(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494731
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】排ガス処理装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20190325BHJP
F01N 3/021 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
F01N3/28 301V
F01N3/021
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-225640(P2017-225640)
(22)【出願日】2017年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-84235(P2018-84235A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2017年11月24日
(31)【優先権主張番号】10 2016 122 769.2
(32)【優先日】2016年11月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513212291
【氏名又は名称】エーバーシュペッヒャー・エグゾースト・テクノロジー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ペーター カスト
(72)【発明者】
【氏名】ジャン フィリップ サムニック
(72)【発明者】
【氏名】シャルル オスピエ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン カズヌーヴ
【審査官】
楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−208727(JP,A)
【文献】
特開2008−215286(JP,A)
【文献】
特開2016−194281(JP,A)
【文献】
特開2014−129823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/28
F01N 3/021
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内燃機関の排ガス設備用の排ガス処理装置であって、
ハウジング長手方向軸線(L)の方向に長く延びるハウジング(12)と、
該ハウジング(12)内に配置された排ガス処理ユニット(18)と、
前記ハウジング(12)の軸方向において開放した軸方向端部領域(16)に、流れ接続している少なくとも1つの第1の排ガス案内装置(24)と、を有し、
該第1の排ガス案内装置(24)は、前記ハウジング(12)の外側(22)に沿って延びる第1の流路領域(38)と、該第1の流路領域(38)を前記ハウジング(12)の前記軸方向において開放した軸方向端部領域(16)に接続する第2の流路領域(47)と、を提供しており、
前記第1の排ガス案内装置(24)は、前記ハウジング(12)の前記外側(22)に配置されたハーフシェル状の第1の排ガス案内エレメント(26)を有し、
前記第1の流路領域(38)は、前記第1の排ガス案内エレメント(26)によって少なくとも部分的に画定されており、
前記第1の排ガス案内エレメント(26)は、前記ハウジング(12)の前記外側(22)に固定されており、これによって前記第1の流路領域(38)は、前記第1の排ガス案内エレメント(26)と前記ハウジング(12)とによって画定されているか、または
前記ハウジング(12)の前記外側(22)に、第2の排ガス案内エレメント(30)が固定されており、前記第1の排ガス案内エレメント(26)は、前記第2の排ガス案内エレメント(30)に、および/または前記ハウジング(12)の前記外側(22)に固定されており、これによって前記第1の流路領域(38)は、前記第1の排ガス案内エレメント(26)および前記第2の排ガス案内エレメント(30)によって画定されており、
前記ハウジング(12)の前記軸方向において開放した軸方向端部領域(16)を閉鎖しかつ前記第2の流路領域(47)を少なくとも部分的に画定する、フード状の第3の排ガス案内エレメント(46)が、設けられており、
前記第3の排ガス案内エレメント(46)は、前記ハウジング(12)の周囲領域において、前記第2の流路領域(47)を前記第1の流路領域(38)の前記第1の軸方向端部領域(40)に接続するために、半径方向外側に向かって前記ハウジング(12)を越えて突出しており、かつ前記ハウジング(12)および前記第1の排ガス案内エレメント(26)を、その外側において軸方向において覆っていて、前記第3の排ガス案内エレメント(46)は、前記第1の排ガス案内エレメント(26)と前記ハウジング(12)の前記軸方向において開放した軸方向端部領域(16)とを、半径方向において覆うようになっている、排ガス処理装置。
【請求項2】
前記第1の流路領域(38)は、前記ハウジング長手方向軸線(L)の方向において前記ハウジング(12)の前記外側(22)に沿って案内されており、かつ/または前記第1の流路領域(38)は、前記ハウジング(12)の前記軸方向において開放した軸方向端部領域(16)の軸方向領域に配置された第1の軸方向端部領域(40)を、および/または前記ハウジング(12)の他方の軸方向端部領域(14)の領域において軸方向に配置された第2の軸方向端部領域(42)を有している、請求項1記載の排ガス処理装置。
【請求項3】
前記第1の流路領域(38)の前記第2の軸方向端部領域(42)において前記第1の流路領域(38)に開口する流れ案内管(44)が設けられている、請求項2記載の排ガス処理装置。
【請求項4】
前記ハウジング(12)は、2つの、軸方向において開放した軸方向端部領域(14,16)を有し、前記ハウジング(12)の前記両軸方向端部領域(14,16)のうちの少なくとも1つに対応配置されて、当該軸方向端部領域(14)に流れ接続している第1の排ガス案内装置(24)が設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の排ガス処理装置。
【請求項5】
前記ハウジング(12)の前記両軸方向端部領域(14,16)のうちの1つに対応配置されて、第2の排ガス案内装置(49)が設けられており、該第2の排ガス案内装置(49)は、前記ハウジング(12)の当該軸方向端部領域(14)を閉鎖する第4の排ガス案内エレメント(50)を有している、請求項4記載の排ガス処理装置。
【請求項6】
前記第4の排ガス案内エレメント(50)は、ホッパ状である、請求項5記載の排ガス処理装置。
【請求項7】
前記第1の排ガス案内装置(24)は、前記排ガス処理ユニット(18)の上流側に配置されており、前記第2の排ガス案内装置(49)は、前記排ガス処理ユニット(18)の下流側に配置されている、請求項4から6までのいずれか1項記載の排ガス処理装置。
【請求項8】
前記第1の排ガス案内装置(24)は、前記排ガス処理ユニット(18)の下流側に配置されており、前記第2の排ガス案内装置(49)は、前記排ガス処理ユニット(18)の上流側に配置されている、請求項4から6までのいずれか1項記載の排ガス処理装置。
【請求項9】
前記ハウジング(12)の前記軸方向端部領域(14,16)のそれぞれに対応配置されて、当該軸方向端部領域に流れ接続している第1の排ガス案内装置(24)がそれぞれ設けられている、請求項1から4までのいずれか1項記載の排ガス処理装置。
【請求項10】
前記排ガス処理ユニット(18)は、触媒構成群および/または微粒子フィルタ構成群を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の排ガス処理装置。
【請求項11】
車両の内燃機関用の排ガス設備であって、請求項1から10までのいずれか1項記載の、排ガス流れ方向において貫流可能な排ガス処理装置(10)を有している、排ガス設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関から放出される排ガス中における有害物質割合を減じるために、車両の内燃機関の排ガス設備において使用することができる排ガス処理装置に関する。このような排ガス処理装置は、例えば触媒構成群および/または微粒子フィルタ構成群を有することができる排ガス処理ユニットを有している。
【0002】
このような排ガス処理装置には、基本的に次のような問題、すなわち、常により良好になる排ガス処理のために、処理容積、つまり特に排ガス処理ユニットの容積を増大させることが望まれており、これに対して他方では、このような排ガス処理装置のために車両内において利用可能な構造空間が小さくなるという問題がある。
【0003】
本発明の課題は、特に車両の内燃機関の排ガス設備用の排ガス処理装置であって、コンパクトな構造形式にもかかわらず、大きな処理容積を、該処理容積を貫流する排ガスのために提供する排ガス処理装置を提供することである。
【0004】
本発明によればこの課題は、特に車両の内燃機関の排ガス設備用の排ガス処理装置であって、ハウジング長手方向軸線の方向に長く延びるハウジングと、該ハウジング内に配置された排ガス処理ユニットと、ハウジングの軸方向において開放した軸方向端部領域に、流れ接続している少なくとも1つの第1の排ガス案内装置と、を有しており、該第1の排ガス案内装置は、ハウジングの外側に沿って延びる第1の流路領域と、該第1の流路領域をハウジングの軸方向において開放した軸方向端部領域に接続する第2の流路領域と、を提供していることによって解決される。
【0005】
排ガス処理装置の本発明に係る構造では、排ガスは、ハウジング内に配置された排ガス処理ユニットに向かってまたは排ガス処理ユニットから、部分的にハウジングの外側に沿って案内されるので、ハウジングの内部において提供された容積を、ほぼ完全に、排ガス処理ユニットのために使用することができる。
【0006】
コンパクトな構造形式は、第1の流路領域が、ほぼハウジング長手方向軸線の方向においてハウジングの外側に沿って案内されており、かつ/または第1の流路領域が、ハウジングの軸方向において開放した軸方向端部領域の軸方向領域に配置された第1の軸方向端部領域を、および/またはハウジングの他方の軸方向端部領域の領域において軸方向に配置された第2の軸方向端部領域を有していることによって促進される。
【0007】
簡単な手段によって、ハウジングの外側に沿った排ガスの案内を達成できるようにするために、排ガス案内装置が、ハウジングの外側に配置された第1の排ガス案内エレメントを有しており、第1の流路領域が、第1の排ガス案内エレメントによって少なくとも部分的に画定されている構成が提案される。ここで付言しておくと、ハウジングの外側における排ガス案内エレメントの配置は、必ずしも、この排ガス案内エレメントがハウジング自体に固定されていること、またはハウジングと接触していることを意味しない。
【0008】
特にコンパクトな構造形式では、第1の排ガス案内エレメントは、ハウジングの外側に固定されており、第1の流路領域は、ほぼ、第1の排ガス案内エレメントとハウジングとによって画定されている。
【0009】
特にハウジングおよびハウジング内に配置された排ガス処理ユニットの熱荷重に関して好適な変化形態では、ハウジングの外側に、第2の排ガス案内エレメントが固定されており、このとき第1の排ガス案内エレメントは、第2の排ガス案内エレメントに、および/またはハウジングの外側に固定されており、第1の流路領域は、ほぼ、第1の排ガス案内エレメントおよび第2の排ガス案内エレメントによって画定されている。
【0010】
簡単かつコンパクトな形式で、第1の流路領域からハウジング内への流れ接続を提供できるようにするためには、ハウジングの軸方向において開放した軸方向端部領域を閉鎖しかつ第2の流路領域を少なくとも部分的に画定する、好ましくはほぼフード状の第3の流れ案内エレメントが、設けられている。
【0011】
両流路領域を互いに接続するために、第3の流れ案内エレメントは、ハウジングの周囲領域において、第2の流路領域を第1の流路領域の第1の軸方向端部領域に接続するために、半径方向外側に向かってハウジングを越えて突出していてもよい。このとき特に、第3の排ガス案内エレメントは、第1の排ガス案内エレメントとハウジングの軸方向において開放した軸方向端部領域とを、半径方向において覆っている構成が可能である。
【0012】
排ガス処理装置を、該排ガス処理装置に接続する、排ガス設備のシステム領域に接続するために、第1の流路領域の第2の軸方向端部領域において第1の流路領域に開口する流れ案内管が設けられている構成が提案される。
【0013】
ハウジングの貫流可能性を保証するために、ハウジングは、2つの、軸方向において開放した軸方向端部領域を有しており、ハウジングの両軸方向端部領域のうちの少なくとも1つに対応配置されて、当該軸方向端部領域に流れ接続している第1の排ガス案内装置が設けられている構成が可能である。
【0014】
ハウジングの両軸方向端部領域のうちの1つに対応配置されて、第2の排ガス案内装置が設けられていてもよく、該第2の排ガス案内装置は、ハウジングの当該軸方向端部領域を閉鎖する、好ましくはほぼホッパ状の第4の流れ案内エレメントを有していることができる。このとき例えば、第1の排ガス案内装置は、排ガス処理ユニットの上流側に配置されていてもよく、かつ第2の排ガス案内装置は、排ガス処理ユニットの下流側に配置されていてもよい。また流れ方向を逆にすることも可能であり、その場合には、第1の排ガス案内装置は、排ガス処理ユニットの下流側に配置されており、かつ第2の排ガス案内装置は、排ガス処理ユニットの上流側に配置されている。
【0015】
ハウジングの貫流に関してほぼ対称的な構造のために、ハウジングの軸方向端部領域のそれぞれに対応配置されて、当該軸方向端部領域に流れ接続している第1の排ガス案内装置がそれぞれ設けられている構成が提案される。
【0016】
効果的な排ガス浄化を実現できるようにするために、さらに、排ガス処理ユニットが、触媒構成群および/または微粒子フィルタ構成群を有する構成が提案される。
【0017】
本発明はさらに、車両の内燃機関用の排ガス設備であって、排ガス流れ方向において貫流可能な本発明に係る排ガス処理装置を有している、排ガス設備に関する。
【0018】
次に添付の図面を参照しながら本発明を詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】
図1に示した排ガス処理装置を、
図1のII−II線に沿って断面して示す図である。
【
図3】択一的な構成形式を示す、
図1に相当する図である。
【
図4】
図3に示した排ガス処理装置を、
図3のIV−IV線に沿って断面して示す図である。
【0020】
図1および
図2には、車両の内燃機関の排ガス設備内に組込み可能な、全体を符号10で示された排ガス処理装置の第1実施形態が示されている。この排ガス処理装置10は、ハウジング長手方向軸線Lの方向において長く延びる管状の、ほぼ円筒形のハウジング12を有している。ハウジング12は、その両軸方向端部領域14,16において、ハウジング長手方向軸線Lの方向において基本的に軸方向で開放している。ハウジング12の内部には、全体を符号18で示された排ガス処理ユニットが配置されており、この排ガス処理ユニットは例えば、触媒構成群および/または微粒子フィルタ構成群を有することができる。排ガス処理ユニット18は、例えば該排ガス処理ユニット18を外側において取り囲んでいて繊維材料から構成されたマットを介在させて、ハウジング12内に保持されていてもよく、これによって排ガス処理ユニット18の流入側(Anstroemseite)19が、ハウジング12の軸方向端部領域16の領域に位置していて、流出側20が、ハウジング12の軸方向端部領域14の領域に位置決めされている。
【0021】
ハウジング12の外側22には、全体を符号24で示された第1の排ガス案内装置が設けられており、この第1の排ガス案内装置を介して、内燃機関から排出された排ガスが、ハウジング12の内部に導入される。第1の排ガス案内装置24は、ハウジング12の外側22に配置された、ほぼハウジング長手方向軸線Lの方向に延びるハーフシェル状の第1の排ガス案内エレメント26を有している。第1の排ガス案内装置24は、さらに、ハウジング12の外側22に配置されていてハウジング12の外周面28に、好ましくは材料結合式(materialschluessig)に、例えば溶接によって結合された第2の排ガス案内エレメント30を有している。第2の排ガス案内エレメント30は、周方向において中央の領域には、凹面状にもしくはシェル状に湾曲した領域32を有していて、かつこの領域32に周方向においてそれぞれ接続している脚領域34,36を有しており、これらの脚領域34,36によって第2の排ガス案内エレメント30は、ハウジング12の外周面28に固定されている。これらの脚領域34,36には、第1の排ガス案内エレメント26が、好ましくは材料結合式に、例えば溶接によって固定されており、これによって両排ガス案内エレメント26,30は一緒に、外側22に沿ってほぼハウジング長手方向軸線Lの方向に延びる第1の流路領域38を画定する。第1の流路領域38の第1の軸方向端部領域40は、軸方向において、ハウジング12の軸方向端部領域16の領域に位置している。第1の流路領域38の第2の軸方向端部領域42は、軸方向において、ハウジング12の軸方向端部領域14の領域に位置している。この第2の軸方向端部領域42の領域において、流れ案内管44が第1の流路領域38内に開口しており、このとき流れ案内管44の長手方向軸線R1は、例えばハウジング12の外側22に沿った第1の流路領域38の延在方向に対してほぼ垂直に位置していてもよい。択一的に、長手方向軸線R1は、第1の流路領域38の延在方向に関して90°とは異なった角度を成して配置されていてもよく、または流れ案内管44は流路領域38を軸方向において継続するように配置されていてもよい。
【0022】
一緒になってほぼ第1の流路領域を画定する両流れ案内エレメント26,30を提供することによって、ハウジング12に向かって運ばれる排ガスは、ハウジング12の外側22に沿って、ハウジング12との実質的な熱接触なしに導かれるので、この周囲領域における排ガス処理ユニット18に対する過剰の熱荷重を回避することができる。
【0023】
ハウジング12の軸方向端部領域16には、ほぼキャップ状にまたはフード状に形成された第3の流れ案内エレメント46が配置されている。第3の流れ案内エレメント46は、ハウジング12の軸方向端部領域16および第1の流路領域38の第1の軸方向端部領域もしくは両流れ案内エレメント26,30をこの領域において覆い、これによって気密の閉鎖部および第2の流路領域47を、第1の流路領域38とハウジング12の、軸方向において開放した軸方向端部領域16との間における流れ接続部を形成するために提供する。流れ矢印P1によって示されているように、第1の流路領域38を貫流しかつ該第1の流路領域38からその第1の軸方向端部領域40において流出する排ガスは、ほぼ180°変向され、これによって排ガスは、排ガス処理ユニット18の流入側19に向かって流れる。第3の排ガス案内エレメント46は、ハウジング12および両流れ案内エレメント26,30を覆う円筒形部分48で、これらの部材の外側に、好ましくは材料結合式に、例えば溶接によって固定されていてもよい。
【0024】
ハウジング12の軸方向端部領域14の領域において、第2の排ガス案内装置49を提供する第4の流れ案内エレメント50が、ハウジング12に、好ましくは材料結合式に、例えば溶接によって固定されている。例えばほぼフード状に成形された第4の流れ案内エレメント50のほぼ円筒形の部分52は、ハウジング12の軸方向端部領域14内に挿入されていて、かつそこに固定されていてもよい。流れ案内管54が、第4の流れ案内エレメント50内に開口しており、このとき流れ案内管54の長手方向軸線R2は、ハウジング長手方向軸線Lの方向に対してほぼ垂直に位置していてもよく、これによって好ましくは、流れ案内管44,54の両長手方向軸線R1,R2は互いに角度を成して配置されている。ハウジング12の軸方向端部領域14においてハウジング12から流出する排ガスは、第4の流れ案内エレメント50において、流れ矢印P2によって示されているように、ほぼ90°変向された後で、流れ案内管54内に流入する。流れ案内管54もまた、変向が90°とは異なった角度だけ行われるように、またはほぼ変向が行われないように、配置されていてもよく、ほぼ変向が行われない場合には、流れ案内管54は、該流れ案内管54を貫流する排ガスをほぼハウジング長手方向軸線Lの方向においてさらに導く。
【0025】
上に記載した構造によって、排ガス処理装置10のコンパクトな構造形式が得られ、それにもかかわらず、このような排ガス処理装置10では、排ガス処理ユニット18のための比較的大きな容積が提供されている。長手方向軸線R1,R2の延在方向は、一方では第1の流れ案内エレメント26の相応の構成によって、かつ他方では第4の流れ案内エレメント50の位置決めの選択によって、大きな角度範囲内において自由に選択することができるので、種々様々な排ガス設備への構造の適合が容易に可能である。
【0026】
さらに、ハウジング12の軸方向端部領域14に対応配置されて、流れ案内エレメント26,30,46を備えた第1の排ガス案内装置24に相当する配置形態が設けられていてもよい。さらに、排ガスがハウジング12およびハウジング12内に配置された排ガス処理ユニット18を貫流する流れ方向は、上に記載した流れ方向に関して逆方向であってもよく、このように構成されていると、排ガスは軸方向端部領域14の領域においてハウジング12内に流入し、軸方向端部領域16の領域においてハウジング12から流出する。
【0027】
図3および
図4に示された排ガス処理装置10が、上に記載した排ガス処理装置に対して異なっている点は、主として、第1の排ガス案内装置24が2つの流れ案内エレメント26,46しか有していないことにある。第1の流れ案内エレメント26は、ハウジング12の外側22に沿って延びていて、外周面28に、好ましくは材料結合式に、例えば溶接によって直に固定されており、これによって第1の流路領域38は、第1の流れ案内エレメント26とハウジング12の周囲領域とによって画定されている。このような構成によって、比較的僅かな部材数においてさらにコンパクトな構造形式を得ることができる。
【0028】
最後に付言しておくと、上に記載した排ガス処理装置において、流れ案内エレメント、流れ案内管およびハウジングは、好ましくは金属薄板材料から構成されていてもよく、このことは一方では、容易な変形可能性を保証し、かつ他方では、これらの部材を材料結合によって互いに結合できるという可能性を保証する。同時に、これらの部材が金属薄板材料から構成されている場合には、過熱による当該部材の損傷のおそれが、ほぼ排除されている。