【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のオガ粉製造装置は、投入された木質材料を搬送する搬送装置と、
上記搬送装置の終端側に配置され、回転刃を有して回転駆動される切削ロータと、
上記切削ロータの回転刃の回転経路に近接して配置された固定刃と、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記搬送装置で搬送される木質材料を押圧して切削ロータ側に送る第1押圧ロータと、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記第1押圧ロータよりも切削ロータ側、かつ、上記搬送装置の終端の駆動輪よりも切削ロータ側に配置されて、上記搬送装置で搬送される木質材料を押圧して切削ロータ側に送る第2押圧ロータと、
上記第2押圧ロータの回転軸に枢着され、上記第1押圧ロータを揺動自在に支持する揺動支持部材と、
上記第1押圧ロータ及び第2押圧ロータを覆うと共に、上記第2押圧ロータの回転軸が枢着されている一方、上記搬送装置の投入側に配置された揺動軸によって揺動自在に支持された揺動ケーシングと、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記搬送装置の終端と上記切削ロータとの間、かつ、上記第2押圧ロータの下方に配置され、上記搬送装置で搬送された木質材料を上記切削ロータに送る送りロータと
を備える。
【0009】
上記構成によれば、投入された木質材料が、搬送装置により、搬送装置の終端側に配置された切削ロータに向かって搬送される。搬送装置で搬送される木質材料は、第1押圧ロータに達すると、揺動支持部材によって第2押圧ロータの回転軸回りに揺動する第1押圧ロータに乗り上げられ、第1押圧ロータの重さで押圧される。木質材料が更に切削ロータ側に搬送されると、揺動ケーシングと共に揺動軸回りに揺動する第2押圧ロータに乗り上げられ、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの重さで押圧される。これと共に、搬送装置の終端と切削ロータとの間、かつ、上記第2押圧ロータの下方に配置された送りロータにより、木質材料が切削ロータ側に送られる。こうして、搬送装置で搬送する木質材料を、搬送装置と同期して回転駆動される第1押圧ロータ及び第2押圧ロータで押圧すると共に切削ロータに送り、かつ、搬送装置と同期して回転駆動される送りロータによって切削ロータに送るので、切削ロータで切削される際に生じる反力で木質材料が移動する不都合を効果的に防止できる。その結果、木質材料を安定して切削することができ、オガ粉やウッドチップ等の切削片を安定して製造できる。ここで、搬送装置で搬送される木質材料には、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの重さが作用するが、第2押圧ロータが搬送装置の終端の駆動輪よりも切削ロータ側に配置されているので、上記重さは輸送装置の駆動輪と送りロータに分散して作用するから、上記搬送装置が破損する不都合を防止できる。第2押圧ロータ及び揺動ケーシングの重さは、搬送装置の終端と切削ロータの間に配置されて第2押圧ロータの下方に位置する送りロータに主に作用するので、木質材料を第2押圧ロータと送りロータで挟んで効果的に支持できるから、切削ロータの回転力によって木質材料が移動することなく木質材料を安定して切削することができる。ここで、上記第2押圧ロータは、平面視において、回転軸が上記搬送装置の終端の駆動輪の回転軸よりも切削ロータ側に位置していればよい。また、上記送りロータは、平面視において、回転軸が上記搬送装置の終端の駆動輪の中心軸よりも切削ロータ側に位置していればよい。また、上記第2押圧ロータの下方に位置する送りロータは、平面視において第2押圧ロータと重複していればよい。また、木質材料が切削ロータで切削されてなる切削片は、寸法が1mm以上50mm以下であり、オガ粉のほか、いわゆるウッドチップも含まれる。ここで、本明細書において、木質材料の切削片の寸法とは、切削片の寸法をあらゆる方向から測定したときに得られる最も大きい寸法をいう。
【0010】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記搬送装置の終端の駆動輪が、平面視において上記第1押圧ロータと上記第2押圧ロータの間に配置されている。
【0011】
上記実施形態によれば、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの重さが、搬送装置の終端の駆動輪と送りロータとに分散して作用するので、搬送装置に過大な荷重が作用して破損する不都合を防止できる。
【0012】
本発明の他の側面によるオガ粉製造装置は、投入された木質材料を搬送する搬送装置と、
上記搬送装置の終端側に配置され、回転刃を有して回転駆動される切削ロータと、
上記切削ロータの回転刃の回転経路に近接して配置された固定刃と、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記搬送装置で搬送される木質材料を押圧して切削ロータ側に送る第1押圧ロータと、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記第1押圧ロータよりも切削ロータ側に配置されて、上記搬送装置で搬送される木質材料を押圧して切削ロータ側に送る第2押圧ロータと、
上記第2押圧ロータの回転軸に枢着され、上記第1押圧ロータを揺動自在に支持する揺動支持部材と、
上記第1押圧ロータ及び第2押圧ロータを覆うと共に、上記第2押圧ロータの回転軸が枢着されている一方、上記搬送装置の投入側に配置された揺動軸によって揺動自在に支持された揺動ケーシングと、
上記搬送装置と同期して回転駆動され、上記搬送装置の終端と上記切削ロータとの間に配置され、上記搬送装置で搬送された木質材料を上記切削ロータに送る送りロータと
を備え、
上記第1押圧ロータは、この第1押圧ロータの揺動範囲の下端において、上記第2押圧ロータよりも上記搬送装置の搬送面から離れた位置に支持されるように形成されていることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、投入された木質材料が、搬送装置により、搬送装置の終端側に配置された切削ロータに向かって搬送される。搬送装置で搬送される木質材料は、第1押圧ロータに達すると、揺動支持部材によって第2押圧ロータの回転軸回りに揺動する第1押圧ロータに乗り上げられ、第1押圧ロータの重さで押圧される。木質材料が更に切削ロータ側に搬送されると、揺動ケーシングと共に揺動軸回りに揺動する第2押圧ロータに乗り上げられ、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの重さで押圧される。これと共に、搬送装置の終端と切削ロータとの間に配置された送りロータにより、木質材料が切削ロータ側に送られる。こうして、搬送装置で搬送する木質材料を、搬送装置と同期して回転駆動される第1押圧ロータ及び第2押圧ロータで押圧すると共に切削ロータに送り、かつ、搬送装置と同期して回転駆動される送りロータによって切削ロータに送るので、切削ロータで切削される際に生じる反力で木質材料が移動する不都合を効果的に防止できる。その結果、木質材料を安定して切削することができ、オガ粉やウッドチップ等の切削片を安定して製造できる。ここで、搬送装置で搬送される木質材料が第1押圧ロータに接触するとき、第1押圧ロータは揺動範囲の下端に位置しており、揺動範囲の下端に位置する第1押圧ロータは、第2押圧ロータよりも上記搬送装置の搬送面から離れた位置に支持されている。これにより、木質材料に接した第1押圧ロータは、速やかに搬送装置の搬送面から離れる側に移動するので、木質材料を確実に搬送装置の搬送面と第1押圧ロータとの間に導くことができる。したがって、木質材料が第1押圧ロータに衝突したり、木質材料が第1押圧ロータの上に乗り上げたりする押圧不良を効果的に防止できる。その結果、木質材料を、安定して第1押圧ロータと第2押圧ロータで押圧して切削ロータへ送ることができ、木質材料の切削片を安定して作製できる。なお、搬送装置で搬送される木質材料が第1押圧ロータに接触するとき、第2押圧ロータは、揺動ケーシングと共に揺動する揺動範囲の下端に位置している。また、木質材料が切削ロータで切削されてなる切削片は、寸法が1mm以上50mm以下であり、オガ粉のほか、いわゆるウッドチップも含まれる。ここで、本明細書において、木質材料の切削片の寸法とは、切削片の寸法をあらゆる方向から測定したときに得られる最も大きい寸法をいう。
【0014】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記第1押圧ロータは、上記揺動範囲の下端が、上記揺動ケーシングに形成されて上記第1押圧ロータの回転軸が挿通されるスリットの下端で画定される一方、上記揺動範囲の上端が、上記揺動ケーシングに固定されて上記揺動支持部材に係止する係止具で画定される。
【0015】
上記実施形態によれば、第1押圧ロータの回転軸が、揺動ケーシングに形成されたスリットの下端に当接することにより、第1押圧ロータの揺動支持部材による揺動範囲の下端が画定される。ここで、第1押圧ロータの回転軸は、少なくともスリットに挿通されてスリットの下端や上端と接触して荷重を伝達するために、回転軸を取り巻くスリーブや、回転軸を回転可能に支持する軸受や、軸受を介して回転軸の延長方向に延びる支持軸を有するのが好ましい。第1押圧ロータが揺動支持部材による揺動範囲の下端に位置するときは、第1押圧ロータの質量を支持すればよいので、スリットの下端で十分に第1押圧ロータを支持できる。一方、第1押圧ロータを支持する揺動支持部材が、揺動ケーシングに固定された係止具に係止することにより、第1押圧ロータの揺動支持部材による揺動範囲の上端が画定される。第1押圧ロータが揺動支持部材による揺動範囲の上端に位置するときは、最大の荷重として、第1押圧ロータと第2押圧ロータと揺動ケーシングの合計質量が作用するので、揺動ケーシングに固定された係止具で第1押圧ロータを係止する必要がある。このようにして、第1押圧ロータの揺動支持部材による揺動範囲を、揺動ケーシングに形成されたスリットの下端と係止具とで画定することにより、簡易な構造で高い耐久性を保持しながら、第1押圧ロータを適切に揺動させることができる。更に、第1押圧ロータが揺動支持部材による揺動範囲の上端に達したときは、第1押圧ロータに更に作用する搬送面から離れる方向の力により、揺動ケーシングの揺動を行うことができる。
【0016】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記揺動ケーシングに、上記第1押圧ロータ及び/又は第2押圧ロータによる木質材料への押圧力を増すための錘が取り付けられている。
【0017】
上記実施形態によれば、搬送装置で搬送される木質材料に第1押圧ロータが乗り上げて揺動支持部材による揺動範囲の上端に達し、更に上記木質材料に乗り上げる場合、揺動軸回りに揺動ケーシングが揺動して、上記木質材料に第1押圧ロータ、第2押圧ロータ及び揺動ケーシングの質量が押圧力として作用する。また、搬送装置で搬送される木質材料に、第1押圧ロータが乗り上げた後に第2押圧ロータが乗り上げ、揺動軸回りに揺動ケーシングが揺動する場合、上記木質材料に第1押圧ロータ、第2押圧ロータ及び揺動ケーシングの質量が押圧力として作用する。ここで、上記揺動ケーシングに錘が取り付けられているので、木質材料に十分な押圧力を作用することができる。その結果、反力で木質材料が移動することなく木質材料を切削ロータで安定して切削でき、オガ粉やウッドチップ等の切削片を安定して製造できる。
【0018】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記揺動ケーシングの揺動軸回りの揺動動作を緩衝する緩衝装置を備える。
【0019】
上記実施形態によれば、緩衝装置により、揺動ケーシングの揺動軸回りの揺動動作が緩衝させるので、木質材料に第1押圧ロータや第2押圧ロータが乗り上げて揺動ケーシングが揺動する際の衝撃を抑制できる。したがって、搬送装置、第1押圧ロータ、第2押圧ロータ及び揺動ケーシング等のオガ粉製造装置の構成部品の損傷を効果的に防止できる。ここで、緩衝装置としては、油圧シリンダやエアシリンダ等の流体シリンダや、コイルバネや板バネ等の弾性体を用いたものを採用できる。緩衝装置として流体シリンダを採用した場合、作動流体を揺動ケーシングの開き方向に流すことにより、流体シリンダで揺動ケーシングを開閉駆動することができる。したがって、揺動ケーシング内の第1押圧ロータ、第2押圧ロータ、搬送装置及び送りロータ等の点検やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0020】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記搬送装置及び送りロータが同一のモータで駆動され、上記搬送装置の駆動輪に連結された回転軸が、上記モータの出力軸と実質的に同一直線上に配置されて上記出力軸に連結されていると共に、上記送りロータの回転軸が、上記モータの出力軸と隣接して平行に配置されて上記出力軸に動力伝達機構を介して連結されている。
【0021】
上記実施形態によれば、搬送装置及び送りロータが同一のモータで駆動されるので、搬送装置と送りロータを容易に同期させることができる。また、搬送装置の駆動輪に連結された回転軸が、モータの出力軸と実質的に同一直線上に配置され、出力軸に連結されているので、第1及び第2押圧ロータで押圧される木質材料を搬送する搬送装置に、駆動力を安定して与えることができる。ここで、上記駆動輪に連結された回転軸とモータの出力軸は、例えばカップリングにより、又は、直接に連結される。また、送りロータの回転軸が、モータの出力軸と隣接して平行に配置されて動力伝達機構を介して連結されているので、送りロータに駆動力を安定して与えることができて、木質材料を送りロータで効果的に切削ロータに送ることができる。ここで、上記モータの出力軸から送りロータの回転軸へ回転力を伝達する動力伝達機構は、例えばチェーン機構やベルト機構等により、正転方向に回転力を伝達する。
【0022】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記搬送装置、第1押圧ロータ及び第2押圧ロータが同一のモータで駆動され、上記搬送装置の駆動輪に連結された回転軸が、上記モータの出力軸と実質的に同一直線上に配置されて上記出力軸に連結されていると共に、上記第2押圧ロータの回転軸が、上記モータの出力軸と平行に配置されて上記揺動ケーシングの揺動軸を経由する動力伝達機構を介して上記出力軸に連結されている。
【0023】
上記実施形態によれば、搬送装置と第1押圧ロータと第2押圧ロータが同一のモータで駆動されるので、搬送装置と第1及び第2押圧ロータを容易に同期させることができる。また、搬送装置の駆動輪に連結された回転軸が、モータの出力軸と実質的に同一直線上に配置され、出力軸に連結されているので、第1及び第2押圧ロータで押圧される木質材料を搬送する搬送装置に、駆動力を安定して与えることができる。ここで、上記駆動輪に連結された回転軸とモータの出力軸は、例えばカップリングにより、又は、直接に連結される。また、第2押圧ロータの回転軸が、モータの出力軸と平行に配置されて揺動ケーシングの揺動軸を経由する動力伝達機構を介して上記出力軸に連結されているので、揺動ケーシングを揺動させる揺動軸を利用して比較的簡易な構成により、第2押圧ロータを搬送装置と同期させて駆動することができる。ここで、モータの出力軸から第2押圧ロータの回転軸へ回転力を伝達する動力伝達機構は、例えばチェーン機構やベルト機構等の正転方向の回転力を伝達する機構と、歯車機構等の逆転方向の回転力を伝達する機構とを組み合わせて連結する。
【0024】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記第1押圧ロータの回転軸が、上記第2押圧ロータの回転軸と平行に配置されて動力伝達機構を介して上記第2押圧ロータの回転軸に連結されている。
【0025】
上記実施形態によれば、第2押圧ロータを介して第1押圧ロータを搬送装置と容易に同期させることができる。ここで、第1押圧ロータの回転軸と第2押圧ロータの回転軸は、動力伝達機構として、例えばチェーン機構やベルト機構等の正転方向の回転力を伝達する機構を用いて連結する。
【0026】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータは、
回転軸と、
上記回転軸に外嵌する円盤状の複数の支持盤と、
上記支持盤の外周部に形成された取付溝に嵌合された板状の回転刃と、
上記回転刃の端面に螺合し、上記取付溝の底に当接するボルト頭を有し、上記回転刃への螺合長さが調整されることにより上記回転刃の上記支持盤からの突出量が調整可能な調整ボルトと、
上記回転刃に隣接して配置され、上記回転刃を上記取付溝の側面に押圧して固定する楔状の固定具と
を有する。
【0027】
上記実施形態によれば、切削ロータは、回転軸に円盤状の複数の支持盤が外嵌し、この支持盤の外周部に形成された取付溝に、板状の回転刃が嵌合されて形成される。この回転刃は、取付溝の底に当接するボルト頭を有する調整ボルトが端面に螺合し、この調整ボルトの螺合長さが調整されることにより、支持盤からの突出量が調整可能となっている。この回転刃は、隣接して配置された楔状の固定具により、取付溝の側面に押圧されて固定される。この切削ロータは、上記複数の支持盤の回転軸に対する位置が調整可能に形成され、支持盤に設けられた回転刃の周方向の位置が調整可能であるのが好ましい。これにより、切削ロータの周面における回転刃の配置形状を、例えば螺旋状又はV字状等に設定できて、各回転刃が木質材料を切削するタイミングをずらすことができる。その結果、搬送装置や、第1及び第2押圧ロータや、送りロータや、切削ロータに作用する反力を少なくでき、これらを駆動するモータの負担を少なくできる。また、切削ロータを駆動するモータの負担を少なくできる。また、上記固定具は、回転刃の刃先に連なる面に接して配置される場合、回転刃に接する部分が、側面視において鋭角をなすのが好ましい。固定具の回転刃に接する部分を鋭角に形成することにより、固定具を、回転刃に対する裏刃として機能させることができる。したがって、少ない部品点数により、安定して木質材料を切削できる切削ロータが得られる。
【0028】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータは、
回転軸と、
上記回転軸に外嵌し、対向する2枚の円板が互いに固定されてなる複数の支持盤と、
上記支持盤の2つの円板を繋ぐと共に、上記支持盤の外周に連なる取付溝を形成するL字状の取付部材と、
上記取付溝に嵌合された板状の回転刃と、
上記回転刃の端面に螺合し、上記取付溝の底に当接するボルト頭を有し、上記回転刃への螺着長さが調整されることにより上記回転刃の上記支持盤からの突出量が調整可能な調整ボルトと、
上記回転刃に形成された貫通孔に挿通され、上記取付部材に形成されたボルト孔に螺着されて上記回転刃を取付部材に固定する固定ボルトと
を有する。
【0029】
上記実施形態によれば、切削ロータは、対向する2枚の円板が互いに固定されてなる複数の支持盤が、回転軸に外嵌して形成される。この支持盤は、L字状の取付部材で2つの円板が繋がれると共に、外周に連なる取付溝が形成され、この取付溝に、板状の回転刃が嵌合される。この回転刃は、取付溝の底に当接するボルト頭を有する調整ボルトが端面に螺合し、この調整ボルトの螺合長さが調整されることにより、支持盤からの突出量が調整可能となっている。この回転刃は、貫通孔が形成され、この貫通孔に挿通された固定ボルトが上記取付部材に形成されたボルト孔に螺着されて、取付部材に固定される。この切削ロータは、上記複数の支持盤の回転軸に対する位置が調整可能に形成され、支持盤に設けられた回転刃の周方向の位置が調整可能であるのが好ましい。これにより、切削ロータの周面における回転刃の配置形状を、例えば螺旋状又はV字状等に設定することにより、各回転刃が木質材料を切削するタイミングをずらすことができる。その結果、搬送装置や、第1及び第2押圧ロータや、送りロータや、切削ロータに作用する反力を少なくでき、これらを駆動するモータの負担を少なくできる。また、切削ロータを駆動するモータの負担を少なくできる。
【0030】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータは、
回転軸と、
上記回転軸に外嵌する複数の略円形の支持盤と、
上記支持盤の外周部に形成された取付溝に嵌合され、切刃と裏刃で形成された回転刃と、
上記回転刃の切刃の表面に接すると共に上記支持盤の取付溝に嵌合し、上記回転刃に形成された長孔及び/又は溝を挿通して上記支持盤に螺着されるボルトに挿通されて固定される固定部材と、
上記回転刃の切刃の端面に螺合し、上記支持盤の取付溝から弦方向に形成された挿通孔に挿通され、上記支持盤の挿通孔の取付溝と反対側の開口部に接するナットによって引張力が導入される引張部材と、
上記取付溝の底に当接するボルト頭を有し、上記回転刃の切刃への螺着長さが調整されることにより上記切刃の上記支持盤からの突出量が調整可能な調整ボルトと、
上記回転刃の裏刃の端面に螺合し、上記取付溝内に突出した凸部に形成された挿通孔に挿通され、この凸部の挿通孔の開口部にボルト頭が接して引張力が導入されると共に、上記裏刃への螺着長さが調整されることにより上記裏刃の上記支持盤からの突出量が調整可能な引張調整ボルトと
を有する。
【0031】
上記実施形態によれば、切削ロータは、切刃と裏刃で形成された回転刃が、支持盤の外周の取付溝に嵌合されて取り付けられる。この回転刃は、回転刃の切刃の表面に接して取付溝に嵌合する固定部材と、この固定部材と回転刃とに挿通されて支持盤に螺着されるボルトで固定される。回転刃の切刃と裏刃は、上記ボルトに挿通される長孔及び/又は溝を有し、これにより、長孔及び/又は溝の延在方向に進退可能であり、支持盤からの突出量が調整可能に固定されるようになっている。回転刃の切刃は、端面に螺合する引張部材で引張力が付与され、回転時の脱落が防止される。また、回転刃の切刃は、取付溝の底に当接するボルト頭を有する調整ボルトに螺着され、この調整ボルトの切刃への螺着長さが調整されることにより、上記切刃の上記支持盤からの突出量が調整可能になっている。一方、回転刃の裏刃は、端面に螺合する引張調整ボルトで引張力が付与され、回転時の脱落が防止される。この引張調整ボルトは、取付溝内に突出した凸部に形成された挿通孔に挿通されており、この凸部の挿通孔の開口部にボルト頭が接して引張力が導入される。これと共に、引張調整ボルトの裏刃への螺着長さが調整されることにより、裏刃の支持盤からの突出量が調整可能になっている。この切削ロータは、回転刃を切刃と裏刃で形成することにより、木質材料を安定して所定寸法に切削することができ、寸法のばらつきの少ないオガ粉やウッドチップを製造できる。この切削ロータは、上記複数の支持盤の回転軸に対する位置が調整可能に形成され、支持盤に設けられた回転刃の周方向の位置が調整可能であるのが好ましい。これにより、切削ロータの周面における回転刃の配置形状を、例えば螺旋状又はV字状等に設定することにより、各回転刃が木質材料を切削するタイミングをずらすことができる。その結果、搬送装置や、第1及び第2押圧ロータや、送りロータや、切削ロータに作用する反力を少なくでき、これらを駆動するモータの負担を少なくできる。また、切削ロータを駆動するモータの負担を少なくできる。
【0032】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータの回転経路の外周に沿うように、上記木質材料が投入される側と反対側に配置され、所定寸法よりも小さい木質材料の切削片を通過させる篩体を備える。
【0033】
上記実施形態によれば、木質材料が切削ロータで切削されてなる切削片が、所定寸法よりも大きいと、篩体を通過できずに篩体と切削ロータの間に留まり、切削ロータに沿って固定刃に導かれる。切削片が固定刃に導かれ、回転刃との作用により切断され、所定寸法よりも小さくなると、この篩体を通過して排出される。このようにして、所定寸法よりも小さい切削片を通過させる篩体により、木質材料の切削片の寸法を効果的に揃えることができる。
【0034】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記搬送装置は、
搬送方向の断面において中央が搬送物の載置面側に膨出した搬送板と、この搬送板の縁端に設けられて上記中央の膨出方向と反対側に突出し、隣り合う上記搬送板を連結する蝶番状の連結部と、上記搬送板の載置面に設けられて上記木質材料に係止する係止部とを含む搬送ベルトと、
上記搬送ベルトの上記連結部に嵌合する谷部と上記搬送板の裏面に嵌合する歯部とを有し、回転駆動されて上記搬送ベルトを搬送駆動するスプロケットと
を有する。
【0035】
上記実施形態によれば、搬送装置は、木質材料が載置されて搬送する搬送ベルトと、この搬送ベルトが巻き回されて搬送ベルトを駆動するスプロケットを有する。上記搬送ベルトは、搬送方向の断面において中央が載置面側に膨出した搬送板と、この搬送板の縁端に設けられて上記中央の膨出方向と反対側に突出し、隣り合う上記搬送板を連結する蝶番状の連結部を有する。これにより、搬送ベルトがスプロケットに接する部分で屈曲しても、搬送板の間に隙間が殆ど生じなくできるので、搬送板の間に木質材料の切削片又は切削屑が噛み込む不都合や、搬送板の隙間を通して搬送装置内に木質材料の切削片又は切削屑が侵入する不都合を防止できる。また、搬送板の載置面に設けられた係止部により、木質材料を係止させて確実に切削ロータ方向に搬送することができる。また、スプロケットは、搬送ベルトの連結部に嵌合する谷部と、搬送板の裏面に嵌合する歯部とを有するので、効果的に搬送ベルトに嵌合できて、搬送ベルトに滑りを生じることなく確実に駆動力を伝えることができる。
【0036】
一実施形態のオガ粉製造装置は、少なくとも上記搬送装置の終端部と上記切削ロータとの下方に配置され、上記木質材料が切削されてなる切削片を搬出する搬出装置を備える。
【0037】
上記実施形態によれば、搬出装置により、切削ロータで切削された木質材料の切削片を、漏れなくオガ粉製造装置から搬出できる。
【0038】
一実施形態のオガ粉製造装置は、上記切削ロータを覆うと共に、少なくとも一部が開閉可能に形成された切削ケーシングと、
上記切削ロータの周辺に配置され、この切削ロータで上記木質材料が切削されてなる切削片が透過可能に形成された足場と
を備える。
【0039】
上記実施形態によれば、切削ケーシングの切削ロータの少なくとも一部が開くと、この開いた部分から切削ケーシング内に作業者が進入でき、この作業者が足場に足を置くことにより、容易に切削ロータに接近することができる。したがって、切削ロータのメンテナンスを容易に行うことができる。また、切削ロータに対して木質材料の搬送方向の上流側に位置する第1押圧ロータ及び第2押圧ロータについて、これらの第1押圧ロータ及び第2押圧ロータを収容する揺動ケーシングを揺動することにより、足場上に存在する作業者が容易に第1押圧ロータ及び第2押圧ロータにアクセスすることができる。したがって、第1押圧ロータ及び第2押圧ロータのメンテナンスを容易に行うことができる。ここで、上記足場は、切削ロータで木質材料が切削されてなる切削片が透過可能に形成されているので、切削ロータの周辺に配置されているにもかかわらず、切削片の滞留や詰まりを防止できる。上記足場としては、切削片が通過可能な網目寸法を有する網体や、切削片が通過可能な透孔が設けられたパンチングメタルや、切削片が通過可能な離隔をおいて平行に配列された複数の棒状体等で形成することができる。