(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
床面上に配置される下部支持体と、前記下部支持体の上方に配置される上部支持体と、これら下部支持体と上部支持体との間を伸縮可能に連結する昇降機構ユニットと、を有する左右に離間して配設された一対の脚体と、
前記一対の脚体の上部支持体同士を連結する連結部材と、
前記一対の脚体の上部支持体上に支持されて前記連結部材上に配置される平板状の天板と、
前記一対の脚体の昇降機構ユニットを共に制御する制御ユニットと、を有する天板昇降式デスクにおいて、
前記天板の下面に、床面と略平行に配置された載置板と、載置板の左右端部から上方に向かって延設された左右一対の側板と、によって正面視略コ字状に形成されてなる電子機器載置部が吊支されると共に、左右方向に延在する樋状の配線トレーが吊支され、
前記電子機器載置部の側板の上端部における前後方向の一部に、該電子機器載置部の内部空間と外部空間とを連通させる配線挿通用開口が形成され、
前記配線トレーが、前記配線挿通用開口を通って配設され、
前記電子機器載置部に載置される電子機器の配線ケーブルが、前記配線挿通用開口を通って前記配線トレー上に案内されるよう構成されていることを特徴とする天板昇降式デスク。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る天板昇降式デスクの実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
なお、以下の説明においては、天板昇降式デスクにおける矩形状の天板の長辺の長さ方向を左右方向、天板の短辺の長さ方向を前後方向と記す。
【0017】
図1は、本発明に係る天板昇降式デスクの一実施形態の概略構成を示す斜視図であり、
図2(a)は、
図1に示した天板昇降式デスクの正面図、
図2(b)は、
図1に示した天板昇降式デスクの背面図である。なお、
図2(a)、(b)では、
図1に示す電子機器載置部31の記載を省略している。これらの図において符号1は天板昇降式デスクである。
【0018】
天板昇降式デスク1は、左右に離間して配置された一対の脚体2、2と、これら一対の脚体2、2間を連結する連結部材3と、脚体2、2上に支持されて連結部材3上に配置された平板状の天板4と、を有しており、一対の脚体2、2にそれぞれ昇降機構ユニット5を備えたことにより、天板4が上下に昇降可能に構成されている。
また、天板昇降式デスク1には、後述するように一対の昇降機構ユニット5、5を共に制御する制御ユニット6(
図5参照)が設けられ、さらに、昇降機構ユニット5に昇降動作信号を入力するための操作部7が設けられている。
【0019】
脚体2は、床面上に配置される下部支持体8と、下部支持体8の上方に配置されて天板4の下面を支持する上部支持体9と、これら下部支持体8と上部支持体9との間を伸縮可能に連結する前記昇降機構ユニット5と、を有して構成されている。
下部支持体8は、前後に延在する板状のもので、前後の各端部にそれぞれアジャスター(図示せず)が設けられたことにより、床面からの高さの微調整が可能に構成されている。
【0020】
昇降機構ユニット5は、従来公知の構成からなるもので、寸法の異なる複数の角筒が互いに相対移動可能に嵌り合っていることにより、内部に収容された駆動機構の駆動によって上下方向に伸縮可能になっている。これにより、昇降機構ユニット5は下部支持体8と上部支持体9との間を伸縮可能に連結している。
【0021】
上部支持体9は、
図2(a)のA−A線矢視図である
図3に示すように、天板4の前後方向に延在して配置されて、天板4の左右方向における側端部の下面を支持している。この上部支持体9は、昇降機構ユニット5に対して天板4の前側となる前端側9aの方が長く、天板4の後側となる後端側9bの方が短くなるように、昇降機構ユニット5の上端部に溶接等によって一体に固定されている。上部支持体9は、
図4の横断面図に示すように金属板が折り曲げられて形成されたもので、天板4の左右方向において外側に配置された外板10と、外板10の上端に一体に形成された上部アーム11と、からなっている。
【0022】
外板10は、
図3に示すように天板4の前後方向に延在すると共に、天板4の下面から下方に垂下するように形成されたもので、前端側9a、後端側9bのいずれにおいても、昇降機構ユニット5側から外側に行くに連れて下端縁が漸次天板4に近づくように、下端縁が傾斜して形成されている。なお、前端側9a、後端側9bのそれぞれの先端部では、下端縁が湾曲して天板4の下面に達するように形成されている。
【0023】
上部アーム11は、上部支持体9の前端側9aでは昇降機構ユニット5との接続部から外板10の先端より少し手前まで延在しており、後端側9bでも昇降機構ユニット5との接続部から外板10の先端より少し手前まで延在している。上部アーム11は、
図4に示すように天板4の下面に対向し、当接してこれを支持する天板載置部12と、天板載置部12の外側縁、すなわち外板10と反対の側の外側縁から下方に向かって延設された下向部13と、下向部13の下端縁から天板載置部12の内側(外板10側)に向かい、かつ斜め上方に向かって延設された配線保持部14と、を有して形成されている。
【0024】
このような構成のもとに、上部アーム11はその内部、すなわち下向部13と配線保持部14とによって形成された空間部の配線保持部14上に、各種の配線ケーブルを保持して引き回せるように(通線できるように)なっている。
【0025】
具体的には、
図3に示すように操作部7が配置される側の前端側9aでは、その配線保持部14上に、後述する制御ユニット6と操作部7とを接続する操作部用配線ケーブル15が保持されている。また、
図1に示した天板4の左右方向において、操作部7が配置された側と反対の側の上部支持体9では、
図3に示すような後端側9bの上部アーム11の配線保持部14上に、電源ケーブル16(
図1参照)が保持されている。
【0026】
図1に示すように電源ケーブル16は、天板昇降式デスク1が配置される執務空間に設けられた電源と、後述する制御ユニット6との間を接続するもので、電源から引き回されて天板昇降式デスク1内に引き入れられる。その際、電源ケーブル16が天板4の下側に垂れ下がった状態で配置されていると、天板高さの変更時に電源ケーブル16がデスクの天板4周辺や天板4下方に配置された他の物品、さらには他の配線に引っ掛かる可能性があり、また、執務者が不測に電源ケーブル16に触れてしまう可能性があるため、好ましくない。
【0027】
そこで、本実施形態では電源から引き回されてきた電源ケーブル16は、まず、天板昇降式デスク1の後側から一方の上部支持体9の後端側9bの上部アーム11内、すなわち配線保持部14に引き入れられる。そして、後述する連結部材3に形成された空間部19を通って制御ユニット6に接続されるようになっている。なお、電源ケーブル16は、天板昇降式デスク1の近傍部において上部アーム11内に引き入れられるまでの間の部位が、電源ケーブル16の変位を規制する規制部材(図示せず)に保持されている。電源ケーブル16は規制部材によって保持されたことにより、その自由な変位が規制されて天板高さの変更時に所定の方向にのみ変位するようになっており、これによって天板周辺の物品等に接触するのが防止されている。
【0028】
図5は、一対の上部支持体9、9間に取り付けられた連結部材3を示す底面図である。
図5に示すように連結部材3は、一対の上部支持体9、9に溶接等によって取り付けられており、これによって一対の脚体2、2の上部支持体9同士を連結している。この連結部材3は、
図2(a)のB−B線矢視図である
図6に示すように金属板が折り曲げられて形成されたもので、天板4の前後に離間して配設された一対の連結片17、17と、これら連結片17、17間を一体に接続する接続板18と、を有して構成されている。
【0029】
連結片17は、本実施形態では接続板18の前後方向の各端縁から下方に向かって延設された下向板17aと、下向板17aの下端縁から内側に向かって延設された水平板17bと、水平板17bの内側縁から上方に向かって延設された上向板17cとからなっている。これら連結片17、17間、すなわちそれぞれの上向板17c、17c間には、下方に開口する空間部19が形成されている。
【0030】
空間部19は、
図5に示すように上向板17c、17c間の幅が広く形成された第1空間部19aと、第1空間部19aより上向板17c、17c間の幅が狭く形成された第2空間部19bとからなっている。第1空間部19aは、連結部材3の左右方向において所定の間隔をあけて2箇所に形成されている。すなわち、2つの第1空間部19aは、連結部材3の左右方向において対称に配置されている。これら第1空間部19a、19a間、およびこれらの左右方向外側には、それぞれ第2空間部19bが形成されている。
【0031】
一方の第1空間部19aには、
図5、
図6に示すように制御ユニット6が配設され、連結部材3にビス止め等によって固定され、収容されている。制御ユニット6は、一対の脚体2、2のそれぞれに設けられた昇降機構ユニット5、5の昇降動作を、共に制御するもので、電源ケーブル16に接続されてこれから電力が供給されることにより、作動する。この制御ユニット6には、電源ケーブル16とは別に、該制御ユニット6と一対の昇降機構ユニット5、5との間を接続するユニット間配線ケーブル20、20が接続されており、さらに、前記操作部7の操作部用配線ケーブル15も接続されている。
【0032】
このような構成によって制御ユニット6は、電源ケーブル16から供給された電力を昇降機構ユニット5に送ると共に、操作部7からの昇降機構ユニット5の昇降動作信号を受信すると、受信した信号に基づいて昇降機構ユニット5の昇降動作を制御し、天板高さの変更を行うようになっている。なお、制御ユニット6に接続する電源ケーブル16やユニット間配線ケーブル20、20、操作部用配線ケーブル15は、制御ユニット6が配置された第1空間部19aとは別の第1空間部19aや、第2空間部19bに通線される。
【0033】
図6に示すように連結部材3の下面側には、前後の連結片17、17およびこれらの間の空間部19を覆ってカバー部材21が取り付けられている。カバー部材21は、金属板が折り曲げられて形成されたもので、前後の連結片17、17のそれぞれの下向板17a、17a間の長さ寸法よりも大きな前後寸法を有している。これにより、カバー部材21は連結部材3の下面側に取り付けられることにより、連結部材3の前後いずれかの方向に向かって延出している。本実施形態では天板4の後側に延出しているが、前側に延出していてもよく、前後両側に延出していてもよい。
【0034】
延出している部分は、左右方向に溝状に延びる凹部を有して樋状に形成されて、該凹部内に配線やテーブルタップ等を載置する配線トレー22となっている。この配線トレー22には、
図2(b)に示すように左右方向における中央部に、外側部の一部が矩形状に切りかかれてなる切欠部22aが形成されている。一方、
図6に示すように連結部材3を覆う部分となるカバー本体23は、平板がL字状に折曲されて形成されており、連結片17の水平板17bにビス止めによって着脱可能に取り付けられている。このような構成のもとにカバー部材21は、連結部材3を介して天板4に吊支されている。
【0035】
連結部材3の左右両端部には、連結部材3と脚体2との間の接続部を示す
図7に示すように、接続部材24が設けられている。接続部材24は、連結部材3の左右方向各端部と脚体2との間、すなわち脚体2の上部支持体9と昇降機構ユニット5との間の接続部に設けられたもので、連結部材3の左右方向から見た断面形状がコ字状に形成されている。接続部材24は、連結部材3の左右方向端部にてこれの下面と両側面とを覆うように取り付けられ、その状態で上部支持体9の外板10の内面に突き当たるようにして取り付けられている。また、その状態で昇降機構ユニット5の上端に当接してこれを覆っている。そして、接続部材24は、連結部材3、上部支持体9、昇降機構ユニット5に対してそれぞれ溶接等で固定されている。
【0036】
接続部材24の、連結部材3の両側面に当接する側板25には、上部支持体9の上部アーム11内に連通して、側板挿通口25aが形成されている。側板挿通口25aは上部アーム11内の配線保持部14上に連通するように形成されると共に、連結部材3の連結片17、17間の前記空間部19にも連通して形成されている。すなわち、連結片17にも側板挿通口25aに連通する挿通口(図示せず)が形成されている。これにより、配線保持部14に通された配線ケーブルは、側板挿通口25aを通って空間部19に引き入れられ、制御ユニット6に接続されるようになっている。
【0037】
具体的には、前記したように
図3に示した操作部7が配置される側の前端側9aの配線保持部14上に通されて保持された操作部用配線ケーブル15が、側板挿通口25aを通って空間部19に引き入れられ、制御ユニット6に接続される。また、操作部7が配置された側と反対の側の後端側9bの配線保持部14に内に通されて保持された電源ケーブル16が、側板挿通口25aを通って空間部19に引き入れられ、制御ユニット6に接続される。したがって、操作部用配線ケーブル15と電源ケーブル16とは、制御ユニット6に対して互いに左右方向における逆方向から接続するように空間部19に通線されている。
【0038】
また、連結部材3の下面には、
図7に示すように連結部材3の下面側を覆ってカバー部材21が取り付けられている。カバー部材21の左右方向端部には半円状の切欠21aが形成されており、この切欠21aが連結片17、17間の前記空間部19に通じている。
【0039】
昇降機構ユニット5には、該昇降機構ユニット5を駆動させるための電力や昇降動作信号を供給するユニット間配線ケーブル20が設けられており、このユニット間配線ケーブル20は、昇降機構ユニット5の上端内側面に形成された開口5aから引き出され、カバー部材21の切欠21aに引き入れられている。そして、空間部19を通り、制御ユニット6に接続されている。すなわち、ユニット間配線ケーブル20は空間部19に通線されている。
【0040】
天板4は、
図1に示すように矩形板状のもので、本実施形態では後側の左右両側部に、該天板4の上下面間を貫通する配線挿通孔27が穿設されている。この配線挿通孔27は、例えば
図1中に二点鎖線で示すように天板4上に置かれたディスプレイ28(第2電子機器)の接続配線ケーブル29を天板4の下方に案内するためのものである。すなわち、
図6に示すように配線挿通孔27は、カバー部材21の配線トレー22の近傍に配置されており、これによって接続配線ケーブル29を通し、配線トレー22上に容易に案内できるように構成されている。
【0041】
配線トレー22上に案内された接続配線ケーブル29は、例えば
図6中に二点鎖線で示すように、配線トレー22上に配置されたテーブルタップ30に接続可能になっている。ただし、本実施形態では、接続配線ケーブル29は配線トレー22上を通った後、後述する電子機器載置部31に載置されたPC本体32(電子機器)に直接接続されている。なお、配線トレー22上に配置されたテーブルタップ30は、例えば
図2(b)に示した切欠部22aから外側に臨んで配置される。これにより、例えばACアダプターなどの比較的大きく、配線トレー22上に直接載せられないような接続具を、切欠部22aを通してテーブルタップ30に接続することが可能になる。また、配線挿通孔27には、該配線挿通孔27を開閉可能に閉塞する樹脂製のカバー(図示せず)が被着されていてもよい。
【0042】
図1、
図3に示すように天板4の前端縁部下面側には、操作部7が設けられている。操作部7は、昇降機構ユニット5に対してその昇降動作信号を入力するための操作ボタンを有したもので、天板4の下面に取付部材(図示せず)を介して取り付けられている。この操作部7には操作部用配線ケーブル15が接続されており、操作部用配線ケーブル15は、前述したように天板4の左右方向において操作部7と同じ側に位置する上部支持体9の前端側9aの、上部アーム11内に引き入れられている。
【0043】
操作部用配線ケーブル15が引き入れられる上部支持体9の前端側9aには、
図8(a)に示すようにその先端部にキャップ部材33が設けられている。キャップ部材33は、上部支持体9の前端側9aの上部アーム11内に通された操作部用配線ケーブル15を保持するもので、上部支持体9の前端側9aの先端部に嵌め込まれ、その状態で上部支持体9に固定されている。
【0044】
キャップ部材33は、上部支持体9の先端部に該上部支持体9の長さ方向に嵌め込まれる嵌合部34と、上部支持体9の先端に係止する外端部35とからなる樹脂製の一体成形品である。また、キャップ部材33は、キャップ部材33の内側を示す
図8(b)に示すように、嵌合部34および外端部35の外形に沿う略コ字状の外板33aと、外板33aの一方の側に設けられた側板33bとからなっている。
【0045】
外板33aには、嵌合部34と外端部35との間に段差部33cが形成されており、この段差部33cが、
図8(a)に示すように上部支持体9の先端に係止する係止部となっている。
外端部35の外端面35aには、操作部用配線ケーブル15を引き入れるための切欠口35bが、上部アーム11の天板載置部12側が切り欠かれ、開かれて形成されている。
【0046】
図8(b)に示すように嵌合部34側の側板33bには、上部支持体9の上部アーム11の天板載置部12の裏面に当接する当接部34aが形成されている。当接部34aは、天板載置部12側に突出して形成されたもので、外端面35a側が半円形状に湾曲して形成されている。この当接部34aには、ビス挿通用のビス孔34bが形成されている。
【0047】
また、キャップ部材33には、その内面側に、外板33aと当接部34aとの間に略U字状の溝部33dが形成されている。すなわち、当接部34aが、嵌合部34の幅方向、すなわち上部支持体9の長さ方向と直交する方向の中央部に形成されていることにより、外端面35a側から当接部34aの両側に向かって、略U字状の溝部33dが形成されている。
【0048】
このような構成のもとに、操作部7に接続する操作部用配線ケーブル15は、外端部35の切欠口35bから溝部33d内に引き入れられ、さらに当接部34aの一方の外側を通って上部アーム11内に引き入れられる。ただし、実際の組み立てでは、
図5に示す制御ユニット6側から空間部19を通り、さらに
図7に示す接続部材24の側板挿通口25aを通って上部アーム11内に通された操作部用配線ケーブル15を、
図8(a)に示す上部アーム11の先端から引き出しておく。その際、操作部用配線ケーブル15には操作部7が接続しているものとする。
【0049】
このようにして操作部用配線ケーブル15を上部アーム11の先端から引き出して伸ばしたら、キャップ部材33を上部アーム11の先端から嵌め込む。その際、操作部用配線ケーブル15を溝部33d内に通し、さらに切欠口35b内を通して外側に引き出す。その後、当接部34aのビス孔34bにビス36を差し込み、上部アーム11の天板載置部12に形成されたビス孔(図示せず)を通して天板4に形成された雌ねじ部(図示せず)に螺着する。操作部7については、取付部材によって天板4の下面に取り付ける。
【0050】
このようなキャップ部材33を上部支持体9の前端側9aに設けたことにより、操作部用配線ケーブル15を上部支持体9の上部アーム11内に容易に収容することができ、また、金属板からなる上部支持体9の端面を露出させることなく覆うことができる。すなわち、キャップ部材33は操作部用配線ケーブル15の収容を容易にすると共に、上部支持体9の端面を覆う化粧材としても機能する。
【0051】
また、本実施形態では、
図1に示すように天板4の下面に電子機器載置部31が吊支されている。電子機器載置部31は、
図9に示すように床面と略平行に配置される載置板37と、載置板37の左右端部から上方に向かって延設された左右一対の側板38、38とによって正面視略コ字状に形成されている。本実施形態では、一対の側板38、38のそれぞれの上端部に、前後方向中央部の一部が切り欠かれて側板38の左右の空間部間を連通させる配線挿通用開口39が形成されている。
【0052】
また、電子機器載置部31には、一対の側板38、38の上端縁間に、吊支板40が一体に形成されている。吊支板40は、前記配線挿通用開口39の前側と後側とにそれぞれ形成されており、ビス孔を有し、このビス孔にビスが通されることで天板4の下面に取り付けられるようになっている。これにより、電子機器載置部31は天板4の下面に吊支される。
【0053】
このような構成からなる電子機器載置部31は、前側、後側が共に開口しており、したがって
図1に示すようにこの電子機器載置部31内に、PC本体(電子機器)32が容易に収容できるようになっている。ここで、PC本体32は、天板4上に置かれる前記ディスプレイ28に接続されてデスクトップパソコンを構成するもので、接続配線ケーブル29を介してディスプレイ28に接続される。
【0054】
なお、この電子機器載置部31には、PC本体32が後側の開口から不測に落下したり、後述するように接続配線ケーブル29が配線挿通用開口39を通ってではなく、後側の開口を通ってディスプレイ28に接続されるのを防止するため、
図9に示すように後側の開口を覆う蓋41を開閉可能に被着してもよい。
【0055】
また、電子機器載置部31は、天板4の下面に吊支される際、
図10に示すように前記連結部材3およびカバー部材21を跨いで吊支される。すなわち、電子機器載置部31は、連結部材3およびカバー部材21が一対の側板38、38のそれぞれの配線挿通用開口39、39を通るように配置され、天板4の下面に取り付けられる。ただし、配線挿通用開口39、39はカバー部材21の前後方向の長さより長く形成されており、したがってその一部はカバー部材21に塞がれることなく、開口している。
【0056】
本実施形態では、配線挿通用開口39、39のカバー部材21に塞がれることなく開口した部位39a、39aが、天板4に形成された配線挿通孔27の近傍に位置するように配置されている。すなわち、前記部位39a、39aが配線挿通孔27の近傍に位置するように、電子機器載置部31が天板4の下面に取り付けられ、吊支されている。このような構成のもとに電子機器載置部31に載置されるPC本体32の接続配線ケーブル29は、一方の配線挿通用開口39を通って例えば切欠部22aから一旦配線トレー22上に案内され、さらに配線トレー22上に通線されてここに一部保持された後、配線挿通孔27を通って天板4上に引き出され、ディスプレイ28に接続されるようになっている。
【0057】
このような構成からなる天板昇降式デスク1にあっては、
図1に示す操作部7を操作して昇降動作信号を送信することで昇降機構ユニット5、5を共に駆動させ、天板4の高さを任意に変更することができる。その際、電源ケーブル16やユニット間配線ケーブル20、20、操作部用配線ケーブル15、さらには電子機器(PC本体32、ディスプレイ28)の接続配線ケーブル29を、連結部材3の空間部19やカバー部材21の配線トレー22上に配置しているので、これら配線ケーブルが外部にほとんど露出することなく、したがって執務時はもちろん、天板高さの変更時にも配線ケーブルどうしが互いに干渉することが防止される。
【0058】
本実施形態の天板昇降式デスク1によれば、天板4の下面に吊支された電子機器載置部31にPC本体32を載置しているので、執務時および天板高さ変更時のいずれにおいても、PC本体32が天板4上から落下したり、天板4上の備品が倒れてPC本体32にぶつかることがなく、したがってPC本体32の保全性を確保することができる。
また、PC本体32と天板4上に配置されるディスプレイ28との距離が常に一定になるため、執務時および天板高さ変更時のいずれの状況においても、デスク1にて使用する電子機器の配線ケーブル、すなわちPC本体32とディスプレイ28とを接続する接続配線ケーブル29を、無駄なく処理するべく、必要最小限の長さに設定することができる。特に、電子機器載置部31に載置されるPC本体32の接続配線ケーブル29が、配線挿通用開口39を通って配線トレー22上に案内されるよう構成されているので、この接続配線ケーブル29を配線トレー22内に通すことにより、所望の箇所にまで無駄なく引き回すことができる。
【0059】
また、天板4上で使用するディスプレイ28と電子機器載置部31内のPC本体32とを接続する接続配線ケーブル29を、天板4に穿設された配線挿通孔27を通して電子機器載置部31内に案内しているので、接続配線ケーブル29を無駄なく処理することができる。また、PC本体32とディスプレイ28との距離が常に一定になるため、天板高さ変更時にも接続配線ケーブル29が伸縮することがなく、したがってPC本体32(電子機器)の保全性を確保することができる。
【0060】
また、配線トレー22を配線挿通用開口39内に通して配設しているので、電子機器載置部31に載置されたPC本体32の接続配線ケーブル29を、配線トレー22を通して自由に引き回すことができる。したがって、接続配線ケーブル29を介してPC本体32に接続するディスプレイ28を、天板4上のいずれの位置にも設置可能にすることができる。
【0061】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では連結部材3を、一対の連結片17、17と、これら連結片17、17間を一体に接続する接続板18と、を有した一体成形品としたが、単に一対の連結片17、17のみとし、これら連結片17が前後に間隔をあけて天板4に取り付けられて、連結片17、17間に空間部19が形成されるように構成してもよい。
【0062】
また、前記実施形態では電子機器載置部31として、一対の側板38、38のそれぞれの上端部において、前後方向中央部の一部を切り欠いて配線挿通用開口39を形成したが、前後方向中央部ではなく、前後方向の一方の側を切り欠いて配線挿通用開口39を形成してもよい。
また、前記実施形態では電子機器として、PC本体32とディスプレイ28とからなるデスクトップパソコンを用い、電子機器載置部31にPC本体32を載置するようにしたが、例えばルーターなどを電子機器として用い、これを電子機器載置部31に載置するようにしてもよい。