特許第6494156号(P6494156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494156
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/03 20060101AFI20190325BHJP
   B60C 9/08 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   B60C11/03 100C
   B60C11/03 Z
   B60C9/08 M
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-131825(P2013-131825)
(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公開番号】特開2015-6810(P2015-6810A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2016年6月10日
【審判番号】不服2018-6093(P2018-6093/J1)
【審判請求日】2018年5月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100162204
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】久保田 正剛
(72)【発明者】
【氏名】南 祐二
【合議体】
【審判長】 須藤 康洋
【審判官】 渕野 留香
【審判官】 大島 祥吾
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/135774(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C3/00,11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部に溝が設けられている空気入りタイヤにおいて、
総幅SW(mm)と外径OD(mm)とが、
SW/OD≦0.3
の関係を満たし、
タイヤ赤道線を中心として接地幅Wの50%の幅を有するセンター領域ACに設けられた溝の最大溝深さをセンター溝深さGcとするとともに、前記センター領域ACよりもタイヤ幅方向外側のショルダー領域ASに設けられた溝の最大溝深さをショルダー溝深さGsとし、さらに前記センター溝深さGcと前記ショルダー溝深さGsとの平均値をトレッド溝深さGaとした場合に、
前記トレッド溝深さGaと前記総幅SWとが、
Ga≦0.02×SW+2.5(mm)
の関係を満たし、
前記センター溝深さGcと前記ショルダー溝深さGsとが、
Gc>Gs
の関係を満たす、空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記外径OD(mm)と、内径ID(mm)と、前記総幅SW(mm)と、前記センター溝深さGcと、前記ショルダー溝深さGsとが、
0.19×(OD−ID)/2SW+1.0≦Gc/Gs≦0.19×(OD−ID)/2SW+1.2
の関係を満たす、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記センター溝深さGcを有する溝が周方向溝である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃費性能等を改善した空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の低燃費化を図った空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された技術は、タイヤの断面幅Wと外径Lとの比W/Lを0.25以下として、タイヤの前面投影面積(空気入りタイヤの転動方向から見たときの投影面積を小さくすることにより、転がり抵抗を低減して車両の燃費性能を向上させた技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2011/135774号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、燃費性能のみならず、操縦安定性能や摩耗寿命に関する性能についても同時に高いレベルで発揮できる空気入りタイヤの開発が要請されているところ、上記の比W/Lを制御するだけでは、これらの性能を全てバランス良く発揮できるか不明である。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、特に、燃費性能と、操縦安定性能と、摩耗寿命に関する性能と、をバランス良く改善した、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部に溝が設けられている空気入りタイヤである。総幅SWと外径ODとは、SW/OD≦0.3の関係を満たす。タイヤ赤道線を中心として接地幅Wの50%の幅を有するセンター領域ACに設けられた溝の最大溝深さをセンター溝深さGcとするとともに、上記センター領域ACよりもタイヤ幅方向両外側のショルダー領域ASに設けられた溝の最大溝深さをショルダー溝深さGsとし、さらに上記センター溝深さGcと上記ショルダー溝深さGsとの平均値をトレッド溝深さGaとする。この場合、上記トレッド溝深さGaと上記総幅SWとは、Ga≦0.02×SW+2.5の関係を満たす。また、上記センター溝深さGcと上記ショルダー溝深さGsとは、Gc>Gsの関係を満たす。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る空気入りタイヤでは、総幅SWと外径ODとの関係、トレッド溝深さGaと総幅SWとの関係、及びセンター溝深さGcとショルダー溝深さGsとの関係について、限定を加えている。その結果、本発明に係る空気入りタイヤによれば、特に、燃費性能と、操縦安定性能と、摩耗寿命に関する性能と、がバランス良く改善される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの、トレッド部からサイドウォール部に至る領域を示すタイヤ子午断面図である。
図2図2は、図1に示す空気入りタイヤ1の、トレッド表面の接地領域AGを示す平面模式図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド表面に設けられた溝の複数例を示す平面模式図であり、(a)は溝G1がセンター領域AC及びショルダー領域ASのいずれかの領域にのみ含まれる例(同図に示す例は、センター領域ACにのみ含まれる例)であり、(b)は溝G2がセンター領域ACとショルダー領域ASとの境界線BLを一回跨いでセンター領域ACとショルダー領域ASとの双方に含まれる例であり、(c)は溝G3が上記境界線BLを複数回跨いでセンター領域ACとショルダー領域ASとの双方に含まれる例であり、(d)は溝G4が上記境界線BL上で延在する例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態(以下に示す、基本形態及び付加的形態1から4)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態は、本発明を限定するものではない。また、上記実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記実施の形態に含まれる各種形態は、当業者が自明の範囲内で任意に組み合わせることができる。
【0011】
[基本形態]
以下に、本発明に係る空気入りタイヤについて、その基本形態を説明する。以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。さらに、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CL(タイヤ赤道線)に向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CL(タイヤ赤道線)から離れる側をいう。なお、タイヤ赤道面CL(タイヤ赤道線)とは、空気入りタイヤの回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤのタイヤ幅の中心を通る平面(線)である。
【0012】
また、本実施の形態において言及される諸規定(例えば、リムサイズ、規定空気圧、負荷荷重)は、国際標準化機構で策定された国際規格(ISO)の規定に準拠した規定とする。ただし、ISOに規定がない場合は日本工業規格(JIS)の規定に準拠した規定とする。また、ISOに規定があっても、ISOの規定範囲以外にJISの規定範囲が存在する場合には、ISOの規定とJISの規定とのいずれかに準拠した規定とする。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの、トレッド部からサイドウォール部に至る領域を示すタイヤ子午断面図である。即ち、同図に示す空気入りタイヤ1の領域は、トレッド部Aと、トレッド部Aのタイヤ幅方向外側かつタイヤ径方向内側に延在する一対のショルダー部B、Bと、両ショルダー部B、Bのタイヤ径方向内側にそれぞれ延在する一対のサイドウォール部(但し、図1ではそのタイヤ径方向外側部のみを示す)C、Cとを含む領域である。そして、図1に示す領域は、サイドウォール部C、Cから、さらにタイヤ径方向内側に延在する(図示しない)一対のビード部に、それぞれ連なっている。
【0014】
本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤは、上記各部構成により、タイヤ子午断面視で、トレッド部を中心に、一対の、ショルダー部、サイドウォール部及びビード部が連続的に形成されている。そして、トレッド部からビード部までがそれぞれタイヤ周方向に連続的に延在し、空気入りタイヤ全体としてトロイダル状をなしている。
【0015】
図1に示す、トレッド部Aからショルダー部Bを介してサイドウォール部Cに至る領域には、カーカス層12、ベルト層14、ベルトカバー層16、トレッドゴム18、一対のサイドウォールゴム20、20及びインナーライナ22が配設されている。
【0016】
カーカス層12は、図示しないタイヤ幅方向両側のビードコア間に、図示する各部C、B、Aを介して架け渡され、タイヤの骨格を形成する部材である。なお、図1に示すカーカス層12は、一層のカーカスから構成されているが、本実施の形態はこれに限られず、カーカス層12は複数枚のカーカスから構成されていてもよい。
【0017】
ベルト層14は、カーカス層12のタイヤ径方向外側に位置し、カーカス層12を強く締め付け、トレッド部Aの剛性を高める部材である。ベルト層14は、タイヤ径方向内側から外側に向けて順に形成された複数枚の、図1に示す例では2枚のベルト14a、14bから構成されている。ベルト14a、14bは、ベルトコードが互いに交差する構造を有する。
【0018】
ベルトカバー層16は、ベルト層14のタイヤ径方向外側に位置し、高速走行時のベルト層14のタイヤ幅方向両端部の遠心力による浮き上がりを抑制する部材である。ベルトカバー層16は、タイヤ径方向内側から外側に向けて順に形成された複数枚の、図1に示す例では2枚のベルトカバー16a、16bから構成されている。これにより、主にベルト層14の端部の剥離故障を防止して高速耐久性を向上させることができる。
【0019】
トレッドゴム18は、トレッド部Aにおいて、主に、カーカス層12及びベルト層14のタイヤ径方向外側に位置して路面と接する部材であり、カーカス層12を保護し、その摩耗や外傷を防止するタイヤの外皮部材である。
【0020】
サイドウォールゴム20は、トレッドゴム18のタイヤ幅方向外側に位置し、ショルダー部Bからサイドウォール部Cにかけての領域において、カーカス層12のタイヤ径方向外側又はタイヤ幅方向外側に位置するタイヤの外皮部材である。サイドウォールゴム20は、タイヤ走行時に繰り返しの屈曲変形に耐え、カーカス層12を外力から保護し、その外傷を防止する。なお、図1において、トレッドゴム18とサイドウォールゴム20との境界線は点線で示している。
【0021】
インナーライナ22は、タイヤ内周面に位置し、カーカス層12を覆う帯状のゴムシート部材であり、カーカス層12の露出による酸化を防止するとともに、タイヤに充填された空気の洩れを防止する部材である。
【0022】
上述した各構成要素12、14、16、18、20、22を備える空気入りタイヤ1には、図1に示すトレッド部Aの表面(トレッド表面)に、溝が設けられている。本実施の形態における溝とは、トレッド表面に形成される様々なトレッドパターンを規定する、いかなる方向に延在する溝も含む。即ち、上記溝は、タイヤ周方向に延在する溝(以下、「周方向溝」と称する場合がある)であってもよいし、或いは、タイヤ周方向に対して傾斜する溝(タイヤ幅方向に延在する溝を含み、以下、「傾斜溝」と称する場合がある)であってもよい。また、溝が傾斜溝である場合には、その少なくとも一端が周方向溝に連通している溝は勿論、連通していない溝も含まれる。なお、図1には、これらの溝のうち、4本の溝24a、24b、24c、24dが示されている。
【0023】
なお、本実施の形態において、周方向溝及び傾斜溝は、いずれも、溝幅が3mm以上であって、溝深さが2.5mm以上の溝をいう。
【0024】
以上のような前提の下、本実施の形態においては、総幅SW、外径OD、接地幅W、センター領域AC、センター溝深さGc、ショルダー領域AS、ショルダー溝深さGs、及びトレッド溝深さGaが、以下のように定義される。
【0025】
即ち、総幅SW(図1参照)とは、空気入りタイヤ1をリム組みし、規定空気圧を充填した無負荷状態における、タイヤ幅方向最大寸法であり、サイドウォール部Cの外側面上に形成されたデザイン部分を含む寸法である。外径OD(図1に示さない)とは、図1に示す空気入りタイヤ1をリム組みした状態における、タイヤ径方向最大寸法である。接地幅W(図1参照)とは、JIS D 4202−1994に記載されている計算式により算出された負荷荷重の80%の荷重を負荷した状態における、トレッド表面の接地領域AG(図2参照)におけるタイヤ幅方向最大寸法である。
【0026】
センター領域AC(図1参照)とは、タイヤ赤道線CLを中心として接地幅Wの50%の幅を有する領域である。センター溝深さGc(図1参照)とは、センター領域ACに設けられた溝の最大溝深さであり、換言すれば、センター領域ACに設けられた溝のうち最大溝深さを有する溝の深さである。ショルダー領域AS(図1参照)とは、センター領域ACよりもタイヤ幅方向外側の各領域であって、接地端E、Eのそれぞれからタイヤ幅方向内側に接地幅Wの25%の幅を有する各領域である。ショルダー溝深さGs(図1参照)とは、ショルダー領域ASに設けられた溝の最大溝深さであり、換言すれば、ショルダー領域ASに設けられた溝のうち最大溝深さを有する溝の深さである。トレッド溝深さGa(図1に示さない)とは、センター溝深さGcとショルダー溝深さGsとの平均値である。
【0027】
ここで、上記溝が、センター領域ACに設けられた溝であるのか、ショルダー領域ASに設けられた溝であるのかについては、以下のように決定するものとする。図3は、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド表面に設けられた溝の複数例を示す平面模式図であり、(a)から(d)には溝G1からG4がそれぞれ異なる態様で設けられている。
【0028】
図3(a)に示すように、溝G1(周方向溝)がセンター領域AC及びショルダー領域ASのいずれかの領域でのみ延在している場合(同図に示す例は、センター領域ACでのみ延在する場合)は、その延在する領域(同図においてはセンター領域AC)に設けられた溝とする。また、図3(b)及び図3(c)に示すように、溝G2、G3(いずれも傾斜溝)が少なくとも1回、センター領域ACとショルダー領域ASとの境界線BLを跨いで延在している場合には、溝G2、G3の存在する面積が多い領域(これらの図においては、いずれも、ショルダー領域AS)に設けられた溝とする。さらに、図3(d)に示すように、溝G4(周方向溝)が上記境界線BL上で延在する場合には、溝G4は、便宜的にセンター領域ACに設けられた溝とする。
【0029】
これらの定義に基づいて、本実施の形態に係る空気入りタイヤ1においては、
総幅SWと外径ODとが、
SW/OD≦0.3 ・・・・・(式1)
の関係を満すとともに、
トレッド溝深さGaと総幅SWとが、
Ga≦0.02×SW+2.5 ・・・・・(式2)
の関係を満たし、さらに
センター溝深さGcとショルダー溝深さGsとが、
Gc>Gs ・・・・・(式3)
の関係を満たす。
【0030】
(作用等)
本実施の形態においては、上記(式1)に示すように、総幅SWと外径ODとの比SW/ODを0.3以下としている。即ち、本実施の形態においては、外径ODに対して総幅SWを十分に狭くしている。これにより、タイヤの前面投影面積を小さくすることができ、その結果、タイヤの空気抵抗を抑えて、優れた燃費性能を実現することができる。
【0031】
しかしながら、通常、上記(式1)に示すように外径ODに対して総幅SWを狭くした場合には、接地面のタイヤ幅方向寸法が小さくなるため、コーナリングパワーが十分に得られず、優れた操縦安定性能を実現することができない。そこで、本実施の形態においては、上記(式2)に示すように、トレッド溝深さGaを総幅SWとの関係において十分に小さくしている。これにより、トレッド表面に設けられた溝全体に対して浅溝化が図られることから、陸部の剛性を十分に確保することができ、その結果、操縦安定性能を改善することができる。
【0032】
また、通常、上記(式1)に示すように外径ODに対して総幅SWを狭くした場合には、ショルダー領域ASに対してセンター領域ACでタイヤ周方向における接地長が大きくなるので、ショルダー領域ASにおける摩耗量に対してセンター領域ACにおける摩耗量が多くなる。このため、センター領域ACがショルダー領域ASよりも先に摩耗限界に達してしまい、センター領域ACとショルダー領域ASとの間における摩耗寿命に差が生じ、トレッド表面全体として、優れた摩耗寿命に関する性能を実現することができない。ここで、摩耗限界とは、溝底に突出形成されたウェアインジケータの表面が、タイヤ踏面に露出するまでトレッド面が摩耗した状態をいう。
【0033】
そこで、本実施の形態においては、上記(式3)に示すように、センター溝深さGcをショルダー溝深さGsに比べて大きくしている。即ち、本実施の形態においては、式(2)によってトレッド表面に設けられた溝全体に対して浅溝化を図るに際し、式(3)によって、比較的摩耗量の少ないショルダー領域ASの溝深さに対して、比較的摩耗量の多いセンター領域ACの溝深さを大きくしている。これにより、センター領域ACとショルダー領域ASとの摩耗限界をほぼ同時に迎えることができ、その結果、トレッド表面全体としての摩耗寿命をより長くして、摩耗寿命に関する性能を改善することができる。
【0034】
以上に示すように、本実施の形態に係る空気入りタイヤによれば、総幅SW、外径OD、トレッド溝深さGa、センター溝深さGc及びショルダー溝深さGsを適宜制御することにより、特に、燃費性能と、操縦安定性能と、摩耗寿命に関する性能と、をバランス良く改善することができる。
【0035】
なお、以上に示す、本実施の形態の空気入りタイヤは、通常の各製造工程、即ち、タイヤ材料の混合工程、タイヤ材料の加工工程、グリーンタイヤの成型工程、加硫工程及び加硫後の検査工程等を経て得られるものである。本実施の形態の空気入りタイヤを製造する場合には、加硫後の検査工程を経て完成したタイヤにて、リム組み状態で規定空気圧を付与した際に上記(式1)から(式3)の関係を満たすように、グリーンタイヤの成型及び加硫を行う。
【0036】
[付加的形態]
次に、本発明に係る空気入りタイヤの上記基本形態に対して、任意選択的に実施可能な、付加的形態1から4を説明する。
【0037】
(付加的形態1)
基本形態においては、上記外径ODと、内径IDと、上記総幅SWと、上記センター溝深さGcと、上記ショルダー溝深さGsとが、
0.19×(OD−ID)/2SW+1.0≦Gc/Gs≦0.19×(OD−ID)/2SW+1.2 ・・・・・(式4)
の関係を満たすこと(付加的形態1)が好ましい。なお、内径IDとは、空気入りタイヤにおけるリム径の呼びをmmに換算した値を示す。 なお、以下では、2つの不等号を含む不等式において、不等号を挟む数式全体にあたる対象を、左から順に、左辺、中辺、及び右辺と称する。
【0038】
まず、偏平率(上記(式4)では数式[(OD−ID)/2SW]が相当する)が極端に低いタイヤ(以下、「低偏平タイヤ」と称する場合がある)については、センター領域ACのタイヤ周方向接地長と、ショルダー領域ASのタイヤ周方向接地長とに、ほとんど差はみられない。このため、低偏平タイヤにおいては、センター領域ACの摩耗とショルダー領域ASの摩耗とが略同程度に進行するので、センター溝深さGcとショルダー溝深さGsとを略同等とすることが考えられる。
【0039】
このような知見に鑑み、本実施の形態においては、低偏平タイヤの場合、即ち上記(式4)において数式[(OD−ID)/2SW]が0に近い場合には、比Gc/Gsが比較的1に近い値(約1から約1.2の範囲)となるように、(式4)を規定している。なお、比Gc/Gsを略1からそれよりも大きい値までの範囲としたのは、偏平率のいかんに関わらず、タイヤ周方向接地長がショルダー領域ASよりもセンター領域ACで大きいので、ショルダー領域ASよりもセンター領域ACで摩耗が早く進行するためである。
【0040】
これに対し、偏平率が極端に高いタイヤ(以下、「高偏平タイヤ」と称する場合がある)については、センター領域ACのタイヤ周方向接地長が、ショルダー領域ASのタイヤ周方向接地長に対して大きい。このため、高偏平タイヤにおいては、センター領域ACの摩耗がショルダー領域ASの摩耗に対して極めて早く進行するので、センター溝深さGcをショルダー溝深さGsよりも大きくすることが考えられる。
【0041】
このような知見に鑑み、本実施の形態においては、高偏平タイヤの場合、即ち上記(式4)において数式[(OD−ID)/2SW]が1に近い場合には、比Gc/Gsが1よりも大きな値(約1.19から約1.39の範囲)となるように、(式4)を規定している。
【0042】
次に、低偏平タイヤ及び高偏平タイヤのいずれについても、比Gc/Gsが小さすぎる場合、即ちセンター溝深さGcがショルダー溝深さGsに比べて十分に大きくない場合には、センター領域ACがショルダー領域ASよりも先に摩耗限界に達してしまう。そこで、本実施の形態においては、センター領域ACがショルダー領域ASよりも先に摩耗限界に達しないように、(式4)において(左辺≦中辺)の関係を規定している。
【0043】
また、低偏平タイヤ及び高偏平タイヤのいずれについても、比Gc/Gsが大きすぎる場合、即ちセンター溝深さGcがショルダー溝深さGsに比べて大きすぎる場合には、ショルダー領域ASがセンター領域ACよりも先に摩耗限界に達してしまう。そこで、本実施の形態においては、ショルダー領域ASがセンター領域ACよりも先に摩耗限界に達しないように、(式4)において(中辺≦右辺)の関係を規定している。
【0044】
以上に示すように、本実施の形態においては、低偏平タイヤから高偏平タイヤに至る、様々なサイズのタイヤについて、センター領域ACとショルダー領域ASとの摩耗限界をほぼ同時に迎えることができ、その結果、トレッド表面全体としての摩耗寿命を長くして、摩耗寿命に関する性能を改善することができる。
【0045】
(付加的形態2)
基本形態及び基本形態に付加的形態1を組み合わせた形態においては、ショルダー溝面積比率SRと、上記ショルダー溝深さGsとが、
−1.2×Gs+23.0≦SR≦−1.2×Gs+38.0・・・・・(式5)
の関係を満たすこと(付加的形態2)が好ましい。
【0046】
ここで、ショルダー溝面積比率SRとは、ショルダー領域ASにおける、接地領域AG内の陸部面積と溝面積の総和に対する溝面積の割合である。
【0047】
まず、ショルダー溝深さGsが比較的大きいタイヤ(以下、「Gs大タイヤ」と称する場合がある)については、ショルダー領域の陸部の剛性が比較的小さいので、優れた操縦安定性能を実現することができない。このため、Gs大タイヤにおいては、ショルダー溝深さGsと他の発明特定事項(後述するショルダー溝面積比率SR)との関係をさらに限定することにより、操縦安定性能を改善することが考えられる。
【0048】
このような知見に鑑み、本実施の形態においては、Gs大タイヤの場合、即ち上記(式5)においてショルダー溝深さGsが比較的大きい場合(例えば約8mmの場合)には、ショルダー溝面積比率SRが比較的低い値(約13.4%から約28.4%の範囲)となるように、(式5)を規定している。これにより、ショルダー領域ASの陸部の剛性を十分に確保することができ、ひいては操縦安定性能を改善することができる。
【0049】
これに対し、ショルダー溝深さGsが比較的小さいタイヤ(以下、「Gs小タイヤ」と称する場合がある)については、ショルダー領域ASの溝の容積が比較的小さいので、優れた排水性能を実現することができない。このため、Gs小タイヤにおいては、ショルダー溝深さGsと他の発明特定事項(ショルダー溝面積比率SR)との関係をさらに限定することにより、排水性能を改善することが考えられる。
【0050】
このような知見に鑑み、本実施の形態においては、Gs小タイヤの場合、即ち上記(式5)においてショルダー溝深さGsが比較的小さい場合(例えば約2.5mmの場合)には、ショルダー溝面積比率SRが比較的高い値(約20%から約35%の範囲)となるように、(式5)を規定している。これにより、ショルダー領域ASの溝の容積を十分に確保して、排水性能を改善することができる。
【0051】
次に、Gs大タイヤ及びGs小タイヤのいずれについても、ショルダー溝面積比率SRが小さすぎる場合、即ちショルダー領域ASの溝の容積が小さすぎる場合には、優れた排水性能を実現することができない。そこで、本実施の形態においては、優れた排水性能を実現すべく、ショルダー領域ASの溝の容積を十分に確保するように、(式5)において(左辺≦中辺)の関係を規定している。
【0052】
また、Gs大タイヤ及びGs小タイヤのいずれについても、ショルダー溝面積比率SRが大きすぎる場合、即ちショルダー領域ASの陸部の剛性が小さすぎる場合には、優れた操縦安定性能を実現することができない。そこで、本実施の形態においては、優れた操縦安定性能を実現すべく、ショルダー領域ASの陸部の剛性を十分に確保するように、(式5)において(中辺≦右辺)の関係を規定している。
【0053】
以上に示すように、本実施の形態においては、ショルダー溝深さGsが大きいタイヤから小さいタイヤに至る、様々なタイヤについて、ショルダー領域ASの溝の容積を十分に確保するとともに、ショルダー領域ASの陸部の剛性を十分に確保することができる。その結果、排水性能と操縦安定性能とをバランス良く改善することができる。
【0054】
(付加的形態3)
基本形態及び基本形態に付加的形態1、2の少なくともいずれかを組み合わせた形態においては、センター溝面積比率CRと、上記センター溝深さGcとが、
1.4×Gc+11.4≦CR≦1.4×Gc+26.4 ・・・・・(式6)
の関係を満たす(付加的形態3)が好ましい。
【0055】
ここで、センター溝面積比率CRとは、センター領域ACにおける、接地領域AG内の陸部面積と溝面積の総和に対する溝面積の割合である。
【0056】
まず、センター溝深さGcが比較的小さいタイヤ(以下、「Gc小タイヤ」と称する場合がある)については、センター領域ACが摩耗限界に比較的早く達するので、優れた摩耗寿命に関する性能を実現することができない。このため、Gc小タイヤにおいては、センター溝深さGcと他の発明特定事項(センター溝面積比率CR)との関係をさらに限定することにより、摩耗寿命に関する性能を改善することが考えられる。
【0057】
このような知見に鑑み、本実施の形態においては、Gc小タイヤの場合、即ち上記(式6)においてセンター溝深さGcが比較的小さい場合(例えば約2.5mmの場合)には、センター溝面積比率CRが比較的低い値(約14.9%から約29.9%の範囲)となるように、(式6)を規定している。これにより、センター領域ACにおいて、陸部の剛性を高くするとともに、摩耗可能な領域(接地面)を十分に確保し、さらには接地面圧を抑えることができる。その結果、センター領域ACが摩耗限界に比較的遅く達することとなり、ひいては摩耗寿命に関する性能を改善することができる。
【0058】
これに対し、センター溝深さGcが比較的大きいタイヤ(以下、「Gc大タイヤ」と称する場合がある)については、センター領域ACが摩耗限界に比較的遅く到達するので、優れた摩耗寿命に関する性能を実現することができる。そこで、排水性能のさらなる改善のためにセンター溝面積比率CRを大きくすることで、陸部の剛性の低下、摩耗可能な領域(接地面)の減少、及び接地面圧の上昇を多少伴ったとしても、摩耗寿命に関する性能は十分に担保されるものと考えられる。
【0059】
このような知見に鑑み、本実施の形態においては、Gc大タイヤの場合、即ち上記(式6)においてセンター溝深さGcが比較的大きい場合(例えば約8mmの場合)には、センター溝面積比率CRが比較的高い値(約22.6%から約37.6%の範囲)となるように、(式6)を規定している。これにより、センター領域ACにおいて、溝の容積を大きくすることができ、ひいては排水性能を改善することができる。
【0060】
次に、Gc小タイヤ及びGc大タイヤのいずれについても、センター溝面積比率CRが小さすぎる場合、即ちセンター領域ACの溝の容積が小さすぎる場合には、優れた排水性能を実現することができない。そこで、本実施の形態においては、優れた排水性能を実現すべく、センター領域ACの溝の容積を十分に確保するように、(式6)において(左辺≦中辺)の関係を規定している。
【0061】
また、Gc小タイヤ及びGc大タイヤのいずれについても、センター溝面積比率CRが大きすぎる場合には、センター領域ACにおいて、陸部の剛性が過度に小さくなるだけでなく、摩耗可能な領域(接地面)が過度に小さくなり、しかも接地面圧が過度に高くなる。このため、センター領域ACが摩耗限界に比較的早く達することとなり、ひいては優れた摩耗寿命に関する性能を実現することができない。そこで、本実施の形態においては、摩耗寿命に関する性能を改善すべく、センター領域ACの陸部の剛性を十分に確保するとともに、摩耗可能な領域(接地面)を十分に確保し、さらには接地面圧を過度に高くしないように、(式6)において(中辺≦右辺)の関係を規定している。
【0062】
以上に示すように、本実施の形態においては、センター溝深さGcが小さいタイヤから大きいタイヤに至る、様々なタイヤについて、センター領域ACの溝の容積を十分に確保するとともに、センター領域ACの陸部の剛性等を十分に確保することができ、その結果、排水性能と摩耗寿命に関する性能とをバランス良く改善することができる。
【0063】
(付加的形態4)
基本形態及び基本形態に付加的形態1から3の少なくともいずれかを組み合わせた形態においては、上記センター溝深さGcを有する溝が周方向溝であること(付加的形態4)が好ましい。
【0064】
センター溝深さGcを有する溝は、センター領域ACにおいて比較的容積が大きいので、同じ延在方向を有する溝の中では、特に排水性能が高い。また、タイヤ周方向接地長は、ショルダー領域ASよりもセンター領域ACで大きいので、ショルダー領域ASよりもセンター領域ACに周方向溝を設けることが、接地領域AG内でより大きな延在長さが確保でき、より優れた排水性能を実現することができる。
【0065】
このような知見に鑑み、本実施の形態においては、比較的容積が大きく排水性能が高い、センター溝深さGcを有する溝を、ショルダー領域ASに比べてセンター領域ACで良好な排水性能を発揮し易い周方向溝としている。これにより、センター溝深さGcを有する溝を効率的に用いて、排水性能を改善することができる。
【実施例】
【0066】
図1のタイヤ子午断面を有するとともに、表1に示す諸条件(総幅SW、外径OD、トレッド溝深さGa、センター溝深さGc、ショルダー溝深さGs、ショルダー溝面積比率SR、センター溝面積比率CR、センター溝深さGcを有する溝のタイプ、及びショルダー溝深さGsを有する溝のタイプ)に従い、実施例1から実施例8及び従来例の空気入りタイヤを作製した。
【0067】
このよう作製した、実施例1から実施例8及び従来例の各試験タイヤについて、燃費性能と、操縦安定性能と、摩耗寿命に関する性能と、排水性能とについての評価を行った。それらの結果を表1に併記する。
【0068】
(燃費性能)
各試験タイヤをリム組みして、排気量1800ccの小型前輪駆動車に装着し、1周2kmのテストコースを時速100km/hで50周走行し、燃料消費率の逆数を算出した。そして、従来例の燃料消費率の逆数を基準(100)とした場合の、各実施例における指数を燃費指数として算出した。この評価は、数値が大きいほど燃費性能が高いことを示す。
【0069】
(操縦安定性能)
各試験タイヤをリム組みして、排気量1800ccの小型前輪駆動車に装着し、1周2kmのテストコースを時速100km/hでレーンチェンジしながら3周走行した際の、ドライバー3名による官能性評価を実施し、評価値の平均値を算出した。そして、この算出結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど操縦安定性能が高いことを示す。
【0070】
(摩耗寿命に関する性能)
各試験タイヤをリム組みして、排気量1800ccの小型前輪駆動車に装着し、1万km走行した際の、センター溝深さGcの残溝量と、ショルダー溝深さGsの残溝量とを算出した。そして、この算出結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど摩耗寿命に関する性能が高いことを示す。
【0071】
(排水性能)
各試験タイヤをリム組みして、排気量1800ccの小型前輪駆動車に装着し、水深10mmのプールに所定速度にて進入した際の、空気入りタイヤのスリップ率を測定した。所定速度を徐々に上げて測定を繰り返し、スリップ率が10%となったときの速度を、ハイドロプレーニング発生速度とした。そして、この算出結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価を行った。この評価は、指数が大きいほど排水性能が高いことを示す。
【0072】
【表1】
【0073】
なお、表1中、○印は所定の条件を満たすことを意味し、×印は所定の条件を満たさないことを意味する。
【0074】
表1によれば、本発明の技術的範囲に属する((式1)、(式2)及び(式3))を満たす、実施例1から実施例8の空気入りタイヤについては、いずれも、本発明の技術的範囲に属さない、従来例の空気入りタイヤよりも、少なくとも、燃費性能と、操縦安定性能と、摩耗寿命に関する性能と、がバランス良く改善されていることが判る。
【0075】
本発明は以下の態様を包含する。
【0076】
(1)トレッド部に溝が設けられている空気入りタイヤにおいて、総幅SWと外径ODとが、SW/OD≦0.3の関係を満たし、タイヤ赤道線を中心として接地幅Wの50%の幅を有するセンター領域ACに設けられた溝の最大溝深さをセンター溝深さGcとするとともに、上記センター領域ACよりもタイヤ幅方向外側のショルダー領域ASに設けられた溝の最大溝深さをショルダー溝深さGsとし、さらに上記センター溝深さGcと上記ショルダー溝深さGsとの平均値をトレッド溝深さGaとした場合に、上記トレッド溝深さGaと上記総幅SWとが、Ga≦0.02×SW+2.5の関係を満たし、上記センター溝深さGcと上記ショルダー溝深さGsとが、Gc>Gsの関係を満たす、空気入りタイヤ。
【0077】
(2)上記外径ODと、内径IDと、上記総幅SWと、上記センター溝深さGcと、上記ショルダー溝深さGsとが、0.19×(OD−ID)/2SW+1.0≦Gc/Gs≦0.19×(OD−ID)/2SW+1.2の関係を満たす、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
【0078】
(3)ショルダー溝面積比率SRと、上記ショルダー溝深さGsとが、−1.2×Gs+23.0≦SR≦−1.2×Gs+38.0の関係を満たす、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
【0079】
(4)センター溝面積比率CRと、上記センター溝深さGcとが、1.4×Gc+11.4≦CR≦1.4×Gc+26.4の関係を満たす、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
【0080】
(5)上記センター溝深さGcを有する溝が周方向溝である、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
【符号の説明】
【0081】
1 空気入りタイヤ
12 カーカス層
14 ベルト層
14a、14b ベルト
16 ベルトカバー層
16a、16b ベルトカバー
18 トレッドゴム
20 サイドウォールゴム
22 インナーライナ
24、24a、24b、24c、24d 溝
A トレッド部
B ショルダー部
C サイドウォール部
AC センター領域
AG 接地領域
AS ショルダー領域
BL 境界線
CL タイヤ赤道線
E 接地端
G1、G2、G3、G4 溝
Ga トレッド溝深さ
Gc センター溝深さ
Gs ショルダー溝深さ
SW 総幅
W 接地幅
図1
図2
図3