(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(定義)
用語の定義が、一般的に使用されているその用語の意味から逸脱する場合、出願人は、特に示さない限りは以下に提供する定義を用いることを意図する。
【0011】
本発明の目的のために、「上部」、「底部」、「より上の」、「より下の」、「上」、「下」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」、「上方」、「下方」、などの方向を示す用語は、本発明の様々な実施形態を記載するために、便宜のために単に使用される。
【0012】
本発明の目的のために、値または特性は、値がその値、特性または他の係数を用いる数学的計算または論理的決定を行うことによって導き出される場合の特定の値、特性、条件の満足、または他の係数に“基づく”。
【0013】
本発明の目的のために、用語「加速度計」は、静的または動的力を含む加速力を測定するための電気機械式デバイスをいう。加速度計は、適切な加速度を測定する。この加速度は、自由落下に関する経験をする加速度であり、人および物体により感じられる加速度である。言い換えると、宇宙時間のいかなるポイントにおいても、等価原理はローカルな慣性系の存在を保証し、そして加速器はその系に関係する加速度を測定する。[1]そのような加速度は、一般にg力の観点から測定される。加速度計の単軸または多軸モデルは、適切な加速度(またはg力)の大きさおよび方向をベクトル量として検出するために利用可能であり、そして方向(なぜなら重量の方向は変化するからである)、座標加速度(coordinate acceleration)(それがg力またはg力の変化を生じる限り)、振動、衝撃、および抵抗媒体中の落下を理解するために用いられ得る(適切な加速度が変化する場合、それはゼロから開始し、次いで増加するからである)。マイクロマシン加速度計は、デバイスの位置を検出するか、またはゲーム入力を提供するために、携帯用電子デバイスおよびビデオゲームコントローラ中にますます存在する。空間領域にわたって広がる加速度計のペアは、それらのポイントに付随する参照のフレームの適切な加速度における相違(勾配)を検出するために使われ得る。これらのデバイスは、それらは重力場中の勾配を測定するため、重力勾配計と呼ばれる。そのような加速度計のペアは、理論的に重力波もまた検出することができる。
【0014】
本発明の目的のために、用語「活動」は、線量計または他のタイプのセンサを装着している個体について言う。
【0015】
本発明の目的のために、用語「活動時間の期間」は、人が活動する時間の長さ(period)を言う。
【0016】
本発明の目的のために、用語「入射角」は、放射線源の方向と検出器表面に垂直な線(垂線)との間の角度をいう。
【0017】
本発明の目的のために、データに関して用語「関連する」は、互いに関連するかまたはリンクするデータを言う。例えば、集積センサモジュールを装着する個体の同一性に関するデータ(同一性データ)は、加速度計から、または必要に応じてジャイロスコープから、または必要に応じてエネルギーハーベスタからの出力シグナルの振幅から得られた個体についてのモーションセンサと関連し得る。
【0018】
本発明の目的のために、用語「自律型モバイルセンサ(AMS)ネットワーク」は、独立に機能するモバイルセンサのネットワークをいい、各々が、検出された事象の強度および他のモバイルセンサの近接さに応じて移動し得る。その結果、強度が経時変化するか、もしくは地理的領域にわたって、あるいは建物または構造物内で分布するにつれて、モバイルセンサ群は追跡する物体の動的分布を自動的に追随する。
【0019】
本発明の目的のために、用語「ANT」または「ANT+」は、ワイヤレス通信プロトコルスタックを特徴とする特許ワイヤレスセンサネットワーク技術をいう。これは、半導体ラジオが、共存、データ表現、シグナル、認証およびエラー検出のための標準化ルールを確立することによって通信するための、RFスペクトル(「ISM帯」)の2.4GHzの工業用、科学用および医学用割り当て中で作動することを可能にする。ANTは、コンピュータ計算上のオーバーヘッドが少なく、低〜中の効率により特徴づけられ、ラジオがプロトコルを支持することで結果として低電力消費となる。
【0020】
本発明の目的のために、用語「Bluetooth(登録商標)」は、高レベルのセキュリティを有する個体領域ネットワーク(PAN)を創造する、固定およびモバイルデバイスからの近距離(ISM帯中の2400〜2480MHzの短波長ラジオ放送を使用する)にわたるデータ交換のワイヤレス技術標準をいう。テレコムベンダーのEricssonによって1994年に創作された際、それは最初RS−232データケーブルのワイヤレスの代替物として作られた。それはいくつかのデバイスを連結し、同期の問題を解消し得る。Bluetooth(登録商標)は、Bluetooth(登録商標)Special Interest Groupにより管理されており、電信、コンピューティング、ネットワーキングおよび消費者エレクトロニクスの分野内において18,000社以上の会員企業を有する。Bluetooth(登録商標)は、IEEE 802.15.1として標準化されたが、その標準はもはや維持されていない。SIGは、仕様の開発を監督し、認定プログラムを管理し、そして商標を保護する。Bluetooth(登録商標)デバイスとして上市するために、SIGにより定められた基準に認定されなければならない。特許のネットワークはこの技術を実施するために必要であり、認定されたデバイスのためにのみライセンスされる。
【0021】
本発明の目的のために、用語「化学センサ」は、気相、液相または固体相のいずれかの元素または分子などの所定の化学材料の存在、濃度または絶対量を測定するデバイスをいう。
【0022】
本発明の目的のために、用語「クラウドコンピューティング」は、離れた位置にあり、インターネット(「クラウド」)を通してアクセスされるコンピュータによって遂行されるコンピューティングと同義語である。それは、コンピューティングのリソースが、「サービスとして」提供され、「クラウド中」で、それらをサポートする技術インフラの知識、経験または制御なく、使用者に技術が可能にするサービスへのアクセスを可能にする場合のコンピューティングの様式である。IEEE Computer Societyによれば、それは、「情報が永久にインターネット上のサーバに格納され、そして一時的にデスクトップ、娯楽センター、テーブルコンピュータ、ノートブック、壁掛けコンピュータ、ハンドヘルド等を含むクライアントにキャッシュされる方法論である」。クラウドコンピューティングは、バーチャルストレージ、コンピューティングおよびウェブサービス、そしてしばしばサービスとしてのソフトウェア(SaaS)を包む一般的な概念である(共通テーマが、使用者のコンピューティングのニーズを満たすためのインターネット上の信頼である)。例えば、Google Appsは、ウェブブラウザからアクセスされる共通のビジネスアプリケーションを、オンラインで提供する。一方で、ソフトウェアおよびデータはサーバに格納される。いくつかの成功したクラウドアーキテクチャは、BitTorrentおよびスカイプのようなピアツーピアネットワーク、およびSETI@homeのようなボランティアコンピューティングを含むどんなものであっても、確立したインフラストラクチャまたは請求システムをほとんどまたは全く有し得ない。現在のところ、主要なクラウドコンピューティングインフラストラクチャは、コンピュータおよびストレージバーチャル化技術上に構築される、次世代データセンタを通じて発行される信頼できるサービスからなる。そのサービスは、データ消費者の全てのコンピューティングニーズのための単一のアクセスポイントのように見えるクラウドによって、世界のどこからでもアクセス可能であり得る。商用に提供されるものは、消費者のサービス要求の質に合致する必要があり得、そしてサービスレベルの契約を提供し得る。オープンスタンダードおよびオープンソースソフトウェアはまた、クラウドコンピューティングの成長に重要である。消費者は一般的にインフラストラクチャを所有しないので、彼らはアクセスまたは拝借するのみであり、彼らは、資本支出を控え、資源をサービスとして、彼らが使用するものの代わりに支払いを行う。多くのクラウドコンピューティングの提供は、どのように電気のような従来のユーティリティが消費されてきたかに類似するユーティリティコンピューティングモデルを採用してきた。その一方で、他の場合は会費として(on a subscription basis)請求される。多数のテナント間で、「消滅しやすくかつ実態のない(perishable and intangible)」コンピューティングの能力を共有することで、利用率は向上し得(サーバが遊休状態に放置されないからである)、アプリケーション開発の速度は増加しているが、コストが顕著に減少し得る。このアプローチの副次的影響は、消費者がピーク負荷をかけなくてもよいので、「コンピュータ容量が劇的に増加する」ことである。他のサイトの集中インフラストラクチャからの同様の応答時間を受けることを可能にする「高速バンド幅の増加」により、採用が可能になった。
【0023】
本発明の目的のために、用語「コンピュータ」は、任意のタイプのコンピュータまたはソフトウェアを実行する他のデバイスを言い、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ミニコンピュータ等の個々のコンピュータを包含する。コンピュータはまた、電子科学機器(例えば、サーバ、分光器、スマートフォン、eブックリーダ、携帯電話、テレビ、携帯用電子ゲーム機、ビデオゲーム機、圧縮オーディオまたはビデオプレーヤー(例えば、MP3プレーヤー、ブルーレイプレーヤー、DVDプレーヤー等))のような電子デバイスを言う。さらに、用語「コンピュータ」は、任意のタイプのコンピュータのネットワーク(例えば、ビジネスにおけるコンピュータのネットワーク、コンピュータバンク、クラウド、インターネット等)を言う。本発明の様々なプロセスがコンピュータを用いて実行され得る。本発明の様々な機能が1つまたはそれ以上のコンピュータによって行われ得る。
【0024】
本発明の目的のために、用語「コンピュータハードウェア」は、ハードディスクのようなハードウェアデバイスに格納されるコンピュータソフトウェアとは対照的に、デジタル回路およびコンピュータシステムの物理的デバイスである。ほとんどのコンピュータハードウェアは通常の使用者には見えない。なぜならそれは、様々な日常のシステムに(多くの数ある中でも特に自動車、電子レンジ、心電計、コンパクトディスクプレーヤー、およびビデオゲームのようなものの中に)、備え付けられているからである。典型的なパーソナルコンピュータは、タワー型(デスクトップ)のケースまたはシャーシおよび次の部品からなる:マザーボード、CPU、RAM、ファームウエア、内部バス(PIC、PCI−E、USB、ハイパートランスポート、CSI、AGP、VLB)、外部バスコントローラ(パラレルポート、シリアルポート、USB、ファイアワイヤ、SCSI、PS/2、ISA、EISA、MCA)、電源、冷却ファンを有するケースコントロール、ストレージコントローラ(CD−ROM、DVD、DVD−ROM、DVDライタ、DVD RAMドライブ、ブルーレイ、BD−ROM、BDライタ、フロッピーディスク、USBフラッシュ、テープドライバ、SATA、SAS)、ビデオコントローラ、サウンドカード、ネットワークコントローラ(モデム、NIC)、およびマウス、キーボード、ポインティングデバイス、ゲームデバイス、スキャナ、ウェブカム、オーディオデバイス、プリンタ、モニタなどを含む周辺機器。
【0025】
本発明の目的のために、用語「コンピュータネットワーク」は、相互接続されたコンピュータのグループをいう。ネットワークは、広範な特徴により分類され得る。最も一般的なタイプのコンピュータネットワークは、規模の順に、以下を含む:パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、グローバルエリアネットワーク(GAN)、インターネットワーク(イントラネット、エクストラネット、インターネット)および様々なタイプのワイヤレスネットワーク。全てのネットワークは、ネットワークインターフェースカード(NIC)、ブリッジ、ハブ、スイッチおよびルータのような、ネットワークノードを相互に接続する基本的なハードウェアビルディングブロックから構成される。さらに、これらのビルディングブロックを接続するいくつかの方法は、一般的に、ガルバニケーブル(最も一般的にはカテゴリ5のケーブル)の形態が必要とされる。より一般的でないものは、(IEEE 802.11のような)マイクロ波リンクまたは光学ケーブル(「光ファイバ」)である。
【0026】
本発明の目的のために、用語「コンピュータソフトウェア」は、コンピュータプログラム、手順およびコンピュータシステム上であるタスクを実行する文書の集合を記載するために使用される一般的な用語をいう。この用語は、使用者にとって生産的なタスクを実行するワードプロセッサのようなアプリケーションソフトウェア、ハードウェアとインターフェース接続して、アプリケーションソフトウェアに必要なサービスを提供するオペレーティングシステムのようなシステムソフトウェア、および分散システムを制御かつ連携するミドルウエアを含む。ソフトウェアは、C、C++、Javaなどのようなプログラミング言語でコードされるウェブサイト、プログラム、ビデオゲーム等を含み得る。コンピュータソフトウェアは、通常ハードウェアでないあらゆるものとみなされており、「ソフト」部分がコンピュータ内部の無形であるが、「ハード」は有形(把持可能な)部分であることを意味する。コンピュータソフトウェアは、物理的な相互接続と、ソフトウェアを格納し、実行する(または走らせる)ために必要なデバイスとを含む、コンピュータハードウェアと区別するものと言われている。最低レベルでは、ソフトウェアは、個々のプロセッサに特異的なマシン語からなる。マシン語は、その先行する状態からコンピュータの状態を変更するプロセッサ命令を示すバイナリ値のグループからなる。
【0027】
本発明の目的のために、用語「コンピュータシステム」は、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ミニ−コンピュータなどのような個々のコンピュータを含む、ソフトウェアを実行する任意のタイプのコンピュータシステムをいう。さらに、コンピュータシステムは、ビジネスにおけるコンピュータのネットワーク、インターネット、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯電話のようなデバイス、テレビ、ビデオゲーム機、圧縮オーディオまたはビデオプレーヤー(例えばMP3プレーヤー、DVDプレーヤー)、電子レンジなどのような、任意のタイプのコンピュータのネットワークをいう。パーソナルコンピュータは、一つのタイプのコンピュータシステムであり、典型的には次のコンポーネントを含む:タワー型(デスクトップ)のケースまたはシャーシおよび以下の部品:マザーボード、CPU、RAM、ファームウエア、内部バス(PIC、PCI−E、USB、ハイパートランスポート、CSI、AGP、VLB)、外部バスコントローラ(パラレルポート、シリアルポート、USB、ファイアワイヤ、SCSI、PS/2、ISA、EISA、MCA)、電源、冷却ファンを有するケースコントロール、ストレージコントローラ(CD−ROM、DVD、DVD−ROM、DVDライタ、DVD RAMドライブ、ブルーレイ、BD−ROM、BDライタ、フロッピーディスク、USBフラッシュ、テープドライバ、SATA、SAS)、ビデオコントローラ、サウンドカード、ネットワークコントローラ(モデム、NIC)、およびマウス、キーボード、ポインティングデバイス、ゲームデバイス、スキャナ、ウェブカム、オーディオデバイス、プリンタ、モニタなどを含む周辺機器。
【0028】
本発明の目的のために、用語「データ」は、通信、解析または処理に適したフォーマライズされた様式中の情報の再解釈可能な表現を意味する。一般的なタイプのデータの一つのタイプは、コンピュータファイルであるが、データはまたストリーミングデータ、ウェブサービスなどであり得る。用語「データ」は、1またはそれ以上の断片のデータをいうために用いられる。
【0029】
本発明の目的のために、用語「データベース」または「データレコード」は、コンピュータシステムに格納されたレコードまたはデータの構造化した集積物をいう。構造は、データをデータベースモデルにしたがって組織化することで達成される。今日最も一般的に使用されるモデルはリレーショナルモデルである。階層型モデルおよびネットワークモデルのような他のモデルは、リレーションシップのより明確な表現を使用する(様々なデータベースモデルの説明のために下を参照のこと)。コンピュータデータベースは、データの保存を組織化するためにソフトウェアに依存する。このソフトウェアは、データベース管理システム(DBMS)として知られている。データベース管理システムは、それらがサポートするデータベースモデルにしたがってカテゴライズされる。そのモデルは、データベースにアクセスすることを可能にするクエリ言語を決定する傾向にある。しかし、DBMSの大量の内部エンジニアリングは、データモデルとは独立しており、パフォーマンス、並行処理、インテグリティ、ハードウェアの障害からのリカバリのような管理ファクターと関係している。これらの領域において、製品間に大きな違いがある。
【0030】
本発明の目的のために、用語「データベース管理システム(DBMS)」は、様々なデータモデルに基づくデータベースを管理する目的のために設計されたコンピュータソフトウェアを表す。DBMSは、データベースにおけるデータの組織、保存、管理および検索を制御する一連のソフトウェアプログラムである。DBMSは、データ構造またはタイプにしたがってカテゴライズされる。それは、データべースを格納し、アップデートし、検索するために使用される、一連の予め記載されたプログラムである。
【0031】
本発明の目的のために、用語「データストレージ媒体」または「データストレージデバイス」は、データがコンピュータシステムによる使用のために格納される任意の媒体をいう。データストレージ媒体の例としては、フロッピーディスク、Zip
TMディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、メモリスティック、フラッシュメモリ、ハードディスク、固相ディスク、光ディスクなどが挙げられる。単一のデータストレージ媒体に似た挙動をする2つまたはそれ以上のデータストレージ媒体は、本発明の目的のために「データストレージ媒体」と呼ばれ得る。データストレージ媒体は、コンピュータの一部であり得る。
【0032】
本発明の目的のために、用語「線量計」は、環境中の何かに対する個体または物体の被曝、特に長期間にわたって、または生涯にわたって累積的な影響を与える危険への被曝を測定するためのデバイスをいう。放射線量計は、電離放射線への被曝を測定する。放射線量計は、放射線量測定および保健物理学の分野において基本的に重要である。他のタイプの線量計には、音響線量計、紫外線計および電磁界線量計がある。X線、アルファ線、ベータ線、およびガンマ線のような電離放射線は、人間の感覚では検出することができない。したがって、線量計のような測定デバイスがこれを検出し、測定しおよび記録するために使用され、そしていくつかの場合には予めセットしたレベルを超えたとにき警報が鳴る。電離放射線の身体へのダメージは蓄積し、受けた全線量に関係する。そのSI単位はシーベルトである。したがって、放射線技師、原子力発電所の作業者、医師、放射線治療装置を用いる物理学者および放射線療法士、放射性核種を使用する研究所の労働者およびいくつかのHAZMATチームのような放射線に被曝された作業者は、線量計を身に付ける必要がある。その結果、彼らの雇用者は、法律的に規定された限界以下であることを確かめるために彼らの被曝の記録を保持し得る。このようなデバイスは、規制目的のために個体の線量を記録する際の使用について認証されたことを意味する「法的線量計」として認識され得る。
【0033】
本発明の目的のために、用語「エネルギー補償材料」は、OSLMとガンマ線源またはX線放射線との間に配置された際に、補償材料またはフィルタ材料がなく被曝されたOSLMに比べ、ガンマエネルギーまたはX線エネルギーの範囲にわたって応答が変化する材料をいう。エネルギー補償材料の例は、銅およびアルミニウムである。
【0034】
本発明の目的のために、用語「フロッキングアルゴリズム」とは、測定された事象の強度または振幅に加えて他のモバイルセンサとの各センサの近さの関数としてモバイルセンサのネットワークが動くことを可能にするコンピュータ計算手順をいい、それによりモバイルセンサのネットワークは協調自己管理様式で自律的に動いて測定された事象の動的運動および分散を追跡する。
【0035】
本発明の目的のために、用語「ハードウェアおよび/またはソフトウェア」は、コンピュータソフトウェア、コンピュータハードウェア、あるいはコンピュータハードウェアおよびコンピュータソフトウェアの両方の組合せによって行われ得る機能をいう。本発明の種々の特徴がハードウェアおよび/またはソフトウェアによって行われ得る。
【0036】
本発明の目的のために、用語「個体」は、個体哺乳類(例えば、人類)をいう。
【0037】
本発明の目的のために、用語「インターネット」は、標準インターネット・プロトコル・スイート(TCP/IP)を用いてパケット交換によりデータを交換する相互接続コンピュータネットワークのグローバルシステムである。「ネットワークのネットワーク」とは、ローカルからグローバル範囲の数百万の私的および公的な産官学のネットワークからなり、それらは、銅線、光ファイバーケーブル、ワイヤレス接続、および他の技術によって連結されている。インターネットは、種々の情報リソースおよびサービスを保有する(例えば、電子メール、オンラインチャット、ファイル転送およびファイル共有、オンラインゲーム、ならびにワールドワイドウェブ(WWW)の相互リンクハイパーテキストドキュメントおよび他のリソース)。
【0038】
本発明の目的のために、用語「インターネット・プロトコル(IP)」とは、インターネット・プロトコル・スイート(TCP/IP)を用いるパケット交換インターネットワークを越えてデータを通信するために用いられるプロトコルをいう。IPは、インターネット・プロトコル・スイートのインターネット層における主要プロトコルであり、そのアドレスに基づき専ら送信元ホストから宛先ホストにデータグラム(パケット)を伝送するタスクを有する。この目的のために、インターネット・プロトコルは、データグラムカプセル化のためのアドレス指定方法および構造を規定する。アドレス指定構造の最初の主要なバージョン(現在インターネットプロトコルバージョン4(Ipv4)と呼ばれる)が今なおインターネットの優勢なプロトコルであるが、後継のインターネットプロトコルバージョン6(Ipv6)も活発に世界中に展開されている。1つの実施形態では、本発明のEGI−SOAは、これらのプロトコルの両方を途切れなく実行するために特に設計され得る。
【0039】
本発明の目的のために、用語「イントラネット」とは、単一の管理実体の制御下にあるインターネット・プロトコルおよびIPベースのツール(例えば、ウェブブラウザおよびファイル転送アプリケーション)を用いるネットワークのセットをいう。その管理実体は、特定の権限を与えられたユーザー以外の全てに対してイントラネットを閉じている。最も一般的には、イントラネットは、組織の内部ネットワークである。大きなイントラネットは、典型的には、組織の情報をユーザーに提供するために少なくとも1つのウェブサーバを有する。イントラネットは、インターネットへの接続を有し得るか、または有し得ない。インターネットに接続される場合、そのイントラネットは、通常は、適切な権限なくインターネットからアクセスされることから保護されている。インターネットはイントラネットの一部であるとは考えられていない。
【0040】
本発明の目的のために、用語「電離放射線」は、正荷電および負荷電のイオン対に原子を解離することができる粒子線または電磁波をいう。本発明は、直接電離放射線および間接電離放射線の両方の線量を決定するために使用され得る。電離(ionizing)(または電離(ionising))放射線は、原子または分子から電子を遊離させてそれをイオン化するのに十分な運動エネルギーを個々に保有する粒子で構成される放射線である。電離放射線は、核反応(人工または天然)を通じて、非常に高い温度により(例えば、プラズマ放電または太陽コロナ)、粒子加速器における高エネルギー粒子の生成を介して、または自然過程により生じた電磁場による荷電粒子の加速により、電光から超新星爆発まで発生される。電離放射線が原子により放射または吸収される場合、それは、原子から原子の粒子(典型的には電子、プロトン、または中性子であるが、時に核全体である)を遊離し得る。このような事象は、化学結合を変化させてイオン(通常、イオン対で)を生成し得、このようなイオンは、特に化学反応性である。これは、放射線の単位エネルギーあたりの化学的および生物学的損傷を大きく悪化させる。なぜなら、この過程で化学結合が破壊されるからである。原子が固相の結晶格子内部にあった場合、もとの原子があった場所に「ホール」ができる。電離放射線は、宇宙線、アルファ粒子、ベータ粒子、ガンマ線、X線、および一般に相対論的速度で移動する任意の荷電粒子を含む。中性子は、任意の速度での電離放射線であると考えられる。電離放射線は、背景に依存して紫外スペクトルのいくらかの部分を含む。電波、マイクロ波、赤外光、および可視光は、通常、非電離放射線であると考えられるが、これらの放射線の非常に高い強度の光線は、化学結合を変化させて原子から電子を取り除くことにより、電離放射線に類似したいくつかの特性を示すのに十分な熱を生じ得る。電離放射線は、環境において遍在し、天然に存在する放射性物質および宇宙線から出る。通常の人工線源は、人工放射性同位体、X線管、および粒子加速器である。電離放射線は不可視であり、人間の知覚によって直接検出することができないので、その存在を検出するために、ガイガーカウンタのような機器が通常、必要である。いくつかの場合、それは、チェレンコフ放射および放射線ルミネセンスのようなものとの相互作用により可視光の二次放射に至り得る。それは、医薬、研究、建設および他の分野における多くの実際的な用途を有するが、不適切に用いられれば健康被害を呈する。電離放射線への被曝は、生存組織への損傷を引き起こし、そして変異、放射線病、癌および死を生じ得る。
【0041】
本発明の目的のために、用語「電離放射線センサ」とは、電離放射線を放射するまたは生成する材料または物質の存在または活性を測定するデバイスをいう。
【0042】
本発明の目的のために、用語「照射(irradiation)」とは、用語「照射」の従来の意味、すなわち、高エネルギー電荷粒子(例えば、電子、陽子、アルファ粒子など)、または可視光よりも短波長の電磁照射線(例えば、ガンマ線、X線、紫外線など)への被曝をいう。
【0043】
本発明の目的のために、用語「動作のリンクしたタイプ(linked type of motion)」は、動作の第2のタイプを引き起こす動作の1つのタイプをいう。例えば、個体による歩行動作は動作の1つのタイプであり、そして動作のリンクした第2のタイプ、すなわち、任意の個体の手首の振り子動作を生じ得る。個体による走行動作はまた動作の1つのタイプであり、そして動作のリンクした第2のタイプ、すなわち、モーションセンサによって検出される方向に対して後方の個体の手首での周期的動作を生じ得る。
【0044】
本発明の目的のために、用語「ローカルエリアネットワーク(LAN)」とは、家庭、オフィス、または建物のような小さな地理的領域をカバーするネットワークをいう。現在のLANは、イーサネット技術に基づくものであると最も考えられる。サーバへのケーブルは、典型的にはCat 5eエンハンスドケーブルにおけるものであり、1Gbit/sにてIEEE 802.3をサポートする。ワイヤレスLANは、異なるIEEEプロトコルの802.11b、802.11gまたはおそらく802.11nを用いて存在し得る。WAN(広域ネットワーク)に対してLANをよく表している特徴は、それらはデータ転送速度が速く、地理的範囲が狭く、そして専用通信回線の必要性がないことである。現在のイーサネットまたは他のIEEE 802.3 LAN技術は、10Gbit/sまでの速度で動作する。
【0045】
本発明の目的のために、用語「場所データ」および用語「位置データ」は、個体または物体(例えば、線量計)の場所についてのデータをいう。場所データは、位置ビーコン、GPSデバイス等を用いて発生させられ得る。
【0046】
本発明の目的のために、用語「低出力ワイヤレスネットワーク」とは、センサノードと集中型デバイスとの間の超低出力ワイヤレスネットワークをいう。超低出力は、小型バッテリーから長期間にわたってエネルギースカベンジング技術を操作する必要のあるデバイスによって必要とされる。低出力ワイヤレスネットワークの例は、ANT、ANT+、Bluetooth Low Energy(BLE)、ZigBeeおよびWiFiである。
【0047】
本発明の目的のために、用語「機械可読媒体」は、機械により遂行するための指示を格納、エンコード、または運搬し得、そして機械に1つまたはそれ以上の本発明の方法論を行わせ、あるいはこのような指示により利用されるかまたはこのような指示と関連するデータ構造を保管、エンコードまたは運搬し得る任意の有形または無形媒体をいう。用語「機械可読媒体」としては、限定されないが、固相メモリ、ならびに光学および磁気媒体が挙げられる。機械可読媒体の具体的な例としては、例として以下を含む不揮発性メモリが挙げられる:半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクおよびリームバブルディスク;磁気光学ディスク;ならびにCD−ROMおよびDVD−ROMディスク。用語「機械可読媒体」は1つまたはそれ以上の指示あるいはデータ構造を保管する1つの媒体または複数の媒体(例えば、集中または分散データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含み得る。機械可読媒体はコンピュータの一部であり得る。
【0048】
本発明の目的のために、用語「MEMS」とは、微小電子機械システム(Micro-Electro-Mechanical Systems)をいう。MEMSは、その最も一般的な形態では、微細加工技術を用いて作製される小型の機械および電子機械のエレメント(すなわち、デバイスおよび構造)として規定され得る技術をいう。MEMSデバイスの臨界物理的寸法は、寸法スペクトルの下端が1ミクロンを十分に下回るものから幅広く数ミリメートルまでさまざまであり得る。同様に、MEMSデバイスのタイプは、可動エレメントのない比較的簡素な構造から集積マイクロエレクトロニクスの制御下で複数の可動エレメントを有する極めて複雑な電子機械システムまでさまざまであり得る。MEMSの主たる基準としては、これらのエレメントが可動し得るか否かのある種の機械的機能性を有するエレメントが少なくともいくつかあることが挙げられ得る。MEMSを規定するために用いられる用語は、世界各地によって異なる。米国ではそれらは主としてMEMSと呼ばれるが、世界のいくつかの別の地域では、それらは「マイクロシステムズテクノロジー(Microsystems Technology)」または「マイクロマシンデバイス(micromachined device)」と呼ばれる。MEMSの機能エレメントは小型の構造、センサ、アクチュエータ、およびマイクロエレクトロニクスであるが、最も顕著なエレメントは、マイクロセンサおよびマイクロアクチュエータを含み得る。マイクロセンサおよびマイクロアクチュエータは、「トランスデューサ」として適宜分類され得、これらはエネルギーをある形から別の形へ変換するデバイスとして規定される。マイクロセンサの場合、デバイスは、典型的には、測定された機械的シグナルを電気シグナルに変換する。
【0049】
本発明の目的のために、用語「メッシュネットワーキング」とは、各ノードがそれ自身のデータを取り込んで発信するだけでなく、他のノードへの中継としても機能するタイプのネットワーキングをいい、すなわち、それは、ネットワークにおいてデータを伝搬するよう協働し得る。メッシュネットワークは、フラッディング技術またはルーティング技術を用いて設計され得る。ルーティング技術を用いる場合、メッセージは、宛先に到達するまでノードからノードへホッピングすることによって、パスに沿って伝搬される。その全部のパスの可用性を確保するために、ルーティングネットワークは、自己治癒アルゴリズムを用いて、破壊または遮断されたパスの前後の継続接続および再構成を可能にしなければならない。そのノードが全て互いに接続されたメッシュネットワークは、完全接続ネットワークである。メッシュネットワークは、アドホックネットワークの1種として見られ得る。したがって、モバイルアドホックネットワークおよびメッシュネットワークは密に関連しているが、モバイルアドホックネットワークはまた、ノードのモビリティによって導入される問題を扱わなければならない。自己治癒能は、1つのノードが故障するかまたは接続が悪くなったときに、ルーティングベースのネットワークが動作することを可能とする。結果として、ネットワークの送信元と宛先との間で1つより多くのパスがしばしば存在するが、ネットワークは典型的には非常に確実である。ほとんどがワイヤレス状況で用いられるが、この概念は、有線ネットワークおよびソフトウェアインタラクションにも適用可能である。
【0050】
本発明の目的のために、用語「マイクロフルイディクス」は、少量の液体を取り扱う開発手段に関係するブランチマイクロ成形加工(branch micro-fabrication)をいう。本発明のある局面は、機械−電気エネルギー変換システムにおける作動エレメントとして、多数の微細量の液体(例えば、ピコリットルからマイクロリットルの容量)からなる流体構造を利用することである。多数のこれらの微細なエレメントは(数百または数千ものオーダーで)、比較的少量の機械的動作から生じ得る、現実的な量の電気エネルギーを発生させる。
【0051】
本発明の目的のために、用語「モバイルアドホックネットワーク」とは、ワイヤレス接続のモバイルデバイスの自己構成インフラストラクチャレスネットワークである。アドホックはラテン語であり、「この目的のため」を意味する。モバイルアドホックネットワークにおける各デバイスは、どの方向にも独立して自由に動くものであり、よって、そのリンクをしばしば他のデバイスに変更する。各々、それ自身の使用と無関係のトラフィックを転送し、よってルータであり得る。モバイルアドホックネットワークを構築するのにおける第1のチャレンジは、各デバイスが、トラフィックを適切にルートに乗せるのに必要な情報を継続的に維持できるようにすることである。このようなネットワークは、自身だけで動作してもよく、またはより大きなインターネットに接続されてもよい。モバイルアドホックネットワークは、1種のワイヤレスアドホックネットワークであり、通常、リンク層(Link Layer)アドホックネットワークに加えてルータブルネットワーク環境を有する。ラップトップおよびワイヤレスネットワークの発達は、1990年代半ば以降、モバイルアドホックネットワークを人気検索トピックとした。多くの学術紙は、囲まれた空間(通常、全てのノードが互いの数ホップ内にある)内での種々の程度のモビリティを仮定して、プロトコルおよびそれらの能力を評価する。次いで、異なるプロトコルが、パケットドロップ率、ルーティングプロトコルにより導入されるオーバーヘッド、エンド−エンド間のパケット遅延、ネットワークスループットなどのような尺度に基づいて評価される。
【0052】
本発明の目的のために、用語「動作データ」および用語「動作活動データ」は、個体、物体またはデバイスの動作に対して、および個体、物体またはデバイスの任意の部分の動作に対して関連するデータをいう。動作データは、動作が開始される際、動作が停止される際、動作の間等に関する関連付けられた時間データを有し得る。
【0053】
本発明の目的のために、用語「ネットワークハブ」とは、複数のポートを含む電子デバイスをいう。パケットが1つのポートに到着すると、それは、送信用にハブの全てのポートにコピーされる。パケットがコピーされると、フレーム内の宛先アドレスは、ブロードキャストアドレスに変化しない。それはこれを初歩的に行い、それは、ハブに接続されたノードの全てにデータを単にコピーする。この用語はまた、ハブとしても知られている。用語「イーサネットハブ」、「アクティブハブ」、「ネットワークハブ」、「リピーターハブ」、「マルチポートハブ」または「ハブ」はまた、複数のイーサネットデバイスを一緒に接続し、それらを単一のネットワークセグメントとして作用させるようにするデバイスをいい得る。それは、複数の入力/出力(I/O)ポートを有し、ここでは、いずれかのポートの入力で導入されたシグナルが、その元の入ってきたもの以外のあらゆるポートの出力に出現する。ハブは、OSIモデルのフィジカル層(第1層)で働く。デバイスは、マルチポートリピーターの形である。リピーターハブはまた衝突検出に関与しており、それが衝突を検出すればジャムシグナルを全てのポートに転送する。
【0054】
本発明の目的のために、用語「オンボード」は、本発明の集積センサモジュールの1つまたはそれ以上の放射線センサとして同一のプリント基板上に存在するモーションセンサ、GPSデバイス等のようなコンポーネントをいう。
【0055】
本発明の目的のために、用語「プロセッサ」は、コンピュータ内で基本操作を行うデバイスをいう。マイクロプロセッサはプロセッサの一例である。
【0056】
本発明の目的のために、用語「放射線減衰材料」とは、放射線のエネルギーのいくらかまたは全部をその材料内に吸収することにより、入射放射線の強度を減弱する材料をいう。
【0057】
本発明の目的のために、用語「放射線量データ」は、放射線の1つまたは線量に対する放射線量計の被曝に基づくデータをいう。時間データは放射線量データと関連付けられ得る。例えば、放射線量計が放射線の1つまたはそれ以上の線量に曝される場合の時間である。
【0058】
本発明の目的のために、用語「放射線量測定」とは、用語「放射線量測定」の従来の意味、すなわち材料、物体または個体の体に吸収される放射線量の量の測定をいう。
【0059】
本発明の目的のために、用語「放射線感知材料」とは、放射線センサにおける放射線を感知するために用いる材料をいう。放射線感応性材料の例としては、OSLセンサのための光励起ルミネセンス材料、熱ルミネセンス線量測定(TLD)センサのための熱ルミネセンス材料などが挙げられる。
【0060】
本発明の目的のために、用語「ランダムアクセスメモリ(RAM)」とは、コンピュータデータストレージのタイプをいう。今日、それは、格納されたデータが任意のオーダーで(すなわちランダムに)アクセスされることを可能にする集積回路の形態をとる。それゆえ、ランダムとの文言は、どの部分のデータも、その物理的位置およびそれが前の部分のデータに関連するか否かに関わらず、一定時間で戻ってくることができることをいう。これは、テープ、磁気ディスクおよび光ディスクなどの、記録媒体または読み取りヘッドの物的移動に依存する記憶機構とは対照的である。これらのデバイスでは、移動はデータ転送より長くかかり、回復時間(retrieval time)は、次のアイテムの物理的位置に依存して変化する。RAMとの文言は、揮発性タイプのメモリ(例えば、DRAMメモリモジュール)と最も関連し、そこでは、電源を切った後、情報が失われる。しかし、多くの他のタイプのメモリもまた同様にRAMであり、それには、ほとんどのタイプのROM、およびNOR−Flashと呼ばれるある種のフラッシュメモリが含まれる。
【0061】
本発明の目的のために、用語「読出し専用メモリ(ROM)」とは、コンピュータおよび他の電子デバイスにおいて用いられるストレージ媒体のクラスをいう。ROMに格納されたデータは改変することができない(少なくとも非常に迅速にまたは容易ではない)ので、それは、ファームウエア(特定のハードウェアと非常に密接に関係しており、かつ頻繁なアップデートを必要とする可能性が低いソフトウェア)の配布に主に用いられる。その最も厳密な意味において、ROMは、マスクROM(固相ROMの最も古いタイプ)のみをいい、これは、その中に永久保存された所望のデータと共に作製されており、よって改変不可である。しかし、より最近のタイプ(例えば、EPROMおよびフラッシュEEPROM)は消去可能であり、そして複数回再プログラム可能である;それらはなお「読出し専用メモリ」と記載されており、これは、再プログラミングのプロセスが概してまれであり、比較的遅く、そして多くの場合、個々のメモリ場所へのランダムアクセス書き込みを許容しないためである。
【0062】
本発明の目的のために、用語「リアルタイム処理」とは、その状態が絶えず変化しているワークロードを処理するように設計された処理システムをいう。リアルタイム処理は、トランザクションが、トランザクションの事象が生じたときに結果が戻り、かつ作用されるのに十分な速さで処理されることを意味する。データベースの文脈では、リアルタイムデータベースは、リアルタイムで信頼性のある応答を生じ得るデータベースである。
【0063】
本発明の目的のために、用語「ルータ」とは、ヘッダおよび転送テーブル(パケットの転送に最良のパスを決定する)を用いてネットワーク間でデータパケットを転送するネットワーキングデバイスをいう。ルータは、TCP/IPモデルのネットワーク層またはOSIモデルの第3層で働く。ルータはまた、類似の媒体デバイスおよび非類似の媒体デバイスの間の相互接続性を提供する。ルータは、少なくとも2つのネットワーク(通常、2つのLANもしくはWAN、またはLANとそのISPのネットワーク)に接続される。
【0064】
本発明の目的のために、用語「センサ」とは、情報および/またはデータのコレクタおよび/またはプロデューサをいう。センサは、機器または生存生物(例えば、人間)であり得る。例えば、センサは、GPSデバイス、温度計、携帯電話、報告を書き込む個体などのような位置標定センサ(position locating sensor)であり得る。センサは、現象を観測して観測値を返送し得る実体をいう。例えば、水銀温度計は測定温度を液体の伸縮に変換し、これは、目盛り付きガラス管上で読み取られ得る。熱電対は温度を出力電圧に変換し、これは電圧計によって読み取られ得る。精度のために、全てのセンサは、しばしば公知の標準に対して較正される。センサは、物理的特性を検出または測定し、そしてその物理的特性に対して記録し、表示し、または応答するデバイスを含み得る。
【0065】
本発明の目的のために、用語「サーバ」とは、ネットワークサービスを提供するか、または提供することを助けるように、コンピュータネットワークを越えた要求に応じるシステム(ソフトウェアおよび適切なコンピュータハードウェア)をいう。サーバは専用のコンピュータ(これもまた、しばしば「サーバ」と呼ばれる)上で実行され得るが、多くのネットワークコンピュータがホスティングサーバの能力がある。多くの場合、1つのコンピュータが数個のサービスを提供し得、数個のサーバを実行中とし得る。サーバは、クライアントサーバアーキテクチャ内で動作し得、そして他のプログラム(クライアント)の要求を供するために実行中のコンピュータプログラムを含み得る。したがって、サーバはクライアントの代わりにいくつかのタスクを実施し得る。クライアントは、典型的にはネットワークを介してサーバに接続するが、同じコンピュータ上で実行し得る。インターネット・プロトコル(IP)ネットワーキングの文脈では、サーバは、ソケットリスナーとして動作するプログラムである。サーバは、しばしばネットワークを越えて、大組織内のプライベートユーザーへ、またはインターネットを介してパブリックユーザーのいずれかへと必要なサービスを提供する。典型的なコンピューティングサーバは、データベースサーバ、ファイルサーバ、メールサーバ、印刷サーバ、ウェブサーバ、ゲームサーバ、アプリケーションサーバ、またはいくつかの他の種類のサーバである。大多数のシステムが、このクライアント/サーバネットワーキングモデルを用い、このモデルは、ウェブサイトおよびeメールサービスを含む。代替のモデルであるピアツーピアネットワーキングは、全てのコンピュータを必要に応じてサーバまたはクライアントのいずれかとして作用することを可能とし得る。
【0066】
本発明の目的のために、用語「固相エレクトロニクス」とは、全体が固体材料から構築された回路またはデバイスであって、その固体材料内に電子または他の電荷担体が全体的に閉じ込められているものをいう。この用語は、初期の真空管およびガス放電管デバイスの技術と対比するためにしばしば用いられ、そしてそれはまた従来的であり、用語固相から電子機械デバイス(リレー、スイッチ、ハードドライブ、および可動部を有する他のデバイス)を除く。固相は、結晶性、多結晶性、および非晶質の固体を含み得、そして導電体、絶縁体、および半導体をいい得るが、構築材料はほとんどの場合、結晶性半導体である。一般の固相デバイスは、トランジスタ、マイクロプロセッサチップ、およびRAMを含む。フラッシュRAMと呼ばれる特殊なタイプのRAMが、フラッシュドライブ、およびより最近では、機械的に回転する磁気ディスクハードドライブに代わる固相ドライブにおいて用いられる。より最近では、集積回路(IC)、発光ダイオード(LED)、および液晶ディスプレイ(LCD)が固相デバイスのさらなる例として進化している。固相コンポーネントでは、電流が、その切り替えおよび増幅のために特に設計された固体元素および化合物に閉じ込められる。
【0067】
本発明の目的のために、用語「固相センサ」とは、全体が固相材料から構築されるセンサをいう。それにより、ガス交換または電子機械センサに反して、測定された量に応じて生じた電子または他の電荷担体が全体的に検出器の実体積にとどまる。純固相センサは可動部を有さず、そしてその機械的運動が測定された量に比例して生じる電子機械トランスデューサまたはアクチュエータとは異なる。
【0068】
本発明の目的のために、用語「ストレージ媒体」とは、情報の断片を格納するために用いられ得るストレージの任意の形態をいう。ストレージの例は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリの両方を含み、例えば、MRRAM、MRRAM、ERAM、フラッシュメモリ、RFIDタグ、フロッピーディスク、Zip
TMディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスクなどが挙げられる。1つのデータストレージ媒体に対して同様に作用する2つまたはそれ以上のストレージ媒体は、本発明の目的のために「ストレージ媒体」と称され得る。ストレージ媒体はコンピュータの一部であり得る。
【0069】
本発明の目的のために、用語「トランスミッション・コントロール・プロトコル(transmission control protocol:TCP)」とは、インターネット・プロトコル・スイートのコアプロトコルの1つをいう。TCPは、スイート全体がしばしば「TCP/IP」といわれるほど中心的である。IPは、メッセージがインターネットを越えて進むようにコンピュータからコンピュータへのより低いレベルの送信を扱うのに対し、TCPは、より高いレベルで動作し、2つのエンドシステム(例えば、ウェブブラウザおよびウェブサーバ)にのみ関連する。特に、TCPは、あるコンピュータ上のあるプログラムから別のコンピュータ上の別のプログラムへのバイトストリームの信頼性のある規則正しい伝送を提供する。ウェブに加えて、TCPの他の共通アプリケーションは、eメールおよびファイル転送を含む。その管理タスク間で、TCPはメッセージサイズ、メッセージが交換される速度、およびネットワークトラフィック混雑を制御する。
【0070】
本発明の目的のために、用語「時間(time)」とは、事象を配列し、事象の長さおよびそれらの間の間隔を比較し、そして物体の運動を定量するのに用いられる測定システムの構成要素をいう。時間は、数少ない基本量の1つと考えられ、速度のような量を定義するために用いられる。時間の操作的定義(ここで、(自由に揺動する振り子の通過のような)1つのまたは別の標準の循環事象の特定数の反復の観測が1つの標準単位(例えば、第2の)を構成するという)は、高度な実験および日常生活の両方の行為において高い利用価値を有する。時間的測定は科学者および技術者を惹きつけ、航行学および天文学において第1位のモチベーションであった。周期事象および周期運動は、長い間、時間の単位についての標準としての役目を果たしている。例としては、空を横切る太陽の見かけ運動、月の位相、振り子の揺動、および心臓の拍動が挙げられる。現在、時間の国際単位の秒は、セシウム原子により放射された放射線に基づいて定義される。
【0071】
本発明の目的のために、用語「時間データ」は、時間に関連するデータをいう。時間データは他のタイプのデータ(例えば、動作データ)と関連付けられ得る。例えば、動作データは、動作が開始される際、動作が停止される際、動作の間等に関する関連付けられた時間データを有し得る。時間データは本発明における多くの方法の中で発生し得る。例えば、時間データは以下により発生し得る:放射線センサデバイスの一部である時計、放射線センサデバイスの一部であるプロセッサの一部であるハードウェアまたはソフトウェア時計、放射線センサからのデータを処理するコンピュータの一部であるハードウェアまたはソフトウェア時計等。
【0072】
本発明の目的のために、用語「タイムスタンプ」とは、特定の事象が生じた日および/または時間を示す文字の配列をいう。通常、このデータは一貫したフォーマットで示され、2つの異なる記録の容易な比較を可能にし、そして経時的に進行を追跡する;実データと共に一貫した様式でタイムスタンプを記録する行為は、タイムスタンピングと呼ばれる。典型的には、タイムスタンプは事象の記録をとるために用いられ、この場合、ログ内の各事象にタイムスタンプが付けられる。ファイルシステムにおいて、タイムスタンプは、ファイルの作成または修正の保存日/時間を意味し得る。国際標準化機構(ISO)は、ISO 8601を定義し、タイムスタンプを標準化している。
【0073】
本発明の目的のために、用語「動作のタイプ」は、個体の身体のすべてまたは一部による動作のタイプをいう。例えば、個体による歩行動作は動作の1つのタイプであり、そして動作の第2のタイプ、すなわち、個体の手首の振り子動作を生じ得る。個体による走行動作はまた動作の1つのタイプであり、そして動作の第2のタイプ、すなわち、1つまたはそれ以上のモーションセンサによって検出される方向に対して後方の個体の手首での周期的動作を生じ得る。動力付車両の動作は他のタイプの動作であり、そして動作の2次的および3次的タイプ、すなわち、車両の前進、車両および車両内の個体の振動変動(vibratory oscillation)、ならびに車両操作の通常の行程の間の個体の身体の周期動作を生じ得る。動作の欠如はまた、動作の1つのタイプとして考えられ、そして例えば、個々の当事者から線量計が除去され、かつそれを机の中、テーブル上、または線量計用ホルダーとして作用させるために設計された固定構造体上に配置することによるものであり得る。
【0074】
本発明の目的のために、用語「視覚表示デバイス」または「視覚表示装置」とは、CRTモニタ、LCDスクリーン、LED、プロジェクターディスプレイ、写真および/またはテキストなどのような画像をプリントアウトするためのプリンタのような任意のタイプの視覚表示デバイスまたは装置を包含する。視覚表示デバイスは、コンピュータモニター、テレビ、プロジェクター、電話、携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルド音楽および/またはビデオプレーヤー、個体情報端末(PDA)、ハンドヘルドゲームプレーヤー、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、全地球測位システム(GPS)レシーバ、自動ナビゲーションシステム、ダッシュボード、腕時計、電子レンジ、電子オルガン、現金自動預け払い機(ATM)などのような別のデバイスの一部であってもよい。
【0075】
本発明の目的のために、用語「ウェブサービス」とは、W3Cにより、「ネットワークを通じて相互運用可能なマシンツーマシン相互作用をサポートするように設計されたソフトウェアシステム」として定義された用語をいう。しばしば、ウェブサービスは単なるウェブAPIであり、ネットワーク(例えば、インターネット)を通じてアクセスされ得、リクエストしたサービスを主催するリモートシステム上で実行され得る。W3Cウェブサービスの定義は、多くの異なるシステムを包含するが、一般的な用法では、この用語は、SOAPスタンダードに従うXMLメッセージを用いて通信するクライアントおよびサーバをいう。このようなシステムにおいて、しばしば、ウェブサービス記述言語(WSDL)で書き込まれたサービスにより与えられた操作の機械可読記述が存在する。後者は、SOAPエンドポイントの要求ではないが、それは、多くのJavaおよび.NET SOAPフレームワークでの自動化クライアント側コード生成のための必要条件である。いくつかの業界団体(例えば、WS−I)は、ウェブサービスのそれらの定義においてSOAPおよびWSDLの両方を命じる。より最近では、RESTfulウェブサービスがSOAPベースのサービスと比較してHTTPと良好に統合されて使用されている。それらは、XMLメッセージまたはWSDLサービス−API定義を要しない。
【0076】
本発明の目的のために、用語「広域ネットワーク(WAN)」とは、比較的広範な地理的領域(すなわち、ある都市から他の都市、およびある国から別の国)をカバーし、そしてコモンキャリア(例えば電話会社)により提供される送信施設をしばしば用いるデータ通信ネットワークをいう。一般に、WAN技術は、OSI参照モデルの低い方の三層:フィジカル層、データリンク層、およびネットワーク層にて機能する。
【0077】
本発明の目的のために、用語「設定された作業期間」は、人が職場でスケジュールされる時間の期間をいう。
【0078】
本発明の目的のために、用語「ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)」とは、ワールド・ワイド・ウェブ(略してWWWまたはW3)のための主要国際標準化団体をいう。それは、ワールド・ワイド・ウェブのための規格の開発において一緒に働く目的で会員組織が常勤職員を維持するコンソーシアムとして設置されている。W3Cはまた、教育および奉仕活動に関与し、ソフトウェアを開発し、そしてウェブについての議論のためのオープンフォーラムとして機能する。W3C標準は、以下を含む:CSS、CGI、DOM、GRDDL、HTML、OWL、RDF、SVG、SISR、SOAP、SMIL、SRGS、SSML、VoiceXML、XHTML+Voice、WSDL、XACML、XHTML、XML、XML Events、Xforms、XML Information、Set、XML Schema、Xpath、XqueryおよびXSLT。
【0079】
本発明の目的のために、用語「ZigBee」とは、小さな低出力デジタルワイヤレスから構築されたパーソナルエリアネットワークを作出するのに用いられる一連の高レベル通信プロトコルのための仕様をいう。ZigBeeは、IEEE 802標準に基づいている。低出力のZigBeeデバイスは、しばしば、データを中間デバイスを通過させてもっと遠いものに到達させることにより、より長い距離にわたってデータを送信し、メッシュネットワーク:すなわち、ネットワーク化されたデバイスの全てに到達し得る集中制御または高出力トランスミッタ/レシーバのないネットワークを作出する。このようなワイヤレスアドホックネットワークの脱集中性により、それらは、中心ノードが信頼できないアプリケーションに適したものとなる。ZigBeeは、低いデータ速度、長いバッテリー寿命、および安全なネットワーキングを要するアプリケーションにおいて用いられ得る。ZigBeeは、250kbit/sの規定速度を有し、これは、センサまたは入力デバイスからの周期的もしくは断続的なデータまたは単一のシグナルの送信に最適である。アプリケーションは、ワイヤレスライトスイッチ、家庭内ディスプレイ付き電気メータ、交通管理システム、および比較的低速度でのデータの短距離ワイヤレス伝送を要する他の消費者および工業機器を含む。ZigBee仕様により規定される技術は、他のWPAN(例えば、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi)よりも簡素かつ低価格であると意図される。Zigbeeネットワークは、128ビット暗号化キーにより保護されている。
【0080】
(説明)
既存の受動積算型放射線モニタリングデバイス(例えば、フィルム、TLDまたはOSLセンサ)においては、いかなる電力も必要とせず、センサの分子構造内に入射放射線が蓄積および保存される。この特性は受動センサを、電源断のリスクが許容できない状況にとって理想的なものにする。一般に、複数の放射線センサが、1つまたはそれ以上のフィルタを含むホルダー内に備え付けられている。このフィルタは、センサに到達し得る放射線の量、エネルギーおよびタイプを変化させる。典型的には、これらのフィルタは、放射線が種々の入射角から線量計に入る際に正確な評価を得るように、センサを挟み込む。センサを解析するために、それらは、これらのフィルタおよびホルダーの間から取り外され、そして放射線への被曝後にセンサによって呈される量的特質を惹起するのに必要とされるプロセシングシステムに物理的に提示されなければならない。
【0081】
光励起ルミネセンス(OSL)に基づく放射線量計は光路を用い、それにより、励起する光線がOSLセンサ(1つまたは複数)を照らし得、そして生じた放射線惹起ルミネセンスは、同じまたは代替の光路を通って光検出器(例えば、光電子増倍管)まで戻り、ルミネセンス光の量を定量する。OSL材料およびシステムに関するより多くの情報については、Millerに発行された米国特許第5,731,590号公報;Akselrodに発行された米国特許第6,846,434号公報;Schweitzerらに発行された米国特許第6,198,108号公報;Yoderらに発行された米国特許第6,127,685号公報;Akselrodらにより出願された米国特許出願第10/768,094号を参照のこと;これら全ては、その全体について参照により本明細書中に援用されている。光励起ルミネセンス線量測定法(Optically Stimulated Luminescence Dosimetry)、Lars Botter-Jensenら、Elesevier、2003年;Klemic, G.、Bailey, P.、Miller, K.、Monetti, M.、放射線テロリスト事件の余波における外放射線量測定法(External radiation dosimetry in the aftermath of radiological terrorist event)、Rad. Prot. Dosim、印刷中;Akselrod, M. S.、Kortov, V. S.およびGorelova, E. A.、Al
2O
3:Cの調製と特性(Preparation and properties of Al2O3:C)、Radiat. Prot. Dosim.、1993年、第47巻、第159-164頁;およびAkselrod, M. S.、Lucas, A. C.、Polf, J. C.、McKeever, S. W. S.、Al
2O
3:Cの光励起ルミネセンス(Optically stimulated luminescence of Al2O3:C)、Radiation Measurements、1998年、第29巻、第(3-4)号、第391-399頁もまた参照のこと。これら全ては、その全体について参照により本明細書中に援用されている。
【0082】
個人線量計は、線量計を装着する個体(当事者)がモニタリングされる活動を行う通常の過程の間移動するにつれ、作業時間(モニタリング期間)中、被曝源と関連して移動することが予測される。拡張された時間にわたって定常的または静的のままである線量計は使用中になり得ず、そしてその線量計がモニタリング期間の間使用中であった場合は、当事者は追従外である。
【0083】
さらに、線量計が静止状態で曝される場合、それは、例えば当事者が不在であった場合のような、生じている異常な職業上の曝露である。しかし、正常の動作中に曝されている場合、それは、異常なものと対照的に、ルーチンの職業上の曝露の根拠を提供する。
【0084】
1つの実施形態では、本発明は、複数のセンサデバイス(1つまたはそれ以上の受動積算型電子放射線センサ、MEMS加速度計、ワイヤレストランスミッタ、および必要に応じて、GPSあるいは他の位置的または場所的デバイス、サーミスタ、または他の化学、生物学、もしくはEMFセンサを含む)、ならびに事象からの線量(例えば、個人線量当量)の算定のための、および職業および環境用線量測定に用いるための電離放射線、動作および地球上位置の同時検出およびワイヤレス送信のためのコンピュータアルゴリズムおよびプログラムからなる装置およびシステムを提供する。本発明は、事象の強度、位置、事象の時間、温度および他の特化されたセンサデータ(例えば、生物学的または化学的測定)の独自の記録を構成する自給式受動積算型線量計を作出するために新規なプロセスおよびアルゴリズムを用いる独自の新規な製品における既存センサの新規な実施形態である。
【0085】
したがって、開示された発明の局面は、個々の電離放射線センサエレメントを放射線減衰材料(センサエレメントの周囲に「フィルトレーションバブル(filtration bubble)」を提供する)内にカプセル化するためのMEMSおよびナノテクノロジー製造技術の使用、複数のセンサエレメントの周囲の複数の減衰材料(フィルタ)の使用、ならびに種々のタイプの電離放射線および異なる放射線エネルギーの間を識別するソフトウェアルゴリズムの使用を提供する。
【0086】
1つの実施形態では、本発明は、危険材料源(例えば、放射線源、危険化学物質、または生物剤)の測定と時間内および空間場所内の相関として「被曝事象」または「線量事象」の概念を用いる。1つの実施形態では、本発明は、被曝事象の間に収集された動作、時間および線量情報の分析による動作活動事象を決定するための方法および装置を提供する。
【0087】
本発明の1つの実施形態では、動作活動(動作データ)は、加速度計からの変位出力、あるいは必要に応じてジャイロスコープからの回転変位出力、あるいは必要に応じてエネルギーハーベスタからの電力シグネチャ、あるいは必要に応じて振幅が動作関数として変動する主力シグナルを生じる他のセンサの分析により得られる。
【0088】
本発明の1つの実施形態では、位置情報(場所データ)はワイヤレス通信システム(例えば、ワイヤレスベースステーションまたはハブ)から、あるいは必要に応じて空間位置情報を通信する他のワイヤレスデバイス(例えば、Bluetooth場所ビーコン)から、あるいは必要に応じて世界測位システム(GPS)から得られる。
【0089】
本発明の1つの実施形態では、被曝情報は、1つまたはそれ以上のセンサから得られ、非電離放射線(例えば、UVまたは赤外光)、電離放射線(例えば、ベータ放射線、X線またはガンマ線)、化学物質(例えば、危険液体またはガス)、もしくは生物剤(例えば、伝染性バクテリア、ウイルス、カビ、あるいは菌類または病原菌のような他のタイプ)を含み得る。
【0090】
本発明の1つの実施形態では、時間情報はオンボード時計から得られる。
【0091】
本発明の1つの実施形態では、被曝事象を特徴付けるに有用なさらなる情報は、他のオンボードセンサ(例えば、温度、圧力または湿度センサ)から得られ得る。
【0092】
図1に示されるように、MEMSおよびナノテクノロジー製造技術を含む例示のセンサアレイ100は、それぞれのナノスケール放射線センサの周囲に放射線減衰材料をカプセル化する構成を作出するために用いられる。図示されるように、複数の電離放射線センサ102が提供され、そして例えば、以下に説明するように、電子チップ回路上に統合されるように構成可能である。電離放射線センサ102は、当該センサの検出表面114を含む固相センサ技術を含み得る。
【0093】
電離放射線センサ102は、モジュラーセンサアレイ204(
図2)(1つまたはそれ以上の放射線センサ102を含む)内に配置され得、そして例えば、以下に記載するように、プリント回路基板(PCB)上に備え付けられ得る。
【0094】
図1は、第1のセンサ104を図示し、このセンサは、例えば、フィルタ材料(例えば、特定放射線減衰材料108)または「フィルトレーションバブル」110(例えば、所定の厚さを有する)内にカプセル化されている。「n」個までのセンサ106が製造され、そして「n」個までの異なるそれぞれのフィルトレーションバブル112内にカプセル化され得、ここで各フィルトレーションバブルは、同様のもしくは異なる材料または同様のもしくは異なる材料厚さからなり得る。この例では、フィルトレーションバブル108がセンサ106に対応し、センサ106が、フィルトレーションバブル108に囲まれるか、または当該バブルによりカプセル化されている。いくつかの好ましい実施形態では、フィルトレーションバブルは、球状配置、あるいは最適角応答を提供するためのセンサをカバーするための直線または他の配置を含み得、ここで、センサの応答は、放射線の入射角または他の測定量とは独立しており、センサ106の出力は任意の角で同一である(すなわち、フィルタが任意の角度で「フラットな」応答を生じるように設定される)。フィルトレーションバブルの材料は、薄金属層を含み得、例えば、銅、スズ、アルミニウム、タングステンなどが挙げられる。フィルトレーションバブルは、放射線減衰材料(1つまたは複数)で特徴的に構成され得、この材料は、例えばアルファ粒子およびベータ放射線をフィルトレーションにより除き得る。フィルタ材料(例えば、特定放射線減衰材料108)または「フィルトレーションバブル」は最適な角度応答を提供し、ここでセンサの応答は放射線の入射角(または他の測定量)とは独立しており、すなわち、センサ106の出力は全ての角度で同じ(または「フラット」)である。
【0095】
開示された発明のさらなる局面は、検出器の動作と、および検出器の地球上位置と、経時的な放射線被曝レベルとを相関させるために、動作、地球上位置、放射線被曝およびプロセス(例えば、ソフトウェアルゴリズムの使用)を同時に検出するためのMEMSおよびナノテクノロジーセンサの使用を提供する。したがって、開示された実施形態の特徴は、少なくとも以下の利点を可能にする:(1)放射線被曝レベルと検出器の時間、動作、および地球上位置との相関を提供し、被曝がいかにして生じたかに関する独自かつ有益な情報を提供すること;(2)オンボード位置標定センサ(例えば、GPSセンサ)を介して、または内蔵GPSセンサと接続された外部電気デバイス(例えば、モバイルスマートデバイス(例えば、スマートフォン))によって、またはネットワーク化されたデバイスのメッシュからの推定により、地球上位置を検出することを可能とすること;(3)検出された被曝が閾値レベルを超過する場合の時間、動作、および地球上位置が必要に応じて記録され得るような使用可能性を提供すること。
【0096】
開示された発明のハードウェアコンポーネントが、
図2においてさらに図示される。ここでは、モジュールセンサが単一のチップまたは電子基板202(例えば、PCB)上に統合され、これにより、集積センサモジュール200を形成する。集積センサモジュール200は放射線データを収集し、そして最終的にこれらのデータを離れた場所(例えば、ワイヤレスベースステーション、または他のワイヤレス通信デバイス)に送信するように構成される。集積センサモジュール200は、独立したセンサシステムであるように設計されており、このシステムは、多くの異なる型の要素のデバイスに組み込まれ得る。集積センサモジュール200は小型でありかつ自給式であるため、広範囲のデバイス(例えば、バッジ、名札、キーホルダー、ブレスレット、腕時計、携帯用電子機器、MP3プレーヤー、ポケットベル、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、眼鏡、衣料品、財布、小銭入れ、または宝飾品)に統合される。
【0097】
一次センサアレイ220は、単一のセンサ、センサの線形アレイ、またはセンサのマトリックスであり得、例えば、
図1のセンサアレイ100から採用される一次またはモジュールセンサアレイ204を形成する。したがって、モジュールセンサアレイ204は、第1のセンサ#1(212)のみを利用し得る。代替的に、モジュールセンサアレイ204は、第1のセンサ#1(212)からセンサ#n(214)までのようなn個の行を含み得る。代替的に、および/または、加えて、モジュールセンサアレイ204は、第1のセンサ#1(212)からセンサ#m(216)までのようなm個の列を含み得る。したがって、n個の行およびm個の列を有すれば、モジュールセンサアレイ204は、第1のセンサ#1(212)からセンサ#m,n(218)まで拡張し得る。
【0098】
「フィルトレーションバブル」108内にカプセル化された電離放射線センサ102を図示目的のために示しているが、当業者は、一次センサアレイ220が、他の適切なタイプのセンサ(例えば、非電離放射線については、有害化学物質、または他の生化学物質)からなり得ることも容易に理解する。また、開示された発明の代替の実施形態は、電離放射線センサ102に加えて、および/または電離放射線センサ102の代替として、化学または他のセンサを含み得る。本発明は、測定が得られる際のセンサの場所および動作についての独自の情報を提供する集積センサモジュール200を記載する。記載されたプラットフォームおよびデバイスがモジュールであることにより、他の個々のセンサの使用、または潜在的なエンドユーザーの必要性に合うように変動可能な組合せとしてセンサを選択して使用することが可能になる。モジュール性は、時間、動作、位置、および温度の収集ならびに通信を取り扱う中央処理装置(CPU)に結合され得る互換モジュールとして測定デバイスを開発することにより達成される。
【0099】
一次センサアレイ220は、動作および地球上位置センサパッケージと統合され得る。動作および地球上位置センサパッケージ206は単一の3軸MEMSベース加速度計222からなるものとなり、これは、継続的に測定される際にデバイスが静止しているかまたは動いている間に一次データ被曝が生じるかどうかを決定する。一次データ被曝は、一次センサアレイ220により記録された放射線事象である。動作および地球上位置センサパッケージ206は世界測位システム(GPS)無線機223からなるものとなり、これは、オンボードGPS無線機223による、および/または接続されたワイヤレス対応モバイルデバイス(例えば、GPS感知能を伴うスマートフォンまたはタブレットなど)によって、またはネットワーク化されたデバイスのメッシュを通じた推定により、その位置を決定する。主電源の電力消費を最小限にするために、デバイスは、それに対して利用可能な最も低い動力手段でGPSセンサによって場所を優先的に決定する。第1にGPS能を有する接続されたワイヤレス対応モバイルデバイスによって、第2に搭載GPSセンサによって、そして第3にネットワーク化されたデバイスのメッシュを通じた概算による。
【0100】
動作および世界測位センサパッケージの1つのタイプは
図2の集積モジュラーセンサに示されるけれども、動作および世界測位センサパッケージの他のタイプが本発明に使用され得る。例えば、動作および世界測位センサパッケージは、加速度計に加えて、または加速度計の代わりにさらなるタイプのモーションセンサを備えていてもよい。
【0101】
ワイヤレスのシステム・オン・チップ(SOC)モジュール208が、集積センサモジュール200に対して構成される。ワイヤレスSOCモジュール208は、中央処理装置およびワイヤレストランシーバーからなる集積パッケージである。ワイヤレストランシーバーをSOC構成内のCPUチップに組み入れることで、フットプリントおよびエネルギー消費の低下が可能となる。ワイヤレスSOCモジュール208は、集積センサモジュール200から、例えば、電子通信目的(1つまたは複数)の別の電子デバイスのワイヤレスレシーバへのワイヤレス送信を可能にする。このような通信能力は、例えば、以下にさらに説明するように、集積センサモジュール200が上記電子デバイスの圏内にあるかどうかを決定する労力を助ける。
【0102】
パワーハーベスタ210は、1つまたはそれ以上のエネルギー採取デバイスからなるものとなる。パワーハーベスタ210は、集積センサモジュール200に組み込まれて、バッテリーに接続される。パワーハーベスタ210は、集積センサモジュール200の動作および/または運動ならびに周囲光を介してエネルギーを収集し、電子基板202に電力を供給するバッテリーを再充電する。したがって、本発明は、それが作動して外部ワイヤレス対応デバイスに活発に通信するにつれて、活発に電力を消費することになる。パワーハーベスタ210は、MEMSデバイス内の既存の作業を活用し、周期(共鳴)振動機械的動作を電気エネルギーに変換してバッテリーを延ばし、集積センサモジュール200の放射線測定センサ能の実行時の電力を供給する。
【0103】
個体モニタリング放射線検出器の線量レベルに関する広範囲の履歴データを通じて、95%のユーザーが正常な職業被曝レベルの線量を受容していることを決定した。必要に応じて、検出された被曝がプリセットの閾値を超過する場合のみの動作および位置を収集することによる。デバイスの電力消費は、大きく減少することができる。一次被曝データ、時間、動作、および場所の組合せが、独自のデータセットを作出し、これは、放射線場の場所およびこれらの場におけるユーザーの動作についての情報を提供し得る。
【0104】
開示された発明の実施形態は、測定されたセンサ読み取り値を集積センサモジュール200からワイヤレス対応モバイルデバイス(例えば、スマートフォンまたはタブレットデバイスなど)に送信する超低出力ワイヤレス送信の使用、ならびに有線またはワイヤレスのデータネットワークを通じたインターネットベースのサーバへのこの情報の送信を可能にする。
【0105】
開示された発明の独自に構成された電子モジュール構成は、いくつかの利点を提供する。フィルタ材料は球状に機械プレスされ、そして生じた「フィルトレーションバブル」110は機械的にプレスされて、電離放射線センサエレメント102を含む回路基板になる。本発明の開示された実施形態は、異なるタイプの電離放射線および異なる放射線エネルギーの間の識別を可能にするように、独自のソフトウェアルゴリズム(以下に詳述する)を規定する。これは、受動型放射線検出器を用いて電離放射線測定の精度およびエネルギー分解能を改善するためのエネルギー識別フィルトレーションスキームの独自のカスタマイズを可能にする。
【0106】
放射線減衰材料108が、広範囲の放射線質に対する種々の応答を可能にするように非組織等価センサの応答を修正するために用いられる。次いで、修正された応答は、組織等価線量を導くアルゴリズムにより使用され得る。現在、従来のセンサデバイスで利用されているマクロフィルタは、いくつかの欠点を有し、これらは、未制御の変動を導入することによりアルゴリズムの有効性を制限する。MEMSおよびナノテクノロジー製造プロセスを使用して「フィルトレーションバブル」110で放射線センサをカプセル化することは、従来のマクロフィルタを上回るいくつかの利点を提供し、これは、未制御の変動を排除する助けとなる。緻密MEMSおよびナノテクノロジー製造プロセスの使用は、フィルタの分離、フィルタの厚さ、およびフィルタの場所のマクロスケールの変動の除去を可能にする。フィルトレーションバブル110は、フィルトレーションの角度依存を伴うマクロスケールの問題を排除する。また、フィルトレーションバブル110は、感受性であり壊れやすいセンサ102の上に保護層を提供する。ソフトウェアルゴリズムの使用と共に複数のセンサ102の周囲の複数の減衰材料108を使用することにより、電離放射線および放射線エネルギーのタイプの間の微細識別のレベル増大を可能とする。
【0107】
本発明の記載された実施形態のさらなる利点は、被曝レベルの相関のために採用されたソフトウェアルゴリズムと組み合わせて、放射線と他の被曝、温度、時間、動作、および地球上位置とを同時に検出するために、MEMSおよびナノテクノロジーセンサを利用することである。検出は、集積センサモジュール200の時間、動作、および地球上位置を用いて生じ、ここで集積センサモジュール200が、被曝がいかにして生じたかに関する独自かつ有益な情報を提供する。モジュール被曝センサの使用は、例えば、放射線、化学、生物および電磁被曝源を含む広範な現象への被曝の検出および分析を可能とする。時間、動作、および位置の使用は、さらに集積センサモジュール200が被曝事象の間に動いたか(例えば、静的対動的被曝)、および被曝がいつどこで生じたかの決定をさらに可能とする。本発明は、静的対動的被曝を決定するための従来のセンサデバイスにより現在用いられている計算集約的でかつ時間のかかる後処理および分析に代わる。本発明はまた、被曝の源および性質を正確に特徴づけるために用いられ得る新規な時間、位置、および他の情報を提供する。この能力は、職業被曝線量測定において特に重要/有用であり得る。温度センサを含むという開示された実施形態は、温度に基づく変動についての測定値の訂正を可能にする。
【0108】
さらに、本発明は、
図3に示されるように、収集されたデータを処理および再配布のために中央部に送信されることができるようにすることにより、従来のスタンドアローンの線量計の能力および適用を拡張する。
図3は、本発明の例示の実施形態によるリモートセンサネットワーク300を図示する。集積センサモジュール200は、線量計バッジ310に統合される。線量計バッジ310は、例えば、パッケージとして図示され、例えば、開示されたエレクトロニクスパッケージングを含み、これは、本発明の集積センサモジュール200、バッテリーおよびカバーを含む。集積センサモジュール200は放射線データを収集し、そして最終的にはデータを遠隔地(例えば、ワイヤレスベースステーション)または他のワイヤレス通信デバイス(例えば、モバイル通信デバイス308)に送信する。集積センサモジュール200のリモートセンサチップは、データを送信するために用いられ得る。この場合において、データは、非特定のワイヤレス送信通信プロトコル312(例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、ANT、または他の標準Wi−Fiプロトコルなど)を介して送信され得る。
【0109】
モバイル通信デバイス308の例としては、例えば、スマートフォン、タブレット、またはモバイルホットスポットが挙げられ得、あるいはそれは、専用ベースステーションのような非モバイルネットワークデバイスであってもよい。モバイル通信デバイス308は、ワイヤレストランスミッタおよびレシーバ316、データネットワークインターフェース318、およびGPS320を含むように構成され得る。集積センサモジュール200のワイヤレスSOCモジュール208は、ワイヤレストランスミッタおよびレシーバ316と通信するように構成される。ワイヤレストランスミッタおよびレシーバは、モバイル通信デバイス308のための低出力ワイヤレスネットワークインターフェースであり得る。ネットワークインターフェースによりモバイル通信デバイス308がSOCモジュール208と通信して、収集したデータをダウンロードし得る。上記通信は、モバイル通信デバイス308が集積センサモジュール200の圏内にあるか否かの決定を容易にする。
【0110】
モバイル通信デバイス308は、データネットワークインターフェース318もまた含むように構成され得る。データネットワークインターフェース318により、モバイル通信デバイス308は、別の広域ワイヤレスネットワーク306と、例えば、データネットワーク送信通信プロトコル314を介して通信できる。データネットワーク送信通信プロトコル314の例としては、Wifi、GSM/EDGE、CDMA、UTMS/HSPA+、LTEまたは他の高速ワイヤレスデータ通信ネットワークが挙げられ得る。したがって、例示の実施形態では、Bluetooth(登録商標)が、線量測定バッジ310とモバイル通信デバイス308との間を(例えば、ワイヤレス送信通信プロトコル312を介して)通信するために用いられ得、そして遠隔施設(例えば、病院または研究所)のモバイル通信デバイス308およびワイヤレスネットワーク306の間を(例えば、データネットワーク送信通信プロトコル314を介して)通信するためにLTEを使用している。この例では、ローカルネットワークはワイヤレスネットワーク306により表され得、そしてパブリックネットワークは、パブリックデータネットワーク302により示され得る。例えば、パブリックデータネットワーク302を通じて通信することにより、上記遠隔施設(例えば、病院または研究所)は、分散したデータサーバ804に蓄積した情報への到達、アクセスおよび/または処理を行い得る。
【0111】
GPS320は、モバイル通信デバイス308が放射線事象の位置を決定することを可能とする。モバイル通信デバイス308におけるGPS320無線機は、集積センサモジュール200の位置の決定の代替の手段を提供する。集積センサモジュール200がモバイル通信デバイス308とペアとされた場合、位置を決定するためにGPSセンサ320を優先的に使用し、それ自身の電力消費を最小限にし得る。
【0112】
ワイヤレスネットワーク306は、パブリックデータネットワーク(例えば、インターネット)302と通信するように構成される。リモートデータサーバ304は、パブリックデータネットワーク(例えば、インターネット)302と通信するように構成される。
【0113】
モバイル通信デバイス308とリモートデータサーバ304との間に形成された電子データ送信リンクを用いて、集積センサモジュール200が、測定されたデータを、例えば、超低出力ワイヤレス対応モバイル通信デバイス308(例えば、スマートフォン、タブレット、または他のモバイルまたは非モバイルネットワークデバイス)に、モバイルデバイスの既存のデータまたはセルラーネットワークを利用して、収集した情報を中央ウェブサーバに通信するため、および、必要に応じて、モバイル通信デバイスGPSを用いるために、またはモバイル通信デバイスCPUを用いて収集したデータを処理するために、送信し得る。現在、スタンドアローンのセンサデバイスは、電力容量が限られており、これは、バッテリー寿命を延ばすために可能な限り多く節約されなければならない。超低出力ワイヤレス通信は、定期アップデートのためのデバイスの電力消費を最小限にする。さらに、主なデータまたはセルラー通信アンテナは、顕著な電力を消費し得るので、外部モバイル通信デバイスの使用もまた、放射線センサの複雑度を制限する。
【0114】
したがって、本発明の超低出力ワイヤレス送信能の使用により、集積センサモジュール200からワイヤレス対応モバイルデバイス308(例えば、スマートフォンまたはタブレットデバイスなど)への測定されたセンサ読み取りの送信、ならびにワイヤレスデータネットワーク306を通じてインターネットベースのサーバ302へのこの情報の送信が行われる。これは、読み取りおよび分析のために中央部に検出器自体を物理的に送る必要なく、集積センサモジュール200を用いて個々の検出器について測定された線量の分析および報告を可能にする。これは、データの受信およびクリティカル分析の実施のための費用および有用時間を減少する。また、本発明の実施形態は、複数のシステムが、集積センサモジュール200を有する複数の検出器から複数の測定された線量を受信することを可能とする。複数のシステムからのセンサデータの収集は、被曝源および関連集団ベースのトレンドの経時的な分析および可視化および地理ベースのマッピングを可能にする。また、インターネットへの接続は、デバイスのリモートアップデートおよびトラブルシューティングを可能にする。
【0115】
本発明の開示された実施形態は、例えば、複数の低コスト半自律無人航空機(UAV)(例えば、低出力RFヘリコプター)上に集積センサモジュール200を備え付けることを含み得る。フロッキングアルゴリズムは、デバイスの「フロック」に、フロック中にとどまりながら空中放射線、化学物質または他の現象の位置および分散を、ならびにフロックの分散が追跡される空中物の分散と相関し得る場所を追跡させるために用いられ得る。
【0116】
したがって、選択された実施形態において、開示された発明は、空中物(放射線、化学物質、生物剤、電磁場など)の位置および分散を追跡するために複数の半自律UAVからなり得るモバイルプラットフォームへの集積センサモジュール200の統合を可能にする。UAV統合センサは、複数のUAV間を連係し、空中粒子の位置および分散を追跡するためにフロッキングアルゴリズムを用い得る。
図4に向けると、例示の自律モバイルセンサ(AMS)ネットワーク400が図示される。
図4に示されるように、例えば、卓越気象パターンに依存して、空中(または水中)粒子402がクラスター化し、次いで分散する傾向にある。それぞれの分散された標的粒子408、410を追跡する自律モバイルセンサ(AMS)404、406が示される。フロッキングアルゴリズムは、センサフォースFs(UAV上のモジュラーセンサアレイ204からの測定値に比例する)およびフロッキングフォースFf(隣接するUAVへの距離に比例する)を用いることにより、全てのUAV404、406の位置を更新し、UAVセンサ404、406の位置を絶えず最適化し、そして標的粒子408、410の位置を最良に追跡する。結果として、フロックの分散もまた、追跡される空中物の分散と相関する。
【0117】
別の実施形態では、開示された発明は、複数の低コスト半自律無人水系ビークル上に集積センサモジュール200を備え付け、そして例えば、水中粒子を追跡することを含み得る。また、前出に記載のフロッキングアルゴリズムの使用が、複数の無人水系ビークル間を連係し、そして任意の水ベースの放射線、化学物質または他の現象の位置および分散を追跡するために用いられ得る。
【0118】
開示された発明の利点は、アクティブ読出し能を有し、そして動作感知および位置感知能およびセンサ読み取りのワイヤレス送信を有する受動集積型電子電離放射線検出器を作出するための、MEMSおよびナノテクノロジーの最初の使用を提供する。現在の能動型線量計は、線量の測定のために常時電力を要する。加えて、現在の受動型線量計は、記録された線量測定への即時アクセスを提供しない。さらに、本発明により開示される受動型放射線センサのアクティブ読出しは、電力損失の場合に線量情報を保存しながら線量情報への即時アクセスを提供する。また、本発明は、広範囲の個体および環境のモニタリングのためのモジュール環境センサを有する動作、温度および位置を記録するための電子プラットフォームを記載する。
【0119】
集積センサモジュール200のための例示の集積センサモジュール論理フロー500が
図5に示される。センサを読み取るためのコマンド502が実行される。コマンド502は、高感度センサ504を先読みしてセンサ上に新規な閾値線量506があるかどうかを決定することを含む。
【0120】
センサ上に新規な閾値線量506があるかどうかの決定において、センサは、線量値を継続して蓄積することが可能とされる。特別に設定された高感度センサ上で読取が行われたとき(以下、線量計の「先読み」という)、累積値が生成される。先読みから生成された累積値から先の線量値が差し引かれて、デルタ(Δ)値を生成する。デルタ(Δ)値が所定の線量閾値を上回る場合、トリガー測定がステップ508でなされる。デルタ(Δ)値が所定の線量閾値を上回らない場合、期間での継続した測定を行ってセンサ502を読み取るループバック機能が行われる。記載された実施形態は、所定の線量閾値よりも高いデルタ(Δ)線量値が検出されるまで高感度センサ504を先読みするよう、継続してループバックする。所定の線量閾値よりも高いデルタ(Δ)線量値が検出されれば、トリガー測定508は、固相センサアレイの読み取り510(
図6もまた参照のこと)および事象のデータまたは時間内の被曝位置の読出し512(
図7もまた参照のこと)を同時に行うことが可能とされる。
【0121】
センサ読出し論理フロー図の1つの開示された実施形態が、
図6に図示される。固相センサアレイの読み出し600は、全センサアレイを読み取る開示された発明の構成要素である。高感度センサからの読み取りは、最小増分線量閾値に達したことを示す。高感度センサは、閾値線量が超過したときを示すことをもっぱら目的とする。閾値線量が超過すれば、センサの全てが一次元アレイ、二次元アレイまたは三次元マトリックスから読み取られ得る。一次元アレイは、単にセンサの列であり得る。二次元アレイは、センサの表またはセンサのマトリックスであり得る。三次元アレイは、複数の二次元アレイを積み上げた場合であり得る。センサからの測定値を読みだす複数の方法がある。我々は、各センサを個々に読み取り得(602)、またはセンサの行または列全体に沿って読出してもよく(604)、または全センサからの出力を合計してもよく(606)、またはカスタム構成を読み出し得る(例えば、複数のセンサのアレイがあった場合に各象限内に4つのセンサ(例えば、16個のセンサ))。よって、記載の発明の開示された実施形態は、固相センサアレイの読み取りの複数の方法を提供する。
【0122】
センサ読出し論理フロー図の1つの開示された実施形態が、
図6に図示される。固相センサアレイ読出し600は、センサアレイ全体を読み取る開示された発明の構成要素である。一例では、高感度センサはバッジに取り付けられ得る。バッジが電離放射線に被曝した場合、開示された発明は、被曝線量を計算するために必要とされるセンサの全てを読み出し得る。開示された実施形態は、個々、センサのアレイ全体、およびセンサのカスタム構成を読み取る能力を提供する。したがって、種々のセンサ構成のために、本発明は、個々のセンサ602(例えば、一次元アレイであり、例えばセンサの列を含む)のための読み取りを生じ得る。加えて、または、代替的に、例えば、センサの表またはセンサのマトリックスを含むセンサの次元アレイが、開示された実施形態により読み取られ得る。センサの構成のこのような実施形態は、センサの二次元アレイを含み得、例えば、このアレイは、1つもしくはそれ以上の行、または1つもしくはそれ以上の列のセンサを含む。開示された実施形態はまた、三次元アレイを提供し得、例えば、1つもしくはそれ以上の二次元アレイが互いに積み重ねられたものを含む。したがって、開示された実施形態は、個々にセンサを読み取る(602)、例えば、センサの行または列全体に沿った二次元読出しを行う(604)、またはセンサの全体からの出力の全部の合計を出す(606)、またはセンサのカスタム構成について読出しを行う(例えば、複数のセンサのアレイがあった場合に各象限内に4つのセンサ(例えば、16個のセンサ))のいずれであってもよい。よって、記載の発明の開示された実施形態は、固相センサアレイの読み取りの複数の方法を提供する。
【0123】
開示の実施形態は、アナログ測定を生じる電子センシング回路を提供する。アナログ測定は、好ましくは標準アナログ・デジタル変換回路610を用いてデジタル測定値に変換される。デジタルデータから、線量612は、システム・オン・チップ(SOC)で(例えば、アームプロセッサを介して)線量を計算するための開示の発明のアルゴリズムを実行することにより計算される。次いで、計算された線量値は、データレコード614に記録され、これは継続的に読取りのすべてのログを本質的に発生し得る。
【0124】
図6の固相センサアレイ読出し600と並行して、開示の発明は、事象データまたは時間内の被曝位置の読出し512を実行する。被曝位置の読出し論理フロー700を
図7に示し、かつ並行回路を介して実行され得る。オンボードMEMS加速度計デバイス702は、センサが動いているかどうかを決定するために読み込まれる。次に、センサの場所(粒度または空間分解能の特定のレベルを用いる空間における位置であると考えられ得る)がステップ704で推定される。これは、例えば、集積センサモジュール上のGPSセンサを読み込むことにより、あるいは外部場所ビーコンからの場所を得るためのワイヤレス通信を用いることにより、あるいは場所を推定するためのオンボードアルゴリズムを用いること(例えば、「推測航法」アルゴリズムを用いること)により、あるいはモバイルデバイス(例えば、携帯電話)を用いて通信する(当該モバイルデバイスのGPS機能が地理空間の位置決めを決定するために利用される)ことにより、あるいは外部場所ビーコン間または他の線量計間の三角測量により場所を推定することにより行われ得る。
【0125】
GPSを用いる本発明の1つの実施形態では、モバイルデバイスのGPSレシーバは、GPS衛星により送られたシグナルを正確に調整することにより位置を決定する。各衛星は、メッセージを断続的に送信する。メッセージは、メッセージが送信された時間およびメッセージの送信の時点での衛星の位置を含む。GPSレシーバは、それが受領したメッセージを使用し、各メッセージの通過時間を決定し、そして光速を用いて各衛星への距離を計算する。これらの距離および衛星の場所の各々は球状を規定する。レシーバは、距離および衛星の場所が正しい場合、これらの球状の各々の表面に存在する。これらの距離および衛星の場所は、ナビゲーション方程式を用いるレシーバの場所を計算するために用いられる。別の実施形態では、位置は、センサが通信する公知のワイヤレスハブからのような位置を三角測量することにより推定され得る。ワイヤレスの三角測量は、ワイヤレスネットワークのいくつかのノードの間のシグナル強度を測定することによりポイントの場所を決定する方法である。タイムスタンプがステップ706で生じ、測定が行われた時間が記録される。この測定は、センサが読み取られた時点の動作(例えば、オンボードMEMS加速度計デバイスが読取られる(702)ポイント)および位置(例えば、ステップ704でのセンサの推定位置)に相互に関係する。次いで、ステップ706からのタイムスタンプの読取値がエクスポートされるか、またはデータログに記録され得る。したがって、被曝の事象はデータレコードに保存される(708)。
【0126】
再び
図5に戻ると、上記は、完全なデータレコード514を生成するためのそれぞれログまたは記録データレコード614および708における線量値510と時間内の被曝位置512との発生を概説する。完全なデータレコード514はレコードログにセーブまたはアップデートされ、そして送信タイマー(Send Timer)がチェックされる(516)。送信タイマーは、いつデータが、プログラム可能な送信時間の値(programmable Time To Send value)に基づいてベースステーション802またはモバイル通信デバイス308にアップロードされるべきかを決定する。例えば、線量が所定の閾値を越える場合、または所定の時間が経過した場合、線量値が送信かつ記録される(522)。送信時間の値に到達しなかった場合、デバイスは読込520に戻る。
【0127】
ワイヤレス送信が、集積センサモジュール200のセンサワイヤレスSOCモジュール208から、例えば、モバイル通信デバイス308のワイヤレスレシーバ316へのシグナルの送信を始めるために開始される(524)。センサのワイヤレスSOCモジュール208は、モバイル通信デバイス308のワイヤレストランスミッタ316からのハンドシェーク応答を探し、デバイスがさらなる通信圏内にあるかどうかを決定する。集積センサモジュール200のワイヤレスSOCモジュール208は、別の電子通信デバイス(例えば、ベースステーション802)と通信するように構成され得、それが電子通信デバイスの圏内にあるかどうかを決定する。レシーバが圏内にあり、かつ応答が受領される場合、オペレーションは継続する(528)。センサが圏内にないとの決定がなされた場合、「いいえ」の決定がなされ(526)、そしてオペレーションは再びセンサの読取り(502)に戻る。センサが圏内にあるとの決定がなされた場合、「はい」の決定がなされ(528)、そしてデータレコードは送信され、それによりログがアップデートされて、データレコードが送信されたこと(530)を示し、かつシステムがアップデートされたことを記録する。連続的な終わりのない数の読取りが生じ得、あるいは必要に応じて集積センサモジュール論理フロー500内で生じ得る。
【0128】
図8は、ワイヤレスセンサベースステーション構成800と通信する開示の発明の例示的な実施形態を示す。1つまたはそれ以上の汎用データサーバがパブリックデータネットワーク(例えば、インターネット)に接続され、事象のレポジトリを提供し得る。ここで、事象データの全てがインターネットを通じてアクセス可能な1つまたはそれ以上のデータベースに格納され、そしてさらなるデータ分析が行われ得る。インターネットは時折クラウドとも呼ばれ、そしてさらなる分析のためのクラウドを通じたデータへのアクセスは時折クラウドコンピューティングと呼ばれる。
【0129】
線量測定バッジ310は、パッケージ含有物(containing)(例えば、本発明の集積センサモジュール200、バッテリーおよびカバーを備える開示の電子パッケージ)として示される。アルゴリズム(
図6および7)を用いる場合、集積センサモジュール200は、ワイヤレス通信デバイス(例えば、ワイヤレスセンサベースステーション802)にデータを送信するように構成されている。線量測定バッジ310は、不特定のワイヤレス送信通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(BLE)、ZigBee、ANT、ANT+または他の標準ワイヤレス通信プロトコルを含む)を介してワイヤレスセンサベースステーション802と通信し得る。
【0130】
ワイヤレスセンサベースステーション802は、ワイヤレストランスミッタおよびレシーバ816を備える。集積センサモジュール200のワイヤレスSOCモジュール208は、ワイヤレストランスミッタおよびレシーバ816と通信して、ベースステーション802が上述のように集積センサモジュール200の圏内にあるかどうかを、例えば、上記
図5のステップ532において決定する。ワイヤレスセンサベースステーション802はまた、データネットワークインターフェース818を備えていてもよい。データネットワークインターフェース818は、ワイヤレスセンサベースステーション802がデータネットワーク送信通信プロトコル314を介してのような別のワイヤレスネットワークに通信することを可能にする。したがって、例示の実施形態では、Bluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)が用いられ、線量測定バッジ310とワイヤレスセンサベースステーション802(例えば、ワイヤレス送信通信プロトコル312を介して)との間を通信し得、そしてWi−Fiが用いられ、ワイヤレスセンサベースステーション802と、病院または研究所のような遠隔施設のワイヤレスネットワーク306(例えば、データネットワーク送信通信プロトコル314を介して)との間を通信し得る。この例において、ローカルネットワークはワイヤレスネットワーク306で表され得、そしてパブリックネットワークは、パブリックデータネットワーク302として示され得る。例えば、パブリックデータネットワーク302を通じて通信することにより、上述の遠隔施設(例えば、病院または研究所)は、分散型データサーバ804に置かれた情報に到達し、アクセスしおよび/または処理し得る。
【0131】
任意の構成において、ワイヤレスセンサベースステーション802が集積センサモジュール200を備えていてもよい。この構成は、ワイヤレスセンサベースステーション802が事象感知デバイスとして同様に作用(例えば、環境センサとして)することを可能にする。
【0132】
すでに述べたように、本発明の開示の実施形態は、特有の数的に最適化された線量計算アルゴリズムを、埋め込まれたシステムソフトウェア中で、あるいは必要に応じてクラウドベースサーバ上で実行して使用して、異なるタイプの電離放射線と、異なる放射線エネルギーとの間の識別を可能にし得る。これは、エネルギー識別フィルトレーションスキームの特有のカスタマイズが受動型放射線検出器を用いる電離放射線測定の正確性およびエネルギー分解能を向上させることを可能にする。開示の実施形態は、アナログ測定を生じる電子感知回路を提供する。アナログ測定は、好ましくは標準的なアナログ・デジタル変換回路610を用いてデジタル測定に変換される。デジタルデータから、線量612は、システム・オン・チップ(SOC)で(例えば、アームプロセッサを介して)線量を計算するための開示の発明のアルゴリズムを実行することにより計算される。選択的な実施形態では、例えば、命令シーケンスを格納した機械可読可能な媒体が用いられ得、1つまたはそれ以上のプロセッサにより実行される場合に1つまたはそれ以上の電子デバイスに、上記アルゴリズムを行うための一連のオペレーションを行わせる。次いで、計算された線量値は、データレコード614に記録され、これは、連続的に読取値のすべてのログを本質的に発生させ得る。
【0133】
したがって、本発明の実施形態は、正確かつ信頼性のある個人線量計のための数的に最適化された線量計算アルゴリズムを提供する。開示の実施形態は、複数の線量計エレメント(代表的には、2個〜4個のエレメント)を用いる個人線量計のための数値上最適化された線量計算アルゴリズムを発生させるためのコンピュータ計算手順を提供した。現在の実施形態は、本発明の方法がどのように個人線量当量(例えば、Hp(10)、Hp(3)およびHp(0.07))についての実用線量に線量計のシグナルを変換するかの記載を提供する。開示の発明のコンピュータ計算手順のいくつかの利点は、数値上最適化されたアルゴリズムを自動的に発生させる能力、分岐または経験的な決断点が無いこと、および素早い計算速度を含む。
【0134】
個人線量当量の正確かつ信頼性のある測定は、放射線量測定プログラムのキーとなる構成要素である。個人線量当量は、代表的には、広範なエネルギーにわたりかつ異なる放射線源(例えば、X線およびガンマ光子、β粒子および中性子を含む)から測定される。異なる放射線源から線量を正確に推定するために、いくつかの個人線量計は、複数の検出器エレメント(各々が放射線フィルトレーション材料の各種タイプを有する)を取り込み、そして線量計算アルゴリズムを使用して、各検出器エレメントからの応答の数値的な組合せから個人線量当量を計算する。
【0135】
線量を計算するための1つのアプローチは、検出器エレメント応答の単純な線形的な組合せを使用することである。このようなアプローチは直接的であり、そして実行し易いが、ノイズに対して非常に敏感であり、そしてしばしば現実的な条件下での線量の正確な推定を信頼できるものとして提供しない。別のアプローチは、経験的に決定された分岐および決断点を使用することである。典型的な実施形態によれば、このアプローチは、比較的実行し易く、そしていくつかの条件下でのパフォーマンスを向上させるが、経験的な決断は特定の条件に対して特有であり、そしてしばしば系統的な偏倚を受け易い。放射線量測定に対する線形的な組合せと分岐方法との両方を適用するための技術は、例えば、N.Stanford(例えば、N. Stanford, Whole Body Dose Algorithm for the Landauer InLight Next Generation Dosimeter, Algorithm Revision: Next Gen IEC; Sept. 13, 2010およびN. Stanford, Whole Body Dose Algorithm for the Landauer InLight Next Generation Dosimeter, Algorithm Revision: Next Gen NVLAP; Sept. 27, 2010を参照)により開発されている。
【0136】
本発明は、マトリックス(すなわち、特定の線量計型(すなわち、線量計検出器エレメントとフィルタとの特定の組合せ)のために数値上最適化される線量計算アルゴリズムを自動的に発生させるためのコンピュータ計算手順)を提供する。系統的な偏倚を最小化するために、開示の実施形態(すなわち、マトリックス)は、代表的なデータから加重平均を計算し、その結果、放射線フィールド、検出器、または検出器シグナルの比のどれもが得られる線量を支配しない。以下は、その線量計タイプの測定から得られたエレメント応答のマトリックスを用いる個人線量計のための数値上最適化された線量計算アルゴリズムを発生させるために使用されるコンピュータ計算手順を記載する。
【0137】
例えば、複数のフィルタ付きの検出器エレメントからなる個人線量計を用いた場合、各検出器エレメントからの検出シグナルはエレメント応答と呼ばれ、そして所与の線量計からのエレメント応答のアレイは、検出器のエレメント応答パターンと呼ばれる。所与の線量計型について、異なるが公知の照射にて複数の検出器エレメント応答から生じるマトリックスはエレメント応答マトリックスと呼ばれる。
【0138】
エレメント応答マトリックスは、線量計を異なる角度で公知の照射に、および個々のまたは複数の線源の混合体に曝し、次いで各検出器エレメントからエレメント応答を読取ることにより作られる。次いで、未知の照射線量計からのエレメント応答パターンは、エレメント応答マトリックス内のパターンと比較され、そして線量は応答マトリックス内の各線源について計算される。最終的な報告線量は、線源確率係数(Source Probability Factor)により加重されたすべての個々の線源線量の合計である。線源確率係数は、未知の線量計のエレメント応答パターンがどれだけ近接して公知の線源の個々のエレメント応答パターンに適合するかの尺度である。
【0139】
開示の実施形態におけるステップ、すなわちマトリックスコンピュータ計算手順900を
図9の表1にまとめ、そして各コンピュータ計算手順を以下の対応するセクションに記載する。
【0140】
ステップ902において、線量計エレメント応答および線量計のその型の対応する線量計応答マトリックスが入力され、次いで変換値が計算される。LANDAUER社製InLight(登録商標)線量計のような光励起ルミネセンス(OSL)を用いる線量計に対して、線量計エレメント応答は、InLight(登録商標)リーダーからの光電子倍増管のカウント値に対応する。変換値は、式1に示すようなPMTカウント値から計算される。
【0142】
線量計の型に対応する応答マトリックスは、コンピュータストレージから読み出され得る。(例えば、LANDAUER社製InLight(登録商標)線量計についての)1つの開示の例において、応答マトリックスは、線源、個々のエレメント応答、深部線量当量(DDE)変換係数、および応答の標準偏差を記載するエントリ(変数)を含む。
【0143】
応答マトリックスの選択は、経験的に派生したルールに基づいてよい。あるアプリケーションにおける最適なパフォーマンスを得るために、応答マトリックスにおける線源の範囲は制限される。この技術は、照射条件が選択された範囲外にある場合、系統的な誤差を引き起こし得る。選択カットを用いる開示された実施形態の実施は、例えば、Brahim Moreno, LDR-Europe Technical Report on a Hybrid MATRIX-Branching dose calculation algorithm, 2013に記載されている。
【0144】
次に、線量計算が行われ得る。測定された変換値のセットが得られると、第1のステップは、応答マトリックスにおける各フィールドについてのG1−4を計算することである。所与のフィールドのGの値は、所与のフィールドが線量計に対する実際の入射フィールドに適合する場合、SDEがどんなものであるかを示すことに留意すべきである。
【0145】
所与のフィールドについてのSDEの期待値は、検出器エレメントにわたるGの単純平均としてされ得る。しかし、これは、いくつかの入射放射線フィールドについて、いくつかの検出器は高レベルの不確実度を伴うシグナルを有し得るために、不充分である。これは、密度厚み(density thickness)が0.1g/ccを上回るフィルトレーションでの検出器への85Kr β線の入射に当てはまるとわかる。このフィールドはわずかに透過するために、フィルタ付きエレメントから受信したシグナルはノイズレベルに対して余りにも低く、それらを用いて線量を計算することはできない。
【0146】
良好なシグナルを伴う検出器のみを用いて線量を計算するための方法は、期待される不確実度に逆比例した係数により各検出器のシグナルを加重し、次いで検出器にわたって加重平均を行うことである。第1のセットは、期待される不確実度を規定することである。各応答マトリックスのエントリが、カウント統計が無視できるもの(高い線量)であったデータから決定されると仮定する。この誤差は、照射、読出し、ハンドリング、および材料のばらつきによる不確実度の組合せである。この組合わされた誤差は、応答マトリックスを生じるために用いられたデータの標準偏差(σにより記号化される)としてコンピュータ計算される。
【0147】
フィールドjについてのSDEの期待値は
【0149】
により表される。i番目の検出器エレメントおよびj番目の放射線フィールドについての合計の不確実度は
【0153】
1つの放射線フィールドjについての適合度統計値(goodness of fit statistic)は式3により表される。
【0155】
フィールドjについての加重係数は式4で表される。
【0157】
加重係数が応答マトリックスにおける各フィールドに割り当てられると、報告されたSDE値であるGrepが計算される。これは、応答マトリックス全体にわたる各放射線フィールド
【0159】
についての期待値の加重合計をとることにより行われる。これは式5で表され、ここで、合計はN個のフィールドの応答マトリックスにわたって行われる。
【0161】
測定された1セットの変換値の応答パターンと応答マトリックスにおけるフィールドとの間の類似性の定量化は、任意の最適化技術を用いて導き出され得る。式3〜4は、χ
2最小化に基づく。線源の特異的統計と加重係数は、1セットの測定された変換値のパターンが、応答マトリックス中に見出されたパターンとどれだけ良く適合するかの経験的な尺度である。
【0162】
ステップ904において、エラー条件のチェックが行われる。このステップにおいて、共通のエラー条件がチェックされ、そして検出された場合は、適切なエラー条件がセットされる。重大なエラー条件が検出された場合、線量は報告されない。
【0163】
ステップ906において、線量値は、応答マトリックスの各線源について計算される。このステップにおいて、Hp(0.07)およびHp(10)に対する加重値が各エレメントについて計算され、この線量計についての応答パターンが形成される。次いで、適合度統計値が計算され、次いで、線源加重係数が決定される。
【0164】
ステップ908において、開示の実施形態は、合計の報告可能な線量を計算する。このステップにおいて、各エレメントについてのHp(0.07)およびHp(10)に対する加重値が合計され、次いで、各エレメントに対する線源加重係数が合計される。報告可能なHp(0.07)およびHp(10)線量が計算される。
【0165】
ステップ910において、放射線の最も可能性の高い線源の推定が行われる。このステップにおいて、応答マトリックスにおける各線源の潜在的な寄与が推定される。この開示のアルゴリズムにおいて、光子およびβ粒子の潜在的な寄与が推定される。
【0166】
ステップ912において、最終(ネット)線量値が計算される。このステップにおいて、ネット線量は、すでに計算された線量からコントロール線量を減じることにより計算される。1.0mremより大きいネット線量のみが報告される。
【0167】
ステップ914において、ネット線量値が、例えば、メモリからストレージデバイスに出力される。このステップにおいて、ネット線量は、線量計情報データベースに格納された固有識別値を用いて特定の線量計に割り当てられる。コンピュータメモリ中の計算されたネット線量はデータベースに格納される(か、あるいは必要に応じて外部データファイルにエクスポートされる)。結果はフォーマットされ得、地域、国内または国際規制により必要とされるような記録線量カスタマー線量報告(dose-of-recoed customer dose reports)の生成を可能にする。
【0168】
個人線量計のための数値上最適化された放射線量の計算を行うためのアルゴリズムを使用するための開示のコンピュータ計算手順のフローチャート1000を
図10に示す。線量計読出値1004、バックグラウンド放射線量1006および応答マトリックス1008からの情報/データが読み込まれ得、そしてコンピュータストレージ1002(例えば、コンピュータディスク)から入力され、機械可読媒体(例えばメモリ1010)に格納され得る。機械可読媒体またはメモリ1010は、命令シーケンスを格納していてもよく、例えば、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行される場合、1つまたはそれ以上の電子デバイスが開示のコンピュータアルゴリズムを実行するための一連の操作を行わせ得る。開示のコンピュータアルゴリズムは、生データ(例えば、線量計読出値1004、バックグラウンド放射線量1006、および応答マトリックス1008)を処理し、それを、さらにコンピュータストレージ1016(例えば、コンピュータディスク)に書き込まれ得る有用な情報に変換し、情報は必要に応じて表示されるように構成され得る。
【0169】
生データがメモリ1010に受領された後、開示の実施形態では、エラー条件についてチェックが行われる(1012)。共通のエラー条件がチェックされ、検出された際には、エラーがフラグ化され(1014)、そしてすべてのエラーがコンピュータストレージ1016上にトラック化/作表され得る。エラーがない場合(1018)、生データは、開示のコンピュータアルゴリズム1020により処理される。コンピュータアルゴリズム1020は、応答マトリックスを最適化するための所定の数的手順を用いて数学的アルゴリズムを適用することにより始まる。これは、データ適合手順を用いる期待線源線量の計算を含み得る。入力値は変換値および線源応答である。応答マトリックス加重係数が適合度統計値を用いて計算され得る。加重係数とは、各線源がどのくらい最終線量に寄与するかを言う。最適化技術は、所定の性能基準に基づいて選択され得る。線量の寄与度は、加重係数、期待線源線量、および個人線量当量(例えば、Hp(10mm)、HP(0.07mm)およびHp(3mm))についての線量変換係数の積から計算され得る。
【0170】
一旦最適な適合度が見出される/決定されると、報告可能な線量が各線源出力線量についての線量寄与度を合計することにより計算される(1022)。線質は、線源エネルギーおよび粒子識別によって積算した加重係数についての合計を行うことにより査定される(1024)。線質は、コンピュータストレージ1016のようなコンピュータストレージに書き込まれ得る(1028)。ネット線量は、報告可能な線量およびバックグラウンド線量を減じることにより計算される。ネット線量は、コンピュータストレージ1016のようなコンピュータストレージに書き込まれ得る(1030)。
【0171】
ヘルスケア用途での患者のモニタリング用やウェアラブル消費者製品のようなウェアラブル電子デバイスに対する需要の増大によって、人間の動作からのエネルギーハーベスティングへの関心が急激に高まっている
13、14。しかしながら、人間の振動および動作のエネルギーは一般に10Hz未満に集中しており、このことが困難を生じさせ得る。なぜなら、低い周波数源ほど、コンプライアンスの高いばねかまたは大きい質量かのいずれかの必要性により、設計が難しくなるからである。
【0172】
本発明は、内蔵バッテリーを再充電して集積センサモジュール200の動作期間を延ばすために、微小機械システム(MEMS)と光起電力システムとによるエネルギーハーベスティングを用いる。開示された発明の実施形態は、共鳴および振動による機械的運動を電気エネルギーに変換するために集積センサモジュール200のMEMSデバイスを用い、周囲照明を電気エネルギーに変換するために光電池を用いた以前の研究を拡大させもする。本発明は、MEMSを用いて人間の動作のランダムな機械的エネルギーを電気エネルギーに変換し、光起電装置を用いて周囲光を電気エネルギーに変換し、そして、その両方を、デバイスのバッテリーに蓄えることができ、後で集積センサモジュール200の上記センサに電力供給するために用いることができる。MEMSに基づくエネルギーハーベスティングは、圧電デバイス、静電デバイス、または静磁気デバイスで達成することができる。開示された実施形態は、一般に10Hz未満に集中する振動および運動のエネルギーを検出し得る。さらに、開示された実施形態は、機械的振動エネルギーを電気エネルギーに変換するパワーハーベスタであって、当該パワーハーベスタの共鳴励起が約6〜8Hzの周波数範囲を有するパワーハーベスタを提供する。
【0173】
選ばれた実施形態は、ある特定の用途向けに収集されたエネルギーを最大化するためにエネルギーハーベスタを調節する能力を採用し得る。例えば、上記は、機械的エネルギーのハーベスティング設計において、磁石およびコイルを用いることを含むものであり得、コイルのサイズや磁石のサイズおよび強さなどを調節する能力がある。圧電型エネルギーハーベスタは、振動の機械的歪みを電気エネルギーに変換する。静電型エネルギーハーベスタは、振動している、離間された帯電した平行板キャパシタの変化する静電容量から、エネルギーを収集する。静磁気型エネルギーハーベスタは、電気コイルの近くの磁石の運動を通じてエネルギーを収集し、動いている磁石による変化する磁界が電気コイルに電流を誘導するようにする。光起電型エネルギーハーベスタは、太陽光または屋内周囲光を電流に変換する太陽電池に基づく。
【0174】
他の非限定的な実施形態、例えば、熱(例えば、人間もしくは動物の身体、燃焼装置、またはその他の発熱する熱電対からの)をワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換すること、が採用され得ることはよく理解される。追加の実施形態は、高周波エネルギーをワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換することを含み得る。他の実施形態は、エネルギー収集能および感知能を最大化するために、例えば、布または衣類材料にRF受信コイルおよびセンサを組み込むことを最適化するために、高周波受信コイルを採用し得る。
【0175】
開示された実施形態は、開示されたセンサ用の電源として採用され得るエネルギーハーベスティング設計を扱う。最近では、磁気によるばねの、または浮上式の電磁エネルギーハーベスタが研究者らによって研究されている
15−23。磁気浮上の1つの重要な利点は、機械的ばねの代わりに磁気ばねが用いられることにより、寿命が延びることである。これは、物理的なばねは最も故障しやすい部品であるからである。さらに、物理的なばねをなくすことによって、ばね定数を非常に低くすることが可能になり、それによって、低い共鳴周波数になる。これらの特性により、浮上式電磁型エネルギーハーベスタは、人間の動作のエネルギーのハーベスティングに理想的である。
【0176】
別の実施形態において、参考として本明細書中に援用される、2014年4月8日付でHydeらに発行された「Systems, Devices, and Methods Including Implants for Managing Cumulative X-ray Radiation Dosage」という名称の米国特許第8,692,206(B2)号には、1つまたはそれ以上の電源を含む植込み型放射線感知デバイスが記載されている。この植込み型放射線感知デバイスは、例えば音波、機械的振動、または血流などから機械的エネルギーを収穫(harvest)するように構成された1つまたはそれ以上の発電機を含む電源を含んでいる。例えば、1つの実施形態において、電源は、生物(biological-subject)(例えば人間)を動力源とする発電機、熱電発電機、圧電発電機、電気機械発電機(例えば、微小電気機械システム(MEMS)発電機など)、生体力学的エネルギーハーベスティング発電機などのうちの少なくとも1つを含む。1つの実施形態において、電源は、例えば、X線放射線センサデバイス、被曝測定デバイス、コンピューティングデバイス、トランスミッタ、レシーバ、トランシーバーなどのうちの少なくとも1つに、電磁的、磁気的、音響的、光学的、誘導的、電気的、または容量的に結合される。
【0177】
電源例の非限定的な例として、1つまたはそれ以上のボタン電池、化学電池、燃料電池、二次電池、リチウムイオン電池、マイクロエレクトリックパッチ、ニッケル水素電池、銀亜鉛電池、キャパシタ、スーパーキャパシタ、薄膜二次電池、ウルトラキャパシタ、亜鉛空気電池などが挙げられる。電源のさらなる非限定的な例として、例えば、熱電発電機、圧電発電機、電気機械発電機、生体力学的エネルギーハーベスティング発電機などのような、1つまたはそれ以上の発電機(例えば、電気発電機、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機、マイクロ発電機、ナノ発電機など)が挙げられる。1つの実施形態において、電源は、少なくとも1つの再充電可能な電源を含む。1つの実施形態において、電源は、1つまたはそれ以上のマイクロバッテリー、薄膜バッテリー、燃料電池(例えば、バイオ燃料電池、化学燃料電池など)などを含み得る。
【0178】
1つの実施形態において、植込み型放射線感知デバイスは電源を内蔵する。植込み型放射線感知デバイスは、バッテリー、キャパシタ、機械的エネルギー蓄積部材(mechanical energy store)(例えば、ばね、はずみ車など)のうちの少なくとも1つを含み得る。1つの実施形態において、植込み型放射線感知デバイスは、バッテリー、キャパシタまたは再充電可能な電源(rechargeable power)または機械的エネルギー蓄積部材のうちの少なくとも1つを含む電源を含む。1つの実施形態において、電源は、例えば、経皮的に受けたX線放射線刺激を生体内で検出および定量化することに関連するデューティサイクルを管理するように構成される。
【0179】
本発明の1つの実施形態において、生物を動力源とする発電機は、生物が生成する熱エネルギーを収穫するように構成される。1つの実施形態において、生物を動力源とする発電機は、生物が生成するエネルギーを、熱電発電機、圧電発電機、電気機械発電機(例えば、微小電気機械システム(MEMS)発電機など)、生体力学的エネルギーハーベスティング発電機などのうちの少なくとも1つを用いて収穫するように構成される。例えば、1つの実施形態において、生物を動力源とする発電機1136は、生物が放散する熱を電気に変換するように構成された1つまたはそれ以上の熱電発電機を含む。1つの実施形態において、生物を動力源とする発電機は、生物が任意の身体的動作または動き(例えば、歩行など)によって生成するエネルギーを収穫するように構成される。例えば、1つの実施形態において、生物を動力源とする発電機は、生物内の関節の動きによって生成されるエネルギーを収穫するように構成される。1つの実施形態において、生物を動力源とする発電機は、生物内の流体(例えば、生体液)の動きによって生成されるエネルギーを収穫するように構成される。
【0180】
1つの実施形態において、植込み型放射線感知デバイスは、経皮的エネルギー伝達システムを含む。例えば、1つの実施形態において、植込み型放射線感知デバイスは、生体内または生体外の電源の少なくとも1つから電力を受け取るように構成された1つまたはそれ以上のパワーレシーバを含む。1つの実施形態において、経皮的エネルギー伝達システムは、X線放射線センサデバイス、被曝測定デバイス、トランスミッタ、レシーバ、トランシーバーなどのうちの少なくとも1つに、電磁的、磁気的、音響的、光学的、誘導的、電気的、または容量的に結合される。1つの実施形態において、経皮的エネルギー伝達システムは、生体内または生体外の電源の少なくとも1つから植込み型放射線感知デバイスへ電力を伝達するように構成される。
【0181】
1つの実施形態において、経皮的エネルギー伝達システムは、植込み型放射線感知デバイスへ電力を伝達し、植込み型放射線感知デバイス内の電源を再充電するように構成される。1つの実施形態において、経皮的エネルギー伝達システムは、生体内の電力供給部に、電磁的、磁気的、音響的、光学的、誘導的、電気的、または容量的に結合可能である。1つの実施形態において、経皮的エネルギー伝達システムは、少なくとも1つの電磁的に結合可能な電力供給部、磁気的に結合可能な電力供給部、音響的に結合可能な電力供給部、光学的に結合可能な電力供給部、誘導的に結合可能な電力供給部、電気的に結合可能な電力供給部、または容量的に結合可能な電力供給部を含む。1つの実施形態において、エネルギー経皮的伝達システムは、遠隔の電力供給部からワイヤレスで電力を受け取るように構成される。
【0182】
オンチップ電源は実現不可能であることが多いため、電力源を例えば磁界結合によって得なければならない。参考として本明細書中に援用される、2010年3月2日に公開されたBarnabyによる「Sub-MM Wireless Ionizing Radiation Detector」という名称の米国特許出願公開第2010/0219494(A1)号には、多くのRFID製品において実施される標準的なアプローチが開示されている
24。Beyerらは、2008年の論文において、MOSFET線量計および双方向通信インターフェースに電力供給するためにRFエネルギーハーベスティングを用いることを実証した
24。
【0183】
現在、自律型モバイル電子システムの大半は、電気化学バッテリーによって電力供給されている。バッテリー品質はこの20年にわたって実質的に改善されているが、それらのエネルギー密度はそれほど増加していない。現在のところ、コスト、重量、限られたサービス時間、および廃棄物処理問題(バッテリーに固有の)のような要因が、電子工学の多くの領域において進歩を妨げている。この問題は、モバイル電子デバイスの急速に発展している性能および高度化によって、従来の電気化学バッテリーでは満たすことのできない数ワットの電力の発電への要求が高まり続けている携帯用電子デバイス市場において特に深刻である。
【0184】
参考として本明細書中に援用される、2012年7月19日に公開されたKrupenkinらによる「Method and Apparatus for Mechanical Energy Harvesting Using Planar Microfluidic Device」という名称の米国特許出願公開第2012/018190(A1)号には、エネルギーハーベスタが開示され、顕微鏡でしか見えないほど細い流路に沿って位置する一列のエネルギー発生導電性液滴を示しており、液滴は、液体誘電体媒質中に浮遊しており、流路の両端に差圧をかけることによって液圧駆動される。複数の個別の電極5−1および5−2が流路の両側に沿って配置され、これらは圧力変化の際に液滴が流路内で前後に動くにつれて液滴に係合する。導電性液滴は、流路に沿って動くにつれて、電極5−1および5−2と共にキャパシタのアレイを作り、これらのキャパシタは、液滴が前後に動くにつれて蓄積電荷が変化し、電流を流れさせる。このタイプの液圧駆動方法は、人間の移動運動(locomotion)を含む広範囲の高出力環境機械的エネルギー源との効率的な直接結合を可能にするため、重要な利点を提供する。
【0185】
Krupenkinらのマイクロ流体に基づくエネルギーハーベスタは、技術の現状に対する大幅な改善ではあるが、振動の変位振幅は流路に沿った液滴の動作を開始させるには小さ過ぎることが多いため、この駆動方法は、エネルギーを機械的振動から収穫する用途にはあまりよく適していない。しかしそれにもかかわらず、このような振動は、輸送(例えば、自動車、航空宇宙、鉄道)、産業機械などを含む多くの重要な環境において容易に入手可能なエネルギー源となる。したがって、顕微鏡でしか見えないほど小さい液滴を環境の機械的振動によって有効に駆動することができる方法であれば、エネルギーハーベスティングをより広範囲の環境や従来の電気化学バッテリーでは満たすことのできない電力要求へと拡大することが可能であるため、非常に有益である。
【0186】
現在の電気化学バッテリーへの依存を大幅に緩和するのに大いに有望な技術の1つは、高出力エネルギーハーベスティングである。エネルギーハーベスティングの概念は、交換式の電力供給装置を必要としない自己給電(self-powered)デバイスの開発を目指している。高い移動性と高い電力出力とが必要とされる場合、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換するハーベスタは、機械的振動を示す種々の「高電力密度」エネルギー源を活用できるため、特に有望である。
【0187】
機械的エネルギーの高出力ハーベスティングは、長い間認識されてきた概念ではあるが、少なくとも一部分は実行可能なエネルギーハーベスティング技術が無かったという理由から、商業化できなかった。電磁気、圧電、または静電のような機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する既存の方法では、高出力環境機械的エネルギー源の大部分に対して有効に直接結合することができない。自然界で典型的に発生する広範囲の非周期的な力および変位をこれらの方法を用いた変換に利用可能な形態に変換するためには、大型で高価な機械的または油圧トランスデューサが必要である。
【0188】
最近、上記の問題を大幅に緩和する、エネルギーハーベスティングのための新しいアプローチが提案されている。この新しいアプローチとは、マイクロフルイディクスに基づくエネルギーハーベスタを用いることである。特に、高出力のマイクロフルイディクスに基づくエネルギーハーベスタが、参考として本明細書中に援用される、2011年3月2日付でT. N. Krupenkinに発行された「Method and Apparatus for Energy Harvesting Using Micro fluidics」という名称の米国特許第7,898,096号に開示されている。
【0189】
Krupenkinは、機械的エネルギーを電気エネルギー変換に変換するデバイスを含む装置であって、複数の電極と流体とを有し、空間的に分離された導電性液体領域および誘電性液体領域を含むものを開示している。流体は、機械的力の影響を受けて上記複数の電極に対して全体として可逆的に動くように構成される。上記流体の可逆的運動の各サイクルは、電極によって蓄積される電荷の量を何度も変化させ、それによって電極間に電流を流れさせる。
【0190】
Krupenkinの装置は、実質的に同一平面上に配置されるとともにスペーサによって隔てられた2つの基材を含む。スペーサは、流路を形成するように配置される。複数の電極が基材上に配置され、複数の電極が基材上に配置される。基材とスペーサとは、ガラス、テキストライト(textolite)、または固体プラスチック(ポリカーボネート、ポリプロピレン、もしくはポリテトラフルオロエチレンを含む)のような任意の固体誘電材料からなり得る。電極は、金もしくはタンタルまたはインジウムスズ酸化物ガラスのような任意の固体導電性材料からなり得る。いくつかの好適な実施形態においては、タンタル膜または金膜を含む。
【0191】
移動可能な流体が流路内に配置され、流路に沿って電極を通り越して摺動するように構成される。流体は、2つの相互に混ざり合わない液体からなり、一方は誘電性液体であり、他方は導電性液体である。適切な導電性液体としては、例えば、塩水溶液および溶融塩が挙げられる。塩水溶液の例としては、CuSO
4、LiCl、KNO
3、またはNaClのような塩の0.01モル濃度溶液が挙げられる。溶融塩の例としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラートおよび1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートが挙げられ、どちらも市販されている。他の場合において、導電性液体は、ガリウム、インジウム、または水銀のような液体金属を含み得る。適切な誘電性液体としては、例えば、シリコーン油およびアルカンが挙げられる。シリコーン油の例としてはポリジメチルシロキサンおよびポリジフェニルシロキサンが挙げられ、アルカンの例としてはノナンおよびヘキサデカンが挙げられる。
【0192】
導電性液体と誘電性液体とは、複数の別個の領域に空間的に分離される。誘電性液体領域および導電性液体領域は、導電性領域と誘電性領域とが規則正しく交互に繰り返すように、周期的に交互に配置される。相互に混ざり合わない液体領域間の境界は表面張力によって保たれ、それによって、流体は、全体として移動、例えば上記別個の液体領域の配置および体積を乱すことなく流路に沿って摺動することが可能である。
【0193】
当該分野において残っている要求は、機械的な振動運動から電気エネルギーを収穫すること、より詳細には、振動エネルギーを有用な電気エネルギーに変換するために複数のマイクロ流体エレメントを利用することに関する本発明によって対処される。
【0194】
本発明の例示の実施形態によると、導電性液体滴のアレイが、ベース基材上に配置され、弾性スペーサによって誘電体被覆電極から隔てられ、容量アレイ構造を形成する。弾性スペーサは外部振動に応じて周期的に圧縮され、それによって、上記液滴が電極とベース基材との間で周期的に押し潰される。液滴圧縮により液滴と電極との接触面積が増加し、それによって、電極間に蓄積される電荷量に周期的な変化が生じ、その結果、電極間に流れる電流の形態で電気エネルギーが発生する。
【0195】
ある場合では、プルーフマス(proof mass)がマイクロ流体エネルギーハーベスタに取り付けられてもよく、プルーフマスに印加される振動は、エネルギーハーベスタへ移され、周期的な弾性スペーサの圧縮および複数の導電性液滴の圧縮を生じさせる。あるいは、導電性液滴の周期的圧縮から電気エネルギーを生成するために、マイクロフルイディクスエネルギーハーベスタに対して直接電力(事実上周期的(period in nature))が加えられてもよい。
【0196】
代替的な実施形態においては、弾性スペーサと導体との多数のアレイが、所与の表面積(すなわち「フットプリント」)に対して生成されるエネルギー量を増加させる。
【0197】
一例として、本発明は、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換するための装置であって、平面配置で配置された複数の導電性液体滴と、該複数の導電性液体滴に対して平行にかつ離間して配置された平面電極と、該複数の導電性液体滴と該平面電極との間にそれらと共に容量性構造を形成するように位置決めされた誘電体層と、該複数の導電性液体滴と該平面電極との間に該複数の導電性液体滴を取り囲むように配置された弾性スペーサエレメントであって、当該装置に機械的エネルギーが加わると弾性スペーサエレメントと該複数の導電性液体滴とが圧縮され、該複数の導電性液体滴と該誘電体層の接触面積と該平面電極との重複面積とが増加するようになっている弾性スペーサエレメントと、該複数の導電性液体滴と該平面電極との間にバイアス電圧を印加し、重複面積の変化に関連付けられる静電容量の変化に応じて生じる電流を電力消費エレメントに伝達するように、該複数の導電性液体滴と該平面電極との間に電気的に結合された電気回路手段と、を含む装置として定義することができる。
【0198】
本発明は、複数の導電性液体滴を基材上に配置するステップと、該複数の導電性液体滴を誘電材料の層で覆うステップと、該導電性液体滴と該誘電材料の層との組合せを弾性スペーサエレメントで取り囲むステップと、平面電極を、該誘電材料および該複数の導電性液体滴と共に容量性構造を形成するように、該誘電材料の上に位置決めするステップと、所定のバイアス電圧を該平面電極と該複数の導電性液体滴との間に印加するステップと、上記構成の容量値を周期的に変化させて電流出力を生じさせるように該弾性スペーサと該複数の導電性液体滴とを圧縮・圧縮解除するように、上記構成に対して周期的な機械的力を加えるステップとによって振動運動から電気エネルギーを収穫する方法も記載する。
【0199】
参考として本明細書中に援用される、2008年9月12日付で公開されたLemieuxによる「Electrical Energy Generator」という名称のWO2008/109153号 PCT/US2008/003064号には、移動質量(moving mass)から機械的エネルギーを収穫し、収穫した機械的エネルギーを使用可能な電気エネルギーに変換するためのデバイスが開示されている。このデバイスは、人間の歩行活動(gait activities)のような動きから当該デバイスに与えられた機械的エネルギーの捕捉と、捕捉した機械的エネルギーの電気エネルギーへの変換とを可能にする。このデバイスは、多種多様な電子デバイスに電力を提供するために用いられ得る。
【0200】
機械的エネルギーは、限定されるわけではないが運動エネルギーをはじめとするエネルギーのいくつかの形態を含む。機械的エネルギーは、人間や動物の身体にそれらの身体的プロセスの結果として現れる。このような身体的プロセスは、身体の随意運動を含む。身体の随意運動の中には歩行プロセス(gait processes)がある。歩行活動は、踏む(stepping)、歩く、走る、登る、跳ぶや類似の活動を含む。他の身体の随意運動は、つかむ、手を伸ばす、振る、スイングする(swinging)、伸びをするなどを含む。身体のあらゆる随意運動は質量を有する身体各部の動作として現れるので、全ての随意運動性活動(voluntary motor activities)は運動エネルギーを発生させる。さらに、随意運動性活動は、動いている身体に関わる末梢質量に運動エネルギーを与え得る。
【0201】
機械的エネルギーを電気エネルギーに変換することが望ましいことは多い。その一例は、ある質量の運動エネルギーが磁界を導電コイルに対して動かし、それによって当該質量の運動エネルギーが電磁誘導の作用により電気エネルギーに変換されるような、運動エネルギーの電気エネルギーへの変換である。
【0202】
運動エネルギーは、様々な随意運動性活動の結果として動物および人間の身体に現れる。随意運動性活動は、例えば、歩行プロセス、脚の動き、腕の動き、頭の動き、胴の動きなどを含む。運動エネルギーは、それらを運ぶ過程で人間または動物によって動かされる物体または質量においても現れる。人間の歩行(walking gait)のようないくつかの随意運動性活動は、予測可能な周波数もしくは周期性を有する律動的な活動である。人間の歩行の場合、予測可能な周波数は約2Hzである。
【0203】
運動エネルギーを収穫し、収穫した、随意運動性活動によって発生または付与された運動エネルギーを電気エネルギーに変換するための電気エネルギー発電機が提供される。この電気エネルギー発電機は、一般に、ハウジングと、誘導コイルと、該ハウジングに対して往復動可能な電磁的活性質量と、該電磁的活性質量を該ハウジングに係合させる少なくとも1つのばねとを含み得る。
【0204】
いくつかの例示的な実施形態によると、電気エネルギー発電機は、一般に、ハウジングと、誘導コイルと、該ハウジングに対して往復動可能な電磁的活性質量と、該質量と該ハウジングとに係合した第1のばねと、該質量と該ハウジングとに係合した第2のばねとを含む。
【0205】
さらなる例示的な実施形態によると、電気エネルギー発電機は、ハウジングと、誘導コイルと、該ハウジングに対して往復動可能な電磁的活性質量と、該質量と該ハウジングとに係合した第1のばねと、該質量と該ハウジングとに係合した第2のばねとを含み、該電磁的活性質量は、該質量の非往復動を最小限に抑えるかまたは実質的に防止するために該ハウジング内で拘束される。
【0206】
他の例示的な実施形態によると、電気エネルギー発電機は、ハウジングと、誘導コイルと、該ハウジングに対して往復動可能な電磁的活性質量と、該質量と該ハウジングとに係合した第1のばねと、該質量と該ハウジングとに係合した第2のばねと、該ハウジング内での該電磁的活性質量の運動の遅延(retardation)を緩和する手段とを含む。
【0207】
追加の例示的な実施形態によると、電気エネルギー発電機は、ハウジングと、誘導コイルと、該ハウジングに対して往復動可能な電磁的活性質量と、該質量と該ハウジングとに係合した第1のばねと、該質量と該ハウジングとに係合した第2のばねと、少なくとも1つのばねたわみ調節器とを含む。
【0208】
なお、電気エネルギー発電機は、ハウジング内での電磁的活性質量の非往復動を抑制するための手段と、ハウジング内での電磁的活性質量の運動の遅延を緩和するための手段と、少なくとも1つのばねたわみ調節器とのうちの2つ以上の組合せを含んでもよい。
【0209】
本デバイスは、機械的エネルギーを収穫し、収穫した機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する。往復運動する質量から機械的エネルギーを収穫し、それを電気エネルギーに変換することによって、本デバイスはリニア発電機として働く。生成された電気エネルギーは、限定されるわけではないが、探知機、信号装置、娯楽装置、エネルギー貯蔵装置、無線受信機、無線送信機、ワイヤレス電話、カメラ、全地球測位システム(GPS)装置、および同様の電子デバイスを含む多種多様な電子デバイスに電力供給するために用いられ得る。
【0210】
線量測定処理デバイスの例が本明細書中に開示されているが、それらが任意の適切なコンピュータシステムまたはコンピューティングデバイスに実装され得ることは容易に理解される。当業者に理解されるように、本明細書中に説明した各例のデバイスおよびシステムは、これらの例を実施するために用いられる特定のハードウェアおよびソフトウェアの多くの変形例が考えられ得るため、例示を目的としたものであることが理解されるべきである。さらに、これらの例のシステムは、本明細書中に説明および図示するように、また、当業者に理解されるように、それらの例の教示に従ってプログラムされた1つまたはそれ以上の汎用コンピュータシステム、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、およびマイクロコントローラを用いて好都合に実施され得る。上記各例は、本明細書中に説明するように、本明細書中に上記各例によって説明および図示したような本技術の1つまたはそれ以上の局面のための指示が格納された非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現され得、当該コンピュータ可読媒体は、本明細書中に説明および図示するように、プロセッサによって実行されると、当該プロセッサに上記各例の方法を実施するのに必要なステップを行わせる。
【0211】
参考として本明細書中に援用される、2012年8月30日付で公開されたBorkholderらによる「Event Dosimeter Device and Methods Thereof」という名称のWO2008/109153号 PCT/US2008/003064号には、レギュレータとエネルギーハーベスタデバイスとの間に結合されたバッテリーを含む電力システムが開示されている。ただし、エネルギーハーベスタのないものおよび/またはレギュレータのないものといったような、他のタイプおよび個数の構成要素を備えた他のタイプの電力システムも用いることも可能である。この例では、バッテリーは再充電が不可能でありユーザーによる交換が不可能であるため、ユーザーによる交換が可能なバッテリーおよび再充電可能なバッテリーのような他のタイプのバッテリーを用いることも可能ではあるが、ほんの例として線量測定装置は使い捨てできるように設計される。この例示の使い捨て設計とそれに付随するコスト低下とにより、収集されるデータの質と結果的に生じる障害のリスクアセスメントとを改善するために、多数の線量測定装置が各個人に対して使用され得る。さらに、この線量測定装置の例のこの使い捨て設計により、線量測定装置が製品出荷される(rolled out for product shipments)時に設計変更を組み込んだりアルゴリズムを更新したりしやすくなる。その結果、この例示の設計によると、常に最新版が当該分野の顧客に引き渡され、それに対して、従来の(使い捨てでない)システムは何とかして更新を組み込まければならない。レギュレータは、バッテリーによって線量測定処理デバイスに提供される電力を調整するために結合される。ほんの例として太陽エネルギーデバイスまたは振動エネルギーデバイスのような、エネルギーハーベスタデバイスは、他のタイプおよび個数のエネルギーハーベスタデバイスを用いることも可能ではあるが、システムに電力を供給し、および/または、バッテリーを再充電するために用いることができる。
【0212】
取得されたセンサ読取値と相関させることができ、当該センサ読取値と一緒に格納することができる、線量測定装置の場所データを提供するために、オプションのワイヤレス場所決定システムが線量測定処理デバイスに結合される。場所決定システムとしては、例えば、全地球測位システム(GPS)またはベースステーションもしくは他のワイヤレスビーコンからのワイヤレスシグナルの三角測量に基づく測位システムが挙げられるが、その他のタイプおよび個数の場所決定システムも用いることができる。
【0213】
よって、1つの実施形態において、本発明は、光エネルギーをワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスタを採用する。
【0214】
別の実施形態において、本発明は、機械的振動エネルギーをワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスタを採用する。機械的振動エネルギーは、人間の動作、人間の肢の動作、または人間によるその他の活動によるものであり得る。機械的振動エネルギーは、ワイヤレスセンサが設置された機械またはインフラストラクチャの振動によっても生じ得る。
【0215】
さらに別の実施形態において、本発明は、太陽(太陽エネルギー)、人工照明、デバイスに焦点が合わせられたレーザー光線などのような任意の源によって生成された光をエネルギーに変換するエネルギーハーベスタを採用する。
【0216】
さらに別の実施形態において、本発明は、RF放出源からの高周波放射線をエネルギーに変換するエネルギーハーベスタを採用する。
【0217】
さらに別の実施形態において、本発明は、人体からの熱、機械からの熱、燃焼装置からの熱、または人間の動作によって生じた熱をワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するために熱電対を用いるエネルギーハーベスタを採用する。
【0218】
さらに別の実施形態において、本発明は、高周波エネルギーをワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスタを採用する。いくつかの実施形態において、エネルギーハーベスタの高周波受信コイルが、高周波エネルギーの収穫を最適化するように調節され得る。エネルギー収集能および感知能を最大化するために、受信コイルとセンサとを衣服のような布に組み込むことが行われ得る。さらに、高周波受信機は、例えば、線量計のような規定の電気デバイスを取り囲むホルダーの中などのプリント回路基板(PCB)上に開示され得る。開示された実施形態において、高周波受信アンテナのサイズおよび形状は、ホルダーに埋め込まれ得るサイズおよび形状であり、RFエネルギーの収集を最適化するように調節され得る。
【0219】
さらに別の実施形態において、本発明は、ある特定の用途向けに収集されたエネルギーを最大化するように調節可能なエネルギーハーベスタを採用する。例えば、磁石とコイルとを用いた機械的エネルギーハーベスタでは、特定の用途に応じて、コイルのサイズや磁石のサイズおよび強さなどが調節され得る。
【0220】
開示された発明のハードウェアコンポーネントを、
図11にさらに示す。ここでは、モジュールセンサが単一のチップまたは電子基板1102(例えば、PCB)上に集積化され、これにより、集積センサモジュール1100を形成する。集積センサモジュール1100は、放射線データを収集し、そして最終的にこれらのデータをワイヤレスベースステーションまたは他のワイヤレス通信デバイスのような離れた場所に送信するように構成される。集積センサモジュール1100は、多くの異なるフォームファクタのデバイスに組み込むことが可能な独立したセンサシステムとして設計される。集積センサモジュール1100は小型でありかつ自給式であるため、バッジ、名札、キーホルダー、ブレスレット、腕時計、携帯用電子デバイス、MP3プレーヤー、ポケットベル、携帯電話、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、眼鏡、衣料品、財布、小銭入れ、または宝飾品のような広範囲のデバイスに統合される。
【0221】
一次センサアレイ1120は、単一のセンサ、センサの線形アレイ、またはセンサのマトリックスであり得、例えば
図1のセンサアレイ100から採用される一次またはモジュールセンサアレイ1104を形成する。したがって、モジュールセンサアレイ1104は、第1のセンサ#1(1112)のみを利用し得る。あるいは、モジュールセンサアレイ1104は、第1のセンサ#1(1112)からセンサ#n(1114)までのようなn個の行を含み得る。あるいは、および/または、加えて、モジュールセンサアレイ1104は、第1のセンサ#1(1112)からセンサ#m(1116)までのようなm個の列を含み得る。これにより、n個の行およびm個の列を有すれば、モジュールセンサアレイ1104は、第1のセンサ#1(1112)からセンサ#m,n(1118)までに及ぶことになる。
【0222】
「フィルトレーションバブル」108内にカプセル化された電離放射線センサ102を例示の目的のために示しているが、当業者は、一次センサアレイ1120が、他の適切なタイプのセンサ(例えば、非電離放射線、有害化学物質、または他の生化学物質用の)からなり得ることを容易に理解するであろう。開示された発明の代替の実施形態は、電離放射線センサ102に加えて、および/または、電離放射線センサ102の代替として、化学センサまたは他のセンサを含み得る。本発明は、測定値が取得された時のセンサの場所および動作についての特異な情報を提供する集積センサモジュール1100を記載する。記載されたプラットフォームおよびデバイスのモジュールの性質により、他の個々のセンサの使用、または潜在的なエンドユーザーの必要性に合うように変動可能な組合せとしてセンサを選択して使用することが可能になる。モジュール性は、時間、動作、位置、および温度の収集ならびに通信を取り扱う中央処理装置(CPU)に結合され得る互換モジュールとして測定デバイスを開発することにより達成される。
【0223】
一次センサアレイ1120は、地球上位置センサパッケージ1106と統合され得る。地球上位置センサパッケージ1106は、オンボードGPS無線機および/または接続されたワイヤレス対応モバイルデバイス(例えば、GPS感知機能を備えたスマートフォンもしくはタブレットなど)によってかあるいはネットワーク化されたデバイス網を通じた推定によって位置を決定する全地球測位システム(GPS)無線機を含む。主電源の電力消費を最小限にするために、デバイスは、それに対して利用可能な最も低電力の手段でGPSセンサによって場所を優先的に決定する。第1に、GPS能を備えた接続されたワイヤレス対応モバイルデバイス、第2に、オンボードGPSセンサ、第3に、ネットワーク化されたデバイス網を通じた推定により、決定する。集積センサモジュール1100は、1つまたはそれ以上のモーションセンサをモーションセンサパッケージ1132に含む。1つの実施形態において、モーションセンサパッケージ1132は、継続的な測定中、一次データ被曝がデバイスが静止している間に発生したか動いている間に発生したかを決定する単一の3軸MEMSベースの加速度計を含む。一次データ被曝は、一次センサアレイ1120により記録された放射線事象である。集積センサモジュール1100は、モジュールセンサアレイ1104、地球上位置センサパッケージ1106、およびモーションセンサパッケージ1132の各センサからのデータを処理するためのプロセッサ1144を含むコンピュータ1142を含む。
【0224】
コンピュータ1142は、このデータを、ワイヤレスシステム・オン・チップ(SOC)モジュール1108を介して、第2のコンピュータ(図示せず)または他の電子デバイス(図示せず)へワイヤレス伝送し得る。第2のコンピュータまたは他の電子デバイスは、データを処理し得、および/または、データの処理前もしくは処理後にユーザーにデータを表示し得る。例えば、モーションセンサパッケージ1132からの動作データがコンピュータ1142によって処理され、第2のコンピュータまたは他の電子デバイスへワイヤレス送信され得る。あるいは、モジュールセンサアレイ1104、地球上位置センサパッケージ1106、およびモーションセンサパッケージ1132からの未処理のデータを追加の処理および/またはユーザーへの表示のために第2のコンピュータまたは他の電子デバイスへ伝送するために、ワイヤレスSOCモジュール1108が用いられ得る。例えば、モーションセンサパッケージ1132からの動作データが、処理および/またはユーザーへの表示のために、
図3に示すモバイル通信デバイスもしくはリモートデータサーバまたは
図8に示す分散型データサーバのような第2のコンピュータまたは他の電子デバイスへワイヤレス送信され得る。動作データに加えて、モーションセンサパッケージ1132は、集積センサモジュール1100を装着している個体に関する識別データもコンピュータ1142または第2のコンピュータに提供し得る。
【0225】
SOCモジュール1108上のワイヤレスシステムが、集積センサモジュール1100に対して構成される。ワイヤレスSOCモジュール1108は、中央処理装置およびワイヤレストランシーバーからなる集積パッケージである。ワイヤレストランシーバーをSOC構成内のCPUチップに組み入れることで、フットプリントおよびエネルギー消費の削減が可能となる。SOCモジュール1108上のワイヤレスシステムは、集積センサモジュール1100から、例えば、電子通信目的の別の電子デバイスのワイヤレスレシーバへのワイヤレス送信を可能にする。このような通信能力は、例えば、以下にさらに説明するように、集積センサモジュール1100が上記電子デバイスの圏内にあるかどうかを決定する際の労力を軽減する。
【0226】
パワーハーベスタ1110は、1つまたはそれ以上のエネルギーハーベスティングデバイスを含み得る。パワーハーベスタ1110は、集積センサモジュール1100に組み込まれ、バッテリーに接続される。パワーハーベスタ1110は、集積センサモジュール1100の動作および/または運動ならびに周囲光を介してエネルギーを収集し、電子基板1102に電力を供給するバッテリーを再充電する。このため、本発明は、それが動作して外部のワイヤレス対応デバイスと能動的に通信するので、能動的に電力を消費することになる。パワーハーベスタ1110は、周期的(共鳴)振動機械的動作を電気エネルギーに変換して、集積センサモジュール1110の放射線測定センサ機能のランタイムに電力供給するバッテリーを延長するために、MEMSデバイス内の既存の作業を活用する。
【0227】
「INTEGRATED BIOMETRIC SENSING AND DISPLAY DEVICE」という名称のDella Torreらの米国特許出願第2012/0271121号には、本発明の集積センサモジュールにおいてモーションセンサとして用いられ得る1つのタイプのモーションセンサが記載されており、この出願の内容および開示の全体が参考として本明細書中に援用される。このようなモーションセンサは、放射線センサデバイスの直線および回転加速度、動作、位置のうちの1つまたは複数を測定することによって動作を検出し得る。他の実施形態において、モーションセンサは、放射線センサデバイスの直線および回転速度またはベクトルの変化を測定してもよい。1つの実施形態において、モーションセンサは、少なくとも3つの自由度に沿った動作を検出し得る。他の実施形態において、モーションセンサは、6つの自由度などに沿った動作を検出し得る。モーションセンサは、動作の加速度の大きさおよび方向を測定するために、単軸、多軸、または組合せ軸の加速度計を含み得る。
【0228】
モーションセンサは、向き情報を提供する多軸ジャイロスコープも含み得る。多軸ジャイロスコープは、回転速度(d(角度)/dt[度/秒])を測定し、これは、ユーザーの回転動作に基づいてユーザーが行った動作のタイプを決定するために、ユーザーの身体の一部が特定の方向を向いているかどうかを決定するために用いられ得、および/または、加速度計からの情報を補うために用いられ得る。例えば、歩行動作は、ユーザーの手首に「振り子」動作を生じさせ得るが、走る動作は、ユーザーの手首に、加速度計によって検出される方向に対して横の軸に沿って環状動作を生じさせ得る。さらに、モーションセンサは、ユーザーの向きまたは動作をいくつかの自由度に沿って捕捉するために、磁界のような他の技術を用い得る。1つの実施形態において、モーションセンサは、センサが測定した方向および動作のデータを提供する電気シグナルをプロセッサに送信する。
【0229】
モーションセンサを含む集積センサモジュールを装着している個体の動作についてのデータは、集積センサモジュールの一部であるコンピュータもしくはプロセッサを用いて、および/または、集積センサモジュールと有線または無線通信する別個のプロセッサもしくはコンピュータによって、処理され得る。有線または無線通信はリアルタイムであってもよい。モーションセンサからの動作データは、フラッシュメモリカードまたはフラッシュメモリスティックのようなストレージ媒体を用いて集積センサモジュールから処理用のコンピュータに伝送されてもよい。
【0230】
1つの実施形態において、本発明は、個体が活動していた期間を決定するために加速度計変位測定値(動作活動(motion activity))をクロック出力(時間)と相関させる方法を実施するように構成された方法およびコンピュータを提供する。この情報は、次にある参加者が、指定された作業期間中線量計を装着していたかどうかを決定するために使用され得る。
【0231】
1つの実施形態において、本発明は、参加者が線量計の被曝時に線量計を装着していたかどうかを決定するために加速度計変位測定値(動作活動)をクロック出力(時間)とオンボードセンサの測定値(被曝量)とに相関させる方法を実施するように構成された方法およびコンピュータを提供する。
【0232】
1つの実施形態において、本発明は、線量計の被曝時に個体が職業的にモニタリングされる作業場所にいたかどうかを決定するために加速度計変位測定値(動作活動)を空間位置(GPSからのデータに基づくかまたはBluetooth位置ビーコンのような位置ビーコンからのデータに基づく)と被曝量とに相関させる方法を実施するように構成された方法およびコンピュータを提供する。
【0233】
1つの実施形態において、本発明は、線量計が放射線に曝露されたときに個体が当該個体の身体のどこに線量計を装着していたかを決定するために多数のモーションセンサによって測定された動作活動を分析する方法を実施するように構成された方法およびコンピュータを提供する。
【0234】
1つの実施形態において、本発明は、(1)線量計を装着していた個体がその線量計が割り当てられた人ではなかったかどうかと(2)線量計を装着していた個体がその線量計が割り当てられた人であった確率を決定するために、個体についてのバイオメトリック署名を取得するために多数のモーションセンサによって測定された動作活動を分析する方法を実施するように構成された方法およびコンピュータを提供する。
【0235】
本発明の1つの実施形態において、集積センサモジュールのような線量計の1つまたはそれ以上のモーションセンサから取得された動作データは、個体を識別するために用いられるバイオメトリックデータの一種として機能し得る。モーションセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、エネルギーハーベスタなどのような種々のタイプのモーションセンサを含み得る。例えば、集積センサモジュールが割り当てられた各個体についての動作データを含む既存のデータベースがあってもよい。このデータベースは、集積センサモジュールを装着している各個体からの以前の動作データに基づいてか、またはデータベース内の各個体についてこのデータを作成するためにモーションセンサと共に他のデバイスを用いることによって、作成され得る。コンピュータは、集積センサモジュールの1つまたはそれ以上のモーションセンサによって取得された動作データをデータベース内の動作データと比較することによって、(1)個体の身元の決定(集積センサモジュールを装着している個体についての身元データが当該コンピュータに送信された動作データと一緒に送信されていない場合)または個体の身元の確認(集積センサモジュールを装着している個体についての身元データが当該コンピュータに送信された動作データと一緒に送信されている場合)を行い得、かつ、(2)単一の個体のみが集積センサモジュールを装着していたかどうかを決定し得る。個体の身元を決定する場合は、加速度計、ジャイロスコープ、またはエネルギーハーベスタのような多数のセンサからの動作データが、データベース内の複数の個体についての動作データと比較され、最もよく適合するものが見つけられ得る。個体の身元を確認する場合は、動作データが当該動作データに関連付けられた個体についての身元データを含んでおり、動作データは、データベース内の当該個体についての既存の動作データと照合される。
【0236】
本発明の1つの実施形態において、動作データは、線量計をそれが割り当てられた個体が装着していた確率(当該線量計をそれが割り当てられた参加者以外の誰かが装着していた確率に対して)を推定するために分析および使用され得る。データを線量計が個体によって装着されていたことまたは装着されていなかったことを示すものとして分類するようにコンピュータプログラムを訓練するために、管理された機械学習手法が用いられ得る。個体が線量計を装着していた確率を推定するために、管理されていない機械学習手法が用いられ得る。
【0237】
本発明の1つの実施形態において、動作データは、モーションセンサによって、個体の歩き方や個体の呼吸パターンや個体が有し得る任意の特徴的な動作に関わる癖のような、1日の全就業時間を通じた個体の動作活動パターンに基づいて生成され得る。これまでの研究により、動作活動を、立っている、座っている、または横になっているというような静的な姿勢と、歩く、走る、階段を登る、自転車に乗る、モータ付き車両を運転するというような動的な姿勢とで区別できることが実証されている。本発明の実施例では、個体は、仕事中は通常立っているかもしれず、あるいは、個体は、1日の特定の時間帯は立っていて1日の別の時間帯は座っているかもしれない。別の実施例では、個体は、線量計の通常の使用からのずれを特定するために利用できる振動または動作の特徴的パターンを有する機械類を操作するかもしれない。
【0238】
本発明の1つの実施形態においては、コンピュータが、集積センサモジュールの1つまたはそれ以上のモーションセンサによって取得された動作データと線量計にオンボードであるかまたは線量計のモーションセンサからの動作データを分析するために用いられるコンピュータの一部であるクロックからの時間データとに基づいて、個体が集積センサモジュールを装着していた時間の期間(1つまたは複数)を決定するように構成され得る。
【0239】
本発明の1つの実施形態においては、個々の参加者の動作活動パターンの特徴を特定する目的および動作活動を他の被曝事象と相関させる目的でセンサデータから情報を抽出するために、機械学習アルゴリズムが用いられ得る。
【実施例】
【0240】
本発明について、以下の限定されない実施例によって説明する。
【0241】
(実施例1)
参考として本明細書中に援用される、2010年8月17日付でRastegarらに発行された「IMPACT POWERED DEVICES」という名称の米国特許第7,777,396(B2)号には、センサデバイスが記載されており、このセンサデバイスは、機械的振動エネルギーを当該センサデバイスのワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するためのエネルギーハーベスタを備える。記載された実施形態は、ハウジングと、ハウジング上またはハウジング内に配置された被給電エレメント(powered element)と、ハウジング上またはハウジング内に収容され、被給電エレメントに作動的に接続され、ハウジングの少なくとも一部分が別の表面に衝突したときに電力を発生させる衝撃発電エレメント(impact power producing element)とを含む。このエネルギーハーベスタは、磁石およびコイルを用いる。
【0242】
(実施例2)
参考として本明細書中に援用される、2012年12月20日付で公開されたJosephらによる「BATTERY ASSEMBLY WITH KINETIC ENERGY-BASED RECHARGING」という名称の米国特許出願公開第2012/0319404(A1)号には、別のセンサデバイスが開示されており、このセンサデバイスは、機械的振動エネルギーを当該センサデバイスのワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するためのエネルギーハーベスタを備える。記載された実施形態は、振動させると再充電するように構成されたモバイル電子デバイスを含む。電子デバイスは、バッテリー収納部を有するハウジングと、バッテリー収納部内に位置決めされたバッテリーアセンブリとを含む。バッテリーアセンブリは、デバイスのバッテリー接点に接続された再充電可能な蓄電池を含む。バッテリーアセンブリは、再充電可能な蓄電池に接続された充電用アセンブリを含み、充電用アセンブリは、電子デバイスの振動運動中に作動して再充電可能な蓄電池に対して電流を出力する、運動エネルギーに基づく発電機を提供する。発電機は、(a)バレルと、(b)バレルの細長いチャンバの中に位置決めされ、デバイスが動く際に当該チャンバの内部で摺動する永久磁石と、(c)バレル外面に巻き付けられた導線のコイルとを含む。チャンバと発電機磁石とコイルを受けるバレル外面とはいずれも、運動エネルギーの収穫を向上させるために、非円形断面形状を有するかまたは非円筒形であり得る。このエネルギーハーベスタは、磁石およびコイルを有する設計である。
【0243】
(実施例3)
小型化可能で、かつ、例えば車両または貨物コンテナを含む別々の場所に設置されたセンサに電力供給するために使用可能な、代替のタイプのエネルギーハーベスタの一例として、2009年3月26日付で公開されたLohndorfらによる「FLUIDIC ELECTROSTATIC ENERGY HARVESTER」という名称の米国特許出願公開第2009/0080138(A1)号が挙げられ、参考として本明細書中に援用される。機械部品を動かすことなく作動する可変キャパシタが開示されている。このキャパシタにおいては、導電性電極が、導電性材料で満たされた密閉チャンバによって隔てられている。導電性材料は、当該チャンバの内部でその位置を自由に変化させることができる。デバイスの外部機械的運動(例えば、回転振動など)により導電性材料の位置が変わるにつれて、デバイスの静電容量が変化する。
【0244】
(実施例4)
高出力の有機膜ベースの光電池に基づくエネルギーハーベスタの一例として、2013年7月31日付で公開されたCarrollによる「PHOTOVOLTAIC CELL」という名称の欧州特許第2378581(B1)号が挙げられ、参考として本明細書中に援用される。
【0245】
(実施例5)
センサデバイスは、人体からの熱を当該センサデバイスのワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するための熱電対を有するエネルギーハーベスタを備える。参考として本明細書中に援用される、2013年11月28日付で公開されたCarrollによる「THERMOELECTRIC APPARATUS AND APPLICATIONS THEREOF」という名称の米国特許出願公開第2013/0312806(A1)号には、熱電装置と熱電装置の種々の用途とが開示されている。熱電装置は、少なくとも1つのn型層に結合されてpn接合を提供する少なくとも1つのp型層と、少なくとも部分的にp型層とn型層との間に配置された絶縁層とを含み、該p型層は複数のカーボンナノ粒子を含み、n型層は複数のnドープカーボンナノ粒子を含む。
【0246】
(実施例5)
センサデバイスは、高周波エネルギーを当該センサデバイスのワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するためのエネルギーハーベスタを備える。このエネルギーハーベスタは、エネルギー収集能および感度を最大化するために、衣服の布に組み込まれた高周波受信コイルを有する(参考として本明細書中に援用される、http://www.wfu.edu/nanotech/News.html において提供されている情報を参照のこと)。
【0247】
(実施例6)
センサデバイスは、太陽光(太陽エネルギー)、人工照明、またはレーザー光線を含む任意の源によって生成された光を当該センサデバイスのワイヤレスセンサに用いるのに適した電気エネルギーに変換するためのエネルギーハーベスタを備える。
【0248】
(実施例7)
機械的エネルギーハーベスタの追加の例として、以下が挙げられる。
【0249】
参考として本明細書中に援用される、2014年4月22日付でLemieuxに発行された「ELECTRICAL ENERGY GENERATOR」という名称の米国特許第8,704,387(B2)号には、長手方向軸と両端とを有するハウジングと、ハウジング内に位置決めされ、該長手方向軸の少なくとも一部分に沿って往復動可能な電磁的活性質量と、ハウジング内の導電性材料と、電磁的活性質量に係合した本体と、ハウジングの一端の少なくとも1つと本体の一端との間または本体の一端と導電性材料との間に位置決めされた少なくとも1つのばねとを含む電気エネルギー発電機が記載されている。
【0250】
参考として本明細書中に援用される、2014年3月18日付でLemieuxに発行された「ELECTRICAL ENERGY GENERATOR」という名称の米国特許第8,674,526(B2)号には、ハウジングと、ハウジング内に位置決めされた電磁的活性質量と、ハウジング内の導電性材料と、ハウジング内に位置決めされた本体であって、当該本体と電磁的活性質量とが相対移動する本体と、電磁的活性質量と本体とに復元力を付与する少なくとも1つのばねとを含む電気エネルギー発電機が記載されている。
【0251】
このため、開示された実施形態は概してセンサ用の電源に関する。より具体的には、本発明は、機械的振動、光、熱(例えば、身体、燃焼装置、または他の発熱する熱電対からの熱)、高周波、または他の形態のエネルギーを、小型のワイヤレス自律型デバイス、例えば、携帯用センサ、ウェアラブル電子デバイス、モーションセンサ、ワイヤレスセンサネットワーク、センサ対応ファブリック、および他のウェアラブル製品、携帯用製品、またはモバイル製品に用いるのに適した電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスタに関する。
【0252】
(実施例8)
個体の活動の特徴を特徴的な動作パターンに基づいて特定する(活動認識)ために利用できる情報を取得するために加速度計センサデータを使用することの一例が、Ravi N、Dandekar N、Mysore P、Liftman ML、「Activity Recognition from Accelerometer Data」、American Association for Artificial Intelligence、2005年(以下、「Raviら」といい、Raviらの
図3は、活動によって分類された加速度計データのグラフを示す)に記載されている。
【0253】
(実施例9)
個体の活動の特徴を特定するために使用され得る異なるタイプの情報を取得するために加速度計、音声マイクロホン、およびビデオカメラを含む多数のセンサを使用することの一例が、Casale P、Pujol O、Radeva P、「Human Activity Recognition from Accelerometer Data Using a Wearable Device」、LNCS、6669、289-296、2011年(以下、「Casaleら」という)に記載されている。Casaleらは、動作活動の特徴を特定するのに役立てるために、マイクロホンおよびビデオカメラ(音声と映像の後処理を伴う)を取り入れている。
【0254】
(実施例10)
個体を特徴的な歩行パターン(バイオメトリック歩行)に基づいて識別するために使用され得るバイオメトリック情報を取得するために加速度計センサデータを使用することの一例が、Gafurov D、Helkala K、Sondrol T、「Biometric Gait Authentication Using Accelerometer Sensor」、Journal of Computers、1(7):51-59、2006年(以下、「Gafurovら」という)に記載されている。Gafurovらは、参加者の脚に位置決めされた3軸加速度計から得られた加速度計変位データに対してヒストグラム類似度メトリック(histogram similarity metric)と周期長メトリック(cycle length metric)とを行うことによって異なる個体を区別することができることを実証している。
【0255】
(実施例11)
Mannini A、Sabatini AM、「Machine Learning Methods for Classifying Human Physical Activity from On-body Accelerometers」、Sensors、10:154-1175、2010年は、人間の動作活動を分類するために開発されてきた機械学習方法を見直したものである。下記の参考文献を参照されたい。
【0256】
(実施例12)
個体がそれによって移動している輸送方式を識別するために使用され得る動作情報を取得するために加速度計センサデータを使用することの一例が、Bedogni L、Di Felice M、Bononi L、「By Train or By Car? Detecting the User's Motion Type through Smartphone Sensors Data」、IEEE、2012年(以下、「Bedogniら」という)に記載されている。Bedogniらは、個体が歩行していたか、車を運転していたか、または電車に乗っていたかを決定するためにスマートフォンの加速度計データを使用することができることを実証している。このアプローチは、他のタイプのモータ付き車両の動作の特徴を特定するためにも用いることができる。1つの実施形態において、本発明は、輸送車両や貨物コンテナのような生きていない実体をモニタリングして有害物質の違法の疑いがある輸送または貯蔵をつきとめかつ防止するために用いられ得る。
【0257】
(実施例13)
図12は、線量計のモーションセンサのうちの1つである加速度計についての、x軸方向、y軸方向、およびz軸方向における加速度計変位対時間を表す例示のグラフを示す。ある人が活動していないかまたはその個体が線量計を装着していないときは、「活動なし」と表記した期間に示されているように、x軸方向、y軸方向、およびz軸方向における変位はないかまたは最小限である。「活動レベル1」と表記した期間中は、加速度計のx軸方向に沿った動作の方向に頻繁な変化があり、z軸方向に沿った動作の方向にやや頻繁な変化があり、z軸方向に沿った動作にはほとんど変化がない。「活動レベル2」と表記した期間においては、x軸方向、y軸方向、およびz軸方向に沿った動作の方向に中程度の量の変化がある。
【0258】
(実施例14)
図13、
図14、および
図15は、線量計のモーションセンサのうちの1つである加速度計についての、x軸方向、y軸方向、およびz軸方向における加速度計変位(加速度)対時間を表す例示のグラフを示す。
図13は、線量計を装着している個体が座っていて動作が最小限であるかまたは全くないときの加速度計の変位を示す。
図13においては、x軸方向、y軸方向、およびz軸方向における変位がないかまたは最小限である。
図14は、線量計を装着している個体が歩行しているときの加速度計の変位を示す。
図14においては、変位における頻繁な小さい振幅変化によって示されるように、3つの軸方向の全てに沿って小さい量の動作が生じている。
図15は、線量計を装着している個体が、動かずに立っていて、その後、両腕を動かし、その後、再び立っているときの加速度計の変位を示す。
図15において破線の楕円1512によって示される、個体が腕を動かしている期間中は、変位における頻繁な小さい振幅変化によって示されるように、3つの軸方向の全てに沿ってかなり大きな量の動作が生じている。
【0259】
開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムは、本明細書に記載の種々のプロセスに関連する情報を格納し得る。この情報は、開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムの1つまたはそれ以上のメモリ(例えば、ハードディスク、光学ディスク、光磁気ディスク、RAMなど)に格納され得る。開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムの1つまたはそれ以上のデータベースは、本発明の例示の実施形態を実行するために使用される情報を格納し得る。データベースは、本明細書中に列挙された1つまたはそれ以上のメモリまたはストレージデバイスに含まれるデータ構造(例えば、レコード、テーブル、アレイ、フィールド、グラフ、ツリー、リストなど)を用いて体系付けられ得る。開示された例示の実施形態に関して記載されたプロセスは、開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムのその1つまたはそれ以上のデータベースにおけるプロセスによって収集および/または生じたデータを格納するための適切なデータ構造を含み得る。
【0260】
開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムのすべてまたは一部は、コンピュータおよびソフトウェア分野における当業者によって理解されるように、本発明の例示の実施形態の教示にしたがってプログラミングされた1つまたはそれ以上の汎用コンピュータシステム、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラなどを用いて、好都合に実行され得る。適切なソフトウェアが、ソフトウェア分野における当業者によって理解されるように、例示の実施形態の教示に基づいて通常のスキルを有するプログラマにより容易に作製され得る。さらに、開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムは、電気分野における当業者によって理解されるように、特定用途向け集積回路の作製により、または従来の構成回路の適切なネットワークを相互接続することにより実行され得る。したがって、例示の実施形態は、ハードウェア電気回路構成および/またはソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されない。
【0261】
コンピュータ可読媒体の任意の1つまたは組合せに格納する場合、本発明の例示の実施形態は、開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムを制御するため;開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムを駆動するため;開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムをユーザーである人と相互作用することを可能とするため;などのソフトウェアを含み得る。このようなソフトウェアは、デバイスドライバ、ファームウエア、オペレーティングシステム、開発ツール、アプリケーションソフトウェアなどを含み得るが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読媒体はさらに、開示された例示の実施形態を実行する際に行われるプロセッシングの全部または一部(プロセッシングが分配される場合)を行うために、本発明の実施形態のコンピュータプログラム製品を含み得る。本発明の例示の実施形態のコンピュータコードデバイスは、任意の適切な解釈可能または実行可能なコードメカニズムを含み得、限定されないが、スクリプト、解釈可能なプログラム、ダイナミック・リンク・ライブラリー(DLL)、Javaクラスおよびアプレット、完全な実行可能プログラム、共通オブジェクトリクエストブローカアーキテクチャ(CORBA)オブジェクトなどが挙げられる。さらに、本発明の例示の実施形態のプロセッシングの一部は、より良好なパフォーマンス、信頼性、コストなどのために分配され得る。
【0262】
上記のように、開示された例示の実施形態のデバイスおよびサブシステムは、本発明の教示にしたがってプログラミングされた指令を保持し、かつ本明細書中に記載されたデータ構造、テーブル、レコードおよび/または他のデータを保持するためのコンピュータ可読媒体またはメモリを含み得る。コンピュータ可読媒体は、実行のためにプロセッサに指令を提供する際に関係する任意の適切な媒体を含み得る。このような媒体は、多くの形態を採り得、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、通信媒体などが挙げられる。不揮発性媒体としては、例えば、光学または磁気ディスク、光磁気ディスクなどが挙げられ得る。揮発性媒体としては、ダイナミックメモリなどが挙げられる。通信媒体としては、同軸ケーブル、銅線、光ファイバなどが挙げられる。通信媒体はまた、音波、光波、電磁波など(例えば、高周波(RF)通信、赤外(IR)データ通信などの間から発生するもの)の形態を採り得る。コンピュータ可読媒体の共通のフォーム(common form)としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の適切な磁気媒体、CD−ROM、CDRW、DVD、任意の他の適切な光学媒体、パンチカード、紙テープ、光学マークシート、孔または他の光学的に認識可能な印のパターンを有する任意の他の適切な物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、任意の他の適切なメモリチップまたはカートリッジ、搬送波、あるいはコンピュータが読取ることのできる任意の他の適切な媒体が挙げられ得る。
【0263】
本発明は、ある実施形態に対して参照を用いて開示されているが、記載された実施形態に対する多くの改変、代替および変更は、添付の特許請求の範囲に規定されるように本発明の精神および範囲から逸脱することなく可能である。したがって、本発明は記載された実施形態に限定されないが、本発明は以下の特許請求の範囲の言語により規定されたすべての範囲およびその均等物を有することが意図される。
【0264】
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【0265】
明細書中に示したすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献が、現在開示される主題が属する当業者のレベルを示す。すべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献が、各刊行物、特許出願、特許および他の参考文献が参考として援用されるように特別かつ個別に示されているかのように、本明細書中において同様の範囲にまで参考として援用される。多くの特許出願、特許および他の参考文献が本明細書中に言及されているが、このような言及はこれらの文書のいずれもが当該分野における共通の一般知識の一部を形成するとの自認を構成するものではないことが理解される。