(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記識別部により識別された前記ユーザの識別情報と、前記特定部により特定された前記注文内容とを対応付けした精算情報を用いて、前記注文内容に応じた代金を精算する精算部
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る管理装置、管理方法および管理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る管理装置、管理方法および管理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.管理処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る管理処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る管理処理の一例を示す図である。
図1に示すように、実施形態に係る管理装置によって、メニュー名や数量等の注文内容を示すユーザの音声を用いて、ユーザを識別して注文内容を受け付ける管理処理が行われる。
【0011】
図1には、注文内容がメニュー名「カレーライス」である場合が例示されている。
図1に示すように、ユーザが、管理装置に備わるマイクを用いてメニュー名「カレーライス」を発声すると(ステップS1)、管理装置は、例えば声紋等を用いてユーザを識別する。
【0012】
次に、管理装置は、ユーザの発声したメニュー名「カレーライス」を音声認識することにより、メニュー名を特定する。そして、管理装置は、特定されたメニュー名を用いて注文を確定する。このように、管理装置は、ユーザが注文内容を発声するだけで、容易にユーザを識別して注文を受け付ける。
【0013】
また、管理装置は、受け付けた注文の日時、メニュー名を、ユーザの識別情報であるユーザID(IDentification)と対応付けて精算情報13eを生成し、記憶部に蓄積する。管理装置は、ユーザIDごとに精算情報13eを集計し、ユーザの注文内容に応じた代金を口座引き落としやクレジットカード払い等の所定の精算方法で精算する。このように、管理装置は、音声で受け付けた同一のユーザによる日時の異なる複数回の注文をユーザ毎に集計して後に精算する。
【0014】
なお、管理装置には、予めユーザの声紋等の生体情報の特徴を表す識別モデルが、ユーザIDと対応付けされて記憶部に記憶されている。管理装置は、ユーザ識別結果を音声あるいはGUI(Graphical User Interface)等でユーザに確認し、ユーザの応答結果を用いて識別モデルの学習データ(識別用学習データ)を生成し、記憶部に蓄積する。そして、管理装置は、生成した識別用学習データを用いて、識別モデルを学習する。
【0015】
また、管理装置には、予めメニュー名を音声認識により特定するための特定モデルが記憶部に記憶されている。管理装置は、メニュー名の特定結果を音声あるいはGUI等でユーザに確認し、ユーザの応答結果を用いて特定モデルの学習データ(特定用学習データ)を生成し、記憶部に蓄積する。そして、管理装置は、生成した特定用学習データを用いて、特定モデルを学習する。
【0016】
〔2.管理装置の構成〕
次に、
図2を用いて、上記の管理装置1について説明する。
図2は、実施形態に係る管理装置1の構成例を示す図である。
図2に示すように、管理装置1は、入出力部11と、制御部12と、記憶部13とを備える。
【0017】
(入出力部11について)
入出力部11は、マイク、カメラ、指紋センサ、キーボード、またはマウス等の入力装置、ディスプレイやプリンタ等の出力装置等で実現される。入出力部11には、例えば、ユーザの音声、顔画像、虹彩、あるいは指紋等が入力される。
【0018】
なお、管理装置1は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される通信部を備え、マイクやカメラ、ディスプレイ等を備えたユーザが使用する端末装置との間で通信部を介して情報の送受信を行ってもよい。
【0019】
(記憶部13について)
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部13は、識別モデル13aおよび特定モデル13bを記憶する。また、記憶部13は、後述する管理処理により生成される識別用学習データ13c、特定用学習データ13d、および精算情報13eを記憶する。
【0020】
(識別モデル13aについて)
識別モデル13aは、ユーザの声紋等の生体情報の特徴を表すモデルであり、予めユーザIDと対応付けて予め記憶部13に記憶されている。後述する管理処理において、ユーザの音声と識別モデル13aとを用いて、ユーザが識別される。なお、ユーザの生体情報は、声紋に限定されず、例えば、顔画像、虹彩あるいは指紋等でもよい。
【0021】
図3は、識別モデル13aの一例を示す図である。
図3には、ユーザの生体情報が声紋である場合が例示されている。この場合の識別モデル13aは、
図3に示すように、声紋情報とユーザを識別するユーザIDとが対応付けされたものである。言い換えれば、識別モデル13aは、声紋情報に、教師ラベルとして、ユーザIDのタグが付与されたものである。
【0022】
(特定モデル13bについて)
特定モデル13bは、注文内容を音声認識により特定するためのモデルであり、予め記憶部13に記憶されている。後述する管理処理において、ユーザの音声と特定モデル13bとを用いて、注文内容が特定される。
【0023】
図4は、特定モデル13bの一例を示す図である。
図4には、注文内容がメニュー名である場合が例示されている。この場合の特定モデル13bは、
図4に示すように、音声データに、教師ラベルとして、「りんご」等のメニュー名のタグが付与されたものである。
【0024】
(識別用学習データ13cについて)
識別用学習データ13cは、識別モデル13aの生成のための学習データであり、後述する管理処理において、識別部12bによる識別結果に対する正解または不正解を示す、ユーザの識別結果の確認に対するユーザの応答結果を用いて生成される。この識別用学習データ13cを用いて識別モデル13aが生成され、識別モデル13aが更新される。
【0025】
(特定用学習データ13dについて)
特定用学習データ13dは、特定モデル13bの生成のための学習データであり、後述する管理処理において、特定部12dによる特定結果に対する正解または不正解を示す、注文内容の特定結果の確認に対するユーザの応答結果を用いて生成される。この特定用学習データ13dを用いて特定モデル13bが生成され、特定モデル13bが更新される。
【0026】
(精算情報13eについて)
精算情報13eは、後述する管理処理において、識別されたユーザのユーザIDと特定された注文内容とを対応付けて生成される情報である。
図5は、実施形態に係る精算情報13eの一例を示す図である。
図5に示すように、精算情報13eは、「ユーザID」、「日時」、「メニュー」等が互いに対応付けられた情報である。
図5には、注文内容がメニュー名である場合が例示されている。注文内容には、メニュー名の他に、例えば、「一皿」「大盛」等の数量を表す情報が含まれてもよい。
【0027】
「ユーザID」は、氏名や会員番号等のユーザを識別するユーザ識別情報である。「日時」は、精算情報13eが生成された日時を示す。「メニュー名」は、例えば、食堂等におけるメニュー名を示す。
図1に示した例においては、
図5に示すように、ユーザID「Aさん」、日時「○月×日△時□分」、メニュー名「カレーライス」とした精算情報13eが生成され、記憶部13に蓄積される。
【0028】
(制御部12について)
図2の説明に戻る。制御部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、管理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(管理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0029】
図2に示すように、制御部12は、受付部12a、識別部12b、識別学習部12c、特定部12d、特定学習部12eおよび精算部12fを有し、以下に説明する管理処理の機能や作用を実現または実行する。
【0030】
(受付部12aについて)
受付部12aは、ユーザによる音声の入力を受け付ける。具体的には、受付部12aは、マイクから入力されるユーザの音声を、入出力部11を介して受け付ける。また、受付部12aは、カメラで撮影されたユーザの顔画像または虹彩、あるいは指紋センサで取得されたユーザの指紋等の入力を受け付けてもよい。
【0031】
(識別部12bについて)
識別部12bは、受付部12aにより受け付けられた音声を用いてユーザを識別する。具体的には、識別部12bは、受付部12aにより受け付けられた、注文内容を示す音声と、ユーザの声紋等の特徴を表す識別モデル13aとを用いて、ユーザを識別する。
【0032】
ここで、識別部12bは、任意の言葉を発声する音声から声紋等の特徴を抽出し、抽出した声紋情報を識別モデル13aと対比させて、ユーザIDを特定することにより、ユーザを識別する。
【0033】
あるいは、識別部12bは、ユーザによる所定の用語を用いてユーザを識別してもよい。例えば、注文内容以外の「お願いします」等の全ユーザに共通な所定の用語の発声によって、ユーザを識別するようにしてもよい。その場合には、受付部12aが、所定の用語を示す音声の入力を受け付ける。また、この場合の識別モデル13aは、所定の用語の音声データとユーザIDとを対応付けたものである。識別部12bは、受け付けた音声データと識別モデル13aとを対比させて、ユーザIDを特定することにより、ユーザを識別する。
【0034】
また、上記したとおり、識別モデル13aが表すユーザの生体情報は、声紋に限定されず、顔画像、虹彩または指紋等でもよい。その場合には、例えば、ユーザが注文内容を発声する際に、カメラで撮影された顔画像または虹彩、あるいは指紋センサで取得された指紋等を、入出力部11を介して受付部12aが受け付けることにより実現される。
【0035】
識別部12bは、識別結果をユーザに確認し、応答を受け付ける。例えば、「あなたはAさんですか?」等の識別結果を確認するメッセージを入出力部11に出力し、「はい」「いいえ」のいずれかの応答を、入出力部11を介して受け付ける。例えば、識別部12bは、タッチパネル式のディスプレイに識別結果の確認のメッセージを表示して、「はい」「いいえ」のいずれかを選択するユーザの操作入力を受け付ける。音声により識別結果の確認のメッセージを出力したり、ユーザの「はい」「いいえ」のいずれかの音声による応答の入力を受け付けたりしてもよい。
【0036】
なお、識別結果が間違っていた場合には、正解になるまで、ユーザを識別する処理が繰り返される。ここで、正解とは、識別結果が正しく、例えば、ユーザから「はい」を示す応答が得られた場合を意味する。これに対し、識別結果が間違っており、例えば、ユーザから「いいえ」を示す応答が得られた場合は不正解である。また、識別結果の確認は、例えば、識別の精度が所定の閾値より低い場合に実行されるようにしてもよい。
【0037】
また、識別部12bは、受付部12aにより受け付けられた音声と、ユーザの応答結果とを用いて、識別用学習データ13cを生成し、記憶部13に蓄積する。識別用学習データ13cは、正解の教師データあるいは不正解の教師データのいずれでもよい。
【0038】
また、ユーザの識別については、声紋により行った場合には顔認証等、ユーザ識別に用いた生体情報以外の情報を用いた第2の方式との組み合わせ認証を用いて識別を行うことが望ましい。例えば、声紋による識別の成功率は約80%であるのに対し、組み合わせ認証による識別では、成功率が向上する。あるいは、事後にメールで事実確認を行う等の訂正機構があることが望ましい。
【0039】
(識別学習部12cについて)
識別学習部12cは、識別部12bによる識別結果に対する正解または不正解を示す識別用学習データ13cを用いて、受付部12aにより受け付けられた音声を用いてユーザを識別するための識別モデル13aを生成する。具体的には、識別学習部12cは、識別用学習データ13cを用いて学習を行い、記憶部13の識別モデル13aを更新する。その場合に、識別部12bは、受付部12aにより受け付けられた音声と学習により更新された識別モデル13aとを用いて、ユーザを識別する。
【0040】
(特定部12dについて)
特定部12dは、受付部12aにより受け付けられた音声を用いて注文内容を特定する。具体的には、識別部12bは、受付部12aにより受け付けられた音声と特定モデル13bとを用いて、注文内容を特定する。注文内容は、上記のとおり、例えば、メニュー名である。注文内容には、メニュー名の他に、例えば、「一皿」「大盛」等の数量を表す所定の情報が含まれてもよい。
【0041】
特定部12dは、特定結果をユーザに確認し、応答を受け付ける。例えば、「カレーライスですか?」等の特定結果を確認するメッセージを入出力部11に出力し、「はい」「いいえ」のいずれかの応答を、入出力部11を介して受け付ける。例えば、特定部12dは、タッチパネル式のディスプレイに特定結果の確認のメッセージを表示して、「はい」「いいえ」のいずれかを選択するユーザの操作入力を受け付ける。音声により特定結果の確認のメッセージを出力したり、ユーザの「はい」「いいえ」のいずれかの音声による応答の入力を受け付けたりしてもよい。
【0042】
なお、特定結果が間違っていた場合には、正解になるまで、注文内容を特定する処理が繰り返される。ここで、正解とは、特定結果が正しく、例えば、ユーザから「はい」を示す応答が得られた場合を意味する。これに対し、特定結果が間違っており、例えば、ユーザから「いいえ」を示す応答が得られた場合は不正解である。また、特定結果の確認は、例えば、特定の精度が所定の閾値より低い場合に実行されるようにしてもよい。
【0043】
また、特定部12dは、受付部12aにより受け付けられた音声と、ユーザの応答結果とを用いて、特定用学習データ13dを生成し、記憶部13に蓄積する。特定用学習データ13dは、正解の教師データあるいは不正解の教師データのいずれでもよい。
【0044】
(特定学習部12eについて)
特定学習部12eは、特定部12dによる特定結果に対する正解または不正解を示す特定用学習データ13dを用いて、受付部12aにより受け付けられた音声を用いて注文内容を特定するための特定モデル13bを生成する。具体的には、特定学習部12eは、特定用学習データ13dを用いて学習を行い、記憶部13の特定モデル13bを更新する。その場合に、特定部12dは、受付部12aにより受け付けられた音声と学習により更新された特定モデル13bとを用いて、注文内容を特定する。
【0045】
(精算部12fについて)
精算部12fは、識別部12bにより識別されたユーザの識別情報と、特定部12dにより特定された注文内容とを対応付けした精算情報13eを用いて、注文内容に応じた代金を精算する。具体的には、精算部12fは、識別部12bにより識別されたユーザのユーザIDと、特定部12dにより特定された注文内容とを対応付けして精算情報13eを生成し、記憶部13に蓄積する。
【0046】
また、精算部12fは、ユーザの退店時あるいは月末等の所定のタイミングで、蓄積された精算情報13eをユーザIDごとに集計し、ユーザの注文内容に応じた代金を算出する。そして、精算部12fは、ユーザとの間で予め取り決められた口座引き落としやクレジットカード払い等の所定の精算方法により、算出した各ユーザの代金の精算を行う。これにより、音声で受け付けた同一のユーザによる日時の異なる複数回の注文をユーザ毎に集計して後に精算することが可能となる。
【0047】
〔3.処理手順〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る管理装置1が実行する処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る管理装置1が実行する管理処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、管理装置1において、受付部12aは、ユーザが、食堂等に設置されているマイクに向かって注文内容を発声するまで待機する(ステップS1,No)。受付部12aがユーザの音声の入力を受け付けると(ステップS1,Yes)、識別部12bが、受付部12aにより受け付けられた音声の声紋等を用いて、ユーザを識別する(ステップS2)。また、識別部12bは、識別結果を確認するメッセージをユーザに出力し(ステップS3)、応答を受け付ける(ステップS4)。また、識別部12bは、ユーザの応答結果を用いて、識別用学習データ13cを生成し、記憶部13に蓄積する(ステップS5)。
【0049】
ユーザの識別結果が正解であった場合に、特定部12dが、ユーザの発声した注文内容を音声認識により特定する(ステップS6)。また、特定部12dは、特定結果を確認するメッセージをユーザに出力し(ステップS7)、応答を受け付ける(ステップS8)。また、特定部12dは、ユーザの応答結果を用いて、特定用学習データ13dを生成し、記憶部13に蓄積する(ステップS9)。
【0050】
ユーザの識別結果および注文内容の特定結果が正解であった場合に(ステップS10,Yes)、特定部12dは、ステップS11に処理を進める。一方、ユーザの識別結果、注文内容の特定結果のいずれかが不正解で、双方がともに正解ではなかった場合には(ステップS10,No)、特定部12dは、ステップS1に処理を戻す。
【0051】
ステップS11の処理では、精算部12fが、識別部12bにより識別されたユーザのユーザIDと、特定部12dにより特定された注文内容とを対応付けして精算情報13eを生成し、記憶部13に蓄積する(ステップS11)。また、精算部12fは、所定のタイミングで、蓄積された精算情報13eをユーザIDごとに集計し、ユーザの注文内容に応じた代金を算出する。そして、精算部12fは、ユーザとの間で予め取り決められた所定の精算方法により、算出した各ユーザの代金の精算を行う(ステップS12)。これにより、一連の管理処理が終了する。
【0052】
なお、ユーザの識別結果が間違っていた場合には、識別部12bは、正解になるまで、ユーザを識別する処理を繰り返す。また、識別結果の確認は、例えば、識別の精度が所定の閾値より低い場合に実行されるようにしてもよい。
【0053】
また、所定のタイミングで、識別学習部12cが、蓄積された識別用学習データ13cを用いて学習を行い、記憶部13の識別モデル13aを更新する。識別部12bは、それ以降の処理において、更新された識別モデル13aを用いてユーザを識別する。
【0054】
また、注文内容の特定結果が間違っていた場合には、特定部12dは、正解になるまで、注文内容を特定する処理を繰り返す。特定結果の確認は、例えば、特定の精度が所定の閾値より低い場合に実行されるようにしてもよい。
【0055】
また、所定のタイミングで、特定学習部12eが、蓄積された特定用学習データ13dを用いて学習を行い、記憶部13の特定モデル13bを更新する。特定部12dは、それ以降の処理において、更新された特定モデル13bを用いて注文内容を特定する。
【0056】
また、ユーザ識別に関する処理(ステップS2〜S5)と、注文内容特定に関する処理(ステップS6〜S9)との処理順は上記に限定されない。例えば、注文内容特定に関する処理の後にユーザ識別に関する処理が行われてもよい。あるいは、
図7に示すように、ユーザ識別に関する処理と、注文特定に関する処理とが並列に行われてもよい。
【0057】
図7は、他の実施形態に係る管理装置1が実行する管理処理手順を示すフローチャートである。
図7に示す管理処理では、
図6とは、ユーザ識別に関する処理(ステップS2〜S5)と、注文特定に関する処理(ステップS6〜S9)とが並列して行われている点が異なる。その他の処理内容については
図6と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
〔4.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る管理装置1は、受付部12aと、識別部12bと、特定部12dとを備える。受付部12aは、ユーザによる音声の入力を受け付ける。識別部12bは、受付部12aにより受け付けられた音声を用いてユーザを識別する。特定部12dは、受付部12aにより受け付けられた音声を用いて注文内容を特定する。これにより、容易にユーザを識別して音声による注文を受け付けることが可能となる。
【0059】
また、実施形態に係る管理装置1は、識別学習部12cをさらに備える。識別学習部12cは、識別部12bによる識別結果に対する正解または不正解を示す識別用学習データ13cを用いて、受付部12aにより受け付けられた音声を用いてユーザを識別するための識別モデル13aを生成する。その場合に、識別部12bは、受付部12aにより受け付けられた音声と識別学習部12cにより生成された識別モデル13aとを用いて、ユーザを識別する。これにより、ユーザ識別の精度を向上させることが可能となる。
【0060】
また、実施形態に係る管理装置1は、特定学習部12eをさらに備える。特定学習部12eは、特定部12dによる特定結果に対する正解または不正解を示す特定用学習データ13dを用いて、受付部12aにより受け付けられた音声を用いて注文内容を特定するための特定モデル13bを生成する。その場合に、特定部12dは、受付部12aにより受け付けられた音声と特定学習部12eにより生成された特定モデル13bとを用いて、注文内容を特定する。これにより、注文内容を特定する音声認識の精度を向上させることが可能となる。
【0061】
また、実施形態に係る管理装置1は、精算部12fをさらに備える。精算部12fは、識別部12bにより識別されたユーザの識別情報と、特定部12dにより特定された注文内容とを対応付けした精算情報13eを用いて、注文内容に応じた代金を精算する。これにより、声で受け付けた同一のユーザによる日時の異なる複数回の注文をユーザ毎に集計して後に精算することが可能となる。このように、ユーザの利便性をさらに向上させることが可能となる。
【0062】
また、実施形態に係る管理装置1において、受付部12aは、ユーザによる所定の用語を示す音声の入力をさらに受け付ける。その場合に、識別部12bは、該所定の用語を用いてユーザを識別する。これにより、ユーザ識別の誤りを減少させることが可能となる。
【0063】
また、実施形態に係る管理装置1において、受付部12aは、ユーザの音声以外の生体情報の入力をさらに受け付ける。その場合に、識別部12bは、音声に代えてユーザの生体情報を用いて該ユーザを識別する。これにより、管理装置1の使用状況に応じて適切なユーザ識別の方式を適用することが可能となる。
【0064】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る管理装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、実施形態に係る管理装置1の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0065】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0066】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0067】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0068】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0069】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る管理装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部12の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部13内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0070】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0071】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0072】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0073】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0074】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部12aは、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願に係る管理装置1は、受付部12aと、識別部12bと、特定部12dとを備える。受付部12aは、ユーザによる音声の入力を受け付ける。識別部12bは、受付部12aにより受け付けられた音声を用いてユーザを識別する。特定部12dは、受付部12aにより受け付けられた音声を用いて注文内容を特定する。