特許第6494791号(P6494791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494791
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】トリガにツール用凹部を有するラッチ
(51)【国際特許分類】
   E05B 13/10 20060101AFI20190325BHJP
   B64C 1/14 20060101ALI20190325BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20190325BHJP
   E05C 19/02 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   E05B13/10 B
   B64C1/14
   E05B65/00 T
   E05C19/02 Z
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-551676(P2017-551676)
(86)(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公表番号】特表2018-516322(P2018-516322A)
(43)【公表日】2018年6月21日
(86)【国際出願番号】US2016024836
(87)【国際公開番号】WO2016160878
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2017年12月4日
(31)【優先権主張番号】62/142,602
(32)【優先日】2015年4月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/142,601
(32)【優先日】2015年4月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/242,656
(32)【優先日】2015年10月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/157,197
(32)【優先日】2015年5月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516343516
【氏名又は名称】アーコニック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARCONIC INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドー,タイ
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06343815(US,B1)
【文献】 米国特許第03070395(US,A)
【文献】 米国特許第03347578(US,A)
【文献】 米国特許第04538843(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/00 − 21/02
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部、前記第1端部に対向する第2端部、及びクレビス(226)に係脱可能に係合するように構成された係合部材(224)を前記第端部に有する本体(211)と、
第1端部及び前記第1端部に対向する第2端部を有するハンドル(212)と、
ピン(225)を介してハンドル(212)に取り付けられ、トリガスプリング(218)が巻回されたピン(216)を有するトリガ(214)と、を含み、
前記ハンドル(212)は、その第1端部が、本体(211)の第1端部に回転可能に取り付けられ、ハンドル(212)が本体(211)に取外し可能に保持される閉位置と、ハンドル(212)が本体(211)から引き込められた開位置との間で移動可能であり、
前記トリガ(214)は、キー(222)を収容できるサイズ及び形状であるソケットを有する駆動部(220)を含み、
前記キー(222)は、ハンドル(212)をロックできるよう構成されたトリガ(214)の駆動部(220)と係合可能であって、ハンドル(212)にロックされたトリガ(214)のロックを解除できるように回転可能であり、
前記トリガ(214)は、トリガ(214)がクレビス(226)と係脱可能に係合される第1の位置と、トリガ(214)とクレビス(226)との係合が解除される第2の位置との間で回動可能であり、
前記ハンドル(212)の前記閉位置から前記開位置への移動は、トリガ(214)の駆動部(220)に係合させたキー(222)を回転させてトリガ(214)のロックを解除したのちに、ハンドル(212)を回転させることによって行われる、ラッチ。
【請求項2】
キー(222)は、トリガ(214)の駆動部(220)を1/4回転させると、トリガ(214)をハンドル(212)から外すことができるよう構成される、請求項のラッチ。
【請求項3】
キーは(222)、駆動部(220)がピン(216)に当たって停止するまで、駆動部(220)をトリガスプリング(218)に抗してトグルするよう構成される、請求項のラッチ。
【請求項4】
ソケットはD字形状のソケットである、請求項のラッチ。
【請求項5】
キー(222)は1/4回転キーである、請求項のラッチ。
【請求項6】
キー(222)は、ハンドルが開位置にあるとき、ソケットと係合したままとなるように構成される、請求項のラッチ。
【請求項7】
ハンドル(212)がその位置からその位置まで移動すると、キー(222)が回転してトリガ(214)をロックするよう構成される、請求項のラッチ。
【請求項8】
トリガ(214)は上面部を含み、ソケットは前記上面部の内部に形成される、請求項のラッチ。
【請求項9】
トリガ(214)は、上面部から延びる少なくとも1つのつめ部を含み、トリガ(214)がその第1の位置にあるとき、クレビス(226)と係脱可能に係合するよう構成される、請求項のラッチ。
【請求項10】
係合部材(224)はフックである、請求項のラッチ。
【請求項11】
第1端部、前記第1端部に対向する第2端部、及びクレビス(326)に係脱可能に係合するように構成された係合部材(324)を前記第端部に有する本体(311)と、
第1端部及び前記第1端部に対向する第2端部を有するハンドル(312)と、
ピン(325)を介してハンドル(312)に取り付けられ、トリガスプリング(318)が巻回されたピン(316)を有するトリガ(314)と、を含み、
前記ハンドル(312)は、その第1端部が、本体(311)の第1端部に回転可能に取り付けられ、ハンドル(312)が本体(311)に取外し可能に保持される閉位置と、ハンドル(312)が本体(311)から引き込められた開位置との間で移動可能であり、
前記トリガ(314)は、キー(322)を収容できるサイズ及び形状であるソケットを有する駆動部(320)と、トリガ(314)の底部でピン(316)より上方に配置されたスライド(321)とを含み、
前記キー(322)は、トリガ(314)の駆動部(320)と係合可能で、スライド(321)で停止することができるようにしており、
前記スライド(321)は、第1の位置から、ハンドル(312)の第2端部の方にある第2の位置まで、トリガ(314)に関して摺動可能に移動可能であり、
前記トリガ(314)は、トリガ(314)がクレビス(326)と係脱可能に係合される第1の位置と、トリガ(314)とクレビス(326)との係合が解除される第2の位置との間で移動可能であり、
前記ハンドル(312)の前記閉位置から前記開位置への移動、トリガ(314)の駆動部(320)に係合させたキー(322)をハンドル(312)の第2端部に向かって押すことで、スライド(312)を移動させてトリガ(314)のロックを解除したのちに、ハンドル(312)を回転させることによって行われる、ラッチ。
【請求項12】
ソケットは涙形状のソケットであり、キー(322)は涙形状の端部を含む、請求項11のラッチ。
【請求項13】
キー(322)は、ハンドル(312)が開位置にあるとき、ソケットと合したままとなるように構成される,請求項11のラッチ。
【請求項14】
ハンドル(312)がその位置からその位置に移動されると、キー(322)が、ハンドル(312)の第1端部の方へ移動してトリガ(314)をロックするよう構成される、請求項11のラッチ。
【請求項15】
トリガ(314)は上面部を含み、ソケットは前記上面部の中に形成される、請求項11のラッチ。
【請求項16】
トリガ(314)は、上面部から延びる少なくとも1つのつめ部を含み、トリガ(314)がその第1の位置にあるとき、クレビス(326)と係脱可能に係合するよう構成される、請求項15のラッチ。
【請求項17】
係合部材(324)はフックである、請求項11のラッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の記載>
本願は、共同所有された同時継続中の(i)2015年4月3日に出願された米国仮特許出願第62/142,602号「トリガにツール用凹部を有するラッチ」;(ii)2015年10月16日に出願された米国仮特許出願第62/242,656号「トリガに90度ツール用凹部を有するラッチ」;(iii)2015年4月3日に出願された米国仮特許出願第62/142,601号「4分の1回転キー/フラッグシステムを有するフックラッチ」;及び(iv)2015年5月5日に出願された米国仮特許出願第62/157,197号「特別なキー−フラッグシステムを有するフックラッチ」の利益を主張し、これらの仮特許出願はその全体が引用を以て本願に記載加入されるものとする。
【0002】
<発明の技術分野>
本発明は、ラッチに関し、より具体的には、トリガにツール用凹部(tool recess)を有するフックラッチに関する。
【背景技術】
【0003】
<先行技術の背景>
ハッチ、ドア、アクセスパネル、エンジンカウリング、ナセル、及びレドームなどの航空宇宙用車両の外面に取り付けられた着脱可能かつ移動可能な要素は、ラッチを使用する。ラッチに取り付けられたハンドルは、前記要素を開閉するために使用される。
【発明の概要】
【0004】
<発明の開示>
一実施形態では、第1端部、前記第1端部に対向する第2端部、及びクレビスに係脱可能に係合するように構成された係合部材を前記第1端部に有する本体と、第1端部及び前記第1端部に対向する第2端部を有するハンドルと、前記ハンドルに回動可能に取り付けられたトリガと、を含み、
前記ハンドルは、本体の第1端部に回転可能に取り付けられ、ハンドルが本体に取外し可能に保持される閉位置と、ハンドルが本体から引き込められた開位置との間で移動可能であり、前記トリガは、クレビスと係脱可能に係合される第1の位置と、クレビスとの係合が解除される第2の位置との間で回動可能であり、前記トリガは、該トリガをその第1の位置からその第2の位置へ回動させるためのツールを収容するサイズ及び形状に形成された凹部を含む。
【0005】
一実施形態において、凹部は、長方形、正方形、円形、十字形、三角形、菱形及び星形からなる群から選択される形状を含む。一実施形態では、トリガは上面部(top portion)を含み、前記凹部は上面部の中に形成されている。一実施形態では、ハンドルが閉位置にあるとき、凹部はハンドルに対して90度の角度でツールを受け入れられるように構成される。一実施形態では、ハンドルが閉位置にあるとき、凹部はハンドルに対して斜めの角度でツールを受け入れられるよう構成される。
【0006】
一実施形態において、トリガは、上面部から延びる少なくとも1つのつめ部(detent)を含み、トリガが第1の位置にあるとき、クレビスと係脱可能に係合するよう構成される。一実施形態では、トリガはトリガスプリングを含む。一実施形態では、係合部材はフックである。一実施形態では、ツールはスクリュードライバーである。
【0007】
別の実施形態において、ラッチは、第1端部、前記第1端部に対向する第2端部、及びクレビスに係脱可能に係合するように構成された係合部材を前記第1端部に有する本体と、第1端部及び前記第1端部に対向する第2端部を有するハンドルと、トリガスプリングを有するピンによって前記ハンドルに取り付けられたトリガと、を含み、前記ハンドルは、本体の第1端部に回転可能に取り付けられ、ハンドルが本体に取外し可能に保持される閉位置と、ハンドルが本体から引き込められた開位置との間で移動可能であり、前記トリガは、キーを収容できるサイズ及び形状であるソケットを有する駆動部(drive)を含み、トリガがクレビスと係脱可能に係合している第1の位置と、トリガとクレビスとの係合が解除される第2の位置との間で回動可能であり、前記ハンドルは、キーを駆動部と係合させると、閉位置から開位置に移動されるよう構成され、トリガは第1の位置から第2の位置へ容易に移動されることができる。
【0008】
一実施形態では、キーは、駆動部を1/4回転させると、駆動部がハンドルから外れるよう構成される。一実施形態において、キーは、駆動部がピンに当たって停止するまで、駆動部をトリガスプリングに抗してトグル(toggle)するよう構成され、また、キーは、ハンドルの第2端部に向けて押すと、トリガをその第2の位置に移動させることができるよう構成される。一実施形態では、ソケットはD字形状のソケットである。一実施形態では、キーは1/4回転キーである。一実施形態では、キーは、ハンドルが開位置にあるとき、ソケットと係合したままとなるように構成される。一実施形態では、ハンドルがその閉位置から開位置まで移動すると、キーが回転してトリガをロックするように構成される。一実施形態では、トリガは上面部を含み、ソケットは前記上面部の内部に形成される。一実施形態では、トリガは、上面部から延びる少なくとも1つのつめ部を含み、トリガが第1の位置にあるとき、クレビスと係脱可能に係合するように構成される。一実施形態では、係合部材はフックである。
【0009】
一実施形態において、第1端部、前記第1端部に対向する第2端部、及びクレビスに係脱可能に係合するように構成された係合部材を前記第1端部に有する本体と、第1端部及び前記第1端部に対向する第2端部を有するハンドルと、トリガスプリングを有するピンによって前記ハンドルに取り付けられたトリガとを含み、前記ハンドルは、本体の第1端部に回転可能に取り付けられ、ハンドルが本体に取外し可能に保持される閉位置と、ハンドルが本体から引き込められた開位置との間で移動可能であり、前記トリガは、キーを収容できるサイズ及び形状であるソケットを有する駆動部と、トリガの底部でピンより上方に配置されたスライドとを含み、前記スライドは、第1の位置から、ハンドルの第2端部の方にある第2の位置まで、トリガに関して摺動可能に移動可能であり、前記トリガは、トリガがクレビスと係脱可能に係合される第1の位置と、トリガとクレビスとの係合が解除される第2の位置との間で移動可能であり、前記ハンドルは、キーを駆動部と係合させると、閉位置から開位置に移動されるよう構成され、トリガはその第1の位置からその第2の位置へ容易に移動されることができ、スライドがその第1の位置からその第2の位置へ移動して、スライドはハンドルから外れることができる。
【0010】
一実施形態において、ソケットは涙形状のソケットであり、キーは涙形状の端部を含む。一実施形態では、キーは、ハンドルが開位置にあるとき、ソケットと係合したままとなるように構成される。一実施形態では、ハンドルがその閉位置から開位置に移動されると、キーが、ハンドルの第1端部の方へ移動してトリガをロックするよう構成される。一実施形態では、トリガは上面部を含み、ソケットは上面部の中に形成される。一実施形態では、トリガは、上面部から延びる少なくとも1つのつめ部を含み、トリガが第1の位置にあるとき、クレビスと係脱可能に係合するよう構成される。一実施形態では、係合部材はフックである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、ラッチの一実施形態の上面斜視図である。
【0012】
図2A図2Aは、図1に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図2B図2Bは、図1に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図2C図2Cは、図1に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図2D図2Dは、図1に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図2E図2Eは、図1に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
【0013】
図3図3は、ラッチの別の実施形態の上面斜視図である。
【0014】
図4A図4Aは、図3に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図4B図4Bは、図3に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図4C図4Cは、図3に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図4D図4Dは、図3に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図4E図4Eは、図3に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
【0015】
図5図5は、ラッチの別の実施形態の上面斜視図である。
【0016】
図6図6は、図5に示すラッチの底面斜視図である。
【0017】
図7A図7Aは、図5に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図7B図7Bは、図5に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図7C図7Cは、図5に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図7D図7Dは、図5に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
【0018】
図8図8は、ラッチの別の実施形態の上面斜視図である。
【0019】
図9図9は、図8に示すラッチの底面斜視図である。
【0020】
図10A図10Aは、図8に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図10B図10Bは、図8に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図10C図10Cは、図8に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
図10D図10Dは、図8に示すラッチの側面図であって、ラッチの動作を順次示す図の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、一実施形態において、ラッチ10は、第1端部13と、第1端部13に対向する第2端部15とを有する本体11と、前記本体11の第1端部13に回転可能(回動可能)に取り付けられたハンドル12を含む。一実施形態において、ハンドル12は、ハンドル12が本体11に取外し可能に保持される閉位置と、ハンドル12が本体11から完全に延びる開位置との間で、本体11に対して回転する。
【0022】
図1図2Eを参照すると、一実施形態において、ハンドル12は、第1端部17と、第1端部17に対向する第2端部19と、外面21と、内面23と、対向する側部部材25と、を含む。ハンドル12は、外面21から内面23に延びる矩形の開口を含む(図面には示されていない)。
【0023】
一実施形態では、ハンドル12の第1端部17は、対向する側部部材25を通って延びるハンドルピボットピン40により本体11の第1端部13に回動可能に取り付けられる。一実施形態では、ハンドルピボットピン40は、ブッシングを含む。一実施形態では、バックスプリング39がハンドルピボットピン40を囲み、対向する側部部材25を通って延びるピンを含むブッシング27と係合して、ハンドルの閉位置から開位置への移動を容易にする。
【0024】
一実施形態において、ハンドル12はトリガ14を含み、前記トリガは、リベット/ブッシング16を介してハンドル12に回転可能(回動可能)に取り付けられる。一実施形態において、トリガ14は、矩形形状の上面部29と、一対の対向するつめ部31とを含み、前記上面部29は、ハンドル12の開口部と嵌合する大きさ及び形状であり、前記つめ部31は、各々が、コップ状の先端部33とスロット35を有し、トリガ14の上面部29から垂下する。一実施形態において、トリガ14はトリガスプリング37を含む。
【0025】
一実施形態において、トリガ14は、上面部29に形成されたツール用凹部18を含む。一実施形態では、凹部18は、マイナス型スクリュードライバー(flat-head screw driver)等の外部ツール20を受け入れることができる大きさ及び形状である。一実施形態において、凹部18は長方形である。他の実施形態では、凹部18は、正方形、円形、三角形、菱形、十字形、星形などの他の形状及びサイズであってよい。一実施形態において、本体11は、第1端部にフック22を含み、クレビス24と係脱可能に係合する。他の実施形態において、本体11は、クレビス24と係脱可能に係合するよう構成された他の種類の把持部材又はロック部材を含む。一実施形態において、トリガ14のつめ部31のスロット35は、ハンドル12がその閉位置にあるとき、クレビス24と係合するように構成される。
【0026】
図2A〜2Eを参照すると、一実施形態では、ラッチ10は、以下の要領にてその閉位置から係合解除される。最初に、ツール20は、所定位置から移動し、トリガ14の凹部18と係合して停止する(図2A及び2B)。一実施形態では、ツール20は、トリガ14の上面部29及び凹部18に対して斜めに挿入される。ツール20が、ハンドル12の第2端部19に向けて回転されると、トリガ14は第1の係合位置から第2の係合解除位置に回転して、トリガ14のつめ部31がクレビス24から外れて、ハンドル12は自由移動位置に降下する(図2C及び図2D参照)。なお、留意すべきことは、ツール20は直接トリガ14と相互作用するだけで、トリガ14がクレビス24から外れて、ハンドル12は自由移動位置に降下することである。ツール20がトリガ14の凹部18から取り除かれると、トリガスプリング37によりトリガ14は第1の位置に戻され、ハンドル12は全開位置に回転させられ、フック22がクレビス24から外れる(図2E参照)。
【0027】
本発明に従って構成されたラッチの代替的な実施形態が、図3図4Eに示されている。考察と検討を容易にするために、図3図4Eに示されたすべての要素は、図1図2Eに記載した対応する要素の参照符号に100を増加した参照符号によって示されている。図3乃至図4Eに示す実施形態では、以下の記載以外は、図1乃至図2Eに示されたラッチ10と同様に構成され、作動する。
【0028】
図3を参照すると、別の実施形態において、ラッチ110は、開位置と閉位置との間で回転可能なハンドル112と、リベット/ブッシング116を介してハンドル112に取り付けられたトリガ114と、を含む。一実施形態において、トリガ114にはツール用凹部118が形成され、前記凹部118は、マイナス型スクリュードライバー等の外部ツール120を受け入れることができる大きさ及び形状である。一実施形態では、ツール用凹部118のトリガ114内での大きさ、形状及び位置は、外部ツール120が最初に凹部118に入れられたとき、ツール120の長軸が、ハンドル112が閉位置にあるときのハンドル112とトリガ114に対して90度の位置となるように構成される。一実施形態では、ラッチ110は、クレビス124と係合するフック122を含む。
【0029】
図4A図4Eを参照すると、ラッチ110は、以下の要領にて、閉位置から開位置に移動する。まず最初に、ツール120は、所定位置から移動し、トリガ114の凹部118と係合して停止する(図4A及び4B)。再び、ツール120の長軸の位置は、ハンドル112がその閉位置にあるときのハンドル112とトリガ114に対して90度である。次に、ツール120をハンドル112の第2端部119の方に向けて回転させると、トリガ114はクレビス124から外れて、ハンドル112は自由移動位置に降下する(図4C及び4D参照)。なお、留意すべきことは、ツール120は直接トリガ114と相互作用するだけで、トリガ114がクレビス124から外れて、ハンドル112は自由移動位置に降下することである。ツール120が取り除かれると、ハンドル112は全開位置に回転させられ、フック122がクレビス124から外れる(図4E参照)。
【0030】
本発明に従って構成されたラッチの代替的な実施形態が、図5図7Dに示されている。図5図7Dに示される実施形態は、以下の記載を除いて、図1乃至図4Eに示されたラッチ10、110と同様に構成され、作動する
【0031】
図5及び図6を参照すると、別の実施形態において、ラッチ210は、本体211と、回転可能(回動可能)に取り付けられたハンドル212とを含み、前記ハンドルは、開放位置と閉位置との間で回転可能であり、トリガ214がピン225を介してハンドル212に取り付けられ、ピン216の周りにはトリガスプリング218が巻回されている。一実施形態では、トリガ214には駆動部220が埋設されており、前記駆動部220は、キー222を受け入れることができるサイズ及び形状のソケットを有する。一実施形態において、ソケットは「D」型ソケットである。一実施形態では、キー222は1/4回転キーである。一実施形態において、ラッチ210は、クレビス226と係合するフック224を含む。別の実施形態では、ラッチ210は、クレビス226と係合するように構成された他の種類の把持部材又はロック部材を含む。
【0032】
図7A図7Dを参照すると、一実施形態において、ラッチ210の閉位置から開位置への移動は、キー222が駆動部220と係合する前に、まず最初に、キー222を駆動部220と一直線上に揃えることによって行われる。キー222が駆動部220と完全に係合すると、キー222を反時計回りに4分の1回転させてトリガ214のロックを解除する(すなわち、駆動部220がハンドル212から外れる)と共に、駆動部220がピンに当たって停止するまで、駆動部220をトリガスプリング218に抗してトグルする。この位置にある間、キー222がハンドル212の前面に向かって押されることにより、トリガ214とクレビス226との係合が解除される。このようにして、ハンドル212は自由移動位置まで回転する。次いで、ハンドル212を回転させると、フック224とクレビスとの係合が解除され、ハンドルは全開位置で停止する。
【0033】
ラッチ210を全開位置から閉じるために、ハンドル212を、フック224とトリガ214が両方ともクレビス226に係合するまで回転させる。次いで、キー222が時計方向に1/4回転させると、キー222が引き出されるようになる前にトリガ214がロックされる。
【0034】
本発明に従って構成されたラッチの別の実施形態が図8図10Dに示されている。考察と検討を容易にするために、図8図10Dに示されているか否かに拘わらず、すべての要素は、図6図7Dに記載した対応する要素の参照符号に100を増加した参照符号によって示されている。図8乃至図10Dに示す実施形態は、以下の記載以外は、図6乃至図7Dに示されたラッチ210と同様に構成され、作動する。
【0035】
図8及び図9を参照すると、別の実施形態において、ラッチ310は、本体311を含み、前記本体311は、該本体に回転可能(回動可能)取り付けられたハンドル312を有する。一実施形態において、ハンドル312は、開位置と閉位置との間で回転可能である。トリガ314は、ピン325を介してハンドル312に取り付けられ、ピン316の周りにはトリガスプリング318が巻回されている。一実施形態において、トリガ314は、その中に埋め込まれた駆動部320を含み、前記駆動部320は、キー322を収容できるサイズ及び形状に形成されたソケットを有する。一実施形態では、ソケットは「涙滴(tear drop)」形状のソケットであり、キー322は涙滴形状の端部323を有する。一実施形態では、キー322は細長い形状である。一実施形態では、スライド321は、トリガ314に埋め込まれ、トリガ314の底部でピン316より上に配置される。一実施形態では、スライド321は、トリガ314に対して第1の位置から第2の位置へ摺動自在に移動可能である。一実施形態では、ラッチ310は、クレビス326と係合するフック324を含む。
【0036】
図10A図10Dを参照すると、一実施形態において、ラッチ310は、図10Aに示されるように、まず最初に、キー322が駆動部320と係合する前に、キー322をトリガ314の駆動部320と整列させることにより閉位置から開位置に移動する。キー322が駆動部320と完全に係合し、スライド321によって停止されると、図10Bに示されるように、キー322はハンドル312の前部に向かってわずかに押されて、スライド321が第1の位置から第2の位置に移動し、スライド321はハンドル312から解放され、トリガ314のロックが解除される。この位置にある間、キー322は、ハンドル312の前部に向かって前方に移動され、トリガ314とクレビス326との係合が解除される。キー322は、依然として、トリガ314の駆動部320の中にある。このようにして、ハンドル312は、自由移動位置に回転する。次いで、ハンドル312が回転されると、フック324はクレビス326から外れて、フック324は全開位置で停止する。キー322は、依然として、トリガ314の駆動部320の中にある。
【0037】
ラッチ310を全開位置から閉じるために、ハンドル312が、フック324とトリガ314の両方がクレビス326に係合するまで回転される。キー322は、次に、ハンドル312の背後に向けて押される。そして、キー322は、引き出されることが可能な状態になる前に、停止してトリガ314をロックする。
【0038】
本明細書に記載された実施形態は単なる例示であり、当業者であれば本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更及び変形を行うことができることは理解されるべきである。そのような変更及び変形のすべては、本発明の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D