(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る排水溝ブロックの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。排水溝ブロックは、概ね、支持体と排水体とで構成される。支持体は、設置場所に埋設され、排水体の排水部が所定の勾配を有する傾斜状態となるように支持するものである。排水体は、支持体に支持され、排水部の上面で排液や排水を流すものである。
【0019】
[実施例1]
図1〜
図4に示すように、実施例1に係る排水溝ブロック1は、支持体2と排水体3とで構成されており、地面4に同一の深さで筋状に掘削した掘削溝に埋設されることで所定の勾配を有する排水溝5を形成するものである。なお、屋内に排水溝ブロック1を設置する場合には、地面4は床面となる。
【0020】
支持体2は、上下垂直に伸延する左側の支持部6と上下垂直に伸延する右側の支持部7との下端部同士を左右水平に伸延する連結部8で連結して、前後水平に伸延する断面略U字形状となっている。
【0021】
なお、支持体2は、左右の支持部6,7と連結部8とに分離可能に形成してもよく、連結部8を形成せずに左右の支持部6,7だけに分離して形成してもよい。
【0022】
左右の支持部6,7は、内側壁面に後端から前端に向けて下方へ漸次傾斜する外方へ向けて凹状の支持溝9,10を形成している。各支持溝9,10は、排水溝5(排水溝ブロック1)に要求される所定の勾配で傾斜している。また、各支持溝9,10は、下側に段部11,12を階段状に形成している。
【0023】
また、左右の支持部6,7は、上端部に支持溝9,10の上端から上方に垂直に伸延する上端片13,14を形成するとともに、上端片13,14の内側及び上側に前後水平に伸延する被覆体15,16を着脱自在に取付けている。
【0024】
左右の上端片13,14は、対向する支持溝9,10の最深部同士の間隔と同一の間隔で上下に伸延している(これにより、後述するように被覆体15,16を上端片13,14から外した状態で排水体3を上方側から支持溝9,10に載置できるようになっている。)。
【0025】
左右の被覆体15,16は、上部内側に内側へ向けて下方に傾斜する傾斜面状の受部17,18を形成し、その受部17,18でグレーチング19の左右端部の傾斜面を受けるようにしている。
【0026】
また、左右の被覆体15,16は、下端部に支持溝9,10を構成する左右水平面状の押圧部20,21を形成している(これにより、後述するように支持溝9,10に排水体3を挿入した状態で押圧部20,21で排水体3を押圧できるようになっている。)。なお、押圧部20,21は、受部17,18の直下方に形成されている(これにより、グレーチング19の荷重が受部17,18から押圧部20,21に直接的にかかるようになっている。)。
【0027】
排水体3は、前後に水平に伸延する断面V字状の排水部22の左右端部に外側へ向けて突出させた支持片23,24を形成している。各支持片23,24は、支持溝9,10と符合するように下側に段部25,26を階段状に形成し上側に水平面を形成している。なお、排水体3は、前後に水平に伸延する断面V字形状となっているが、左右の支持片23,24を支持体2の支持溝9,10に挿入して支持体2に取付けることで、支持溝9,10で規定される所定の勾配で傾斜した状態で支持体2に設置されることになる。排水部22の断面はV字形状に限られずU字形状等であってもよい。
【0028】
排水溝ブロック1は、以上のように構成しており、設置する場合には、まず、地面4に同一の深さで筋状に掘削溝を形成し、その掘削溝に支持体2を一列状に並べて水平に埋設していく。支持体4の被覆体15,16は、掘削溝に支持体2を載置する前又は後に外しておく。なお、一列に並べる各支持体2には、全ての支持体2を一列に並べた状態で所定の勾配で連続して直線状に傾斜する支持溝9,10がそれぞれ形成されている。その後、各支持体2の内側に各排水体3を上方から載置する。その際に、各支持体2の支持溝9,10に各排水体3の支持片23,24を上方から載置する。その後、各支持体2の上端片13,14に被覆体15,16を上方から載置する。これにより、各排水体3が支持体2の支持溝9,10で規定される所定の勾配で傾斜した状態で支持体2に載置されるために、所定の勾配を有する排水溝5を形成することができる。排水溝5には、落下防止や塵等の侵入防止のためにグレーチング19が支持体4の上部開口に被覆される。なお、支持体2の内側上面と排水体3の下面との間に上下調節可能な支持具を介在させて補強してもよい。
【0029】
なお、被覆体15,16は、押圧部20,21で排水体3の支持片23,24の上面を押圧することで排水体3を支持体2(支持溝9,10)で挟持した状態で上端片13,14に着脱可能に固定するのが望ましい。固定方法としては、ボルト及びナットでの締結でもよく、フックを用いた嵌合でもよい。また、支持体2と排水体3との接触部分はシール剤等で水密状にシールすることが望ましい。
【0030】
以上に説明したように、上記排水溝ブロック1は、地中に水平に埋設される支持体2と、支持体2で支持される排水体3とを有しており、支持体2は、排水体3の縁部(支持片23,24)を支持するための支持溝9,10を傾斜状に形成した構成となっている。
【0031】
そのため、上記構成の排水溝ブロック1では、地中に水平に埋設した支持体2に排水体3を載置するだけで所定の勾配を有する排水溝5を形成することができるので、排水溝ブロック1の設置(排水溝5の形成)に要する時間や労力や費用を低減することができる。また、支持体2に形成する支持溝9,10の傾斜角度を変えるだけで排水体3の形状を変更することなく任意の勾配に容易に変更することができる。
【0032】
また、上記排水溝ブロック1は、支持体2が、排水体3の縁部(支持片23,24)の上方を被覆する被覆体15,16を支持溝9,10の上方に着脱可能に設けた構成となっている。
【0033】
そのため、上記構成の排水溝ブロック1では、被覆体15,16を支持体2の上方(上端片13,14)から外すことで支持溝9,10の上方が開放された状態となり、その状態で支持溝9,10に排水体3を上方から取付けることができるので、排水体3の設置が容易なものとなり、より一層排水溝ブロック1の設置(排水溝5の形成)に要する時間や労力や費用を低減することができる。また、被覆体15,16の上面等の表面に特殊な塗装等を容易に施すことができるとともに、劣化や破損などの場合に被覆体15,16を容易に交換することもできる。
【0034】
また、上記排水溝ブロック1は、被覆体15,16が、上部(受部17,18)でグレーチング19を支持するとともに、下部(押圧部20,21)で排水体3の縁部(支持片23,24)を押圧する構成となっている。
【0035】
そのため、上記構成の排水溝ブロック1では、グレーチング19の重さを利用して排水体3を支持溝9,10で挟持することができるので、排水体3を支持体2で強固に支持することができる。
【0036】
[実施例2]
図5〜
図8に示すように、実施例2に係る排水溝ブロック27は、支持体28と排水体29とで構成されており、地面30に同一の深さで筋状に掘削した掘削溝に埋設されることで所定の勾配を有する排水溝31を形成するものである。なお、屋内に排水溝ブロック27を設置する場合には、地面30は床面となる。
【0037】
支持体28は、上下垂直に伸延する左側の支持部32と上下垂直に伸延する右側の支持部33との下端部同士を左右水平に伸延する連結部34で連結して、前後水平に伸延する断面略U字形状となっている。この支持体28は、左右の支持部32,33の上部の形状を排水体29(後述する支持片38,39)の形状に合わせており、左右の支持部32,33の上部で排水体29を支持するようになっている。なお、支持体28は、左右の支持部32,33と連結部34とに分離可能に形成してもよく、連結部34を形成せずに左右の支持部32,33だけに分離して形成してもよい。
【0038】
排水体29は、後端から前端に向けて所定の勾配で下方へ漸次傾斜する断面V字状の排水部35の左右端部に上側に伸延する連結片36,37を形成し、連結片36,37の上端に外側へ向けて突出させた支持片38,39を形成している。各連結片36,37は、上下の幅が後端から前端に向けて漸次広くなっており、これにより、水平な支持片38,39に対して排水部35が諸例の勾配で傾斜するようにしている。各支持片38,39は、支持部32,33と符合するように上部内側に内側へ向けて下方に傾斜する傾斜面状の受部40,41を形成し、その受部40,41でグレーチング42の左右端部の傾斜面を受けるようにしている。なお、排水部35の断面はV字形状に限られずU字形状等であってもよい。
【0039】
排水溝ブロック27は、以上のように構成しており、設置する場合には、まず、地面30に同一の深さで筋状に掘削溝を形成し、その掘削溝に支持体28を一列状に並べて水平に埋設していく。その後、各支持体28の支持部32,33の上端に各排水体29を上方から載置する。ここで、一列に並べられた支持体28に載置される各排水体29には、全ての排水体29を一列に並べた状態で所定の勾配で連続して直線状に傾斜する排水部35がそれぞれ形成されている。これにより、所定の勾配を有する排水溝31を形成することができる。排水溝31には、落下防止や塵等の侵入防止のためにグレーチング42が排水体29の上部開口に被覆される。なお、支持体28の内側上面と排水体29の下面との間に上下調節可能な支持具を介在させて補強してもよい。
【0040】
以上に説明したように、上記排水溝ブロック27は、地中に水平に埋設される支持体28と、支持体28で支持される排水体29とを有しており、排水体29は、支持体28で支持される支持片38,39に排水部35を上下幅が漸次広くなる連結片36,37を介して連結することで、支持片38,39に排水部35を傾斜状に形成した構成となっている。
【0041】
そのため、上記構成の排水溝ブロック27では、地中に水平に埋設した支持体28に排水体29を載置するだけで所定の勾配を有する排水溝31を形成することができるので、排水溝ブロック1の設置(排水溝31の形成)に要する時間や労力や費用を低減することができる。また、排水体29に形成する連結片36,37の傾斜角度を変えるだけで支持体28の形状を変更することなく任意の勾配に容易に変更することができる。
【0042】
本発明に係る排水溝ブロックは、地中に水平に埋設される支持体と、支持体で支持される排水体とを有し、支持体が、排水体の排水部を傾斜させた状態で排水体を支持する構成となっていればよく、上記実施例1,2に示した排水溝ブロック1,27の構成に限定されるものではない。たとえば、
図9(a)に示すように、排水体43を左右一対のブロック状の支持体44で排水部45が傾斜状となるように支持したものでもよく、また、
図9(b)に示すように、排水体43をアンカーボルト等の固定具46で固定した断面L字状のアングル材からなる支持体47で排水部45が傾斜状となるように支持したものでもよく、さらには、
図9(c)に示すように、排水体43をアンカーボルトやコンクリート等の支持体48で排水部45が傾斜状となるように直接的に支持したものでもよい。