より包括的なデータ収集が必要となり、従って、各生産プロセス段階について、より複雑な測定方針が必要となるであろう。
【0063】
これらの要因すべてによって、製造実行システム層、および、後に自動生成電子バッチ記録において、自動化ソフトウェア(操作者ではなく)で駆動されるプロセスアラーム、ループ訂正、および逸脱レポートを有する、より優れたプロセス制御、および、より詳細なバッチ記録を可能にするべく、測定ポイントの数が増加するであろう。従って、より多くの多様なセンサを上流のバイオプロセスベセルに挿入することが普及するであろう。
【0064】
上流およびインフラストラクチャのベセル内の当該センサの例として、以下が挙げられる。
バイオリアクタのpH、溶存酸素、温度、ヘッドスペース圧力、グルコースなどの代謝パラメータ、細胞密度、および細胞生存率
培地または緩衝液調製ミキサのpH、導電性、温度、および浸透圧
生成物の保持、混合、冷凍/融解用ベセルのpH、導電性、および温度
【0065】
同様に、単回使用の精製および生成物単離スキッドも、より多くの測定ポイントを必要とする。しかしながら、これらの下流のプロセスユニットは、持続的な流れの中で生物系液体を処理するべく、フィルタまたはクロマトグラフィカラムに出入りする流路に、より焦点を当てるという点で、固定した体積の中で液体を保持、再循環、および/または混合する上流またはインフラストラクチャのベセルと異なる。このような「流路」センサの例には、以下が含まれる。
最終生成物の回収、浄化、ウイルス除去、限外/透析濾過に使用される濾過スキッドのpH、導電性、温度、チューブ圧力、液体の流れ
タンパク質または抗体のpH、導電性、温度、および紫外線反応(スペクトルを含む)、ならびに、プロテインAによる生成物の補足、および、陰イオンおよび/または陽イオンの交換を使用する生成物の分離を含む、クロマトグラフィ段階のための他の電子チップベース分析
【0066】
センサは、液体の流れの測定、シリンジ充填、および、最終生成物純度の検証(例えば、ラマン分光法などの分光法)のための単回使用のフィル・アンド・フィニッシュのスキッドにも使用され得る。従って、単回使用センサを単回使用プロセスユニットの操作に挿入できる機能は、いかなる単回使用生産施設の成功する実装にとっても普遍的な要件となるであろう。センサの数が増加するにつれて、汚染のリスクを増加させることなく強固な方法でセンサをプロセスに接続する機能は、非常に重要になるであろう。
【0067】
開示される実施形態は、ベセルまたは流路などのバイオプロセス要素に使用され得る。「ベセル」という用語は一般に、例えば円筒形バイオリアクタまたはミキサなど、形状または構成に係らず、自己完結型で滅菌済みの液体コンテナを指す。いくつかの実施形態は、複数の接合部を有し、耐圧プラスチック製チューブからできている流路に関する。ここで、流路とは、無菌コネクタシステムを使用して接続され得るバイオプロセス(通常は下流のプロセス)で使用される何らかのチューブセット、フィルタ、または、単回使用要素であるが、チューブ溶接もシステムの接続に使用され得る。チューブ直径は一般に、内径で約1/8インチ〜3/4インチの範囲である。
【0068】
この記載の大部分は、単回使用バイオリアクタに焦点を当てているが、原理は一般的に、上流プロセス(USP)および下流プロセス(DSP)分野の両方におけるバイオプロセスで使用される上述の単回使用装置のいずれにも適用される。USPユニットの例には、ミキサおよびバイオリアクタが含まれ、DSPツールの例には、USPで使用されるフィルムと同様のフィルムを使用し得る、クロマトグラフィアセンブリおよび濾過スキッドが含まれる。DSPツールは、従来のセンサに置き換わり、および/または、新しい追加的な分析機能を可能にする単回使用センサを実装し得る。DSPおよびUSPツールの「スマート」センサは、事前に較正され、バイオプロセスベセル自体と共に、ガンマ線照射およびベータ線照射で滅菌される機能を有し得る。
【0069】
多くの異なる形式の単回使用バイオリアクタが考案され、市場に導入されているが、現在、「ピロー」または「ロッカー」バッグおよび撹拌タンクという2つの種類が主流となっている。よく売れている単回使用バイオリアクタの第1の種類は、一般に、ピローまたはロッカーバッグ形式と呼ばれ、例えば、米国特許出願第6,190,913号に記載され、その教示はこの参照によって全体が本明細書に組み込まれている。単回使用バイオリアクタのピローまたはロッカータイプは、一般にバイオリアクタの内容物を混合および散布(曝気)するべく単一軸の周囲で固定するバッグ支持プラットフォームの動きによって誘導される波の動きを利用する。別の使い捨てバイオリアクタは、従来の単回使用実装(例えばステンレススチールおよび/またはガラス)撹拌タンクリアクタであり、インペラおよびスパージャを従来の同等物と同様に利用する。単回使用撹拌タンク実装は、小スケールガラスベセルを機能的に模倣する単回使用ポリマー製ハードシェルバイオリアクタ、および、撹拌モータなどを保持する剛性コンテナ内部に嵌合するプラスチック製ライナバッグを一般に利用する、より大きいスケールの単回使用版も含む(例えば、米国特許出願第7,384,783号の教示は、参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる)。より大きいライナバッグは通常、一般に不活性と見なされている、何らかの形の低密度または超低密度ポリエチレン(LDPEまたはULDPE)、エチレンビニルアセテート(EVA)、または、同様の材料も接触層に利用する多層フィルムラミネートから構成される。ライナタイプの単回使用バイオリアクタベセル(バイオリアクタもしくはミキサ、または、液体の保持セル)は、様々な異なるポリマー材料から構成され得るが、上述の通り、LDPEまたはEVAコポリマーからできている内層(すなわち、水溶性増殖培地と接触するバッグ表面)で構築される。単回使用バイオリアクタベセルの構築に時々使用される他の材料には、高密度ポリエチレン(HDPE)およびケブラー(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)が含まれるが、これに限定されない。例として、図1は、Thermo Fisher Scientificが可撓性バイオリアクタベセルに使用するCX−14フィルムの構造を示す。図1は、Thermo Scientific Hyclone BPC Products and Capabilities 2008/2009から入手した。この図は、Thermo Fisher CX−14フィルムを示しており、バイオプロセス液体と接触する層はA1(低密度ポリエチレン、厚さ10.4ミル)であり、それにA2層(A1とA3を結合させる厚さ0.9ミルの「結合層」)、A3層(エチレンビニルアルコールコポリマー「EVOH」、厚さ1.0ミル)、A4層(A3とA5を結合させる厚さ0.9ミルの別の「結合層」)、最後にA5層(ポリエステル、厚さ0.8ミル)が続く。
【0070】
単回使用バイオリアクタバッグおよび単回使用バイオリアクタベセルが人気を得ているが、一般に、すべての単回使用バイオプロセスベセル(例えば、単回使用バイオリアクタ、単回使用混合ベセル、単回使用液体保持/保存ベセル)について、市場での受け入れが増加している。現在までの大きな問題の1つは、容易かつ迅速に単回使用バイオプロセスベセル(例えばバイオリアクタまたはミキサが含まれるが、これらに限定されない)に統合できる強固な単回使用センサが無いという点である。「強固」とは、正確で、ガンマ線、ベータ線、エックス線放射に対して安定で、リアルタイム検出(バイオプロセスに必要な速度または時間応答の範囲でのリアルタイム)に使用でき、例えば、いかなる24時間の期間内においても顕著なドリフトを発生させることなく、少なくとも21日間、バイオプロセスのモニタリングおよび/または制御に1Hz(または、1Hz未満〜数Hz)で試料を提供することを意味する。
【0071】
単回使用センサは一般に、側面のポートを通して、撹拌されたこれらのより大きい単回使用バイオリアクタに導入されるか、単純に内面に取り付けられる。現在、単回使用光センサを単回使用ベセルに導入する主要な態様は、側面のポートを使用する方法である。これらのポートは、「摩擦嵌着」(単回使用センサ素子を保持するのに接着剤を使用しない、表面領域と単回使用センサとの間の表面間接触)、または、従来のOリングを利用する。これらのポートは、剛性基部およびチューブの可撓性部分から構築され得るか、または、シールを維持するのにOリングを利用する、全体的な剛性構造から構築され得る、あるいは、ポートは全体的に可撓性材料から構築され得る(例えば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、US 2009/0126515 A1を参照)。単回使用センサが単回使用ベセルに導入される別の態様は、単純に、それらをベセルの最深部の表面層に接着し、次に、同一の態様で、バッグ材料を通して照射し、蛍光を集める。単回使用光センサがどのように導入されるかに関係なく、対象となる分析物濃度を測定すべく、それらをベセルの内容物(従って内部領域)に曝される必要がある。
【0072】
この時点で、「周辺機器」を単回使用バイオリアクタに導入するプロセスを詳細に検討することは有益である。ここで、「周辺機器」は、ポートを使用して単回使用ベセルに導入されるものすべてを意味する。通常、周辺機器は、それが挿入されるバイオプロセスベセルの機能を直接的に補助する。一般的な周辺機器には、単回使用センサ、フィルタ、チューブ、およびサンプリングポートが含まれるが、これらに限定されない。理解できるように、周辺機器には、様々な形状、大きさ、構成材料がある。しかしながら、それらの多くは、標準的な構成である、単回使用、および、ポートを介したバイオプロセスベセルへの挿入のために設計されている。ポートを通して周辺機器を追加するプロセスは、剛性および半剛性の単回使用ベセル、ならびに、可撓性ベセル内で行うことが両方望ましい。このように周辺機器を追加することは、有益である。なぜなら、センサ、フィルタなどの構造に使用される材料は一般に、ポリエチレンからできているので、フィルムが共に溶接されるように、単純にベセルに溶接または接着させることはできないからである。一般に、ポリエチレンと熱接着できる材料の数は非常に限定されている。従って、簡便な無菌接続の形成を可能にする方法は、単回使用バイオプロセスベセルの構造に適用されるであろう。本明細書に記載される無菌周辺機器のアセンブリ機器および方法は一般に、バイオプロセスベセル用のいかなる周辺機器にも適用される。言い換えれば、開示されたアセンブリは、センサに限定されない。
【0073】
剛性の単回使用バイオプロセスベセルについては、同様の材料の問題、従って、ポートが存在する。通常、Oリング付きポートが単回使用センサを導入するのに利用される。可撓性フィルムをベースとした単回使用ベセルの構築を開始するとき、フィルムは設計図面に応じて切断または穿孔され、熱接着される(例えば、共に融解される)。しかしながら、素子の多くは異なる材料であり、共に接着させることは容易ではないので、単回使用の業界は、チューブ、センサ、サンプリングサイトなどを追加すべく、ポートまたはフランジの使用をほぼ例外なく採用している。図2は、Thermo Fisherが周辺機器を導入するのに使用する可撓性ポート21の図を示している。このポート21の基部25は、可撓性バッグ26の内層と熱的に接着していることに留意することは有益である。プローブ24は、ポート本体23を通って挿入され、Oリングと置き換わるフランジ22内の成型によってシールが形成されている。通常、バッグに溶接されるポートも、何らかの形態のポリエチレンであり、正確な用途に応じて、可撓性の形態、または剛性の形態で構成され得る。ポートはポリエチレンベースの材料、または適合する材料なので、フィルム材料に熱的に溶接したり、可撓性単回使用ベセル上でオーバーモールドしたりできる。他のベンダは、全体の設計が同様である剛性ポートを利用するが、1または複数の物理的なOリングを利用することで、シールを形成する。
【0074】
例えば、排出フィルタなどの周辺機器は、剛性ポートのホースバーブ端部とベントフィルタとの間にチューブを接続することによって追加される。チューブは多くの場合、ホースバーブで滑らせることが非常に困難であり、潤滑剤、より具体的には、チューブがホースバーブを滑るように表面張力を一時的に変化させる物質が必要である。通常、チューブは次に、チューブが挟まれないことを確実にするべく反対方向に装着される2つのタイラップで固定され、それによりハーメチックシールを形成する。構築の発生を可能にする、表面張力の一時的な変化を提供するのに使用される物質は通常、イソプロピルアルコールおよび水(70%/30%)の混合物、または純イソプロパノールである。純イソプロパノールは、引火性で、陸上輸送(例えばトラック)する必要があり、蒸気が危険を及ぼし得ることから、制御された環境での取り扱いが難しいので、通常、製造組織から低く評価されている。単回使用バイオプロセスコンテナの構造におけるイソプロパノールと水の混合物および/またはイソプロパノールの使用は、標準かつ普遍的な慣行である。多くの場合、構築プロセスが完了したとき、コンテナ内部には、これらの物質が多く(数十ミリリットル以上)蓄積している。単回使用(可撓性または非可撓性)ベセルは次に、cGMP(Good Manufacturing Practice)に適合した用途で使用するべく、2またはそれより多くのバッグで二重に包まれるので、ガンマ線滅菌プロセスの間、それらのバッグは明確にハーメチックシールされ、イソプロパノール/水の混合物、またはイソプロパノールがベセル内に閉じ込められる。
【0075】
その後、これらの物質が内部に閉じ込められた密閉型コンテナに対しガンマ線滅菌を行うことで、化学的により活性の高い他の物質が生成される。例えば、水がガンマ線放射に曝されると(ガンマ線加水分解)、分解して水素、ヒドロキシルラジカル、H(過酸化水素)、過酸化物ラジカル(LaVerne, J.A., Radiation Research 153, 196−200,(2000))を生成する。また、イソプロパノール(COまたはCOH)をガンマ線放射に曝すことで、反応性の高いOHラジカルがより一層多く生成されることは明らかである(J. Environmental Eng. Management, 20/30, 151−156 (2010))。このことは、単回使用ベセル内部には、考慮されたことの無い反応性物質(例えば溶媒)が存在することを意味する。当然、これらはUSPクラスVI(United States Pharmacopia)試験計画で試験されておらず、BPSA、Bio processing Systems Alliance、(bpsalliance.org)小委員会によって単回使用ベセルまたはセンサに関して考慮されていない。H、および、ガンマ線放射後のイソプロパノール化合物のいずれも、細胞増殖に貢献せず、バイオプロセスコンテナ内部の何らかの能動素子(例えば光化学センサ)に対し有害となる可能性がある。
【0076】
これらの反応性化合物は、単回使用ベセル内に導入される検出素子に影響を与える。潜在的に有害な反応性化合物は、水蒸気、酸素、プラスチックが存在する、現在利用されている単回使用ベセルのすべて、または大部分において形成される。各材料の中で生成される、これらの反応性化合物の濃度、ならびに、表面積および内容物(例えば、水、イソプロパノールなど)に、これらの量がどのように対応するかは知られていない場合もあるが、多くの文脈において、問題は明確に存在する。
【0077】
すべてではないが、大部分のバイオプロセス用の単回使用要素は現在、ガンマ線放射またはベータ線放射を使用して滅菌される。滅菌の要件の一部は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、国際標準化機構(ISO)公開番号11137−2によって規定される(ISO 11137: iso.org/iso/catalogue_detail.htm?csnumber=51238)。
【0078】
この規格は、放射線量を規定し、細菌のコロニー形成単位(CFU)の数の一定の減少を義務付ける。cGMP製造用途における通常のガンマ線放射の量は、25kGy〜40kGyであり、CFUの数に関する統計的研究が各四半期に実行される。しかしながら、細菌、および、偶発性物質の量が十分に低いことを確実にすべく、バイオプロセス業界における多くの企業は、より高いレベルのガンマ線放射を必要としている、または必要としてきた。高いレベルのガンマ線放射が必要とされているので、多くの場合、上述のISO 11137−2などの規格への適合に関する余裕を増やすべく、単回使用要素のアセンブリが必要とされている。
【0079】
ガンマ線放射は、特に、医薬品、医療、バイオテクノロジーの分野における単回使用要素の滅菌の非常に簡便かつ有効な方法であるが、上述されたもの以外にも、意図されない副作用が多くある。25kGyであっても、単回使用要素を構築するのに使用される材料に対し、多くの重大な悪影響が存在する。これらには、脆弱化および使用中の破損または漏れの原因となる、ポリマーの架橋と、色に影響を及ぼす、色中心の形成または他の物質レベルの欠陥(例えば、吸収スペクトルが変更される)と、物質特性の根本的変化(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、Structural Modifications of Gamma Irradiated Polymers: AN FTIR Study, Advances in Applied Science Research, D. Sinha, 2012, 3, (3):1365−1371)とが含まれるが、これらに限定されない。加えて、近年の研究が示すところによると、物質用コンテナとしての、または、バイオリアクタライナのための用途に対し、これまで完全に安全かつ「純粋」と考えられてきた低密度ポリエチレンなどの物質は、ガンマ線放射への曝露後、従来考えられていたほど不活性ではなくなる。実際、近年の文献(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、Identification of a Leachable Compound Detrimental to Cell Growth in Single−Use Bioprocess Containers, Hammond et al., PDA Journal of Pharmaceutical Science and Technology, Vol. 67, N0. 2, March−April 2013)が明確に示すところによると、上述のCX−514フィルムは、ガンマ線放射への曝露後、細胞増殖に対し、有害な性質を示す。この論文は、当該分野で注目されている問題の少なくともいくつかの原因として、ポリエチレンの多くの形態に存在する抗酸化剤(例えば、トリス(2,4‐ジ‐tert‐ブチルフェニル)亜リン酸塩)などの化合物を同定している。本論文は、ガンマ線放射プロセスによって生成される、これらの抗酸化剤の副産物(例えば、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸(bDtBPP))を同定している。ガンマ線放射は、LDPEに残った抗酸化剤を分解する。多くの場合、抗酸化剤は、フィルムの圧延中に完全に消費されない。Hammondらは、バイオ医薬品開発に一般に使用される多くの細胞系列の細胞増殖をbDtBPPによって抑制できることを示した。Hammondらの論文に記載されている、抗酸化剤のガンマ線放射への曝露の他の副産物は、リン酸である。ベセルの表面領域、および、導入された能動素子の感度によっては、多くの悪影響を受けることは明らかである。しかしながら、Hammondらのこの論文が公開される前でも、ガンマ線を照射したときにポリエチレンフィルムが水素を発生させ得ること、および、これが、ガンマ線プロセスの間に酸素が存在する場合にも生成されるオゾンと相互作用し得ることは、一般に知られていた。大部分のバイオプロセスコンテナ/バイオリアクタは、滅菌プロセス中に真空ではない密閉型ベセルであるので、リン酸、水素、オゾン、および過酸化水素が同時に同量存在する可能性は非常に高い。また、使用される正確な材料、および、ガンマ線曝露中のベセルの状態に応じて、ガンマ線滅菌の直後に、活性の高いフリーラジカルが単回使用ベセル内に存在する可能性もある。
【0080】
フリーラジカルおよび放射線副産物の存在によって直接的に減少させられた細胞の力価および生存率に加え、これらの副産物はまた、ガンマ線曝露前に単回使用バッグに導入された能動素子(例えばセンサ)に影響を与え得る。実際、当該分野で多く記載されているように、溶存酸素(DO)、pH、溶存CO(dCO)などの分析物の単回使用光センサは、単回使用バイオプロセスコンテナにおけるガンマ線放射への曝露によって悪影響を受ける。ガンマ線曝露は、容易に説明できる、2つの異なる機構によって、センサに影響を与える。第1の機構は、ガンマ線放射に曝露したときの、分子の鎖切断(sterigenics.com/crosslinking/crosslinking.htm)であり、第2の機構は、コンテナの構築中、および、コンテナ内でのガンマ線放射への曝露中、スポットに影響を与える表面媒介効果と考えられる。
【0081】
この背景情報を考慮すると、この分野における単回使用センサの使用事例を確認することは有益である。現在もっとも一般に配備されている、単回使用ベセルにおける分析物の単回使用センサは、溶存酸素(DO)、pH、および溶存CO(dCO)を測定するための光センサである。多くの場合、これらの量は、位相蛍光定量の原理に基づくセンサを使用して測定される。センサスポットは、色素、および/または、光学的に色素のように振る舞う無機化合物を使用して構成されることがもっとも一般的である(参照によってその全体が本明細書に組み込まれるLakowicz, Principles of Fluorescence of Spectroscopy, 3rd edition, Springer 2006を参照)。これらの物質は、ポリエステル、マイラー、または、同様の不活性USPクラスVI、ADCF材料でできた、小さい(通常は直径3〜7mm)光学的に透明なディスクの上でコーティングされ、対象の分析物が測定される、ベセル内部の領域に配置される。コーティングは時々、「スポット」と呼ばれる。
【0082】
電気通信の革新によって低価格の光源(LED)および検出器が実現したことにより、この検出様式は、過去20年間で急速に進歩した。この種の検出は、小型化および/または非侵襲的にすることが可能なので、バイオプロセスで広く使用されており、例えば、医薬品およびバイオテクノロジーで、より一般に使用されている。センサ素子は、USPクラスVI、動物由来成分フリー(ADCF)形式で生産できることに留意することも重要である。電子工学および光源の進歩に伴い、周波数領域における情報収集の使用は、蛍光検出の分野に対する魅力的なアプローチとなった。変調された励磁シグナルに対する、蛍光シグナルの位相遅延を利用するセンサは、蛍光寿命に基づく。位相蛍光定量システムは、分析物濃度の関数としての放射された蛍光シグナルの位相遅れにおける変化を検出することで機能する。ほとんどの場合、このアプローチは、時間領域における蛍光強度のクエンチを監視することに比べ、センサにとって、より有効な基盤であることが分かっている。一般に、励起光源は周波数fで変調され、光は分析物の感受性色素に衝突する。図3で示されているように、色素は、同一の変調周波数で、位相が遅れた、より長い波長の光(蛍光シグナル)を再放射する。位相遅延は、蛍光物質のエネルギーレベルは、それらに関連する有限の時間定数を有するという事実によって引き起こされる。多くの態様において、遅延の原因を理解するべく、蛍光物質を従来の電気的ローパスフィルタに類比することができる。蛍光状態は、環境の関数である静電容量を有するキャパシタとして考えることができる。所与の周波数で、ローパスフィルタを通過したシグナルの位相は、キャパシタの値によって影響を受ける。同様に、励磁シグナルと、放射された蛍光シグナルとの間の位相遅延は、分析物濃度の関数である。この遅延の例は、図3で示されている。(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、C. M. McDonagh et al., Phase fluorimetric dissolved oxygen sensor, Sensors and Actuators B 74, (2001) 124−130を参照)。図3は、励起波31、放射波または蛍光波32、および、その2つの間の位相遅延33を示す。位相遅延φ、および、それと変調周波数f、蛍光寿命時間τとの関係は、以下の方程式で表される。 φ=ArcTan(2πfτ)
τは分析物濃度の変化に合わせて変化する。つまり、φも分析物濃度の変化に合わせて変化する。励磁シグナルと蛍光シグナルとの間の位相遅延を計算することを可能にする方法および適切なデータ処理装置が当業者に知られている(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、Lakowicz, Principles of Fluorescence of Spectroscopy, 3rd edition, Springer 2006を参照)。
【0083】
位相蛍光定量に基づくセンサの構築は、一般に、光ファイバに基づく照射、および、捕集配置を使用することが望ましいが、これは唯一の方法ではない。光ファイバに基づく設計は、図4に示されている。図4に描写されたシステムの態様では、励起光41が42によって、離れた場所でフィルタリングされ、ファイバ43内に結合される一方、44を通って戻る46からの捕集蛍光シグナルは、フィルタ47を通って、やはり色素46およびレンズ45から離れた場所にある光検出器49へ届く。これにより、光源とカップリングすべてが、データ処理用電子部品と等しい場所で発生するシステムが実現する。これにより、設計および実装の問題のいくつかが単純化し、離れた場所からの励起光の供給および蛍光シグナルの捕集に光ファイバを使用することが可能になるが、複数の態様で制限もある。第1に、曲げ、および、他の機械的摂動に耐えるファイバの能力が制限される。ファイバまたはファイババンドルを曲げることにより発生する照射光およびシグナル光の両方の漏れの結果、励起光は、最適な強度未満で蛍光色素分子に衝突し、捕集された蛍光シグナルの損失は、シグナル/ノイズ比を大幅に減少させ得る。複数のファイバまたはファイババンドルの使用は有効であるが、システムのコストおよび複雑性を著しく増大させる。蛍光シグナルの捕集は多くの場合、非常に厄介な問題であり、ファイバ(またはファイババンドル)が光を捕集する能力は制限される結果、この種の大部分のシステムは、蛍光色素分子によって放射される光の実質的に10%未満の量を捕集する。このことは通常、必要とされている強度より、強度が遥かに高い励起ビームを使用することにつながる。蛍光色素分子は光分解しやすく、その有用な検出寿命は、この事実によって制限されるので、このことは重要である。蛍光色素分子の光分解、さらには、蛍光色素分子が固定されるホストマトリックスの光分解は、測定値のドリフト、および、低い蛍光効率から明らかである。
【0084】
光分解に関する問題により、自由空間光を使用して位相蛍光定量センサを構築する他の方法が市場で受け入れられるようになっている。自由空間光は、蛍光放射光の捕集効率を大幅に高め、これにより、励起光を大幅に減らすことを可能にする。励起光の減少は、それに応じて光分解の速度を低下させ、それにより、蛍光色素分子の検出寿命を延ばすことを可能にする。この方法は、米国特許出願第7,489,402 B2号および7,824,902 B2号に記載され、これらの教示は、この参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。図5は自由空間光位相蛍光定量検出システムのこの種類の例を示す。図5において、素子50は、励起光源であり(通常はLED)、素子51は、50のスペクトルを形成するフィルタである。53は、光52の焦点を蛍光色素分子59Bに合わせるレンズである。素子54は、蛍光色素分子59Bが取り付けられる単回使用素子であってよく、または、バイオプロセスコンテナ/バイオリアクタの内壁55であってよい。放射された蛍光シグナル56は、蛍光シグナルの波長(色)でない光を光検出器58に衝突する前に除去するフィルタ57を通って送信される。光学アセンブリの全体は通常、蛍光色素分子および検出器の両方からの周辺光をブロックする不透明な筐体59に囲まれる。
【0085】
図6は、蛍光色素分子または光化学センサスポットが取り付けられる物理的プラットフォームを示す。他のパラメータ(例えば温度)は、この物理的プラットフォーム、または「キャリア」を通して測定できる。図6に示された特定のキャリアは、凹型の「カップ」62および63に取り付けられた光化学センサスポットを使用することによって溶存酸素およびpHを測定し、キャリアに成型された316L電気摩耗プレートを有するカップ61を通して温度を測定するように構成されている。図7は、取り付けフランジに密封して取り付けられたこのキャリアを示す。図7において、先行技術のキャリアは、72と示され、取り付けフランジは73と示されている。取り付けフランジは通常、可撓性のバイオプロセスコンテナの内層に熱的に溶接できるように、何らかの形態の低密度ポリエチレンまたは適合する材料からできている。これは米国特許出願第2012/0244609 A1号に記載され、その教示は参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0086】
位相蛍光定量光センサのすべては、検出を可能にする蛍光色素はバイオプロセスベセル内部に存在する必要があるという、共通の特徴を共有する。上述の通り、バイオプロセスの当業者は、ガンマ線放射後、検出スポットはガンマ線放射前と同様に機能しないことを発見した。上述の通り、ガンマ線放射は、すべての物質と同様に、色素およびセンサスポットを含むマトリックスの分子鎖切断が可能である。ガンマ線放射と、単回使用バイオリアクタを構築するのに使用される材料およびその内容物との間の相互作用の詳細は、Hammondらによる論文から明らかなように、よく理解されなかった。これにも関わらず、いくつかの影響が注目され、これらを克服するための試みが行われた。このことは、上述の問題への対処を試みる、以下の一連の3つの特許から明らかである。これらの特許出願はすべて、次のガンマ線放射の間、および直後に、単回使用ベセル内に生成された物質からセンサスポットを保護または隔離する方法を目的としている。これらの特許出願(WO 2010/001457 A1, WO 2011/066901)は、スポットを保護するポケットまたは筐体の一種を形成することによって、ガンマ線プロセスの間にスポットが含まれる区画の体積を最小化することを目的としている。これにより、ガンマ線滅菌プロセスによって生成された揮発性物質のいくつかとの相互作用が最小化されるが、全体的に効果を除去することはない。第3特許出願(WO2011/015270 A1)は、ベセルに液体(例えば、細胞増殖の培地)が充填された場合に溶解する物質でスポットをコーティングすることに焦点を当てる。この特許は、グリセリンまたはグルコースをコーティングとして使用することを教示している。しかしながら、これらのコーティングが提供する保護の程度を示す明確な研究は無く、ガンマ線滅菌プロセスの間にこれらのコーティングによって他の問題が発生しないという証拠も無い。
【0087】
最後に、これらのどのアプローチも、スポット自体が、ガンマ線放射による鎖切断をまだ受けているという事実に対応していない。色素分子、および、それが埋め込まれるホスト物質(スポット)の鎖切断は、一般にセンサスポットの時間応答が大幅に遅くなることと、ガンマ線プロセスの間にスポットの位相応答が変化するという事実から明らかである。40kGyのガンマ線放射時、pHセンサの時間応答は、ガンマ線放射前より大幅に遅くなり(2倍、またはそれより長い)、通常、位相応答は変化し、その結果、使用可能な測定範囲が大幅に減少する。また、スポットの位相応答の変化によって、スポットの較正が、ガンマ線放射前と著しく異なったものとなり、従って、スポットが使用不可能となる。ガンマ線滅菌に所与の線量の曖昧性を考慮すると、スポットを事前に較正するのは非常に困難である。通常の滅菌範囲は、25kGy〜40kGyであり(多くの場合、25kGy〜50kGyを使用)、較正は、これら2つの極致の線量と大幅に異なる。この範囲の中間で較正を提供することを試み、これをガンマ線線量の代表値であると考えることが可能であることは明確である。単回使用ベセルの大部分のベンダが、大きなパレットに生成物をロードし、チャンバ内でそれらを同時に滅菌することによって、滅菌コストを最小化することを試みていることを考慮すると、実行時のパレットにおける広がりは、多くの場合、25kGy〜40kGy以上である。つまり、単回使用ベセルのいくつかは、最小線量に近い線量を受け、いくつかは、最大線量に近い線量を受けるので、単回使用センサは、ガンマ線放射量の広い範囲で機能する必要がある。残念ながら、これは多くの場合、不可能ではなくとも非常に困難である。
【0088】
単回使用の光化学センサを実装および使用する現在の通常のプロセスは、図27で示されるフローチャートに要約されている。ボックス27−Aには、センサの製造および較正が記載されている。この活動は一般に、特定の制御された環境(例えばクリーンルーム)で実行される。通常、光化学センサ(例えばスポット)が作成され、分析物に曝される表面上にコーティングされるか、これに限定されないがポリカーボネートなどの物質上にコーティングされ、その後、スポットは物質のこのシートから除去(punched out)される。どちらにしても、センサのいくつかは、それにより簡便な何らかの形態で、使用条件(例えば、滅菌条件、分析物の詳細)に合わせて較正され、較正はメモリチップ、バーコード、または単純な手動データ入力によって利用可能となる。センサ較正が完了し、確認されると、センサは包装される。この包装は通常、光学的に不透明であり、多くの場合、cGMP受取りへのエントリ、およびクリーンルームのために2、3層の袋掛けを伴う。次のボックスである27−Bでは、単回使用バイオプロセスベセルのベンダの場所で発生する活動が記載されている。通常、光化学センサスポットは、上述のベセル内に配置および/または配向される。これは、ポートを使用するか、ベセルへ密封して取り付けるか、または、単純に光化学センサを内部表面に接着することで可能である。単回使用バイオプロセスベセルの構築が完了したとき、エンドユーザのcGMP環境での用途に合わせ、ベセルは2重または3重に袋掛けされ、次に、ボックス内の所定位置で包装される。ボックスはパレット上で積まれ、ガンマ線放射のために送られる。滅菌中にパレット周りに多くの線量計が頻繁に配置されているという事実にも関わらず、パレットの大きさ、および、密度の変化によって、信頼性の高い一貫した放射線量が困難となる。加えて、線量の空間的なホットスポットは一般的なものであり、多くの場合、回避することが困難で、光化学センサが受信する放射線量の変動性および曖昧性が一層増加する。これにより、理想的な条件にある場合でも、光化学センサと現在関連する較正の正確度が減少する可能性がある。ボックス27−Cは、単回使用バイオプロセスベセルを受け取ったときのエンドユーザの活動を記載する。エンドユーザは通常、ベセルを開封およびセットアップし、次に、スキャン、手動入力、または自動読み取り(例えば、Finesse Solutionsのシステム)によって較正データを入力する。次に、ユーザはセンサの1点標準化、または、2点再較正(Finesse Solutionsのシステムの機能)を実行する。一般に、1点標準化では、光化学pHセンサが使用できるほど機能するには不十分である。
【0089】
位相蛍光センサ化学(スポット)が、ガンマ線放射中に単回使用ベセル内で生成する気体または他の副産物に曝され、同時に、ガンマ線放射自体に曝されるとき、2つの効果が組み合わさって、センサが不正確になるか、または、単純に使用できなくなることがあり得る。ガンマ線照射の効果のいくつかを緩和するための1つの態様は、詳細な事前較正方法および高度なユーザベースの較正計画を策定することである。ガンマ線滅菌または電子ビーム滅菌プロセスの間の単回使用ベセルの条件に、大量の水、イソプロピルアルコール、空気、および/または有機リン酸が含まれる場合、上述の高度な較正アルゴリズムによって提供される介入があっても、放射プロセスの結果、センサスポットは機能しなくなる。センサがベセルのより大きい環境からいくらか遮蔽されている場合でも、スポットの蛍光特性は多くの場合、大幅に損なわれ、その結果、意図する用途(例えば、細胞増殖用の単回使用ベセルの制御、緩衝液の調製など)での使用に十分な信頼性または安定性を失う。
【0090】
この問題を回避する一手段は、各滅菌期間の間にセンサスポットとベセルとを分離する方法および機器を提供することである。センサおよび単回使用ベセル両方は、滅菌される必要があることと、センサが単回使用ベセルに導入されるときに単回使用ベセルおよびセンサスポットの両方の無菌状態が維持される必要があることは明確である。この要件は、適切に設計された無菌コネクタ、および、センサキャリアを取り扱うための適切な方法によって満たすことができる。ここで、「キャリア」は、センサ素子が取り付けられる物理素子を意味し、「適切」は、滅菌、または、通常の最終用途を含む他のプロセスの間に、大量の気体を放出しないことが知られている材料、または大量の気体を放出しないことが証明できる材料から構成されていることを意味する。これらの材料は、ガンマ線滅菌またはベータ電子ビーム滅菌のいずれかの間、単回使用センサスポット用のキャリアに必要なフォームファクタに適合するように構築できる、ポリカーボネート、ポリスルホン、カイナー、または、共重合ポリエステルの適切なグレード(USPクラスVI/ISO1993、動物由来成分フリー、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリー、ガンマ線および電子ビームに対し安定)を含むが、これらに限定されない。このような2つの設計は、図6、7および8に示されている。キャリアは、自由空間光システムで機能することが意図され、それぞれ、米国特許出願第2012/0244609 A1号、および、米国特許出願第7,824,902号で詳細に説明される。
【0091】
米国特許出願第3,865,411号(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)に記載された無菌コネクタは、バイオプロセス業界で使用されてきた。これらは通常、チューブのセット、または、流体輸送のどこかで無菌接続を生じさせるように使用されてきた。基本概念は、個別に滅菌できる2要素を有し、接続の前と後で無菌状態を個別に維持する機能に関する。加えて、接続されたときに、2要素の通路の間での伝達を可能にする。上述の設計の例は、図9に示されている。この図において、91はレセプタクルからつながっている可撓性のチューブまたはコンジットであり、92はチューブに取り付けられた環状フランジであり、93は圧縮性ガスケットであり、94は引っ張りタブ95が付いたダイヤフラムである。コンジット91は、滅菌前に明確に閉じられる必要があり、取り外し可能の引っ張りタブ95が他の開口部を覆う。従って、システムは滅菌でき、使用されるまで無菌状態を維持できる。コネクタは、図10で示されているように、共に使用される。本明細書において、図9に示されているユニットは接続され、各ダイヤフラム6はまとめられ、タブ5はまとめられる。米国特許出願第3,865,411に記載されているように、「2つの継手のアセンブリは次に、適切な機械的手段7(すなわち、バネ式クランプ、または、スナップ嵌めボール)によって共に固定され、その結果、2つのガスケットは、所定の量の圧力で互いに対して圧縮され、密接なシールを形成する」。 実際の使用において、滅菌プロセス後に無菌バリアを維持する、そのような任意の実装は、この分野で容易に利用できる。
【0092】
無菌接続のこの概念は、本明細書に記載された問題に適用され得る。光化学センサスポットと、単回使用バイオプロセスベセルとの分離により、ISO11137−2、および、エンドユーザの無菌状態要件に適合するために必要な任意の規格に従って、単回使用ベセルをガンマ線放射で照射する(より一般に表現すれば、滅菌する)ことを可能にする。また、滅菌プロセス中に光化学センサがベセルの内容物に曝されないように、光化学センサを別個に滅菌することも可能となる。加えて、単回使用ベセルが設計および構築される数か月から数年前ではなく、運転の直前に、プロセスにおいて、どのセンサを使用するか、それぞれ何個使用するか決定することが可能となる。
【0093】
この目的で使用され得る無菌コネクタは、図13に示されている。光化学または光センサスポット、および、そのキャリア13−1は、上部に保持され、一方、底部のスリーブ13−2は、単回使用バイオプロセスベセル(図示せず)に取り付けられる。センサは、光応答を検出するように構成または設計されている。いくつかの実施形態において、電気化学センサ、温度センサ、pHセンサ、酸素センサ、または単回使用センサは、キャリア13−1内に保持される。いくつかの実施形態において、2またはそれより多いセンサがキャリア13−1内に保持される。様々な実施形態において、酸素センサ、pHセンサ、温度センサが、キャリア13−1内に保持される。これが可撓性のバッグである場合、通常は内部表面に熱で溶接されるが、溶接もしくは適切な接着剤、または、保持/取り付けプロセスの使用によって、コンテナの任意の表面に取り付けられ得ることは明確である。従来のアプローチにおいて、これが可撓性の単回使用バイオプロセスベセルに溶接される場合、スリーブ13−2の基部の材料は、バッグの内層と適合するか、または、そのような材料からできているフランジに密封して取り付けられる必要がある。キャリア13−1は、ディスク形であり得、キャリア13−1の平坦面上に、露出型検出面を含むセンサを有する。下記のように、いくつかの実施形態において、キャリアは全体として、シース形であり、キャリアの端部上に、露出型検出面を含むセンサを有する。いくつかの実施形態において、キャリア13−1内の2またはそれより多いセンサは、キャリア13−1の平坦面上に、露出型検出面を有する。
【0094】
以下の例は、センサを含むアセンブリを示すが、この開示は、センサに限定されない。以下の例では、センサの代わりに、フィルタフローチューブ、サンプルポートなど他の周辺機器が使用され得る。図14は、無菌ベセルコネクタ、または、ベセルに取り付けられた無菌コネクタ14−3を介して、滅菌済みセンサをバイオプロセスベセルに設置するための無菌センサ接続アセンブリを示す。この図は、接続が形成される前の無菌センサ接続アセンブリの両半分の全断面図を描画している。示されているのは、図6で示される光キャリア13−1の例である。ここで、図13において13−1として描画されるキャリアは、前のように14−1と記載され、光化学センサスポット、および、温度検出用のステンレススチールウィンドウを保持する。
【0095】
スリーブ14−2は、キャリア14−1およびその密封フランジ14−10を囲む、無菌コネクタ上部の実質的に管状の部分である。センサを保持するこのアセンブリの全体は、センサアプリケータ、またはアプリケータと呼ばれ、アプリケータコネクタ14−4を有する。アプリケータは、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、共重合ポリエステル、または、これらの任意の組み合わせから構成され得る。スリーブ14−2は、剛性材料から構成され得る。アプリケータは、キャリアがバイオプロセスベセルに設置された後で、キャリア14−1およびバイオプロセスベセルから取り外されるように構成され得る。無菌コネクタ14−3の下半分は、単回使用バイオプロセスベセルに取り付けられ、その結果、センサキャリア14−1は後日、ベセルに無菌接続でき、個別に処理でき、無菌ベセルコネクタまたは無菌コネクタ14−3と呼ばれる。両半分は、接続される前に個別に滅菌される。いくつかの場合において、アプリケータは、キャリアがバイオプロセスベセルに設置された後もバイオプロセスベセル上に留まるように構成され得る。すべての部品は、ガンマ線、ベータ線、エックス線に対し安定な材料からできている必要があること、および、すべての接液材料は、ISO10993/USPクラスVIの要件に適合し、動物由来成分フリー、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリーである必要があることに留意すべきである。アプリケータコネクタ14−4は、無菌ベセルコネクタ14−3に一時的または持続的に接続されるように構成され得る。アプリケータコネクタ14−4は、2要素(アプリケータおよび無菌ベセルコネクタ14−3)が圧縮式Oリング14−7によって一体化されるときに、レッジまたはシール部材14−5の周囲で留められ、これによりハーメチックシールユニットを形成するクリップまたは保持装置であり得る。ここで、アプリケータコネクタ14−4は、クリップまたはラッチとして描かれているが、Oリングまたは同等のシール装置が共に係合およびロックされることを可能にする任意の機械的な装置要素を利用することによって、アプリケータコネクタ14−4は、プランジャ14−8がキャリア14−1を無菌ベセルコネクタ14−3に挿入する間に無菌ベセルコネクタ14−3とハーメチックシールを提供するように構成される。いくつかの実施形態において、アプリケータコネクタ14−4は、Oリングである。
【0096】
両半分が共に密封してロックされると、一時的取り外し可能ハーメチックシールタブ14−6が取り外され、同時に、両半分の間に開口部を形成することを可能にする。取り外される前に、取り外し可能ハーメチックシールタブ14−6は、スリーブ14−2のベセル側の開口部を覆うことで、滅菌済みセンサをバイオプロセスベセルに設置する前に当該センサを無菌状態に維持する。ハーメチックシールタブ14−6は、滅菌済みセンサが設置される位置で、バイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタ14−3にアプリケータを接続した後、および、キャリア14−1をスリーブ14−2内の位置から、無菌ベセルコネクタ14−3と係合する位置へと押し込む前に、無菌センサ接続アセンブリから取り外されるように構成される。これらのタブは、低圧の状況に適した単純なフィルムからできていてよく、または、USPクラスVI、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリー、ADCプレートを含んでいてよい。これらのタブは、同時に取り外しやすくするべく、共にくっつくように、接着剤でコーティングされていてよい(または、これらのタブの表面が自然に結合することを可能にする任意の他の技術を利用してもよい)。
【0097】
開口部によって、プランジャ14−8は、14−2を通って下がり、キャリア/フランジ14−1/14−10のOリング14−11を無菌ベセルコネクタ14−3の本体へ押し込むことが可能になる。プランジャ14−8は、押し込みの発生中にハーメチックシールを形成するためのOリング14−11を含み得る。これらのOリング14−11が圧縮されてハーメチックシールを形成すると、保持クリップ14−13は、レッジまたはシール部材14−12の周囲で留められ、キャリア14−1を無菌ベセルコネクタ14−3に保持する。シール部材14−12は、キャリア14−1が設置される位置で、無菌コネクタ14−3との間に漏れ止めシールを形成するように構成される。上述のように、Oリング14−11は、シール部材14−12のようにハーメチックシールを提供するが、任意の同様の手段(例えばガスケット、クリップなど)もこの目的に利用され得る。また、滅菌プロセス中、および、プランジャ14−8が下がるとき、Oリング14−9は、スリーブ14−2とプランジャ14−8との間のハーメチックシールを維持することが留意されるべきである。ハーメチックシールの望ましい実施形態は、潤滑剤または同様の材料を使用することなく維持される。接液され得る材料の量を最小化することで、汚染のリスクが最小化する。しかしながら、USPクラスVI/ISO10993、動物由来成分フリー、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリーの材料が存在し、ハーメチックシールを強化または実現するのに使用され得る。例えば、NuSilが提供する材料のようなシリコーン製品(nusil.com/Products/Healthcare/Restricted/Documents/Restricted%20Healthcare%20Materials%20Selection%20Guide.pdf)などが挙げられる。この無菌コネクタ14−3を使用する場合、図6の光キャリアまたは同様の目的の光化学センサ取り付けプレートを単回使用バイオプロセスベセルに導入するためのポートまたは他の連結方法が必要ないことは明らかである。
【0098】
アプリケータおよび無菌ベセルコネクタを取り付け、接続を展開するプロセスが図15に示されている。C1は事前に滅菌済された別個の部品を示す。C2は、共に接続されロックされた2つの部品を示す。C3は、アセンブリの両半分の間で伝達があるように、それによって、単回使用バイオプロセスベセルと光センサキャリアとの間で伝達があるように、取り外し可能ハーメチックシールタブが取り外された状態のロックされた部品を示す。C4は、下がったプランジャ、および、無菌ベセルコネクタのベセル取り付け部の所定位置にロックされたキャリアを示す。いくつかの実施形態において、バイオプロセスベセルの操作中にアセンブリがC4で示された位置に留まるような、取り外し不可能なアプリケータがある場合でも、センサをすぐに使用できる。いくつかの実施形態において、アプリケータは脱着可能、または取り外し可能である。C5は、取り外されたプランジャ全体と、キャリアであったアプリケータと、センサをすぐに使用できるようにベセル内に展開された光キャリアおよびセンサを含む例を示す。
【0099】
特定の実施形態において、単回使用バイオプロセスベセルは、流体を充填されないか、または、ここでは内部の圧力を高くする(約1psigより高く)という手段で使用される。能動素子が付いた光キャリアの代わりに利用できる、機能しないキャリア、またはブランクが構成され得る。このブランクは、上述の取り外し可能ハーメチックシールタブの周囲における漏れの可能性なく、ベセルを液体で充填できるように、無菌ベセルコネクタをシールするように利用されるであろう。
【0100】
この概念は、図8に示された光センサキャリアを含む、他の形態のキャリアで使用できる。図8において、シース型キャリアの円筒形本体81は、不透明であり、光化学センサスポットが接着または被着される、光学的に透明なレンズまたはウィンドウ82がある。任意の光シールド84は、不透明なコーティングに対応できないスポットに使用される。加えて、ステンレススチールプレート83が成型され、温度を検出するための熱ウィンドウとして機能する。当然、シース型キャリアでは他のセンサ構成を使用できる。
【0101】
図16は、上述と同様の無菌センサ接続アセンブリを利用するシース形キャリアを示す。これにより、図2に示されたポートの必要性が無くなる。本明細書に記載の「シース形」または「シース型」という用語は、設置の前、および、時には設置の間、キャリア、および任意で、関連する構造を包み込むカバーとして定義される。シースはキャリアに対し、密接に嵌着され得る。アプリケータのキャリア16−1(上では「センサアプリケータ」と呼ばれる)はセンサを保持する。一方、無菌ベセルコネクタ16−2は、単回使用バイオプロセスベセルに密封して取り付けられる。
【0102】
図17は、無菌センサ接続アセンブリでの使用に適合されたシース形光キャリアの全断面図を示す。ここでの無菌センサ接続アセンブリは、シース形キャリア17−1を含み、密封フランジまたはスリーブ17−2、プランジャ17−5を含み、これらすべては、アプリケータコネクタ17−7を有するアプリケータ17−3に格納される。スリーブ17−2は、シール(例えば漏れ防止シール)周囲に漏れが無いように、キャリア17−1に取り付けられる。このシールは、エポキシまたは同様の方法によって実現できる。または、無菌センサ接続アセンブリ全体が1つの部品(モノリシック)となるように、シース型光キャリア17−1を成形化することとなり得る。
【0103】
使用中、キャリア17−1およびスリーブ17−2は、センサアプリケータ17−3に挿入され、無菌ベセルコネクタ17−8の下半分17−4は、上述のように、単回使用バイオプロセスベセルに密封して取り付けられる。これらの操作は、異なるタイミング、および/または、異なる団体によって実行され得る。アプリケータ17−3の開口部は、プランジャ17−5、および、上部のOリング17−6によって、ならびに、取り外し可能ハーメチックシールタブ17−9の1つによってハーメチックシールされる。アプリケータ17−3の上半分は、無菌ベセルコネクタ17−8と接続し、その結果、ロック機構17−11がアプリケータコネクタ17−7と係合するので、Oリング17−10がハーメチックシールを形成して取り外し可能ハーメチックシールタブ17−9を共に押し込むことを可能にする。取り外し可能ハーメチックシールタブ17−9が取り外され、アセンブリの両半分の間に開口部が提供される。図14に関連して記載される、代替的なロック機構、取り外し可能ハーメチックシールタブ、およびシールの利用についてのコメントは、ここで等しく適用される。プランジャ17−5が下がり、無菌ベセルコネクタ17−8を通してセンサ光キャリア17−1およびスリーブ17−2をバイオプロセスベセルへ押し込み、ロック機構17−11がスリーブ17−2の突起部を保持ことを可能にする。ハーメチックシールは、Oリング17−10および17−12によって維持される。光キャリアを単回使用バイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタ17−8にロックした状態で、アプリケータコネクタ17−7のロック機構を押す、またはつまむことにより、上半分のアプリケータ17−3およびプランジャ17−5を取り外すことができる。いくつかの場合において、アプリケータ17−3は、バイオプロセスベセルが使用されている間、無菌ベセルコネクタ17−8に取り付けられたままであり、取り外されない。
【0104】
いくつかの場合において、周辺機器接続アセンブリは、周辺機器の大きさおよび形状に適応するべく、図14−17で示された構造から変更される必要があり得る。さらに、いくつかの周辺機器は、ディスクおよびシースのいずれでもないカスタムキャリアを必要とするであろう。
【0105】
周辺機器を設置するプロセスの概要は、図18および図19で示されている。図18において、D1は、内部に含まれシールされた光センサキャリアを有する無菌コンテナの上部、および、ベセルに取り付けられる下半分を示す。両半分は、滅菌済みである。D2は、シールタブがまだ所定位置にある、接続された両半分を示す。D3は、両半分の間での伝達を可能とするべくシールタブが取り外されたシステムを示す。図19において、D4は、下がったプランジャ、および、ベセル側コネクタを通して押し込まれた、フランジが所定位置にロックされた状態の光キャリアを示す。いくつかの実施形態において、バイオプロセスベセルの操作中にアセンブリがD4で示された位置に留まるように、センサが取り外し不可能のアプリケータと共に設置されている場合に、センサをすぐに使用できる。他の実施形態において、アプリケータは脱着可能または取り外し可能である。D5は、光キャリアの側面コネクタおよびプランジャが取り外され、システムがすぐに使用できる状態となっている例を示す。必要なことではないが、単回使用バイオプロセスベセルに任意の液体が充填される前、または、圧力がかけられる前に、ここで示されている無菌コネクタシステムが使用され得ることに再度留意すべきである。シールタブの注意深い設計、および、その保持方法によって、より高い圧力に適応できる。
【0106】
図20A図20Cは、ベセルに取り付けられた無菌ベセルコネクタ20−8を介して滅菌センサをバイオプロセスベセル(図示せず)に設置するための無菌センサ接続アセンブリの例を示す。これらの図は、センサと共にキャリアが挿入される前の無菌センサ接続アセンブリ両半分の全断面図を描いたものである。無菌コネクタ20−8は、例えば、顧客または下流の流通業者へ別個に配送され得るバイオプロセスベセルに取り付けられる。
【0107】
無菌センサ接続アセンブリは、シール部材20−2を含みセンサを保持するように構成されたシース形キャリア20−1を有する。いくつかの実施形態において、キャリア20−1内部のセンサは、キャリア20−1に取り付けられる。キャリア20−1は、アプリケータスリーブ20−13およびアプリケータコネクタ20−7を含むアプリケータ20−3に収容される。シール部材20−2がキャリア20−1に取り付けられるので、シールの周囲に漏れは発生しない(例えば、バイオプロセスベセル内に設置された場合、漏れ止めシールを形成する)。要素20−2と20−1との間のこのシールは、エポキシまたは同様の接着性要素によって形成され得るか、または、キャリア20−1がシール部材20−2と1つの部品(モノリシック)となるように、シースキャリア20−1を成形化することとなり得る。キャリア20−1、および、シール部材20−2を含むその要素すべては、アプリケータスリーブ20−13に対して共に軸方向に移動することで、キャリア20−1をバイオプロセスベセルに挿入するように構成される。バイオプロセスベセルに設置する前、キャリア20−1およびアプリケータ20−3は、要素を滅菌するべく、酸素および湿気を含まないコンテナの中で低線量のガンマ線またはベータ線放射によって照射され得る。特定の実施形態において、約15kGyまたはそれより少ないような比較的低線量の放射線が提供される。
【0108】
キャリア20−1、および、それと関連するシール部材20−2は、アプリケータ20−3に挿入され得て、一方、上述したように、無菌ベセルコネクタ20−8は、単回使用バイオプロセスベセルに密封して取り付けられる(図示せず)。これらの操作は、異なるタイミング、および/または、異なる団体によって実行され得る。いくつかの実施形態において、無菌コネクタ20−8は、包装および滅菌の前に製造業者によって組み立てられる。図20Bは、キャリアを挿入する前のアセンブリを描画したものを示す。バイオプロセスベセルの無菌コネクタの外から見たとき、および、それと組み合わせる前、アセンブリは、キャリア20−1を有し、キャリア20−1は、アプリケータスリーブ20−13上の開口部20−12と機械的に係合させるためのクリップ20−11を含むシール部材20−2を有する。アプリケータスリーブ20−13は、アプリケータコネクタ20−7をさらに含むアプリケータ20−3の一部である。製造中、アプリケータ20−3のベセル側の開口部は、取り外し可能ハーメチックシールタブ20−9によってハーメチックシールされる(図20Bおよび20Cに示す)。また、ハーメチックシールタブ20−9は、無菌コネクタ20−8の開口部を覆い得る。描画された実施形態において、アプリケータ20−3の開口部は、アプリケータコネクタ20−7に隣接している。バイオプロセスベセルからのアセンブリの見え方が図20Cに示されている。ハーメチックシールタブ20−9で見られるように、センサ付きキャリア20−1は、アプリケータコネクタ20−7および無菌コネクタ20−8を接続する前に、アプリケータ20−3内部に位置する。設置後、Oリング20−10(図20Aで示す)は、アプリケータスリーブ20−13と、キャリアと関連するシール部材20−2との間で漏れ止めシールを形成する。
【0109】
図21は、無菌ベセルコネクタ20−8を介してキャリア20−1をバイオプロセスベセルに挿入するためのアセンブリの例を示す。いくつかの実施形態において、センサ20−5およびシール部材20−2を含むキャリア20−1は最初にアプリケータスリーブ20−13に挿入される。キャリア20−1を挿入するべく、アプリケータコネクタ20−7は次に、無菌ベセルコネクタ20−8と揃えられ得る。取り外し可能ハーメチックシールタブ(図示せず)が取り外され、アセンブリの両半分の間で開口部を提供する。少なくともキャリア20−1がバイオプロセスベセル内に設置されている間、アプリケータコネクタ20−7と無菌ベセルコネクタ20−8とを所定位置に保持するのにクランプ20−4が使用され得る。例えば、図21で示されているように、リングクランプ20−4はアセンブリを共に保持する。いくつかの実施形態において、アプリケータコネクタ20−7は、コネクタ20−7の内部の滅菌状態を維持し得る接着性リングおよび殺菌剤を含み、クランプ20−4は、シールを維持するための機械的支持を提供するのに使用される。いくつかの実施形態において、クランプは、キャリア20−1が設置されている間、アプリケータコネクタ20−7および無菌ベセルコネクタ20−8を共に保持するのに使用されない。ハーメチックシールタブを利用するいくつかの実施形態において、クランプ20−4が適用される前に、タブが取り外される。他の実施形態において、クランプ20−4が適用された後、または、接着性接続が形成された後、シールタブが取り外されるが、そのようなクランプまたは接続は、無菌状態を維持しながらタブを取り外せるように十分な柔軟性を可能にする必要がある。
【0110】
図14および17に関連して記述される代替的なロック機構、取り外し可能ハーメチックシールタブ、およびシールの利用は、ここで等しく適用される。シール部材20−2付きキャリア20−1は、アプリケータスリーブ20−13、アプリケータコネクタ20−7、および無菌ベセルコネクタ20−8を通して、バイオプロセスベセルに挿入され、その結果、シール部材20−2上のクリップ20−11およびアプリケータスリーブ20−13は、開口部20−12と連結して機械的な連結を形成する。当然、クランプ、ピン、タブ、摩擦継手などの他の機構が、クリップ20−11および開口部20−12の代わりに使用され得る。描画された実施形態において、ハーメチックシールがOリング20−10によって形成される。キャリア20−1は、軸方向下向きに押すことによってバイオプロセスベセルに挿入され、その結果、シール部材20−2のクリップ20−11、および、アプリケータスリーブ20−13上部の開口部20−12が適合し、ロックし、機械的シールを形成するまで、キャリア20−1およびシール部材20−2は、アプリケータスリーブ20−13に対して移動する。
【0111】
同時に、キャリア20−1のシール部材20−2は、Oリング20−10を使用しながら漏れ止めシールを形成し、センサ20−5は、バイオプロセスベセルに挿入される。アプリケータコネクタ20−7を介して単回使用バイオプロセスベセル上の無菌ベセルコネクタ20−8に接続されたアプリケータ20−3に光キャリア20−1がロックされた状態で、ケーブル、および、他の外部要素は、現在バイオプロセスベセル内にあるセンサ20−5と連結されるキャリア20−1に挿入され得る。代替的に、バイオプロセスベセルへの設置前に、ケーブルおよび/または他の外部要素は、キャリア20−1へ適用される。いくつかの実施形態において、周辺機器またはセンサ20−5を交換する必要があるまで、いかなる要素も取り外されないように、バイオプロセスベセルの操作中、無菌周辺機器接続アセンブリは、図21に示された位置に留まる。
【0112】
図22は、アプリケータコネクタ20−7と無菌コネクタ20−8とを共に保持するべく、アプリケータコネクタ20−7およびアプリケータ20−3を保持する保持するクランプ20−4を示す。クランプの例には、バネ式クランプ、または、スナップ嵌めボール、Cクランプ、アキシアルクランプ、スナップ、および、リングクランプが含まれる。この図において、上面図と底面図の両方で描かれるキャリア20−1は、無菌コネクタ20−7を通して完全に挿入され、シール部材20−2はアプリケータ20−3内部にあることに留意されたい。
【0113】
開示される実施形態は、ユーザへの簡便かつ効率的な納入に適切である。図20A−22に示されたアプリケータアセンブリの製造、滅菌、および、挿入は、以下の操作を含み得る。図20A−20Cに関連して上述したように、無菌コネクタはバイオリアクタに取り付けられる。アプリケータアセンブリは別個に製造、滅菌され、エンドユーザに別個に納入される。例えば、アプリケータは、アプリケータスリーブ、アプリケータコネクタ、アプリケータコネクタの開口部を密封し得るハーメチックシールタブ、および、シール部材とセンサとを含むキャリアを含み得る。アプリケータは次に、特定の線量(例えば、約15kGy、またはそれより低い)のガンマ線照射など、承認された適切な滅菌方法を使用して滅菌され得る。滅菌されたアプリケータは次に、エンドユーザの施設へ納入され得る。それにより、ユーザは、アプリケータコネクタを無菌コネクタとを位置合わせし、ハーメチックシールタブを取り外し、クランプを無菌コネクタおよびアプリケータコネクタのフランジ部分の周囲に適用して無菌周辺機器接続アセンブリを形成し、漏れ止めシールを形成しながらキャリアをバイオプロセスベセルに押し込むことによって、滅菌済みアプリケータをアプリケータコネクタへ取り付け得る。このシステムは次に、バイオプロセスベセルを操作し、センサ測定値を取得することによって、すぐに使用され得る。
【0114】
いくつかの場合において、周辺機器接続アセンブリは、周辺機器の大きさおよび形状に適応するべく、図14−22に示された構造から変更される必要があり得る。さらに、いくつかの周辺機器は、ディスクおよびシースのいずれでもないカスタムキャリアを必要とし得る。
【0115】
上述のように、キャリア/フランジと無菌ベセルコネクタとの間に無菌接続を形成するための複数の態様がある。図23は、図14の保持クリップ(14−13)がネジ23−4のセットで置き換えられた方法を示す。センサキャリアおよびフランジアセンブリ23−1/23−2は、要素を共に装着、またはねじ込むことによって、無菌ベセルコネクタ23−3内に保持される。この場合、23−1/23−2を23−3へねじ込むのにプランジャ(図示せず)が使用される。滅菌後の寸法でも、ネジ要素によってハーメチックシールが形成されることを可能にするように、材料に関して注意する必要がある。また、シールの気密性を強化するべく、部品の構築中、および、部品を組み合わせる前に、USPクラスVI/IS10993動物由来成分フリー、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリーのゲルまたは接着剤がネジ23−4に塗布され得る。このシステムにおいて、Oリングは、密封状態を保証するべく使用される主な方法であるが、ガスケット、または、表面の間でシールを形成する代替的な方法によって置き換えることもできる。
【0116】
図24では、接続方法の他の変形例が示されており、センサキャリアおよび密封フランジ24−1/24−2が接続された状態で、テクスチャード加工縁部24−4と共に示されている。この縁部は無菌ベセルコネクタ24−3上の縁部24−5にプレス嵌めされ、センサキャリアおよびフランジ24−1/24−2を無菌ベセルコネクタに保持する。センサキャリアとフランジ24−1/24−2との間にシールを形成する上述の方法のように、ここでは無菌ベセルコネクタのOリングが示されているが、他の方法が利用され得る。
【0117】
図25において、センサキャリアおよびフランジを無菌ベセルコネクタ内に保持するバヨネット取り付け方法は、交換可能レンズ付きの多くのカメラで使用されるものと同様である。図25において、接続が形成されたシステムが示されている。図26は、センサキャリア/フランジ(26−1/26−2)アセンブリが無菌ベセルコネクタアセンブリ26−3内に保持される前の要素の断面図を示す。フランジ26−2は、無菌ベセルコネクタ内の開口部26−5に挿入される取り付け部分26−4を有する。取り付け部分付きのフランジは、図26で見られるように、時計回り方向に回転し、取り付け部分26−4は、溝26−6内に保持される。フランジおよび無菌ベセルコネクタの外周にはそれぞれ、複数の部分および溝があり得る。取り付け部分は溝へと摩擦嵌着され、その結果、センサキャリアおよびフランジは無菌ベセルコネクタ内で保持され、Oリングは上述のように密封状態を維持する。
【0118】
この設計の他の変形例は、保持クリップ、持続的保持クリップなどを含み得ると見なすことができるが、これらに限定されない。
【0119】
センサおよびセンサキャリアを単回使用バイオプロセスベセルから分離するシステムを上で詳述した。この場合において、単回使用ベセルは、無菌ベセルコネクタが取り付けられていない状態で、前と正確に同じように、ガンマ線によって滅菌できる。キャリア側の無菌コネクタが、上述のように、完全な不活性材料を使用して構成され、かつ、液体が存在しない、同じく不活性材料で構成されたバッグまたはコンテナ内でアセンブリがガンマ線放射に曝される場合、影響を最小限に抑えながらアセンブリにガンマ線放射できる。具体的には、光化学センサスポットのパフォーマンスに影響し得るフリーラジカル、過酸化水素、有機リン酸、または、他の物質は、非常に少量である必要がある。しかしながら、それでもガンマ線放射の影響、および、それがセンサスポットのパフォーマンスを低下させる可能性は存在する。
【0120】
ISO11137は、細菌のコロニー形成単位(CFU)と、ガンマ線放射による偶発性物質とを最小化するための要件について記載するが、最終目標は単純に、CFUの数を減らすことである。試験するサンプルの数、および、それらの調製方法、ならびに、所与の基準に基づく、欠陥が存在するかどうかについてのさらなる試験など、試験を実装する複数の方法がISO11137−2に明記されている。
【0121】
本明細書では、CFUを同量減らすのに必要なガンマ線放射、ベータ線放射、またはエックス線放射の線量を最小化するための方法を記載する。排水の処理、病院の保守、および、一般的な表面消毒に関して、紫外線光は細菌および胞子のCFUの数を減らすのに非常に有効であることを詳細に記述した。例えば、アメリカ合衆国環境保護庁は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、EPA815−R−06−007「Ultraviolet Disinfection Guidance Manual for the Final Long Term 2 Enhanced Surface Water Treatment Rule」を公開した。図11は、様々な種類の望ましくない細菌などの対数減少に必要なフルエンス(単位面積あたりのエネルギー)として用量を示すグラフである。加えて、指針では、放射の最適波長は、約235nmから290nmの間であり、265nmの近くでもっとも有効であることが詳細に記述されている。指針に記載されているように、このフルエンスおよび波長は、紫外線ランプ、および、紫外線LED(例えば、s−et.com)など、より新しい技術によって提供され得る。
【0122】
消毒および滅菌の他の方法は、大気圧プラズマに基づく滅菌である。最近公開された、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる「Cold Atmospheric Air Plasma Sterilization against Spores and Other Microorganisms of Clinical Interest", Klampfl et al., Applied and Environmental Microbiology, 78, 15 p. 5077, Aug. 2012」は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌のCFUの大幅な減少、ならびに、サンプルを低温大気圧プラズマ(CAP)に曝した後の菌の種類を示した研究について記載している。このことは、基本的に室温の空気(40℃より低い)を使用して、具体的には、高温(120℃)ではなく、ホルムアルデヒドまたはエチレンオキシドなどの毒性気体を含まない空気を使用して、プラズマが生成されたことを意味する。図12は、CAPに60秒またはそれより短い時間曝したことによって発生した、細菌および菌類の様々な菌株の指数減少を示す。
【0123】
包装前に光キャリアおよび関連する無菌コネクタ上のCFUの数を最小化できる場合、医薬品生産の分野での使用に合った、CFUの許容限界を満たすべく、より低い線量のガンマ線、ベータ線、エックス線放射が使用される。CFUの数を減らしながらセンサを準備および設置するための方法が図28に要約されている。ボックス28−Aでは、センサの製造および包装の間に実施される活動が詳細に記載されている。特定の実施形態において、すべての活動は、クラス10,000、または、より良いクリーンルームで実行される。クリーンルームにおける全体的な細菌および偶発性物質の量は、慎重な洗浄および紫外線光への曝露によって最小化されるであろう。特定の実施形態において、無菌接続システムにおける要素のすべて(ただし、一般的に、強力な紫外線放射に曝されることで急速に劣化し得る光化学センサ材料を除く)は、20mJ/cmまたはそれより強い紫外線放射で紫外線洗浄、および/または、提供された参考文献に記載されたようにプラズマ洗浄される必要がある。光化学センサスポットは、キャリアに取り付けられる。較正は既に実施されたものと見なされ、この較正情報は、関連するメモリチップ内に符号化されるか、エンドユーザが利用できる他の何らかの様式で提供される。キャリアは、無菌接続機構およびプランジャによってセンサアプリケータと組み立てられる。いくつかの実施形態において、キャリアは、プランジャを使用することなく、アプリケータコネクタおよびスリーブによって組み立てられる。ハーメチックシールタブは、滅菌前にアプリケータコネクタ上にシールされる。いくつかの実施形態において、アプリケータコネクタは、既にアプリケータコネクタ上にシールされたハーメチックシールタブを含む。この全体のセンサアセンブリ(例えばキャリア、コネクタ、および、いくつかの実施形態において、プランジャ)および無菌ベセルコネクタ部分も、必要な場合はプラズマ洗浄され、コロニー形成単位の数をさらに減らす。適合する要素/アセンブリの両方は次に、エンドユーザの要件に従って、クリーンルーム内で真空包装される。特定の実施形態において、基部包装材料は、光を透過せず、USP Class VI/ISO10993、動物由来成分フリー、ラテックスフリー、フタル酸エステルフリー、滅菌用放射線(例えばガンマ線、ベータ線、エックス線)に安定という上述の要件すべてに適合する。ここで、「安定」とは、センサに悪影響を及ぼす物質、または、毒性物質を放出しないこと、および、包装材料としての完全性を維持することを意味する。要素/アセンブリの両方は、ここで、滅菌のために送られる。適切な供給源は、容易に制御できる電子ビーム(ベータ線)放射である。特定の実施形態において、線量は約15kGyである。この量では、センサが受ける影響が最小限に抑えられる。しかしながら、より高い線量が必要である場合、この準備および放射の方法は、必要な線量を最小化し得て、単回使用バイオプロセスベセルの放射/滅菌プロセスから光化学センサの放射/滅菌プロセスを切り離す。また、これにより、単回使用バイオプロセスベセルの放射処理中に生成されたフリーラジカルおよび化学物質に光化学センサが曝されることを回避する。単回使用バイオプロセスベセルの滅菌後、これらのフリーラジカルが長時間(例えば、数日〜数週間)存在する場合、2要素の間で無菌接続を行う前に、ベセルを空気、窒素、または注射用水で洗浄できる。ボックス28−Bは、単回使用バイオプロセスコンテナおよびセンサアプリケータアセンブリの両方を受け取るエンドユーザの活動を示す。単回使用バイオプロセスベセルでは、構築中に無菌バイオプロセスベセルコネクタが取り付けられる。可撓性フィルムに基づく単回使用バイオプロセスベセルについては、構築中に、無菌ベセルコネクタ側面が、内層に溶接されたプレートまたはフランジを装備することを伴う可能性が高い。エンドユーザは、上述のようにセンサアプリケータを接続するが、希望する場合はセンサの方向を変更できる。無菌接続が形成されると、ユーザは、希望通りに、および、使用されているセンサの要件に応じて、1点標準化または2点較正を実行できる。
【0124】
要素で見られる感染の割合(CFUのベースレベル)に応じて、紫外線放射が必要ない場合、または、上で明記された量でない場合がある。
【0125】
この密封包装されたセンサおよびキャリアは次に、ISO11137で明記されたCFUの数に適合するのに必要な最小限の量のガンマ線、ベータ線、エックス線放射に曝すことができる。特定の実施形態において、ISO11137への適合を確実にするべく、15kGyまたはそれより小さい線量の放射線を使用することが目標であり、この線量では、光化学センサへの影響は無視してよい。一般に、ISO11137への適合を可能にし得る、処理の可能な組み合わせは複数存在する。これらの組み合わせには以下が含まれる。
1.25kGyまたはそれより高い線量のガンマ線、ベータ線、エックス線により、シール済み無菌コネクタ包装を滅菌する
2.上述のような、光学的に反応しない要素の紫外線滅菌を使用する
3.包装内または包装前のアセンブリの低温大気圧プラズマを使用する
4.センサ要素が悪影響を受けない場合、包装前に要素を滅菌用化合物であるエチレンオキシドに曝露する
5.2、3、4の任意の組み合わせ、または、滅菌用放射線が25kGyを超えるという規定が無い、1を含む任意の組み合わせ
【0126】
Finesse Solutions, Inc.のセンサキャリアは既に、付属のメモリチップに既にプログラム済みの較正のベースレベルとなっている。この較正は、正確に同一のプロセスを通して、多くの場合、同時に実行された後で、同様の光化学センサの詳細な試験によって実現される。この較正は、処理されているロット中のキャリアおよびセンサの残りに適用され得る。この較正は、紫外線またはプラズマ滅菌およびキャリアの前に適用され得る。なぜなら、それらはプログラミング装置に接続する必要があるからである。
【0127】
単回使用ベセルおよびセンサ、ならびに、別個のキャリアの滅菌についてはエンドユーザによるセンサの設置プロセスは、2要素が共に滅菌される場合と異なる。別個に滅菌する場合、センサは、それらのキャリア上に置かれ、上述のように処理され得る。包装されたセンサおよびキャリアは、約15kGyのガンマ線、電子ビーム線、エックス線滅菌に送られ、ベンダ(例えばFinesse Solutions, Inc.)によって保管され得るか、または、注文到着時に滅菌のために送られ得る。センサアプリケータアセンブリは寸法が小さいので(例えば、約15cm未満)、ベータ線放射/電子ビームの使用は適用可能である。滅菌用放射線が迅速に、均一に、持続的に届くように、すべての要素を平坦に、すなわち一要素の深さで配置できる。一方、エンドユーザは、望ましいベンダの基準に応じて既にガンマ線照射された状態で、当該ベンダから単回使用バイオプロセスベセルを受け取る。単回使用バイオプロセスベセルの無菌コネクタは、既に所定位置にあり、単回使用バイオプロセスベセルと共に滅菌済みである。次に、ベンダの指示に応じて、単回使用ベセルがセットアップされる。この時点で、ベセルに培地を充填する前に、上述のように、センサ、アプリケータ、および無菌単回使用ベセルコネクタがベセルに接続される。次に培地が加えられ、単回使用バイオプロセスベセルが初回使用のために準備される。セットアップの一環として、通常、プロセスが展開されたプローブに対して溶存酸素およびpHプローブを標準化できるように、オフラインのサンプルが採取される。この時点で、通常、オフラインの標準に対して1点標準化が「実行され、センサが較正され、すぐに使用できるようになる。多くの場合、この目的でバッグに合うように設計されたポートを使用して、同様の方法で、既知の温度標準に対して、温度が確認、または標準化される。
【0128】
例えば、スポットのキャリアは、プラズマクリーナを使用して、および/または、スポットに取り付ける前および/または後に、プラズマクリーナおよび/または紫外線光を使用して「事前滅菌」できる。紫外線光は、上述のように、様々な異なる高圧ランプおよび/または紫外線LEDによって供給することができる。キャリアを含む無菌コネクタは、任意の適切な方法によって滅菌され得る。例えばセンサは、エチレンオキシド(ETO)を使用して滅菌され得る。滅菌手順の選択は、これらの滅菌プロセスに対するスポットの感受性によって異なる。事前滅菌によって、CFUの量がバイオプロセスまたは同様の活動の条件を満たすのに許容可能であることを確実にしつつ、必要なガンマ線またはベータ線の線量を低減し得る。通常のガンマ線滅菌施設は、CO60を使用してガンマ線放射を実現するので、パレット全体で均一な線量を提供すること、および、正確な線量を供給することは不可能である。
【0129】
この事実に起因して、エックス線(例えばロードトロン)、またはベータ線放射は、光スポットおよびキャリアを滅菌するためのガンマ線放射の適切な代替手段となり得る。上述のように、ベータ線放射は、ガンマ線放射とは異なり、物質を透過しないが、加速器の供給源は通常、ガンマ線源と比較して、線量の曖昧性を遥かに低くすることが可能である。透過深度が足りないことに起因して、商業的環境において単回使用ベセルを滅菌するのにベータ線放射が使用されることはほとんどない。各単回使用ベセルを別個に滅菌することは、単純に経済的でない。コンテナが12インチ〜18インチを超える場合、ベータ線放射は徹底的、または均一に、ベセルを滅菌しないであろう。
【0130】
通常の自由空間光「キャリア」またはスポットの要素は、ベータ線放射で均一に滅菌できない大きさに到達しないので、迅速かつ経済的に滅菌できる薄い(5インチより小さい)層内に収まるように包装できる。追加的に、細菌のコロニー形成単位(CFU)の数を減らすことに関するISO11137−2規格に適合するのに必要な放射線の線量は、正確なプロセスに従うことで、著しく減らすことができる。この減少を可能にするプロセスの例は、1000またはそれより良いクリーンルームにおいて、すべての業務を実施し、紫外線放射およびプラズマ洗浄を両方使用して、キャリアを事前滅菌する。紫外線放射は、幅広い文書に記載され、消毒のために幅広く使用される(例えば、本明細書に参照によって組み込まれる、Ultraviolet Disinfection Guidance Manual For The Final Long Term 2 Enhanced Surface Water Treatment Rule, US EPA, Office of Water (4601), EPA 815−R−06−007)。プラズマ洗浄も滅菌に有効な手段であることが分かっている(例えば、参照によって既に組み込まれたCold Atmospheric Air Plasma Sterilization against Spores and Other Microorganisms of Clinical Interest, Klampfl et al. Applied and Environmental Microbiology, 78, 15, 5077, Aug 2012)。
【0131】
スポットが、適切な材料(例えば、ガンマ線放射に曝されている場合でも気体を放出しない材料)でできたキャリアに取り付けられていて、適切な材料内に包装され、放射線および滅菌用放射線の線量を約15kGyまたはそれより低く維持できる場合、スポットには被害がまったく、またはほとんど無いことを発見した。この放射線の線量では、スポットの位相応答の変化は最小限に抑えられ、再現性が非常に高い。適切な材料を使用する実験において、滅菌プロセス中に気体の放出が発生しないこと、または、スポットに影響を与えるものが少なくとも何も無いことを発見した。従って、ガンマ線滅菌中にセンサが受ける悪影響の多くは回避できる。
【0132】
キャリアの事前滅菌は、例えば、パルス状のキセノンランプ、または、放射のピークが254nmから280nmの間で、強度が十分である他の光源を使用して、紫外線によって実施できる。上述の他の光源は、高出力紫外線LED、および、その他の高圧力金属蒸気ランプ(例えば水銀)もしくはレーザ光源である。
【0133】
この種の無菌コネクタの追加の用途は、放射線(ガンマ線、ベータ線、エックス線)の影響を受ける電子装置で見つけられる。多くの種類のデジタル(および)アナログチップ回路は、滅菌プロセスに適合しないことに起因して、単回使用バイオプロセスベセル内で利用できない。具体的には、多くの集積回路は、上述の電離放射線による滅菌に適合しない。また、シグナルが集積回路の電子装置によって調整される、他の種類のセンサ(例えば、圧力、温度)を含む可能性のある回路が、単回使用バイオプロセスベセル上で実装されることが望ましい場合、キャリア上に取り付けられ、または、紫外線放射、大気圧プラズマ、もしくは化学処理(例えばエチレンオキシド)で滅菌できる。同様に、サンプリングポート、温度検出ウェル、または、追加のスパージャなど上述の周辺機器要素はすべて、滅菌後の単回使用バイオプロセスベセルにこのように加えることができるので、エンドユーザにとって要素の柔軟性が遥かに向上する。
[結論]
【0134】
明確に理解する目的で、上述の実施形態は、いくらか詳細に記載されたが、付属の特許請求の範囲内で、ある変更または修正が実施され得ることは明らかであろう。本実施形態のプロセス、システム、および機器を実装するための代替的な態様が多く存在することに留意すべきである。従って、本実施形態は、限定するものではなく、例示として見なされるべきであり、実施形態は本明細書に記載された詳細に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28