(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494096
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】味付けゆで卵製造用容器
(51)【国際特許分類】
A23L 15/00 20160101AFI20190325BHJP
【FI】
A23L15/00 E
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-58833(P2015-58833)
(22)【出願日】2015年3月22日
(65)【公開番号】特開2016-152793(P2016-152793A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2018年3月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-24955(P2015-24955)
(32)【優先日】2015年2月12日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515039502
【氏名又は名称】横山 豪
(74)【代理人】
【識別番号】100154210
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 宏
(72)【発明者】
【氏名】横山 豪
【審査官】
吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−048694(JP,U)
【文献】
特開2005−231699(JP,A)
【文献】
特開2006−001551(JP,A)
【文献】
特開平07−115896(JP,A)
【文献】
特開2009−089635(JP,A)
【文献】
特開2005−096783(JP,A)
【文献】
特開平09−002533(JP,A)
【文献】
特開2005−239227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 15/00−15/10
B65D 85/30−85/48,85/86,85/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
味付けゆで卵を製造するための味付けゆで卵製造用容器であって、
ゆで卵の高さ及び幅よりそれぞれ大きい高さ及び幅の内部空間を有し、該内部空間に調味液を収容し、該調味液にゆで卵を浸す容器本体と、
前記容器本体に係合して前記内部空間を封止するとともに、前記調味液による前記ゆで卵の浮上を抑える蓋と、
を備え、
前記蓋は、前記内部空間に対向する一面に1又は複数の凸部を有し、
前記凸部は、略半球形の先端を有し、前記先端の曲率半径が1mm〜2mmであることを特徴とする、味付けゆで卵製造用容器。
【請求項2】
味付けゆで卵を製造するための味付けゆで卵製造用容器であって、
ゆで卵の高さ及び幅よりそれぞれ大きい高さ及び幅の内部空間を有し、該内部空間に調味液を収容し、該調味液にゆで卵を浸す容器本体と、
前記容器本体に係合して前記内部空間を封止するとともに、前記調味液による前記ゆで卵の浮上を抑える蓋と、
を備え、
前記蓋は、前記内部空間に対向する一面に浸潤性のスポンジ体を有することを特徴とする、味付けゆで卵製造用容器。
【請求項3】
味付けゆで卵を製造するための味付けゆで卵製造用容器であって、
ゆで卵の高さ及び幅よりそれぞれ大きい高さ及び幅の内部空間を有し、該内部空間に調味液を収容し、該調味液にゆで卵を浸す容器本体と、
前記容器本体に係合して前記内部空間を封止するとともに、前記調味液による前記ゆで卵の浮上を抑える蓋と、
を備え、
前記容器本体は、内表面に浸潤性のスポンジ体を有することを特徴とする、味付けゆで卵製造用容器。
【請求項4】
味付けゆで卵を製造するための味付けゆで卵製造用容器であって、
ゆで卵の高さ及び幅よりそれぞれ大きい高さ及び幅の内部空間を有し、該内部空間に調味液を収容し、該調味液にゆで卵を浸す容器本体と、
前記容器本体に係合して前記内部空間を封止する蓋と、
前記容器本体の底部から前記内部空間に突出し、前記ゆで卵を係止する針状体と
を備えることを特徴とする、味付けゆで卵製造用容器。
【請求項5】
前記針状体は、先端側が基底側よりも太い浮上防止部分を備えることを特徴とする、請求項4に記載の味付けゆで卵製造用容器。
【請求項6】
前記内部空間は、65mm以上の高さと、150ml以下の容積を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の味付けゆで卵製造用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、味付けゆで卵を製造するための味付けゆで卵製造用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ゆで卵をしょうゆ等を含む調味液に浸すことで味付けされた味付けゆで卵(例えば、特許文献1参照)が広く知られている。味付けゆで卵は、例えばタッパーウェア等の容器に調味液を入れ、その調味液にゆで卵を浸すことで作られる。しかし、ゆで卵の比重は調味液の比重より小さいため、ゆで卵に浮力が働き、その上部が調味液の液面の上に浮き上がる。底の深い容器を用いて大量の調味液にゆで卵を浸しても、同様である。そのため、ゆで卵全体を調味液に浸すことができず、表面全体に均等に味付けをすることはできない。均等に味付けをするためには、一定の時間おきに、調味液に浸したゆで卵の向きを変える(上下を反転させる)ことを要する。
【0003】
また、使用する容器は、通常、ゆで卵に合わせた形状ではなく、ゆで卵に接しない箇所にも調味液が注入される。不必要に大量の調味液を使用することとなる。これに対し、密封性の袋体に調味液を入れ、その調味液にゆで卵を浸すことで、使用する調味液の量を減らすことができる。しかし、この場合にもゆで卵には浮力が働き、ゆで卵の上部が袋体の内面に当接するため、ゆで卵全体を調味液に浸すことができず、表面全体に均等に味付けをすることができない問題は解消されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平成08−103249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、少量の調味液を用いて、表面全体に均等に味付けられた味付けゆで卵を簡易に製造することのできる味付けゆで卵製造用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
味付けゆで卵を製造するための味付けゆで卵製造用容器であって、
ゆで卵の高さ及び幅よりそれぞれ大きい高さ及び幅の内部空間を有し、該内部空間に調味液を収容し、該調味液にゆで卵を浸す容器本体と、
前記容器本体に係合して前記内部空間を封止するとともに、前記調味液による前記ゆで卵の浮上を抑える蓋と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
これによれば、容器本体に蓋を係合して、調味液及びこれに浸されたゆで卵を収容した内部空間を密封した際に、蓋によってゆで卵の浮上が抑えられることで、ゆで卵全体を調味液内に浸すことができる。
【0008】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
前記内部空間は、65mm以上の高さと、150ml以下の容積を有することを特徴とする。
【0009】
これによれば、内部空間がゆで卵を収容するのに必要なおよそ最小の容積を有することで、少ない調味液でゆで卵を浸すことができる。
【0010】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
前記蓋は、前記内部空間に対向する一面に1又は複数の凸部を有することを特徴とする。
【0011】
これによれば、容器本体に蓋を係合して内部空間を密封した際に、蓋が有する1又は複数の凸部が調味液に浸されたゆで卵に当接することで、その浮上が抑えられるとともに、ゆで卵の上部まで調味液に浸すことができる。
【0012】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
前記凸部は、略半球形の先端を有し、
前記先端の曲率半径が1mm〜2mmであることを特徴とする。
【0013】
これによれば、ゆで卵の表面が傷つくことなく、ゆで卵の表面のほぼ全体を調味液に浸すことができる。
【0014】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
前記蓋は、前記内部空間に対向する一面に浸潤性のスポンジ体を有することを特徴とする。
【0015】
これによれば、容器本体に蓋を係合して内部空間を密封した際に、蓋が有するスポンジ体に調味液が浸透し、そのスポンジ体が調味液に浸されたゆで卵に当接することで、その浮上が抑えられるとともに、スポンジ体が当接する部分を調味液に浸すことができる。
【0016】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
前記容器本体は、内表面に浸潤性のスポンジ体を有することを特徴とする。
【0017】
これによれば、内部空間に収容されたゆで卵が容器本体の内表面に当接した際に、調味液が浸透したスポンジ体に当接することで、当接するその部分を調味液に浸すことができる。
【0018】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
味付けゆで卵を製造するための味付けゆで卵製造用容器であって、
ゆで卵の高さ及び幅よりそれぞれ大きい高さ及び幅の内部空間を有し、該内部空間に調味液を収容し、該調味液にゆで卵を浸す容器本体と、
前記容器本体に係合して前記内部空間を封止する蓋と、
前記容器本体の底部から前記内部空間に突出し、前記ゆで卵を係止する針状体と
を備えることを特徴とする。
【0019】
これによれば、容器本体に蓋を係合して、調味液及びこれに浸されたゆで卵を収容した内部空間を密封した際に、針状体がゆで卵に刺さり、それによってゆで卵の浮上が抑えられることで、ゆで卵全体を調味液内に浸すことができる。
【0020】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
前記内部空間は、65mm以上の高さと、150ml以下の容積を有することを特徴とする。
【0021】
これによれば、内部空間がゆで卵を収容するのに必要なおよそ最小の容積を有することで、少ない調味液でゆで卵を浸すことができる。
【0022】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、
前記針状体は、先端側が基底側よりも太い浮上防止部分を備えることを特徴とする。
【0023】
これによれば、針状体からゆで卵が離脱してしまうことが防止され、ゆで卵全体を調味液内に浸すことが確実にできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の味付けゆで卵製造用容器によれば、少量の調味液を用いて、表面全体に均等に味付けられた味付けゆで卵を簡易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1(A)及び(B)は、それぞれ味付けゆで卵製造用容器の構成を示す断面図及びゆで卵の状態を示す図である。
【
図2】
図2(A)及び(B)は、それぞれ味付けゆで卵製造用容器の構成を示す断面図及びゆで卵の状態を示す図である。
【
図3】
図3(A)及び(B)は、それぞれ味付けゆで卵製造用容器の構成を示す断面図及びゆで卵の状態を示す図である。
【
図4】
図4(A)及び(B)は、それぞれ味付けゆで卵製造用容器の構成を示す断面図及びゆで卵の状態を示す図である。
【
図5】
図5(A)及び(B)は、それぞれ味付けゆで卵製造用容器の構成を示す断面図及びゆで卵の状態を示す図である。
【
図6】
図6(A)及び(B)は、それぞれ味付けゆで卵製造用容器の構成を示す断面図及びゆで卵の状態を示す図である。
【
図7】
図7(A)及び(B)は、それぞれ味付けゆで卵製造用容器の構成を示す断面図及びゆで卵の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0027】
図1(A)に、味付けゆで卵製造用容器1の構成を示す。ここで、
図1(A)は味付けゆで卵製造用容器1(特に、容器本体2)の構成を示す断面図である。味付けゆで卵製造用容器1は、味付けゆで卵を製造するための容器であり、容器本体2及び蓋3から構成される。容器本体2の内部空間は、図において点線で示した軸を中心に図を回転させた形状である。
【0028】
容器本体2は、ゆで卵と調味液を収容する容器であり、一例として透明な樹脂から有底円筒状に成形されている。容器本体2には、ゆで卵の高さ及び幅よりそれぞれ大きい高さ及び幅を有する内部空間2aが形成されている。一例として、内部空間2aの高さH及び幅Wは、それぞれ、H=70mm、W=52mmである。Lサイズの卵の高さ及び幅よりも大きく、Lサイズの卵を収容できるため、H≧65mm、W≧50mmであることが好ましい。
【0029】
容器本体2の内底面は、ゆで卵の形に応じて半楕円球状に成形され、内部空間2aの容積はおよそ120mlである。少ない調味液でゆで卵を浸すことができる。例えば、ゆで卵の体積が90mlであれば、30mlの調味液によりゆで卵の全体を浸すことができる。調味液の量を過大にしないため、内部空間2aの容積は150ml以下であることが好ましい
【0030】
蓋3は、容器本体2に係合して内部空間2aを封止する部材であり、円板体3a及び嵌合部3bを有する。円板体3a及び嵌合部3bは、一例として半透明又は不透明な樹脂から一体的に成形される。円板体3aは、容器本体2の直径に等しい直径を有する円板状に成形されている。嵌合部3bは、内部空間2aの幅に等しい又は若干大きい幅(直径)であり、上面視において内部空間2aと同じ円形状に成形されている。ただし、嵌合部3bの底面には、その中央を下方に突起して1つの凸部3cが設けられている。ここで、凸部3cの先端は、半径1.5mmの半球形である。凸部3cの先端がゆで卵10に当接するが、ゆで卵の表面が傷つけることがない程度に滑らか(大きな曲率半径を有する)であり、ゆで卵の表面のほぼ全体を調味液に浸すことができる程度に小さい。ゆで卵の表面を傷つけないこととゆで卵の表面のほぼ全体を調味液に浸すことを両立させるため、凸部3cの先端は、1mm〜2mmの曲率半径を有することが好ましい。(先端部が厳密な球形状でなく先端部自身の半径が厳密には定められない場合も考えられるので、先端部外接球の半径である「曲率半径」で表した。)
【0031】
味付けゆで卵製造用容器1の使用方法について説明する。
【0032】
容器本体2の内部空間2aに、約30ccの調味液12を入れる。調味液12は、一例として、しょうゆ、みりん、砂糖等を好みに応じて調合し、加熱して作られる。この調味液12にゆで卵10を浸す。そして、容器本体2の上部に蓋3の嵌合部3bを嵌め込む(係合する)。それにより、調味液12及びこれに浸されたゆで卵10を収容した内部空間2aが密封される。
【0033】
蓋3を用いて容器本体2を封止した際、蓋3に設けられた凸部3cが調味液12に浸されたゆで卵10に当接することで、調味液12から受ける浮力による浮上が抑えられる。
【0034】
図1(B)に、味付けゆで卵製造用容器に入れられたゆで卵の状態を示す。図は、ゆで卵10を蓋3の側から見た状態を表すものである。ゆで卵10の中央に凸部3cが当接する小さな領域がある。凸部3cの小さい先端面のみがゆで卵に当接するため、上部を含めゆで卵10のほぼ全体を調味液12に浸すことが可能となる。
【0035】
なお、蓋3(嵌合部3b)の凸部は、1つに限らず、複数設けることとしてもよい。
図2に、かかる味付けゆで卵製造用容器1の構成を示す。蓋3(嵌合部3b)の底面には、3つの凸部3dが、それらの中心を底面中心に一致して三角配置されている。それにより、蓋3を用いて容器本体2を封止した際、3つの凸部3dが調味液12に浸されたゆで卵10に当接することで、調味液12から受ける浮力による浮上が抑えられる。また、
図2(B)に示すように3つの凸部3dがゆで卵を三点支持することで、ゆで卵10の全体をより安定に調味液12に浸すことができる。
【0036】
以上詳細に説明したように、本実施例の味付けゆで卵製造用容器1は、ゆで卵の高さ及び幅よりそれぞれ大きい高さ及び幅の内部空間2aを有し、この内部空間2aに調味液12を収容し、この調味液12にゆで卵10を浸す容器本体2、及び容器本体2に係合して内部空間2aを封止するとともに、調味液12によるゆで卵10の浮上を抑える蓋3から構成される。容器本体2に蓋3を係合して、調味液12及びこれに浸されたゆで卵10を収容した内部空間2aを密封した際に、蓋3に設けられた凸部3c(3d)によって調味液12によるゆで卵10の浮上が抑えられることで、ゆで卵全体を調味液内に浸すことができる。
【実施例2】
【0037】
本実施例は、蓋3(嵌合部3b)の底面に浸潤性のスポンジ体を設けるものである。他の部分は実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0038】
図3(A)に、味付けゆで卵製造用容器1の構成を示す。
図3(A)を
図1(A)と比較すると、嵌合部3bの底面にスポンジ体3eが設けられ、凸部3cがゆで卵10に当接しない点が相違する。ゆで卵10はスポンジ体3eに当接し、スポンジ体3eには調味液12が浸潤するので、
図3(B)に示すように、ゆで卵10は、蓋3に当接せずに全体が調味液12に浸かる。
【0039】
また、容器本体2の内表面にも浸潤性のスポンジ体2bを設けることができる。
図4に、かかる味付けゆで卵製造用容器1の構成を示す。容器本体2が傾斜して内部空間2aの内表面に向けてゆで卵10が移動しても、ゆで卵10が内表面に当接せずに調味液12が浸透したスポンジ体2bに当接することで、当接するその部分を調味液12に浸すことができる。
【0040】
スポンジ体3eを設けることで、嵌合部3bの形状を各種設計することができる。例えば、
図5に示すように底面平板にすることや、
図6に示すようにゆで卵に合わせた凹形状にすることができる。
図6に示したものは、
図1〜5に示したものに比してさらに少量の調味液12による味付けゆで卵の製造が可能である。
【0041】
以上詳細に説明したように、本実施例の味付けゆで卵製造用容器1は、蓋3に設けられたスポンジ体3eによって調味液12によるゆで卵10の浮上が抑えられるとともに調味液12がゆで卵の上方に浸潤し、ゆで卵全体を調味液内に浸すことができる。
【実施例3】
【0042】
本実施例は、容器本体の底部から内部空間に突出した針状体を設けるものである。針状体を設けることで、凸部やスポンジ体がなくともよい。他の部分は実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0043】
図7(A)に、味付けゆで卵製造用容器1の構成を示す。容器本体2の底部から内部空間2aに針状体4が突出している。針状体4は、ゆで卵10の底面に差し込まれる。ゆで卵10が針状体4から受ける力によって、ゆで卵10が調味液12から受ける浮力による浮上が抑えられる。ゆで卵10の全体が調味液12に浸される。
【0044】
ゆで卵10の底面付近の白身が針状体4から受ける力としては、ゆで卵10の底面付近の白身と針状体4との摩擦力によってゆで卵10が調味液12から受ける浮力による浮上が抑えられる場合も考えられる。しかし、浮上防止部分41を設けて確実に浮上を防止することが好ましい。浮上防止部分41は、針状体4の先端側(図において上方)が基底側(図において下方)よりも太い。ゆで卵10が浮力によって浮上しようとするとき、先端側に係止される。針状体4を先細り形状とする場合よりも確実に浮上が防止される。なお、浮上防止部分41の全周にわたって「先端側が基底側よりも太い」ことが必要なものではなく、一部においてゆで卵10を係止できる形状であればよい。例えば、ネジ溝のような螺旋形状であってもよい。
【0045】
以上詳細に説明したように、本実施例の味付けゆで卵製造用容器1は、容器本体2の底部から内部空間2aに突出して針状体4によって調味液12によるゆで卵10の浮上が抑えられるとともに調味液12がゆで卵の上方に浸潤し、ゆで卵全体を調味液内に浸すことができる。なお、本実施例に示した針状体4に加えて、実施例1に示した凸部3c又は3d、実施例2に示したスポンジ体3e及び2bを設けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の味付けゆで卵製造用容器は、少量の調味液を用いて、表面全体に均等に味付けられた味付けゆで卵を、簡易に製造するのに好適である。多くの個人による利用が考えられる。
【符号の説明】
【0047】
1 卵製造用容器
2 容器本体
2a 内部空間
2b スポンジ体
3 蓋
3a 円板体
3b 嵌合部
3c 凸部
3d 凸部
3e スポンジ体
4 針状体
41 浮上防止部分
10 ゆで卵
12 調味液