【実施例】
【0039】
図1は本発明の微粒化装置の一実施例の回路図であり、微粒化状態の回路図を示す説明図である。
図2は
図1に示した微粒化状態の微粒化チャンバーと背圧ユニットの構成を示す説明図である。
図3は
図1に示した微粒化状態の増圧機の説明図である。
図4は
図1に示した背圧ユニットの構成を示す簡略説明図である。
図5は
図1に示した背圧ユニットの構成を示す説明図である。
図6は別の背圧ユニットの構成を示す説明図である。
図7は
図1の洗浄状態の回路図を示す説明図である。
図8は
図7に示した洗浄状態の微粒化チャンバーと背圧ユニットの構成を示す説明図である。
図9は
図7に示した洗浄状態の増圧機の構成を示す説明図である。
図10は
図1の滅菌状態の回路図を示す説明図である。
図11は
図10に示した滅菌状態の増圧機の構成を示す説明図である。
【0040】
図1に示す通り、本実施例の微粒化装置10は、主な機器として、原料を加圧する2基の増圧機20と、この増圧機20で加圧された原料の高圧噴流を100〜245MPaの噴射圧で噴射させて微粒化する微粒化チャンバー30と、この微粒化チャンバー30の排出口から排出される原料の背圧で背圧ノズルから内部に支承された硬質体に高圧噴流を衝突させる少なくとも一つの背圧ユニット40と、背圧ユニット40を経た原料の熱を回収する熱交換器50とを備える。
【0041】
個々の機器は、流路で連通されている。具体的には、原料を投入するための原料供給口11から増圧機20の供給口へ原料を供給する増圧機供給流路12と、増圧機20のハウジング内部から微粒化チャンバー30内部の微粒化ノズルまで加圧された原料を供給する微粒化ノズル供給流路13と、微粒化チャンバー30の微粒化ノズルから噴射された原料の背圧状態を維持させて前記背圧ユニット40の背圧ノズルまで原料を供給する背圧ノズル供給流路14と、背圧ユニット40内部の硬質体に衝突された原料の背圧状態を維持させて下流に供給する背圧ユニット後続流路15とを備える。
【0042】
図2及び
図8に示す通り、微粒化チャンバー30と背圧ユニット40とが配設されている。微粒化チャンバー30は、内部の衝突室31内に微粒化硬質体(図示せず)が支承され、この硬質体に
図3に示された増圧機20で加圧された原料を微粒化ノズル32で高圧の噴射圧で噴射させて衝突させる。具体的には、微粒化ノズル32のノズル直径は0.1〜0.5mmであり、100〜245MPaの噴射圧で噴射させる。尚、増圧機20は2基の増圧機20のシリンダ21内を摺動するプランジャ24を半周期ずらして駆動することにより、2組のチェック弁22,23によって、常に微粒化ノズル供給流路13に高圧力で原料が加圧される。また、微粒化チャンバー30の直前の微粒化ノズル供給流路13には高圧用の圧力センサー38が装着され、背圧ユニット40の直前の背圧ノズル供給流路14には背圧用の圧力センサー48が装着されている。
【0043】
この微粒化チャンバー30には、微粒化ノズル32の直前には微粒化装置10の洗浄中又は滅菌中に微粒化ノズル供給流路13内を流れる蒸気又は洗浄液の一部を微粒化ノズル供給流路13外へ排出する微粒化チャンバー用一部抜出手段としての抜出オンオフ弁33が設けられている。更に、微粒化ノズル32の直後には微粒化装置10の洗浄中又は滅菌中に抜出オンオフ弁33で排出された蒸気又は洗浄液を補うように追加して背圧ノズル供給流路14内に供給する微粒化チャンバー用副供給手段としての副供給オンオフ弁34が設けられている。
【0044】
本実施例の微粒化装置10では、原料を微粒化する場合には、微粒化チャンバー30の抜出オンオフ弁33及び副供給オンオフ弁34と、背圧ユニット40の抜出オンオフ弁43及び副供給オンオフ弁34とを閉塞し、供給バルブ16も閉塞する。加えて、増圧機20のプランジャ24をシリンダ21内を摺動可能に設置する。増圧機20のシリンダ21内を摺動するプランジャ24を半周期ずらして駆動することにより、チェック弁22,23の開閉によって、原料が原料供給口11から供給され、増圧機にてMAX245MPaに加圧され、微粒化チャンバー30にて微粒化される。その後、背圧ユニット40にて微粒化が促進され、熱交換器50を通りより排出される。
【0045】
具体的には、微粒化ノズル32の直前の微粒化ノズル供給流路13から止り穴通路35が分岐され、その通路の端部に抜出オンオフ弁33が設けられている。この止り穴通路35は、止り穴通路35の直径の6倍以内の分岐長さである。また、微粒化ノズル32の直後の背圧ノズル供給流路14から別の止り穴通路36が分岐され、その通路の端部に微粒化チャンバー用副供給手段の副供給オンオフ弁34が設けられている。この止り穴通路36も止り穴通路35の直径の6倍以内の分岐長さである。これにより、定置洗浄及び定置滅菌であっても、滅菌、洗浄を行う医薬装置回路における液だまりを規制する止り穴の規定である所謂「6D法則(即ち、止り穴長さは配管直径の6倍以内)」を満たすことができる利点があり、医薬であっても同様に微粒化を行うことができる。
【0046】
図4及び
図5に示す通り、背圧ユニット40は、微粒化チャンバー30と同様に、内部の衝突室41内にセラミックボール製の背圧硬質体47が支承され、この硬質体47に微粒化チャンバー30の排出口から排出される原料の背圧で背圧ノズル42から噴射させて衝突させる。具体的には、背圧ノズル42のノズル直径は0.16〜1.2mmであり、おおよそ8〜20MPaの噴射圧で噴射させる。
【0047】
この背圧ユニット40には、微粒化チャンバー30と同様に、背圧ノズル42の直前には微粒化装置10の洗浄中又は滅菌中に背圧ノズル供給流路14内を流れる蒸気又は洗浄液の一部を背圧ノズル供給流路14外へ排出する背圧ユニット用一部抜出手段としての抜出オンオフ弁43が設けられている。更に、背圧ノズル42の直後には微粒化装置10の洗浄中又は滅菌中に抜出オンオフ弁43で排出された蒸気又は洗浄液を補うように追加して背圧ノズル後続流路15内に供給する背圧ユニット用副供給手段としての副供給オンオフ弁44が設けられている。
【0048】
具体的には、背圧ノズル42の直前の背圧ノズル供給流路14から止り穴通路45が分岐され、その通路の端部に抜出オンオフ弁43が設けられている。この止り穴通路45は、止り穴通路45の直径の6倍以内の分岐長さである。また、背圧ノズル42の直後の背圧ノズル後続流路15から止り穴通路46が分岐され、その通路の端部に背圧ユニット用副供給手段の副供給オンオフ弁44が設けられている。この止り穴通路46も止り穴通路45の直径の6倍以内の分岐長さである。これにより、定置洗浄及び定置滅菌であっても、滅菌、洗浄を行う医薬装置回路における液だまりを規制する止り穴の規定である所謂「6D法則(即ち、止り穴長さは配管直径の6倍以内)」を満たすことができる利点があり、医薬であっても同様に微粒化を行うことができる。
【0049】
これらの抜出オンオフ弁43及び副供給オンオフ弁44は、MAX100MPaのシールが可能であり、Oリングシールを用いる必要がないため、医薬品対応装置に使用し易く、121℃の蒸気滅菌対応も可能となる。更に、背圧ノズルによるオリフィスの抵抗と衝突用セラミックボールの組み合わせを複数段(3段など)連設させることで、噴射圧から最終出口圧まで徐々に減圧し、気泡の発生の抑制と耐摩耗を得ることができる。背圧ユニットを2段、3段と複数組み合わせる場合は、背圧ユニットの下流に、同様の抜出オンオフ弁43及び副供給オンオフ弁44を備えた別の背圧ユニットを追加すればよい。
【0050】
尚、背圧ユニット40の副供給オンオフ弁44が設けられる止り穴通路46については、背圧ノズル直後に設けられればよいが、好ましくは、
図6に示す背圧ユニット60では、背圧硬質体67が支承されている衝突室61に流通されてもよい。即ち、背圧ノズル62の直前には蒸気又は洗浄液の一部を背圧ノズル供給流路14外へ排出する抜出オンオフ弁63が設けられ、背圧硬質体67が支承されている衝突室61に蒸気又は洗浄液を補うように追加して背圧ノズル後続流路15内に供給する副供給オンオフ弁64の供給口が設けられている。
【0051】
本実施例の微粒化装置10においては、定置洗浄及び定置滅菌を行うことが可能となっている。
図7及び
図8に示す通り、定置洗浄時には、微粒化チャンバー30の抜出オンオフ弁33及び副供給オンオフ弁34と、背圧ユニット40の抜出オンオフ弁43及び副供給オンオフ弁44とを開放し、副供給オンオフ弁34,44とに洗浄液を供給する供給バルブ16を開放する。加えて、
図9に示す通り、増圧機20のプランジャ24を超高圧シール部から外れるまで後退させ、プランジャ24が外れたシリンダサポート25に連通する排出路18へ至るスチームドレンE、Fを通過させる。
【0052】
洗浄液は、原料供給口11より供給され、増圧機20へ流れる。洗浄液は、増圧機へ流れる途中、供給バルブ16より分岐され、副供給オンオフ弁34,44へ流れる。増圧機20へ流れた洗浄液は、増圧機20の供給口側チェック弁22を通り、プランジャ側へ分岐しつつ流れ、吐出口側チェック弁23から下流に流れる。プランジャ側へ流れた洗浄液は、シリンダサポート25を通過して個々の増圧機20のスチームドレンE又はスチームドレンFを通過しても排出される。この流れにより、増圧機20が洗浄される。
【0053】
増圧機20を経て微粒化ノズル供給流路13を流れる洗浄液は、微粒化チャンバー30へ入り、一部は止り穴通路35を経て抜出オンオフ弁33を通り、スチームドレンDを通過し、排出路18で排出される。他の一部は微粒化ノズル32を介して、下流側の衝突室31に流れる。供給バルブ16より分岐され、副供給オンオフ弁34へ流れた洗浄液は止り穴通路36を経て、微粒化ノズル下流で下流側の衝突室31を通った洗浄液と合流して背圧ノズル供給流路14を経て下流側の背圧ユニット40ヘ流れる。
【0054】
背圧ユニット40では洗浄液の一部が止り穴通路45を経て抜出オンオフ弁43を通り、スチームドレンCを通過し、排出路18で排出される。他の一部は背圧ノズル42を介して、下流側の衝突室41に流れる。供給バルブ16より分岐され、副供給オンオフ弁44へ流れた洗浄液は止り穴通路46を経て、微粒化ノズル下流で下流側の衝突室41を通った洗浄液と合流して背圧ユニット後続流路15を流れ、熱交換器50を通過して排出される。これらの洗浄液によって本実施例の微粒化装置10は良好に洗浄される。
【0055】
図10に示す通り、定置滅菌時には定置洗浄と同じように、微粒化チャンバー30の抜出オンオフ弁33及び副供給オンオフ弁34と、背圧ユニット40の抜出オンオフ弁43及び副供給オンオフ弁44とを開放し、副供給オンオフ弁34,44とに蒸気を供給する供給バルブ16を開放する。加えて、
図11に示す通り、増圧機20のプランジャ24を超高圧シール部から外れるまで後退させる。
【0056】
蒸気は、原料供給口11より供給され、増圧機20へ流れる。蒸気は、増圧機20へ流れる途中、供給バルブ16より分岐され、副供給オンオフ弁34,44へ流れる。増圧機20へ流れた蒸気は、増圧機20の供給口側チェック弁22を通り、プランジャ側へ分岐しつつ流れ、吐出口側チェック弁23から下流に流れる。プランジャ側へ流れた蒸気は、シリンダサポートに到達する。シリンダサポートの下流には、高温(121℃以上)のスチームのみを通さず、低温の空気や低温の蒸気および蒸気が冷えることにより発生した凝縮水を通すスチームドレンE,Fが設置されていおり、低温の空気や低温の蒸気および蒸気が冷えることにより発生した凝縮水は、スチームドレンE,Fを通過し、排出路18から排出される。
【0057】
増圧機20を経て微粒化ノズル供給流路13を流れる蒸気は、微粒化チャンバー30へ入り、一部は止り穴通路35を経て抜出オンオフ弁33を通り、スチームドレンDを通過し、排出路18で排出される。他の一部は微粒化ノズル32を介して、下流側の衝突室31に流れる。供給バルブ16より分岐され、副供給オンオフ弁34へ流れた蒸気は止り穴通路36を経て、微粒化ノズル下流で下流側の衝突室31を通った蒸気と合流して背圧ノズル供給流路14を経て下流側の背圧ユニット40ヘ流れる。
【0058】
背圧ユニット40では蒸気の一部が止り穴通路45を経て抜出オンオフ弁43を通り、スチームドレンCを通過し、排出路18で排出される。他の一部は背圧ノズル42を介して、下流側の衝突室41に流れる。供給バルブ16より分岐され、副供給オンオフ弁44へ流れた蒸気は止り穴通路46を経て、微粒化ノズル下流で下流側の衝突室41を通った蒸気と合流して背圧ユニット後続流路15を流れ、熱交換器50を通過して排出される。これらの蒸気の流れによって本実施例の微粒化装置10は良好に滅菌される。