(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る照明制御装置の機能構成を示す図である。
図1に示す照明制御装置10は、発光源であるLED照明の発光強度を制御する装置である。
図1に示すように、照明制御装置10は、周囲の照度を検出可能な照度センサ110と、照度センサ110が検出する照度と、規定された調光制御値と、に基づいて発光源における発光強度を決定する発光強度決定部101と、照度センサ110が予め規定された所定の照射条件に対応する照度を検出した場合に、上記調光制御値を変更する調光制御値変更部102と、を備えている。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係る照明システムの機能構成を示す図である。
図2に示すように、照明システム1は、照明制御装置10と、電源ユニット11と、LED照明12(発光源)と、を備えている。
電源ユニット11は、建物等に予め敷設された電源系統から所定の電力(AC電源100V)の入力を受け付けて、照明制御装置10及びLED照明12に電力を供給する。
LED照明12は、照明制御装置10から電源ユニット11を経由して出力される制御信号を受け付けて、当該制御信号に応じた発光強度で発光する。
【0016】
次に、照明制御装置10の機能構成について説明する。
図2に示すように、照明制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)100と、照度センサ110と、LEDランプ120(通知部)と、調光制御値保持部130と、を備えている。
CPU100は、照明制御装置10の全体の動作を司る。本実施形態に係るCPU100は、2種類の動作モード(後述するセンサモード、リモコンモード)に応じた動作を実行する。
照度センサ110は、周囲の明るさの度合いである照度を検出して、CPU100に検出結果(検出照度)を出力する。照度センサ110は、照明システム1の自動調光(照度の自動調整)機能を実現する目的で設けられたセンサである。
LEDランプ120は、上記動作モード(センサモード又はリモコンモード)の切り替わりをユーザに通知するための通知部として機能する。なお、当該通知部は、LEDランプ120としての態様に限定されることはなく、例えば、音声出力に基づいてユーザに通知する態様であってもよい。
調光制御値保持部130は、現時点における調光制御値を記憶する記憶領域である。調光制御値保持部130は、例えば、ファームウェアにより実装されている。
【0017】
CPU100は、所定のプログラムを読み込むことで発光強度決定部101及び調光制御値変更部102としての機能を発揮する。
【0018】
発光強度決定部101は、照度センサ110が検出した周囲の照度を示す照度検出値を逐次受け付けるとともに、調光制御値保持部130において予め保持された調光制御値を参照する。そして、発光強度決定部101は、照度センサ110が出力する照度検出値が、調光制御値保持部130に保持された調光制御値と一致するようにLED照明12の発光強度を決定する。発光強度決定部101は、LED照明12が発光する光が、決定された発光強度となるように、LED照明12に向けて制御信号を出力する。
例えば、窓などから入射する外光により室内が十分に明るい場合、発光強度決定部101は、LED照明12の発光強度が相対的に低くなるように制御する。他方、外光がほとんどなく、LED照明12による照射がなければ室内が暗くなってしまうような場合には、発光強度決定部101は、LED照明12の発光強度が相対的に高くなるように制御する。このように、CPU100が、照度センサ110の検出照度値と、規定された調光制御値と、に基づいてLED照明12の発光強度を制御する動作モードを「センサモード」と称する。
【0019】
調光制御値変更部102は、照度センサ110が検出する照度検出値を逐次受け付けて、当該照度検出値が、予め規定された照射条件を満たした場合に、調光制御値保持部130に保持されている調光制御値を変更する処理を行う。このように、CPU100(調光制御値変更部102)が調光制御値を変更する動作モードを「リモコンモード」と称する。
【0020】
図3は、第1の実施形態に係る調光制御値変更部の機能を説明する第1の図である。
図3には、照度センサ110が検出する照度の範囲を模式的に示している。ここで、調光制御値変更部102は、予め規定された判定照度閾値Lthを記憶している。この判定照度閾値Lthは、外光(窓などから入射する環境光)の受光により検出が想定される最大の照度で規定される。
ここで、本実施形態に係る照明システム1は、一般的なビルや学校の屋内における天井に設置されることが想定されている。照明システム1が屋内の天井に設置された場合、当該照明システム1の照度センサ110は、太陽光を直接受光することはなく、床面等に反射した反射光を受光する。この場合、例えば、照度センサ110は、外光の受光のみで1000lxを上回ることはないことが想定される。したがって、本実施形態において、調光制御値変更部102は、判定照度閾値Lth=1000lxを予め記憶している。判定照度閾値Lthは、このように、環境光の受光により検出が想定される最大の照度に基づいて規定される。
【0021】
調光制御値変更部102は、判定照度閾値Lthを下回る照度が検出されている間は、特別な動作を実行することはない。即ち、照度センサ110が単に外光を受光しているのみの場合、CPU100はセンサモードで動作し、検出照度が一定となるようにLED照明12の発光強度を制御する。
【0022】
一方、本実施形態に係る調光制御値変更部102は、照度センサ110を通じて判定照度閾値Lthを上回る照度を検出した場合(、かつ、後述する経時的変化パターンに一致した場合)に、調光制御値を変更する動作を開始(即ち、リモコンモードの動作を開始)する。
以下、調光制御値変更部102の動作について、より具体的に説明する。
【0023】
図4は、第1の実施形態に係る調光制御値変更部の機能を説明する第2の図である。
図4は、横軸に時刻を示し、縦軸に照度センサ110が検出する検出照度を示している。ここで、本実施形態に係る調光制御値変更部102は、判定照度閾値Lthを上回る検出照度が、予め規定された経時的変化パターンP1に一致した場合に、調光制御値を変更する動作を開始する。
【0024】
調光制御値変更部102は、例えば、
図4に示すような検出照度の経時的変化パターンP1を予め規定している。具体的には、経時的変化パターンP1は、ある時刻t0から時刻t1まで、1000lx(判定照度閾値Lth)を上回る連続照射が実施される第1照射期間q1、ある時刻t2から時刻t3まで同様の連続照射が実施される第2照射期間q3、及び、時刻t1から時刻t2までの期間を1000lx以下とする非照射期間q2により規定される。
ここで、第1照射期間q1及び非照射期間q2は、例えば、5秒以上10秒未満に、第2照射帰還q3は、例えば、1秒以上3秒未満に規定される。
即ち、CPU100は、第1照射期間q1、第2照射期間q3及び非照射期間q2に基づいて規定される経時的変化パターンP1に一致する照度を受光した場合に、センサモードからリモコンモードに遷移する。リモコンモードに遷移すると、CPU100は、リモコンモードで動作していることを作業者に通知するため、LEDランプ120を点灯させる。
【0025】
図5は、第1の実施形態に係る照明システムに対し、作業者が調光作業を行う様子を示している。
図5に示すように、作業者Gは、所定の携帯型照明器具g1を用いて、天井に取り付けられた照度センサ110に向けて光照射を行う。ここで携帯型照明器具g1は、例えば、作業者G自身が所有する携帯端末装置(スマートフォン等)であってもよい。一般的なスマートフォンに付属する照明機能であっても、当該スマートフォンの発光源を照度センサ110に近接させることで、1000lxを上回る光を照射させることが可能である。なお、携帯型照明器具g1は、懐中電灯等、照度センサ110において判定照度閾値Lth(1000lx)を上回る照度の光を投光可能な機器であればいかなる態様であってもよい。
【0026】
作業者Gは、携帯型照明器具g1の発光源を照度センサ110に近接させながら、経時的変化パターンP1に応じたタイミングで光照射のON、OFF操作を行う。本実施形態においては、作業者Gは、携帯型照明器具g1を操作して、照度センサ110に向けて光照射を5秒〜10秒の間ON状態とする(第1照射期間q1に対応(
図4参照))。その後作業者Gは、光照射をOFFし、そのまま5秒〜10秒間待機する(非照射期間q2に対応)。さらにその後、作業者Gは、再度、光照射のONを1秒〜3秒間継続する(第2照射期間q3に対応)。このとき、調光制御値変更部102は、照度センサ110を通じて受け付けた照度検出値の変化パターンが、予め規定された経時的変化パターンP1(
図4参照)に一致したことを検出し、直ちに、調光制御値を変更する処理を開始する。
作業者Gは、LEDランプ120の点灯を視認することで、自身の操作により、意図した通りにリモコンモードに遷移したことを認識することができる。
【0027】
図6は、第1の実施形態に係る調光制御値変更部の機能を説明する第3の図である。
図6(a)は、横軸に時刻を示し、縦軸に調光制御値変更部102が設定する調光制御値を示している。
本実施形態に係る調光制御値変更部102は、時刻t3において、予め規定された所定の照射条件(経時的変化パターンP1)に対応する1回目の照度を検出すると、
図6(a)に示すように、調光制御値を経時的に変化させる。具体的には、
図6(a)に示すように、調光制御値変更部102は、リモコンモードを開始する時刻t3から、経時的に、段階的に調光制御値を上昇させていく。本実施形態において、調光制御値変更部102は、最小レベル(調光制御値=350lx)から、一定時間Δt経過ごとに、ステップ状に調光制御値を上昇させる。そして、最大レベル(調光制御値=700lx)に到達した後は、最小レベルに戻り、再度、一定時間Δt経過ごとに調光制御値を徐々に上昇させる処理を繰り返す。このように、調光制御値変更部102は、一定周期(周期T)ごとに、調光制御値を最小レベルから最大レベルまで徐々に変化させる処理を繰り返す。
【0028】
図6(b)は、横軸に時刻を示し、縦軸に照度センサ110が検出する検出照度を示している。
調光制御値変更部102が、
図6(a)に示すような調光制御値の変更処理を繰り返す中で、作業者G(
図5参照)は、所望のタイミングで、逐次変化する調光制御値を決定するための信号(決定信号q4)を入力する。例えば、作業者Gは、調光制御値が最大レベル(700lx)となった時刻t5で、判定照度閾値Lth(=1000lx)を上回る照度の光を1パルス(例えば、1秒程度)照射する。調光制御値変更部102は、判定照度閾値Lthを上回る1パルスの信号(決定信号q4)に基づく照度を検出すると、時刻t5における調光制御値を調光制御値保持部130に保持する。即ち、調光制御値変更部102は、予め規定された所定の照射条件に対応する2回目の照度(決定信号q4)を検出した時点における調光制御値を、新たな調光制御値に設定する。
【0029】
なお、作業者Gは、逐次変化する調光制御値を所望の値に決定するために、別途用意した照度センサをLED照明12の近くに配し、当該LED照明12の実際の照度を観測しながら決定信号q4を入力してもよい。例えば、作業者Gは、LED照明12の照射により、別途設置した照度センサに観測される照度が所望する値(例えば、700lx)となったタイミングで決定信号q4をなす光を照度センサ110に向けて投光する。
【0030】
図7は、第1の実施形態に係る調光制御値変更部の機能を説明する第4の図である。
図7は、横軸に時刻を示し、縦軸に照度センサ110が検出する検出照度を示している。本実施形態に係る調光制御値変更部102は、判定照度閾値Lthを上回る検出照度が、予め規定された経時的変化パターンP2に一致した場合に、調光制御値を変更する動作を終了する。
【0031】
調光制御値変更部102は、例えば、
図7に示すような検出照度の経時的変化パターンP2を予め規定している。具体的には、経時的変化パターンP2は、経時的変化パターンP1(
図4参照)と同様に、ある時刻t6から時刻t7まで、1000lx(判定照度閾値Lth)を上回る連続照射が実施される第1照射期間q5、ある時刻t8から時刻t9まで同様の連続照射が実施される第2照射期間q7、及び、時刻t7から時刻t8までの期間を1000lx以下とする非照射期間q6により規定される。
ここで、第1照射期間q5、第2照射時間q7及び非照射期間q6として規定される時間の長さは、経時的変化パターンP1における第1照射期間q1、第2照射時間q3及び非照射期間q5と同様とされている。
即ち、CPU100は、第1照射期間q5、第2照射時間q7及び非照射期間q6に基づいて規定される経時的変化パターンP2に一致する照度を受光した場合に、リモコンモードから再度センサモードに遷移する。センサモードに遷移すると、CPU100は、センサモードで動作していることを作業者に通知するため、LEDランプ120を消灯させる。
【0032】
作業者Gは、決定信号q4の入力(
図6参照)により、調光制御値を所望する値に設定したあと、続いて経時的変化パターンP2の入力作業を行うことで、照明制御装置10の動作モードをリモコンモードからセンサモードに戻す。これにより、発光強度決定部101は、新たに設定された調光制御値を参照しながら、LED照明12の発光強度を決定する。
【0033】
図8は、第1の実施形態に係るCPUの処理フローを示す図である。
次に、本実施形態に係るCPU100の処理の流れについて、
図8を参照しながら順を追って説明する。
図8に示す処理フローは、ステップS01において、まず、センサモードで動作する例を示している。
CPU100は、内部メモリにおいて、リモコンモードフラグ及び状態監視タイマフラグに‘0’をセットする(ステップS01)。ここで、「リモコンモードフラグ」とは、CPU100がリモコンモードで動作しているか否か(‘0’のときはセンサモード、‘1’のときはリモコンモード)を示すフラグである。「状態監視タイマフラグ」とは、CPU100が予め規定された所定時間の経過により動作モードを切り替える処理を行うための状態監視タイマを動作しているか否か(‘0’のときは状態監視タイマが非動作、‘1’のときは状態監視タイマ動作中)を示すフラグである。また、「状態監視タイマ」は、例えば、作業者Gによる操作が所定時間連続して検出されなかった場合に、動作モードを切り替えるための処理に用いるタイマである。
【0034】
次に、調光制御値変更部102は、照度センサ110を通じて検出する照度が、1000lx(判定照度閾値Lth)を上回る照度の予め規定された所定パターン(経時的変化パターンP1(
図4参照))に一致しているか否かを判定する(ステップS02)。照度センサ110において経時的変化パターンP1と一致する照度の変化パターンが検出されない場合(ステップS02:N)、調光制御値変更部102は、状態監視タイマフラグが‘1’、かつ、所定時間が経過したか否か(所定時間のカウントが“終了”したか否か)を判定する(ステップS03)。ステップS01を経たセンサモードで動作している場合、状態監視タイマフラグが‘0’であるから(ステップS03:N)、CPU100は、ステップS02〜S03を繰り返して、センサモードで動作し続ける。
センサモードにおいて、CPU100(発光強度決定部101)は、調光制御値保持部130において予め規定された調光制御値にしたがってLED照明12の発光強度を決定する。具体的には、発光強度決定部101は、照度センサ110を通じて検出される照度が調光制御値と一致するようにLED照明12の発光強度を決定し、当該決定した発光強度を示す制御信号をLED照明12に向けて出力する。
【0035】
一方、照度センサ110を通じて経時的変化パターンP1と一致する照度の変化パターンが検出された場合(ステップS02:Y)、CPU100は、現時点においてリモコンモードフラグが‘0’か否かを判定する(ステップS04)。リモコンモードフラグが‘0’であった場合には(ステップS04:Y)、CPU100は、リモコンモードフラグに‘1’をセットして、動作モードをセンサモードからリモコンモードに切り替える(ステップS05)。このとき、CPU100は、LEDランプ120を点灯させて、センサモードからリモコンモードに遷移したことを作業者Gに通知する。
また、CPU100は、リモコンモードに遷移したと同時に、状態監視タイマフラグに‘1’をセットして、状態監視タイマによる経過時間のカウント処理を開始させる(ステップS06)。
【0036】
CPU100は、状態監視タイマの開始時から予め規定された所定時間経過したか否かを判定する(ステップS07)。CPU100は、状態監視タイマが上記所定時間を経過しない間は(ステップS07:N)、リモコンモードにおける動作(後述するステップS08及びステップS09)を繰り返す。
リモコンモードにおいて、調光制御値変更部102は、調光制御値の変更処理として、調光制御値を経時的に徐々に変更する処理(
図6(a)参照)を行う(ステップS08)。このとき、調光制御値変更部102は、作業者Gによる判定照度閾値Lthを上回る照射(決定信号q4をなす光)を検出したか否かを判定する(ステップS09)。決定信号q4を検出しない場合(ステップS09:N)、調光制御値変更部102は、ステップS08を経て、
図6(a)に示す調光制御値の経時的な変更を引き続き実施する。
決定信号q4を検出すると(ステップS09:Y)、調光制御値変更部102は、その時点における調光制御値を調光制御値保持部130に書き込んで、新たな調光制御値として設定する(ステップS10)。
なお、CPU100は、リモコンモードにおいて決定信号q4の検出が無いまま所定時間が経過した場合(ステップS07:Y)、強制的にセンサモードに戻る処理(後述するステップS11、S12)を実施する。
【0037】
ステップS10にて新たな調光制御値を設定すると、CPU100は、ステップS02〜S03の処理に戻る。具体的には、ステップS02にて、調光制御値変更部102は、照度センサ110を通じて検出する照度の変化パターンが、経時的変化パターンP2に一致しているか否かを判定する。
経時的変化パターンP2に一致する照度の変化パターンが検出されない場合(ステップS02:N)、CPU100は、ステップS03にて、状態監視タイマによりカウント中の経過時間が予め規定された所定時間を経過したか否か(所定時間のカウントが“終了”したか否か)を判定する。
状態監視タイマの動作開始時から所定時間が経過していない場合(ステップS03:N)、ステップS02で経時的変化パターンP2が検出されるまで待機する。
経時的変化パターンP2の検出がないまま所定時間が経過した場合(ステップS03:Y)、CPU100は、状態監視タイマの動作を停止してカウント時間を初期化する(ステップS11)。続いて、CPU100は、リモコンモードフラグ及び状態監視タイマフラグに‘0’をセットして、センサモードへ遷移する(ステップS12)。
【0038】
経時的変化パターンP2に一致する照度の変化パターンが検出された場合(ステップS02:Y)、CPU100は、ステップS04で、現時点においてリモコンモードフラグが‘0’か否かを判定する。ステップS10を経てきた場合、CPU100は、リモコンモードとなっているから(ステップS04:N)、ステップS11及びステップS12の処理によりセンサモードに復帰し、一連の処理を終了する。また、このとき、CPUは、LEDランプ120を消灯させて、リモコンモードからセンサモードに遷移したことを作業者Gに通知する。
【0039】
以上、第1の実施形態に係る照明制御装置10は、照度センサ110が検出する照度と、別途規定された調光制御値と、の偏差に基づいてLED照明12の発光強度を決定する発光強度決定部101と、照度センサ110を通じて予め規定された所定の照射条件(経時的変化パターンP1)に対応する照度を検出した場合に、調光制御値を変更する調光制御値変更部102と、を有する。
これにより、作業者Gは、自動調光機能の実現のために設けられた照度センサ110への意図的な照射により調光制御値の変更作業を遠隔的に実施することができる。したがって、従前のように、ボックスのカバーを開けてファームウェアの書き換え作業を行う必要がなくなり、調光制御値の変更に係る作業負担を軽減することができる。
また、遠隔操作のために従来用いられていた無線通信モジュールや赤外線リモコン通信モジュールを実装する必要がないため、照明制御装置としての部品点数の削減に寄与し、製造コストを削減できる。
【0040】
また、本実施形態に係る調光制御値変更部102は、予め規定された所定の照射条件(経時的変化パターンP1)に対応する1回目の照度を検出した場合に、調光制御値を経時的に変化させる(ステップS08)ととともに、予め規定された所定の照射条件に対応する2回目の照度(決定信号q4)を検出した時点における調光制御値を、新たな調光制御値に設定する。
このようにすることで、作業者Gは、自身が所有する携帯型照明器具g1を用いて、簡素な操作で、調光制御値を所望に設定することができる。したがって、遠隔操作用のリモコンを別途開発する必要がないため、開発コストを一層軽減することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る調光制御値変更部102は、環境光の受光により検出が想定される最大の照度を示す判定照度閾値Lthを上回る照度を検出した場合に、調光制御値を変更する動作モード(リモコンモード)に遷移する。
このようにすることで、通常の動作時(センサモード時)において、意図せずにリモコンモードに遷移してしまうことを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る調光制御値変更部102は、照度センサ110が検出した照度が、予め規定された経時的変化パターンP1に一致した場合に、調光制御値を変更する動作モードに遷移する。
このようにすることで、照度センサ110が意図せずに判定照度閾値Lthを上回る照度を検出した場合であっても、調光制御値変更部102は、経時的変化パターンP1に一致しない限りリモコンモードに遷移しない。したがって、通常の動作時(センサモード時)において、意図せずにリモコンモードに遷移してしまうことを一層抑制することができる。
【0043】
以上、第1の実施形態に係る照明システム1について、詳細に説明したが、本実施形態に係る照明システム1の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
例えば、調光制御値変更部102が規定する経時的変化パターンP1は、
図4に示すような態様に限定されることはない。例えば、他の実施形態に係る経時的変化パターンP1は、判定照度閾値Lthを上回る単一の照射期間(1パルス)を検出した場合に、リモコンモードに遷移してもよい。
また、他の実施形態に係る調光制御値変更部102は、予め規定された経時的変化パターンP1を規定する複数の照射期間(第1照射期間q1、第2照射期間q3)の一部又は全部が、判定閾値Lth以下の照度として規定される態様であってもよい。
【0044】
また、本実施形態に係る調光制御値変更部102は、センサモードからリモコンモードに移行するために用いられる経時的変化パターンP1(
図4参照)と、リモコンモードからセンサモードに復帰するために用いられる経時的変化パターンP2(
図7参照)と、同一であるものとして説明した。しかし、他の実施形態に係る調光制御値変更部102は、この態様に限定されることはなく、経時的変化パターンP1と経時的変化パターンP2とが互いに異なる変化パターンで規定されるものであってもよい。
【0045】
また、本実施形態に係る調光制御値変更部102は、経時的変化パターンP1に対応する1回目の照度を検出した場合に、調光制御値を経時的に変化させるとともに、予め規定された所定の照射条件に対応する2回目の照度(決定信号q4)を検出した時点における調光制御値を、新たな調光制御値に設定するものとして説明した。しかし、調光制御値変更部102の動作は、この態様に限定されることはなく、様々な態様に変更可能である。例えば、他の実施形態に係る調光制御値変更部102は、予め、異なる複数の経時的変化パターンP11、P12、P13、・・・を規定してもよい。この場合、調光制御値変更部102は、照度センサ110を通じて経時的変化パターンP11、P12、・・・の何れかに対応する照度を検出した場合に、調光制御値を、当該経時的変化パターンP11、P12、・・・の各々に対応する値に変更する。このようにすることで、作業者Gは、所望する調光制御値となるまで待機する必要がないので、調光制御値の変更作業に要する時間を短縮することができる。
【0046】
また、本実施形態に係るCPU100は、リモコンモードで動作している最中は、LEDランプ120が点灯することで、リモコンモードで動作していることを作業者G自身が認識できるものとしていたが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、他の実施形態に係るLEDランプ120(通知部)は、判定照度閾値を上回る照度を検出するものであってもよい。例えば、CPU100は、照度センサ110が判定照度閾値を上回る照度を検出している場合に、LEDランプ120を点滅表示させる。このようにすることで、作業者Gは、携帯型照明器具g1をもって照度センサ110に向けて投光する際に、照射すべき光量が足りているか否かを認識することができる。したがって、調光制御値の変更作業を実施する際の作業性が向上する。
【0047】
また、上述の各実施形態においては、CPU100の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各手順を行うものとしている。ここで、上述したCPU100の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、CPU100の各機能構成が、ネットワークで接続される複数の装置に渡って具備される態様であってもよい。
【0048】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。