(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494906
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】極低温液体分配システムのための熱管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F17C 9/02 20060101AFI20190325BHJP
【FI】
F17C9/02
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-246097(P2013-246097)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2014-109384(P2014-109384A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】61/731,981
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511068072
【氏名又は名称】チャート・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ドルーベ
(72)【発明者】
【氏名】ペトル・ザルバ
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−213400(JP,A)
【文献】
特表平10−512940(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/165865(WO,A2)
【文献】
特表2001−507435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00−13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温流体を分配するためのシステムであって、
a) 極低温液体の供給源を内蔵するように構成された大容量タンクと、
b) 中間タンクおよび加熱デバイスを含む加熱回路であって、入口および出口を有する、加熱回路と、
c) 入口および出口を有する、バイパス回路と、
d) 前記加熱回路の入口と、前記バイパス回路の入口との間に位置決めされ、前記大容量タンクと流体連通している、バイパス接合部であって、前記大容量タンクから極低温液体を受け入れて、受け入れた極低温液体の一部が前記加熱回路を流れて暖められ、暖められた極低温流体を生成し、一方、受け入れた極低温液体の残り部分は前記バイパス回路を流れるようになっている、前記バイパス接合部と、
e) 前記バイパス回路の前記出口および前記加熱回路の前記出口と流体連通している、混合接合部であって、前記加熱回路からの暖められた極低温流体が前記バイパス回路からの極低温液体と混合され、前記バイパス回路からの極低温液体が調整されるようになっている、前記混合接合部と、
f) 前記混合接合部と流体連通している、分配ラインと
を備え、
前記加熱回路の前記加熱デバイスが、入口および出口を有する熱交換器を含み、前記熱交換器の前記入口が、前記中間タンクの出口と流体連通しており、これにより前記中間タンクからの極低温液体が前記熱交換器内で暖められて、暖められた極低温流体を生成し、前記熱交換器の前記出口が、前記混合接合部と流体連通している、
システム。
【請求項2】
前記バイパス回路がバイパス導管を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記大容量タンクと流体連通している入口と、前記バイパス接合部と流体連通している出口とを有するポンプをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記中間タンクが、断熱され、かつアレージタンクを内蔵する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記混合接合部から流出する極低温流体と連通している温度センサをさらに備え、また、前記加熱回路が、前記温度センサによって制御される混合弁を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記バイパス回路内に位置決めされたバイパス弁をさらに備え、また、前記バイパス弁が、前記温度センサによって制御される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記混合接合部から流出する極低温流体と連通している温度センサをさらに備え、また、前記混合接合部が、三方混合弁を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記熱交換器が、前記中間タンクから前記熱交換器に流入するすべての極低温液体を気化させるように構成された周囲熱交換器であり、それにより、前記熱交換器により生成された極低温蒸気が前記混合接合部に向けられ、前記極低温蒸気から前記バイパス回路を流れた極低温液体に加えられた熱量が、前記バイパス接合部から前記加熱回路を流れる極低温液体の一部の変化により変動できるようになっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記混合接合部から流出する極低温液体と連通している温度センサと、前記温度センサによって制御される混合弁とをさらに備え、前記熱交換器の出口と前記混合接合部との間に前記混合弁が位置決めされた、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記加熱回路の前記加熱デバイスが、前記中間タンク内に位置決めされた加熱器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記加熱器が電気式加熱器である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記極低温流体が液化天然ガスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
低温流体を分配するためのシステムであって、
a) 極低温流体の供給源を内蔵する大容量タンクと、
b) 中間タンクおよび加熱デバイスを含む加熱回路であって、前記大容量タンクと流体連通している入口、および出口を有する、加熱回路と、
c) 前記大容量タンクと前記加熱回路の前記入口との間に位置決めされ、かつそれらと流体連通している、バイパス接合部と、
d)バイパス回路であって、前記大容量タンクからの極低温流体の一部が前記加熱回路を流れて暖められ、また、前記大容量タンクからの極低温流体の残りの部分が前記バイパス回路を流れるように、前記バイパス接合部と流体連通している入口、および出口を有する、バイパス回路と、
e) 前記加熱回路からの暖められた極低温流体と前記バイパス回路からの極低温流体とが混合されるように、前記バイパス回路の前記出口および前記加熱回路の前記出口と流体連通しており、それにより前記バイパス回路からの前記極低温流体が調整される、混合接合部と、
f) 前記調整された極低温流体を分配することができるように、前記混合接合部と流体連通している、分配ラインとを備え、
分配後に前記加熱回路内に残留した暖められた極低温流体が、前記中間タンクに向けられて、前記加熱回路を通るように向けられた極低温流体を暖めるために使用され、
前記加熱回路の前記加熱デバイスが、入口および出口を有する熱交換器を含み、前記熱交換器の前記入口が、前記中間タンクの出口と流体連通しており、これにより前記中間タンクからの極低温液体が前記熱交換器内で暖められて、暖められた極低温流体を生成し、前記熱交換器の前記出口が、前記混合接合部と流体連通している、
システム。
【請求項14】
前記大容量タンクは前記バイパス接合部に極低温液体を提供し、前記加熱デバイスが周囲熱交換器であって、前記熱交換器を通るように向けられた全ての極低温液体が前記熱交換器に流入する極低温液体の量に関係なく気化されて、それにより、前記バイパス回路を通るように向けられた前記極低温液体が、前記混合接合部において極低温蒸気と調整され、前記極低温蒸気から前記バイパス回路を流れた極低温液体に加えられた熱量が、前記バイパス接合部から前記加熱回路を流れる極低温液体の一部の変化により変動できるようになっている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記極低温液体が液化天然ガスであり、前記極低温蒸気が天然ガス蒸気である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記混合接合部から流出する極低温液体と連通している温度センサと、前記温度センサによって制御される、前記加熱回路と流体連通している混合弁とをさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
極低温流体を分配する方法であって、
a) 前記極低温流体の供給源、中間タンクおよび加熱デバイスを有する加熱回路、ならびに前記加熱回路と並列なバイパス回路を設けるステップと、
b) 前記供給源からの極低温流体の一部を、前記加熱回路を通るように向けるステップと、
c) 前記加熱デバイスを使用して、前記加熱回路を通るように向けられた前記極低温流体を暖めるステップと、
d) 前記供給源からの極低温流体の残りの部分を、前記バイパス回路を通るように向け、前記供給源からの前記極低温流体の一部を前記加熱回路を通るように向けるステップと、
e) 前記加熱回路からの前記暖められた極低温流体と前記バイパス回路からの前記極低温流体とを混合接続部にて混合して、前記極低温流体を調整するステップと、
f) 前記調整された極低温流体を分配するステップと、
g) 分配後に前記加熱回路内に残留した暖められた極低温流体を、前記中間タンクに向けるステップと、
h) ステップg)の前記中間タンク内の前記暖められた極低温流体を使用して、ステップc)中に前記加熱回路を通るように向けられた前記極低温流体を暖めるステップとを含み、
前記加熱回路の前記加熱デバイスが、入口および出口を有する熱交換器を含み、前記熱交換器の前記入口が、前記中間タンクの出口と流体連通しており、これにより前記中間タンクからの極低温液体が前記熱交換器内で暖められて、暖められた極低温流体を生成し、前記熱交換器の前記出口が、前記混合接合部と流体連通している、
方法。
【請求項18】
前記極低温流体が液化天然ガスである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記加熱デバイスが、前記加熱回路に向けられた前記液化天然ガスを気化させ、それにより、ステップe)において、天然ガス蒸気が、前記バイパス回路からの前記液化天然ガスと混合する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記加熱回路が更に第1ラインと第2ラインとを含み、前記第1ラインと第2ラインとは、前記中間タンクの出口と前記熱交換器の入口とに各々流体連通し、前記第1ラインは前記中間タンクから前記熱交換器に極低温液体が流れるようになっている第1逆止め弁を含み、前記第2ラインは前記熱交換器から前記中間タンクに極低温液体が流れるようになっている第2逆止め弁を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2012年11月30日に出願された米国仮特許出願第61/731,981号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は一般に、極低温液体のための分配システムに関し、詳細には、極低温液体分配システムのための熱管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]車両などを駆動させるための代替的なエネルギー源として液化天然ガス(LNG)を使用することは、(石油と比較して)LNGが国内で入手可能であり、環境的に安全であり、および豊富であるため、ますます一般的になってきている。LNGを動力源とした車両などの使用デバイスは、通常、車両のエンジンが要求するのに適した圧力水頭で、飽和状態のLNGを車載燃料タンクに貯蔵することを必要とする。
【0004】
[0004]LNGは、通常、加圧移送により、大容量貯蔵タンクから車両タンクへ分配される。分配の前に大容量タンク内のLNGを飽和状態にする分配システムが知られているが、そのようなシステムは、飽和LNGの連続的な分配が不可能であるという欠点に悩まされる。より具体的には、飽和LNGの分配は、大容量タンクの補給中、または新たに追加されたLNGの調整中には、不可能である。
【0005】
[0005]車両タンクへの送り出しの前にLNGを飽和状態にするための別の手法は、LNGが車両タンクに送られるときにそのLNGを暖めることである。そのような手法は、当技術分野において「サチュレーション・オン・ザ・フライ」として知られている。そのような「サチュレーション・オン・ザ・フライ」システムの実例は、Forgashらへの米国特許第5,687,776号、およびKooyらへの米国特許第5,771,946号で提示されており、それらの内容は参照として本明細書に組み込まれる。
【0006】
[0006]特許’776号および’946号はどちらも、大容量タンク、およびLNGを大容量タンクから熱交換器へ圧送するポンプを開示している。バイパス導管が、熱交換器と平行に位置決めされる。混合弁により、LNGの一部が、ポンプから熱交換器を迂回して流れ、熱交換器から出てくる暖められた天然ガスと所望の割合で混合して、LNGに対する所望の分配温度を得ることが可能になる。特許’776号および’946号はまた、どちらも、混合弁と車両燃料タンクへの分配ラインとの間の回路内に中間分配タンクを位置決めすることを開示している。これにより、暖かい流体が大容量タンク内の冷たいLNGと混合するのを回避するために、車両燃料タンクからの高圧流体は中間分配タンクに戻されるので、車両燃料タンク内の圧力を軽減することが可能になる。
【0007】
[0007]特許’776号および’946号の真空断熱中間分配容器は、配管からの熱を蓄えて、その熱が主貯蔵タンクに戻るのを回避するのに有用であるが、そのシステムは最善ではない。より具体的には、熱交換器を中間タンクの後に移動させることにより、混合弁への加熱された物質の瞬間的な流れが確保される一方で、システム内のガスの実容量が減少する。ガスは圧縮することができるが、液体はほとんど圧縮することができない。したがって、ポンプから車両タンクへの液体の流れ中にあるガスの容量が大きいと、車両タンクへの正味流量が減少して、タンク内の噴射作用が損なわれ、充填不足の可能性が生じる。特許’776号および’946号に示されているような、熱交換器の後の分配タンクは、最終的には十分に液体で満たすことができるが、分配タンクを使用している間のある程度の期間に、分配タンク内にガスを取り込むことになる。混合弁を通るガスの流れは、適切な制御を可能にすることができるが、空の容器は、車両タンクへの送り出しに関する水力学に問題をもたらす。
【0008】
[0008]さらに、サチュレーション・オン・ザ・フライ・システムは、主貯蔵タンクへのかなりの量の不要な熱の戻りを生じる可能性がある。このことはさらに、天然ガスの放出をもたらす可能性があり、これは望ましいことではない。貯蔵タンクよりも高い飽和度の配管内に残留した液体は、勢いよく流れてその熱を貯蔵タンクに送り返すことになる。熱い配管を断熱することは役に立つことであるが、捕捉された熱は適切に蓄積されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,687,776号
【特許文献2】米国特許第5,771,946号
【特許文献3】米国特許第5,404,918号
【特許文献4】米国特許第6,128,908号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
[0009]上記の問題に対処する極低温液体を分配するためのシステムおよび方法が求められている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0010]本発明のシステムの第1の実施形態の概略図である。
【
図2】[0011]本発明のシステムの第2の実施形態の概略図である。
【
図3】[0012]
図3Aは、
図1のシステムの中間タンクまたはキャパシタの任意的な実施形態の詳細を示す概略図である。
図3Bは、
図1のシステムの中間タンクまたはキャパシタの任意的な実施形態の詳細を示す概略図である。
図3Cは、
図1のシステムの中間タンクまたはキャパシタの任意的な実施形態の詳細を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0013]LNGを分配するためのシステムおよび方法に関して、本発明を以下に説明するが、これらのシステムおよび方法は別の種類の極低温の液体または流体を分配するために使用することができることを、理解されたい。
【0013】
[0014]
図1に示されるように、大容量タンク10が、LNG11の供給源を内蔵する。システムは、12aおよび12bで全体がそれぞれ示された、第1および第2の調整/分配岐路を含む。岐路12aに関してシステムを説明するが、岐路12bが同じように動作することを理解されたい。大容量タンク10からのLNGは、ライン18を介して、ポンプ16を内蔵するサンプ14へ進む。大容量タンクおよびサンプは、どちらも断熱されていることが好ましい。サンプ14はLNG22を収容し、LNG22は、ポンプ16によりライン24を経てバイパス接合部26へ圧送される。
【0014】
[0015]全体が30で示された加熱回路が、中間タンク32および熱交換器34を含む。より具体的には、好ましくは断熱された中間タンクまたはキャパシタ(以下で説明する)32の入口が、バイパス接合部26と連通する。中間タンク32の出口は、ライン33を介して熱交換器34の入口と連通する。熱交換器34は、周囲熱交換器、または当技術分野で知られた極低温液体を加熱するための任意の他のデバイスとすることができる。熱交換器34の出口は、混合弁40を経て混合接合部36と連通する。バイパス回路が、接合部26と連通する入口および接合部36と連通する出口を有する、導管42を含む。バイパス導管42はまた、バイパス弁44を備える。混合弁40およびバイパス弁44は、例えば二方弁とすることができる。
図3A〜
図3Cの三方弁110のような、混合接合部に位置決めされた単一の三方弁を、混合弁40とバイパス弁44の代わりに使用することができる。分配ライン46が、混合接合部36から分配機50に通じる。
【0015】
[0016]中間タンク32は、好ましくはアレージタンクを備え、また、好ましくは同一出願人による米国特許第5,404,918号または第6,128,908号に示された構成のものである。これらの特許はどちらもGustafsonに対するものであって、その両方の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
[0017]動作中、LNGは、圧力を高められて接合部26へ圧送され、一部は中間タンク32へ進み、残りの部分はバイパス導管42を通過する。中間タンク32は、アレージタンクに許容された水準まで充填される。中間タンク32からのLNGは、中間タンクの充填中か、あるいはアレージタンクに許容された水準に中間タンクが達してから、熱交換器34へ流れる。熱交換器へ移動するLNGは、その中で暖められ、その結果得られる液体または蒸気は、混合接合部36へ流れて、バイパス導管42を経由して混合接合部へ流れる冷たいLNGと混合する。混合弁40およびバイパス弁44は、自動化され、また、プロセッサまたは他の制御デバイスを含むことができる温度センサ52によって制御され、そのため、接合部36において冷たいLNGに熱量が加わることにより、飽和されたまたは過冷却されたLNGが、分配ライン46を経て分配機50へ流れることになる。
【0017】
[0018]
図3Aおよび
図3Cに示されるように、熱交換器34は、中間タンク32から熱交換器34に流れるLNGのすべてを気化させるように設計されかつ定寸されることが好ましい。その結果、暖かい天然ガス蒸気が混合接合部に流れて、導管42からの冷たいLNGと混合する。加えられる熱量は、通常、流量を安定させかつ高水準にするのならば、変更されなければならない。液体で満たされた周囲熱交換器を使用するシステムは、比較的一定の発熱率を有する。発熱率が一定であること、および全質量流量が一定であることは、熱交換器を通るように向きを変えられる流れの割合に関係なく、得られる単位質量当たり熱量(したがって、飽和圧力)は不変であるということを意味する。そのような場合、流体を加熱する唯一の方法は、全質量流速を遅くすることである。このことは、流速があまりにも低下した場合に、効果的な噴射充填に問題をもたらす可能性がある。
図1および
図3A〜
図3Cの実施形態は、液体を(蓄熱器または中間タンク32を経由して)流れさせて、意図的にその液体を気化させる(熱交換器34は気化を行うのに十分な大きさである)。熱交換器をそのように構成することにより、熱交換器のある経路を通るように向きを変えられた流量が、次いで極低温になっている中へと進むので、熱量を変化させることができる。次いで、混合接合部36において、冷たいLNGと比較的(周囲温度に近づく可能性がある)暖かい天然ガス蒸気とが混合する。最終的に得られるものは、暖まった液体である。
【0018】
[0019]分配の後、中間タンク出口と熱交換器34の入口との間に延びるライン33内の暖かいLNG、および、熱交換器34の出口と混合弁40との間に延びるライン内の暖かいLNGは、次回の分配サイクルまたは運転の際に熱交換器に先立ってLNGを予熱するのに使用するために、中間タンク32に戻る。その結果、中間タンクは、蓄熱器または熱キャパシタとして働く。次回の分配運転の際、LNGは、接合部26で向きを変えられ、中間タンク32(蓄積された熱をLNGに与える)および熱交換器34(さらに熱を与える)の両方を通る。その結果、中間タンクが加熱負担量(heating burden)の一部を共有するので、より小型の熱交換器を使用することができる。
【0019】
[0020]さらに、分配の後、ライン46内の暖かいLNGは、沸騰し、分配機50から大容量タンク10の底部へ延びる通気ラインを介して、大容量タンクに戻る。それでもなお、中間タンク32と混合弁40との間の加熱されたLNGを中間タンクに戻すことにより、大容量タンクを加熱するために戻る蒸気の量は、減少する。
【0020】
[0021]中間タンク32をポンプ16の吐出量とタンクの後の熱交換器34とに対して適切に定寸することにより、通常動作中に中間タンクを原則的に液体で満たし続ける設計が可能になる。中間タンクはまた、その中に収容された液体の熱質量が熱交換器または気化器から戻る蒸気に対応することができ、それにより次回の飽和要求のための熱を蓄積して、その熱を主貯蔵大容量タンク10に送り返さないように、定寸される。
【0021】
[0022]
図2に示された本発明のシステムの第2の実施形態では、全体が81で示された加熱回路の中間タンクまたはキャパシタ80に、内部電気式加熱器82が加えられている。それゆえキャパシタの容積は、後の使用のために調整からの熱を蓄える機能を果たすが、制御可能な混合を可能にするのに必要とされる温度および圧力よりも高い温度および圧力でタンクが液体を保持することから、瞬間的な混合を行うための熱質量としての機能をも果たす。加熱器82は、中間貯蔵タンクに組み込まれ、中間貯蔵タンク80より前には置かれない。その結果、中間タンクは、LNGに対して一種の「湯沸器」として働き、また、LNGが中間タンク内へと向きを変えられたときに高温のLNGが中間タンクから出て行くように、定寸されることを必要とする。当技術分野で知られた電気式加熱器以外の加熱器を、電気式加熱器82の代用品とすることができる。
【0022】
[0023]
図2のシステムの残りの部分は、
図1のシステムと同じ方法で働く。より具体的には、
図2に示されるように、大容量タンク60が、LNG61の供給源を内蔵する。システムは、62aおよび62bで全体がそれぞれ示された、第1および第2の調整/分配岐路を含む。岐路62aに関してシステムを説明するが、岐路62bが同じように動作することを理解されたい。大容量タンク60からのLNGは、ライン68を介して、ポンプ66を内蔵するサンプ64へ進む。大容量タンクおよびサンプは、どちらも断熱されていることが好ましい。サンプ64はLNG72を収容し、LNG72は、ポンプ66によりライン74を経て接合部76まで圧送される。好ましくは断熱された中間タンクまたはキャパシタ80の入口が、接合部76と連通する。上記のように、中間タンクまたはキャパシタ80は、電気式加熱器82を内蔵する。中間タンク80の出口は、ライン83を介し混合弁90を経て混合接合部86と連通する。バイパス導管92が、接合部76と連通する入口、および、接合部86と連通する出口を有する。バイパス導管92はまた、バイパス弁94を備える。混合弁90およびバイパス弁94は、例えば二方弁とすることができる。しかし、
図3A〜
図3Cにおいて110で示されるような、混合接合部に位置決めされた単一の三方弁を、混合弁90とバイパス弁94の代わりに使用することができる。ライン96が、混合接合部86から分配機100に通じる。
【0023】
[0024]動作中、LNGは、圧力を高められて接合部76へ圧送され、一部は中間タンクまたはキャパシタ80へ進み、残りの部分はバイパス導管92を通過する。中間タンク80からのLNGは、中間タンク80の中で加熱器82によって暖められてから、混合接合部86へ流れて、バイパス導管92を経由して混合接合部へ流れる冷たいLNGと混合する。混合弁90およびバイパス弁94は、自動化され、また、プロセッサまたは他の制御デバイスを含むことができる温度センサ102によって制御され、そのため、接合部86において冷たいLNGに熱量が加わることにより、飽和されたまたは過冷却されたLNGが、分配ライン96を経て分配機100へ流れることになる。
【0024】
[0025]分配の後、中間タンク出口と混合弁90との間に延びるライン83内の暖かいLNGは、次回の分配サイクルまたは運転の際に加熱器82を用いてLNGを暖めるのに使用するために、中間タンク80に戻る。その結果、中間タンク80は、蓄熱器または熱キャパシタとしても働く。次回の分配運転の際、LNGは接合部76で向きを変えられて中間タンク80を通り、中間タンク80は、加熱器82からの熱に加えて、蓄積された熱をLNGに与える。
【0025】
[0026]さらに、分配の後、ライン96内の暖かいLNGは、沸騰し、分配機100から大容量タンク60の底部へ延びる通気ラインを介して、大容量タンクに戻る。それでもなお、中間タンク80と混合弁90との間の加熱されたLNGを中間タンクに戻すことにより、大容量タンクを加熱するために戻る蒸気の量は、減少する。
【0026】
[0027]
図1のシステムと
図2のシステムとの選択に関しては、
図1のシステムの中間タンク32のほうが大きく、また、周囲熱交換器34により霧が発生する場合がある。対照的に、
図2の中間タンク80および加熱器82は、より高価であるが、霧が発生しない。
【0027】
[0028]
図3A〜
図3Cを参照すると、中間タンク32の任意的な実施形態が提示されている。
図3Aに示されるように、中間タンク32は、アレージスペース104を画定するアレージタンクを含む。中間タンクは、ポンプ(
図1では16)から逆止め弁116を経て提供されたLNG106の供給源を内蔵する。
【0028】
[0029]次に説明するように、
図3A〜
図3Cの中間タンクまたはキャパシタ32は、タンク内での最小限の成層を利用する。
図3Aは、通常の充填または分配の動作を示す。ポンプからの冷たいLNGは、逆止め弁116を通って中間タンク32の底部へと吸入される。LNGは、開口117を通ってタンク32の底部に入り、開口117には、新鮮な液体をタンクの下層部分に保持するための邪魔板119が設けられている。逆止め弁114aおよびライン33を通じた加熱器34への液体の受け渡しは、中間タンクの上層のより暖かい層からライン108を介して行われる。加熱器からの暖かい液体およびガスは、逆止め弁114bを通して中間タンク内の管121の内側の混合領域へと返送される。中間タンクの上層部分に、管を介して、ガスをより良く再凝結させるための小穴とより暖かい液体の出口とを備えたスクリーンを、任意で設けることができる。R1は、エコノマイザ調整弁である。R2は、長期の待機後に大容量タンクの底部に戻る過剰な圧力を排出するための、ボイルオフ調整弁である。
【0029】
[0030]通常の充填または分配の際、入って来るLNGは、蒸気を、タンクの上層部分にあるタンクの液体出口(ライン108の入口)を通して、熱交換器34および混合弁110へと押し進めることができ、混合弁110は、温度センサ112の制御下にある。入って来るLNG(逆止め弁116を通る)は、中間タンクをライン108の入口まで液体で満たすことになる。ライン108に対する入口の位置はまた、アレージを部分的に画定して、アレージタンクを持たない実施形態を提供することができる。最大液位は、ライン108に対する入口と、R1/R2に通じるライン118に対する入口との間になるはずである。
【0030】
[0031]
図3Bは、分配サイクルまたは運転後の動作を示す。より具体的には、
図1を参照して上記したように、分配の後、中間タンク出口と熱交換器34の入口との間に延びるライン33内の暖かいLNG、および、熱交換器34の出口と混合弁110との間に延びるライン内の暖かいLNGは、次回の分配サイクルまたは運転の際に熱交換器に先立ってLNGを予熱するのに使用するために、中間タンク32に戻る。その結果、中間タンクは、蓄熱器または熱キャパシタとして働く。熱交換器からのガスは、中間タンク内のLNGを飽和状態にし、キャパシタ32内で圧力上昇が起こる。過剰蒸気/液体は、ライン118および120ならびにボイルオフ調整弁R2を経て、大容量タンクへ進む。
【0031】
[0032]
図3Cは、エコノマイザ調整弁R1の設定よりも高い圧力での充填または分配を示す。キャパシタ32からの過剰液体/蒸気は、ライン118、エコノマイザ調整弁R1、およびライン122を通過し、そこで、ライン33を介して熱交換器34へ移動しているLNGと合流する。圧力降下に起因するキャパシタ内での飽和LNGのいかなる蒸気も、アレージスペース104(
図3A)へ移動する。
【0032】
[0033]本発明の好ましい実施形態について図示しかつ説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、好ましい実施形態において変更および修正を行うことができ、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によって定義されることが、当業者には理解されよう。