特許第6494561号(P6494561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6494561ライニング装置及び既設管路のライニング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494561
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】ライニング装置及び既設管路のライニング方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/36 20060101AFI20190325BHJP
   F16L 55/162 20060101ALI20190325BHJP
   F16L 1/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   B29C63/36
   F16L55/162
   F16L1/00 K
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-85493(P2016-85493)
(22)【出願日】2016年4月21日
(65)【公開番号】特開2017-193130(P2017-193130A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2018年12月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510303132
【氏名又は名称】株式會社北海特車サービス
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】上島 栄男
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−523234(JP,A)
【文献】 特開2015−157406(JP,A)
【文献】 特開2008−265245(JP,A)
【文献】 特開2007−055251(JP,A)
【文献】 特開2008−000924(JP,A)
【文献】 特開2003−305773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/00−63/48
F16L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設管路の内周面を覆うための紫外線硬化型チューブと、前記紫外線硬化型チューブを反転させるための反転挿入機と、前記紫外線硬化型チューブを紫外線硬化させるための紫外線発光手段と、を備えたライニング装置であって、
前記反転挿入機は、前記紫外線硬化型チューブを収容する収容室を規定する挿入機本体を備え、前記紫外線硬化型チューブの一端部は、前記挿入機本体の導出部を通して導出された後に反転されて前記導出部の外周面に取り付けられ、
前記紫外線発光手段は、長手方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光ユニットと、前記複数の紫外線発光ユニットを電気的に接続する電気コードとを備え、前記複数の紫外線発光ユニットは、周方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光LEDを有し、前記紫外線発光手段の一端部が前記紫外線硬化型チューブの他端部に連結され、
前記挿入機本体の前記収容室に圧縮空気を供給すると、この圧縮空気の作用によって、前記紫外線硬化型チューブが反転されながら前記既設管路内に導出されてその内周面を覆い、前記紫外線硬化型チューブが更に導出されると、前記紫外線硬化型チューブの前記他端部の導出とともに前記紫外線発光手段の前記一端部が引き出され、前記紫外線発光手段の前記紫外線発光ユニットは、前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブ内を通して引き出され、前記紫外線硬化型チューブの導出が終了すると、前記紫外線発光手段は、前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたってその内側に位置付けられ、その後前記紫外線発光手段を発光させると、前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたって紫外線が同時に照射されることを特徴とするライニング装置。
【請求項2】
前記紫外線発光手段は、前記挿入機本体の前記収容室に収容され、前記紫外線硬化型チューブは前記収容室内の前記導出部側又は前記収容室の上部に配設され、前記紫外線発光手段は、前記収容室内の前記導出部とは反対側又は前記収容室の下部に配設されることを特徴とする請求項1に記載のライニング装置。
【請求項3】
前記紫外線発光手段に関連して戻しワイヤが設けられ、前記戻しワイヤの一端部が、前記紫外線硬化型チューブと前記紫外線発光手段との連結部又はこの連結部付近に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のライニング装置。
【請求項4】
前記紫外線発光手段に関連して戻しワイヤが設けられ、前記戻しワイヤは前記紫外線発光手段に内蔵されてその一端部から他端部まで延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載のライニング装置。
【請求項5】
紫外線硬化型チューブを反転させるための反転挿入機と、前記紫外線硬化型チューブを紫外線硬化させるための紫外線発光手段とを用いて既設管路の内周面にライニングを施す既設管路のライニング方法において、
前記紫外線硬化型チューブの一端部を前記反転挿入機の導出部を通して導出された後に反転させて前記導出部の外周面に取り付けるチューブ取付け工程と、前記反転挿入機に圧縮空気を供給して紫外線硬化型チューブを反転させながら前記既設管路内に導出させるチューブ反転導出工程と、前記チューブ反転導出工程の後に前記紫外線硬化型チューブの導出とともに紫外線発光手段をその径方向内側に位置するように引き出し、前記紫外線発光手段を前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたってその内側に位置付ける反転導出・引出し工程と、前記反転導出・引出し工程後に前記紫外線発光手段を発光させて紫外線により前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたって同時に硬化させて前記既設管路の内周面をライニングする紫外線硬化工程と、を含むことを特徴とする既設管路のライニング方法。
【請求項6】
前記紫外線発光手段は、長手方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光ユニットと、前記複数の紫外線発光ユニットを電気的に接続する電気コードとを備え、前記複数の紫外線発光ユニットは、周方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光LEDを有し、前記紫外線発光手段の一端部が前記紫外線硬化型チューブの他端部に連結されており、前記チューブ反転導出工程においては、前記紫外線硬化型チューブが圧縮空気の作用によって反転しながら前記既設管路内に導出され、前記反転導出・引出し工程においては、圧縮空気の作用による前記紫外線硬化型チューブの導出に伴って、前記紫外線発光手段が前記紫外線硬化型チューブの径方向内側に引き出され、前記複数の紫外線発光ユニットが前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたって間隔をおいて配置されることを特徴とする請求項5に記載の既設管路のライニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管路の内周面に紫外線硬化型チューブを覆うために用いるライニング装置及びライニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設管路の内周面に紫外線硬化型チューブで覆うライニング方法として、既設管路内に紫外線硬化型チューブ(以下、「チューブ」とも称する)を導入し(チューブ導入工程)、かく導入した状態でチューブ内に圧縮空気を送給してチューブを膨張させて既設管路の内周に密着させ(チューブ膨張工程)、次いで膨張したチューブ内にカメラ付きライトトレインを挿入移動させてチューブを調べ(チューブ調査工程)、その後カメラ付きライトトレインを取出し移動させながらチューブを紫外線硬化させる(紫外線硬化工程)方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このライニング方法においては、チューブ調査工程にて紫外線硬化型チューブを膨張させた状態でカメラ付きライトトレインを挿入する(このとき、紫外線ランプは点灯されない)ので、このカメラにより膨張したチューブの状態(例えば、既設管路内にきれいに密着しているか、チューブに破損、傷がないかなど)を確認することができる。また、紫外線硬化工程においては、紫外線ランプを点灯した状態にてカメラ付きライトトレインを取出し移動するので、この移動に伴い、チューブを紫外線硬化させて既設管路の内周面にライニングを施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3005208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のライニング方法では、次の通りの問題がある。第1に、既設管路内に紫外線硬化型チューブを導入し、次いで、かく導入した状態でチューブ内に圧縮空気を送給してチューブを膨張させ、次に、膨張したチューブ内にカメラ付きライトトレインを挿入移動させてチューブを調べ、その後カメラ付きライトトレインを取出し移動させながらチューブを紫外線硬化させるので、ライニングするための作業工程が多くて煩雑であるとともに、このライニング作業に時間を要するという問題がある。第2に、紫外線硬化工程においては、カメラ付きライトトレインを取出し移動させながら紫外線照射するために、この紫外線照射に時間を要するとともに、チューブ全体を紫外線により均一に照射するのが難しいという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、既設管路の内周面に比較的簡単にチューブのラインイングを施すことができるライニング装置を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、比較的簡単な作業で且つ比較的短時間でチューブのライニングを施すことができる既設管路のライニング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載のライニング装置は、既設管路の内周面を覆うための紫外線硬化型チューブと、前記紫外線硬化型チューブを反転させるための反転挿入機と、前記紫外線硬化型チューブを紫外線硬化させるための紫外線発光手段と、を備えたライニング装置であって、
前記反転挿入機は、前記紫外線硬化型チューブを収容する収容室を規定する挿入機本体を備え、前記紫外線硬化型チューブの一端部は、前記挿入機本体の導出部を通して導出された後に反転されて前記導出部の外周面に取り付けられ、
前記紫外線発光手段は、長手方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光ユニットと、前記複数の紫外線発光ユニットを電気的に接続する電気コードとを備え、前記複数の紫外線発光ユニットは、周方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光LEDを有し、前記紫外線発光手段の一端部が前記紫外線硬化型チューブの他端部に連結され、
前記挿入機本体の前記収容室に圧縮空気を供給すると、この圧縮空気の作用によって、前記紫外線硬化型チューブが反転されながら前記既設管路内に導出されてその内周面を覆い、前記紫外線硬化型チューブが更に導出されると、前記紫外線硬化型チューブの前記他端部の導出とともに前記紫外線発光手段の前記一端部が引き出され、前記紫外線発光手段の前記紫外線発光ユニットは、前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブ内を通して引き出され、前記紫外線硬化型チューブの導出が終了すると、前記紫外線発光手段は、前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたってその内側に位置付けられ、その後前記紫外線発光手段を発光させると、前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたって紫外線が同時に照射されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載のライニング装置では、前記紫外線発光手段は、前記挿入機本体の前記収容室に収容され、前記紫外線硬化型チューブは前記収容室内の前記導出部側又は前記収容室の上部に配設され、前記紫外線発光手段は、前記収容室内の前記導出部とは反対側又は前記収容室の下部に配設されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載のライニング装置では、前記紫外線発光手段に関連して戻しワイヤが設けられ、前記戻しワイヤの一端部が、前記紫外線硬化型チューブと前記紫外線発光手段との連結部又はこの連結部付近に連結されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載のライニング装置では、前記紫外線発光手段に関連して戻しワイヤが設けられ、前記戻しワイヤは前記紫外線発光手段に内蔵されてその一端部から他端部まで延びていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の既設管路のライニング方法は、紫外線硬化型チューブを反転させるための反転挿入機と、前記紫外線硬化型チューブを紫外線硬化させるための紫外線発光手段とを用いて既設管路の内周面にライニングを施す既設管路のライニング方法において、
前記紫外線硬化型チューブの一端部を前記反転挿入機の導出部を通して導出された後に反転させて前記導出部の外周面に取り付けるチューブ取付け工程と、前記反転挿入機に圧縮空気を供給して紫外線硬化型チューブを反転させながら前記既設管路内に導出させるチューブ反転導出工程と、前記チューブ反転導出工程の後に前記紫外線硬化型チューブの導出とともに紫外線発光手段をその径方向内側に位置するように引き出し、前記紫外線発光手段を前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたってその内側に位置付ける反転導出・引出し工程と、前記反転導出・引出し工程後に前記紫外線発光手段を発光させて紫外線により前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたって同時に硬化させて前記既設管路の内周面をライニングする紫外線硬化工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
更に、本発明の請求項6に記載の既設管路のライニング方法では、前記紫外線発光手段は、長手方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光ユニットと、前記複数の紫外線発光ユニットを電気的に接続する電気コードとを備え、前記複数の紫外線発光ユニットは、周方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光LEDを有し、前記紫外線発光手段の一端部が前記紫外線硬化型チューブの他端部に連結されており、前記チューブ反転導出工程においては、前記紫外線硬化型チューブが圧縮空気の作用によって反転しながら前記既設管路内に導出され、前記反転導出・引出し工程においては、圧縮空気の作用による前記紫外線硬化型チューブの導出に伴って、前記紫外線発光手段が前記紫外線硬化型チューブの径方向内側に引き出され、前記複数の紫外線発光ユニットが前記既設管路の内周面を覆う前記紫外線硬化型チューブの全長にわたって間隔をおいて配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載のライニング装置によれば、反転挿入機は、紫外線硬化型チューブを収容する収容室を規定する挿入機本体を備え、紫外線硬化型チューブの一端部は、挿入機本体の導出部を通して導出された後に反転されてこの導出部の外周面に取り付けられ、また紫外線発光手段は、周方向に複数の紫外線発光LEDを有する複数の紫外線発光ユニットを備え、この紫外線発光手段の一端部が紫外線硬化型チューブの他端部に連結されている。
【0015】
このようなライニング装置を用いてライニングを施すときには、挿入機本体の収容室に圧縮空気を供給して紫外線硬化型チューブを反転されながら既設管路内に導出させ、この紫外線硬化型チューブを更に導出させると、紫外線硬化型チューブの導出に伴い紫外線発光手段が引き出され、引き出された紫外線発光手段の複数の紫外線発光ユニットは、既設管路の内周面を覆う紫外線硬化型チューブ内を通して引き出されるので、圧縮空気により紫外線硬化型チューブを所要の通りに反転させながら導出するという比較的簡単な作業でもってこのチューブを既設管路の内周面に密着させるとともに、このチューブの径方向内側に紫外線発光手段を位置付けることができる。そして、このような状態においては、紫外線発光手段が既設管路の内周面を覆う紫外線硬化型チューブの全長にわたってその内側に位置するので、紫外線発光手段を発光させると、紫外線発光手段からの紫外線を既設管路の内周面を覆うこのチューブの全長にわたって同時に照射させて硬化させてライニングすることができる。また、この照射の際には、紫外線発光手段を移動させることなく行うことができるために、紫外線硬化のための照射時間を短くすることができるとともに、チューブの長手方向に実質上均一に照射して照射ムラを少なくすることができる。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載のライニング装置によれば、紫外線硬化型チューブは挿入機本体の収容室内の導出部側(又は収容室の上部)に配設され、紫外線発光手段は、この収容室内の導出部とは反対側(又は収容室の下部)に配設されるので、圧縮空気の作用によって、紫外線硬化チューブを既設管路内に導出し、その後この導出に伴い紫外線発光手段を所要の通りに既設管路内に引き出すことができる。
【0017】
また、本発明の請求項3に記載のライニング装置によれば、紫外線発光手段に関連して設けられた戻しワイヤの一端部が紫外線硬化型チューブと紫外線発光手段との連結部(又はこの連結部付近)に連結されているので、紫外線発光手段に大きな負荷が作用することなくこの紫外線発光手段を挿入移動させ、また紫外線照射後に戻し移動させることができる。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載のライニング装置によれば、紫外線発光手段に関連して設けられた戻しワイヤが紫外線発光手段に内蔵されてその一端部から他端部まで延びているので、このように構成しても紫外線発光手段に大きな負荷が作用することなくこの紫外線発光手段を挿入移動させ、また紫外線照射後に戻し移動させることができる。
【0019】
また、本発明の請求項5に記載の既設管路のライニング方法によれば、紫外線硬化型チューブの一端部を反転挿入機の導出部を通して導出された後に反転させて導出部の外周面に取り付け、反転挿入機に圧縮空気を供給して紫外線硬化型チューブを反転させながら既設管路内に導出させ、更に紫外線硬化型チューブの導出とともに紫外線発光手段をその径方向内側に位置させ、このようにチューブを既設管路内に反転させながら導出するという比較的簡単な作業でもって、既設管路の内周面にこのチューブを密着させるとともに、密着させたチューブの径方向内側に紫外線発光手段を位置付けることができる。
【0020】
また、このように導出させた状態では、紫外線発光手段が既設管路の内周面を覆う紫外線硬化型チューブの全長にわたってその内側に位置付けられるので、紫外線発光手段を発光させることにより、既設管路の内周面を覆う紫外線硬化型チューブの全長にわたって同時に硬化させてライニングすることができ、これにより、紫外線硬化のための照射時間を短くすることができるとともに、チューブの長手方向に実質上均一に照射することができる。
【0021】
更に、本発明の請求項6に記載の既設管路のライニング方法によれば、紫外線発光手段は電気コードにより電気的に接続された複数の紫外線発光ユニットを備え、各紫外線発光ユニットは周方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光LEDを有し、紫外線発光手段の一端部が紫外線硬化型チューブの他端部に連結されているので、圧縮空気の作用によって紫外線硬化型チューブを反転させながら既設管路内に導出させると、その導出に伴って、紫外線発光手段が既設管路内に引き出され、これによって、紫外線発光手段の複数の紫外線発光ユニットを既設管路の内周面を覆う紫外線硬化型チューブの径方向内側にてその全長にわたって長手方向に間隔をおいて配置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に従うラインイング装置の一実施形態における反転挿入機を示す斜視図。
図2図1の反転挿入機を一部切り欠いて示す断面図。
図3図1の反転挿入機内に紫外線硬化型チューブ及び紫外線発光手段を収容した様態を示す断面図。
図4図3に示す紫外線発光手段における紫外線発光ユニット及びその周辺を拡大して示す部分拡大図。
図5図1の反転挿入機を用いたライニング作業のチューブ取付け工程を説明するための簡略図。
図6】ライニング作業におけるチューブ反転導出工程を説明するための簡略図。
図7】ライニング作業における反転導出・引出し工程を説明するための簡略図。
図8】ライニング作業における紫外線硬化工程を説明するための簡略図。
図9】ライニング作業における発光手段戻し工程を説明するための簡略図。
図10】反転挿入機の変形形態を示す断面図。
図11図10に示す紫外線発光手段における紫外線発光ユニット及びその周辺を拡大して示す部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うライニング装置及び既設管路のライニング方法について説明する。図1から図3において、図示のライニング装置は、図3に示すように、既設管路P(図5参照)(例えば、配管などにより構成される)の内周面をライニングする紫外線硬化型チューブ2と、この紫外線硬化型チューブ2を紫外線硬化させるための紫外線発光手段4と、紫外線硬化型チューブ2及び紫外線発光手段4を収容する反転挿入機6とを備えている。
【0024】
まず、図1図3を参照して、反転挿入機6について説明すると、図示の反転挿入機6は、収容室8を規定する挿入機本体10を備え、この挿入機本体10の一端側に導出開口12が設けられている。この導出開口12を規定する開口部14には導出接続部材16が取り付けられ、この導出接続部材16の先端部に導出案内部材18(図5参照)が接続され、この導出案内部材18の先端部に径方向外方に突出する環状取付フランジ20が設けられ、この形態では、導出接続部材16及び導出案内部材18が挿入機本体10の導出部を構成している。尚、導出接続部材16と導出案内部材18とを導出案内部材として一体的に構成するようにしてもよく、この場合、導出案内部材が挿入機本体10の開口部14に接続される。
【0025】
この挿入機本体10には、容易に移動させることができるように、前輪手段22及び後輪手段24が設けられている。前輪手段22は、挿入機本体10の前部に固定された前取付部材26を備え、この前取付部材26の両端部下面に一対の前キャスタ28が取り付けられ、各キャスタ28は回転自在に装着された車輪30を有している。また、後輪手段24は、挿入機本体10の後部に固定された後取付部材32を備え、この後取付部材32の両端部下面に一対の後キャスタ34が取り付けられ、各キャスタ34は回転自在に装着された車輪36を有している。尚、反転挿入機6を地面に単に設置して用いるなどの場合、移動のための前輪手段22及び後輪手段24を省略することができる。
【0026】
また、この挿入機本体10の上部には、矩形状の収容開口部38が設けられている。収容開口部38は上方に突出しており、この収容開口部38の上面に開閉蓋40が開閉自在に取り付けられている。開閉蓋40の一側部は複数(この形態では、三つ)の蝶番42により開閉自在に取り付けられ、その他端側には複数(この形態では、4つ)のロックレバー44が回動自在に装着されている。各ロックレバー44に対応して、挿入機本体10には係合受部46が設けられ、ロックレバー44を所定方向に回動させてその一部を係合受部46内に位置付けるとロック状態となり、このようにロック状態とすることにより、挿入機本体10の収容開口部38を開閉蓋40により閉塞されて閉状態に保持することができる。また、ロックレバー44を所定方向と反対方向に回動させて係合受部46から離脱させるとロック解除状態となり、このロック解除状態において、ロックレバー44を上方に持ち上げることにより、蝶番42を中心として開閉扉40を上方に回動してこの収容開口部38を開放することができる。
【0027】
挿入機本体10の前部には、収容室8に連通する流入管48が設けられ、流入管48は、空気ライン50(例えば、空気チューブから構成される)を介してコンプレッサ52に接続されている。従って、コンプレッサ52からの圧縮空気は、後述するように、空気ライン50を通して挿入機本体10の収容室8内に供給される。
【0028】
この挿入機本体10の収容室8内には、図3に示すように、紫外線硬化型チューブ2及び紫外線発光手段4が収容される。紫外線硬化型チューブ2は、透明な樹脂材料から形成され、例えば、紫外線硬化型の樹脂材料から形成されたチューブ、或いはこのような紫外線硬化型の樹脂材料から形成されたスリーブを有するチューブから構成される。この紫外線硬化型チューブ2は、折り畳むようにした状態でこの収容室8の前部(導出接続部材16側)に収容され、その一端部は、導出開口12から導出接続部材16及び導出案内部材18を通して外側に導かれる。そして、ライニングを施す際には、図5に示すように、導出案内部材16から導出された後に反転されてその先端部の外周面に、具体的にはその先端部の環状取付フランジ20に係止するように取り付けられる。
【0029】
図3及び図4に参照して、紫外線発光手段4は、長手方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光ユニット56と、これら紫外線発光ユニット56を電気的に接続する電気コード54とを備えている。この紫外線発光手段4の先端部にはカメラユニット58が設けられている。このカメラユニット58は、周囲の画像情報を得るための画像センサ(図示せず)(例えば、CCDなどを用いることができる)を備え、この画像センサからの画像信号が信号伝達コード60を通して画像処理手段(図示せず)に送られて所用の通りに画像処理される。隣接する紫外線発光ユニット56は保護チューブ62を介して接続され、紫外線発光ユニット56間を接続する電気コード54は、この保護チューブ62内に配設されて保護され、また画像センサからの信号伝達コード60は、保護チューブ62及び紫外線発光ユニット56内を通して画像処理手段(図示せず)に導かれる。
【0030】
尚、この実施形態では、カメラユニット56に画像センサを設けているが、このような構成に代えて、カメラユニット58に受光部を設け、この受光部にて受光した光を光ファイバを通して画像センサに導き、この画像センサの画像信号を所要の通りに処理するようにしてもよい。
【0031】
この紫外線発光手段4は、折り畳むようにした状態で又は巻くようにした状態で挿入機本体10の収容室8の後部(導出接続部材16と反対側)に収容され、その一端部は接続手段64を介して紫外線硬化型チューブ2の他端部に接続され、このように接続することにより、このチューブ2がある程度導出された後においては、このチューブ2の導出移動に伴い、紫外線発光手段4(電気コード54及び紫外線発光ユニット56)もともに導出され、このチューブ2の他端部の導出とともにこれに連結された紫外線発光手段4の一端部が導出される。
【0032】
紫外線発光手段4の他端部は、挿入機本体10の後壁66に取り付けられたコネクタ68(図3参照)に電気的に接続され、外部電源70からの電力が電気接続コード72を介してこのコネクタ68に電気的に接続される。従って、外部電源70からの電力は電気接続コード72及びコネクタ68を介して紫外線発光手段4に供給される。
【0033】
次に、主として図4を参照して、紫外線発光手段4の紫外線発光ユニット56について説明する。複数の紫外線発光ユニット56は、実質上同一の構成であり、以下その一つについて説明する。図示の紫外線発光ユニット56は、ユニットハウジング74を備えている。ユニットハウジング74は、長手方向中央部から両端部に向けて外径が漸減しており、このような形状に構成することにより、紫外線発光ユニット56の既設管路P内への挿入移動及び戻し移動が容易となる。このユニットハウジング74の両端部には保護チューブ62が接続され、隣接する紫外線発光ユニット56間を延びる電気コード54及び信号伝達コード60は、この保護チューブ62により覆われる。
【0034】
このユニットハウジング74には、その片側部(図4において左部)及び他側部(図4において右部)に周方向に間隔をおいて複数(例えば、6つ)の収容凹部が設けられ、各収容凹部に紫外線発光LED76が配設されている。各紫外線発光LED76は透明保護レンズ78で覆われ、紫外線発光LED76からの紫外線は、この透明保護レンズ78を通して後述するように紫外線硬化型チューブ2を照射する。
【0035】
この形態では、ユニットハウジング74の片側部の複数の紫外線発光LED76とその他側部の複数の紫外線発光LED76とが周方向に千鳥状に配置されており、このように配置することによって、紫外線発光ユニット56からの紫外線を比較的広範囲にわたって実質上均一に照射することができる。
【0036】
この形態では、図2及び図3に示すように、挿入機本体10の収容室8の前端部(即ち、導出開口12付近)に導出案内ローラ80が配設されている。挿入機本体10の内面には取付軸82を介して一対の支持アーム84が固定され、かかる支持アーム84間に支持軸86を介して導出案内ローラ80が回転自在に装着されている。このように構成されているので、紫外線硬化型チューブ2及び紫外線発光手段4は、この導出案内ローラ80の上側を通して後述するように導出される。
【0037】
また、紫外線発光手段4に関連して、更に、戻しワイヤ90が設けられている。この戻しワイヤ90は、例えば金属製ワイヤ、ロープなどから構成され、その先端側は、紫外線硬化型チューブ2と紫外線発光手段4との連結部又はこの連結部付近、例えば接続手段64に連結される。
【0038】
挿入機本体10の後壁66の外面には、巻取り手段92が取り付けられている。この巻取り手段92は、後壁66に取り付けられた装置本体94と、この装置本体94に回転自在に支持された巻取りローラ96と、巻取りローラ96を回動させるためのハンドル98とを備え、戻しワイヤ90の後端側は、挿入機本体10の後壁66に設けられた導出部材100を通して外部に導出された後に、この巻取り手段92の巻取りローラ96に巻かれる。従って、このハンドル98を巻取り方向に回動させると、戻しワイヤ90が巻取りローラ96に巻き取られ、この戻しワイヤ90に引っ張られて紫外線発光手段4が戻し方向に移動される。
【0039】
次に、主として図3及び図4とともに、図5図9を参照して、上述したライニング装置を用いたライニング作業について説明する。既設管路Pにライニングを行うには、例えば、図5に示すように、反転挿入機6の収容室8の前部に紫外線硬化型チューブ2を収容し、その後部に紫外線発光手段4を収容する。そして、紫外線発光手段4と紫外線硬化型チューブ2とを接続手段64を介して連結し、また紫外線発光手段4をコネクタ68に電気的に接続する。
【0040】
次いで、紫外線硬化型チューブ2及び紫外線発光手段4を収容したチューブ反転挿入機6を出発側竪坑106に近づけ、この反転挿入機6の導出接続部材16の先端部に導出案内部材18を接続し、挿入機本体10内の紫外線硬化型チューブ2を導出接続部材16及び導出案内部材18を通して外側に引出し、その先端部を反転させて環状取付フランジ20に取り付ける(チューブ取付け工程)。このようにすると、反転挿入機6の導出部(即ち、導出接続部材16及び導出案内部材18)は、出発側竪坑106内を下方に延び、その先端部(即ち、紫外線硬化型チューブ2を反転させて取り付けた部位)が既設管路Pの開口に対向するように位置付けされる。
【0041】
このように位置付けた状態において、コンプレッサ52を作動させて圧縮空気を空気ライン50及び流入管48を通して反転挿入機6の収容室8に供給する。かくすると、図5に示すように、この圧縮空気が反転挿入機6の導出部(導出接続部材16及び導出案内部材18)を先端側に流れ、この圧縮空気の作用によって、紫外線硬化型チューブ2は、その先端側から反転しながら引き出され、このチューブ2の引き出された部分2aは、既設管路)の内周面に密着保持される(チューブ反転導出工程)。
【0042】
このようにしてコンプレッサ52からの圧縮空気を供給し続けると、図7に示すように、この圧縮空気の作用によって、紫外線硬化型チューブ2が更に引き出され、このチューブ2の引き出しに伴って接続手段68を介して紫外線発光手段4が反転挿入機6の導出部(導出接続部材16及び導出案内部材18)を通して引き出され、この紫外線発光手段4が出発側竪坑106から到達側竪坑108に向けて既設管路P内を挿入移動される(反転導出・引出し工程)。尚、戻しワイヤ90も接続手段68に接続されていることから、接続手段68を介しての紫外線発光手段4の挿入移動に伴い、この戻しワイヤ90も到達側竪坑108に向けて挿入移動される。
【0043】
この挿入移動の際には、紫外線発光手段4の一端部に配設されたカメラユニット58が接続手段64の後方を移動するので、このカメラユニット58のCCD画像センサ(図示せず)は、紫外線硬化型チューブ2が密着された既設管路Pの内周面の画像情報を取得するようになり、従って、画像センサからの画像情報を見ることにより、既設管路Pの内周面の状態、紫外線硬化型チューブ2の既設管路Pへの密着状態などを確認することができる。
【0044】
このようにして紫外線硬化型チューブ2が反転されながらその他端部が既設管路Pを通して到達側竪坑108まで到達すると、図8に示す状態となり、上述した反転導出・引出し工程が終了する。この状態においては、挿入機本体10から紫外線硬化型チューブ2が引き出され、その引き出された部分2aは、出発側竪坑106と到達側竪坑108とを連通する既設管路Pの全長にわたってその内周面に密着して覆った状態となる。また、紫外線発光手段4の複数の紫外線発光ユニット56は、この既設管路Pの実質上全長にわたってその長手方向に所定間隔をおいて配置される。このように圧縮空気を用いて紫外線硬化型チューブ2を反転させながら既設管路Pに導出させることにより、紫外線発光手段4を既設管路P内に、即ち既設管路Pの内周面に密着するチューブ2の径方向内側に位置付けることができる。
【0045】
そして、このように紫外線硬化型チューブ2を既設管路Pの内周面に密着させた状態において、コネクタ68を通して紫外線発光手段4の複数の紫外線発光ユニット56に電力を供給して複数の紫外線発光LED76を点灯させる(紫外線硬化工程)。かくすると、複数の紫外線発光ユニット56の複数の紫外線発光LED76が既設管路Pの内周面に密着した紫外線硬化型チューブ2をその周方向及び長さ方向において実質上均一に照射し、この紫外線発光手段4から発光される紫外線によって、紫外線硬化型チューブ2が硬化し、このようにして既設管路Pの内周面にラインニングを所要の通りに施すことができる。この紫外線照射の際には、紫外線発光手段4を紫外線硬化型スリーブ2の長手方向に移動させる必要はなく、従って、比較的短い照射時間でもって一度に紫外線硬化させることができる。
【0046】
紫外線硬化型チューブ2を紫外線硬化させた後、紫外線発光手段4(即ち、複数の紫外線発光LED76)の発光を停止させ、更に、図9に示すように、コンプレッサ50による圧縮空気の供給を停止させる。その後、到達側竪坑108内に突出する紫外線硬化型チューブ2の一部、既設管路Pから突出して接続手段64に至る部位を切断して取り除き、かく取り除いた状態で戻しワイヤ90を引き戻す。即ち、巻取り手段92のハンドル98(図1及び図2参照)を巻取り方向に回動して戻しワイヤ90を巻取りローラ98に巻き取り、既設管路Pを通して出発側竪坑106に引き戻す。このように巻き取ると、紫外線発光手段4が挿入機本体10の導出部(導出接続部材16及び導出案内部材18)を通して収容室8内に戻される。
【0047】
この引き戻しの際、紫外線発光手段4におけるカメラユニット58の画像センサ(図示せず)は、既設管路Pの内周面にライニングされた紫外線硬化型チューブ2(2a)の画像情報を取得するようになり、従って、画像センサからの画像情報を見ることにより、紫外線硬化型チューブ2の既設管路Pへのライニング状態などを確認することができる。
【0048】
上述した実施形態では、紫外線発光手段の戻し移動を手動で行っているが、例えば、図10及び図11に示すようにして紫外線発光手段を自動的に戻し移動させるようにしてもよい。図10及び図11において、この変形形態では、反転挿入機6Aの挿入機本体10Aの後部に巻取りローラ122が回転自在に支持され、この巻取りローラ122に紫外線発光手段4Aが巻かれる。この巻取りローラ122は、電動モータの如き駆動源124に駆動連結され、駆動源124が巻取り方向に駆動されると、紫外線発光手段4は、図10に示すように巻取りローラ122に巻き取られる。
【0049】
図示の紫外線発光手段4Aの基本的構成は、上述した実施形態と実質上同一であり、長手方向に間隔をおいて配設された複数の紫外線発光ユニット56Aと、これら紫外線発光ユニット56Aを電気的に接続する電気コード54とを備え、各紫外線発光ユニット56Aのユニットハウジング74には、周方向に間隔をおいて複数の紫外線発光LED76が2列に配設され、各紫外線発光LED76は透明保護レンズ78により覆われている。
【0050】
この紫外線発光手段4Aの先端部には、上述したと同様にカメラユニット58が設けられ、カメラユニット58の画像センサ(図示せず)からの画像信号が信号伝達コード60を通して画像処理手段(図示せず)に送られるように構成され、電気コード54及び信号伝達コード60が保護チューブ62により覆われている。
【0051】
この変形形態では、紫外線発光手段4Aに関連して、更に、戻しワイヤ90Aが設けられ、かかる戻しワイヤ90Aが紫外線発光手段4Aに内蔵されている。戻しワイヤ90Aは、一端部(カメラユニット58が設けられた端部)から他端部(巻取りローラ122に連結された端部)まで紫外線発光手段4A(紫外線発光ユニット56A及び保護チューブ62A)内を通して延びている。この変形形態における反転挿入機6Aのその他の構成は、上述した実施形態と実質上同一である。
【0052】
このライニング装置においても、紫外線硬化型チューブ2の他端部と紫外線発光手段4Aの先端部とが接続手段64を介して連結される。従って、上述したようにして圧縮空気を利用して紫外線硬化型チューブ2を導出するときには、この導出に伴って紫外線発光手段4Aを既設管路内に引き出すことができ、このとき、紫外線発光手段4Aの引出しに伴い巻取りローラ122が導出する方向に従動される。
【0053】
また、上述したように既設管路Pの内周面にライニングを施した後、電動モータ124を作動させて巻取りローラ122を巻取り方向に回動させると、戻しワイヤ90Aによって紫外線発光手段4Aが戻し方向に引き戻されて巻取りローラ122に所要の通りに巻き取られ、このように構成した場合においても、ライニング作業の終了の後に紫外線発光手段4Aを上述したと略同様にして挿入機本体10Aの収容室8内に引き戻して収容することができ、その引戻しを自動的に行うことができる。
【0054】
尚、この実施形態においては、巻取りローラ122を挿入機本体10A内に設け、紫外線発光手段4Aを挿入機本体10A内に巻取り収容する構成であるが、このような構成に代えて、この巻取りローラ122を挿入機本体10Aの後側に取付け、巻取りローラ122に巻かれた紫外線発光手段4Aを挿入機本体10A内に導いて紫外線硬化型チューブ2の他端部に連結するようにしてもよい。
【0055】
以上、本発明に従うライニング装置(及び既設管路のライニング方法)の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0056】
例えば、上述した実施形態では、挿入機本体10の収容室8の前部(導出接続部材16側)に紫外線硬化型チューブ2を収容し、その後部に紫外線発光手段4を収容しているが、このような構成に代えて、この収容室8の下部に紫外線発光手段4を収容し、その上部(即ち、収容した紫外線発光手段4の上側)に紫外線硬化型チューブ2を収容するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
2 紫外線硬化型チューブ
4,4A 紫外線発光手段
6,6A 反転挿入機
8 収容室
10,10A 挿入機本体
56,56A 紫外線発光ユニット
58 カメラユニット
62 保護チューブ
74 紫外線発光LED
90,90A 戻しワイヤ
92 巻取り手段
106 出発側竪坑
108 到達側竪坑
P 既設管路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11