(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、複雑な操作を必要とすることなく、ミシンの状態に応じて適切なタイミングで操作説明等のコンテンツを端末装置に詳しく表示することができるミシンシステム、ミシン、端末装置、ミシンシステムにおけるコンテンツ表示方法、ミシンのプログラム、端末装置のプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
請求項1の発明は、
ミシンの動作状態に対応した情報を表示するミシン側表示部を備えた前記ミシン(10)と端末装置とが無線通信可能に接続されたミシンシステムであって、前記ミシンは、少なくとも前記端末装置との間で無線通信を行えるミシン側無線通信部(12)と、当該ミシン
側表示部に表示されている操作説明に関する内容に基づいて、前記ミシンの動作状態を把握する状態把握部(13)と、前記状態把握部により把握した動作状態毎に割り振られた動作コードを前記端末装置へ送信する動作コード送信部(14)と、を備え、前記端末装置は、表示部(21)と、少なくとも前記ミシンとの間で無線通信を行える端末側無線通信部(23)と、
前記ミシン側表示部が表示する操作説明に関する内容に対応した前記動作コードに対応する
ミシンの操作説明に関する動作対応コンテンツと複数の次候補の動作コードとを関連付けて記憶する記憶部(24)と、前記ミシンから動作コードを受信する動作コード受信部(27)と、前記動作コード受信部が受信した動作コードに対応する
ミシンの操作説明に関する動作対応コンテンツと、前記動作対応コンテンツに関連付けられた
、次に行われることが想定される前記ミシンの動作中に前記ミシン側表示部が表示する表示内容に対応する次候補の動作コードに対応する
ミシンの操作説明に関する次候補コンテンツのリストと、を前記
端末装置の前記表示部に表示する表示制御部(22)と、を備える、ミシンシステムである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のミシンシステムにおいて、前記端末装置(20)は、前記ミシンの機種及びファームウェアのバージョンを確認する確認部(25)を有すること、を特徴とするミシンシステムである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のミシンシステムにおいて、前記端末装置(20)は、動作コードを前記ミシン(10)に対して要求する動作コード要求部(26)を備え、前記ミシンの前記動作コード送信部(14)は、前記動作コード要求部からの要求に応じて動作コードを前記端末装置へ送信すること、を特徴とするミシンシステムである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3に記載のミシンシステムにおいて、前記動作コード要求部(26)は、所定時間毎に動作コードを前記ミシンに対して要求し、前記表示制御部(22)は、前記動作コード受信部(27)が受信した動作コードが変化することに応じて前記表示部(21)に表示する前記動作対応コンテンツと前記リストとを更新すること、を特徴とするミシンシステムである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載のミシンシステムにおいて、前記表示制御部(22)は、利用者が前記動作対応コンテンツを閲覧中であると判断できる場合には、表示中のコンテンツの更新を行わないこと、を特徴とするミシンシステムである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5に記載のミシンシステムにおいて、前記表示制御部(22)は、利用者が前記動作対応コンテンツを閲覧中であると判断できる場合であっても、表示中の前記リストについては、更新を行うこと、を特徴とするミシンシステムである。
【0015】
請求項7の発明は、請求項4に記載のミシンシステムにおいて、前記表示制御部(22)は、利用者が前記リストを選択してその詳細内容を閲覧中であると判断できる場合には、表示中のコンテンツである前記詳細内容の更新を行わないこと、を特徴とするミシンシステムである。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のミシンシステムにおいて、前記ミシン(10)は、ミシン側表示部(11)を備えており、前記動作コードは、前記ミシンが表示する画面内容の全てに対応して割り振られていること、を特徴とするミシンシステムである。
【0017】
請求項9の発明は、端末装置と無線通信可能に接続され、
ミシンの動作状態に対応した情報を表示するミシン側表示部を備えた前記ミシンであって、少なくとも前記端末装置との間で無線通信を行えるミシン側無線通信部と、当該ミシン
側表示部に表示されている操作説明に関する内容に基づいて前記表示部の動作状態を把握する状態把握部と、前記状態把握部が把握している動作状態毎に割り振られた動作コードを前記端末装置へ送信する動作コード送信部と、を備えるミシンである。
【0018】
請求項10の発明は、
ミシンの動作状態に対応した情報を表示するミシン側表示部を備えた前記ミシンと無線通信可能に接続された端末装置であって、表示部と、少なくとも前記ミシンとの間で無線通信を行える端末側無線通信部と、
前記ミシン側表示部が表示する操作説明に関する内容に対応した動作コードに対応する
前記ミシンの操作説明に関する動作対応コンテンツと複数の次候補の動作コードとを関連付けて記憶する記憶部と、前記ミシンから動作コードを受信する動作コード受信部と、前記動作コード受信部が受信した動作コードに対応する
前記ミシンの操作説明に関する動作対応コンテンツと、前記動作対応コンテンツに関連付けられた
、次に行われることが想定される前記ミシンの動作中に前記ミシン側表示部が表示する表示内容に対応する次候補の動作コードに対応する
前記ミシンの操作説明に関する次候補コンテンツのリストとを前記
端末装置の前記表示部に表示する表示制御部と、を備える端末装置である。
【0019】
請求項11の発明は、
ミシンの動作状態に対応した情報を表示するミシン側表示部を備えた前記ミシンと端末装置とが無線通信可能に接続されたミシンシステムにおけるコンテンツ表示方法であって、状態把握部が、当該ミシン
側表示部に表示されている操作説明に関する内容に基づいて前記ミシン側表示部の動作状態を把握するステップと、動作コード送信部が、前記状態把握部により把握した動作状態毎に割り振られた動作コードを前記端末装置へ送信するステップと、動作コード受信部が、前記ミシンから動作コードを受信するステップと、表示制御部が、前記動作コード受信部が受信した動作コードに対応する
ミシンの操作説明に関する動作対応コンテンツと、前記動作対応コンテンツに関連付けられた
、次に行われることが想定される前記ミシンの動作中に前記ミシン側表示部が表示する表示内容に対応する次候補の動作コードに
おけるミシンの操作説明に関する次候補コンテンツのリストと、を前記
端末装置の前記表示部に表示するステップと、を備える、ミシンシステムにおけるコンテンツ表示方法である。
【0020】
請求項12の発明は、端末装置と無線通信可能に接続され、
ミシンの動作状態に対応した情報を表示するミシン側表示部を備えた前記ミシンのプログラムであって、コンピュータに、状態把握部が、当該ミシン
側表示部に表示されている操作説明に関する内容に基づいて前記ミシン側表示部の動作状態を把握するステップと、動作コード送信部が、前記状態把握部により把握した動作状態毎に割り振られた動作コードを前記端末装置へ送信するステップと、を実行させるためのミシンのプログラムである。
【0021】
請求項13の発明は、ミシンと無線通信可能に接続された端末装置のプログラムであって、コンピュータに、動作コード受信部が、前記ミシンから動作コードを受信するステップと、表示制御部が、前記動作コード受信部が受信した動作コードに対応する
ミシンの操作説明に関する動作対応コンテンツと、前記動作対応コンテンツに関連付けられた
、次に行われることが想定される前記ミシンの動作中にミシン側表示部が表示する表示内容に対応する次候補の動作コードに
おけるミシンの操作説明に関する次候補コンテンツのリストと、を前記
端末装置の表示部に表示するステップと、を実行させるための端末装置のプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複雑な操作を必要とすることなく、ミシンの状態に応じて適切なタイミングで操作説明等のコンテンツを端末装置に詳しく表示することができるミシンシステム、ミシン、端末装置、ミシンシステムにおけるコンテンツ表示方法、ミシンのプログラム、端末装置のプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0025】
(実施形態)
図1は、本発明によるミシンシステムの実施形態を示す図である。
図2は、ミシン10及びタブレット端末20の制御構成を示すブロック図である。
なお、
図1及び
図2を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、動作等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
【0026】
本実施形態のミシンシステムは、ミシン10と、端末装置としてのタブレット端末20とを備えており、ミシン10とタブレット端末20とは、不図示のルータ等を介した無線LANにより相互の通信が可能である。
【0027】
ミシン10は、例えば、刺繍データにしたがって複数色の糸を用いて半自動的に刺繍を行うことができる。また、通常の縫製についても、様々な縫製パターンにより縫製を行うことができる多機能のミシンである。
ミシン10は、ミシン側表示部11と、ミシン側無線通信部12と、状態把握部13と、動作コード送信部14とを備えている。
【0028】
ミシン側表示部11は、ミシン10自体に設けられており、例えば液晶表示装置により構成されている。ミシン側表示部11には、ミシンの動作状態に対応して利用者にとって有益な各種情報を表示される。例えば、糸通しを行う状態にあるときには、糸通しの操作を補助できるような表示を行う。この表示内容は、ミシンが多機能であることから、多数の表示内容が存在している。
【0029】
ミシン側無線通信部12は、無線LANに接続されており、不図示のルータ等を介して、タブレット端末20との間で相互の無線通信を行うことができる。
【0030】
状態把握部13は、ミシン10の動作状態を把握し、その把握した動作状態を動作コード送信部14へ伝える。
【0031】
動作コード送信部14は、状態把握部13により把握した動作状態毎に割り振られた動作コードとしての画面コードをミシン側無線通信部12を介してタブレット端末20へ送信する。
ここで、画面コードについて説明する。上述したように、ミシン側表示部11が表示する表示内容は、多数存在しており、それらは、ミシンの動作状態に対応して変化する。そして、この表示内容の全てに対して、画面コードと呼ぶ固有番号が付与されている。そこで、本実施形態では、状態把握部13は、ミシン側表示部11に表示されている表示内容の画面コードを取得することにより、実質的にミシンの動作状態を把握することとなる。そして、本実施形態では、この画面コードを、動作コードとして取り扱い、ミシンの動作状態を表す指標として用いている。
なお、状態把握部13及び動作コード送信部14は、ミシン10の制御部として機能するコンピュータとしてのCPU上において実現してもよい。
【0032】
タブレット端末20は、一般的に市販されている汎用品を利用することができる。本実施形態における端末装置としてタブレット端末20を使用するためには、このミシンシステム用のプログラムをタブレット端末20にインストールして実行する。なお、プログラムは、フラッシュメモリ装置等の記録媒体に記録されていてもよいし、既知の様々なネットワークを介してダウンロードして入手可能となっていてもよい。
タブレット端末20は、表示部21と、表示制御部22と、端末側無線通信部23と、記憶部24と、確認部25と、動作コード要求部26と、動作コード受信部27とを備えている。
【0033】
表示部21は、タッチパネルとして機能するように構成されており、情報の表示に加えて、各種入力を行うことができる。
【0034】
表示制御部22は、表示部21に表示する内容を制御する。特に、本実施形態の表示制御部22は、動作コード受信部27が受信した動作コードに対応する動作対応コンテンツと、動作対応コンテンツに関連付けられた次候補の動作コードに対応する次候補コンテンツのリストとを表示部21に表示する。表示制御部22が行う表示動作については、後述する。
【0035】
ここで、動作対応コンテンツ及び次候補コンテンツについて説明する。本実施形態のタブレット端末20は、上述した多数の画面コードのそれぞれに対応するコンテンツを有している。このコンテンツの具体的な内容としては、ミシンの操作説明に関するHTML(HyperText Markup Language)文書(ファイル)が画面コードの数と同数用意されている。これら多数のコンテンツは、それぞれに対して、1対1での対応が取れるように上述した画面コードが関連付けられて、記憶部24にファイル名が付されて保存されている。なお、動作対応コンテンツとしては、HTML文書に限らず、テキストデータ、画像データ、動画データ、及び、音声データ等を適宜用いてもよい。
【0036】
そして、ミシン側表示部11が表示する表示内容に対応する画面コードに対応するコンテンツを、ここでは、動作対応コンテンツと呼んでいる。
また、動作対応コンテンツの画面コードに対して、さらに、次候補の画面コードが少なくとも1つ関連付けられている。この次候補の画面コードは、動作対応コンテンツに関連したり、次に行われることが想定されたりするミシンの動作中にミシン側表示部11が表示する表示内容に対応する画面コードが設定されている。
【0037】
図3は、画面コードとコンテンツファイルの名称と次候補の画面コードのリストとが記述されたテーブルの構成を示したものである。
記憶部24には、
図3に示すように、画面コードとコンテンツファイルの名称と次候補の画面コードのリストとがテーブルとして記憶されている。本実施形態では、200バイト固定長のテーブルが画面コードの昇順に並べられている。なお、画面コードは、4バイト長である。
本実施形態のコンテンツの内容は、ミシンの説明であり、この説明文はHTML(HyperText Markup Language)で記述されており、画面コードに対応した全てのhtmlファイルが本システムのアプリケーションプログラムに含まれている。
図3の例では、StartingToSewEmbroidery.html、EditingMode.html、CutWorkDesign.html等のファイルに詳細な説明文が挿絵と共に記述されている。
【0038】
端末側無線通信部23は、無線LANに接続されており、不図示のルータ等を介して、ミシン10との間で相互の無線通信を行うことができる。
【0039】
確認部25は、タブレット端末20において本システムのアプリケーションプログラムを起動した後の最初に、無線接続されているミシン10の機種及びファームウェアのバージョンを確認する。そして、確認部25は、無線接続されているミシン10の機種及びファームウェアのバージョンが、本システムのアプリケーションプログラムが対応可能なものであるのか否かを判断する。
【0040】
動作コード要求部26は、動作コードをミシン10に対して所定時間毎に要求する。本実施形態の動作コード要求部26は、動作コードをミシン10に対して3秒間隔で要求する。
【0041】
動作コード受信部27は、ミシン10の動作コード送信部14から送られた動作コードを受信する。受信した動作コードは、表示制御部22に伝えられる。
【0042】
図4は、タブレット端末20の表示部21における表示例を示す図である。
本システムのアプリケーションプログラムを動作中の表示部21には、記憶部24に記憶されているテーブルの情報をメイン画面21aとサブ画面21bとに表示する。表示部21は、左右に分割されており、右側は、メイン画面21aであり画面コードで指定される詳細な説明文を表示する。表示部21の左側は、サブ画面21bであり、メイン画面21aに関連する項目の候補リストがタイトル名で表示されている。これらの表示は、ミシン10側の操作に連動し、リアルタイムに表示内容を更新している。しかし、「<」や「>」ボタンで頁替えをしたり、画面のスクロールや候補リストを選択する等の閲覧操作をしたりすると、メイン画面21aの表示更新が止まり、閲覧操作を続けることができる。なお、サブ画面21bの候補リストは、常にミシン10に連動して更新されている。また、候補リストに表示するタイトルは、各画面コードに対応したHTMLファイル内のタイトルを使用する。
【0043】
図5は、本実施形態のタブレット端末20の動作の流れを示すフローチャートである。
以下、
図5に基づいて、タブレット端末20の動作を説明する。
なお、ミシン10とタブレット端末20とは、不図示のルータを介して接続されており、予め暗号方式を一致させ、パスワードを双方に設定し、無線LANで通信できる状態になっているものとする。
【0044】
タブレット端末20のアプリケーションプログラムを起動すると、ステップ(以下、Sとする)1では、ミシン10に対して機種情報及びファームウェアのバージョン情報の要求コマンドを送信し、S2で応答を待つ。
【0045】
S3では、ミシン10の機種情報とファームウェアのバージョン情報とを受信する。
【0046】
S4では、S3において受信した機種情報とファームウェアのバージョン情報とが、アプリケーションプログラムに含まれる説明ファイル(コンテンツファイル)の対応機種のバージョンと一致していることを確認する。受信した機種情報とファームウェアのバージョン情報とがアプリケーションプログラムの対応機種及びバージョンと一致しない場合は、S14へ進み、不一致であることのメッセージを表示し、アプリケーションプログラムを停止する。一方、受信した機種情報とファームウェアのバージョン情報とがアプリケーションプログラムの対応機種及びバージョンと一致する場合は、S5へ進み、タブレット端末20における説明コンテンツの表示を開始する。
【0047】
S5では、タブレット端末20は、画面コードの要求コマンドをミシン10に対して送信し、S6において、その受信を待つ。
【0048】
S7では、タブレット端末20は、ミシン10から送られた画面コードを取得(受信)する。
【0049】
S8では、タブレット端末20は、現在、操作説明の閲覧操作をしているか否かを判断する。操作中でなければ、S9へ進み、受信した画面コードでアプリケーションプログラムが保持している
図3のテーブルを検索し、説明文が記述されているファイル名を取得する。そして、S10に進み、html形式のコンテンツをメイン画面21aに表示する。
さらに画面コードで検索したテーブルから登録されている次候補の画面コードを取得する。この画面コードからhtmlファイルの名称を求め、このファイルの先頭に記述されているタイトル名を取得する。テーブルに登録されている次候補の数だけ上記操作を繰り返し、サブ画面に次候補の名称をリスト表示する。
一方、閲覧操作をしている場合は、タブレット端末20は、メイン画面21aの説明文の表示を更新せずにS13へ進み、引き続き閲覧操作を継続させる。なお、この閲覧操作中であっても、サブ画面21bの表示は、S11及びS12において更新される。S12を行った後は、S5へ戻る。
【0050】
これら、S5からS12までの処理は、数秒間隔(例えば3秒間隔)で行っており、ミシン10を操作し、ミシン側表示部11の画面が切り替わるのと同時にタブレット端末20の表示部21の表示内容もミシン側表示部11の画面に対応したより詳しい説明画面に更新される。
【0051】
図6は、ミシン10の通信の割り込み処理を示すフローチャートである。
ミシン10では、タブレット端末20からコマンドが届くと割り込み処理が開始される。
S21では、ミシン10は、タブレット端末20からコマンドを受信する。
S22では、ミシン10は、コマンドを判定し、機種情報及びバージョン情報が要求されていれば、S23へ進み、ミシン10の機種コードとファームウェアのバージョン番号をタブレット端末20へ送信し、割り込み処理から戻る。一方、ミシン10は、画面コードが要求されていれば、S24へ進み、現在ミシン10が表示している画面の画面コードをタブレット端末20へ送信し、割り込み処理から戻る。
【0052】
図7及び
図8は、ミシン10とタブレット端末20との間のコマンド及びデータのやり取りとミシン10及びタブレット端末20の操作についての一例を示すシーケンス図である。なお、
図7及び
図8中において、破線の四角形により囲んだ動作は、利用者による操作を示す。
【0053】
タブレット端末20は、最初の通信(S301,S302,S303)により、機種情報及びバージョン情報を取得し、ミシン10の機種コードとバージョン番号が所定のものであるときに通信を継続する。
【0054】
アプリケーションプログラムの動作開始初期には、タブレット端末20は、メイン画面21a及びサブ画面21bに初期の説明文と候補リストを表示する(S304)。
【0055】
ミシン10は、画面コードの要求に対して現在表示している画面に対応して予め定義されている画面コードを返信する。この通信は、例えば、3秒間隔で繰り返して行われる。
【0056】
利用者がミシン10を操作して、ミシン10の動作モードが刺繍モードに切り替えられる(S305)と、その後の画面コードの要求(S306)により、ミシン10は、刺繍画面を示す001のコードをタブレット端末20へ返信する(S307)。
【0057】
次に、タブレット端末20は、画面コード001をテーブルから検索して、StartingToSewEmbroidery.htmlのファイル名を取得し、その内容をメイン画面21aに表示する。また、同じテーブルに次候補の画面コードが記載されているので、上述の場合と同様にしてファイル名を取得し、その先頭に記述されているタイトル名を取り出し、サブ画面21bにリスト表示する。
図7の例では、画面コードが201,202,320,・・・521のタイトル名をサブ画面21bにリスト表示する(S308)。
【0058】
次に、利用者がミシン10を操作して、編集画面に切り替えたとする(S309)。
その後に、3秒間隔で行われている通信(S310,S311)により、タブレット端末20が画面コードを取得する。タブレット端末20は、編集画面に対応する002の画面コードを取得するので、テーブルからEditingMode.htmlのファイル名を取得し、その内容をメイン画面21aに表示する。サブ画面21bには画面コード211,212、315から項目名を取得し、リスト表示する(S312)。
【0059】
その後も、3秒間隔で通信(S313,S314)が行われているが、取得した画面コード(002の画面コード)に変化が無いので、表示の更新は行わない。
次に、利用者が、タブレット端末20の表示部21のタッチパネルを操作し、編集機能の説明文をページ替えやスクロールしたとする(S315)。このとき、タブレット端末20の内部状態は、閲覧モードとなり、この状態を保持している。
【0060】
次に、利用者がミシン10を操作し、カットワーク機能の画面に切り替えたとする(S316)。
その後の、3秒間隔で行われている通信(S317,S318)により、タブレット端末20は、画面コード899を取得するが、タブレット端末20は、閲覧モードなので、メイン画面21aの説明文は更新されない。一方、サブ画面21bは、カットワークに関する次候補となるコンテンツ項目のタイトルをリスト表示する(S319)。
その後さらに、3秒間隔で行われている通信(S320,S321)により、タブレット端末20は、画面コード899を取得するが、依然としてタブレット端末20は、閲覧モードなので、メイン画面21aの説明文は更新されない。
【0061】
次に、利用者が、タブレット端末20のアプリケーションプログラムによる閲覧操作を終了するため、[Close]ボタンを押下したとする(S322)。
この後の3秒間隔で行われている通信(S323,S324)により取得される画面コードは、カットワーク機能の899のままであるが、閲覧モードが終了しているため、CutWorkDesign.htmlのファイルの内容をメイン画面21aに表示する。サブ画面21bは、それ以前と変わらずに、カットワークに関する項目のタイトルを表示している。
【0062】
ここで、上述した本実施形態のミシンシステム、ミシン、端末装置、ミシンシステムにおけるコンテンツ表示方法、ミシンのプログラム、端末装置のプログラムについての構成、作用を以下に列挙する。
【0063】
(1)ミシン10とタブレット端末20が無線通信可能に接続されている(例えば、無線LAN)。
【0064】
(2)最初の通信において、ミシン10の機種とファームウェアのバージョン番号をタブレット端末20が取得し、タブレット端末20上のアプリケーションプログラムが有する説明文の機種及びバージョンがミシン10のものと一致していることを確認する。
【0065】
(3)ミシン10が表示する全画面に対して画面コード(画面を特定する番号、キーワード等であり、ミシンの動作状態を表すことができる動作コードとして利用)が予め定義されており、タブレット端末20からの問合せに対してミシン10は、その画面コードを返信する。
【0066】
(4)タブレット端末20は、数秒間隔でミシン10に対して問合せを行っており、ミシン10は、問合せのあった瞬間のミシン側表示部11(操作画面)に対応する画面コードを返信する。
【0067】
(5)タブレット端末20の表示部21は、詳細な説明を表示するためのメイン画面21aと、利用者が次に希望すると想定される説明の次候補(第2候補、第3候補・・・の項目名(タイトル等))をリスト表示するサブ画面21bとを有している。
【0068】
(6)タブレット端末20は、ミシン10から受け取った画面コードに基づいて、予め定義されている説明文等を表示する。コンテンツとしては、文章だけでなく、動画や音声等も含まれる。
【0069】
(7)ミシン10を操作してミシン側表示部11の画面が変わると、それに応じて画面コードが変わる。つまり、ミシン10の操作に応じてタブレット端末20のメイン画面21aに表示される内容も随時変わって行くことになる。
【0070】
(8)メイン画面21aが変われば、サブ画面21bの候補リストも随時変化する。
【0071】
(9)メイン画面21aに表示している説明文の閲覧操作(例えば、ページ替え、スクロール、[Close]ボタンの押下等)を行うと、メイン画面21aの説明文の自動更新が停止し、ミシン10を操作してミシン側表示部11の画面を変えても、タブレット端末20のメイン画面21aの表示は変わらない。
【0072】
(10)サブ画面21bの候補リストを選択し、詳細表示に変えた場合も、自動更新は一時停止する。ただし、その場合であっても、詳細表示を閉じるための[Close]ボタンを押下すると、再び、メイン画面21aが自動更新するようになる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、ミシン10のミシン側表示部11の表示画面が現在どのような状況にあるのかをタブレット端末20に伝え、タブレット端末20側でミシン10の状況に最も適した説明文を表示するようにしている。タブレット端末20は、定期的にミシン10から現在の操作状況を画面コードとして取得し、その画面コードに対応した説明文を随時表示する。したがって、利用者は、タブレット端末20の画面を見るだけで、現在のミシン操作に関する説明文を読み、挿絵(動画も含む)を見ることができる。また、現在のミシンの状況に関連する第2、第3、・・・の候補もリスト表示されているので、利用者は、希望する項目を選択するだけで、その詳細文を見ることができる。印刷物の取扱説明書やオンラインヘルプの様に利用者がいちいち探さなくても、最適と思われる詳細な説明文やその次の候補がタブレット端末20上に示されるので、利用者は選択するだけでよい。よって、本実施形態によれば、該当する項目を探すのが面倒で、説明書を読まなかった利用者に対して手間なく説明文を提供することができ、操作が分からずにミシンが使えないといった事態を減らすことができる。
【0074】
なお、タブレット端末の場合と同様に、ミシンの処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをミシンのコンピュータに読み込ませ、実行することによって本発明のミシンシステム、ミシン、ミシンシステムにおけるコンテンツ表示方法を実現することができる。ここでいうコンピュータとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0075】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータから、伝送媒体を介して、又は、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0076】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータにすでに記録されているプログラムとの組み合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0077】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
【0078】
本実施形態において、端末装置としてタブレット端末を用いる例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、端末装置には、パーソナルコンピュータを利用してもよいし、ゲーム機を利用してもよく、アプリケーションプログラムを実行でき、かつ、ミシンと無線通信可能な端末装置であれば、その形態はどのようなものであってもよい。
【0079】
本実施形態において、ミシンとタブレット端末との間は、無線LANにより通信を行う例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、赤外線通信やBluetooth(登録商標)等、他の種類の無線通信を利用してもよい。
【0080】
本実施形態において、タブレット端末側からミシンに対して画面コードの要求を行い、これに応じて、ミシン側が現在の画面コードを送信する例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、ミシン側の表示が変更されたときにミシン側からタブレット端末側へ画面コードを必ず送るようにして、タブレット端末側からの画面コードの要求を必要としないようにしてもよい。
【0081】
本実施形態において、画面コードを動作コードとしてミシンからタブレット端末へと送信する例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、画面表示と動作コードとを1対1で対応させずに、動作コードをより細かく設定してもよい。この場合、画面コードとは別に、動作コードを設定しておき、この動作コード自体をミシンからタブレット端末へと送信するとよい。
【0082】
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。