(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の極室により構成された集塵極と、前記極室の内部を略垂直方向に貫通するように配設された放電極と、を備える電気集塵機の前記極室の内部を補修する極室内補修装置であって、
前記極室の内部を略垂直方向に沿って移動可能に配置され、補修装置本体を、略水平に前記極室の内部の任意の場所に固定する本体固定具と、
を備える極室内補修装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る極室内補修装置の補修対象となる湿式電気集塵機1の概略構成を示す断面図である。
具体的には、
図1(A)及び
図1(B)は、湿式電気集塵機1の外観の概略構成を示す断面図であり、相互に略垂直の別々の方向からみた断面図である。
【0015】
湿式電気集塵機1には、上部ケーシング11と、集塵極22と、下部ケーシング13と、架構14と、が設けられている。
上部ケーシング11と、集塵極22と、下部ケーシング13とが上方からその順番で組み合わされることによって、湿式電気集塵機1の筺体が構成される。湿式電気集塵機1の筺体は、架構14により、地上から所定距離だけ上方に離間して固定されている。湿式電気集塵機1の筺体の材質は、本実施形態では導電性のFRP(繊維強化プラスチック:Fiber Reinforced Plastics)が採用されている。
【0016】
図2は、湿式電気集塵機1の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。
図3は、湿式電気集塵機1の筺体内部の概略構成を示す上面図である。
【0017】
図2や
図3に示すように、湿式電気集塵機1の筺体内部には、上部グリッド21と、集塵極22と、下部グリッド23と、電極ロッド24と、放電線25と、ウェイト26と、上向きスプレーノズル27と、洗浄用配管28と、が設けられている。
【0018】
上部グリッド21と、集塵極22と、下部グリッド23とは、
図2に示すように、上方からその順番で相互に所定距離だけ離間して、水平方向に相互に略平行となるように、配設されている。
【0019】
集塵極22は、
図2や
図3に示すように、角筒を単位(以下、このような単位を「極室」と呼ぶ)として、複数の極室を繰り返し連続して配置することによって構成される。
具体的には、以下、略水平方向のうち、一方向を「縦方向」と呼び、縦方向に直角な方向を「横方向」と呼ぶ。この場合、縦方向にN個の単位を繰り返し連続して配置させ、横方向にM個の単位を繰り返し連続して配置させること(以下、「N×M」と表現する)によって、集塵極22が構成される。
【0020】
ここで、NとMとは独立した任意の整数値であり、本実施形態では、
図2や
図3に示すように、集塵極22の極室の個数はN×M=9×9個とされている。
なお、
図2及び
図3において、集塵極22の極室の個数がN×M=3×3個とされているのは、単なる説明の便宜上のためである。換言すると、
図2乃至
図3においては、説明の便宜上、集塵極22を構成する9×9個の極室のうち、中央の3×3個の極室のみが図示されている。
【0021】
ここで、集塵極22のように、角筒の集合体として構成される集塵極は、一般的に「角筒型集塵極」と呼ばれており、単位体積当たりの集塵極面積が大きいため、コンパクトな設計が可能になるという特長を有している。
なお、集塵極22の材質は、本実施形態では、導電性のFRPが採用されている。
【0022】
このような集塵極22に対する放電極は、本実施形態では、電極ロッド24及び放電線25により構成されている。
電極ロッド24は、
図2に示すように、集塵極22の所定の極室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、上端部が上部グリッド21に固定され、下端部が下部グリッド23に固定される。
【0023】
放電線25は、
図2に示すように、上部グリッド21から吊下げられ、集塵極22の所定の極室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設される。放電線25はまた、弛まないだけの張力を持たすように、下部グリッド23の上部に設けられたウェイト26に接続される。
【0024】
電極ロッド24には、直流高圧発生装置30から負極の直流高電圧Vが直接印加される。一方、放電線25には、直流高圧発生装置30からの負極の直流高電圧Vが、電極ロッド24及び上部グリッド21を介して印加される。
【0025】
上向きスプレーノズル27は、集塵極22の各極室の四隅の上方に配設され、洗浄用配管28に流通している洗浄水を、略垂直上向き方向に微細の霧として噴出する。
ここで、「霧」とは、ミクロンオーダーの直径を有する水滴が、1cm
3の空間中に数個乃至数100個程度含まれている状態をいう。本実施形態では、洗浄水が、直径が約200〜800ミクロンの水滴として、上向きスプレーノズル27から略垂直上向き方向に噴出される。
【0026】
集塵極22の各極室の四隅の上方に配設された上向きスプレーノズル27の各々から噴出された霧は、集塵極22の各極室の側面全体を覆う水膜となる。即ち、上向きスプレーノズル27から霧として噴出された洗浄水によって、集塵極22の各極室の側面には濡れ壁が形成される。これにより、集塵極22に付着したミストやダスト等の微粒子の成長を防止すると共に、これらの微粒子を従来よりも確実に洗浄除去することが可能になる。
【0027】
なお、
図1に示すように、従来の湿式電気集塵機と同様に、集塵極22の上端部から所定距離だけ離間した上方の所定位置に、下向きスプレーノズル29を設けるようにしてもよい。
【0028】
次に、以上の湿式電気集塵機1に使用される極室内補修装置41の構成について説明する。
【0029】
図4は、本発明の一実施形態に係る極室内補修装置41のハードウェアの構成を示すブロック図である。
極室内補修装置41は、昇降装置51と、補修装置本体52と、制御装置53と、電源装置54と、を備える。
【0030】
昇降装置51は、昇降用ウインチ61を備える。昇降用ウインチ61は、制御装置53からの指示に基づき、本体固定具104(後述の
図5参照)を上下方向に駆動する。昇降装置51を使用した本体固定具104の移動については、後述の
図9を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、このように昇降装置51は自動的に駆動されるが、特にこれは必須ではない。即ち、補修作業者が手作業で、昇降装置51の昇降用ウインチ61を操作して、補修装置本体52を極室内に降下させたり上昇させてもよい。
【0031】
補修装置本体52は、撮像装置71と、照明装置72と、補修工具73と、ノズル74と、を備える。
撮像装置71は、光学レンズ部(図示せず)と、イメージセンサ(図示せず)と、を備え、光学レンズ部から入射された被写体像をイメージセンサから撮像データとして出力して制御装置53に供給する。また、撮像装置71は、モニタ装置81を介して電源装置54からの電力の供給を受けている。
【0032】
照明装置72は、LED(Light Emitting Diode)を含むように構成され、後述の照明点灯スイッチ82を介して電源装置54からの電力の供給を受けている。なお、本実施形態においては、照明装置72は、LEDを含むように構成されているがこれに限られるものではなく、白熱電球、蛍光灯等所定の照度を得られる照明器具であれば特に限定されない。
また、撮像装置71と、照明装置72と、は夫々単独で設置できるが、本実施形態のように、撮像装置71と、照明装置72と、を一つの筐体にまとめることもできる。
【0033】
補修工具73は、位置決め機構を持つ電動工具と、XY軸方向の停止位置を制御できる工具台と、を備え、補修箇所の研削(サンディング)を行う。
具体的には、例えば、スライダ、シリンダ等により位置決め機構を持つ、グラインダ、リューター等の電動工具と、ステッピングモータ等によりXY軸方向の停止位置を制御できる旋盤の工具台様の工具台と、によって構成することができる。
【0034】
ノズル74は、位置決め機能と、洗浄機能と、乾燥機能と、樹脂塗布機能と、を備え、補修工具73によって研削された研削面を、洗浄、乾燥し、樹脂を塗布する。具体的には、例えば、スプレー水やエア吹付け等による洗浄機能、シリンジ、スプレー装置等による樹脂塗布機能を備えることができる。
補修工具73及びノズル74は、操作制御装置84を介して電源装置54からの電力の供給を受けている。
【0035】
制御装置53は、モニタ装置81と、照明点灯スイッチ82と、操作装置84と、記録端子83と、を備える。
モニタ装置81は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、撮像装置71から供給された撮像データにより表わされる撮像画像を、逐次表示する。
照明点灯スイッチ82は、電源装置54から供給される電力を照明装置72に供給するように、照明装置72に接続される。
操作装置84は、昇降装置51と、補修装置本体52自体の移動と、補修工具73及びノズル74の駆動と、を操作する。なお、本実施形態では、操作装置84は、昇降装置51を自動的に駆動するように操作するが、特にこれは必須ではない。即ち、補修作業者が手作業で、昇降装置51で補修装置本体52を極室内に降下させたり上昇させてもよい。
記録端子83は、モニタ装置81に接続され、モニタ装置81に表示対象となっている撮像データの内容を記録媒体に記録するためのインターフェースとして機能する。
【0036】
電源装置54は、昇降装置51、補修装置本体52及び制御装置53に電力を供給する。
補修作業者は、モニタ装置81に逐次表示される撮像画像を目視確認しながら、操作装置84を操作することにより、昇降装置51で補修装置本体52を極室内に降下させ、補修が必要な場所に到達したら、本体固定具104(後述の
図5参照)により、補修装置本体52を極室内に固定する。なお、上述した様に、補修作業者が手作業で、昇降装置51で補修装置本体52を極室内に降下させてもよい。
【0037】
その後、補修装置本体52自体の、補修面に対する平行移動及び垂直移動を行い、補修箇所の位置決めをする。
その後、補修工具73及びノズル74を駆動させることにより、補修箇所に対する補修作業(研削、洗浄、樹脂塗布)を行う。
【0038】
次に、以上の極室内補修装置41のうち、補修装置本体52についてさらに詳しく説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る補修装置本体52の上面図である。
【0039】
補修装置本体52は、垂直移動台車101と、平行移動台車102と、本体固定具104と、を備える。
垂直移動台車101は、撮像装置71と、照明装置72と、補修工具73と、ノズル74と、を上面に固定させている。
なお、撮像装置71と、照明装置72とは、垂直移動台車101上に夫々単独で固定できるが、本実施形態のように、撮像装置71と、照明装置72とを一つの筐体にまとめた状態で固定することもできる。
【0040】
垂直移動台車101は、平行移動台車102の上面に敷設された垂直移動レール103上に固定されている。
平行移動台車102は、上面に垂直移動レール103を備える。垂直移動レール103は、垂直移動台車101が、平行移動台車102の上面を垂直移動できるように敷設されている。
【0041】
平行移動台車102は、本体固定具104の上面を平行移動できるように、平行移動レール105上に固定されている。
本体固定具104は、上面に平行移動レール105と、底面端部に複数の稼働脚111と、を備える。本体固定具104の寸法は、特に
図5の例に限定されず、集塵極22を構成する極室の寸法よりも小さい寸法に形成されていれば足りる。
【0042】
本体固定具104には、昇降用ウインチ61を備える昇降装置51から、極室内へ下ろされた昇降用チェーン116(後述の
図7参照)に接続され、補修装置本体52が略水平の状態を維持できるように吊り下げられる。
【0043】
水平移動レール105は、平行移動台車102が、本体固定具104の上面を平行移動できるように敷設されている。
なお、垂直移動台車101及び平行移動台車102の移動については、後述の
図6を参照して詳細に説明する。
【0044】
稼働脚111は、長手方向の長い棒状の部材であって、長手方向の一端が本体固定部104の底面端部に回動自在に複数軸着されている。
なお、稼働脚111の稼働については、後述の
図9を参照して詳細に説明する。
【0045】
図6は、
図5を初期状態とした場合における補修装置本体の平行移動範囲及び垂直移動範囲を示す図である。
【0046】
図6に示すように、補修工具73は、垂直移動台車101に固定されており、垂直移動台車101は、平行移動台車102の上面に敷設された垂直移動レール103の上に固定されている。
さらに、平行移動台車102は、本体固定具104の上面に敷設された平行移動レール105の上に固定されている。
【0047】
補修作業者は、モニタ装置81に逐次表示される撮像画像を目視確認しながら、操作装置84を操作することにより、昇降装置51で補修装置本体52を極室内に降下させ、補修が必要な場所に到達したら、本体固定具104によって、極室内の補修が必要となる場所に、補修装置本体52を固定する。
【0048】
その後、補修装置本体52自体を、補修面に対して平行移動又は垂直移動させ、補修箇所の位置決めをする。
具体的には、補修工具73の位置を初期状態とした場合において、平行移動台車102を、平行レール105の上で、補修面に対し平行に移動させることにより、補修工具73を、補修工具73aと補修工具73bとの範囲内で、補修面に対し平行に移動させる。
【0049】
また、補修工具73を、垂直移動台車101で、補修面に対し垂直に移動させることにより、補修工具73を、補修工具73と補修工具73cとの範囲内で、補修面に対し垂直に移動させる。
【0050】
これにより、補修装置本体52の移動及び固定と、補修が必要となる場所に対する補修工具73の細かな位置決めと、実際の補修作業と、を一人の補修作業者が一括して遠隔操作することができる。
【0051】
図7は、本発明の一実施形態に係る補修装置本体52の正面図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る補修装置本体52の側面図である。
【0052】
図7及び
図8に示すように、本実施形態における本体固定具104は、昇降用ウインチ61を備える昇降装置51から極室内へ下ろされた昇降用チェーン116に接続され、吊り下げられている。
また、稼働脚111は、昇降用ウインチ61を備える昇降装置51から、極室の内部へ下ろされた固定用チェーン115に接続されている。
【0053】
補修作業者は、モニタ装置81に逐次表示される撮像画像を目視確認しながら、操作装置84を操作し昇降用チェーン116を送り出すことにより、補修装置本体52を極室内に降下させる。なお、上述した様に、補修作業者は、手作業で昇降用チェーン116を送り出すことにより、補修装置本体52を極室内に降下させてもよい。
【0054】
補修装置本体52が、補修が必要となる場所に到達したら、本体固定具104によって、極室内の補修が必要となる場所に、補修装置本体52を固定する。
具体的には、補修装置本体52が、補修が必要となる場所に到達したら、昇降用ウインチの動作を停止し、昇降用チェーン116が張った状態で固定用チェーン115を巻き取り、稼働脚111を回動させ、極室の内壁22aと稼働脚111の端部とを圧接させる。
【0055】
そして、固定用チェーンが張った状態で、昇降用チェーンを少し送り出し、昇降用チェーン116の張りを緩める。このとき、補修装置本体52の自重によって、極室の内壁22aに対する突っ張り力が生じる。
【0056】
即ち、本体固定具104は、当該突っ張り力と、極室の内壁22aと稼働脚111の端部に軸着されたストッパー113の表面との摩擦力と、を利用することにより、極室の内部に補修装置本体52を固定される。
なお、稼働脚111の稼働については、後述の
図9を参照して詳細に説明する。
【0057】
補修装置本体52を極室の内部に固定した後は、補修装置本体52の自重により生じる極室の内壁22aに対する突っ張り力と、極室の内壁22aと稼働脚111の端部に軸着されたストッパー113の表面との摩擦力と、の働きにより、たとえ固定用チェーン115の張りを緩めたとしても、稼働脚111が動くことがない。したがって、昇降用チェーン116及び固定用チェーン115のいずれもが、張りが緩んだ状態となる。
【0058】
極室の内部に固定された補修装置本体52を移動させる場合は、まず昇降用ウインチ61が昇降用チェーン116を少し巻き取り、補修装置本体52を僅かに上昇させることにより、補修装置本体52の自重により生じていた極室の内壁22aに対する突っ張り力を解除させる。
【0059】
この時、固定用チェーンは緩んだ状態のままであるため、稼働脚111とストッパー113は、自重による回動によって極室の内壁22aを離れるため、固定用チェーン115が緩んだ状態である限り、本体固定部104の底面端部から下方に垂れ下がる。
【0060】
これにより、補修装置本体52は、昇降用チェーンに吊り下げられた状態となるため、補修作業者は、昇降用装置51を操作することにより、補修装置本体52を極室の内部で移動させることができる。
【0061】
図9(A)は、本発明の一実施形態に係る補修装置52が備える本体固定具104の、移動時の動きを示す図である。
【0062】
図9(A)に示すように、本体固定部104は、底面端部に稼働脚111を複数配置し、第一連結部112によって夫々回動自在に軸着されている。稼働脚111は、端部にストッパー113を備え、稼働脚111とストッパー113とは、第二連結部114によって互いに回動自在に軸着している。
【0063】
本体固定具104が移動するときは、本体固定具104の自重により生じていた極室の内壁22aに対する突っ張り力が解除されるため、稼働脚111及びストッパー113が極室の内壁22aから離れる。
【0064】
具体的には、昇降装置51で補修装置本体52を僅かに上昇させることによって、本体固定具104の自重により生じていた、極室の内壁22aに対する突っ張り力を解除させる。
このとき、固定用チェーンは緩んだままの状態になるため、稼働脚111とストッパー113は、自重による回動によって極室の内壁22aを離れる。
【0065】
なお、稼働脚111とストッパー113は、固定用チェーンが緩んだ状態である限り、本体固定部104の底面端部から下方に垂れ下がった状態となるが、
図9(A)では固定用チェーンが、稼働脚111及びストッパー113を少し持ち上げた状態となっている。
【0066】
また、本体固定具104は、第一連結部112とは別に、本体固定具104の底面端部と稼働脚111との間に、両者を繋ぐ弾性体117を備えることができる。
これにより、本体固定具104は、極室の内部を移動するとき、弾性体117によって稼働脚111を内側に引き込むため、極室の内部をスムーズに移動することができる。なお、弾性体117としては、具体的には例えばバネ等を用いることができる。
【0067】
図9(B)は、本発明の一実施形態に係る補修装置52が備える本体固定具104の、固定時の動きを示す図である。
【0068】
稼働脚111は、稼働脚111が回動し、極室の内壁22aと稼働脚111の端部とが圧接したときに、稼働脚111の長手方向の上面を基準とした極室の内壁22aまでの角度が、極室の内壁22aに対して45度以上の角度を保持する。このとき、本体固定部104の自重により生じる極室の内壁22aに対する突っ張り力と、極室の内壁22aと稼働脚111の端部との摩擦力と、を利用することにより、本体固定部104が極室の内部に固定される。
【0069】
なお、本実施形態における稼働脚111は、端部にストッパー113を備え、稼働脚111とストッパー113とは、互いに回動自在に軸着している。
即ち、ストッパー113の表面のうち、極室の内壁22aと向かい合う面は、稼働脚111と自らの回動により、極室の内壁22aに圧接される。
【0070】
このとき、本体固定部104の自重により生じる極室の内壁22aに対する突っ張り力と、極室の内壁22aとストッパー113の表面との摩擦力と、を利用することにより、本体固定部104は極室の内部に固定される。
【0071】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0072】
例えば、上記実施形態の集塵極22としては、開口部が正方形の形状を有する角筒を極室(単位)とする角筒型集塵極が採用されたが、特にこれに限定されない。
具体的には例えば、角筒型集塵極を構成する各極室の開口部の形状は、正方形である必要は特に無く、N角形(Nは3以上の整数値)であれば足りる。
【0073】
さらに例えば、開口部が円状等のN角形以外の形状を有する筒を極室として、複数の極室の集合体により構成される集塵極を採用してもよい。
ここで、開口部の形状がN角形の角筒を極室とする角筒型集塵極の場合、複数の極室に囲まれて形成される領域とは、複数の極室の交点、即ち、各極室のN個の角の各々を意味する。
【0074】
また、上記実施形態の昇降用チェーン及び固定用チェーンとして使用される部材は、いずれもチェーンに限定されず、補修装置本体52を吊り下げることができる丈夫な部材であれば足りる。具体的には例えば、ワイヤー等を採用してもよい。