(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような点に鑑み、本発明は、ノイズを低減できる電子モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様による電子モジュールは、
絶縁性基板と、
前記絶縁性基板に設けられた導体層と、
前記導体層に設けられた電子素子と、
前記絶縁性基板の前記電子素子と反対側に設けられた放熱層と、
を備え、
前記放熱層が面方向で区分された複数の放熱層パターンを有してもよい。
【0005】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記電子素子はスイッチング素子を含んでもよい。
【0006】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記放熱層パターンは、前記放熱層パターン側から見たときに、前記電子素子が配置されている箇所の全体を含むようにして設けられてもよい。
【0007】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記放熱層パターンのうちの少なくとも一部は、前記放熱層パターン側から見たときに複数の電子素子の全体を覆ってもよい。
【0008】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記絶縁性基板は第一絶縁性基板及び第二絶縁性基板を有し、
前記電子素子は第一電子素子及び第二電子素子を有し、
前記放熱層は第一放熱層及び第二放熱層を有し、
前記第一絶縁性基板の一方側に第一電子素子が設けられ、
前記第一絶縁性基板の他方側に設けられた第一放熱層が設けられ、
前記第一電子素子の一方側に第二電子素子が設けられ、
前記第二電子素子の一方側に第二絶縁性基板が設けられ、
前記第二絶縁性基板の一方側に第二放熱層が設けられ、
前記第一電子素子及び前記第二電子素子のうちの少なくともいずれか一方はスイッチング素子を有し、前記第一電子素子がスイッチング素子を有する場合には、前記第一放熱層は面方向で区分された複数の第一放熱層パターンを有し、前記第二電子素子がスイッチング素子を有する場合には、前記第二放熱層は面方向で区分された複数の第二放熱層パターンを有してもよい。
【0009】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記導体層は、前記絶縁性基板から離隔した離隔部を有してもよい。
【0010】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記離隔部には前記電子素子が設けられていなくてもよい。
【0011】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記離隔部はグランド端子又は電源端子に接続されてもよい。
【0012】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記離隔部には前記電子素子が設けられてもよい。
【0013】
本発明の一態様による電子モジュールにおいて、
前記絶縁性基板は第一絶縁性基板及び第二絶縁性基板を有し、
前記電子素子は第一電子素子及び第二電子素子を有し、
前記第一絶縁性基板の一方側に第一電子素子が設けられ、
前記第一電子素子の一方側に第二電子素子が設けられ、
前記第二電子素子の一方側に第二絶縁性基板が設けられ、
前記第一電子素子及び前記第二電子素子のうちの少なくともいずれか一方はスイッチング素子を有し、前記第一電子素子がスイッチング素子を有する場合には、前記離隔部は前記第一絶縁性基板から離隔した第一離隔部を有し、前記第二電子素子がスイッチング素子を有する場合には、前記離隔部は前記第二絶縁性基板から離隔した第二離隔部を有してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、放熱層が面方向で区分された複数の放熱層パターンを有している。このため、放熱層の面内方向の面積を小さくすることで、例えば放熱層、導体層及び絶縁性基板によって形成されるコンデンサ機能における容量(コンデンサの容量)を小さくできる。この結果、放出されるノイズを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子モジュールの縦断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態による電子モジュールの底面側から見た図であり、本来は見えない部材が破線で示されている図である。
【
図3】
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態の変形例1による電子モジュールの底面側から見た図であり、本来は見えない部材が破線で示されている図である。
図3(b)は、本発明の第1の実施の形態の変形例2による電子モジュールの底面側から見た図であり、本来は見えない部材が破線で示されている図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施の形態による電子モジュールの縦断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の実施の形態の変形例1による電子モジュールの縦断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施の形態の変形例2による電子モジュールの縦断面図である。
【
図7】
図7(a)は、
図7(c)の直線A−Aで切断した、本発明の第3の実施の形態による電子モジュールの縦断面図である。
図7(b)は、
図7(c)の直線B−Bで切断した、本発明の第3の実施の形態による電子モジュールの縦断面図である。
図7(c)は、本発明の第3の実施の形態による電子モジュールの封止部内の構成を示した平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第3の実施の形態の変形例1による電子モジュール縦断面図であって、
図7(a)に対応する縦断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3の実施の形態の変形例2による電子モジュール縦断面図であって、
図7(b)に対応する縦断面図である。
【
図10】
図10(a)は、本発明の第4の実施の形態による電子モジュールの縦断面図であって、
図7(a)に対応する縦断面図である。
図10(b)は、本発明の第4の実施の形態による電子モジュールの縦断面図であって、
図7(b)に対応する縦断面図である。
【
図11】
図11(a)は、本発明の第4の実施の形態の変形例1による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(a)に対応する縦断面図である。
図11(b)は、本発明の第4の実施の形態の変形例1による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(b)に対応する縦断面図である。
【
図12】
図12(a)は、本発明の第4の実施の形態の変形例2による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(a)に対応する縦断面図である。
図12(b)は、本発明の第4の実施の形態の変形例2による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(b)に対応する縦断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の第4の実施の形態の変形例3による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(b)に対応する縦断面図である。
【
図14】
図14は、本発明の第4の実施の形態の変形例4による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(b)に対応する縦断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の第4の実施の形態の変形例5による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(b)に対応する縦断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の第4の実施の形態の変形例6による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(b)に対応する縦断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の第4の実施の形態の変形例7による電子モジュールの縦断面図であって、
図10(b)に対応する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の実施の形態
《構成》
図1に示すように、本実施の形態の電子モジュールは、絶縁性基板60と、絶縁性基板60のおもて面側に設けられた導体層20と、導体層20に設けられた電子素子40と、絶縁性基板60の裏面側(電子素子40と反対側)に設けられた放熱層10と、を有してもよい。放熱層10は面方向で区分された複数の放熱層パターン15を有してもよい。
【0017】
本実施の形態では、電子モジュールの一例としては半導体モジュールを挙げることができ、電子素子40の一例として半導体素子を挙げることができる。しかしながら、これに限られるものではなく、必ずしも「半導体」を用いる必要はない。
【0018】
また、絶縁性基板60、導体層20及び電子素子40は封止樹脂等からなる封止部90で覆われてもよい。
図1に示すように、封止部90の裏面は絶縁性基板60の裏面と同じ高さ位置となっていてもよい。
図1では、放熱層10が絶縁性基板60の裏面に設けられ、放熱層10が封止部90の裏面から突出している態様となっているが、これに限られることはなく、絶縁性基板60が封止部90内に埋設され、放熱層10の裏面が封止部90の裏面と同じ高さ位置となっていてもよい。
【0019】
電子素子40はスイッチング素子を含んでもよい。スイッチング素子としては、例えば、MOSFET等のFET、バイポーラトランジスタ、IGBT等を挙げることができ、典型例を挙げるとするとMOSFETを挙げることができる。
【0020】
導体層20は絶縁性基板60上でパターニングされることで回路が形成されてもよい。放熱層10は金属板であってもよい。導体層20及び放熱層10は例えば銅からなっていてもよい。
【0021】
放熱層パターン15のうちの少なくとも一部は、放熱層パターン15側から見たとき(
図1の下側から見たとき)に一つ又は複数の電子素子40の全体を覆うようになっていてもよい。一例としては、
図2の左上、左下及び右上の放熱層パターン15は、放熱層パターン15側から見たときに複数の電子素子40の全体を覆うようになっている。
【0022】
放熱層パターン15のうちの少なくとも一部は、放熱層パターン15側から見たときに、導体層20が配置されている箇所の全体を含むようにして設けられてもよい。一例としては、
図2の左上及び左下の放熱層パターン15は、放熱層パターン15側から見たときに、導体層20が配置されている箇所の全体を覆うようになっている。
【0023】
図3(a)に示すように、放熱層パターン15は格子状に設けられてもよい。また、
図3(a)に示すように、放熱層パターン15は電子素子40及び導体層20の位置とは全く無関係に設けられてもよい。つまり、予め定まったパターンで放熱層パターン15が設けられ、放熱層パターン15が電子素子40又は導体層20を覆うような位置に位置づけられているか関係なく配置されてもよい。このような態様を採用する場合には、放熱層パターン15を簡易に設けることができる点で有益である。なお、
図3(a)では導体層20は示されていない。
【0024】
また、放熱層パターン15の形状は各々異なっていてもよいし、同じ形状となっていてもよい。
図2及び
図3(a)に示すように、放熱層パターン15は矩形状であってもよいし、
図3(b)に示すように、複数の放熱層パターン15のうちの少なくとも一つはL字形状となっていてもよい。
【0025】
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果であって、未だ説明していないものについて説明する。「作用・効果」で記載するあらゆる構成も採用することができる。
【0026】
放熱層10が面方向で区分された複数の放熱層パターン15を有している態様を採用した場合には、放熱層10の面内方向の面積を小さくすることで、放熱層10、導体層20及び絶縁性基板60によって形成されるコンデンサ機能における容量(コンデンサの容量)を小さくできる。この結果、放出されるノイズを抑制できる。なお、平行板コンデンサにおける容量Cは、C=εS/d(ここで、「S」は平行板の面積、「d」は平行板の距離、「ε」は平行板の間に存在する絶縁体の誘電率)として示されるところ、複数の放熱層パターン15を採用することで「S」を小さくすることができる。
【0027】
特に電子素子40がスイッチング素子を有する場合には、スイッチング素子から発生したノイズが、放熱層10、導体層20及び絶縁性基板60によって疑似的に形成されるコンデンサを介して、電子モジュールの外部に放出されることになる。本実施の形態では、このように疑似的に形成されるコンデンサの容量を小さくすることで、ノイズの発生を抑えることができる。なお、本明細書において、「電子素子40」(後述する「第一電子素子41」及び「第二電子素子42」を含む。)という文言は、一つ又は複数の電子素子を総称したものである。このため、「電子素子40がスイッチング素子を有する」というのは、電子素子40のうちの少なくとも一つがスイッチング素子であることを意味している。
【0028】
放熱層パターン15側から見たときに、放熱層パターン15が電子素子40の配置されている箇所の全体を含むようにして設ける態様を採用した場合には、電子素子40による発熱を放熱層パターン15によって逃がしやすくすることができる点で有益である。
【0029】
放熱層パターン15のうちの少なくとも一部が、放熱層パターン15側から見たときに複数の電子素子40の全体を覆うようになっている態様を採用した場合には(一例として、
図2の左上、左下及び右上の放熱層パターン15では)、当該放熱層パターン15によって、複数の電子素子40からの発熱を逃がしやすくすることができる点で有益である。
【0030】
放熱層パターン15は導体層20と同じ形状となり、放熱層パターン15の各々が対応する導体層20と対向するようにして設けられてもよい。このような態様を採用した場合には、導体層20を介して伝達された熱を効率よく放熱層パターン15に逃がすことができる点で有益である。
【0031】
放熱層パターン15のうちの少なくとも一部が、放熱層パターン15側から見たときに、導体層20が配置されている箇所の全体を覆うようになっている態様を採用した場合には(一例として、
図2の左上及び左下の放熱層パターン15では)、導体層20を介して伝達された電子素子40で発生した熱を効率よく放熱層パターン15に逃がすことができる点で有益である。
【0032】
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ又は同様の部材等については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
第2の実施の形態では、電子素子40が積層されて配置されており、スタック構造となっている。より具体的には、
図4に示すように、絶縁性基板60は第一絶縁性基板61及び第二絶縁性基板62を有し、電子素子40は第一電子素子41及び第二電子素子42を有し、放熱層10は第一放熱層11及び第二放熱層12を有してもよい。第一絶縁性基板61の一方側(
図4の上側)に第一電子素子41が設けられ、第一絶縁性基板61の他方側(
図4の下側)に第一放熱層11が設けられてもよい。第一電子素子41の一方側に第二電子素子42が設けられ、第二電子素子42の一方側に第二絶縁性基板62が設けられ、第二絶縁性基板62の一方側に第二放熱層12が設けられてもよい。また、導体層20は、第一導体層21及び第二導体層22を有し、第一導体層21の一方側に第一電子素子41が設けられ、第二導体層22の一方側に第二電子素子42が設けられてもよい。
【0034】
第一電子素子41及び第二電子素子42のうちの少なくともいずれか一方はスイッチング素子を有してもよい。そして、第一電子素子41がスイッチング素子を有する場合には、第一放熱層11は面方向で区分された複数の第一放熱層パターン16を有してもよい(
図4参照)。また、第二電子素子42がスイッチング素子を有する場合には、第二放熱層12は面方向で区分された複数の第二放熱層パターン17を有してもよい(
図5参照)。
【0035】
図4及び
図5に示す態様では、第一電子素子41の一方側(
図4及び
図5の上側)に導体柱29が設けられ、導体柱29の一方側(
図4及び
図5の上側)に第二導体層22が設けられている。
【0036】
前述したように、電子素子40がスイッチング素子を有する場合には、ノイズが大きくなる傾向にある。このため、少なくともスイッチング素子が設けられている側において放熱層10が面方向で区分されて複数の放熱層パターン15となっている態様を採用することで、スイッチング素子に由来するノイズの発生を抑制できる。
【0037】
また、第一電子素子41及び第二電子素子42がスイッチング素子を有するかどうかに関係なく、放熱層10が面方向で区分されて複数の放熱層パターン15となっている態様となっていてもよい。つまり、第一電子素子41がスイッチング素子を有するかどうかに関係なく、また、第二電子素子42がスイッチング素子を有するかどうかに関係なく、第一放熱層11だけが面方向で区分された複数の第一放熱層パターン16を有してもよいし(
図4参照)、第二放熱層12だけが面方向で区分された複数の第二放熱層パターン17を有してもよいし(
図5参照)、第一放熱層11が面方向で区分された複数の第一放熱層パターン16を有し、かつ、第二放熱層12が面方向で区分された複数の第二放熱層パターン17を有してもよい(
図6参照)。
【0038】
また、スイッチング素子を一方側又は他方側に集め、スイッチング素子が集められた側で複数の放熱層パターン15が設けられるようにしてもよい。より具体的には、第一電子素子41がスイッチング素子を有し第二電子素子42がスイッチング素子を有さない場合には、
図4に示すように、複数の第一放熱層パターン16が設けられ、かつ、一つの第二放熱層12が設けられるようになってもよい。第二電子素子42がスイッチング素子を有し第一電子素子41がスイッチング素子を有さない場合には、
図5に示すように、複数の第二放熱層パターン17が設けられ、かつ、一つの第一放熱層11が設けられるようになってもよい。
【0039】
本実施の形態では、第1の実施の形態で説明したあらゆる構成(変形例を含む。)を採用することができる。
【0040】
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態において、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同じ又は同様の部材等については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
図7(b)(c)に示すように、第3の実施の形態では、導体層20が、絶縁性基板60から離隔した離隔部25を有してもよい。このような離隔部25を設けることで、放熱層10と離隔部25との間の距離を大きくすることができ、放熱層10、導体層20、絶縁性基板60及び封止部90によって形成されるコンデンサ機能における容量(コンデンサの容量)を小さくできる。前述したように、平行板コンデンサにおける容量Cは、C=εS/d(ここで、「S」は平行板の面積、「d」は平行板の距離、「ε」は平行板の間に存在する絶縁体の誘電率)として示されるところ、離隔部25を採用することで「d」を大きくすることができる。この結果、放出されるノイズを抑制できる。
【0042】
離隔部25には、電子素子40が設けられていなくてもよい。このような態様を採用することで、電子素子40からの発熱は絶縁性基板60に設けられた(離隔部25ではない)導体層20によって効率よく逃がすことができ(
図7(a)参照)、他方、電子素子40が設けられていない離隔部25によってコンデンサ機能における容量を小さくすることができる(
図7(b)参照)。
【0043】
また、電子素子40が設けられていない導体層20の全てが離隔部25になっていてもよい。このような態様を採用した場合には、電子素子40からの発熱を逃がすことにはあまり機能しない導体層20の全てを離隔部25とし、コンデンサ機能における容量を小さくするために利用できる。
【0044】
図7(c)に示すように、離隔部25に電子素子40が設けられていない場合には、離隔部25はグランド端子又は電源端子に接続されていてもよい。なお、
図7(c)に示されている符号70は、グランド端子又は電源端子である。また、離隔部25が2つ以上設けられている場合には、1つの離隔部25にグランド端子が接続され、別の1つの離隔部25に電源端子が接続されてもよい。また、離隔部25と電子素子40とは、接続子又はワイヤ等の接続部71によって、接続されてもよい。この際、電子素子40と離隔部25とが接続部71によって直接接続されてもよいし(
図7(c)の左側に示された接続部71参照)、電子素子40と離隔部25とが、電子素子40の設けられた導体層20を介して接続されてもよい(
図7(c)の右側に示された接続部71参照)。
【0045】
また、
図8に示すように、離隔部25に電子素子40が設けられる態様を採用してもよい。この場合には、電子素子40からの発熱を逃がす機能は下がってしまうが、他方で、コンデンサ機能における容量を小さくすることはできる点で有益である。
【0046】
また、
図9に示すように、放熱層10は、第1の実施の形態や第2の実施の形態で示したように、面方向で区分されて複数の放熱層パターン15を有してもよい。この場合には、放熱層10の面内方向の面積「S」を小さくし、かつ、放熱層10と離隔部25との間の距離「d」を大きくすることで、放熱層10、導体層20、絶縁性基板60及び封止部90によって形成されるコンデンサ機能における容量(コンデンサの容量)を小さくできる。このため、より確実に、放出されるノイズを抑制できる。
【0047】
本実施の形態では、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明したあらゆる構成(変形例を含む。)を採用することができる。
【0048】
第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態において、第1の実施の形態、第2の実施の形態又は第3の実施の形態と同じ又は同様の部材等については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
図10に示すように、第4の実施の形態では、第2の実施の形態と同様、電子素子40が積層されて配置されており、スタック構造となっている。より具体的には、絶縁性基板60は第一絶縁性基板61及び第二絶縁性基板62を有し、電子素子40は第一電子素子41及び第二電子素子42を有し、放熱層10は第一放熱層11及び第二放熱層12を有してもよい。第一絶縁性基板61の一方側(
図10の上側)に第一電子素子41が設けられ、第一絶縁性基板61の他方側(
図10の下側)に第一放熱層11が設けられてもよい。第一電子素子41の一方側に第二電子素子42が設けられ、第二電子素子42の一方側に第二絶縁性基板62が設けられ、第二絶縁性基板62の一方側に第二放熱層12が設けられてもよい。
【0050】
第一電子素子41及び第二電子素子42のうちの少なくともいずれか一方はスイッチング素子を有してもよい。そして、第一電子素子41がスイッチング素子を有する場合には、離隔部25は第一絶縁性基板61から離隔した第一離隔部26を有してもよい(
図10(b)参照)。また、第二電子素子42がスイッチング素子を有する場合には、離隔部25は第二絶縁性基板62から離隔した第二離隔部27を有してもよい(
図11(b)参照)。
【0051】
前述したように、電子素子40がスイッチング素子を有する場合には、ノイズが大きくなる傾向にある。このため、少なくともスイッチング素子が設けられている側に離隔部25が設けられている態様を採用することで、スイッチング素子に由来するノイズの発生を抑制できる。
【0052】
また、第一電子素子41及び第二電子素子42がスイッチング素子を有するかどうかに関係なく、離隔部25が設けられていてもよい。つまり、第一電子素子41がスイッチング素子を有するかどうかに関係なく、また、第二電子素子42がスイッチング素子を有するかどうかに関係なく、第二離隔部27は設けられずに第一離隔部26だけが設けられてもよいし(
図10参照)、第一離隔部26は設けられずに第二離隔部27だけが設けられてもよいし(
図11参照)、第一離隔部26及び第二離隔部27が設けられてもよい(
図12参照)。
【0053】
また、第一離隔部26及び第二離隔部27のいずれか一方だけではなく、第一離隔部26及び第二離隔部27の両方が設けられてもよい(
図12参照)。このように第一離隔部26及び第二離隔部27の両方が設けられている場合には、コンデンサ機能における容量(コンデンサの容量)をより小さくでき、より確実に、放出されるノイズを抑制できる。
【0054】
なお、
図10(a)、
図11(a)及び
図12(a)に示す態様では、第一導体層21の一方側(
図10(a)、
図11(a)及び
図12(a)の上側)に第一電子素子41が設けられ、第一電子素子41の一方側に導体柱29が設けられ、導体柱29の一方側に第二電子素子42が設けられ、第二電子素子42の一方側に第二導体層22が設けられている。このような態様に限られることはなく、第2の実施の形態における
図4乃至
図6に示すような態様で、導体柱29、第二導体層22及び第二電子素子42が設けられてもよい。つまり、第一導体層21の一方側に第一電子素子41が設けられ、第一電子素子41の一方側に導体柱29が設けられ、導体柱29の一方側に第二導体層22が設けられ、第二導体層22の一方側に第二電子素子42が設けられてもよい。また逆に、第2の実施の形態でも、
図10(a)、
図11(a)及び
図12(a)に示すような態様で、導体柱29、第二導体層22及び第二電子素子42が設けられてもよい。
【0055】
また、スイッチング素子を一方側又は他方側に集め、スイッチング素子が集められた側で離隔部25が設けられるようにしてもよい。より具体的には、第一電子素子41がスイッチング素子を有し第二電子素子42がスイッチング素子を有さない場合には、
図10(b)に示すように第一離隔部26が設けられ、第二離隔部27が設けられなくてもよい。第二電子素子42がスイッチング素子を有し第一電子素子41がスイッチング素子を有さない場合には、
図11(b)に示すように第二離隔部27が設けられ、第一離隔部26が設けられなくてもよい。
【0056】
離隔部25が設けられている態様と放熱層10が複数の放熱層パターン15を有する態様とは、適宜組み合わされてもよい。例えば、スイッチング素子を有する側において、離隔部25及び複数の放熱層パターン15が設けられてもよい。この場合には、C=εS/dにおける「S」を小さくし、かつ、「d」を大きくすることができるので、スイッチング素子によるノイズの発生を、より確実に抑制できる点で有益である。より具体的には、(例えば第一電子素子41がスイッチング素子を有する場合には)
図13に示すように第一離隔部26及び複数の第一放熱層パターン16が設けられてもよい。また、(例えば第二電子素子42がスイッチング素子を有する場合には)
図14に示すように第二離隔部27及び複数の第二放熱層パターン17が設けられてもよい。また、(例えば第一電子素子41及び第二電子素子42がスイッチング素子を有する場合には)
図15に示すように第一離隔部26及び複数の第一放熱層パターン16並びに第二離隔部27及び複数の第二放熱層パターン17が設けられてもよい。
【0057】
また、スイッチング素子を一方側又は他方側に集め、スイッチング素子が集められた側で離隔部25及び複数の放熱層パターン15が設けられるようにしてもよい。より具体的には、第一電子素子41がスイッチング素子を有し第二電子素子42がスイッチング素子を有さない場合には、
図13に示すように、第一離隔部26が設けられて第二離隔部27が設けられず、かつ、複数の第一放熱層パターン16及び一つの第二放熱層12が設けられてもよい。第二電子素子42がスイッチング素子を有し第一電子素子41がスイッチング素子を有さない場合には、
図14に示すように、第二離隔部27が設けられて第一離隔部26が設けられず、かつ、複数の第二放熱層パターン17及び一つの第一放熱層11が設けられてもよい。
【0058】
また、離隔部25と複数の放熱層パターン15が別々の側に設けられてもよい。例えばノイズの大きさ等によって、一方側には複数の放熱層パターン15を設けてノイズを抑制し、他方側には離隔部25を設けてノイズを抑制するようにしてもよい。より具体的には、
図16に示すように、第一離隔部26及び複数の第二放熱層パターン17が設けられる態様を採用してもよい。また、
図17に示すように、第二離隔部27及び複数の第一放熱層パターン16が設けられてもよい。
【0059】
本実施の形態では、第1の実施の形態、第2の実施の形態又は第3の実施の形態と同様であり、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態で説明したあらゆる構成(変形例を含む。)を採用することができる。
【0060】
上述した実施の形態の記載、変形例の記載及び図面の開示は、請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載、変形例の記載又は図面の開示によって請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。また、出願当初の請求項の記載はあくまでも一例であり、明細書、図面等の記載に基づき、請求項の記載を適宜変更することもできる。