特許第6494637号(P6494637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494637
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】拡張可能なバスケット回収デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/221 20060101AFI20190325BHJP
【FI】
   A61B17/221
【請求項の数】19
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-545786(P2016-545786)
(86)(22)【出願日】2015年1月9日
(65)【公表番号】特表2017-501841(P2017-501841A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】US2015010861
(87)【国際公開番号】WO2015106131
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2017年12月8日
(31)【優先権主張番号】61/925,952
(32)【優先日】2014年1月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/938,311
(32)【優先日】2014年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】チュー マイケル エス.エイチ.
【審査官】 大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05906622(US,A)
【文献】 特開昭63−186641(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/046355(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0106304(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0092957(US,A1)
【文献】 米国特許第06228023(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22−17/221
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収縮状態及び拡張状態を有する回収デバイスであって、
少なくとも3つの支持部材を有し、前記支持部材の各々は、内腔と、固定された近位端部と、移動可能な遠位端部を有し、
更に、前記支持部材に対して移動可能な少なくとも2つの移動可能部材を有し、前記移動可能部材の各々は、第1の端部及び第2の端部を含み、1つの支持部材の内腔の中を遠位方向に延び、異なる支持部材の内腔の中を近位方向に延び、前記移動可能部材の第1の端部及び第2の端部は、前記少なくとも3つの支持部材の各々に対して移動可能であり、前記第1の端部は、前記回収デバイスが収縮状態にあるとき、前記第2の端部よりも近位側に延び、前記拡張状態において、前記少なくとも3つの支持部材の部分及び前記少なくとも2つの移動可能部材の部分は、前記回収デバイスの中心長手方向軸線に対して半径方向外方に位置決めされ、
更に、少なくとも1つの移動可能部材の第2の端部のところに位置する止め具を有し、前記止め具は、拡張状態に向かう回収デバイスの遠位方向の移動中に一定の距離を移動した後、前記第2の端部の移動を制限し、
前記止め具が前記一定の距離だけ遠位方向に移動して且つその後に前記移動可能部材の第1の端部を遠位方向に更に移動させた後にだけ、前記少なくとも3つの支持部材の前記部分及び前記少なくとも2つの移動可能部材の前記部分は、前記回収デバイスの中心長手方向軸線に対して半径方向外方に移動する、回収デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも2つの移動可能部材は、3つの移動可能部材を含む、請求項1に記載の回収デバイス。
【請求項3】
前記止め具は、前記少なくとも2つの移動可能部材の第2の端部を互いに固定するカップリングを含む、請求項1に記載の回収デバイス。
【請求項4】
前記カップリングは、前記第2の端部を包囲するチューブを含む、請求項3に記載の回収デバイス。
【請求項5】
前記移動可能部材の各々は、予備成形されたU字形曲げ部を含み、前記U字形曲げ部は、前記支持部材の移動可能な遠位端部の遠位側に位置する、請求項1に記載の回収デバイス。
【請求項6】
前記U字形曲げ部は、前記支持部材を収縮状態に向かって押す、請求項5に記載の回収デバイス。
【請求項7】
前記U字形曲げ部は、前記止め具が前記少なくとも1つの支持部材の固定された近位端部に当接するとき、前記移動可能な遠位端部から前記一定距離のところに位置する、請求項6に記載の回収デバイス。
【請求項8】
前記移動可能部材は、前記U字形曲げ部が前記移動可能な遠位端部から前記一定の距離のところに位置するとき、第1段階の把持器を形成する、請求項7に記載の回収デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも3つの支持部材は、拡張状態に向かう前記止め具の遠位方向の移動中、互いにほぼ平行に延びる、請求項1に記載の回収デバイス。
【請求項10】
更に、前記支持部材の各々の近位端部に固定的に結合されたシースを有し、前記シースは、前記移動可能部材の少なくとも一部分を包囲するように近位方向に延びる、請求項1に記載の回収デバイス。
【請求項11】
収縮状態及び拡張状態を有する回収デバイスであって、
少なくとも3つの支持部材を有し、前記支持部材の各々は、内腔と、固定された近位端部と、移動可能な遠位端部を有し、
更に、前記支持部材に対して移動可能な少なくとも3つの移動可能部材を有し、前記移動可能部材の各々は、第1の端部及び第2の端部を含み、1つの支持部材の内腔の中を遠位方向に延び、異なる支持部材の内腔の中を近位方向に延び、
更に、前記移動可能部材の各々の第1の端部に結合されたアクチュエータを有し、前記アクチュエータは、前記移動可能部材の第1の端部を前記少なくとも3つの支持部材に対して近位方向及び遠位方向に移動させるように構成され、
更に、前記移動可能部材のための止め具を有し、前記止め具は、カップリングを含み、前記カップリングは、前記移動可能部材の各々の第2の端部を、前記支持部材の固定された近位端部から離間した一定の距離のところで互いに結合し、
前記回収デバイスが収縮状態にある間、前記アクチュエータの遠位方向の初期移動により、前記止め具を、前記止め具の更なる遠位方向移動が阻止されるまで遠位方向に移動させ、
前記止め具の更なる遠位方向移動が阻止された後、前記アクチュエータの遠位方向の更なる移動により、前記少なくとも3つの支持部材の移動可能な遠位端部及び前記少なくとも3つの移動可能部材を半径方向外方に移動させる、回収デバイス。
【請求項12】
前記第2の端部のカップリングは、前記第2の端部をチューブ内に固定する、請求項11に記載の回収デバイス。
【請求項13】
前記止め具は、前記回収デバイスが完全な収縮状態にあるとき、前記支持部材の固定された近位端部から前記離間した一定の距離のところに位置し、拡張状態に向かう前記回収デバイスの移動中、前記離間した距離は減少する、請求項11に記載の回収デバイス。
【請求項14】
前記回収デバイスが収縮状態にあるとき、前記第1の端部は、前記第2の端部よりも近位側に位置する、請求項11に記載の回収デバイス。
【請求項15】
前記移動可能部材の各々は、予備成形されたU字形曲げ部を含み、前記U字形曲げ部は、前記支持部材の移動可能な遠位端部の遠位側に位置する、請求項11に記載の回収デバイス。
【請求項16】
前記U字形曲げ部は、前記支持部材を収縮状態に向かって押す、請求項15に記載の回収デバイス。
【請求項17】
前記U字形曲げ部は、前記止め具から固定距離のところに位置し、前記止め具と共に移動する、請求項16に記載の回収デバイス。
【請求項18】
前記移動可能部材は、拡張状態に向かう最初の移動中、第1段階の把持器を形成する、請求項17に記載の回収デバイス。
【請求項19】
前記少なくとも3つの支持部材は、拡張状態に向かう前記止め具の移動中、互いにほぼ平行に延びる、請求項11に記載の回収デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この特許出願は、2014年2月11日出願の米国仮特許出願第61/938,311号、2014年1月10日出願の米国仮特許出願第61/925,952号に対する「35U.S.C.§119」の下での優先権の利益を主張し、これらの全体を本明細書に援用する。
【0002】
本発明の開示の様々な実施例は、一般的に、回収デバイス及び関連のシステム及び方法に関する。より具体的には、本発明の開示は、患者内の物体を回収するためのデバイス、システム、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
回収デバイスは、患者の体腔又は身体通路を塞ぐか又は他にその中に存在する場合がある有機物質(例えば、血餅、組織、尿路結石、胆管結石、及び膵石のような生物学的結石)及び無機物質(例えば、医療デバイスの構成要素又は他の異物)を除去するのに多くの場合に使用される。例えば、結石は、腎臓、膵臓、尿路、及び胆嚢内のような身体のある一定の部分で大きくなる可能性がある。低侵襲性医療手順は、天然開口部を通して又は経皮的腎結石摘出術(「PNCL」)手順中のような切開を通してこれらの結石を除去するのに使用される。更に、患者の尿管内の尿路結石(例えば、腎臓結石)を治療するのに、例えば、砕石術、尿道鏡検査法が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回収デバイスは、物体を操作するためのエンドエフェクタを含む場合がある。例示的なエンドエフェクタは、エンドエフェクタが開かれた時に形成されるフロントループを支持する複数のアームを有する場合である。フロントループのサイズは、捕捉され、再位置決めされ、及び/又はエンドエフェクタから取出すことができる物体のサイズを制限する場合がある。一部の手順に対して、エンドエフェクタのフロントループのサイズを増大して、より大きい物体の捕捉、再位置決め、及び/又は取出しを容易にする必要性がある場合がある。同じくエンドエフェクタのターゲット区域内への挿入及びそこからの引き抜きを容易にし、及び/又はより小さい物体を捕捉、再位置決め、及び/又は取出すためにエンドエフェクタを扁平状態に至るまで再度閉じることが望ましい場合がある。すなわち、機能を改善した回収デバイスに対する必要性が残っている。
【0005】
更に、公知の医療回収デバイスは複合的であり、多くの構成要素及び労働集約的製造工程を必要とする。小さい部品のアセンブリは、多くの場合に視覚的拡大、特殊訓練を必要とする。利用可能な接合機構は、多くの場合に最適設計パラメータを超えて医療回収デバイスの輪郭を増大し、かつ多くの場合に最も弱い構造点である。これらの欠点は、かさ高であり、高価であり、かつ故障しがちな医療回収デバイスをもたらす。
【0006】
すなわち、輪郭が縮小して構成要素がより少ない医療回収デバイスの改良の必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、とりわけ、回収デバイス及び関連のシステム及び方法に関する。本明細書に開示する実施例の各々は、他の開示する実施形態のいずれかに関連して説明する特徴のうちの1又は2以上を含む場合がある。
【0008】
本発明の実施形態によれば、収縮状態、拡張状態を有する回収デバイスは、少なくとも3つの支持部材を有し、支持部材の各々は、内腔と、固定された近位端部と、移動可能な遠位端部を有し、更に、支持部材に対して移動可能な少なくとも2つの移動可能部材を有する。移動可能部材の各々は、第1の端部及び第2の端部を含み、1つの支持部材の内腔の中を遠位方向に延び、異なる支持部材の内腔の中を近位方向に延びる。回収デバイスは更に、少なくとも1つの移動可能部材の第2の端部のところに位置する止め具を有し、止め具は、拡張状態に向かう回収デバイスの遠位方向の移動中に一定の距離を移動した後、第2の端部の移動を制限する。
【0009】
少なくとも2つの移動可能部材は、3つの移動可能部材を含むのがよい。前記止め具は、少なくとも2つの移動可能部材の第2の端部を互いに固定するカップリングを含むのがよい。カップリングは、第2の端部を包囲するチューブを含むのがよい。移動可能部材の各々は、予備成形されたU字形曲げ部を含み、前記U字形曲げ部は、支持部材の移動可能な遠位端部の遠位側に位置するのがよい。U字形曲げ部は、支持部材を収縮状態に向かって押すのがよい。U字形曲げ部は、止め具が少なくとも1つの支持部材の固定された近位端部に当接するとき、移動可能な遠位端部から一定距離のところに位置するのがよい。移動可能部材は、U字形曲げ部が移動可能な遠位端部から一定の距離のところに位置するとき、第1段階の把持器を形成するのがよい。少なくとも3つの支持部材は、拡張状態に向かう止め具の遠位方向の移動中、互いにほぼ平行に延びるのがよい。回収デバイスは更に、支持部材の各々の近位端部に固定的に結合されたシースを有し、シースは、移動可能部材の少なくとも一部分を包囲するように近位方向に延びるのがよい。
【0010】
別の実施例によれば、収縮状態及び拡張状態を有する回収デバイスは、少なくとも3つの支持部材を有し、支持部材の各々は、内腔と、固定された近位端部と、移動可能な遠位端部を有し、更に、支持部材に対して移動可能な少なくとも3つの移動可能部材を有する。移動可能部材の各々は、第1の端部及び第2の端部を含み、1つの支持部材の内腔の中を遠位方向に延び、異なる支持部材の内腔の中を近位方向に延びる。回収デバイスは更に、移動可能部材のための止め具を有し、止め具は、カップリングを含み、カップリングは、移動可能部材の各々の第2の端部を、支持部材の固定された近位端部から離間した一定の距離のところで互いに結合する。
【0011】
第2の端部のカップリングは、第2の端部をチューブ内に固定するのがよい。止め具は、回収デバイスが完全な収縮状態にあるとき、支持部材の固定された近位端部から離間した一定の距離のところに位置し、拡張状態に向かう前記回収デバイスの移動中、離間した距離は減少するのがよい。第1の端部は、第2の端部の遠位側に位置するのがよい。移動可能部材の各々は、予備成形されたU字形曲げ部を含み、U字形曲げ部は、支持部材の移動可能な遠位端部の遠位側に位置するのがよい。U字形曲げ部は、支持部材を収縮状態に向かって押すのがよい。U字形曲げ部は、止め具から固定距離のところに位置し、止め具と共に移動するのがよい。移動可能部材は、拡張状態に向かう最初の移動中、第1段階の把持器を形成するのがよい。少なくとも3つの支持部材は、拡張状態に向かう止め具の移動中、互いにほぼ平行に延びるのがよい。
【0012】
更に別の実施例によれば、回収デバイスを使用して物体を回収する方法を開示する。回収装置は、少なくとも3つの管状支持部材を有し、管状支持部材の各々は、固定された近位端部と、移動可能な遠位端部を有する。少なくとも2つの移動可能部材が、支持部材に対して移動可能である。移動可能部材の各々は、第1の端部及び第2の端部を含み、1つの支持部材の中を遠位方向に延び、異なる支持部材の中を近位方向に延びる。止め具が、少なくとも1つの移動可能部材の第2の端部のところに位置する。本方法は、止め具が第2の端部の更なる移動を制限するまで、移動可能部材の第1の端部及び第2の端部を遠位方向に移動させる段階を含む。本方法は更に、移動可能部材の第1の端部を更に遠位方向に移動させて、支持部材の移動可能な遠位端部を半径方向に拡張させる段階を含む。
【0013】
一態様において、本発明の開示は、医療デバイスに向けられる。医療デバイスは、近位端部と遠位端部とを有する複数の枝部材を含む。医療デバイスはまた、第1の移動可能部材、第2の移動可能部材を含む。複数の枝部材と第1及び第2の移動可能部材とは、つぶれ形態と拡張形態の間で移動可能なバスケットを形成することができ、第1及び第2の移動可能部材の全体は、複数の枝部材に対して遠位方向に移動するように構成される。
【0014】
第1の移動可能部材は、複数の枝部材の近位端部に対して近位側に配置された第1の曲げ部を含み、第2の移動可能部材は、複数の枝部材の近位端部に対して近位側に配置された第2の曲げ部を含む。第1の曲げ部は、第1の移動可能部材の中間部分に配置された曲げ部を含み、第2の曲げ部は、第2の移動可能部材の中間部分に配置された曲げ部を含む。第1の曲げ部は、第1の移動可能部材の中間点を包囲し、第2の曲げ部は、第2の移動可能部材の中間点を包囲する。つぶれ形態において、第1及び第2の曲げ部は、複数の枝部材の近位端部から第1の距離だけ離間する。回収デバイスは、第1及び第2の移動可能部材に対して近位側に配置された駆動部材を更に含み、第1の移動可能部材は、第1の脚及び第4の脚を有し、第2の移動可能部材は、第1の脚及び第4の脚を有し、駆動部材の遠位端部は、第1及び第2の移動可能部材の第1及び第4の脚に結合される。第1及び第2の移動可能部材の第1及び第4の脚は各々、複数の枝部材のうちの異なる枝部材に配置される。駆動部材を第1の距離だけ遠位方向に前進させると、医療デバイスは、つぶれ形態と拡張形態の間の中間形態に移動する。中間形態において、第1及び第2の曲げ部は、複数の枝部材の近位端部と係合する。第1及び第2の曲げ部が複数の枝部材の近位端部と係合した後、駆動部材16の更なる遠位方向の移動により、第1及び第2の移動可能部材の第1及び第4の脚の各々を、複数の枝部材のうちのそれぞれの枝部材の中を通して遠位方向に延ばす。第1及び第2の移動可能部材の第1及び第4の脚は各々、複数の枝部材のうちのそれぞれの枝部材の遠位端部から延び、隣接した枝部材の中に延びる枝を形成する。医療デバイスが拡張形態にある間の駆動部材の近位方向への後退は、第1及び第2の移動可能部材の第1及び第4の脚を近位方向に後退させる。第1及び第2の曲げ部は、拡張形態からつぶれ形態への医療デバイスの移動中、複数の枝部材の近位端部から外れる。第1及び第2の曲げ部は、医療デバイスが拡張形態にあるとき、複数の枝部材の近位端部と係合する。第1の移動可能部材は、第2の脚及び第3の脚を含み、第2の移動可能部材は、第2の脚及び第3の脚を含み、第1及び第2の移動可能部材の第2及び第3の脚の各々は、複数の枝部材のうちの異なる枝部材に配置される。第1の移動可能部材の第1及び第4の脚と第1の移動可能部材の第2及び第3の脚は各々、複数の枝部材のうちの異なる枝部材に配置され、第2の移動可能部材の第1及び第4の脚と第2の移動可能部材の第2及び第3の脚も各々、複数の枝部材のうちの異なる枝部材に配置される。複数の枝部材の近位端部は、互いに結合することができる。回収デバイスは、複数の枝部材のうちの各々の近位端部に結合されたシースを含み、シースは、第1及び第2の移動可能部材の少なくとも一部分を包囲するように近位方向に延びる。
【0015】
別の態様において、本発明の開示は、医療デバイスに向けられる。医療デバイスは、近位端部と遠位端部とを有する複数の枝部材と、複数の枝部材のうちの各々の近位端部に対して近位側に配置された第1の曲げ部を有する第1の移動可能部材とを含む。医療デバイスは、複数の枝部材のうちの各々の近位端部に対して近位側に配置された第2の曲げ部を有する第2の移動可能部材を含む。複数の枝部材と第1及び第2の移動可能部材とは、つぶれ形態と拡張形態の間で移動可能なバスケットを形成し、第1の曲げ部は、第1の対の複数の枝部材の近位端部と係合するように構成される。第2の曲げ部は、第2の対の複数の枝部材の近位端部と係合するように構成され、複数の枝部材の第1の対及び第2の対のうちの枝部材は、交互に位置する。
【0016】
更に別の態様において、本発明の開示は、医療デバイスに向けられる。医療デバイスは、近位端部と遠位端部とを有する複数の枝部材と、複数の枝部材の各々の近位端部に対して近位側に配置された第1の曲げ部を有する第1の移動可能部材とを含む。医療デバイスはまた、複数の枝部材の各々の近位端部に対して近位側に配置された第2の曲げ部を有する第2の移動可能部材を含む。複数の枝部材と第1及び第2の移動可能部材とは、つぶれ形態と拡張形態の間で移動可能なバスケットを形成し、第1の曲げ部は、第1の対の複数の枝部材の近位端部と係合するように構成される。第2の曲げ部は、第2の対の複数の枝部材の近位端部と係合するように構成される。
【0017】
以上の概要及び以下の詳細説明の両方は、例示的かつ説明のためだけのものであり、特許請求する本発明を制限しないことは理解することができる。
【0018】
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、その説明と共に、本発明の開示の原理を説明するように機能する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態による後退及び収縮状態のエンドエフェクタを含む回収デバイスの側面及び部分図である。
図2】本発明の実施形態による図1の回収デバイスの断面図である。
図3】本発明の実施形態による図1の回収デバイスの遠位端部から見た図である。
図4】本発明の実施形態による延長及び拡張状態の図1の回収デバイスの斜視図である。
図5】本発明の実施形態による延長及び拡張状態にある図1の回収デバイスの遠位端部から見た図である。
図6】延長、拡張状態にある図1の回収デバイスの全体図である。
図7】本発明の実施形態による拡張形態のバスケットを有する医療回収デバイスの斜視図である。
図8図7の医療デバイスのバスケットの部分的な拡大斜視図である。
図9図7の医療回収デバイスの部分的な拡大縦断面図である。
図10図9の線10−10における医療回収デバイスの平面図である。
図11図9の線11−11における医療回収デバイスの断面図である。
図12図9の線12−12における医療回収デバイスの断面図である。
図13】本発明の開示の別の実施例による医療回収デバイスの部分的な拡大縦断面図である。
図14図13の線14−14における医療回収デバイスの平面図である。
図15図13の線15−15における医療回収デバイスの断面図である。
図16図13の線16−16における医療回収デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
概観
本発明の開示は、回収デバイス及び関連のシステム及び方法に関するものである。その実施例が添付図面に示されている本発明の開示の実施形態を以下で詳細に参照する。可能な限り、同じ部分を指す同じ参照番号が図面全体を通じて使用される。用語「遠位」は、デバイスを患者に導入する時にユーザから最も離れた部分を指す。対照的に、用語「近位」は、デバイスを患者の中に配置する時にユーザに最も近い部分を指す。
【0021】
実施例
図1図5は、回収デバイス10の一部を示し、図6は、回収デバイス10の全体図である。図6を簡単に参照すると、デバイス10は、複数の移動可能部材18、20、22並びに複数の支持部材26、28、30を含むバスケット部分又は把持器部分52を含む。支持部材26、28、30は、外側シース12及びその後方のハンドルアセンブリ90に結合される。移動可能部材18、20、22は、支持部材26、28、30並びに外側シース12の中を通って、その後方のハンドルアセンブリ90に結合される。以下により詳細に説明するように、ハンドルアセンブリ90のアクチュエータ92の移動により、移動可能部材26、28、30と支持部材26、28、30の間に相対移動を生じさせ、把持器部分52を拡張状態(図6)と収縮状態(図1)の間で移行させる。
【0022】
図1を参照すると、回収デバイス10の外側シース12は、それの中を長手方向に延びる内腔14を含むことができる。外側シース12は、例えば、約1.9フレンチ(0.63ミリメートル)の中空管とすることができるが、寸法は、回収デバイス10を用いて実施される手順のタイプに基づいて異なる場合がある。外側シース12は、ポリマー材料又は材料の組合せで作ることができる。外側シース12の近位部分は、外側シース12の遠位部分とは異なる材料で作られてもよい。例えば、外側シース12の遠位部分は、外側シース12の近位部分の材料よりも可撓性の材料で作られる。
【0023】
回収デバイス10はまた、駆動部材又はシャフト16を含む。駆動部材16は、外側シース12の内腔14の中を延びている。駆動部材16は、細長いのがよく、例えば、圧縮、引張、及び/又は捩り力を受入れ又は伝達するように構成されたワイヤ、編組、ケーブル、シャフト、及び/又は任意その他の適切な駆動部材を含むことができる。駆動部材16は、円筒形、楕円形、多角形、及び/又は不規則形を含む任意適当な断面形状を有することができる。駆動部材16は、金属、ポリマー、又は材料の組合せで作られるのがよい。駆動部材16は、約0.0125インチ(0.3175ミリメートル)の直径を有することができるようにも考えられている。しかし、駆動部材16は、回収デバイス10を用いて実施されている手順のタイプに応じて他の直径を有することができる。
【0024】
回収デバイス10の移動可能部材26、28、30は、第1の移動可能部材18、第2の移動可能部材20、第3の移動可能部材22を含むことができる。第1の移動可能部材18は、第1の脚18a、反転又はU字形曲げ部18b、及び第2の脚18cを含むことができる。同様に、第2の移動可能部材20は、第1の脚20a、反転又はU字形曲げ部20b、及び第2の脚20cを含むことができる。第3の移動可能部材22も、第1の脚22a、反転又はU字形曲げ部22b、及び第2の脚22cを含むことができる。3つの移動可能部材18、20、22が示されているが、1又は2以上の追加の移動可能部材も含むことができる。
【0025】
移動可能部材18、20、22の各々は、以下に限定されるものではないが、金属、ポリマー、又は材料の組合せを含む任意適当な材料で形成されるのがよい。例えば、移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上は、ニチノール等の形状記憶材料で形成され、拘束力の欠如の下では移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上を外側シース12の長手方向軸線から離れるように半径方向外向きに移動させる内部付勢を有するように処理される。移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上は、約0.003インチ(0.0762ミリメートル)の直径を有するワイヤであるのがよいが、他の適切な直径をこれに代えて利用してもよい。
【0026】
移動可能部材18、20、22の各々は、円筒形、楕円形、多角形、及び/又は不規則形を含む任意適当な断面形状を有することができる。移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上は、平坦にされ、機械加工され、押出され、引抜かれ、及び/又はエッチングされて残りの部分とは異なる輪郭にされた一部分を含むことができる。移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上は、スロット付きにされ、偏向又は有向曲げが可能である。移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上の外面は、粗面化され、切欠かれ、スロット付きにされ、エッチングされ、砂つけ加工され、又はそうでなければ修正されてより良好な把持面を提供することができる。
【0027】
移動可能部材18、20、22は、第1の端部で駆動部材16に取付けられる。例えば、第1の脚18a、20a、22aの近位端部は、駆動部材16の遠位端部に取付けられる。継手接合、接着剤、溶融、溶接、圧着、及び/又は任意その他の適切な取付け機構のうちの1又は2以上によって取付け部が構成される。スリーブ24は、第1の脚18a、20a、22aの近位部分並びに駆動部材16の遠位部分の上に配置され、これらの要素を互いに固定することができるようにも考えられている。スリーブ24は、TEFLON(登録商標)等のポリテトラフロオロエチレンで作られるのがよい。スリーブ24は、第1の脚18a、20a、22a並びに駆動部材16の上で熱収縮性であってもよい。スリーブ24は、約11.5cmの長さを有するのがよいが、長さ及び他のスリーブ寸法は、回収デバイス10を用いて実施されている手順のタイプに基づいて異なる場合があることを理解すべきである。スリーブ24は、第1の脚18a、20a、22aを集合させるのを助け、駆動部材16によって遠位方向に押圧されるとき、脚の半径方向外向き移動を回避することができ、集合させた部分に追加強度を与える。第1の脚18a、20a、22aの各々の近位部分は、他の第1の脚の近位部分と接触することができる。第1の脚18a、20a、22aの近位部分の長手方向軸線は、実質的に平行にすることができる。
【0028】
回収デバイス10の支持部材は、第1の支持部材26、第2の支持部材28、及び第3の支持部材30を含むことができる。支持部材26、28、30はそれぞれ、これらの中を長手方向に延びる内腔34、36、38を含む。1つの実施例において、支持部材26、28、30のうちの少なくとも1つは、チューブであるのがよい。支持部材26、28、30は、外側シース12の長手方向軸線の周りに周方向に配置されるのがよい。支持部材の長手方向軸線は、外側シース12の長手方向軸線の周りに周方向に等間隔に配置されるのがよい。しかしながら、変形例として、任意その他の適切な数の支持部材及び間隔構成を使用してもよいことに注意すべきである。支持部材26、28、30の各々は、円筒形、楕円形、多角形、及び/又は不規則形を含む任意適当な断面形状を有することができる。支持部材26、28、30のうちの1又は2以上は、平坦にされ、機械加工され、押出され、引抜かれ、及び/又はエッチングされて残りの部分とは異なる輪郭にされた部分を含んでもよい。支持部材26、28、30のうちの1又は2以上は、スロット付きにされ、偏向又は有向曲げが可能である。支持部材26、28、30のうちの1又は2以上は、約0.007インチ(0.1778ミリメートル)の内径、約0.001インチ(0.0254ミリメートル)の肉厚、及び/又は約19.5ミリメートルの長さを有することができるが、変形例として、他の適切な寸法を利用してもよい。支持部材26、28、30のうちの1又は2以上の外面は、粗面化され、切欠かれ、スロット付きにされ、エッチングされ、砂つけ加工され、又はそうでなければ修正されてより良好な把持面を提供することができる。支持部材26、28、30は、同軸チューブ又は熱収縮チューブで作ることができ、ポリイミド又はポリエチレンテレフタレート等のポリマーを含む任意適当な材料又は材料の組合せで作ることができる。
【0029】
図1に示すように、移動可能部材18、20、22は、駆動部材16に結合された第1の近位端部から遠位方向に延び、第1の脚18a、20a、22aに沿って支持部材26、28、30の中を遠位方向に延び、予備成形U字形曲げ部18b、20b、22bを形成し、第2の脚18c、20c、22cに沿って異なる支持部材26、28、30の中を近位方向に延びることができる。この形態において、予備成形U字形曲げ部は、支持部材26、28、30を収縮状態の低輪郭に向かって拘束し又は強制することができる。
【0030】
移動可能部材18、20、22並びに支持部材26、28、30は、一緒に熱処理することができ、移動可能部材18、20、22並びに支持部材26、28、30の材料は、支持部材26、28、30が移動可能部材18、20、22の熱処理中に溶融しないように選択される。3つの支持部材26、28、30が示されているが、1又は2以上の追加の支持部材を使用してもよい。
【0031】
支持部材26、28、30の近位部分は、内腔14の中を延び、外側シース12によって覆われる。例えば、支持部材26、28、30のうちの1又は2以上の約10ミリメートルの長さは、外側シース12に対して遠位方向に露出された約9.5ミリメートルの長さを残して、外側シース12によって覆われる。支持部材26、28、30の各々は、他の2つの支持部材と接触することができる。例えば、支持部材26、28、30の近位部分の各々は、他の2つの支持部材の近位部分と接触することができ、その結果、支持部材26、28、30は、図2及び3に示すように、外側シース12の長手方向軸線の周りに三角形の配置を有することができる。支持部材26、28、30の長手方向軸線は、三角形の頂点を形成することができ、長手方向軸線の一部は平行にすることができる。
【0032】
支持部材26、28、30の遠位部分は、内腔14から遠位方向に及び外側シース12の遠位端部から離れるよう延びることができる。遠位部分は、外側シース12の長手方向軸線に向かって又はそれから離れるように移動するように構成されるのがよい。支持部材26、28、30の数は、移動可能部材18、20、22の数に等しくすることができる。変形例として、支持部材226、28、30の数は、移動可能部材18、20、22の数よりも少なくてもよい。例えば、3つの支持部材を使用する場合、単一の移動可能部材が、移動可能部材18、20、22のうちの2つを形成する。
【0033】
3つの支持部材26、28、30の各々は、外側シース12に結合することができる。例えば、外側シース12の遠位端部によって覆われた支持部材26、28、30の近位端部は、紫外線硬化型接着剤又はシアノアクリレート等の接着剤13によって外側シース12の遠位端部に固定的に結合される。これに加えて又はこれに代えて、外側シース12の遠位端部は、熱収縮によって又は、両端に接着剤が付与されたカップリングチューブを使用することによって、支持部材26、28、30の近位端部に固定的に結合することができる。カップリングは、支持部材26、28、30の近位端部を外側シース12の遠位端部に対して静止した状態に維持することができ、支持部材26、28、30の遠位端部は、外側シース12の遠位端部に対して及び互いに対して移動することが可能である。
【0034】
第1の脚18aは、駆動部材16から遠位方向に延び、第1の支持部材26の近位端部のところで内腔34に入る。第1の脚18aは、内腔34の中を遠位方向に延び、第1の支持部材26の遠位端部のところで内腔34を出る。そこで、第1の脚18aは、曲げ部18bへ移行する。曲げ部18bは、第2の脚18cへ移行する。第2の脚18cは、第2の支持部材28の遠位端部のところで内腔36に入る。第2の脚18cは、内腔36の中を近位方向に延び、第2の支持部材28の近位端部のところで内腔36を出る。
【0035】
第1の脚20aは、駆動部材16から遠位方向に延び、第2の支持部材28の近位端部のところで内腔36に入る。第1の脚20aは、内腔36の中を遠位方向に延び、第2の支持部材28の遠位端部のところで内腔36を出る。そこで、第1の脚20aは、曲げ部20bへ移行する。曲げ部20bは、第2の脚20cへ移行する。第2の脚20cは、第3の支持部材30の遠位端部のところで内腔38に入る。第2の脚20cは、内腔38の中を近位方向に延び、第3の支持部材30の近位端部のところで内腔38を出る。
【0036】
第1の脚22aは、駆動部材16から遠位方向に延び、第3の支持部材30の近位端部のところで内腔38に入る。第1の脚22aは、内腔38の中を遠位方向に延び、第3の支持部材30の遠位端部のところで内腔38を出る。そこで、第1の脚22aは、曲げ部22bへ移行する。曲げ部22bは、第2の脚22cへ移行する。第2の脚22cは、第1の支持部材26の遠位端部のところで内腔34に入る。第2の脚22cは、内腔34の中を近位方向に延び、第1の支持部材26の近位端部のところで内腔34を出る。
【0037】
変形例として、第1の脚18aは、第1の支持部材26の中を遠位方向に延び、第2の脚18cは、第3の支持部材30の中を遠位方向に延びるのがよい。第1の脚20aは、第2の支持部材28の中を遠位方向に延び、第2の脚20cは、第1の支持部材26の中を近位方向に延びる。第1の脚22aは、第3の支持部材30の中を遠位方向に延び、第2の脚22cは、第2の支持部材28の中を近位方向に延びる。
【0038】
第2の脚18c、20c、22cの近位端部又は第2の端部のうちの1又は2以上は、移動可能止め具を含み、移動可能止め具の寸法は、拡張状態に向かう回収デバイスの移動中に遠位方向に距離47だけ移動した後、支持部材26、28、30の近位端部と当接又は係合するようにされるのがよい。移動可能止め具は、いくつかの異なる方法で形成される。例示的な移動可能止め具は、図1に示すチューブ形態のカプラ46を含み、第2の脚18c、20c、22cの近位端部を受入れるように構成された内腔48を含む。第2の脚18c、20c、22cは、カプラ46内で互いに取付けられ且つカプラ46に取付けられる。例えば、第2の脚18c、20c、22cの各々は、接着剤、溶融、溶接、圧着、摩擦嵌め、カプラ46の熱収縮、及び/又は取付け部の任意その他の適切な形態によって互いに及びカプラ46に取付けられる。第1の脚18a、20a、22aの一部は、カプラ46の側面に沿って延びることができ、且つ、カプラ46の外面と接触することができる。カプラ46は、第1の脚18a、20a、22aの一部を外側シース12の長手方向軸線から離間させ、第1の脚18a、20a、22aを支持部材26、28、30の中に案内するのを助けることができる。
【0039】
変形例として、移動可能止め具は、2つの移動可能部材18、20を、第2の脚18c、20cの近位端部を置換するU字形曲げ部を有する単一の移動可能部材で置換することによって形成されてもよい。この構成において、U字形曲げ部は、回収デバイス10の拡張の第1の段階中、支持部材26、28、30の近位端部に対する移動可能部材の移動可能止め具を形成することができる。更に、第2の脚22cをU字形曲げ部に結合してその進行を制限することができる。変形例として、近位U字形又はL字形フック又は任意その他のタイプの障害物(図示せず)を第2の脚18c、20c、22cのうちの1、2、又は全ての上に設けた移動可能止め具を形成してもよく、かかる移動可能止め具は、回収デバイス10の拡張の第1段階中、支持部材26、28、30と当接又は係合し、第2の脚18c、20c、22cの進行を距離47に制限する。
【0040】
移動可能部材18、20、22並びに支持部材26、28、30は、エンドエフェクタ50を形成することができる。エンドエフェクタ50は、互いにバスケット又は把持器部分52を形成することができる。図1図3において、把持器部分52は、後退及び収縮状態で示されている。把持器部分52は、駆動部材16を外側シース12に対して近位方向に移動させ、又は外側シース12を駆動部材16に対して遠位方向に移動することによってその後退及び収縮状態に移動することができる。「移動可能」部材26、28、30への参照は、デバイス10の他の要素に対する部材26、28、30の相対移動を指し、従って、移動可能部材26、28、30における用語「移動可能」は、収縮及び拡張状態の間を移動中に静止しているが、収縮、拡張状態の間を移動中に支持部材26、28、30に対しては移動可能である部材を含むことを理解すべきである。後退/収縮状態において、曲げ部18b、20b、22bは、支持部材26、28、30の遠位端部にあり、又はこれらに隣接することができる。第1の脚18a、20a、22a並びに第2の脚18c、20c、22cの遠位端部は、支持部材26、28、30の内腔34、36、38内に位置しているのがよい。支持部材26、28、30の長手方向軸線は、実質的に平行とすることができ、支持部材26、28、30の各々の近位部分及び遠位部分の両方は、他の支持部材と接触状態にすることができる。内腔34、36、38内の第1の脚18a、20a、22a並びに第2の脚18c、20c、22cの各部分は、実質的に平行にすることができる。支持部材26、28、30、及び/又は外側シース12は、拡張及び収縮状態の間のデバイスの移動中に移動可能部材18、20、22の屈曲に抵抗するのを助けることができる。
【0041】
後退/収縮状態において、カプラ46の遠位端部は、距離47だけ支持部材26、28、30の近位端部から離間している。距離47は、約1ミリメートルとすることができるが、他の距離を使用することもできる。カプラ46の近位端部は、距離49を含む距離だけスリーブ24の遠位端部から離間している。距離49は、合計で約16ミリメートルとすることができるが、他の距離を使用することもできる。別の実施例において、距離49は、約11ミリメートルとすることができ、より短い距離は、尿道鏡が偏向しない可撓性尿道鏡チャネルに対するより近位の位置にスリーブ24を位置決めすることができる。この位置決めは、外側シース12の湾曲部分内の剛性スリーブ24の固着を防止することができる。しかし、スリーブ24は、1又は2以上の可撓性材料を含むことができるようにも考えられている。距離47、49は、回収デバイス10を用いて実施される手順に基づいて異なる場合がある。
【0042】
図4及び図5において、回収デバイス10は、延長及び拡張状態にある把持器部分52と共に示されている。延長及び拡張状態において、移動可能部材18、20、22の一部は、支持部材26、28、30並びに外側シース12の遠位端部から露出する。露出した状態で、移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上は、移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上内の固有の及び/又は適用された半径方向外向きの付勢により、外側シース12の長手方向軸線から半径方向外向きに移動することができる。移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上の半径方向外向き移動は、それに対応する支持部材26、28、30の半径方向外向き移動を引き起こすことができる。
【0043】
移動可能部材18、20、22の露出部分は、支持部材26、28、30の遠位端部の間にブリッジ62、64、66を形成する。各ブリッジは、与えられた支持部材の遠位端部から遠位方向に延びることができ、隣接した支持部材の遠位端部に受入れられる。ブリッジ62、64、66は、第1の脚18a、20a、22aの遠位部分、曲げ部18b、20b、22b並びに第2の脚18c、20c、22cの遠位部分によって形成される。
【0044】
各ブリッジ、それに対応する2つの支持部材は、把持器部分52のサイドループを形成することができる。3つのサイドループ54、56、58を、図4及び図5に示す。ブリッジ62、64、66は、把持器部分52のフロントループ60を形成する。物質は、フロントループ60並びにサイドループ54、56、58のうちの1又は2以上を通って把持器部分52に入ることができる。追加の移動可能部材、支持部材を追加することにより、追加のサイドループを生成する。
【0045】
駆動部材16と外側シース12の間の相対移動は、移動可能部材18、20、22のうちの1又は2以上において固有の及び/又は適用された半径方向外向き付勢により、把持器部分52をその延長、拡張状態に移動する。把持器部分52の延長及び拡張は、段階的に行うことができる。図1に示す後退及び収縮状態から始まって、把持器部分52の延長、拡張の第1の段階は、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対する遠位方向への駆動部材16の移動から始めることができる。駆動部材16の相対移動は、移動可能部材18、20、22並びにカプラ46を外側シース12に対して遠位方向に移動することができる。駆動部材16、移動可能部材18、20、22並びにカプラ46の移動は、平行移動とすることができる。例えば、駆動部材16、第1の脚18a、20a、22a、曲げ部18b、20b、22b、第2の脚18c、20c、22c並びにカプラ46は、第1の段階中、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して遠位方向に移動することができる。第1の脚18a、20a、22a並びに第2の脚18c、20c、22cの近位部分は、支持部材26、28、30の近位端部のところで支持部材26、28、30の内腔34、36、38に入ることができる。第1の脚18a、20a、22a、曲げ部18b、20b、22b並びに第2の脚18c、20c、22cの遠位端部は、支持部材26、28、30の遠位端部から現れ、遠位端部から更に外に延びることができる。移動可能部材18、20、22の露出部分は、ブリッジ62、64、66を形成することができ、移動可能部材18、20、22の露出長さが増すにつれて、ブリッジ62、64、66の長さは増す。ブリッジ62、64、66が大きくなると、移動可能部材18、20、22並びに支持部材26、28、30の遠位部分は、外側シース22の長手方向軸線から半径方向外向きに拡張することができる。フロントループ60並びにサイドループ54、56、58の寸法が大きくなる。
【0046】
移動可能止め具を形成するカプラ46は、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して移動可能部材18、20、22と共に移動する。カプラ46が、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して距離47を移動するとき、カプラ46の更なる遠位方向の移動は、カプラ46が支持部材26、28、30の近位端部に近づいたときに停止させることができる。これは、第2の脚18c、20c、22cが支持部材26、28、30の内腔34、36、38に更に入るのを防止する。延長及び拡張の第1の段階の終わりに、U字形曲げ部18b、20b、22bの各々は、U字形曲げ部18b、20b、22bがカプラ46から固定距離に位置付けられるので、距離47だけ支持部材26、28、30の遠位端部から離間している。
【0047】
支持部材26、28、30とカプラ46の間の距離47の存在は、収縮及び拡張状態の間で回収デバイス10の往復移動を容易にする。すなわち、距離47の存在は、回収デバイス10を収縮状態から拡張状態に向かって移動するのに必要な力の初期量を低減する。上述のように、移動可能部材18、20、22は、収縮状態の支持部材26、28、30の遠位端部を締結するのを補助するように機能する所定のU字形曲げ部18b、20b、22bを含むことができる。移動可能部材18、20、22を距離47延ばすことにより、支持部材26、28、30の遠位端部に対するU字形曲げ部18b、20b、22bの締結抵抗を低下させる。更に、支持部材26、28、30の遠位端部から離れる移動可能部材18、20、22の移動は、拡張状態に向かって回収デバイス10を移動させるときにU字形曲げ部18b、20b、22bの付勢に打ち勝つためのより大きいモーメントのアームを提供する。
【0048】
距離47の存在はまた、支持部材26、28、30に対して遠位方向に延びる移動可能部材18、20、22の部分によって回収デバイス10が第1段把持器を形成することを可能にする。この第1段把持器は、距離47の移動後に支持部材26、28、30から遠位方向に延びる移動可能部材18、20、22の部分内のみにより小さい断片を捕捉することができる。移動可能部材18、20、22の遠位端部は、これらが支持部材26、28、30よりも分散された接触アレイ又はワイヤウェブを含むので、支持部材26、28、30よりも小さい断片をより確実に捕捉することができる。移動可能部材18、20、22の第1段階移動中、支持部材は、互いにほぼ平行に延びることに注意されたい。理解されるように、本明細書に使用される時の用語「ほぼ」は、主としてを意味し、より具体性を必要とする場合に、関連の値の±8パーセントの範囲を意味する。
【0049】
把持器部分52の延長、拡張の第2の段階は、カプラ46の遠位方向の移動が停止した後で始めることができる。第2の段階中、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対する駆動部材16の更なる遠位方向の移動は、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して第1の脚18a、20a、22aの遠位方向の移動を駆動することができる。第2の段階中、第2の脚18c、20c、22cは、支持部材26、28、30に対して静止したままである。第1の脚18a、20a、22aは、支持部材26、28、30の遠位端部から益々露出され、それによってブリッジ62、64、66の長さを増すことができる。移動可能部材18、20、22並びに支持部材26、28、30の遠位部分は、半径方向外向きに拡張することができる。フロントループ60並びにサイドループ54、56、58の寸法も拡張させることができる。
【0050】
第2の段階における延長、拡張は、距離49にわたって続けることができる。第1の脚18a、20a、22aが距離49を移動したら、駆動部材16の遠位方向の移動を停止させる。駆動部材16の遠位方向の移動は、例えば、図6に説明するハンドルアセンブリに形成された止め具によって停止させることができる。
【0051】
駆動部材16を外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して近位方向に移動することにより、把持器部分52を移動させて後退、収縮状態に戻ることを達成する。延長、拡張状態から後退、収縮状態への移動も段階的に行うことができる。把持器部分52の後退及び収縮の第1の段階は、外側シース12に対して近位方向に移動する駆動部材16から始めることができる。これは、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して第1の脚18a、20a、22aを近位方向に移動する。第1の脚18a、20a、22aの遠位部分は、支持部材26、28、30の遠位端部のところで内腔34、36、38に入る。第2の脚18c、20c、22c並びにカプラ46は、支持部材26、28、30に対して静止したままである。ブリッジ62、64、66の長さは減少する。第1の脚18a、20a、22a、第2の脚18c、20c、22c並びに支持部材26、28、30は、半径方向内向きに移動する。従って、フロントループ60並びにサイドループ54、56、58の寸法も縮小する。
【0052】
把持器部分52の後退及び収縮の第1の段階は、距離49にわたって行うことができる。距離49を達成したら、後退及び収縮の第2の段階は、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対する近位方向への駆動部材16の連続移動で行うことができる。連続移動は、移動可能部材18、20、22並びにカプラ46を外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して近位方向に移動させる。駆動部材16、移動可能部材18、20、22並びにカプラ46の移動は、平行移動とすることができる。例えば、駆動部材16、第1の脚18a、20a、22a、曲げ部18b、20b、22b、第2の脚18c、20c、22c並びにカプラ46は、第2の段階中、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して近位方向に移動することができる。第1の脚18a、20a、22a並びに第2の脚18c、20c、22cの近位部分は、支持部材26、28、30の近位端部のところで支持部材26、28、30の内腔34、36、38を出ることができる。第1の脚18a、20a、22a、曲げ部18b、20b、22b並びに第2の脚18c、20c、22cの遠位部分は、支持部材26、28、30の遠位端部の中に入り、この遠位端部を更に過ぎて移動することができる。ブリッジ62、64、66の長さは、移動可能部材18、20、22の露出長さが減少するにつれて減少する。ブリッジ62、64、66が収縮すると、移動可能部材18、20、22並びに支持部材26、28、30の遠位部分は、外側シース22の長手方向軸線に向かって半径方向内向きに収縮する。フロントループ60並びにサイドループ54、56、58の寸法は収縮する。
【0053】
カプラ46は、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して移動可能部材18、20、22と共に移動ことができる。カプラ46が、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して距離47を移動しているとき、カプラ46の更に近位方向移動は、図6のハンドルアセンブリ90に形成された止め具のようなハンドルアセンブリ90の作動によって停止させることができる。後退、収縮の第2の段階の終わりに、図1に示す状態が得られる。上述のように、この収縮状態において、移動可能部材18、20、22は、収縮状態の支持部材26、28、30の遠位端部を締結するのを補助するように機能する支持部材26、28、30の遠位端部に隣接して位置決めされた所定のU字形曲げ部18b、20b、22bを含むのがよい。
【0054】
図6は、回収デバイス10の近位端部86に配置されたハンドルアセンブリ90を示している。ハンドルアセンブリ90は、例えば、摺動機構、回転機構、又は押圧機構等のアクチュエータ92を含むことができる。アクチュエータ92は、外側シース12に結合され、移動可能部材18、20、22に対して外側シース12の移動を制限するための内部止め具を含むことができる。駆動部材16は、ハンドルアセンブリ90の近位端部に固定されるのがよい。ハンドルアセンブリは、任意の従来の仕方で形成され、上述のように、外側シース12並びに支持部材26、28、30に対して移動可能部材18、20、22の移動を制御することができることを理解すべきである。上述のように、ハンドルアセンブリ90は、1又は2以上の内部止め具又は外部止め具を含み、移動可能部材18、20、22の移動を制限することができる。
【0055】
図7及び図8に示すように、本発明の実施形態による医療デバイス100は、近位端部102から遠位端部104に向かって延びる。医療デバイス100は、近位端部102に配置されたハンドル126を含むことができる。ハンドル126は、例えば、摺動機構、回転機構、又は押圧機構などのアクチュエータ130を含むことができる。アクチュエータ130は、任意の従来の仕方で駆動部材128(図8にのみ示す)に結合され、医療デバイス100の遠位端部104に配置されたバスケット106の移動を制御することができる。駆動部材128は、フィラメント、編組ワイヤ、ロープ、ロッド、又は他の適切な駆動部材とすることができる。
【0056】
バスケット106は、以下により詳細に説明するように、複数の枝部材108と、枝部材108の中を通る移動可能部材112、113とを含む。バスケット106は、拡張形態(図7及び図8に示す)とつぶれ形態(図9図12に示す)の間を往復動するように構成される。シース118(図8及び図9に示す)は、枝部材108の近位端部の周りに固定的に配置される。枝部材108の遠位部分は、シース118から外へ遠位方向に延びる。枝部材108の遠位部分は、シース118の長手方向軸線に向かって且つそれから離れるように移動するように構成されるのがよい。一部の実施例において、シース118は、移動可能部材112、113の少なくとも一部分を包むように近位方向に延びるのがよい。シース118の近位端部は、歪み緩和部分124に結合されるのがよい。歪み緩和部分124は、ハンドル126とシース118の近位端部の間の支持をもたらすように構成されるのがよい。従って、シース118の近位端部、歪み緩和部分124は、ハンドル126に結合される。
【0057】
移動可能部材112、113の各々は、円筒形、楕円形、多角形、及び/又は不規則形を含む任意適当な断面形状を有することができる。移動可能部材112、113のうちの1又は2以上は、残りの部分とは異なる輪郭に平坦にされ、機械加工され、押出され、引抜かれ、及び/又はエッチングされた部分を含むことができる。移動可能部材112、113のうちの1又は2以上は、スロット付きにされ、偏向又は有向曲げを可能にする。移動可能部材112、113のうちの1又は2以上の外面は、粗面化され、切欠かれ、スロット付きにされ、エッチングされ、砂つけ加工され、又はそうでなければ修正されてより良好な把持面を提供することができる。移動可能部材112、113のうちの1又は2以上は、以下に限定されるものではないが、金属、ポリマー、又は材料の組合せを含む任意適当な材料で形成される。1つの実施例において、移動可能部材112、113のうちの1又は2以上は、ポリマーで被覆された金属ワイヤを含むことができる。変形実施例において、移動可能部材112、113のうちの1又は2以上は、互いに共引抜きされた2又は3以上の金属から形成することができる。1つの実施例において、移動可能部材112、113のうちの1又は2以上は、例えば、約.003’’(0.0762ミリメートル)の直径を有するニチノールワイヤのような形状記憶材料で形成される。
【0058】
移動可能部材112、113は、駆動部材128に取付けられる。例えば、第1の脚112a、第4の脚112g、第1の脚113a、第4の脚113gの近位端部は、駆動部材128の遠位端部に取付けられ。継手接合、接着剤、溶融、溶接、圧着、及び/又は任意その他の適切な取付け機構のうちの1又は2以上によって取付け部を構成することができる。
【0059】
図8を参照すると、枝部材108の長手方向軸線は、長手方向軸線110の周りに周方向に等間隔で配置される。しかし、任意その他の適切な数の枝部材、間隔構成をこれに代えて利用することができることに注意すべきである。一部の実施例において、枝部材108は、これらの中を通る移動可能部材112、113を受入れるように構成された中空チューブとすることができる。一部の実施例において、枝部材108の近位端部は、互いに結合される。枝部材108の各々は、円筒形、楕円形、多角形、及び/又は不規則形を含む任意適当な断面形状を有することができる。枝部材108のうちの1又は2以上は、残りの部分とは異なる輪郭に平坦にされ、機械加工され、押出され、引抜かれ、及び/又はエッチングされた部分を含んでもよい。枝部材108のうちの1又は2以上は、スロット付きにされ、偏向又は有向曲げを容易にすることができる。枝部材108のうちの1又は2以上は、約0.007インチ(0.1778ミリメートル)の内径、約0.001インチ(0.0254ミリメートル)の肉厚、及び/又は約19.5ミリメートルの長さを有することができるが、他の適切な寸法をこれに代えて利用することができる。枝部材108のうちの1又は2以上の外面は、粗面化され、切欠かれ、スロット付きにされ、エッチングされ、砂つけ加工され、又はそうでなければ修正されてより良好な把持面を提供することができる。枝部材108は、ポリイミド又はポリエチレンテレフタレート等のポリマーを含む任意適当な材料で作ることができる。
【0060】
一部の実施例において、枝部材108及び/又は移動可能部材112、113は、付勢され(例えば、予め曲げられ又は湾曲され)、拡張形態において、枝部材108及び/又は移動可能部材112、113が医療デバイス100の長手方向軸線110から半径方向外向きに自然に押されるのがよい。変形例として、枝部材108及び/又は移動可能部材112、113は、これらの中立位置が医療デバイス100の長手方向軸線110に真っ直ぐでこれと平行であるというように付勢されなくてもよい。
【0061】
与えられた枝部材108から遠位方向に延びる移動可能部材112、113の露出部分は、枝部材108の遠位端部の間にブリッジ112h、112i、113h、113iを形成することができる。すなわち、各ブリッジ112h、112i、113h、113iは、与えられた枝部材108の遠位端部から遠位方向に延びることができ、隣接した枝部材108の遠位端部に受入られる。ブリッジ112h、112i、113h、113iは、第1の脚112a、第4の脚112g、第1の脚113a、第4の脚113g並びに曲げ部112b、112f、113b、113f(図10に示す)の遠位部分によって形成される。物質は、隣接した枝部材108によって予め決められた複数の側面開口114のうちの1つの中を通って、又は、隣接したブリッジによって予め決められた遠位開口116の中を通ってバスケット106に入ることができる。
【0062】
枝部材108は、例えば、紫外線硬化型接着剤、糊、又はシアノアクリレート等の接着剤によってシース118内に固定される。しかし、任意その他の適切な接着剤又は固定機構をこれに代えて利用することができることに注意すべきである。シース118は、例えば、取りわけ、ポリイミド又はポリエチレンテレフタレート等のポリマーで形成されるのがよい。接着剤は、枝部材108の近位端部の周りに適用されて、枝部材108をシース118内で周方向に固定することができる。変形例として、シース118は、枝部材108の近位端部の周りに配置された熱収縮部とすることができる。カプラは、枝部材108の近位端部をシース118の遠位端部に対して静止した状態に維持することができ、同時に枝部材108の遠位端部がシース118の遠位端部に対して、互いに対して移動することを可能にする。
【0063】
図9図12を参照すると、移動可能部材112の第1の脚112aは、駆動部材128から遠位方向に延び、枝部材108bの近位端部に入る。第1の脚112aは、枝部材108bの中を遠位方向に延び、枝部材108bの遠位端部を出る。そこで、第1の脚112aは、曲げ部112bへ移行する。曲げ部112bは、第2の脚112cへ移行する。第2の脚112cは、枝部材108aの遠位端部に入る。第2の脚112cは、枝部材108aの中を近位方向に延び、枝部材108aの近位端部を出る。そこで、第2の脚112cは、移動可能部材112の中間部分(中間点を含む)を包含する曲げ部112dへ移行する。曲げ部112dは、第3の脚112eへ移行する。第3の脚112eは、枝部材108dの近位端部に入る。第3の脚112eは、枝部材108dの中を遠位方向に延び、枝部材108dの遠位端部を出る。そこで、第3の脚112eは、曲げ部112fへ移行する。曲げ部112fは、第4の脚112gへ移行する。第4の脚112gは、枝部材108aの中を近位方向に延び、枝部材108aの近位端部を出る。そこで、第4の脚112gは、駆動部材128に結合される。
【0064】
移動可能部材113の第1の脚113aは、駆動部材128から遠位方向に延び、枝部材108dの近位端部に入る。第1の脚113aは、枝部材108dの中を遠位方向に延び、枝部材108dの遠位端部を出る。そこで、第1の脚113aは、曲げ部113bへ移行する。曲げ部113bは、第2の脚113cへ移行する。第2の脚113cは、枝部材108cの遠位端部に入る。第2の脚113cは、枝部材108cの中を近位方向に延び、枝部材108cの近位端部を出る。そこで、第2の脚113cは、移動可能部材113の中間部分(中間点を含む)を包含する曲げ部113dへ移行する。曲げ部113dは、第3の脚113eへ移行する。第3の脚113eは、枝部材108bの近位端部に入る。第3の脚113eは、枝部材108bの中を遠位方向に延び、枝部材108bの遠位端部を出る。そこで、第3の脚113eは、曲げ部113fへ移行する。曲げ部113fは、第4の脚113gへ移行する。第4の脚113gは、枝部材108cの中を近位方向に延び、枝部材108cの近位端部を出る。そこで、第4の脚113gは、駆動部材128に結合される。
【0065】
すなわち、図7図12に示す実施例において、枝部材108a、108cは、1つおきの1対の枝部材であり、各枝部材108a、108cはそれぞれ、その中を通るように配置された同じ移動可能部材の2つの脚を有する(例えば、移動可能部材112の脚112c、112gは、枝部材108aの中を通るように配置され、移動可能部材113の脚113c、113gは、枝部材108cの中を通るように配置される)。枝部材108b、108dは、1つおきの1対の枝部材であり、各枝部材108b、108dはそれぞれ、その中を通るように配置された2つの異なる移動可能部材の一部分を有する(例えば、移動可能部材112の脚112a、移動可能部材113の脚113eは、枝部材108bの中に配置され、移動可能部材113の脚112e及び移動可能部材113の脚113aは、枝部材108dの中を配置される)。
【0066】
医療デバイス100を図9図12のつぶれ形態から、例えば図7及び図8に示す拡張形態へ移動させるために、駆動部材128(図8を参照)を遠位方向に移動させ、移動可能部材112、113を遠位方向に差し向ける。最初、両方の移動可能部材112、113の全体は、遠位方向に且つ長手方向に(かつ枝部材108a〜108dに対して)距離450(図9にのみ示す)だけ移動する。距離450は、枝部材108a〜108dの近位端部と曲げ部112d、113dとの間の距離によって決定される。すなわち、移動可能部材112、113の全体は、曲げ部112dが枝部材108a、108dの近位端部と係合し、且つ、曲げ部113dが枝部材108b、108cの近位端部と係合するとき、医療デバイス100が中間形態に達するまで長手方向に移動する。曲げ部112d、113dが、枝部材108a〜108dの近位端部と係合している間、曲げ部112d、113dは、距離450だけ遠位方向に移動しており、曲げ部112d、113dと枝部材108a〜108dの近位端部との間に距離はない。移動可能部材112、113が、距離450だけ遠位方向に移動すると、ブリッジ112h、113i、113h、112i(図8を参照して)はそれぞれ、距離450だけ枝部材108a、108b、108c、108dの遠位端部から延びる。曲げ部112d、113dが、枝部材108a〜108dの近位端部と係合したら、駆動部材128を追加の距離460だけ遠位方向に移動させ、ブリッジ112h、113i、113h、112iを遠位方向に追加の距離460だけ変位させる。従って、完全な拡張形態において、ブリッジ112h、113i、113h、112iは、距離450の2倍と距離460の合計に等しい距離だけ、枝部材108a、108b、108c、108dの遠位端部から変位する。距離460は、曲げ部112d、113dと、脚112a、112g、113a、113gが互いに分離できない移動可能部材112、113に沿った最遠位点との間の長手方向距離を表す。
【0067】
曲げ部112d、113dが、枝部材108a〜108dの近位端部と係合したら、脚112c、113e、113c、112eはそれぞれ、枝部材108a、108b、108c、108dに対して固定される。すなわち、曲げ部112d、113dが枝部材108a〜108dの近位端部と係合しているとき、脚112c、113e、113c、112eは、それぞれの枝部材108a、108b、108c、108dと一緒に同じ仕方で(すなわち、同じ広がりで)移動する。駆動部材128を近位方向に移動して、医療デバイス100をつぶれ形態に戻すことができる。
【0068】
移動可能部材は、様々な枝部材の中を任意適当な構成で通され、その結果、ある距離(例えば、450)が、移動可能部材の近位側の曲げ部(例えば、112d、113d)と枝部材の近位端部との間に配置される。例えば、医療デバイス800は、図13図16によって示す実施例において、枝部材808a〜808dの中を通される移動可能部材812、813を含む。移動可能部材812、813並びに枝部材808a〜808dはそれぞれ、移動可能部材112、113並びに枝部材108a〜108dと実質的に類似である。
【0069】
図13図16を参照すると、移動可能部材812の第1の脚812aは、駆動部材128から遠位方向に延び、枝部材808aの近位端部に入る。第1の脚812aは、枝部材808aの中を遠位方向に延び、枝部材808aの遠位端部を出る。そこで、第1の脚812aは、曲げ部812bへ移行する。曲げ部112bは、第2の脚812cへ移行する。第2の脚812cは、枝部材808dの遠位端部に入る。第2の脚812cは、枝部材808dの中を近位方向に延び、枝部材808dの近位端部を出る。そこで、第2の脚812cは、移動可能部材812の中間部分(中間点を含む)を包含する曲げ部812dへ移行する。曲げ部812dは、第3の脚812eへ移行する。第3の脚812eは、枝部材808bの近位端部に入る。第3の脚812eは、枝部材808bの中を遠位方向に延び、枝部材808bの遠位端部を出る。そこで、第3の脚812eは、曲げ部812fへ移行する。曲げ部812fは、第4の脚812gへ移行する。第4の脚812gは、枝部材808cの中を近位方向に延び、枝部材808cの近位端部を出る。そこで、第4の脚812gは、駆動部材128に結合される。
【0070】
移動可能部材813の第1の脚813aは、駆動部材128から遠位方向に延び、枝部材808bの近位端部に入る。第1の脚813aは、枝部材808bの中を遠位方向に延び、枝部材808の遠位端部を出る。そこで、第1の脚813aは、曲げ部813bへ移行する。曲げ部813bは、第2の脚813cへ移行する。第2の脚813cは、枝部材808aの遠位端部に入る。第2の脚813cは、枝部材808aの中を近位方向に延び、枝部材808aの近位端部を出る。そこで、第2の脚813cは、移動可能部材813の中間部分(中間点を含む)を包含する曲げ部813dへ移行する。曲げ部813dは、第3の脚813eへ移行する。第3の脚813eは、枝部材808cの近位端部に入る。第3の脚813eは、枝部材808cの中を遠位方向に延び、枝部材808cの遠位端部を出る。そこで、第3の脚813eは、曲げ部813fへ移行する。曲げ部813fは、第4の脚813gへ移行する。第4の脚813gは、枝部材808dの中を近位方向に延び、枝部材808dの近位端部を出る。そこで、第4の脚813gは、駆動部材128に結合される。
【0071】
すなわち、図13図16に示す実施例において、枝部材808a〜808dの各々は、これらの中に配置された2つの異なる移動可能部材の一部分を有する(例えば、各移動可能部材812、813のうちの1つは、各枝部材808a〜808dの中に配置される)。
【0072】
医療デバイス800は、図7図12を参照して説明した医療デバイス100と実質的に類似の方式で開閉される。例えば、距離850(実質的に距離450に類似し、図13にのみ示す)は、枝部材808a〜808dの近位端部と曲げ部812d、813dとの間の距離によって決定される。従って、移動可能部材812、813の全体は、長手方向に及び枝部材808a〜808dに対して移動することができる。移動可能部材112、113が距離850、860だけ遠位方向に移動すると、医療デバイス800のブリッジ(図示していないが、図7のブリッジ112h、112i、113h、113iと実質的に類似している)は、距離850の2倍と距離860の合計に等しい距離だけ、枝部材808a〜808dの遠位端部から遠位方向に延びることができる。
【0073】
枝部材108a〜108dの近位端部又と曲げ部112d、113dとの間の距離450の存在は、つぶれ形態と拡張形態の間の医療デバイス100の往復動を容易にする。すなわち、距離450の存在は、医療デバイス100をつぶれ形態から移動するのに必要な力の初期量を低減させることができる。一部の実施例において、距離450により、移動可能部材112が枝部材108から遠位方向に延びる距離を増加させることによって、バスケット106がより容易に開くことを可能にし、それにより、移動可能部材112の遠位端部の締結力を低減させることができる。締結力の減少は、移動可能部材112の外向き半径方向拡張を容易にすることができる。距離450の存在はまた、枝部材108から遠位方向に延びる移動可能部材112の部分内だけに医療デバイス100がより小さい断片を捕捉することを可能にする。移動可能部材112の遠位端部は、枝部材108単独でよりも確実により小さい断片を捕捉することができる。距離850は、医療デバイス800に対して類似の方式で機能することができる。
【0074】
開示した回収デバイスは、身体からの物質の捕捉、除去を必要とする任意適当な用途に利用することができる。任意の実施例で説明した任意の態様は、本明細書で説明した任意その他の実施例と共に使用することができる。回収デバイスは、任意適当な医療手順に使用することができ、任意適当な身体内腔、体腔を通じて前進させることができ、かつ任意適当な身体部分から物質を除去するのに使用することができる。例えば、本明細書に説明したるデバイスは、経口的、経膣的、経直腸的、経鼻的、経尿道的、又は任意適当な組織の切開によりアクセスするものを含む任意の生来の身体内腔又はチューブを通して使用することができる。
【0075】
開示したデバイスは、約3フレンチ(1ミリメートル)又はそれよりも小さい寸法を有する断片を捕捉するように構成することができる。一部の実施例において、開示の医療デバイスは、1ミリメートル〜12ミリメートルの直径を有するより小さい結石を捕捉して解除することができる。一部の実施例において、ユーザは、より大きい結石を尿管の小径を通してそれらを除去する前に腎臓の下部腎杯から上部腎杯に再位置決めしてレーザで破壊することを望む場合がある。スコープチャネルを通すものとは対照的に、スコープチャネルの損傷を防ぐためにスコープの前で結石を除去することができる。結石が除去された時に、内視鏡、回収デバイスの両方を人体から除去することができる。一部の実施例において、尿管鏡のためのガイドシースを使用して尿管鏡、回収デバイスを前の位置に戻すか又は新たな位置に案内し、追加の結石を捕捉し、かつ結石除去中に尿管壁を保護することができる。延長、拡張状態から後退、収縮状態に移動しながら、本発明の開示の回収デバイスは、把持器部分52内により大きい結石を結紮し、より小さい結石を捕捉することができる。
【0076】
本発明の開示の範囲から逸脱することなく開示したシステム、処理に様々な修正、変形を加えることができることは当業者には明らかであろう。例えば、開示の回収デバイスは、4又は5の支持部材のような3よりも多い支持部材、同数又はそれ未満の移動可能部材を含むことができると考えられる。本発明の開示の他の実施例は、本明細書に開示する特徴の仕様及び実施の考察から当業者には明らかであろう。仕様、実施例は、単に例示として考えるものとするように意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16