(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記持ち手は、幅方向に間隔を空けて前記座面支持体に取り付けられた一対の基端部分と、前記一対の基端部分に掛け渡された本体部分と、を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の乳母車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図10に、従来の折り畳み状態にある乳母車500を持ち上げるようすを示す。通常、折り畳まれた乳母車500を持ち運ぶ際には、ハンドル520に一方の腕をくぐらせて持ち上げると共に、残りの腕で赤ちゃんを抱き抱える。しかしながら、腕をくぐらせる位置はハンドル520のうちでも相対的に高い位置となるため、ハンドル520に一方の腕をくぐらせて持ち上げる場合、乳母車500を浮かせることは困難である。このため、大きな段差を乗り越えたり急な階段を昇降する際には、乳母車500を高く持ち上げるために、保護者は負担となる姿勢を強いられる。
【0005】
その上、ハンドル520は、本体フレーム510に固定されてはいるものの多少のがたつきをもっている。ハンドル520のがたつきは、乳母車500を持ち上げ難くする。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、持ち運びが容易な折り畳み式の乳母車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による乳母車は、展開状態から折り畳み状態へ折り畳み可能な乳母車であって、本体フレームと、座部及び前記座部に接続された背当部を有するシートと、前記本体フレームに取り付けられ、前記シートを支持するシート支持体と、を備え、前記シート支持体は、前記座部を支持する座面支持体と、前記背当部を支持する背当支持体と、を有し、前記座面支持体に、持ち手が取り付けられている。
【0008】
本発明による乳母車において、前記持ち手は、折り畳み状態において前記座面支持体から上方に突出していてもよい。
【0009】
本発明による乳母車において、当該乳母車を展開状態から折り畳み状態に折り畳むときに、前記座面支持体は、その前方部分が上方に持ち上がるように回動するようになっていて、前記座面支持体の前方部分に、前記持ち手が取り付けられていてもよい。
【0010】
本発明による乳母車において、前記座面支持体は、幅方向に対向する一対の側枠と、前記一対の側枠を前方で接続する前枠と、を有し、前記持ち手は、前記前枠に保持されていてもよい。
【0011】
本発明による乳母車において、前記持ち手は、幅方向に間隔を空けて前記座面支持体に取り付けられた一対の基端部分と、前記一対の基端部分に掛け渡された本体部分と、を含んでもよい。
【0012】
本発明による乳母車において、前記本体部分は、柔軟性をもつベルト状の部材からなってもよい。
【0013】
本発明による乳母車において、前記本体部分は、前記基端部分に枢着されていてもよい。
【0014】
本発明による乳母車において、展開状態にある乳母車を上方から観察したときに、前記持ち手は、前記シートの前記座部に重なっていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、乳母車を折り畳んだ状態において、持ち手がハンドルの手を掛ける部分よりも低い位置に位置するため、乳母車を持ち上げたときに、相当な高さまで乳母車を浮かせることができる。その上、持ち手を握って乳母車を持ち上げる場合、手から座面支持体に加わる力は、乳母車を折り畳む方向に作用し、乳母車の折り畳み状態を安定させる。これらの結果、大きな段差を乗り越える場合や急な階段を昇降する場合であっても、乳母車を楽な姿勢で容易に持ち運ぶことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜
図7は本発明による乳母車の一実施の形態を説明するための図である。このうち、
図1〜
図4には、乳母車の全体構成が示されている。
【0018】
乳母車1は、広く普及しているように(例えば、特開2013−244942号公報や特開2007−098995号公報)折り畳み可能に構成されており、
図1〜
図3に示された展開状態から
図4に示された折り畳み状態へ折り畳むことができる。また、乳母車1は、ハンドル20を乳母車1の本体フレーム10に対して揺動させることにより、
図1、2に示す背面押状態と、
図3に示す対面押状態と、を切り換え可能になっている。
【0019】
ここで、本明細書中において、乳母車に対する「前」、「後」、「上」、「下」、「前後方向」、及び「上下方向」の用語は、特に指示がない場合、展開状態にある乳母車1に乗車する乳幼児を基準とした「前」、「後」、「上」、「下」、「前後方向」、及び「上下方向」を意味する。さらに詳しくは、乳母車1の「前後方向」とは、
図1、2における紙面の左下と右上とを結ぶ方向であって、
図3における紙面の左右の方向に相当する。そして、特に指示がない限り、「前」とは、乗車した乳幼児が向く側であり、
図1、2における紙面の左下側並びに
図3における紙面の左側が乳母車1の前側となる。一方、乳母車1の「上下方向」とは前後方向に直交するとともに接地面に直交する方向である。したがって、接地面が水平面である場合、「上下方向」とは垂直方向をさす。また、「幅方向d1」とは横方向であって、「前後方向」及び「上下方向」のいずれにも直交する方向である。
【0020】
まず、乳母車1の全体構成について
図1を参照して説明する。
図1に示すように、乳母車1は、乳母車本体2と、乳母車本体2に装着されたシート50と、を有している。乳母車本体2は、本体フレーム10と、本体フレーム10に揺動可能に取り付けられたハンドル20と、により構成される。本体フレーム10は、それぞれ左右に配置された一対の前脚11と、それぞれ左右に配置された一対の後脚12と、それぞれ左右に配置された一対のアームレスト13と、を有している。前脚11の下端及び後脚12の下端には、それぞれ、前輪16及び後輪17が回転可能に支持されている。また、左右のアームレスト13の前方部分の間に、孤状の屈曲可能なガードアーム18が掛け渡されている。
【0021】
前脚11の上端部分は、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト13の前方部分に回動可能に接続されている。同様に、後脚12の上端部分が、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト13の前方部分に回動可能に接続されている。
【0022】
また、アームレスト13の後方部分は、リンク部材14及び回動ブラケット15を介して、対応する側(左側または右側)に配置された後脚12の中間部分に接続されている。
【0023】
以上のような構成からなる乳母車本体2の本体フレーム10に対し、ハンドル20が揺動可能に接続されている。
図1に示すように、本実施の形態において、ハンドル20は、互いに略平行に延びる略直線状の一対の延出部分21と、一対の延出部分21間を連結する連結部分22と、を含み、全体として略U字状の形状を有している。ハンドル20は、U字の両端部分を対応する側のリンク部材14に回動可能に連結されている。
【0024】
なお、図示された本実施の形態では、幅方向d1に延びる一本の軸部材3が、ハンドル20、リンク部材14及び回動ブラケット15を貫通して、これらを回動可能に保持している。すなわち、ハンドル20のリンク部材14に対する回動軸線は、リンク部材14と回動ブラケット15との回動軸線と一致している。
【0025】
図2に、シート50及びガードアーム18を取外した状態で乳母車1が示されている。
図2に示すように、乳母車本体2は、本体フレーム10に取り付けられたシート支持体30をさらに有している。シート支持体30は、リクライニング可能にシート50を支持する。本実施の形態のシート支持体30は、座面支持体31と、座面支持体31に揺動可能(傾倒可能)に接続された背当支持体32と、を有している。座面支持体31は、乳母車1に乗車した乳幼児の臀部の下方から位置するようになり、背当支持体32は、乳母車1に乗車した乳幼児の背中の背後に位置するようになる。
【0026】
本実施の形態の座面支持体31及び背当支持体32は、全体としてコの字状乃至やや角張った略U字状にそれぞれ形成されている。これらコの字状の座面支持体31とコの字状の背当支持体32とが互いの開放部を向かい合わせるようにして、対応する端部同士が枢着されている。すなわち、背当支持体32は、座面支持体31と接続され、座面支持体31に対して揺動可能となっている。
【0027】
とりわけ、座面支持体31は、一対の側枠31aと、一対の側枠31aを前方で接続する前枠31bと、を有している。一対の側枠31aは、幅方向d1に対向し、前後方向に沿って軸状に延びている。一方、前枠31bは、一対の側枠31aの前端の間を幅方向d1に沿って軸状に延びている。一対の側枠31a及び前枠31bは、単一の材料、例えばアルミニウムからなる金属製のパイプを曲げることによって形成された一体物の部品として構成される。
【0028】
また、各側枠31aは、その後端においてエンド部材31cに固定されている。エンド部材31cは、側枠31aの端部を覆うキャップ状の部材として、例えば樹脂を用いて形成され得る。一対の側枠31a、前枠31b及びエンド部材31cによって、座面支持体31が構成される。
【0029】
背当支持体32は、コの字状に形成された軸状の背当枠32aと、背当枠32aがなすコの字の端部にそれぞれ取り付けられたエンド部材32bと、を有している。背当枠32aは、単一の材料、例えばアルミニウムからなる金属製のパイプを曲げることによって形成された一体物の部品として構成される。一方、エンド部材32bは、背当枠32aの端部を覆うキャップ状の部材として構成されている。
【0030】
図2によく示されているように、リンク部材14及び回動ブラケット15を貫通する前述の軸部材3は、座面支持体31のエンド部材31c及び背当支持体32のエンド部材32bをも貫通している。このようにして、上述したように、背当支持体32が、座面支持体31と接続され、座面支持体31に対して揺動可能となっている。
【0031】
さらに、
図2に二点鎖線で示されているように、一対の側枠31a、前枠31b及び背当枠32aに囲まれた部分に、シート50を背面から支持するようになるベースシート33が張設、言い換えると張った状態で保持されている。ベースシート33は、一対の側枠31a、前枠31b及び背当枠32aにその端部を取り付けられている。ベースシート33のうちの、一対の側枠31a及び前枠31bに保持された部分が、座面支持体31の一部を構成し、背当枠32aに保持された部分が背当支持体32の一部を構成する。
【0032】
ただし、図示されたシート支持体30は、一例にすぎず、種々の態様が想定され得る。例えば、座面支持体31及び背当支持体32が、軸状のフレーム部材ではなく、板状のプレート部材にて構成されていてもよい。
【0033】
このようなシート支持体30に対して、座部51及び背当部52を有したシート50が装着されている。
図1から理解されるように、シート50の座部51は、シート支持体30の座面支持体31によって支持され、乳母車1に乗車する乳幼児の臀部を主として支持する。一方、背当部52は、背当支持体32によって支持され、乳幼児の背中に対面する位置に配置される。シート50は柔軟性をもつため、乳母車1のリクライニング動作や折り畳み動作に伴い、座部51及び背当部52を互いに対して接離させることが可能である。
【0034】
以上のような全体構成を有した乳母車1は、以下のようにして、各構成部材を互いに回動させることにより、折り畳むことができる。
図3に、展開状態にある乳母車1の側面図を示し、
図4に、乳母車1を折り畳んだ状態を示す。
【0035】
図2に示す展開状態において、ハンドル20がリンク部材14に対して固定されると共に、回動ブラケット15もリンク部材14に対して固定されている。これにより、乳母車1の展開状態が維持され、乳母車1を安定して走行させることができる。乳母車1を折り畳む際には、リンク部材14と回動ブラケット15とのロックを解除し、後方位置に配置されたハンドル20をいったん後上方に引き上げ、その後、下方に押し下げる。ハンドル20の動作に伴い、リンク部材14及び回動ブラケット15が後脚12から離間し、回動ブラケット15は、後脚12に対し
図3において時計回り方向に回動する。また、この動作にともなって、アームレスト13及び座面支持体31はリンク部材14に対し
図3において時計回り方向に回動する。換言すれば、アームレスト13及び座面支持体31は、その前方部分が上方に持ち上がるように回動する。
【0036】
図4に示すように、このような操作により、側面視においてハンドル20と前脚11とが略平行に配置されるとともにハンドル20の配置位置が下げられ、乳母車1を折り畳むことができる。
図4の折り畳まれた状態では、乳母車1の前後方向及び上下方向に沿った寸法を小型化することができる。なお、乳母車1を折り畳み状態から展開するには、上述した折り畳み操作と逆の手順を踏めばよい。
【0037】
さて、乳母車1を持ち運ぶ際には、乳母車1を折り畳んでコンパクトにした状態で持ち運ぶのが都合がよい。従来のように、ハンドル20の連結部分22に一方の腕を掛けて持ち運ぶ場合、連結部分22の高さやハンドル20のがたつきのせいで、乳母車1を容易に持ち上げることができない。そこで、本実施の形態の乳母車1には、座面支持体31の前方部分に持ち手60が設けられている。
【0038】
図5に、シート50を取外した状態で持ち手60を拡大して示す。
図5に示すように、持ち手60は、座面支持体31に保持されている。とりわけ、
図5に示す乳母車1の展開状態では、持ち手60は、座面支持体31から前方に突出している。
【0039】
図5に示す持ち手60は、幅方向d1に間隔を空けて座面支持体31に取り付けられた一対の基端部分61と、一対の基端部分61の間に掛け渡された本体部分62と、を含んでいる。このうち、各基端部分61は、筒状に形成されており、各基端部分61内に座面支持体31の前枠31bが挿入されている。前枠31bが筒状の基端部分61内を貫通することで持ち手60を保持している。ただし、各基端部分61は、前枠31bに固定されておらず、当該前枠31bに沿って多少位置をずらすことが可能である。
【0040】
とりわけ、
図5に示す例では、前枠31bを挿入された一対の基端部分61の間に、ベースシート33の前枠31bに保持された部分33aが位置している。この場合、各基端部分61が、ベースシート33の前枠31bに保持された部分33aと、側枠31aと、の間でその移動範囲を規制されることになる。このため、各基端部分61の位置が安定し持ち手60を握りやすくなる。
【0041】
本体部分62は、帯状の形状をもち、一対の基端部分61の間をコの字状に延びている。
図5に示す乳母車1の展開状態において、本体部分62は、座面支持体31の前枠31bよりも前方に位置し、当該前枠31bとの間に手を挿入するための空間を形成している。
【0042】
図6に、シート50を取り付けた状態で持ち手60を拡大して示す。
図6から理解されるように、展開状態にある乳母車1を上方から観察したときに、持ち手60は、シート50の座部51に重なる位置に位置している。すなわち、乳母車1の展開状態において、持ち手60は、シート50によって隠れる位置に位置している。
【0043】
図5及び
図6に示す持ち手60をなす基端部分61及び本体部分62は、柔軟性をもつ材料にて構成されている。一例として、基端部分61及び本体部分62は、天然の素材や合成繊維の素材からなるベルト状の部材からなってもよい。
【0044】
また、持ち手60の寸法の一例について言及すれば、持ち手60をなすベルト材の幅W1は、例えば15mm〜60mm程度に設定される。持ち手60の握り易さを考慮すると、持ち手60の幅方向d1における長さL1は、例えば座面支持体31の幅方向d1における長さL2の0.5倍〜0.9倍程度、具体的な値としては50mm〜300mm程度に設定される。また、持ち手60への手の挿入し易さを考慮すると、持ち手60を引き延ばした状態において、本体部分62が前枠31bから離間する距離D1は、例えば30mm〜100mm程度に設定される。
【0045】
次に、以上のような構成からなる持ち手60の使用方法について
図7を参照して説明する。
図7は、折り畳み状態にある乳母車1を持ち上げるようすを示す側面図である。
【0046】
図7に示す折り畳み状態において、持ち手60は、シート50の座部51から露出すると共に、座面支持体31から上方に突出している。また、
図7に示す折り畳み状態において、持ち手60は、ハンドル20の連結部分22及びガードアーム18よりも下方に位置している。
【0047】
図7に示すように、先ず、乳母車1を利用者の横に配置して、乳母車1の後脚12側つまり背面側を利用者に向ける。そして、乳母車1とは反対側となる腕で乳幼児を抱き抱える。次に、ハンドル20の連結部分22を利用者の脇の間に挿入するようにして、持ち手60に手を近づける。続いて、乳母車1を脇の下に抱えるようにして膝を折り曲げ、持ち手60を握る。
【0048】
その後、曲げた膝を伸ばすと共に、乳母車1を持ち上げる。このとき、持ち手60は、ハンドル20の連結部分22及びガードアーム18よりも低い位置に位置するため、乳母車1を持ち上げたときに、相当な高さまで乳母車1を容易に浮かせることができる。
【0049】
その上、
図7から理解されるように、乳母車1を持ち上げるときに、持ち手60を引上げる力は、乳母車1の上方且つ後方に向かう方向の力となる。この持ち手60を引上げる力は、
図7に示す矢印Y方向(
図3に示す方向と一致)からみたときに、座面支持体31を時計回りに回動させるように作用する。上述のように、座面支持体31を時計回り方向に回動させる力は、乳母車1を折り畳む方向に作用する。すなわち、持ち手60を握って乳母車1を持ち上げる場合、手から座面支持体31に加わる力が乳母車1を折り畳む方向に作用するため、乳母車1の折り畳み状態を安定させることができる。この結果、乳母車1を容易に持ち上げることが可能となる。
【0050】
以上のように、本実施の形態によれば、座面支持体31に持ち手60が取り付けられている。このような形態によれば、乳母車1を折り畳んだ状態において、持ち手60がハンドル20の連結部分22よりも低い位置に位置するため、乳母車1を持ち上げたときに、相当な高さまで乳母車1を浮かせることができる。その上、持ち手60を握って乳母車1を持ち上げる場合、手から座面支持体31に加わる力は、乳母車1を折り畳む方向に作用し、乳母車1の折り畳み状態を安定させる。これらの結果、大きな段差を乗り越える場合や急な階段を昇降する場合であっても、乳母車1を楽な姿勢で容易に持ち運ぶことが可能となる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、持ち手60は、折り畳み状態において座面支持体31から上方に突出する。この場合、乳母車1を持ち上げるときに、持ち手60を握り易い。
【0052】
また、本実施の形態によれば、座面支持体31は、幅方向d1に対向する一対の側枠31aと、一対の側枠31aを前方で接続する前枠31bと、を有し、持ち手60は、前枠31bに保持されている。この場合、乳母車1の幅方向d1においてバランスのよい位置で、持ち手60を座面支持体31に取り付けることができる。結果として、乳母車1をバランスよく持ち上げることに寄与する。
【0053】
また、本実施の形態によれば、持ち手60は、幅方向d1に間隔を空けて座面支持体31に取り付けられた一対の基端部分61と、一対の基端部分61に掛け渡された本体部分62と、を含む。この場合、本体部分62が安定した状態で一対の基端部分61に保持されることから、乳母車1を持ち上げるときに、持ち手60に力を加え易い。
【0054】
また、本実施の形態によれば、折り畳み状態において、持ち手60は、ガードアーム18よりも下方に位置している。この場合、持ち手60の高さ方向の位置が一層手の掛け易い位置となる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、展開状態にある乳母車1を上方から観察したときに、持ち手60は、シート50の座部51に重なっている。この場合、乳母車1の展開状態において、持ち手60をシート50で隠すことができるため、持ち手60がシート50からはみ出すことによる不具合を防止することができる。また、外観の面でも優れる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、本体部分62は、柔軟性をもつベルト状の部材からなる。この場合、持ち手60を軽量且つ丈夫に構成することに寄与する。
【0057】
なお、持ち手60は、本体部分62が帯状のベルト材からなる例に限定されない。
図8及び
図9に、持ち手60の他の例を示す。
図8及び
図9に示す例でも、持ち手60は、幅方向d1に間隔を空けて座面支持体31に取り付けられた一対の基端部分61と、一対の基端部分61に掛け渡された本体部分62と、を含んでいる。各基端部分61は、座面支持体31の前枠31bに固定され、本体部分62がピン63を介して基端部分61に枢着されている。
【0058】
乳母車1を持ち運ぶときには、
図8に示す使用状態まで持ち手60を旋回させて、持ち手60を利用することになる。
図8に示す使用状態において、本体部分62は、座面支持体31の前枠31bよりも前方に突出する。
【0059】
これに対して、持ち手60を使用しないときには、
図9に示す収納状態まで持ち手60を旋回させて、持ち手60を座面支持体31の下に収納する。
図9に示す収納状態において、本体部分62は、座面支持体31の下側に位置するまで折り畳まれる。
【0060】
このように、本体部分62を基端部分61に対して旋回させることで、使用状態において本体部分62を持ち易くする一方で、持ち手60を使用しないときには持ち手60を座面支持体31の下に収納することができる。この結果、持ち手60の利便性が向上する。