特許第6494042号(P6494042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494042
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】中空円筒体を形成する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 51/26 20060101AFI20190325BHJP
   B30B 15/28 20060101ALI20190325BHJP
   B21D 43/14 20060101ALI20190325BHJP
   B30B 13/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   B21D51/26 J
   B30B15/28 J
   B21D43/14 Z
   B30B13/00 N
   B21D51/26 P
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-522501(P2016-522501)
(86)(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公表番号】特表2016-531000(P2016-531000A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】EP2014063544
(87)【国際公開番号】WO2014207117
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2016年1月18日
(31)【優先権主張番号】102013106784.0
(32)【優先日】2013年6月28日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511240092
【氏名又は名称】シューラー プレッセン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Schuler Pressen GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ブレヒリング、 カルステン
(72)【発明者】
【氏名】アブト、 ヴィルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】レーム、 トーマス
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−125840(JP,A)
【文献】 特開2010−125456(JP,A)
【文献】 特開昭53−126589(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3180789(JP,U)
【文献】 特開平11−058093(JP,A)
【文献】 特開2005−297010(JP,A)
【文献】 特開2005−305529(JP,A)
【文献】 特開2011−079058(JP,A)
【文献】 特開2002−336999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/26
B30B 15/28
B21D 43/14
B30B 13/00
B30B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の円筒体(11)を形成する装置(10)であって、
円形軌道に沿って配置された複数のステーション(12)であって、それぞれが1つのツール(13)を備え、前記ツール(13)は共通のツールキャリア(14)上に配置された、複数のステーション(12)と、
2つの枢動位置(P1、P2)の間を枢動することによって、2つの反転位置(UA、UB)の間での前記ツールキャリア(14)の断続的な往復運動(H)を生成する、主駆動装置(15)と、
前記ステーション(12)の間で前記円筒体(11)を移送するために配置された移送装置(23)であって、軌道(K)に沿って配置される各1つの円筒体(11)のための複数の保持手段(28)を有する回転部(24)を備える、移送装置(23)と、
前記回転部(24)の断続的な回転運動を生成するための別個の回転駆動装置(30)と、
前記ツールキャリア(14)が休止位置(UA)において停止されている限りにおいて前記回転部(24)の回転運動が実行されるように、前記主駆動装置(15)及び前記回転駆動装置(30)を制御するために配置された、制御ユニット(19)と、
を有し、
前記2つの反転位置(UA、UB)の間での前記ツールキャリア(14)のストローク長は、前記主駆動装置(15)の枢動範囲(P)に対応して変更可能であり、
前記制御ユニット(19)は、前記ストローク長及び前記回転部(24)の断続的な回転運動の速度に基づいて、前記ツールキャリア(14)の断続的な往復運動(H)におけるオーバリフト(Z)を最小化するように、前記主駆動装置(15)及び前記回転駆動装置(30)を制御する、
装置。
【請求項2】
前記回転駆動装置(30)は、トランスミッションギヤ又は減速ギヤ(2)の介在なしに、前記回転部(24)に接続された電気モータ(31)を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電気モータ(31)はセグメントモータ、又はトルクモータ、又はサーボモータであることを特徴とする、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記主駆動装置(15)は電気モータ又はサーボモータ(18)を備えることを特徴とする、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御ユニット(19)は前記主駆動装置(15)の電気モータ又はサーボモータ(18)を枢動動作において制御し、その枢動範囲(P)はストローク長を指定することを特徴とする、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記回転運動の時間的進行と、前記往復運動の時間的進行とは別個に指定されることを特徴とする、
請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記移送装置(23)は、前記回転部(24)の回転位置(α)を検知するために配置された位置センサ(33)を備えることを特徴とする、
請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記移送装置(23)は、前記回転部(24)の位置、及び/又は角速度(ω)、及び/又は角加速度、及び/又は加速度変化を制御することを特徴とする、
請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ツールキャリア(14)が停止される間の休止フェーズ(R)は、2つの連続した、指定された回転位置(α、αi+1)の間で前記回転部(24)を回転させるために前記回転駆動装置(30)によって必要とされる移送フェーズ(T)と少なくとも同じ長さであることを特徴とする、
請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
2つの連続した、指定された回転位置(α、αi+1)の間で前記回転部(24)を回転させるために前記回転駆動装置(30)によって必要とされる移送フェーズ(T)の期間は調節可能であることを特徴とする、
請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
中空の円筒体(11)を形成する装置(10)を動作させる方法であって、
円形軌道に沿って配置された複数のステーション(12)であって、それぞれが1つのツール(13)を備え、前記ツール(13)は共通のツールキャリア(14)上に配置された、複数のステーション(12)を有し、
主駆動装置(15)が2つの枢動位置(P1、P2)の間を枢動することによって、前記ツールキャリア(14)の断続的な往復運動(H)が反転点(UA、UB)の間で開始され、
前記円筒体(11)は、回転部(24)によって円形軌道(K)に沿ってステーション(12)の間を移送され、
前記回転部(24)の断続的な回転運動が開始され、
前記ツールキャリア(14)は、前記回転運動の開始の前に、前記主駆動装置(15)を介して休止位置(UA)に移動されてそこで停止され、その後、前記回転部(24)の前記回転運動が、回転駆動装置(30)を介して実行され、
前記休止位置(UA)からの前記ツールキャリア(14)の前記往復運動(H)は、前記回転部(24)の前記回転運動が完了した後にのみ開始され
前記2つの反転位置(UA、UB)の間での前記ツールキャリア(14)のストローク長を調整するために、前記主駆動装置(15)の枢動範囲(P)を制御し、
前記ストローク長及び前記回転部(24)の断続的な回転運動の速度に基づいて、前記ツールキャリア(14)の断続的な往復運動(H)におけるオーバリフト(Z)を最小化するように、前記主駆動装置(15)の前記枢動範囲(P)を設定する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中空円筒体を形成する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、円筒体は、薄肉の金属板のコンテナ、例えばエアゾール缶、飲料缶、管材などの製造のために配置される。このプロセスの間、最初に、深絞り装置及び/又はロールアイアニング(roll ironing)装置を用いて中空円筒体が生産され、当該円筒体は一方の軸端において閉じられており、他方の軸端において開いている。この円筒体は、コンテナの製造のための半製品としての役割を果たし、後続の形成プロセスの間に更に形成される。特にその底の領域及び/又は開いている軸端領域において、中空円筒体の形成を更に継続する必要がある。これは本発明による装置及び本発明による方法をそれぞれ用いて実現される。例えば装置はネッキングマシンであってもよい。
【0003】
一般に、そのようなネッキングマシンは複数のステーションを含む。1つのステーションは、加工ステーション及び/又は測定ステーション及び/又は検査ステーションとして構成されてもよい。従って各ステーションは、中空円筒体の加工のために、及び/又は、形状又は寸法の測定又は検査のために配置される。各ステーションはツールを含み、その場合、ステーションが加工ステーション、測定ステーション、検査ステーション、又はそれらの組み合わせであるかどうかに応じて、当該ツールは、加工ツール、及び/又は検査ツール、及び/又は測定ツールである。
【0004】
ステーションのツールは、共通のツールキャリア上に配置される。ツールキャリアは、中空円筒体を加工及び/又は測定及び/又は検査するために、移送装置の回転部に相対的に移動されてもよい。回転部を有する移送装置は、中空円筒体を1つのステーションから次のステーションに移動させるために配置される。円筒体のための適切な保持手段が回転部上に備えられる。回転部は断続的に移動され、それにより円筒体のそれぞれが1つのステーションから次のステーションに移動する。独国特許出願公開第102010061248(A1)号明細書では、回転運動のために回転駆動装置が備えられること、及び回転部に相対的なツールキャリアの往復運動のために専用の主駆動装置が備えられることが提案されている。主駆動装置を介して、例えば偏心駆動装置を用いて、正弦的往復運動が生成される。この往復運動から分離された場合、1つのステーションから次のステーションへの円筒体の回転駆動は非常に高速になり得、従ってツールキャリアの往復運動の有効往復動部分が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102010061248(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この既知の装置及びこの既知の方法のそれぞれを考慮すると、本発明の目的は、装置及び方法のそれぞれの柔軟性を向上させる別の可能性の提供であると考えられてもよい。その場合、特に、ツールキャリアの同じ利用可能な最大ストロークを用いて、機械加工できる中空円筒体の最大高さを増加することが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を示す装置を用いて、及び請求項12の特徴を示す方法を用いて達成される。
【0008】
本発明の場合、反転位置の間でのツールキャリアの断続的な往復運動を生成するための主駆動装置が備えられる。ツールキャリアの運動は、具体的には正弦的でも余弦的でもなく、本発明によれば、ツールキャリアが休止位置にある場合の休止フェーズを含む。
【0009】
回転部を有する移送装置は、回転部の断続的な回転運動を生成するための別個の回転駆動装置を含む。円筒体は、回転部を介してステーションからステーションに、言わば断続的に移動される。回転部の回転運動は、ツールキャリアが休止フェーズの間にその休止位置において停止されている限りにおいて発生する。好ましくは、休止位置は、ツールキャリアの往復運動の間の反転位置に対応する。従って、全往復運動のほとんどを、中空円筒体を形成するための有効ストロークとして利用可能にすることができる。同じストローク長に対して、本発明の装置の実施形態及び本発明の方法のそれぞれを用いる場合、往復運動と回転部の運動とが機械的結合によって相互に依存する装置を用いる場合よりも、大きな軸方向高さを有する円筒体を加工することが可能である。2つの反転位置の間のストローク長を必要に応じて減少させること、又は円筒体の軸方向高さを適合させることも可能である。従って、装置及び方法のそれぞれは柔軟性があり効率的である。同様に、ツールキャリアの、その休止位置から回転部に向かう方向における作動運動の間の速度又は加速度は減少され得る。
【0010】
回転部の回転運動の、可能な最大の回転速度又は回転加速度に応じて、本発明によれば、軸方向で比較的高い円筒体についてさえ、大きな往復動速度を、従って大きな出力を実現することも可能である。
【0011】
更に、異なる運動フェーズについて、往復運動、及び/又はストローク速度、及び/又はストローク加速度、及び/又はストローク加速度の加速度変化を段階的に変えることが可能であり、その結果として例えば、ツールの運動が加工又は測定又は検査動作に適合され得る。例えば、休止位置から回転部に向かうツールキャリアの作動ストロークは、休止位置に戻る逆ストロークより低速にされてもよく、かつ/又はより低い加速度で実行されてもよい。
【0012】
ツールキャリアが停止される間の休止フェーズの期間は、可変的に指定及び/又は変更されてもよい。この結果として、円筒体の慎重な移送が有利であるか又は必要な場合に、回転部の移動運動又は回転運動を、より低い回転速度、より低い回転加速度、及び/又はより小さな加速度変化において実行することも可能である。
【0013】
本発明による装置を用いれば、更に、主駆動装置及び回転駆動装置の構造変更なしに、ステーションの数を変更することが可能である。
【0014】
主駆動装置及び回転駆動装置は好ましくは、運動を生成するための電気モータ、特にサーボモータ、トルクモータ、又はセグメントモータを含む。その場合、トランスミッション要素、特にギヤトランスミッション要素は、完全に省略されてもよい。従って、動作中の機械的摩耗が減少され得る。回転駆動装置を用いてターンテーブルを制御することによって、及び正確に位置付けることが可能であることによって、装置の製造中又は組み立て中の装置の部品の偏差を適合させることも可能であり、それにより装置の動作中の、中空円筒体の加工における動作不良又は誤りが最小にされるか又は排除されることが可能である。
【0015】
好ましくは、回転駆動装置は、トランスミッションギヤリング又は減速ギヤリングの介在なしに回転部に接続された電気モータ、例えばセグメントモータ、トルクモータ、又はサーボモータを含む。この結果として、特に低摩耗性の装置が実現され得る。
【0016】
更に、2つの反転位置の間のストローク長が調節可能である場合、有利である。例えば、主駆動装置の電気モータは、その回転軸の周りを完全に回転するようには運動され得ず、第1の枢動位置を表す第1の回転角と第2の枢動位置を表す第2の回転角との間を、そのように限定された角度又は枢動範囲内で枢動する。この結果として、ストローク長は、枢動範囲又は角度範囲が変更されることによって単純な様態で変更され得る。回転部に相対的なツールキャリアの往復運動の反転位置の相対位置を、別個に調節することも可能である。従って、装置の柔軟性は更に一層向上する。
【0017】
好ましい例示的実施形態では、回転運動の時間的進行と往復運動の時間的進行とは別個に指定される。例えば、回転運動の開始及び/又は回転運動の終了は、休止フェーズの開始又は休止フェーズの終了と時間的に一致する必要はない。本発明は単に、回転運動が時間的に休止フェーズの間に行われることを規定する。
【0018】
有利な一実施形態では、移送装置は、回転部の回転位置を検知するために配置された位置センサを含む。例えば位置センサを介して、例えば回転運動の終了を示す信号を生成することが可能であり、その結果、休止フェーズが終了し、ツールキャリアの往復運動が継続されてもよい。位置センサを介して、回転部上に配置された円筒体を各ステーション内での加工又は検査又は高精度測定のために位置付けることが可能である。好ましくは、ターンテーブルの位置が制御される。更に、角速度、及び/又は角加速度、及び/又は角加速度の加速度変化、及び/又は回転部の角加速度の加速度変化を制御又は設定することが可能である。
【0019】
ツールキャリアがその休止位置において停止される間の休止フェーズの期間は、好ましくは調節可能及び/又は指定可能である。加えて又は代替として、2つの連続した回転位置の間で回転部を回転させるために回転駆動装置によって必要とされる移送フェーズの期間を、調節及び/又は指定することも可能である。休止フェーズは移送フェーズと少なくとも同じ長さである。移送フェーズ及び/又は休止フェーズの期間の調節可能性(adjustability)又は指定可能性(specifiability)により、装置及び本発明の方法のそれぞれを、それぞれの作動タスクに柔軟に適合させることが可能である。
【0020】
本発明による装置及び方法のそれぞれの有利な実施形態は、従属請求項及び明細書から推測することが可能である。明細書は本発明の本質的な特徴に限定されている。図面は補助的な参照のために使用されるべきである。以下、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による装置の第1の例示的実施形態の概略断面側面図である。
図2図1における装置の回転部の、図1における線II−IIに沿った平面図である。
図3】回転部を駆動するための、図1及び図2における装置の回転駆動装置についての、例示的実施形態の概略断面側面図である。
図4】回転部のための回転駆動装置の、別の例示的実施形態の概略断面側面図である。
図5】実線による、本発明によるツールキャリアの往復運動の進行の、及び破線による、従来技術における往復運動の進行の概略図である。
図6】異なる長さの休止フェーズを有する、ツールキャリアの往復運動の時間的進行の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、中空円筒体11を形成する装置10を示す。中空円筒体11は、先行するプロセスにおいて、深絞り及び/又はロールアイアニングによって、薄肉の金属板から製造されている。これらの円筒体は、一方の軸端において閉じられており、他方の軸端は開いている。中空円筒体11は均一の材料からなり、好ましくは継ぎ目や接合部なしに一体で作られる。内側において、及び/又は外側において、それらはプラスチック材料の層でコーティングされてもよい。装置10は、これらの中空円筒体11を更に形成するために配置される。特に、中空円筒体の2つの軸端領域のうちの1つ、例えば開いている軸端領域は、その直径が変化されるような様態で形成される。従って、装置10の例示的実施形態はネッキングマシンを表す。
【0023】
装置10は、いくつかのステーション12を含む。ステーション12は、加工ステーション12aとして、あるいは検査又は測定ステーション12bとして構成されてもよい。加工ステーション12aは加工ツール13aを含む。従って、測定又は検査ステーション12bは、測定又は検査ツール13bを含む。以下、加工ツール13a、及び測定又は検査ツール13bは、ツール13と呼ぶ。
【0024】
ツール13は、中央の縦軸Lの周りの軌道上に配置される。各ステーション12に少なくとも1つのツール13が割り当てられる。ツール13を有するステーション12は、好ましくは、縦軸Lの周りの円周方向において均等に配置される。
【0025】
装置10はツールキャリア14を含み、ツールキャリア14上にツール13が配置される。ツールキャリア14は、縦軸Lと平行に移動可能であるように配置される。従って、ツール13を有するツールキャリア14は、第1の反転点UAと第2の反転点UBとの間での往復運動Hを実行可能である。これを実現するために、ツールキャリア14は主駆動装置15によって駆動される。従って、本例によるツールキャリア14は、ガイド支柱16に沿って摺動する様態で移動可能にガイドされる。ガイド支柱16は、縦軸Lに対して同軸状に配置される。例示的実施形態では、図1に示すツールキャリア14を支えるために、ガイド支柱16上に第1の軸受17が備えられ、当該軸受は場合によっては滑り軸受又は転がり軸受として構成される。
【0026】
主駆動装置15は電気モータを、及び例示的実施形態では第1のサーボモータ18を含む。主駆動装置15は、例えば偏心駆動装置として、あるいはトグルレバー駆動装置などとして構成されてもよい。その場合、第1のサーボモータ18は、主駆動装置15の適切なギヤリングを介してツールキャリア14に接続される。これにより第1のサーボモータ18は、そのモータ回転軸Mの周りを回転するように駆動されることが可能になるだけでなく、サーボモータ18を、第1の枢動位置P1と第2の枢動位置Pの間の枢動範囲P内を枢動する様態で、振動する様態で駆動することも可能になる。その場合、サーボモータ18は、そのモータ回転軸Mの周りを完全に回転するようには運動せず、枢動位置P1、P2のそれぞれにおいてその回転方向を逆にし、それによりこれらの2つの枢動位置P1、P2の間を振動する様態で運動する。ツールキャリア14の往復運動Hは、従って、サーボモータ18の運動を介して実行される。往復運動Hを制御するために、主駆動装置15は制御ユニット19によって作動される。
【0027】
移送装置23が、ステーション12の間で円筒体11を移送するために配置される。更に移送装置23は、各ステーション12内に円筒体11を位置付けるために配置され、それにより円筒体11は、ツール13の反対側の各指定位置を占めるようになる。移送装置23は、ツールキャリア14に相対的に回転可能に支持される回転部24を含む。例示的実施形態では、回転部24は、滑り軸受又は転がり軸受として構成されてもよい第2の軸受25を介して、中央支柱16によって回転可能に支持される。この第2の軸受25の代替として、又はそれに加えて、回転部24は、図1によって概略的に示されるように、ツールキャリア14の後側26上で第3の軸受27によって回転可能に運搬又は支持されてもよい。
【0028】
保持される各円筒体11について、回転部24又は移送装置23は、保持手段28を含む。保持手段28は、ツールキャリア14に面する側上で、例えば縦軸Lの周りの軌道K内に配置される。軌道Kの直径は、好ましくは、ツール13が配置される軌道の直径と同じサイズである。例えば保持手段28は、円筒体11の軸領域、好ましくは閉じられた領域を受け入れる受け入れ凹部28を有する。図示されていない締め付け手段、例えば締め付けジョーが、受け入れ凹部29内の所望の位置において円筒体11を所定の位置に保持する又は締め付けるために、受け入れ凹部29内に備えられてもよい。保持手段28は、好ましい例示的実施形態で提供されるのとは異なる様態で構成されてもよいということが理解される。
【0029】
移送装置23及び回転部24のそれぞれを介して、円筒体11を1つのステーションから次のステーション12に順次移送することが可能である。例示的実施形態では、回転部24は、円形、円形状、又はリング形状の設計を有し、従って回転ディスク、回転リング、又はターンテーブルとも呼ばれてもよい。移送装置23は、回転部24を回転させるための回転駆動装置30を含む。
【0030】
回転駆動装置30は制御ユニット19によって制御される。回転駆動装置30は、独立した駆動装置として設計され、主駆動装置15とは別個に作動されてもよい。従って、回転部24の回転運動は、ツール部14の往復運動Hとは機械的に分離しているように構成されてもよい。好ましくは、回転駆動装置はダイレクトドライブとして構成され、機械的トランスミッションの介在なしに回転部24に直接接続されてもよい電気モータ31、好ましくはサーボモータ又はセグメントモータを含む。この好ましい実施形態の代替として、回転駆動装置30の電気モータ31と回転部24との間に機械的結合のためのトランスミッション32を介在させることも可能である。
【0031】
回転部24は、縦軸Lの周りの一方向の回転Dにおいて、各連続した回転位置αとαi+2との間を断続的に進められる。これらの回転位置α(i=1〜n)の数は、ツールホルダ上のステーション12の数nに対応する。保持手段28は、軌道Kに沿って規則的に配置される。この結果として、回転部24は回転方向において、2つの連続した回転位置の間の回転角Δαだけ進められる。その場合、回転部24は角速度ωで移動する。
【0032】
更に、装置10は位置センサ33を有する。位置センサ33のセンサ信号は制御ユニット19に送られる。従って、制御ユニット19は、回転部24の回転位置αを制御することが可能である。
【0033】
回転部24の回転運動の時間的進行と、ツールキャリア14の往復運動Hの時間的進行とは別個に指定又は調節されてもよい。これが可能な理由は、一方のツール14及び主駆動装置15と、他方の回転部24及び回転駆動装置30との間に厳密な機械的結合が存在しないからである。以下、ツールキャリア14及び回転部25の調整及び運動について、図5及び図6を参照して説明する。
【0034】
装置10は運動プロセスを、時間tの関数として、又は高次のガイド角βの関数として実行可能である。そのようなガイド角βは、いくつかの異なる機械又はプレス又は移動システムなどの運動の調整のために使用されてもよい。従って運動の進行は、図5及び図6に示すように、ガイド角βの関数として、一般性の制限なしに表され得る。
【0035】
図5は、ガイド角βの関数としての運動の進行Bを破線で示す。この運動の進行Bは、従来技術の装置に対応する。ここでツールキャリア14は、第1の反転位置UAと第2の反転位置UBとの間を正弦的又は余弦的に連続して移動される。第1の反転位置UAにおいて、ツールキャリア14は、第2の反転位置UBにおけるよりも大きく回転部24から隔たっている。
【0036】
2つの連続した回転位置α及びαi+1の間の移動運動、すなわち回転角Δαの周りの回転部24の回転運動は、移送フェーズTと呼ばれる時間を必要とする。この移送フェーズTの間、他のどのツール13も、割り当てられた円筒体11と接触又は係合してはならず、なぜなら、さもなければ、全ての中空円筒体11を有する回転部24の回転が衝突なしには不可能だからである。図5に示すように、従来技術によるツールキャリアの運動Bの間、往復運動は移送フェーズTの間も継続され、従って移送フェーズTの間にオーバリフトZが発生する。2つの反転位置UA及びUBの間で得られるストロークの全長からオーバリフトZを引いた長さは、円筒体を形成するために利用可能な有効ストロークNを形成する。図1から、オーバリフトZはストロークの全長のかなりの部分を占めること、及び有効ストロークNのためにはストロークの全長の約60%〜80%のみが利用可能であることが推測され得る。
【0037】
従って本発明によれば、主駆動装置15は断続的に動作される。所望の有効ストロークNを実現するために、ストロークの全長は、図5の実線によって示されるように減少されてもよい。それにより、必要なオーバリフトZは大幅に減少する。本発明によれば、これは、ツールキャリア14の往復運動が休止フェーズRを含み、休止フェーズRの間、ツールキャリア14は休止位置にあることによって実現される。例示的実施形態では、休止位置は第1の反転位置UAに対応する。休止フェーズRの間、ツールキャリアは休止する。この休止フェーズRの間にツールキャリア14がその休止位置にある場合、回転駆動装置30は回転部24の回転運動を実行する。円筒体11が2つの連続したステーション12の間を移動され次第、制御ユニット19は − 主駆動装置15を介して − 休止位置UAから第2の反転位置UBまでの、及び第1の反転位置すなわち休止位置UAに再び戻る、ツールキャリア14の運動を開始する。このプロセスは、図5の実線によって示されるように周期的に繰り返される。
【0038】
2つの反転位置UA、UBの間のストローク長は、本発明によれば非常に容易に変更され得る。主駆動装置15のサーボモータ18の枢動、振動駆動についての、2つの枢動位置P1、P2の間の枢動範囲Pを変更することによって、ストローク長は枢動範囲Pに対応して調節され得る。同様に、2つの反転位置UA、UBは、2つの枢動位置P1、P2を変更することによって互いに別個に調節され得る。この結果として、極めて高度に柔軟な装置10が実現される。
【0039】
ツールキャリア14の往復運動Hを回転部24の回転運動から分離することによって、移送フェーズTは休止フェーズRより短くもなり得る。しかし一般に、移送フェーズTを短縮することによって、休止フェーズRも、2つの反転位置UA、UBの間のストローク長を減少させることなしに減少され得る(図6)。この結果として往復動速度が、従って装置の出力が増加され得る。図6は一例として、移送フェーズTの期間を減少させることによって、休止フェーズRがそれに対応して第1の持続時間値R1から第2の持続時間値R2に減少され得、従って − 同じストローク長を用いて − より大きな往復動速度が可能にされ得ることを示す。
【0040】
図3は、回転駆動装置30の一例示的実施形態を示す。この場合、電気モータ31は、トランスミッションを介在させることなしに回転部24に直接結合される。電気モータ31は、回転子38と固定子39とを有する。回転子38及び固定子39は、例においては、縦軸Lの周りに同軸状に配置される。その場合、回転子38は、トルクに耐える様態で接続部品40を介して回転部24に接続される。図3による例示的実施形態では、接続部品40は段付きリング部の形態を有するが、その修正においては任意のその他の所望の形態を有してもよい。本例によれば、接続部品40は固定子39の表側端上に延在し、このセクション内に、固定子39の表側上で外側に向かって放射状に延在する。接続部品40に対して同軸状に自在軸受41が配置され、これを介して回転部24は支持部42によって支持される。例示的実施形態では、支持部42は本質的に管形状を有し、電気モータ31の周囲に同軸状に配置される。本例によれば、固定子39は支持部42に取り付けられる。
【0041】
電気モータ31は中空軸モータとして構成され、従って円筒状自由空間が内側において作られ、この空間を通してガイド支柱16が挿入されてもよい。この自由空間は、例えば駆動要素、電線、又はその他の供給線の挿入にも適している。また、駆動装置接続ロッドが、ツールキャリア14の往復運動Hを生成するために、この自由空間を通過させられてもよい。
【0042】
図4は、回転駆動装置30の修正された例示的実施形態を示す。この場合、電気モータ31はいわゆるセグメントモータである。この実施形態では、ツールキャリア14及び回転部21のそれぞれについて大きな直径が実現され得、従って軌道Kに沿ったステーション12の数が増加され得る。ステーション12の数の増加に対応して、装置10を用いて、多くの個別の加工ステップ及び/又は検査及び測定ステップを有するより複雑な形成プレスを実行することも可能である。
【0043】
このセグメントモータは、永久励磁型ディスク形状回転子38を含む。セグメントモータの回転子38はいくつかの極対を有し、各極対は逆向きに磁化された永久磁石を有する。その場合、磁化の方向は放射状方向、又は回転子38の回転方向に対して接線方向であってもよい。固定子39は、異なる数の、具体的にはより少ない数の極を有し、各極は電磁石によって形成される。図示された実施形態の代替として、セグメントモータは、回転子38の周囲に同軸状に配置された固定子39を有してもよい。ここに示された例示的実施形態では、固定子39は、縦軸Lと平行な軸方向において回転子38に隣接する。先の図3の例示的実施形態と同様に、これは支持部43に取り付けられる。この例示的実施形態では、回転子38は自在軸受41に直接接続される。更に回転子は、トルクに耐える様態で接続部品40を介して回転部24と結合される。
【0044】
装置10の全ての例示的実施形態において、縦軸Lは鉛直に又は水平に配置されてもよい。
【0045】
本発明は、中空円筒体11を形成する装置10に関する。装置は複数のステーション12を有する。各ステーションにツール13が割り当てられる。ツール13は、共通のツールキャリア14上に配置される。ツールキャリア14は、主駆動装置15を介して、2つの反転位置UA、UBの間で移動され得る。この往復運動Hは断続的に実行される。2つの反転位置のうちの1つは、ツールキャリア14が休止フェーズRにおいて停止する休止位置を形成する。ツールキャリア14が休止フェーズRにおいて休止位置UA占めている間に、移送装置23が、1つのステーション12からそれぞれの次のステーション12まで円筒体11を移送する。
【符号の説明】
【0046】
10 装置
11 円筒体
12 ステーション
12a 加工ステーション
12b 検査及び測定ステーション
13 ツール
13a 検査及び測定ステーション
14 ツールキャリア
15 主駆動装置
16 ガイド支柱
17 第1の軸受
18 第1のサーボモータ
19 制御ユニット

23 移送装置
24 回転部
25 第2の軸受
26 後側
27 第3の軸受
28 保持手段
29 受け入れ凹部
30 回転駆動装置
31 電気モータ
32 トランスミッション
33 位置センサ

38 回転子
39 固定子
40 接続部品
41 自在軸受
42 支持部

Δα 回転角
αi 回転位置
ω 角速度
D 回転方向
H 往復運動
K 軌道
M モータ回転軸
N 有効ストローク
P 枢動範囲
P1 第1の枢動位置
P2 第2の枢動位置
R 休止フェーズ
R1 休止フェーズの第1の持続時間値
R2 休止フェーズの第2の持続時間値
T 移送フェーズ
UA 第1の反転点
UB 第2の反転点
Z オーバリフト
図1
図2
図3
図4
図5
図6