特許第6494611号(P6494611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494611
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】組成物の混合物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20190325BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20190325BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 8/97 20170101ALI20190325BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20190325BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20190325BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   A23L27/00 E
   A61K8/60
   A61Q13/00 101
   A61K8/97
   A61K8/73
   A61K8/35
   A61K8/49
   A61Q11/00
   C11B9/00 E
【請求項の数】12
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-522036(P2016-522036)
(86)(22)【出願日】2014年10月26日
(65)【公表番号】特表2016-537317(P2016-537317A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】EP2014072928
(87)【国際公開番号】WO2015062998
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2017年9月19日
(31)【優先権主張番号】13191008.5
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100168631
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康匡
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】クランマー ゲルハルド
(72)【発明者】
【氏名】グラウビッツ ゲラルド
(72)【発明者】
【氏名】リース トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レイ ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】パエツ スーザン
【審査官】 田名部 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−271836(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/128775(WO,A1)
【文献】 特表2009−502153(JP,A)
【文献】 特表2009−523407(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02340719(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 27/00 − 27/60
A61K 8/00 − 8/99
A61Q 11/00 − 11/02
A61Q 13/00
C11B 9/00 − 9/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ステビオールグリコシドと、
(b)デンプン分解製品と、
(c)ヘスペレチン、フロレチン、1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン、7,3−ジヒドロキシ−4'−メトキシフラバン及び5−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−7−メトキシ−2−クロマノンから構成される群から選択される1以上の甘味を増強するフェノール性芳香物質と
を含む物質混合物であって、
前記デンプン分解製品(b)は、デキストリン又はマルトデキストリンであり、
(a+b)及び(c)の成分の重量比は、1:99から99:1である、前記混合物
【請求項2】
前記ステビオールグリコシド(a)は、2から6のグルコース単位を有する、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
前記ステビオールグリコシド(a)は、
(a1)30〜50重量%のレバウディオサイドAと、
(a2)5〜10重量%のレバウディオサイドBと、
(a3)5〜10重量%のレバウディオサイドCと、
(a4)20〜30重量%のレバウディオサイドDと、
(a5)15〜25重量%ステビオサイドと、
(a6)1〜5重量%のステビオールビオシドと、
を、全体量が100%になるように含有する、請求項1に記載の混合物。
【請求項4】
前記成分(a)および(b)を60:40から90:10の間の重量比で含有する、請求項1に記載の混合物。
【請求項5】
請求項1に記載の混合物を含有する、経口摂取の調製品
【請求項6】
請求項1に記載の混合物を0.00001から2重量%の割合で含有する、請求項に記載の調製品
【請求項7】
ベーカリー製品、菓子類、アルコール系またはノンアルコール系飲料、果実または野菜ジュース調製品、即席飲料、肉製品、卵または卵製品、シリアル製品、乳製品、大豆タンパク質または他の大豆タンパク質画分から製造した製品、他の植物タンパクから製造した製品、野菜調製品、スナック物品、油脂をベースとする製品またはそのエマルション、他の直ぐに食することができる食事及びスープ、スパイス、スパイス混合物および特に調味料の群から選択される、請求項に記載の調製品
【請求項8】
前記調製品は、口腔ケア及び歯のケアに関する組成物、マウスウォッシュ及びチューイングガムからなる群から選択される、請求項に記載の調製品
【請求項9】
更に、甘味料、食物酸、酸度調整剤、増粘剤、更なる芳香物質を含む、請求項に記載の調製品
【請求項10】
経口摂取用の調製品の食味を向上させる方法であって、前記調製品に対し、0.0001から2重量%の割合で請求項1に記載の混合物を添加することを含む前記方法
【請求項11】
経口摂取用の調製品のため芳香物質としての、請求項1に記載の混合物の使用。
【請求項12】
他の芳香物質に対する溶解性向上剤としての、請求項1に記載の混合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品分野に属し、特に、第1に甘味の活動が改善されたアロマ物質であり、同時に、完成製品において他の香料物質との溶解性が改善された、新規な混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ステビアはステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)の葉から抽出され、複数のステビオールグリコシドの複合混合物である。ステビア抽出物はノンカロリー甘味料として使用されており、浄化されたステビアの甘味は、砂糖の450倍である。ステビアの木は、南米を原産としており、ステビアの甘味は古くから原住民の間で広く知られていた。現在、ステビアの木は日本及び中国でも広く栽培されている。ヨーロッパにおいては、2011年にステビアの食物添加剤としての使用が認可され(E960)、現在でも砂糖が含有されている製品のうち、多くても30がステビアに代替可能である。
【0003】
先行技術においても、ステビオールグリコシドを甘味料として含有する製品は知られていた。同様に、濃縮法によってステビオサイドの含有量を増やし、工程において、それぞれのイソマーを濃縮する方法も知られている。例えば、国際公開第2012/112180号、国際公開第2012/128775号、国際公開2012/129451号(Pure Circle社)では、レバウディオサイド及びステビオサイドの混合物、並びに混合物が甘味料として使用されている旨が開示されている。
【0004】
国際公開第2013/096420号(TCCC)は、ステビオールグリコシドを浄化するためのクロマトグラフ方法に関する。
【0005】
欧州特許公開第2340729号(シムライズ)の図9は、砂糖シロップ、レバウディオサイドA、フロレチン、ヘスペレチンを含有するソフトドリンク組成物を開示している。
【0006】
欧州特許公開第2359702号(シムライズ)では、水溶性溶液でポリフェノールを溶解する方法について説明している。
実施例6は、とりわけ、レバウディオサイドA、ヘスペレチン及び砂糖シロップを含有する組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2012/112180号
【特許文献2】国際公開第2012/128775号
【特許文献3】国際公開2012/129451号
【特許文献4】国際公開第2013/096420号
【特許文献5】欧州特許公開第2340729号
【特許文献6】欧州特許公開第2359702号
【0008】
しかし、現在市場に流通しているステビアの品質グレイドでは全体的に苦く、また時には食後の後味が苦いと判定されることから、市場においてステビアを幅広く使用することが難しい。また、食品、とりわけ液体製品におけるステビオグリコシドの溶解性は十分ではない。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、ステビオグリコシドの不完全な感覚的なプロファイルの風味丸くすることのみならず、さらに、付随的な目的として、同時に、特に最終製品において、一般的な芳香物質ステビオールグリコシドの頻繁に起こる不十分な溶解性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の成分を含有する物質混合物である。
(a)ステビオールグリコシドと、
(b)デンプン分解製品と、
(c)ヘスペレチン、フロレチン、1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン、7,3−ジヒドロキシ−4'−メトキシフラバン及び5−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−7−メトキシ−2−クロマノンから構成される群から選択される1以上の甘味を増強するフェノール性芳香物質。
尚、(a+b)及び(c)の成分の重量比は、1:99から99:1の間である。
【0011】
驚くべきことに、組成物(a)および(c)を含有する混合物は、甘味は増強されており、特に、食感が柔らかくなり、食品の食感特性が向上されることが分かった。特に、でん粉分解製品およびヘスペレチンの組み合わせによって、食後の苦く刺激性のある食感がカバーされることが分かった。同時に、混合物は、それ自体が溶解性改善で優れているのみならず、予想に反して、最終製品における他の芳香物質(香料物質)の溶解性著しく向上されることもできる
【0012】
ステビオールグリコシド
ステビオールグリコシドは、ステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana、「糖類植物」または「パラグアイの甘いハーブ」)から抽出され、甘味料として使用される物質の混合物である。ステビオールグリコシドは、主に、ステビオサイド、レバウディオサイドA、7〜10のイソマー及びレバウディオサイドB、C、D及びステビオービオシド等のジペルテングリコシドを含有する。
【化1】
【0013】
ステビオールグリコシドの含有量は、栽培された土地や植物の種類に応じて異なる。また、ステビオールグリコシドを含有する卓上用の甘味料の製造者は、砂糖のような食味を引き出すために、一般的に、レバウディオサイドAの含有量を増やしている。植物のリコリスのような食味は、甘味料化合物およびその後の化合物を分離することにより、甘味料混合物の生成においては中和される。浄化されたレバウディオサイドAとしてのステビア製品は、砂糖の450倍の甘味である。
【0014】
本発明の目的上、好まれるステビオールグリコシドは、少なくとも2,好ましくは3,特に2から6のグルコース単位を有し、この場合においては、少なくとも1以上のグルコース単位が、α−1,4−結合されたD−グルコースとして存在している。
【0015】
しかし、以下の条件を満たすステビオールグリコシドが優先される。
(a1)約1〜50重量%、好ましくは約1〜15重量%のレバウディオサイドA又はその異性体、ここで、1以上のレバウディオサイドAとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a2)約0.1〜30重量%、好ましくは約1〜15重量%のレバウディオサイドB又はその異性体、ここで、1以上のレバウディオサイドBとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a3)約1〜50重量%、好ましくは約1〜15重量%のレバウディオサイドC又はその異性体、ここで、1以上のレバウディオサイドCとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a4)約1〜25重量%、好ましくは約1〜15重量%のレバウディオサイドD又はその異性体、ここで、1以上のレバウディオサイドDとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a5)約1〜25重量%、好ましくは約1〜20重量%のステビオサイド又はその異性体、ここで、1以上のステビオサイドとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a6)約1〜5重量%、好ましくは約2〜4重量%のステビオールビオシド又はその異性体、ここで、1以上のステビオールビオシドとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a7)オプションとして、約1〜50重量%、好ましくは約1〜10重量%のルブソシド又はその異性体、ここで、1以上のルブソシドとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a8)オプションとして、約1〜15重量%のレバウディオサイドE又はその異性体、ここで、1以上のレバウディオサイドEとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a9)オプションとして、約1〜15重量%のレバウディオサイドF又はその異性体、ここで、1以上のレバウディオサイドFとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a9)オプションとして、約1〜15重量%のズルコシドA又はその異性体、ここで、1以上のズルコシドAとその異性体との比率は、100:1から1:100の間である。
(a10)そして、グリコシド単位が5〜50、好ましくは6〜60であるステビオールグリコシドが、約1〜90重量%、好ましくは約20〜80重量%高いステビオールグリコシド。
尚、これらの成分の合計量が100%であることを条件とする。
【0016】
前述の組成物の条件に合致する、特に有利なステビオールグリコシドは、以下の通りである。
(a1)約1〜5重量%のレバウディオサイドA又はその異性体、ここで、1以上のレバウディオサイドAとその異性体との比率は、5:1から1:5の間である。
(a2)約0.1〜1重量%のレバウディオサイドB又はその異性体。
(a3)約1〜5重量%のレバウディオサイドC又はその異性体。
(a4)約2〜10重量%のレバウディオサイドD又はその異性体、ここで、1以上のレバウディオサイドDとその異性体との比率は、1:100から1:500の間である。
(a5)5重量%以下のステビオサイド及びステビオサイドの異性体。
(a6)5重量%以下のステビオールビオシド及びステビオールビオシドの異性体。
【0017】
さらに、特に有利なステビオールグリコシドは、上記の条件を満たし、かつ以下の条件を満たす。
(a1)5重量%以下のレバウディオサイドA。
(a2)2重量%以下のレバウディオサイドB。
(a3)5重量%以下のレバウディオサイドC。
(a4)0.5重量%以下のレバウディオサイドD。
(a5)5重量%以下のステビオサイド。
【0018】
これらのステビオールグリコシド組成物は、国際公開第2012/112180号、国際公開第2012/128775号、国際公開第2012/129451号および国際公開第2013/096420号等に記載の酵素法又は発酵法を用いて、以下のステビオサイドのうちの少なくとも1つから抽出できる:レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、ステビオサイド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシドA。前述の文献はステビオールグリコシド混合物の製造方法について記載されているが、記載内容は参考することができる。
【0019】
前述のレバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、ステビオサイド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ズルコシドA等の物質は、ステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana)またはルブス・スワビシウム(Rubus suavissimus)の葉と水溶性エタノールとを用いて抽出することができ、抽出物は浄化前において約1重量%のグリコシドを含有する。
【0020】
デンプン分解製品
成分()を構成するデンプン分解製品は、混合物においては、キャリア物質としての機能を持つ。好ましくは、これらはオリゴ糖及びでんぷんの間の分子の大きさを有するデキストリン又はマルトデキストリンである。デキストリン又はマルトデキストリンは、白色または淡黄色の粉末である。デキストリン又はマルトデキストリンは、主に小麦、ポテト、及びコーンスターチを(摂氏150度以上で)熱乾燥し、または酸に露出することによって抽出される。自然界では、デキストリンは例えばバチルス・マセランス(Bacterium macerans)から作られる。デキストリンは、澱粉がアミラーゼによって酵素分解することによっても生成される。
【化2】
【0021】
特に適したマルトデキストリンは、3〜20のデキストロース当量(単位:DE)、特に15〜20のデキストロース当量を有する。これは、乾燥物から糖分が除かれたパーセンテージである。
【0022】
組成物(a)及び(b)はいずれも混合物組成物に、重量比約60:40割合から90:10の割合、好ましくは70:30から80:20の割合で存在する。
【0023】
甘味を増強するフェノール性芳香物質
甘味を増強するフェノール性芳香物質は、組成物(c)を構成し、フラバノイドの誘導体の群から誘導され、とりわけ、少なくとも1つのp−ヒドロキシフェニル又は1つの4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルまたは1つの4−メトキシ−3−ヒドロキシフェニル群が存在することを条件とする、特に、フロレチン、1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン、7,3−ジヒドロキシ−4'−メトキシフラバンおよび5−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−7−メトキシ−2−クロマノンから選択され、更に好ましくはヘスペレチンから選択された、特定のフラバノン、ジヒドロカルコンおよびネオイソフラバノンから誘導される。
【0024】
ヘスペレチンはヘスペリジンのアグリコンであり、フラバノンの群に属する。
【化3】
【0025】
ヘスペレチンは、ヘスペレチン(S)又はヘスペレチン(R)として使用してよく、また、2つの形態の混合物さらに生理学的に適合するその塩として使用してもよい。この場合、国際公開第2007/014,879号が参照できる。
【0026】
フロレチンはフロリジンのアグリコンであり、ジヒドロカルコンの群に属する。
【化4】
【0027】
ここで、参考文献として欧州特許公開第1,998,636号が挙げられる。
【0028】
同様に、1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−プロパン−1−オンもジヒドロカルコンの群に属する。
【0029】
【化5】
【0030】
ここで、参考文献として欧州特許公開第2,353,403号が挙げられる。
【0031】
7,3−ジヒドロキシ−4'−メトキシフラバンは、フラバンの群に属する。
【化6】
【0032】
ここで、参考文献として欧州特許公開第2,253,226号が挙げられる。
【0033】
ネオイソフラバノイド5−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−7−メトキシ−2−クロマノンの化学式は以下の通りであり、詳細は欧州特許公開第2,570,036号に記載されている。
【化7】
【0034】
物質混合物
本発明の物質混合物の好ましい割合は、成分(a+b)と成分(c)とが、重量比1:99から99:1の割合、好ましくは約5:95から約75:25の割合、特に好ましくは約25:75から約75:25の割合、更に特に好ましくは約5:95から約25:75の割合である。本発明の混合物の典型的な組成は、例えば以下の通りである。
(a)約1から約99重量%、好ましくは約5から約50重量%のステビオールグリコシド、特に好ましくは、
(b)約0.1から約15重量%、好ましくは約0.5から約10重量%のマルトデキストリン、および
(c)約0.1から約20重量%、好ましくは約0.5から約10重量%の1以上の甘い香りを発するフェノール香料物質、
但し、(a)乃至(c)の合計が100重量%である。
【0035】
経口調製品
本発明は更に、本発明の成分(a)、(b)および(c)の混合物を、0.00001重量%から約2重量%含有する、経口摂取するための調製品に関する。好ましくは、成分が0.0001から約1.5重量%、特に0.001から約1重量%、さらに好ましくは0.01から約0.5重量%、最も好ましくは0.05から約0.1重量%の割合で含有されている。
【0036】
食品
第1実施例においては、経口調製品は以下の群から選択される:
・例えばパン、乾燥ビスケット、ケーキ、他の焼いた食品等のベーカリー製品、
・菓子類(例えば、チョコレート、チョコレートバー、他のバー製品、フルーツガム、ハードおよびソフトキャラメル、チューイングガム)
・アルコール系またはノンアルコール系飲料(例えば、コーヒー、紅茶、アイスティー、ワイン、ワインを主成分とする飲料、ビール、ビールを主成分とする飲料、リキュール、シュナップス、ブランデー、果実を主成分とするレモネード(炭酸飲料)、等張性飲料(炭酸飲料)、ソフトドリンク(炭酸飲料)、ネクター、スプリッツァ、果実および野菜ジュース)、
・果実または野菜ジュース調製品
・即席飲料または即席粉末(例えば、インスタントココア飲料、インスタント紅茶飲料、インスタントコーヒー飲料、インスタントフルーツ飲料)、
・肉製品(例えば、ハム、生または保蔵処理されたソーセージ加工物、香辛料添加またはマリネ化した生または保蔵処理された肉製品)、
・卵または卵製品(例えば、乾燥卵製品、乾燥卵白、乾燥卵黄)、シリアル製品(例えば、朝食用シリアル、ミューズリバー、予め調理した即席米飯製品)、
・乳製品(例えば、ミルク飲料、バターミルク飲料、アイスクリーム、ヨーグルト、ケフィール、カテージチーズ、ソフトチーズ、ハードチーズ、乾燥ミルク粉末、ホエー、ホエー飲料、バター、バターミルク、部分的または完全に加水分解されたミルクタンパク質を含む製品)、
・大豆タンパク質または他の大豆タンパク質画分から製造した製品(例えば、豆乳およびこれから製造した製品、大豆タンパクを含有する果物ジュース、大豆レシチンを含有する配合物、例えば豆腐、テンペーまたはこれらから製造した発酵製品)、
・他の植物タンパクソース、例えばオーツ麦タンパク飲料
・果物調製品(例えば、ジャム、フルーツアイスクリーム、フルーツソース、フルーツフィリング)、
野菜調製品(例えば、ケチャップ、ソース、乾燥野菜、冷凍野菜、調理済み野菜、野菜の漬物、保存野菜)、
・スナック物品(例えば、焼いたまたは揚げたポテトチップスまたはポテト製品、トウモロコシまたはピーナッツを主成分とする押出し製品)、
・油脂をベースとする製品またはそのエマルション(例えば、マヨネーズ、レムラード、ドレッシング)、
・他の直ぐに食することができる食事及びスープ(例えば、粉末スープ、インスタントスープ、調理済みスープ)、
・スパイス、スパイス混合物および特に、例えばスナック食品用途において使用される調味料。
【0037】
特に、菓子類、乳製品、並びに特に甘味があるノンアルコール飲料が好ましい。
【0038】
補助剤及び添加剤
一般的には、これらの食品は更に補助剤及び添加剤が含まれており、特に、甘味料、食物酸、酸度調整剤、増粘剤、香料が含まれる。
【0039】
甘味料
甘味料または甘味添加剤としては、例えば、スクロース/サッカロース、トレハロース、ラクトース、マルトース、メリジトース、ラフィノース、パラチノース、ラクツロース、D−フルクトース、D−グルコース、D−ガラクトース、L−ラムノース、D−ソルボース、D−マンノース、D−タガトース、D−アラビノース、L−アラビノース、D−リボース、D−グリセルアルデヒド、マルトデキストリン等の炭水化物、特に糖類が挙げられる。同様に適した甘味料としては、例えば甜菜(ベータブルガリス(Beta vulgaris)亜種、糖画分、糖シロップ、糖蜜)、サトウキビ(サッカラム オフィシナラム(Saccharum officinarum)亜種、糖蜜、糖シロップ)由来、サトウカエデ(アセル(Acer)亜種)由来、アガーベ(例えば、アガーベ濃厚ジュース)由来)を含有する植物調製物が挙げられる。
【0040】
さらに、検討されるべき甘味料としては、以下のものが挙げられる。
・合成/酵素から製造した澱粉又は糖類の加水分解物(転化糖シロップ)
・果実濃縮物(例えば、リンゴまたは西洋ナシ由来
・糖アルコール類(例えば、エリスリトール、スレイトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、ラクチトール)
・タンパク質(例えば、ミラクリン、モネリン、タウマチン、クルクリン、ブラゼイン)
・合成甘味料(例えば、マガップ、シクラミン酸ナトリウム、アセスルファムK、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、サッカリン−ナトリウム塩、アスパルテーム、スーパーアスパルテーム、ネオテーム、アリテーム、スクラロース、ステビオサイド、レバウディオサイド、ラグデゥネーム、カレラーム、スクロノネート、スクロオクテート、モナティン、フェニロデュルシン。)
・甘味アミノ酸(例えば、グリシン、D−ロイシン、D−スレオニン、D−アスパラギン、D−フェニルアラニン、D−トリプトファン、L−プロリン)
・その他の低分子甘味物質:例えば、ヘルナンズルチン、ジヒドロカルコン、特にネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンギンカルコン等のグリコシド類、グリシルリジン、グリシルレチン酸及びその塩またはグリシルレチン酸誘導体、リコリス抽出物(グリチルヒザグラブラ(Glycyrrhizza glabra)亜種)、リピアズルチス(Lippia dulcis)抽出物、モモルディカ(Momordica)亜種の抽出物、または
・例えばルオハングオ(Luo Han Guo)およびそれから得られたモグロシド、ヒドランゲアズルチス(Hydrangea dulcis)または抽出物またはフィロズルシン。
・ミセチア・バランサ(Mycetia balansae)由来のバランシン
【0041】
食物酸
食用粉末には、カルボン酸が含まれていてもよい。
本発明における酸は、食品に使用可能な酸であり、特に以下の酸である。
E260−酢酸
E270−乳酸
E290−二酸化炭素
E296−リンゴ酸
E297−フマル酸
E330−クエン酸
E331−クエン酸ナトリウム
E332−クエン酸カリウム
E333−クエン酸カルシウム
E334−酒石酸
E335−酒石酸ナトリウム
E336−酒石酸カリウム
E337−酒石酸ナトリウムカリウム
E338−リン酸
E353−メタ酒石酸
E354−酒石酸カルシウム
E355−アジピン酸
E363−コハク酸
E380−クエン酸三アンモニウム
E513−硫酸
E574−グルコン酸
E575−グルコノデルタラクトン
【0042】
pH調整剤
pH調整剤は、食品の酸性またはアルカリ性を安定させ、食品のpHを一定にするための食品添加剤である。pH調整剤は、主に有機酸、有機塩、炭酸塩であり、稀に無機酸および無機塩である。pH調整剤の添加は、食品の安定性および堅さを向上させ、望ましい沈殿を生じ、保存料の有効性を改善させる。酸味料とは異なり、pH調整剤は食味を変化させるために使用されるものではない。pH調整剤の活動は、pHが調整されていない、または酸またはアルカリが添加されることによりpHが微調整されている食品にバッファ・システムを生成させることである。pH調整剤の例は以下の通りである。
E 170−炭酸カルシウム
E 260−263−酢酸及び酢酸塩
E 270−乳酸
E296−リンゴ酸
E297−フマル酸
E325〜327−乳酸塩(乳酸)
E330〜333−クエン酸およびクエン酸塩
E334〜337−酒石酸および酒石酸塩
E339〜341−リン酸
E350〜352−リンゴ酸塩(リンゴ酸)
E450−二リン酸塩
E451−三リン酸塩
E452−ポリリン酸塩
E500〜504−炭酸塩(二酸化炭素)
E507−塩酸および塩化物
E513〜517−硫酸および硫酸塩
E524〜528−水酸化物
E529〜530−酸化物
E355〜357−アジピン酸およびアジピン酸塩
E574〜578−グルコン酸およびグルコン酸塩
【0043】
増粘剤
増粘剤は、水と結合するための最も重要な物質である。
結合されていない水を取り除くことにより、粘度の向上に繋がる。
各増粘剤の濃度の特徴としては、濃度の効果と共に結合効果を生じることにより、粘度の一般的な不均化反応が起こる。この場合、例えば分子がループして、互いに「結合」すると言われる。殆どの増粘剤は直鎖または分岐高分子であり(例えば、多糖又はタンパク質)、水素結合、疎水性相互作用、イオン結合により、分子間相互作用によって、互いに反応する。増粘剤の極端な例としては、ケイ酸塩鉱物(ベントナイト、ヘクトライト)、または水和性シリカゲル(SiO)粒子であり、これらの増粘剤は分散粒子であり、固形の状態で水と結合し、または上述の反応によって互いに反応する。
増粘剤の例は以下の通りである。
E400−アルギン酸
E401−アルギン酸ナトリウム
E402−アルギン酸カリウム
E403−アルギン酸アンモニウム
E404−アルギン酸カルシウム
E405−アルギン酸プリピレングリコール
E406−寒天
E407−カラギーナン、フルセララン
E407−キャロブ粉
E412−グアーガム
E413−トラガカント
E414−アラビアガム
E415−キサンタン
E416−カラヤゴム(インドゴム)
E417−タラパウダー
E418−ジェラン
E440−ペクチン、オペクタ
E440ii−アミド化ペクチン
E460−微結晶性セルロース、粉末セルロース
E461−メチルセルロース
E462−エチルセルロース
E463−ヒドロキシプロピルセルロース
E465−メチルエチルセルロース
E466−カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム
【0044】
芳香物質(香料物質)
本発明の経口調製品には、1以上の香料物質を含んでもよい。典型的な香料物質は、以下の通りである:アセトフェノン、カプロン酸アリル、α−イオノン、β−イオノン、アニスアルデヒド、酢酸アニシル、アニシルホーメート、ベンズアルデヒド、ベンゾチアゾール、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、β−イオノン、酪酸ブチル、カプロン酸ブチル、ブチリデンフタリド、カルボン、カンフェン、カリオフィレン、シネオール、酢酸シンナミル、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、酢酸シトロネリル、酢酸シクロヘキシル、シメン、ダマスコン、デカラクトン、ジヒドロクマリン、ジアントラニル酸メチル、アントラニル酸ジメチル、ドデカラクトン、酢酸エトキシエチル、エチル酪酸、カプリン酸エチル、カプロン酸エチル、クロトン酸エチル、エチルフラネオール、エチルグアヤコール、イソ酪酸エチル、エチルイソバレレート、乳酸エチル、メチル酪酸エチル、プロピオン酸エチル、ユーカリプトール、オイゲノール、エチルヘプチラート、4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、γ−デカラクトン、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、グレープフルーツアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート(例えばHedion(登録商標))、へリオトロピン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、トランス−2−ヘプテナール、シス−4−ヘプテナール、トランス−2−ヘキセナール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキサン酸、トランス−3−ヘキサン酸、酢酸シス−2−ヘキセニル、酢酸シス−3−ヘキセニル、カプロン酸シス−3−ヘキセニル、カプロン酸トランス−2−ヘキセニル、ギ酸シス−3−ヘキセニル、酢酸シス−2−ヘキシル、酢酸シス−3−ヘキシル、酢酸トランス−2−ヘキシル、ギ酸シス−3−ヘキシル、パラ−ヒドロキシベンジルアセトン、イソアミルアルコール、イソ吉草酸イソアミル、酪酸イソブチル、イソブチルアルデヒド、イソオイゲノールメチルエステル、イソプロピルメチルチアゾール、ラウリン酸、レブリン酸、リナノール、リナノールオキシド、酢酸リナリル、メントール、メントフラン、アントラニル酸メチル、メチルブタノール、メチル酪酸、酢酸2−メチルブチル、カプロン酸メチル、ケイ皮酸メチル、5−メチルフルフラール、3,2,2−メチルシクロペンテノロン、6,5,2−メチルヘプテノン、メチルジヒドロジャスモネート、ジャスモン酸メチル、メチル酪酸2−メチル、2−メチル−2−ペンテン酸、チオ酪酸メチル、3,1−メチルチオヘキサノール、酢酸3−メチルチオヘキシル、ネロール、酢酸ネリル、トランス,トランス−2,4−ノナジエナール、2,4−ノナジエノール、2,6−ノナジエノール、2,4−ノナジエノール、ノートカトン、δ−オクタラクトン、γ−オクタラクトン、2−オクタノール、3−オクタノール、1,3−オクテノール、1−酢酸オクチル、3−酢酸オクチル、パルミチン酸、パラアルデヒド、フェランドレン、ペンタンジオン、フェニル酢酸エチル、フェニルエチルアルコール、イソ吉草酸フェニルエチル、ピペロナール、プロピオンアルデヒド、酪酸プロピル、プレゴン、プレゴール、シネンサール、スルフロール、テルピネン、テルピネオール、テルピノール、8,3−チオメンタノン、4,4,2−チオメチルペンタノン、チモール、δ−ウンデカラクトン、γ−ウンデカラクトン、バレンセン、吉草酸、バニリン、アセトイン、エチルバニリン、イソ酪酸エチルバニリン(= 3−エトキシ−4−イソブチリルオキシベンズアルデヒド)、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン及びその誘導体(好ましくは、ホモフラネオール)(=2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3(2H)−フラノン)、ホモフロノール(=2−エチル−5−メチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン及び5−エチル−2−メチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン)、マルトール及びマルトール誘導体(好ましくは、エチルマルトール)、クマリン及びクマリン誘導体、γ−ラクトン(好ましくは、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン)、δ−ラクトン(好ましくは、4−メチル−δ−デカラクトン、マソイアラクトン、δ−デカラクトン、ツベロラクトン)、ソルビン酸メチル、ジバニリン、4−ヒドロキシ−2(または5)−エチル−5(または2)−メチル−3(2H)−フラノン、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテノン、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、酢酸イソアミル、酪酸ブチル、酪酸−n−ブチル、酪酸イソアミル、3−メチル−酪酸ブチル、n−ヘキサン酸エチル、n−ヘキサン酸アリル、n−ヘキサン酸エチル−n−酪酸、n−オクタン酸エチル、エチル−3−メチル−3−フェニルグリシデート、エチル2−トランス−4−シス−デカジエノエート、4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,1−ジメトキシ−2,2,5−トリメチル−4−ヘキサン、2,6−ジメチル−5−ヘプテン−1−アル、フェニルアセトアルデヒド、2−メチル−3−(メチルチオ)フラン、2−メチル−3−フランチオール、ビス(2−メチル−3−フリル)ジスルフィド、フルフリルメルカプタン、メチオナール、2−アセチル−2−チアゾリン、3−メルカプト−2−ペンタノン、2,5−ジメチル−3−フランチオール、2,4,5−トリメチルチアゾール、2−アセチルチアゾール、2,4−ジメチル−5−エチルチアゾール、2−アセチル−1−ピロリン、2−メチル−3−エチルピラジン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−エチル−3,6−ジメチルピラジン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、3−イソプロピル−2−メトキシピラジン、3−イソブチル−2−メトキシピラジン、2−アセチルピラジン、2−ペンチルピリジン、(E,E)−2,4−デカジエナール、(E,E)−2,4−ノナジエナール、(E)−2−オクテナール、(E)−2−ノネナール、2−ウンデセナール、12‐メチルトリデカナール、1−ペンテン−3−オン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン、グアヤコール、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、3−ヒドロキシ−4−メチル−5−エチル−2(5H)−フラノン、桂皮アルデヒド、桂皮アルコール、サリチル酸メチル、イソプレゴール及び(特に明言されていないが)、立体異性体、エナンチオマー、位置異性体、ジアステレオマー、シス−トランス異性体またはこれらの物質のエピマー。
【0045】
口腔ケア及び歯のケアに関する組成物
さらなる実施例としては、経口調製品は、マウスウォッシュ及びチューイングガムを含めた、口腔ケア及び歯のケアに関する組成物を構成する群から選択されてもよい。
【0046】
具体例としては、練り歯磨き、ゲル状歯磨き、粉末状歯磨き、マウスウォッシュ等が挙げられる。一般に、練り歯磨きおよび歯磨きクリームは、通常、水、増粘剤、保湿剤、研磨剤または清浄剤、界面活性剤、甘味料、香料物質、脱臭剤および口腔および歯の病気に対する活性成分を有するゲルまたはペースト状組成物であると理解される。本発明の練り歯磨きは、任意の一般的な清浄剤、例えば白亜、リン酸二カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、リン酸カルシウム、微粒子合成樹脂、ケイ酸、酸化アルミニウムおよび酸化アルミニウム三水和物を含んでよい。
【0047】
本発明の練り歯磨きに特に適当な清浄剤は、好ましくは、微粒子ケイ酸キセロゲル、ケイ酸ヒドロゲル、沈降ケイ酸、酸化アルミニウム三水和物および微粒子α−酸化アルミニウムまたは上記清浄剤の混合物が、練り歯磨きの15〜40重量%の量である。適当な保湿剤は、50重量%以下の量における、好ましくは低分子ポリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトールまたはこれらの製品の混合物である。適当な既知の増粘剤は、増粘性がある微粒子ゲルケイ酸および親水コロイド、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアール、ヒドロキシエチルデンプン、ポリビニルピロリドン、高分子ポリエチレングリコール、植物ガム、例えばトラガカントガム、寒天、カラギーンモス、アラビアガム(gum arabicum)、キサンタンガムおよびカルボキシビニルポリマー(例えばCarbopol(登録商標)タイプ)である。本発明の口腔ケア製品およびデンタルケア製品は、メントフランおよびメントール化合物の混合物に加えて、特に界面活性物質、好ましくは上記に述べた物質のようなアニオン性および非イオン性高発泡界面活性剤、特にアルキルエーテルスルフェート塩、アルキルポリグルコシドおよびそれらの混合物を含んでよい。
【0048】
さらなる一般的な練り歯磨きへの添加剤は、以下である:
・防腐剤および抗バクテリア剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル/エチルまたはプロピルエステル、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ブロモクロロフェン、フェニルサリチル酸エステル、チモールなど;
・抗歯石剤、例えば有機ホスフェート、例えば1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ホスホノプロパン−1,2,3−トリカルボン酸および例えば米国特許第3,488,419号、ドイツ特許公開第2224430号およびドイツ特許公開第2343196号から既知の他のもの;
・他の抗齲蝕原性物質、例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化錫;
・甘味料、例えばサッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、スクロース、ラクトース、マルトース、フルクトースまたは Apartam(登録商標)、(L−アスパルチル−L−フェニルアラニン−メチルエステル)、ステビア抽出物およびその甘味料化合物、特にレバウディオサイド;
・追加の香料物、例えばユーカリ油、アニス油、フェンネル油、フェネル油、クミン油、酢酸メチル、シナモンアルデヒド、アネトール、バニリン、チモールおよびこれらと他の天然および合成香料物との混合物;
・顔料、例えば酸化チタン;
・染料;
・緩衝物質、例えば第1級、第2級または第3級アルカリ金属リン酸塩またはクエン酸/クエン酸ナトリウム;
・創傷治癒および炎症阻害物質、例えばアラントイン、尿素、アズレン、カモミール活性成分およびアセチルサリチル酸の誘導体。
【0049】
化粧品組成物の好ましい形態は、水性、ペースト状分散体形態の練り歯磨きであり、研磨剤、保湿剤、粘度調整剤を含有し、必要な場合、さらなる一般成分、ならびにメントフランおよびメントール化合物の混合物を、0.5〜2重量%の量で含む組成物である。
【0050】
口内洗浄液において、異なる濃度の精油、乳化剤、収れん性および調整性(toning)薬剤抽出物、歯石阻害剤、抗バクテリア添加剤および風味補正剤の含水アルコール溶液と組み合わせることの可能性がかなりある。本発明の他の好ましい態様は、メントフランおよびメントール化合物の混合物を0.5〜2重量%の量で含む、水溶液または含水アルコール溶液の形態の口内洗浄液である。適用前に希釈させる口内洗浄液組成物においては、予定される希釈割合に応じてより高濃度で満足のいく効果が得られる。また、流動性状の向上のため、ヒドロトロープ、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールを用いてもよい。これらの物質は最初に説明したキャリアに実質的に対応する。好適なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシ基を含有する。これらポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含有することができ、また、窒素で修飾することもできる。その代表例は、次の通りである:
・グリセロール
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および、ポリエチレングリコール(100〜1,000ダルトンの平均分子量を有する);
・1.5〜10の自己縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば40〜50重量%のジグリセロール含量を有する工業用ジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えば特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を含むもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含む糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を含む糖、例えばグルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオール。
【0051】
好適な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、バラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、およびサーファシン(登録商標)として知られている銀錯体、さらに「化粧品規則」のパートAおよびBの付録6に記載の別の化合物の分類である。
【0052】
香油は、天然香料物質及び合成香料物質の混合物であってよい。天然香料物質は、花(例:ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン−イラン等)、茎および葉(例:ゼラニウム、パチョリ、プチグレン等)、果実(例:アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン等)、果皮(例:ベルガモット、レモン、オレンジ等)、根(例:ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、ショウブ等)、木(例:マツ、ビャクダン、グアヤク、シーダー、シタン等)、ハーブおよび草(例:タラゴン、レモングラス、セージ、タイム等)、針葉および枝(例:トウヒ、モミ、マツ、低木マツ等)、樹脂およびバルサム(例:ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナクス等)などの抽出物が挙げられる。若しくは、動物性原料、例えばシベットおよびカストリウムを使用してもよい。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルボニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含する。好適なケトンは例えば、イオノン類、cc−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンである。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオルゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素は主として、テルペン類およびバルサム類を包含する。しかし、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。
【0053】
別の好適な香油としては、香料成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油が挙げられる。好適な香油の例としては、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油が挙げられる。好ましくは以下を単独であるいは混合物として用いても良い:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、cc−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ(Boisambrene Forte)、アンブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン(Hedione)、サンデリス(Sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルペンチルグリコレート、シクロベルタル(cyclovertal)、ラバンジン油、クラリーセージ油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックスクール(Vertofix Coeur)、イソ−イー−スーパー(Iso−E−Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート(romilat)、イロチル(irotyl)およびフロラメート(floramate)。
【0054】
天然原料の例には、例えばペパーミント油、スペアミント油、アニス油、スターアニス油、クミン油、ユーカリ油、ウイキョウ油、レモン油、冬緑油、丁子油、メンソール、ならびにこれらの画分がある。
【0055】
チューイングガム
食用物質がチューイングガムである場合、これらの製品は、通常、水不溶性成分および水溶性成分を含有する。
【0056】
「ガムベースとしても知られる水不溶性ベース」は、通常、天然または合成エラストマー、樹脂、脂肪および油、可塑剤および軟化剤、充填剤、染料および任意にワックスを含む。該ベースは、通常、組成物の全体としての5〜95重量%、好ましくは10〜50重量%、より具体的には20〜35重量%を占める。本発明の態様の通常の一形態において、該ベースは、合成エラストマー20〜60重量%、天然エラストマー0〜30重量%、可塑剤5〜55重量%、充填剤4〜35重量%、および少量の添加剤、例えば染料、酸化防止剤等(ただし、これらはせいぜい少量において水に溶解性である)からなる。
【0057】
適当な合成エラストマーは、例えば、平均分子量(GPCを用いて測定した平均分子量)10,000〜100,000、好ましくは50,000〜80,000を有するポリイソブチレン、イソブチレン/イソプレンコポリマー(「ブチルエラストマー」)、スチレン/ブタジエンコポリマー(スチレン:ブタジエン比、例えば1:3〜3:1)、平均分子量(GPCを用いて測定した平均分子量)2,000〜90,000、好ましくは10,000〜65,000を有するポリビニルアセテート、ポリイソプレン、ポリエチレン、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニルコポリマーおよびそれらの混合物である。適当な天然エラストマーの例は、ゴム、例えばスモークドラテックスまたは液体ラテックス、またはグアユール、および天然ゴム、例えばジェロトン、レチカスピ(lechi caspi)、ペリロ(perillo)、ソルバ、マッサランドババラタ、マッサランドバチョコレート、ニスペロ(nispero)、ロジンジンバ(rosindinba)、チクル、グッタハンカンなど、およびそれらの混合物である。合成および天然エラストマーの選択およびその混合比は、実質的に、チューイングガム(風船ガム)で風船が作られるか否かによる。好ましくは、ジェロトン、チクル、ソルバおよびマッサランドバを含有するエラストマー混合物が用いられる。
【0058】
多くの場合において、エラストマーは、満足のいく処理をするには固すぎるか、あるいは可塑性がないため、特別な可塑剤(もちろん、食品添加物としての許容性に関する具体的なあらゆる条件も満たしていなければならない)を使用することが有利であることが見出された。この点において適当な可塑剤は、とりわけ、樹脂酸エステル、例えば、低級脂肪族アルコールまたはポリオールと完全または部分的に水素化されたモノマーまたはオリゴマー樹脂酸とのエステルである。特にメチル、グリセロール、またはペンタエリスリトールエステル、またはそれらの混合物がこの目的のために用いられる。あるいは、α−ピネン、β−ピネン、δ−リモネンまたはそれらの混合物から誘導されうるテルペン樹脂も用いてよい。
【0059】
適当な充填剤または調質剤は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、粉砕軽石、ケイ酸塩、特にケイ酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウム、粘土、酸化アルミニウム、滑石、二酸化チタン、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウムおよびリン酸三カルシウムならびにセルロースポリマーである。
【0060】
適当な乳化剤は、獣脂、水素化獣脂、水素化植物油または部分水素化植物油、カカオ脂、部分グリセリド、レシチン、トリアセチンおよび6〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有する飽和または不飽和脂肪酸、ならびにそれらの混合物である。
【0061】
適当な着色料および白色化剤は、例えば、FD&Cタイプ、食品着色用に許可された植物抽出物および果物抽出物、および二酸化チタンである。
【0062】
ガムベースは、ワックスを含有してもよいし、ワックス不含であってもよい。ワックス不含組成物の例は、特に米国特許第5,286,500号に見ることができ、これにより、この文献の開示を明示的に記載したものとする。
【0063】
水不溶性ガムベースに加えて、チューインガム組成物は、通常、例えば軟化剤、甘味料、充填剤、香味料、風味増強剤、乳化剤、着色料、酸性化剤、酸化防止剤などにより形成される水溶性成分を含有する、ただしこの場合、該成分は少なくとも十分な水溶解性を有する。したがって、個々の成分は、特定の例の水溶解性に応じて、水不溶性相および水溶性相の両方に属しうる。しかしながら、組合せ、例えば水溶性および水不溶性乳化剤の組合せを用いてもよく、その場合、個々の例は異なる相に存在する。水不溶性成分は、通常、製剤の5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%を構成する。
【0064】
チューイングガム組成物には、さらに水溶性軟化剤または可塑剤が、通常0.5〜15重量%の量で混合物中に添加されることにより、咀嚼性および咀嚼感覚が改善される。例としては、グリセロール、レシチンおよびソルビトール水溶液、水素化デンプン加水分解物またはコーンシロップである。
【0065】
甘味料としては、糖含有化合物または糖不含化合物の両方が使用され、チューイングガム組成物に基づいて、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、より具体的には30〜60重量%の量で使用される。典型的な糖甘味料は、スクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、乾燥転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップならびにそれらの混合物である。適当な代替糖は、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、マルチトールならびにそれらの混合物である。さらなる適当な添加剤は、いわゆる高甘味度人工甘味料(HIAS)、例えば単独または混合物形態のいずれかのスクラロース、アスパルテーム、アセスルファム塩、アリタム(alitam)、サッカリンおよびサッカリン塩、シクラミン酸およびその塩、グリチルリシン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリンなどである。
【0066】
低カロリーチューイングガムの製造における充填剤としては、例えばポリデキストロース、ラフチロース(raftilose)、ラフチリン(raftilin)、フラクトオリゴ糖(NutraFlora)、パラチノースオリゴ糖、グアールガム加水分解物(Sun Fiber)およびデキストリン等が特に適している。
【0067】
香味料の選択は、実質的には制限されず、本発明の本質には重要ではない。通常、香味料はチューイングガム組成物のうち、0.1〜15重量%、好ましくは0.2〜5重量%を構成する。適当な香味料は、例えば口腔ケア製品およびデンタルケア製品において使用されるような、例えばアニシード油、スターアニス油、クミン油、ユーカリ油、フェンネル油、レモン油、冬緑油、丁子油などの精油、合成香料等である。
【0068】
チューイングガムは、例えばクロルヘキシジン、CPCまたはトリクロサン等、例えば歯科医療用、より具体的にはプラーク制御用および歯肉炎用に適した補助物質および添加剤を追加的に含有してよい。さらに、食品において許可された物質であり、望ましくない相互作用を互いに引き起こさないことを条件として、pH調整剤(例えば緩衝液または尿素)、抗虫歯剤(例えばリン酸塩またはフッ化物)、生物起源剤(抗体、酵素、カフェイン、植物抽出物)を含有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、第1に、経口摂取を対象とする調製品の食味を向上させる方法であり、調製品には、成分(a)、(b)、(c)の混合物が、前記調製品に対して約0.00001から約2重量%の割合で添加される。
【0070】
本発明は同様に、経口摂取のための調製品における香料物質の溶解性を向上させる方法に関し、調製品には、成分(a)、(b)、(c)の混合物が、全体量に対して約0.0001から約2重量%の割合で含有される。
【0071】
最後に、本発明は成分(a)、(b)、(c)を含む混合物を、一方は経口摂取のための調製品における香料物質として使用され、もう一方は他の香料物質に対する溶解性向上剤としての使用に関する。
【0072】
前述の参照は、混合物の好ましい組成物、使用される頻度および添加する量、並びに香料物質の性質を考慮した。
【0073】
<実施例>
実施例1,2
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
実施例3
飲料としての組成物
シンプルなソフトドリンクを製造するための、ステビオールグリコシドを含有する様々な混合物が製造された後、摂氏20度で48時間保存された。その後、訓練を経た8人の試験官により、食品の味覚特性(記述語:初期の甘み、強い甘み、砂糖の味/口内の満足感)が、0(性質が現れていない)から10(性質が顕著)の均等目盛を用いて評価された。組成物および結果は、下記の表4にまとめられている。本発明の実施例1,2および例V1からV3が比較の対象とされている。例Cは、標準を表す、すなわち、香料を追加しなくても食品の食味が評価できる。
【0078】
【表4】
糖分がコントロールされたサンプルCの評価が最も高く、V1の評価が最も低かった。
さらに、少量のヘスペレチン(V3)のみでは、香料の有用な全てがさらに改善されることは無い。ステビオールグリコシド(V2)のみでは、甘みの印象の改善に繋がるが、食後の苦味も強まった。本発明の実施例1および2の場合では、同等の初期の甘み、強い甘み、砂糖の味/口内の満足感は、砂糖の別形態Cでは実質的に製造することができず、この場合、純粋なステビオールグリコシドと比較して、苦味が著しく減少した。
【0079】
実施例4
同様に、ソフトドリンクを製造するための、ステビオールグリコシドを含有する様々な混合物が製造された。その後、混合物は摂氏20度で48時間保存され、香料物質の溶解性が視覚で評価された。(0)=完全に溶解した、(1)=分離した沈殿物/汚濁物、(2)=沈殿物/粒子が現れた。結果は、表5にまとめられた。
【0080】
【表5】
実施例3および4は、比較例V4およびV5と比較すると、まず、ステビオールグリコシド/マルトデキストリンの混合物が、ヘスペリチンの溶解性を著しく改善した。さらに、様々な香料物質に関しては、本発明の混合物を添加することにより、溶解性を改善した。
以下、本発明の更なる配合例について説明する。
【0081】
【表6】
原料は前述の順番で混合され、比率が100%になるように水が加えられる。混合物はグラスボトルに充填され、炭酸化される。
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【表11】