特許第6494908号(P6494908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494908
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】高周波増幅器
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/189 20060101AFI20190325BHJP
【FI】
   H03F3/189
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-254789(P2013-254789)
(22)【出願日】2013年12月10日
(65)【公開番号】特開2014-168225(P2014-168225A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2016年10月11日
(31)【優先権主張番号】特願2013-14339(P2013-14339)
(32)【優先日】2013年1月29日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500480274
【氏名又は名称】スナップトラック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100184332
【弁理士】
【氏名又は名称】中丸 慶洋
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 朝彦
(72)【発明者】
【氏名】味岡 厚
(72)【発明者】
【氏名】米田 貞春
(72)【発明者】
【氏名】積田 淳史
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−068756(JP,A)
【文献】 特開平04−122129(JP,A)
【文献】 特開平08−274559(JP,A)
【文献】 特開平05−063470(JP,A)
【文献】 特開昭56−069908(JP,A)
【文献】 特開平06−310949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 3/189
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号を発生させる高周波発振回路部と、
高周波信号を増幅し、増幅された高周波信号を出力する高周波増幅回路部と、
前記高周波増幅回路部にバイアスを供給するバイアス回路部と、
前記高周波発振回路部と前記高周波増幅回路部の間に前記高周波発振回路部より出力した高周波信号を検波し、前記バイアス回路部に電圧を入力する検波回路部と
を備え、前記検波回路部は、高周波発振回路部からの高周波信号の負の電圧成分を検波し、前記バイアス回路部に検波した検波電圧を供給し、前記高周波増幅回路部へ供給する前記バイアス回路部のバイアス電圧が負のバイアス電圧であり、前記高周波発振回路部と前記高周波増幅回路部は電源電圧供給端子より電圧が供給されており、かつ前記高周波増幅回路部と前記電源電圧供給端子は前記電圧を供給するタイミングを変更するための補助回路を介して接続され、前記検波回路部の出力電圧により前記補助回路を制御するように接続され、前記検波回路部は、前記高周波発振回路部から前記高周波増幅回路部までの高周波信号線より細い、前記高周波発振回路部と前記高周波増幅回路部との間の分岐点から前記検波回路部までの高周波信号線を備えていることを特徴とする高周波増幅器。
【請求項2】
前記高周波発振回路部と前記高周波増幅回路部の間の前記分岐点から前記検波回路部側が前記高周波増幅回路部の入力インピーダンスより高いインピーダンスを持つ前記検波回路部と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波増幅器。
【請求項3】
前記検波回路部と前記バイアス回路部の分岐点と前記補助回路の間に遅延回路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の高周波増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトランジスタのしきい値電圧がマイナスであるデプレッション型のトランジスタを使用した高周波増幅器に関し、特に高周波増幅器のバイアス供給負電圧の負電源を容易に得ることができる高周波増幅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末などの移動体通信端末装置や無線LAN用端末などの1GHz以上のマイクロ波領域の無線信号を送信するために、従来のバイポーラトランジスタよりも動作速度の速いGaAs(ガリウム砒素)を用いたデプレッション型FET(Field Effect Transistor)を採用した高周波増幅器が使用されている。このデプレッション型FETは、ゲートの順方向電圧が約0.7Vと低いために、ゲート電圧でFETのドレイン電流をオフする電圧を0V以下(約−2V)と低く設定している。このため、デプレッション型FETのドレイン電流をオフするためにはドレイン電圧を0Vとするか、ゲート電圧を0V以下(約−2V)に設定する必要がある。また高周波増幅器は、一例として、上記のような携帯電話機や無線LANシステム等で使用され、高周波信号を増幅し送信する無線通信装置などの送信部に用いられているが、このような無線通信機器だけに限定するものではない。
【0003】
よって、0V以下の負電圧を得るため、FETで構成した高周波増幅器以外に、負電圧を発生する電源回路が別途必要であった。また、高周波増幅器において、例えばFETがソース接地の増幅器構成にしている場合、高周波増幅器内のFETのゲート電圧には高周波増幅器のドレイン電流を制御する所望の負の電圧を事前に与えておく必要があった。
【0004】
デプレッション型のFETで構成した高周波増幅器が、特許文献1及び特許文献2で開示されている。これらの文献で開示されているように従来、図4のように高周波増幅器1は高周波発振回路部2からの高周波信号をデプレッション型のFETで構成された高周波増幅回路部3で増幅し、この高周波増幅回路部3は電源電圧供給端子7より、図には記載していないが外部電源に接続し、高周波増幅回路部3のデプレッション型のFETにおいては、負のゲート電圧を掛けるためにバイアス供給源としてバイアス回路5を介してDC/DCコンバータ10、もしくは負電源回路(図示せず)を別途備える必要があった。例えば図4のようにDC/DCコンバータ10を使用する場合、DC/DCコンバータ10で入力した正の電圧から負の電圧を出力し、バイアス回路5を介してデプレッション型のFETのゲートに負の電圧をバイアス供給する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−92785号公報
【特許文献2】特許第4118229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、DC/DCコンバータは一般的に高ノイズを発生するものであり、そのためバイアス供給時にノイズを含んでいることから高周波増幅器の電気的特性が劣化してしまい、何らかのノイズ対策が必要であった。また高周波増幅器とは別にDC/DCコンバータとその周辺回路や負電源回路を用いる必要があった。例えばDC/DCコンバータの場合、負電圧を作り出す為には電圧反転させる回路構成や応答遅延改善の為に数十μFの大容量のコンデンサ、または効率や負荷過渡応答のバランスにより十数μHのインダクタが必要となり、それら負電圧を発生させるための回路を組み合わせると高周波増幅器としてのコストが高価になると共に、全体的なサイズも大きくなるという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、別途DC/DCコンバータや負電源回路を用いることなく高周波増幅器で使用されているFETのゲート電圧に負電圧のバイアスを得ることができ、低ノイズ、安価、小型化できる安定的な高周波増幅器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る高周波増幅器は、高周波信号を発生させる高周波発振回路部と、高周波信号を増幅し出力する高周波増幅回路部と、高周波増幅回路部にバイアスを供給するバイアス回路部と、高周波発振回路部と高周波増幅回路部の間に高周波発振回路部より出力した高周波信号を検波し、バイアス回路部に電圧を入力する検波回路部とを備え、検波回路から高周波信号の負の電圧成分を検波し、バイアス回路部に検波した検波電圧を供給し、高周波増幅回路部へ供給するバイアス回路部のバイアス電圧が負のバイアス電圧であることを第1の特徴とする。
【0009】
上記特徴の本発明によれば、高周波信号を発生させる高周波発振回路部と、高周波信号を増幅し出力する高周波増幅回路部と、高周波増幅回路部にバイアスを供給するバイアス回路部と、高周波発振回路部と高周波増幅回路部の間に高周波発振回路部より出力した高周波信号を検波し、バイアス回路部に電圧を入力する検波回路部とを備え、検波回路から高周波信号の負の電圧成分を検波し、バイアス回路部に検波した検波電圧を供給し、高周波増幅回路部へ供給するバイアス回路部のバイアス電圧が負のバイアス電圧であることとしたため、高周波発振回路部より出力された高周波信号が高周波増幅回路部で増幅され出力されると共に、高周波発振回路部で出力された高周波信号より負の電圧成分を検波回路部が検波し検波した負の出力電圧をバイアス回路部に供給し、バイアス回路部によって高周波増幅回路部に必要な適切な負のバイアス電圧を供給することが可能となる。
【0010】
これにより、高周波発振回路部で出力した高周波信号を検波回路部で検波し、その検波した検波電圧でバイアス回路部より高周波増幅回路部に負の電圧のバイアスを供給するため、外部からバイアスを供給するためのDC/DCコンバータの必要がなくなりDC/DCコンバータによるノイズの影響がなくなり高周波増幅回路部の電気的特性劣化が改善される。またDC/DCコンバータやその周辺回路などの負電源回路がなくとも高周波増幅回路部に負のバイアス電圧を供給できるため、DC/DCコンバータやその周辺回路のなどに掛かるコストや全体的なサイズも大きくする必要がなくなり、安価で小型化することが可能となる。
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る高周波増幅器は、高周波発振回路部と高周波増幅回路部の間の分岐点から検波回路部側が、高周波増幅回路部の入力インピーダンスより高いインピーダンスを持つ検波回路で構成された検波回路部と接続されていることを第2の特徴とする。
【0012】
上記特徴の本発明によれば、高周波発振回路部と高周波増幅回路部の間の分岐点から検波回路部側が、高周波増幅回路部の入力インピーダンスより高いインピーダンスを持つ検波回路で構成された検波回路部と接続されている構成にしたため、高周波発振回路から出力した高周波信号から、より電圧成分だけを検波回路部でより効率的に検波可能となる。
【0013】
これにより、高周波発振回路部で出力した高周波信号が検波回路でより電圧成分のみを検波するため、検波回路側に入力させる高周波信号の割合が高周波増幅回路部に入力させる高周波信号よりも更に少なくてよく、高周波信号の劣化を抑制したまま高周波増幅回路部で増幅できるため、高効率化が可能となる。
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係る高周波増幅器は、高周波発振回路部と高周波増幅回路部は電源電圧供給端子より電圧が供給されており、かつ高周波増幅回路部と電源電圧供給端子は電圧を供給するタイミングを変更するための補助回路を介して接続され、検波回路の出力電圧により補助回路を制御するように接続されていることを第3の特徴とする。
【0015】
上記特徴の本発明によれば、高周波発振回路部と高周波増幅回路部は電源電圧供給端子より電圧が供給されており、かつ高周波増幅回路部と電源電圧供給端子は電圧を供給するタイミングを変更するための補助回路を介して接続され、検波回路の出力電圧により補助回路を制御するように接続されている構成にしたため、高周波発振回路部と高周波増幅回路部は電源電圧供給端子より電圧が供給されると、高周波発振部が駆動し高周波信号が出力され検波回路で検波し、高周波増幅回路部への負のバイアス電圧をバイアス回路部で供給し、さらに検波電圧により補助回路が制御され高周波増幅回路部へ電源電圧供給端子より電圧が供給される。また補助回路へ検波電圧が印加されない場合は電源電圧供給端子より高周波増幅回路部へ電源電圧が供給されなくなる。
【0016】
これにより、検波電圧が補助回路に印加された場合のみ電源電圧供給端子より電源電圧が高周波増幅回路部に供給制御されるため、高周波増幅回路部で過剰な電力消費がなくなり、消費電力の高効率化が可能となる。
【0017】
上記目的を達成するための本発明に係る高周波増幅器は、検波回路部とバイアス回路部の分岐点と補助回路の間に遅延回路を備えていることを第4の特徴とする。
【0018】
上記特徴の本発明によれば、検波回路部とバイアス回路部の分岐点と補助回路の間に遅延回路を備えている構成にしたため、検波電圧が補助回路に印加される場合に遅延が発生する。そのため高周波増幅回路部への電源電圧の供給が負の電圧のバイアスが供給され、その後に高周波増幅部に電源電圧供給端子より電圧が供給されることが可能となる。
【0019】
これにより、高周波増幅回路部に負の電圧のバイアスが掛かる前に電源電圧供給端子より電源電圧が供給されることはなくなるため、高周波増幅回路部に過多な電流が流れることがなくなり、高周波増幅回路部の破壊を防ぐことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の高周波増幅器は、高周波増幅回路部に負のバイアス電圧を供給するために必要なDC/DCコンバータや負電源回路を不要とし、低ノイズ、安価、小型化が可能となり、また高周波増幅回路部には負のバイアス電圧が供給された後に外部からの電圧供給がされるため、高周波増幅回路部の高効率化や電気的破壊の抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態による高周波増幅器のブロック回路図である。
図2】第3の実施形態による高周波増幅器のブロック回路図である。
図3】第4の実施形態による高周波増幅器のブロック回路図である。
図4】従来の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための好適な形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係わる一般的な高周波増幅器1の全体構成を示すブロック図である。図1において高周波増幅器1には高周波信号を生成する高周波発振回路部2の出力側と高周波信号を増幅するための高周波増幅回路部3とが接続され、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3との間の分岐点を介して検波回路部4が接続されている。検波回路部4の出力側には高周波増幅回路部3に適切にバイアス電圧を供給するためのバイアス回路部5が接続されており、バイアス回路部5を介して、検波回路部4の出力側と高周波増幅回路部3のバイアス供給端が接続されている。高周波増幅回路部の出力側には増幅した高周波信号を出力するための出力端子6があり、高周波増幅回路部3の外部電源供給を行う為に電源電圧供給端子7がある。また、本発明では説明を簡単にするために高周波増幅器1の一般的な構成例を示したが、本実施形態以外の高周波増幅器のブロック構成でも適用できる。
【0024】
例えば、高周波増幅回路部3はデプレッション型FETを多段並列に構成した高周波増幅回路である。一般的にソース接地型の増幅回路の場合、デプレッション型FETのゲートは負の電圧がバイアスされるようにバイアス供給端と増幅回路の入力端に接続され、ドレインは外部から電源電圧供給端と増幅回路の出力端に接続され、各々の端子までの間に整合回路やチョークコイル、パスコンなどの周辺部品が付いていても構わない。また、高周波増幅器1の仕様や構成によって高周波回路増幅部内で使用されるFETのゲート数、ゲート幅、構成の仕方が変わるため、ここでは本実施形態ではそれらを指定しない。
【0025】
次に動作を説明する。まず高周波発振回路部2で高周波信号が発振され出力される。高周波発振回路部2より出力された高周波信号は高周波増幅回路部3の入力へ送信される。例えば高周波発振回路部2は高周波信号を発振されれば、クラップ型発振回路やハートレー型発振回路などの発振回路でも構わないため、本実施例ではそれらを指定しない。
【0026】
次に、高周波発振回路部2で発振された高周波信号は高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3の間の分岐点を介して高周波増幅回路3側と検波回路部4側に高周波信号が出力される。
【0027】
なお、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3の間の分岐点より検波回路部4で高周波信号を検波するが、この検波回路部4の構成は負極性を検波する回路構成にすることで、負の電圧成分のみを検波電圧として出力される。
【0028】
次に、検波回路部4で検波した負の検波電圧はバイアス回路部5に印加され、バイアス回路部5によって高周波増幅回路部3内のFETのゲートに適切な負のバイアス電圧が供給される。
【0029】
本実施形態によれば、高周波信号を発生させる高周波発振回路部2と高周波信号を増幅し出力する高周波増幅回路部3と高周波増幅回路部3にバイアスを供給するバイアス回路部5と、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3の間に高周波発振回路部2より出力した高周波信号を検波し、バイアス回路部5に電圧を入力する検波回路部4とを備え、検波回路部4から高周波信号の負の電圧成分のみを検波し、バイアス回路部5に検波した検波電圧を供給し、高周波増幅回路部3へ供給するバイアス回路部5のバイアス電圧が負のバイアス電圧であるため、高周波発振回路部2より出力された高周波信号が高周波増幅回路部3で増幅され出力されると共に、高周波発振回路部2で出力された高周波信号より負の電圧成分を検波回路部4が検波し検波した負の出力電圧をバイアス回路部5に供給し、バイアス回路部5によって高周波増幅回路部3に必要な適切な負のバイアス電圧を供給することが可能となる。
【0030】
また、例えば磁気記録媒体にエネルギーアシスト記録させるマイクロ波アシスト磁気記録方式などの小型化に向けた自由度の高い設計ができる。本来デプレッション型FETの駆動バイアスとして必要なDC/DCコンバータなどの大型部品が不要になるため、マイクロ波アシスト磁気記録方式において、マイクロ波磁界を発生させるマイクロ波発生素子を有する磁気ヘッドに、本実施形態の高周波増幅器を搭載でき、効率良く高周波信号を供給することが可能となる。
【0031】
(第2の実施形態)
本実施形態では、上記第1の実施形態とは構成が異なる部分についてのみ説明する。具体的には高周波発振回路部2で発振された高周波信号は高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3の間の分岐点を介して高周波増幅回路部3側と検波回路部4側へ高周波信号が出力されるが、この高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3の分岐点で、検波回路部側4の負荷インピーダンスを高周波増幅回路部2の入力インピーダンスより高いインピーダンスにさせると、高周波信号の電圧成分が効率的に検波回路部4側で検波されるようになる。
【0032】
例えば、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3との分岐点から検波回路部4側を高周波増幅回路部2の入力インピーダンスより高いインピーダンスにするためには、高周波発振回路部2から高周波増幅回路部3へ流れるメインの高周波信号線に対して、検波回路部4側への高周波信号線を細くする。この高周波信号線が細い場合には分岐点から見た検波回路部4側の負荷インピーダンスが、高周波発振回路部2から高周波増幅回路部3へ流れるメインの高周波信号線と比べ大きくなり、高周波増幅回路部2の入力インピーダンスより高いインピーダンスとみえる。具体的には、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3との分岐点から検波回路部4側を見た負荷インピーダンスが分岐点の負荷インピーダンスより、好ましくは5倍以上の高いインピーダンスであることで高インピーダンスとなる。また前記方法でなくても、高周波増幅回路部2の入力インピーダンスより高いインピーダンスを持つ検波回路にする方法は他にもあるため、本実施例ではそれらを指定しない。
【0033】
本実施形態によれば、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3の間の分岐点から検波回路部4側を高周波増幅回路部2の入力インピーダンスより高いインピーダンスで検波回路部4と接続されている構成のため、高周波発振回路部2で出力された高周波信号が、検波回路部4で検波する際により電圧成分のみを検波し易くなる。そのために、より検波に必要な高周波信号が少なくてよく、高周波増幅回路部3に入力させる高周波信号に対して、検波回路部4側に入力させる高周波信号の割合を少なくさせることができる。さらには、高周波信号の劣化がより抑えられたまま高周波増幅回路部3に入力されることから、高周波増幅回路部3での特性劣化が抑制され高効率化が可能となる。
【0034】
(第3の実施形態)
本実施形態では、上記第1の実施形態とは構成が異なる部分についてのみ説明する。具体的には図2のように、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3は各々外部から電源電圧供給源より電源電圧供給端子7に電圧を供給する必要があるが、高周波増幅回路部3には補助回路8を介して外部より電圧が供給される。また検波回路部4の検波出力電圧によって補助回路8は制御されるように接続されている。
【0035】
次に、外部の電源電圧供給源より電源電圧供給端子7に電圧を供給すると、高周波発振回路部2が駆動し高周波信号が出力される。高周波信号を検波した検波回路部4から負の電圧が検波出力電圧として出力され、出力された検波電圧はバイアス回路部5側と補助回路部8側に負の電圧が印加される。補助回路部8に負の電圧が印加されると補助回路部8が動作し、外部からの電圧が高周波増幅回路部3に印加されることが可能となる。例えば、補助回路8は検波電圧が印加された後に外部の電源電圧供給源から高周波増幅回路部3に電圧が印加されるようにスイッチ回路などでもよい。
【0036】
さらに、本実施形態によれば、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3は外部の電源電圧供給源より電源電圧供給端子7に電圧が供給されており、かつ高周波増幅回路部3と電源電圧供給端子7は電圧を供給するタイミングを変更するための補助回路8を介して接続されている。また、検波回路部4の出力電圧により補助回路8を制御するように接続されている構成のため、高周波発振回路部2と高周波増幅回路部3は電源電圧供給端子7より電圧が供給されると、高周波発振回路部2が駆動し高周波信号が出力され検波回路部4で検波する。次に、高周波増幅回路部3への負のバイアス電圧をバイアス回路部5で供給し、さらに検波電圧により補助回路8が制御され高周波増幅回路部3へ電源電圧供給端子7より電圧が供給される。また、補助回路8へ検波電圧が印加されない場合は電源電圧供給端子7より高周波増幅回路部3へ電源電圧が供給されなくなる。これにより、検波電圧が補助回路8に印加された場合のみ電源電圧供給端子7より電圧が高周波増幅回路部3に供給されるため、高周波増幅器1で無駄な電力消費がなくなり、消費電力の高効率化が可能となる。
【0037】
(第4の実施形態)
本実施形態では、上記第1の実施形態との構成が異なる部分についてのみ説明する。具体的には図3のように、検波回路部4の出力側とバイアス回路部5の分岐点と補助回路8の間に遅延回路9を介して接続されている。
【0038】
なお、検波回路部4から出力された検波電圧がバイアス回路部5と補助回路8に印加されるが、補助回路部4側は遅延回路9を介して接続されているため、バイアス回路部5からバイアス電圧が高周波増幅回路部3のゲートに電圧が掛かると同時もしくは遅れて、電源電圧供給端子7から補助回路8を介して高周波増幅回路部3に電圧が印加されるようになる。
【0039】
本実施形態によれば、検波回路部4と補助回路8の間に遅延回路9を備えている構成にしたため、検波電圧が補助回路8に印加される場合に遅延が発生する。そのため高周波増幅回路部3への電源電圧が必ず負の電圧のバイアスが供給されると同時かもしくはその後に高周波増幅回路部3に電源電圧供給端子7より電源電圧が供給されることが可能となる。これにより、高周波増幅回路部3に負の電圧のバイアスが掛かる前に電源電圧供給端子7より電源電圧が供給されることはなくなるため、高周波増幅回路部3に過多な電流が流れることがなくなり、高周波増幅回路部3のFETの破壊を防ぐことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、例えば高周波信号を送受する通信機の高周波増幅器や、マイクロ波アシスト磁気記録方式の磁気ヘッドに搭載する高周波増幅器に関し、特に高周波増幅部に負のバイアス電圧を必要とする高周波増幅器に適している。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
高周波信号を発生させる高周波発振回路部と、高周波信号を増幅し出力する高周波増幅回路部と、前記高周波増幅回路部にバイアスを供給するバイアス回路部と、前記高周波発振回路部と前記高周波増幅回路部の間に前記高周波発振回路部より出力した高周波信号を検波し、前記バイアス回路部に電圧を入力する検波回路部とを備え、前記検波回路から高周波信号の負の電圧成分を検波し、前記バイアス回路部に検波した検波電圧を供給し、前記高周波増幅回路部へ供給する前記バイアス回路部のバイアス電圧が負のバイアス電圧であることを特徴とする高周波増幅器
[C2]
前記高周波発振回路部と前記高周波増幅回路部の間の分岐点から前記検波回路部側が増幅回路部の入力インピーダンスより高いインピーダンスを持つ検波回路で構成された前記検波回路部と接続されていることを特徴とする[C1]に記載の高周波増幅器
[C3]
前記高周波発振回路部と前記高周波増幅回路部は電源電圧供給端子より電圧が供給されており、かつ前記高周波増幅回路部と電源電圧供給端子は電圧を供給するタイミングを変更するための補助回路を介して接続され、前記検波回路の出力電圧により補助回路を制御するように接続されていることを特徴とする[C2]に記載の高周波増幅器
[C4]
前記検波回路部と前記バイアス回路部の分岐点と前記補助回路の間に遅延回路を備えていることを特徴とする[C3]に記載の高周波増幅器
【符号の説明】
【0041】
1 高周波増幅器
2 高周波発振回路部
3 高周波増幅回路部
4 検波回路部
5 バイアス回路部
6 出力端子
7 電源電圧供給端子
8 補助回路
9 遅延回路
10 DC/DCコンバータ
図1
図2
図3
図4