特許第6494949号(P6494949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日野自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6494949-ハイブリッド車両の動力伝達装置 図000002
  • 特許6494949-ハイブリッド車両の動力伝達装置 図000003
  • 特許6494949-ハイブリッド車両の動力伝達装置 図000004
  • 特許6494949-ハイブリッド車両の動力伝達装置 図000005
  • 特許6494949-ハイブリッド車両の動力伝達装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6494949
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両の動力伝達装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/36 20071001AFI20190325BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20190325BHJP
   B60K 6/547 20071001ALI20190325BHJP
   B60K 6/26 20071001ALI20190325BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20190325BHJP
   F16H 57/021 20120101ALI20190325BHJP
   F16H 57/04 20100101ALI20190325BHJP
【FI】
   B60K6/36ZHV
   B60K6/48
   B60K6/547
   B60K6/26
   B60L11/14
   F16H57/021
   F16H57/04 K
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-166751(P2014-166751)
(22)【出願日】2014年8月19日
(65)【公開番号】特開2016-43702(P2016-43702A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年6月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134212
【弁理士】
【氏名又は名称】提中 清彦
(72)【発明者】
【氏名】花崎 成芳
【審査官】 神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−091605(JP,A)
【文献】 特開2013−036557(JP,A)
【文献】 特開2013−174288(JP,A)
【文献】 特開2012−017099(JP,A)
【文献】 特開2009−262857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00〜20/50
B60K 6/20〜 6/547
B60L 1/00〜 3/12
B60L 7/00〜13/00
B60L 15/00〜15/42
B60L 50/00〜58/40
F16H 57/00〜57/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼機関と電動モータとを組み合わせた動力源を備えたハイブリッド車両の動力伝達装置であって、電動モータと変速装置とを動力伝達方向においてこの順番で連設するものにおいて、
電動モータと、変速装置と、が分離可能に構成され、
電動モータの出力軸の後側の内側を円筒状に形成しその内側にスプライン溝を形成すると共に、このスプライン溝に対応して変速装置のインプットシャフトの先端側に外周スプライン部を形成し、これらをスプライン係合させることによって軸方向に関して分離可能に回転連結可能な構成とすると共に、
前記変速装置のインプットシャフトは、その後端側に設けられた内径部がベアリングを介して前記変速装置のアウトプットシャフトの先端外周に回転自在に支持されていると共に、当該支持部と前記外周スプライン部との間において変速装置ケースにベアリングを介して回転自在に支持されていて、
前記変速装置のインプットシャフトの先端側の外周スプライン部の更に先端にパイロット軸受部を形成し、これを電動モータの出力軸に設けた収容穴により嵌挿保持するように構成したことを特徴とするハイブリッド車両の動力伝達装置。
【請求項2】
前記変速装置が、インプットリダクション方式の変速装置であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
【請求項3】
潤滑剤がパイロット軸受部の先端と収容穴との間に閉じ込められないように、逃がし溝或いは孔がパイロット軸受部に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)の動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関等の燃焼機関(エンジン)と電動モータとを組み合わせた動力源を備えるハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)の動力伝達装置(パワートレイン)の構造例として、従来においては、例えば、特許文献1に記載されるようなものがある。
【0003】
このものは、図3に示すように、動力源としてエンジン100と電動モータ300を備えると共に、エンジン100と電動モータ300とをクラッチ板を備えたメカニカルなクラッチ機構200を介して接断可能に連結すると共に、電動モータ300の回転軸(出力軸)と、機械式自動変速装置(トランスミッション)400の入力軸(インプットシャフト)と、を回転連結した構造を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−11721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載されているパワートレインのレイアウトにおいて、例えば、図4に示すように、電動モータ300と、機械式変速装置(メカニカル式トランスミッション)である変速装置400と、が前後方向に分離(着脱)可能に構成されることがある。
【0006】
このように分離(着脱)可能に構成された電動モータ300と変速装置400においては、電動モータ300の回転軸(出力軸)301と、変速装置400のインプットシャフト401と、の回転連結は、図4で示したように、例えば、電動モータ300の回転軸(出力軸)301の後側の内側を円筒状に形成しその内側にスプライン溝を形成すると共に、このスプライン溝に対応して変速装置400のインプットシャフト401の先端401Aの外周にスプライン溝を形成し、これらを係合(スプライン係合)させることによって軸方向に関して分離可能に回転連結可能な構成とするようにしたものがある。
【0007】
そして、かかる構成において、変速装置400のインプットシャフト401が、図4に示すように、比較的長尺な構成で、該インプットシャフト401に複数段の変速ギヤが一体的に支持されている方式では、これら複数段の変速ギヤとそれぞれ噛合する複数段のカウンターギヤを軸受を介して回転自在に支持するカウンターシャフト402が備えられると共に、該カウンターシャフト402と一体回転する出力ギヤ402Aがアウトプットシャフト403と一体のギヤ403Aと噛合しており、所望の変速段のカウンターギヤ(複数のカウンターギヤのうちの一つ)をカウンターシャフト402と一体回転させるように、カウンターシャフト402と一体的に回転しているスリーブ404を軸方向に移動させてスプライン機構などを介して係合させることで、所望の変速段での駆動伝達を行うようになっている(アウトプットリダクション方式)。
【0008】
そして、このようなアウトプットリダクション方式では、インプットシャフト401が軸方向長さが比較的長尺であり、トランスミッションケース410に対して、ベアリング411にて回転自在に支持されていると共に、他端側は、ベアリング412、413等を介して回転自在に支持されているアウトプットシャフト403の内径部に、ベアリング414を介して回転自在に支持されている。
【0009】
従って、このような従来のインプットリダクション方式では、インプットシャフト401を軸方向に比較的長いスパンで配設された軸受で2点支持する構成であったため、駆動トルクの変動等がインプットシャフト401に作用しても、インプットシャフト401がトランスミッションケース410延いては電動モータ300の回転軸(出力軸)301に対して大きく傾動するようなことはなかった。
【0010】
しかしながら、図5に示すように、インプットシャフト1401が軸方向長さが短く、該インプットシャフト1401と一体の入力ギヤ1401Aをカウンターシャフト1402と一体のギヤ1402Aと噛合させる一方で、カウンターシャフト1402に複数段のカウンターギヤが一体的に支持されていて、アウトプットシャフト1403には、これら複数段のカウンターギヤとそれぞれ噛合する複数段の変速ギヤが軸受等を介して回転自在に支持され、所望の変速段の変速ギヤ(複数の変速ギヤのうちの一つ)をアウトプットシャフト1403と一体回転させるように、アウトプットシャフト1403と一体的に回転しているスリーブ1404を軸方向に移動させてスプライン機構などを介して係合させることで、所望の変速段での駆動伝達を行う方式(インプットリダクション方式)のものもある。
【0011】
前述のアウトプットリダクション方式の場合には、軸方向長さが比較的長尺であると共に複数段の変速ギヤと一体的に形成され重量や回転モーメントが大きいインプットシャフト401が、変速時やニュートラル時に常に電動モータ300によって回転駆動される構成であるため、燃費や騒音等の面で好ましくないといった場合がある。特に、中型や大型のトラックやバスなどでは伝達トルクが大きいため、インプットシャフト401のサイズや重量が嵩むため、燃費や騒音等の問題が顕著になるといった実情がある。
【0012】
また、設計コンセプトなどの観点から、インプットリダクション方式の変速装置1400を採用することが望まれる場合があるが、インプットシャフト1401が短軸であると共に、ベアリング1411、アウトプットシャフト1403の先端に設けた凹部内径部のベアリング1412を介して支持される構成であるため、駆動トルクの変動等がインプットシャフト1401に作用したときに、インプットシャフト1401がトランスミッションケース1410延いては電動モータ300の回転軸(出力軸)301に対して傾動するおそれがあることが解ってきた。
【0013】
かかる傾動が発生すると、インプットシャフト1401の先端の外周スプライン部1401Bが、電動モータ300の回転軸(出力軸)301の後側の内径スプライン溝302をこじる(抉る)ようになるため、スプライン係合部の摩耗が促進されると共に、騒音や振動等が生じて商品価値が低下するといったおそれがある。
【0014】
なお、インプットシャフト1401を、軸方向に比較的長いスパンを持って並んで配設されるベアリングによって、トランスミッションケース410に支持するようにすることも考えられるが、かかる方法ではインプットシャフト1401の軸方向長さが長くなり、トランスミッションケース延いては変速装置の軸方向長さが長くなり、重量やコストが嵩み、車両搭載レイアウトの自由度が低下するといった実情がある。
【0015】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ安価な構成でありながら、燃焼機関と電動モータとを組み合わせた動力源を備えたハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置であって、電動モータと変速装置とを連設するものにおいて、変速装置のインプットシャフトの変速装置ケース(トランスミッションケース)延いては電動モータの回転軸(出力軸)に対する傾動を抑制し、インプットシャフトの先端の外周スプライン部が、これとスプライン係合する電動モータの回転軸(出力軸)の後側の内径スプライン溝をこじるような動きを抑制し、以ってスプライン係合部の摩耗の抑制と、騒音や振動等を抑制することができる変速装置のインプットシャフトと電動モータの回転軸(出力軸)の係合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このため、本発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置は、
燃焼機関と電動モータとを組み合わせた動力源を備えたハイブリッド車両の動力伝達装置であって、電動モータと変速装置とを動力伝達方向においてこの順番で連設するものにおいて、
電動モータと、変速装置と、が分離可能に構成され、
電動モータの出力軸の後側の内側を円筒状に形成しその内側にスプライン溝を形成すると共に、このスプライン溝に対応して変速装置のインプットシャフトの先端側に外周スプライン部を形成し、これらをスプライン係合させることによって軸方向に関して分離可能に回転連結可能な構成とすると共に、
前記変速装置のインプットシャフトは、その後端側に設けられた内径部がベアリングを介して前記変速装置のアウトプットシャフトの先端外周に回転自在に支持されていると共に、当該支持部と前記外周スプライン部との間において変速装置ケースにベアリングを介して回転自在に支持されていて、
前記変速装置のインプットシャフトの先端側の外周スプライン部の更に先端にパイロット軸受部を形成し、これを電動モータの出力軸に設けた収容穴により嵌挿保持するように構成したことを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記変速装置が、インプットリダクション方式の変速装置であることを特徴とすることができる。
【0018】
本発明において、潤滑剤がパイロット軸受部の先端と収容穴との間に閉じ込められないように、逃がし溝或いは孔がパイロット軸受部に形成されていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、燃焼機関と電動モータとを組み合わせた動力源を備えたハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置であって、電動モータと変速装置とを連設するものにおいて、変速装置のインプットシャフトの変速装置ケース(トランスミッションケース)延いては電動モータの回転軸(出力軸)に対する傾動を抑制し、インプットシャフトの先端の外周スプライン部が、これとスプライン係合する電動モータの回転軸(出力軸)の後側の内径スプライン溝をこじるような動きを抑制し、以ってスプライン係合部の摩耗の抑制と、騒音や振動等を抑制することができる変速装置のインプットシャフトと電動モータの回転軸(出力軸)の係合構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置のクラッチ機構、電動モータ、変速装置(インプットリダクション方式)の一例を示す断面図である。
図2】同上実施の形態に係る変速装置のインプットシャフトの先端付近を拡大して示す断面図である。
図3】同上実施の形態に係るハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置のレイアウトを示す図である。
図4】従来のハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置のクラッチ機構、電動モータ、変速装置(アウトプットリダクション方式)の一例を示す断面図である。
図5】従来のハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置のクラッチ機構、電動モータ、変速装置(インプットリダクション方式)の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係るハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置の一実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0022】
本実施の形態に係るハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置は、図3に示したように、エンジン100と電動モータ300とを組み合わせた動力源を備え、エンジン100と電動モータ300とを、クラッチ板(摩擦板)を備えたメカニカル式(機械式)のクラッチ機構200を介して接断可能に連結されていると共に、電動モータ300と機械式自動変速装置1400’とが連結され、電動モータ300の回転軸(出力軸)301と、機械式自動変速装置1400’の入力軸(インプットシャフト)1401’と、が回転連結されている。
【0023】
ここで、本実施の形態においては、図1に示すように、電動モータ300と、変速装置1400’と、は分離(着脱)可能に構成され、図5で説明したと同様の基本構成を備えている。なお、図5と同様の要素には同一の符号を付している。
【0024】
ここで、図1に示すように、本実施の形態に係る変速装置1400’のインプットシャフト1401’は軸方向長さが短く、該インプットシャフト1401’と一体の入力ギヤ1401Aをカウンターシャフト1402と一体のギヤ1402Aと噛合させる一方で、カウンターシャフト1402に複数段のカウンターギヤが一体的に支持されていて、アウトプットシャフト1403には、これら複数段のカウンターギヤとそれぞれ噛合する複数段の変速ギヤが軸受等を介して回転自在に支持され、所望の変速段の変速ギヤ(複数の変速ギヤのうちの一つ)をアウトプットシャフト1403と一体回転させるように、アウトプットシャフト1403と一体的に回転しているスリーブ1404を軸方向に移動させてスプライン機構などを介して係合させることで、所望の変速段での駆動伝達を行う方式(インプットリダクション方式)となっている。
【0025】
このようなインプットリダクション方式の変速装置1400’では、インプットシャフト1401’が短軸であると共に、ベアリング1411、アウトプットシャフト1403の先端に設けた凹部内径部のベアリング1412を介して支持される構成であるため、駆動トルクの変動等がインプットシャフト1401’に作用したときに、インプットシャフト1401’がトランスミッションケース1410延いては電動モータ300の回転軸(出力軸)301に対して傾動するおそれがある。
【0026】
このため、本実施の形態では、図1図2に示すように、インプットシャフト1401’の先端部の外周スプライン1401Bの更に先端に、外周スプライン部1401Bより小径のパイロット軸受部1401Cを形成した。
【0027】
また、電動モータ300の回転軸(出力軸)301に、パイロット軸受部1401Cの外周を嵌挿保持する収容穴303を形成した。収容穴303は、円形状とすることができるが、多角形形状など他の形状であってもよいものである。
【0028】
パイロット軸受部1401Cと収容穴303との隙間は、インプットシャフト1401’の傾動を抑制可能なサイズとすることができる。また、パイロット軸受部1401Cと収容穴303との間に軸受(例えば、滑り軸受)などを介装することも可能である。
【0029】
なお、インプットシャフト1401’の先端の外周スプライン部1401Bと、電動モータ300の回転軸(出力軸)301の後側の内径スプライン溝302と、の間には、係合の際の潤滑のため、運転時の騒音等の抑制のために、グリス等の潤滑剤を適用するが、当該グリスが、パイロット軸受部1401Cの先端と収容穴303との間に閉じ込められてしまわないように、逃がし溝(或いは孔)1401Dをパイロット軸受部1401Cに形成している。該逃がし溝(或いは孔)は、収容穴303(電動モータ300の回転軸(出力軸)301)側に刻設することも可能である。
【0030】
このように、本実施の形態では、インプットシャフト1401’の先端部の外周スプライン1401Bの更に先端にパイロット軸受部1401Cを形成し、これを電動モータ300の回転軸(出力軸)301に設けた収容穴303により嵌挿保持するようにしたので、図3に示した変速装置(従来の変速装置)のように、インプットシャフト1401’がトランスミッションケース1410延いては電動モータ300の回転軸(出力軸)301に対して傾動し、外周スプライン部1401Bが、電動モータ300の回転軸(出力軸)301の後側の内径スプライン溝302をこじる(抉る)といった現象の発生を抑制でき、スプライン係合部の摩耗の抑制と、騒音や振動等の低減を図ることができる。
【0031】
また、本実施の形態では、傾動防止のために、インプットシャフト1401’を軸方向に比較的長いスパンで配設された軸受で2点支持する構成とする必要がないため、インプットシャフトの軸方向長さが長くなり、トランスミッションケース延いては変速装置の軸方向長さが長くなり、重量やコストが嵩み、車両搭載レイアウトの自由度が低下するといったことを回避することができる。
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、燃焼機関と電動モータとを組み合わせた動力源を備えたハイブリッド車両(HV)の動力伝達装置であって、電動モータと変速装置とを連設するものにおいて、変速装置のインプットシャフトの変速装置ケース(トランスミッションケース)延いては電動モータ300の回転軸(出力軸)に対する傾動を抑制し、インプットシャフトの先端の外周スプライン部が、これとスプライン係合する電動モータの回転軸(出力軸)の後側の内径スプライン溝をこじる(抉る)ような動きを抑制し、以ってスプライン係合部の摩耗の抑制と、騒音や振動等を抑制することができる変速装置のインプットシャフトと電動モータの回転軸(出力軸)の係合構造を提供することができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、図1に示すようなインプットリダクション方式の変速装置について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方式(図4のアウトプットリダクション方式も含む)の変速装置にも適用可能である。
【0034】
以上で説明した本実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0035】
100 エンジン(内燃機関等の燃焼機関)
200 クラッチ機構
300 電動モータ
301 出力軸
302 内径スプライン溝
303 収容穴
1400’ 変速装置
1401’ インプットシャフト(入力軸)
1401B 外周スプライン部
1401C パイロット軸受部
1401D 逃がし溝(孔)
図1
図2
図3
図4
図5