(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、
個々のリードフレーム領域は、
前記パッド部と前記リード部の夫々の全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面と下面との間の面における、前記光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成されていることを特徴とする多列型LED用リードフレーム。
金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、
個々のリードフレーム領域は、
前記パッド部と前記リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成されていることを特徴とする多列型LED用リードフレーム。
前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、該粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の多列型LED用リードフレーム。
さらに、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多列型LED用リードフレーム。
金属板から、貫通エッチングにより夫々所定形状に形成され、形成後にめっき処理を施されたパッド部及びリード部と、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部と、前記パッド部の上面に搭載された前記LED素子と、前記LED素子と前記リード部の上面とを接続するワイヤと、前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部とを有し、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、
前記パッド部と前記リード部の夫々の全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面と下面との間の面における、前記光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成されていることを特徴とするLEDパッケージ。
金属板から、貫通エッチングにより夫々所定形状に形成され、形成後にめっき処理を施されたパッド部及びリード部と、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部と、前記パッド部の上面に搭載された前記LED素子と、前記LED素子と前記リード部の上面とを接続するワイヤと、前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部とを有し、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、
前記パッド部と前記リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成されていることを特徴とするLEDパッケージ。
前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、該粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなることを特徴とする請求項10又は11に記載の多列型LED用リードフレームの製造方法。
さらに、前記パッド部と前記リード部との間にリフレクタ樹脂を充填し、区画された前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程を有することを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の多列型LED用リードフレームの製造方法。
金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造され、前記パッド部と前記リード部の夫々の全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面と下面との間の面における、前記光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームを準備する工程と、
前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、
前記金属板の上面側において区画された前記パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、該金属板の上面側において区画された前記リード部と前記LED素子とをワイヤボンディングする工程と、
前記金属板の上面側において区画された前記パッド部及び前記リード部における前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、
前記リフレクタ樹脂部における、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む部位を切断する工程と、を有することを特徴とするLEDパッケージの製造方法。
金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造され、前記パッド部と前記リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームを準備する工程と、
前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、
前記金属板の上面側において区画された前記パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、該金属板の上面側において区画された前記リード部と前記LED素子とをワイヤボンディングする工程と、
前記金属板の上面側において区画された前記パッド部及び前記リード部における前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、
前記リフレクタ樹脂部における、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む部位を切断する工程と、を有することを特徴とするLEDパッケージの製造方法。
前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、該粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなることを特徴とする請求項15又は16に記載のLEDパッケージの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、LEDパッケージの製造においては、一度に多数のLEDパッケージを得るために、
図8(b)に示したような、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12を、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部18と連結させるための連結部17を介して繋げた多列型リードフレームが用いられる。
【0009】
ところで、上述の多列型リードフレームを用いて製造されるLEDパッケージは、一般的にリードフレームの裏面側に外部接続用の端子面が露出する表面実装型のパッケージである。表面実装型のLEDパッケージにおいては、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が要求され、パッド部やリード部の段差、変形や反り等も不具合につながるため厳しい制約がある。
【0010】
特許文献1、2に記載のLEDパッケージの製造に用いられる多列型リードフレームは、夫々のリードフレーム領域(パッド部、リード部)及び連結部が、リードフレーム基材をなす金属板からプレス加工やエッチング加工によって、所定の形状に加工され、その後にLED素子が搭載される上面側に反射用めっき層が形成され、下面側に外部接続用めっき層が形成される。しかるに、金属板を所定形状に形成後に、めっき浴に漬浸させてめっき層を形成すると、所定形状に形成された金属板の上面、側面、下面の全面にめっき層が形成される。
【0011】
ところで、LEDパッケージにおいて、LED素子から出射される光の反射率をより一層向上させるためには、LED用リードフレームにおけるLED搭載側の面に光沢性の高い銀めっきを施すことが望まれる。
しかるに、光沢性の高い銀めっきを施す場合、Ag硫化によるLED特性劣化を抑え、品質の優位性を保つために、高シアンAgめっき浴によりAgめっき層を形成することが必要となる。そして、高シアンAgめっき浴によりAgめっき層を形成する場合、空気中の炭酸ガスとの反応によるシアン化物の分解を防ぐために、形成されたリードフレーム領域をめっき浴中へ浸漬させる全面めっき方式でめっきを行うことが必要となる。
このため、リードフレーム領域(パッド部、リード部)及び連結部を所定形状に加工後にめっき処理を施すタイプのリードフレームでは、パッド部とリード部の上面及び下面のみならず、パッド部とリード部の間の面や個々のリードフレーム領域の間の側面等のパッド部とリード部の上面及び下面の間の面にも、光沢度の高い銀めっきが施されることになる。
【0012】
しかし、光沢度の高い銀めっきはリフレクタ樹脂との密着性が弱いため、多列型リードフレームの各リードフレーム領域にリフレクタ樹脂部を形成したときにリフレクタ樹脂による各リードフレーム領域におけるパッド部やリード部等との密着が十分でなく、製品の信頼性に悪影響を及ぼす虞があった。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、リードフレーム領域(パッド部、リード部)を所定形状に加工後にめっき層を形成するタイプのリードフレームにおいて、反射率を向上させ、且つ、リフレクタ樹脂との密着性を高めることのできる多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージ、及びそれらの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明による多列型LED用リードフレームは、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、前記パッド部と前記リード部の夫々の
全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面と下面との間の面に
おける、前記光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、本発明による多列型LED用リードフレームは、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、前記パッド部と前記リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成されていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層を有してなるのが好ましい。
【0017】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、該粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなるのが好ましい。
【0018】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、さらに、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部が形成されているのが好ましい。
【0019】
また、本発明によるLEDパッケージは、金属板から、貫通エッチングにより夫々所定形状に形成され、形成後にめっき処理を施されたパッド部及びリード部と、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部と、前記パッド部の上面に搭載され
た前記LED素子と、前記LED素子と前記リード部の上面とを接続するワイヤと、前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部とを有し、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、前記パッド部と前記リード部の夫々の
全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面と下面との間の面に
おける、前記光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成されていることを特徴としている。
【0020】
また、本発明によるLEDパッケージは、金属板から、貫通エッチングにより夫々所定形状に形成され、形成後にめっき処理を施されたパッド部及びリード部と、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部と、前記パッド部の上面に搭載され
た前記LED素子と、前記LED素子と前記リード部の上面とを接続するワイヤと、前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部とを有し、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、前記パッド部と前記リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成されていることを特徴としている。
【0021】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層を有してなるのが好ましい。
【0022】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、該粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなるのが好ましい。
【0023】
また、本発明による多列型LED用リードフレームの製造方法は、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームの製造方法であって、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成する工程と、形成した前記リードフレーム形状の全面に光沢性のあるAgめっき層を形成する工程と、前記光沢性のあるAgめっき層が形成された前記リードフレーム形状の前記金属板の上面と下面に、夫々面全体を覆うレジストマスクを形成する工程と、前記レジストマスクが形成されていない前記リードフレーム形状の前記金属板の上面と下面との間の面に粗化めっき層を形成する工程と、前記レジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴としている。
【0024】
また、本発明による多列型LED用リードフレームの製造方法は、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームの製造方法であって、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成する工程と、形成した前記リードフレーム形状の全面に光沢性のあるAgめっき層を形成する工程と、前記光沢性のあるAgめっき層が形成された前記リードフレーム形状の前記金属板の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面に、夫々面全体を覆うレジストマスクを形成する工程と、前記レジストマスクが形成されていない前記リードフレーム形状の前記金属板の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に粗化めっき層を形成する工程と、前記レジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴としている。
【0025】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層を有してなるのが好ましい。
【0026】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、該粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなるのが好ましい。
【0027】
また、本発明の多列型LED用リードフレームの製造方法においては、さらに、前記パッド部と前記リード部との間にリフレクタ樹脂を充填し、区画された前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程を有するのが好ましい。
【0028】
また、本発明によるLEDパッケージの製造方法は、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造され、前記パッド部と前記リード部の夫々の
全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面と下面との間の面に
おける、前記光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームを準備する工程と、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、前記金属板の上面側において区画された前記パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、該金属板の上面側において区画された前記リード部と前記LED素子とをワイヤボンディングする工程と、前記金属板の上面側において区画された前記パッド部及び前記リード部における前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、前記リフレクタ樹脂部における、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む部位を切断する工程と、を有することを特徴としている。
【0029】
また、本発明によるLEDパッケージの製造方法は、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造され、前記パッド部と前記リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部と該リード部の夫々の上面及び該上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームを準備する工程と、前記パッド部と前記リード部との間に介在するとともに、該パッド部及び該リード部の外周を該パッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、前記金属板の上面側において区画された前記パッド部の面にLED素子を搭載するとともに、該金属板の上面側において区画された前記リード部と前記LED素子とをワイヤボンディングする工程と、前記金属板の上面側において区画された前記パッド部及び前記リード部における前記リフレクタ樹脂部で囲まれ、前記LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、前記リフレクタ樹脂部における、前記パッド部及び前記リード部の外周を囲む部位を切断する工程と、を有することを特徴としている。
【0030】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層を有してなるのが好ましい。
【0031】
また、本発明のLEDパッケージの製造方法においては、前記粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、該粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなるのが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、リードフレーム領域(パッド部、リード部)を所定形状に加工後にめっき層を形成するタイプのリードフレームにおいて、反射率を向上させ、且つ、リフレクタ樹脂との密着性を高めることのできる多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージ、及びそれらの製造方法が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施形態の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明の多列型LED用リードフレームは、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造された
、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、パッド部とリード部の夫々の
全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部及び該リード部の夫々の上面と下面との間の面に
おける、光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成されている。
【0035】
本発明の多列型LED用リードフレームのように、パッド部とリード部の夫々の上面に、光沢性のあるAgめっき層が形成された構成にすれば、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成し、パッド部にLED素子を搭載し、リード部とLED素子とをワイヤボンディングし、リフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設け、リフレクタ樹脂部における、パッド部及びリード部の外周を囲む部位を切断することによって得られる個々のLEDパッケージの反射率をより一層高めることができる。
また、本発明の多列型LED用リードフレームのように、パッド部とリード部の夫々の上面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成された構成にすれば、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲むリフレクタ樹脂部を形成したときの、リフレクタ樹脂部の密着性が向上してパッド部及びリード部の抜けを防止できる。そして、リフレクタ樹脂部がパッド部及びリード部を固定することから、パッド部やリード部の変形や反り等の防止にも繋がる。
【0036】
あるいは、本発明の多列型LED用リードフレームは、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造された,LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、該パッド部及び該リード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成されている。
本発明の多列型LED用リードフレームのように、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成された構成にすれば、粗化めっき層の最上面は、パッド部とリード部の夫々の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層の上面からある程度下方に位置することになる。このため、パッド部とリード部との間にリフレクタ樹脂を充填して、LED素子を搭載する側において反射用めっき層をなす光沢性のあるAgめっき層の上面と面一となるようにリフレクタ樹脂部を形成したときに、反射用めっき層をなす光沢性のあるAgめっき層の周囲近傍の粗化めっき層の最上面を露出させずに済み、LED素子を搭載する領域全体の光沢性のあるAgめっき層による反射率の向上効果を最大限に発揮させることができる。
【0037】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、粗化めっき層が、粗化Niめっき層を有してなるのが好ましい。
このようにすれば、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成したときの、リフレクタ樹脂部との密着性の向上が具現化できる。
【0038】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなるのが好ましい。
このようにすれば、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成したときの、リフレクタ樹脂部との密着性がより一層向上する。
【0039】
また、本発明の多列型LED用リードフレームにおいては、さらに、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部が形成されているのが好ましい。
このようにすれば、リフレクタ樹脂部がパッド部及びリード部を固定するため、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造する過程に用いたときの、個々のリードフレーム領域の変形が生じ難くなり、パッド部やリード部の段差、変形、反り等が生じ難く、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が保たれ易くなる。
【0040】
また、本発明によるLEDパッケージは、金属板から、貫通エッチングにより夫々所定形状に形成され、形成後にめっき処理を施されたパッド部及びリード部と、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部と、パッド部の上面に搭載され
たLED素子と、LED素子とリード部の上面とを接続するワイヤと、リフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部とを有し、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、パッド部とリード部の夫々の
全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、パッド部とリード部の夫々の上面と下面との間の面に
おける、光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成されている。
【0041】
本発明のLEDパッケージのように、パッド部とリード部の夫々の上面に、光沢性のあるAgめっき層が形成された構成にすれば、LEDパッケージの反射率をより一層高めることができる。
また、本発明のLEDパッケージのように、パッド部とリード部の夫々の上面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成された構成にすれば、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲んで形成されるリフレクタ樹脂部の密着性が向上する。
【0042】
あるいは、本発明によるLEDパッケージは、金属板から、貫通エッチングにより夫々所定形状に形成され、形成後にめっき処理を施されたパッド部及びリード部と、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部と、パッド部の上面に搭載され
たLED素子と、LED素子とリード部の上面とを接続するワイヤと、リフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部とを有し、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを切断することによって形成された個々のLEDパッケージであって、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成されている。
【0043】
本発明のLEDパッケージのように、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成された構成にすれば、粗化めっき層の最上面は、パッド部とリード部の夫々の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層の上面からある程度下方に位置することになる。このため、LED素子を搭載する側において反射用めっき層をなす光沢性のあるAgめっき層の上面と面一となるようにリフレクタ樹脂部が形成された状態において、反射用めっき層の周囲近傍の粗化めっき層の最上面が露出せず、LED素子を搭載する領域全体の光沢性のあるAgめっき層による反射率の向上効果を最大限に発揮させることができる。
【0044】
なお、本発明のLEDパッケージにおいて、粗化めっき層が、粗化Niめっき層を有してなるのが好ましい。
このようにすれば、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲んで形成されるリフレクタ樹脂部の密着性の向上が具現化できる。
【0045】
また、本発明のLEDパッケージにおいては、粗化めっき層が、粗化Niめっき層と、粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなるのが好ましい。
このようにすれば、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲んで形成されるリフレクタ樹脂部の密着性がより一層向上する。
【0046】
なお、上述した本発明の多列型LED用リードフレームは、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成する工程と、形成した前記リードフレーム形状の全面に光沢性のあるAgめっき層を形成する工程と、光沢性のあるAgめっき層が形成された金属板の上面と下面に、夫々面全体を覆うレジストマスクを形成する工程と、レジストマスクが形成されていないリードフレーム形状の金属板の上面と下面との間の面に粗化めっき層を形成する工程と、レジストマスクを除去する工程と、を有することにより製造できる。
【0047】
あるいは、本発明の多列型LED用リードフレームは、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成する工程と、形成した前記リードフレーム形状の全面に光沢性のあるAgめっき層を形成する工程と、光沢性のあるAgめっき層が形成された金属板の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面に、夫々面全体を覆うレジストマスクを形成する工程と、レジストマスクが形成されていないリードフレーム形状の金属板の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に粗化めっき層を形成する工程と、レジストマスクを除去する工程と、を有することにより製造できる。
【0048】
また、上述した本発明のLEDパッケージは、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造され、パッド部とリード部の夫々の
全面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、パッド部及びリード部の夫々の上面と下面との間の面に
おける、光沢性のあるAgめっき層の上に、粗化めっき層が形成された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームを準備する工程と、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、金属板の上面側において区画されたパッド部の面にLED素子を搭載するとともに、金属板の上面側において区画されたリード部とLED素子とをワイヤボンディングする工程と、金属板の上面側において区画されたパッド部及びリード部におけるリフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、リフレクタ樹脂部における、パッド部及びリード部の外周を囲む部位を切断する工程と、を有する
ことにより製造できる。
【0049】
あるいは、本発明のLEDパッケージは、金属板から貫通エッチングによりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成後にめっき処理を施されて製造され、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、パッド部及びリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成された、LED用リードフレーム領域が複数配列された多列型LED用リードフレームを準備する工程と、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成する工程と、金属板の上面側において区画されたパッド部の面にLED素子を搭載するとともに、金属板の上面側において区画されたリード部とLED素子とをワイヤボンディングする工程と、金属板の上面側において区画されたパッド部及びリード部におけるリフレクタ樹脂部で囲まれ、LED素子が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部を設ける工程と、リフレクタ樹脂部における、パッド部及びリード部の外周を囲む部位を切断する工程と、を有する
ことにより製造できる。
【0050】
従って、本発明によれば、リードフレーム領域(パッド部、リード部)を所定形状に加工後にめっき層を形成するタイプのリードフレームにおいて、反射率を向上させ、且つ、リフレクタ樹脂との密着性を高めることのできる多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージ、及びそれらの製造方法が得られる。
【0051】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかるLEDパッケージの概略構成を示す図で、切断されて一個の製品となった状態のLEDパッケージの断面図である。
図2は
図1に示すLEDパッケージの製造に用いる多列型LED用リードフレームの概略構成を示す図で、(a)は個々のリードフレーム領域におけるパッド部とリード部の配置を上面側からみた部分平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(b)の要部の構成を示す部分拡大図である。
図3は
図1及び
図2に示す多列型LED用リードフレーム及びLEDパッケージの製造工程の一例を示す説明図である。
【0052】
本実施形態のLEDパッケージは、
図1に示すように、パッド部11と、リード部12と、連結部17と、光沢性のあるAgめっき層13aと、粗化めっき層13cと、LED素子20と、ボンディングワイヤ14と、リフレクタ樹脂部15と、透明樹脂部16を有して構成されている。
パッド部11及びリード部12は、リードフレームの基材をなす金属板から、貫通エッチングにより、連結部を備える、所定形状に形成されている。
連結部17は、
図2(a)において左下がりの斜線のハッチングをつけて示したように、リードフレームの基材をなす金属板から形成され、その一端が当該リードフレーム領域におけるパッド部11及びリード部12と接続し、他端が他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の上記金属板における外枠部18と接続している。
光沢性のあるAgめっき層13aは、所定形状に形成されたパッド部11とリード部の夫々の
全面に形成されている。そして、上面に形成された光沢性のあるAgめっき層13aは、LED素子から出射される光を反射する反射用めっき層として機能し、下面に形成された光沢性のあるAgめっき層13aは、外部機器と接続するための外部接続用めっき層として機能する。
粗化めっき層13cは、粗化Niめっき層を有して構成され、所定形状に形成されたパッド部11とリード部12の夫々の上面と下面との間の面に
おける、光沢性のあるAgめっき層13aの上に形成されている。なお、粗化めっき層13cは、粗化Niめっき層と、粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有して構成されるのが好ましい。
リフレクタ樹脂部15は、
図2(a)において右下がりのハッチングで示した領域に形成された後、パッケージの外形ラインが残るように切断されている。また、リフレクタ樹脂部15は、
図1に示すように、粗化めっき層13cが形成されている面(所定形状に形成されたパッド部11とリード部12の夫々の上面と下面との間の面)に密着している。そして、リフレクタ樹脂部15は、連結部17を覆い、パッド部11とリード部12との間を、面一となるように介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲んでいる。
LED素子20は、反射用めっき層13aが形成されたパッド部11の面に搭載されている。
ボンディングワイヤ14は、LED素子20と反射用めっき層13aが形成されたリード部12の面とを接合している。
透明樹脂部16は、金属板の上面側において区画されたパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間を封止している。
【0053】
また、本実施形態のLEDパッケージの製造に使用されるリードフレームは、
図2(a)、
図2(b)に示すように、多数のLEDパッケージを一度に得るために、パッド部11とリード部12の組合せからなる個々のリードフレーム領域(
図2においては夫々一点鎖線の矩形で示すパッケージ外形ラインが相当する。)がマトリックス状に配列された多列型リードフレームとして形成されている。
個々のリードフレーム領域は、金属板から貫通エッチングにより形成されたパッド部11とリード部12の夫々の上面に、反射用めっき層として機能する光沢性のあるAgめっき層13a、パッド部11及びリード部12の下面に外部接続用めっき層として機能する光沢性のあるAgめっき層13a、パッド部11とリード部12の夫々の上面と下面との間の面に
、順に積層された、光沢性のあるAgめっき層13a、粗化めっき層13cを夫々有している。粗化めっき層13cの最上面は、
図2(b)に示すように、パッド部11とリード部
12の夫々の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層の上面に対し、例えば、2〜
5μm程度低くなってい
る。
【0054】
このように構成される本実施形態の多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージは、例えば、次のようにして製造する。なお、製造の各工程において実施される、薬液洗浄や水洗浄等を含む前処理・後処理等は、便宜上説明を省略する。
【0055】
まず、
図3(a)に示す基材となる金属板(例えば、Cu材)の両面に、エッチング用のレジストマスク30を形成(
図3(b)参照)し、貫通エッチングよりパッド部及びリード部を有する所定のリードフレーム形状を形成し、エッチング用のレジストマスク30を除去する(
図3(c)参照)。
なお、本実施形態及び後述の実施例の多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージの製造工程において用いるレジストマスクの形成は、金属板の両面に例えばドライフィルムレジストをラミネートし、両面のドライフィルムレジストに対し、所定位置に、パッド部及びリード部の基部を形成するパターンが形成されたガラスマスクを用いて、両面を露光・現像することによって行う。なお、露光・現像は従来公知の方法により行う。例えば、ガラスマスクで覆った状態で紫外線を照射し、ガラスマスクを通過した紫外線が照射されたドライフィルムレジストの部位の現像液に対する溶解性を低下させて、それ以外の部分を除去することで、レジストマスクを形成する。なお、ここでは、レジストとしてネガ型のドライフィルムレジストを用いたが、レジストマスクの形成には、ネガ型の液状レジストを用いてもよい。さらには、ポジ型のドライフィルムレジスト又は液状レジストを用いて、ガラスマスクを通過した紫外線が照射されたレジストの部分の現像液に対する溶解性を増大させて、その部分を除去することでレジストマスクを形成するようにしてもよい。
【0056】
次に、露出しているリードフレーム形状の金属板の全面に光沢性のあるAgめっき層を形成する(
図3(d)参照)。
なお、光沢性のあるAgめっき層の形成に際しては、高濃度のシアンAg浴を用い、好ましくは、Se含有の光沢剤を使用する。
次に、光沢性のあるAgめっき層が形成されたリードフレーム形状の金属板の上面と下面に、粗化めっき用のレジストマスク31を、夫々の面全体を覆うように形成する(
図3(e)参照)。
なお、
図3(e)の例では、リードフレーム形状の金属板の上面を覆うレジストマスク31を、パッド部11やリード部12が形成されている領域に加えて、パッド部11やリード部12が形成されていない領域(即ち、パッド部11とリード部12の間の上部)も覆うように形成している。
図3(e)の例のように、レジストマスク31を形成すると、レジストを露光するためのパターンとして、パッド部11やリード部12の形状に対応させた複雑なパターンが形成されたガラスマスクを用いる必要がなく、単純なパターンのガラスマスクを用いれば足りる分、作業を簡素化できる。
なお、金属板の上面を覆うレジストマスク31を、パッド部11やリード部12が形成されている領域のみを覆うように形成しても勿論よい。
次に、レジストマスク31が形成されていないリードフレーム形状の金属板の上面と下面との間の面に、粗化めっき層13cを形成する(
図3(f)参照)。
次に、粗化めっき用のレジストマスク31を除去する(
図3(g)参照)。これにより、本実施形態の多列型LED用リードフレームが完成する。
次に、金属板の下面側の領域全体を覆う樹脂製のテープを、金属板の下面に密着させる(
図3(h)参照)。
次に、パッド部とリード部との間にリフレクタ樹脂を金属板の上方及び側方から充填し、形成された連結部17を覆い、形成されたパッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15を、モールド金型を用いて形成する(
図3(i)参照)。これにより、本実施形態のリフレクタ樹脂部を備えた多列型LED用リードフレームとなる。
【0057】
次に、金属板の上面側において区画されたパッド部11の面にLED素子20を搭載するとともに、金属板の上面側において区画されたリード部11とLED素子20とをボンディングワイヤ14を介して接続する。さらに、金属板の上面側において区画されたパッド部11及びリード部12におけるリフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間に透明樹脂を充填し、透明樹脂部16を形成して、このリフレクタ樹脂部15で囲まれた内部空間を封止する(
図3(j)参照)。
【0058】
次に、樹脂製のテープを除去し、リフレクタ樹脂部15における、パッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を切断する(
図3(k)参照)。これにより、本実施形態のLEDパッケージが完成する。
【0059】
本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、パッド部11とリード部12の夫々の上面に、光沢性のあるAgめっき層が形成された構成にしたので、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部を形成し、パッド部11にLED素子20を搭載し、リード部12とLED素子20とをワイヤボンディングし、リフレクタ樹脂部15で囲まれ、LED素子20が搭載された内部空間を充填する透明樹脂部16を設け、リフレクタ樹脂部15における、パッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を切断することによって得られる個々のLEDパッケージの反射率をより一層高めることができる。
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、パッド部11とリード部12の夫々の上面と下面との間の面に、粗化めっき層13cが形成された構成にしたので、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲むリフレクタ樹脂部15を形成したときの、リフレクタ樹脂部15の密着性が向上してパッド部11及びリード部12の抜けを防止できる。そして、リフレクタ樹脂部15がパッド部11及びリード部12を固定することから、パッド部11やリード部12の変形や反り等の防止にも繋がる。
【0060】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームにおいて、粗化めっき層13cが、粗化Niめっき層を有して構成すれば、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲むリフレクタ樹脂部15を形成したときの、リフレクタ樹脂部との密着性の向上が実現できる。
【0061】
また、本実施形態の多列型LED用リードフレームにおいて、粗化めっき層13cが、粗化Niめっき層と、粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有して構成すれば、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲むリフレクタ樹脂部15を形成したときの、リフレクタ樹脂部15との密着性がより一層向上する。
【0062】
本実施形態の多列型LED用リードフレームにおいて、さらに、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周をパッド部11のLED素子搭載面に搭載するLED素子20よりも上方に突出するように囲むリフレクタ樹脂部15が形成されている構成にすれば、リフレクタ樹脂部15がパッド部11及びリード部12を固定するため、LEDパッケージ領域が複数配列された多列型LEDパッケージを製造する過程に用いたときの、個々のリードフレーム領域の変形が生じ難くなり、パッド部やリード部の段差、変形、反り等が生じ難く、裏面側に露出する外部接続用の端子面の平坦性が保たれ易くなる。
【0063】
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、パッド部とリード部の夫々の上面に、光沢性のあるAgめっき層が形成された構成にしたので、LEDパッケージの反射率をより一層高めることができる。
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、パッド部11とリード部12の夫々の上面と下面との間の面に、粗化めっき層13cが形成された構成にしたので、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲んで形成されるリフレクタ樹脂部15の密着性が向上する。
【0064】
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、粗化めっき層13cを、粗化Niめっき層を有する構成にしたので、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲んで形成されるリフレクタ樹脂部の密着性の向上が具現化できる。
【0065】
また、本実施形態のLEDパッケージにおいて、粗化めっき層13cを、粗化Niめっき層と、粗化Niめっき層の上に形成されたPdめっき層とを有してなる構成にするのが好ましい。更にPdめっき層の上にAuフラッシュめっき層を形成しても良い。
このようにすれば、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んで形成されるリフレクタ樹脂部15の密着性がより一層向上する。
【0066】
従って、本実施形態によれば、リードフレーム領域(パッド部、リード部)を所定形状に加工後にめっき層を形成するタイプのリードフレームにおいて、反射率を向上させ、且つ、リフレクタ樹脂との密着性を高めることのできるLEDパッケージ、多列型LED用リードフレーム、及びそれらの製造方法が得られる。
【0067】
第2実施形態
図4は本発明の第2実施形態にかかるLEDパッケージの概略構成を示す図で、切断されて一個の製品となった状態のLEDパッケージの断面図である。
図5は
図4に示すLEDパッケージの製造に用いる多列型LED用リードフレームの概略構成を示す図で、(a)は部分断面図、(b)は(a)の要部の形状を示す部分拡大図である。
図6は
図4及び
図5に示す多列型LED用リードフレーム及びLEDパッケージの製造工程の一例を示す説明図である。なお、
図1〜
図3に示した第1実施形態のLEDパッケージ、多列型LED用リードフレームと同様の構成部分については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0068】
本実施形態のLEDパッケージでは、光沢性のあるAgめっき層13aは、
図4に示すように、所定形状に形成されたパッド部11とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面に形成されている。
粗化めっき層13cは、粗化Niめっき層を有して構成され、所定形状に形成されたパッド部11とリード部12の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に形成されている。
リフレクタ樹脂部15は、粗化めっき層13cが形成されている面(所定形状に形成されたパッド部11とリード部12の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面)に密着している。
【0069】
また、本実施形態のLEDパッケージの製造に使用されるリードフレームでは、個々のリードフレーム領域は、
図5(b)に示すように、金属板から貫通エッチングにより形成されたパッド部11とリード部12の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面に、反射用めっき層として機能する光沢性のあるAgめっき層13a、パッド部11及びリード部12の下面に外部接続用めっき層として機能する光沢性のあるAgめっき層13a、パッド部11とリード部12の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に粗化めっき層13cを夫々有している。粗化めっき層13cの最上面は、パッド部11とリード部の夫々の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層の上面に対し、例えば、3〜10μm程度低くなっている。
その他の構成は、
図1、
図2に示した第1実施形態の多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージと略同じである。
【0070】
このように構成される本実施形態の多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージは、例えば、次のようにして製造する。なお、
図3に示した第1実施形態の多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージの製造工程と同様の工程については、詳細な説明を省略する。
【0071】
リードフレーム形状の金属板の全面に光沢性のあるAgめっき層を形成する工程(
図6(a)〜
図6(d)参照)までは、第1実施形態における製造工程(
図3(a)〜
図3(d)参照)と略同じである。
本実施形態では、次に、光沢性のあるAgめっき層が形成されたリードフレーム形状の金属板の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面に、粗化めっき用のレジストマスク31を、夫々の面全体を覆うように形成する(
図6(e)参照)。具体的には、例えば、粗化めっき用のレジストマスク31として柔軟性の高いドライフィルムレジストを用い、光沢性のあるAgめっき層が形成されたリードフレーム形状の金属板の上面から上面の周囲近傍の側面にかけて3〜10μm程度食い込ませるようにする(
図6(f)参照)。
次に、レジストマスク31が形成されていないリードフレーム形状の金属板の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層13cを形成する(
図6(g)参照)。
次に、粗化めっき用のレジストマスク31を除去する(
図6(h)参照)。これにより、本実施形態の多列型LED用リードフレームが完成する。このようにして形成された粗化めっき層13cの最上面は、リードフレーム形状の金属板の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層13aの上面に対し、例えば、3〜10μm程度低くなる(
図6(i)参照)。
【0072】
以後の本実施形態のリフレクタ樹脂部を備えた多列型LED用リードフレームの製造工程(
図6(j)〜
図6(k)及び本変形例のLED用パッケージの製造工程(
図6(l)、
図6(m)参照)は、
図3に示した第1実施形態におけるものと略同じである。
【0073】
本実施形態の多列型LED用リードフレームによれば、パッド部11とリード部12の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層13cが形成された構成にしたので、粗化めっき層13aの最上面は、パッド部11とリード部12の夫々の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層13aの上面からある程度下方に位置することになる。このため、パッド部11とリード部12との間にリフレクタ樹脂を充填して、LED素子20を搭載する側において反射用めっき層をなす光沢性のあるAgめっき層13aの上面と面一となるようにリフレクタ樹脂部15を形成したときに、反射用めっき層をなす光沢性のあるAgめっき層13aの周囲近傍の粗化めっき層13aの最上面を露出させずに済み、LED素子20を搭載する領域全体の光沢性のあるAgめっき層13aによる反射率の向上効果を最大限に発揮させることができる。
【0074】
また、本実施形態のLEDパッケージによれば、パッド部11とリード部12の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層13cが形成された構成にしたので、粗化めっき層13cの最上面は、パッド部11とリード部12の夫々の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層13aの上面からある程度下方に位置することになる。このため、LED素子20を搭載する側において反射用めっき層をなす光沢性のあるAgめっき層13aの上面と面一となるようにリフレクタ樹脂部15が形成された状態において、反射用めっき層をなす光沢性のあるAgめっき層13aの周囲近傍の粗化めっき層13cの最上面が露出せず、LED素子20を搭載する領域全体の光沢性のあるAgめっき層13aによる反射率の向上効果を最大限に発揮させることができる。
その他の作用効果は、第1実施形態の多列型LED用リードフレーム、LEDパッケージと略同じである。
【0075】
実施例
次に、本発明の実施例について、説明する。
実施例1
本実施例では、洗浄処理や乾燥処理など各工程の前処理、後処理は、一般的な処理であることから記載を省略する。
【0076】
最初に、帯状で厚さ0.15mmのCu材をリードフレームの基材として準備し(
図3(a)参照)、外枠部における縁部にパイロットホールを形成した後、両面にレジスト層を形成した。
次に、リードフレームの基材の両側に、必要なリードフレーム形状(パッド部、リード部、連結部等)を形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、先に形成したパイロットホールを基準にガラスマスクの位置を決定して露光・現像を行うことでリードフレームの基材の両面にエッチング用のレジストマスクを形成した(
図3(b)参照)。
次に、リードフレーム基材の両側からエッチング処理を行って貫通エッチング加工を行い、パッド部、リード部、連結部等を備えたリードフレーム形状を形成した(
図3(c)参照)。
次に、リードフレーム形状が形成されたリードフレーム基材の全面に、光沢性のあるAgめっき層を形成した。詳しくは、リードフレーム基材に対し、Cuストライクめっきを施して、設定厚さ0.8μmのCuめっき層を形成し、次いで、Se含有の光沢剤を使用した高シアンAg浴を用いて、Agめっきを施して、設定厚さ2.5μmの光沢性のあるAgめっき層を形成した(
図3(d)参照)。
次に、ドライフィルムレジストを用い、リードフレーム基材の上面と下面に、粗化めっき用のレジストマスクを形成した(
図3(e)参照)。
次に、リードフレーム基材の上面と下面との間の面に粗化めっき層を形成した。詳しくは、まず、設定厚さ1μmの粗化Niめっき層を形成し、次いで、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっき層を形成することによって得た(
図3(f)参照)。
粗化めっき層を形成後、両面に形成された粗化めっき用のレジストマスクを剥離し(
図3(g)参照)、多列型LED用リードフレームを得た。
【0077】
次に、リードフレーム基材の下面に領域全体を覆う樹脂製のテープを、貼り付け、密着させた(
図3(h)参照)。
【0078】
次に、パッド部とリード部との間にリフレクタ樹脂を金属板の上方及び側方から充填し、モールド金型を用いてLED用リードフレームにリフレクタ樹脂部を形成した(
図3(i)参照)。リフレクタ樹脂は、区画されたパッド部とリード部との間を、LED素子を搭載する側が面一となるように介在する所定の形状に形成される。また、リフレクタ樹脂部はパッド部とリード部の外周をパッド部のLED素子搭載面に搭載するLED素子よりも上方に突出して囲むように形成される。
次に、リフレクタ樹脂部が形成されたLED用リードフレームのパッド部にLED素子を搭載・固定するとともに、LED素子とリード部とをワイヤボンディングし、さらに、リフレクタ樹脂部に囲まれるLED素子が搭載された内部空間に透明樹脂を充填し、LED素子とボンディングワイヤを封止する透明樹脂部を形成した(
図3(j)参照)。
【0079】
次に、樹脂製のテープを除去し、複数のLEDパッケージ領域がリフレクタ樹脂部によって固定された状態で形成された多列型LEDパッケージから個々のLEDパッケージを得るために、リフレクタ樹脂部における、連結されたパッド部及びリード部の外周を囲む部位を切断加工した(
図3(k)参照)。これにより、パッド部とリード部の夫々の上面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、パッド部とリード部の夫々の上面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成されているLEDパッケージが得られた。このLEDパッケージは、パッド部とリード部の夫々の上面に光沢性のあるAgめっき層が形成されているため、反射率が高く、しかも、パッド部とリード部の夫々の上面と下面との間の面に粗化めっき層が形成されているため、リフレクタ樹脂との密着性が高い。
【0080】
実施例2
実施例1と同様のリードフレームの基材を準備し、実施例1と同様の工程を経て、リードフレーム形状が形成されたリードフレーム基材の全面に、光沢性のあるAgめっき層を形成した(
図6(a)〜
図6(d)参照)。
次に、柔軟性の高いドライフィルムレジストを用い、リードフレーム基材の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面に、粗化めっき用のレジストマスクを、光沢性のあるAgめっき層が形成されたリードフレーム基材の上面から上面の周囲近傍の側面にかけて約5μm程度食い込ませるように形成した(
図6(e)、
図6(f)参照)。
次に、リードフレーム基材の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に粗化めっき層を形成した。詳しくは、まず、設定厚さ1μmの粗化Niめっき層を形成し、次いで、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっき層を形成することによって得た(
図6(g)参照)。
粗化めっき層を形成後、両面に形成された粗化めっき用のレジストマスクを剥離し(
図6(h)参照)、多列型LED用リードフレームを得た。このようにして形成された粗化めっき層の最上面は、リードフレーム形状の金属板の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層の上面に対し、約5μm程度低くなった(
図6(i)参照)。
【0081】
以後、実施例1と略同様の製造工程(
図6(j)〜
図6(m))参照)を経て、リフレクタ樹脂部を備えた多列型LED用リードフレーム(
図6(k)参照)、さらにはLED用パッケージ(
図6(m)参照)を得た。これにより、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面に、光沢性のあるAgめっき層が形成され、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に、粗化めっき層が形成されているLEDパッケージが得られた。このLEDパッケージは、パッド部とリード部の夫々の上面に光沢性のあるAgめっき層が形成されているため、反射率が高く、しかも、パッド部とリード部の夫々の上面及び上面の周囲近傍の側面と下面との間の面に粗化めっき層が形成されているため、リフレクタ樹脂との密着性が高い。しかも、粗化めっき層の最上面は、パッド部とリード部の夫々の上面に形成されている光沢性のあるAgめっき層の上面からある程度下方に位置し、反射用めっき層をなす光沢性のあるAgめっき層の周囲近傍の粗化めっき層の最上面が露出せず、LED素子搭載領域全体の光沢性のあるAgめっき層による反射率の向上効果が最大限に発揮できるものとなった。