【実施例1】
【0021】
[全体構成]
図1は、実施例1に係る情報処理装置が実行する処理の一例を説明する図である。
図1に示す情報処理装置10は、個人に対して付与される一意の個人番号であるマイナンバーを管理する情報処理装置である。また、情報処理装置10は、クライアント100が利用する業務システム110と、クライアント200が使用する業務システム210とインターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続される。
【0022】
一方、業務システム110は、例えば、クライアント100に所属する従業員の従業員番号や人事情報等の個人情報を含む帳票データを管理するシステムである。例えば、業務システム110は、例えば、従業員の氏名、住所、給与、基礎年金、厚生年金、健康保険、給与所得者の扶養控除(異動)申告、源泉徴収、被保険者資格等の各種個人情報を管理するシステムである。また、業務システム110は、管理対象となる個人情報を用いて、給与支払い情報、社会保険等の資格情報の変更等の各関係機関に報告する際に用いられる帳票を作成し、出力するシステムである。
【0023】
例えば、
図1に示す例では、業務システム110は、従業員の氏名と従業員番号と在籍期間等を対応付けた帳票データを有する。そして、業務システム110は、従業員番号をキーコードとして、処理の対象となる従業員の帳票データを特定し、各種処理を実行する。
【0024】
ここで、クライアント100には、2010年10月10日から2013年9月10日までの間、氏名が「シメイ3」である従業員が所属しており、従業員番号「123456」が付与されていたものとする。また、クライアント100には、2014年1月1日から、氏名が「シメイ4」である従業員が所属しており、氏名「シメイ3」の従業員が使用していた従業員番号と同一の従業員番号「123456」が付与されているものとする。
【0025】
一方、業務システム210は、業務システム110と同様に、クライアント200に所属する従業員の帳票データを管理するシステムである。例えば、
図1に示す例では、業務システム210は、従業員の氏名と健康保険証番号等を対応付けた帳票データを有し、健康保険者番号をキーコードとして、処理の対象となる従業員の帳票データを特定し、各種処理を実行する。
【0026】
ここで、クライアント200には、氏名が「シメイ1」の従業員が在籍しており、健康保険証番号が「1212000001」であるものとする。また、クライアント200には、氏名が「シメイ2」の従業員が在籍しており、健康保険証番号が「1212000002」であるものとする。
【0027】
また、各業務システム110、210が帳票を出力する場合には、各個人のマイナンバーが帳票上に付与されて出力される。しかしながら、マイナンバーは、個人を特定する一意に特定することができる番号であるため、一般的な業務システムよりもセキュリティが強固なシステムにより管理されるのが望ましい。また、マイナンバーの目的外利用が禁止される場合は、業務システム上でマイナンバーを登録することができなくなる場合がある。
【0028】
また、業務システム110、210以外にも、帳票を出力するシステムや、マイナンバーに基づいて個人情報を管理するポータルサイトや、病院のカルテを統合するシステム等、様々なシステムがマイナンバーを利用すると考えられる。このため、マイナンバーを管理する管理システムがマイナンバーを一元管理し、様々な業務システムからの要求に応じてマイナンバーを配信することで、汎用的にマイナンバーの利用を図るのが望ましい。
【0029】
しかしながら、マイナンバーを利用するシステムは、それぞれ異なる情報をキーコードとして、個人の情報を特定する。例えば、業務システム110は、従業員番号をキーコードとして帳票データを特定し、業務システム210は、健康保険証番号をキーコードとして帳票データを特定する。他にも、基礎年金番号、厚生年金番号、受給者番号等がキーコードとして使用される場合もある。このため、マイナンバーの管理システムは、業務システム110、210からマイナンバーの検索クエリとして、キーコードとなる情報を受信したとしても、一律の処理ではマイナンバーを特定できない。
【0030】
また、退職者の従業員番号を新たな従業員に割り振る運用も考えられるため、個人情報を特定するキーコードは、完全な一意性を保つものではない。また、マイナンバーを紛失した場合には、新たなマイナンバーが付与されるため、マイナンバーも完全な一意性を保つものとは言えない場合がある。
【0031】
[情報処理装置10が実行する処理]
そこで、情報処理装置10は、以下の処理を実行する。例えば、情報処理装置10は、各業務システム110、210が出力する帳票の種別である帳票種別と、かかる帳票を作成する際にキーコードとして用いられる情報の種別を示す識別区分とを対応付けた識別区分管理テーブル14を有する。
【0032】
ここで、識別区分管理テーブル14には、識別区分の名称である識別区分名称と、キーコードとして用いられる情報が送信される情報のどこに格納されているかを示す領域とが対応付けて格納される。なお、
図1に示す例では、帳票種別として、「種別A」といった概念的な値を記載したが、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0033】
また、情報処理装置10は、識別区分と、キーコードと、マイナンバーと、キーコードまたはマイナンバーの有効期間の開始日である有効開始日付と、キーコードまたはマイナンバーの有効期間の終了日である有効終了日付とを対応付けたマイナンバー情報テーブル15を有する。
【0034】
一方、業務システム110は、帳票を作成する場合、帳票を作成する際に用いるキーコードである従業員番号を含む帳票データと、作成する帳票の種別である帳票種別とを情報処理装置10に送信する(ステップS1)。かかる場合、情報処理装置10は、識別区分を識別区分管理テーブル14から特定する(ステップS2)。例えば、情報処理装置10は、業務システム110から帳票種別「種別A」を受信した場合は、帳票種別「種別A」と対応付けられた帳票区分「123」と、識別区分名称「従業員番号」、領域「5、6」を特定する。ここで、領域「5、6」とは、帳票データのうち、先頭から「5」桁目から「6」桁分のデータがキーコードである旨を示す。
【0035】
続いて、情報処理装置10は、特定した識別区分と、受信したキーコードとに対応付けられたマイナンバーをマイナンバー情報テーブル15から検索する(ステップS3)。例えば、情報処理装置10は、業務システム110から受信したデータから、領域が示す範囲のデータをキーコードとして抽出する。そして、情報処理装置10は、特定した識別区分「123」と、抽出したキーコードとに対応付けられたマイナンバーを検索する。例えば、情報処理装置10は、抽出したキーコードが「123456」であった場合は、識別区分「123」とキーコード「123456」に対応付けられたマイナンバー「12345678902」、「12345678904」を特定する。
【0036】
ここで、クライアント100においては、氏名が「シメイ3」の従業員と、氏名が「シメイ4」の従業員とに従業員番号「123456」が付与されている。そこで、情報処理装置10は、検索されたマイナンバーのうち、出力される帳票の基準日が有効期間内に含まれるマイナンバーを特定する(ステップS4)。ここで、基準日とは、対応付けられた帳票種別の帳票を作成する際に基準となる日時である。
【0037】
例えば、情報処理装置10は、2011年3月31日における帳票を出力する場合は、2011年3月31日を基準日とし、2011年3月31日が有効期間内に含まれるマイナンバーを特定する。
図1に示す例では、情報処理装置10は、有効開始日付「2010/10/10」から有効終了日付「2013/9/10」に、基準日「2011/3/31」が含まれるマイナンバー「12345678902」を特定する。
【0038】
一方、情報処理装置10は、帳票を出力する時点における帳票、例えば、2014年3月31日における帳票を出力する場合は、有効開始日付が「2014/1/1」であるマイナンバー「12345678904」を特定する。なお、かかる基準日は、情報処理装置10が所定の条件により自動で設定してもよく、業務システム110、210からの指示に応じて設定されてもよい。
【0039】
そして、情報処理装置10は、特定したマイナンバーを業務システム110から受信した行表データに付し、業務システム110に出力する(ステップS5)。この結果、業務システム110は、各従業員のマイナンバーを付した帳票データを出力する。
【0040】
例えば、業務システム110は、2011年3月31日における帳票を出力する場合は、2011年3月31日において従業員番号「123456」が付与されていた氏名「シメイ3」の帳票に、マイナンバー「12345678902」を付与して出力する。一方、業務システム110は、2014年1月1日における帳票を出力する場合は、2014年1月1日において従業員番号「123456」が付与されていた氏名「シメイ4」の帳票に、マイナンバー「12345678904」を付与して出力する。
【0041】
また、情報処理装置10は、業務システム210から、健康保険証番号を含む帳票データと、帳票種別「種別C」とを受信する(ステップS6)。かかる場合、情報処理装置10は、識別区分管理テーブル14から、帳票種別「種別C」と対応付けられた識別区分「113」、識別区分名称「健康保険証番号」、領域「6、10」を特定する。また、情報処理装置10は、特定した領域を用いて、受信した帳票データから健康保険証番号「1212000001」、「1212000002」をキーコードとして抽出する。
【0042】
そして、情報処理装置10は、マイナンバー情報テーブル15から、抽出した健康保険証番号「1212000001」と識別区分「113」とに対応付けられたマイナンバー「123456789103」を特定する。また、情報処理装置10は、マイナンバー情報テーブル15から、抽出した健康保険証番号「1212000002」と、識別区分「113」とに対応付けられたマイナンバー「123456789101」を特定する。そして、情報処理装置10は、特定したマイナンバーを帳票データに付し、業務システム210に出力する。
【0043】
このように、情報処理装置10は、受付けたキーコードの種別を特定し、特定した種別のキーコードに対応するマイナンバーを特定する。このため、情報処理装置10は、各業務システム110、210からそれぞれ異なる種別のキーコードを受付けた場合にも、受付けたキーコードからマイナンバーを特定することができる。
【0044】
[情報処理装置の機能構成]
続いて、
図2を用いて、情報処理装置10の機能構成の一例を説明する。
図2は、実施例1に係る情報処理装置が有する機能構成の一例を説明する図である。
図2に示す例では、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、制御部13を有する。また、記憶部12は、識別区分管理テーブル14、マイナンバー情報テーブル15、入力データ記憶領域16を記憶する。
【0045】
また、制御部13は、入力データ受信部17、識別区分特定部18、基準日取得部19、キーコード特定部20、マインナンバー取得部21、帳票データ出力部22を有する。なお、
図2に示す例では、情報処理装置10は、ネットワークNを介して、業務システム110、210と接続されているが、他にも任意の業務システムと接続され、各業務システムに対してマイナンバーを出力してもよい。
【0046】
通信部11は、ネットワークNを介した有線または無線通信により、情報処理装置10と業務システム110、210との間の通信を制御する。なお、通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0047】
記憶部12は、各種情報を記憶する記憶装置であり、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。なお、情報処理装置10は、クラウドサーバやデータサーバ等、外部のサーバに識別区分管理テーブル14、マイナンバー情報テーブル15、入力データ記憶領域16を設けてもよい。
【0048】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0049】
識別区分管理テーブル14は、各業務システム110、210が生成する帳票の種類と識別区分とが対応付けて格納されている。例えば、
図3は、実施例1に係る識別区分管理テーブルの一例を説明する図である。
図3に示す例では、識別区分管理テーブル14は、帳票種別、識別区分、識別区分名称、領域が対応付けて登録されている。なお、識別区分管理テーブル14には、
図3に示す情報以外にも、任意の数の情報が登録されていてもよい。
【0050】
例えば、識別区分管理テーブル14には、帳票種別「給与所得者の不要控除等(異動)申告書」と、識別区分「111」と、識別区分名称「従業員番号」と、領域「5、6」が対応付けて登録されている。かかる情報は、例えば、「給与所得者の不要控除等(異動)申告書」の帳票を作成する際には、識別区分が「111」で表される「従業員番号」がキーコードである旨を示す。また、かかる情報は、「従業員番号」が、業務システムから送信される帳票データの先頭から「5」桁目を先頭とする「6」桁の情報である旨を示す。
【0051】
他にも、識別区分管理テーブル14には、帳票種別「源泉徴収票」と、識別区分「112」と、識別区分名称「受給者番号」と、領域「6、10」とが対応付けて登録されている。また、識別区分管理テーブル14には、帳票種別「被保険者資格喪失届」と、識別区分「113」と、識別区分名称「健康保険証番号」と、領域「6、10」とが対応付けて登録されている。また、識別区分管理テーブル14には、帳票種別「厚生年金保険 被保険者住所変更届」と、識別区分「114」と、識別区分名称「厚生年金番号」と、領域「7、8」とが対応付けて登録されている。
【0052】
図2に戻り、マイナンバー情報テーブル15は、マイナンバーと、キーコードと、キーコードの種別とが対応付けて登録される。例えば、
図4は、実施例1に係るマイナンバー情報テーブルの一例を説明する図である。
図4に示す例では、マイナンバー情報テーブル15には、識別区分、キーコード、マイナンバー、有効開始日付、有効終了日付、氏名、住所、性別といった情報が対応付けて登録される。なお、マイナンバー情報テーブル15には、
図4に示す情報以外にも、任意の種別の情報や、他のマイナンバー等が登録されているものとする。
【0053】
ここで、
図4に示す例では、識別区分「113」とキーコード「1212000003」との組に、二つのマイナンバー「333333333333」、「555555555555」が対応付けられている。かかる情報は、「氏名3」で表される個人がマイナンバー「333333333333」を紛失し、2014年6月1日から新たなマイナンバー「555555555555」が付与されたことにより登録された情報である。
【0054】
また、
図4に示す例では、識別区分「123」とキーコード「112233」と対応付けられた2つのマイナンバー「222222222222」、「444444444444」が登録されている。かかる情報は、異なる二人の個人(「氏名2」および「氏名4」で表される個人)に同一のキーコードが使いまわされた結果、登録された情報である。
【0055】
図2に戻り、入力データ記憶領域16は、業務システム110、210から受信した帳票データを一時的に記憶するための領域である。例えば、
図5は、実施例1に係る情報処理装置が受信する帳票データの一例を説明する図である。
図5に示す例では、帳票データには、事業所番号、健康保険証番号、被保険者氏名(カナ)、被保険者氏名(漢字)、生年月日、郵便番号等の情報が登録されている。ここで、事業者番号とは、帳票データの送信元となる業務システムを識別するための番号である。なお、帳票データには、
図5に示す情報以外にも、任意の種別の情報や、任意の数の情報が含まれていてもよい。
【0056】
例えば、
図5に示す帳票データには、事業者番号「12345」、健康保険証番号「1212000001」、被保険者氏名(カナ)「シメイ1」、被保険者氏名(漢字)「氏名1」、生年月日「19990101」、郵便番号「111−1234」等が対応付けて格納されている。
【0057】
図2に戻り、説明を続ける。入力データ受信部17は、各業務システム110、210から出力された帳票データを受信する。かかる場合、入力データ受信部17は、受信した帳票データを入力データ記憶部16に登録する。
【0058】
識別区分特定部18は、業務システムが生成する帳票の種別と対応付けられた識別情報の種別である識別区分を特定する。例えば、識別区分特定部18は、帳票データの送信元となる業務システムから、帳票種別の指定を受付ける。かかる場合、識別区分特定部18は、受付けた帳票種別と対応付けられた識別区分、識別区分名称、領域を識別区分管理テーブル14から特定する。
【0059】
例えば、識別区分特定部18は、業務システム110から帳票種別「被保険者資格喪失届」の指定を受付ける。かかる場合、識別区分特定部18は、
図3に示す識別区分管理テーブル14から、帳票種別「被保険者資格喪失届」と対応付けられた識別区分「113」、識別区分名称「健康保険証番号」、領域「6、10」を特定する。
【0060】
基準日取得部19は、帳票を作成する基準日を特定する。例えば、基準日取得部19は、業務システム110から帳票を作成する日時が指定されている場合は、かかる日時を基準日とする。また、基準日取得部19は、帳票を作成する日時が指定されていない場合は、帳票を作成する日時を基準日とする。
【0061】
キーコード特定部20は、業務システム110、210から受信したデータからキーコードを特定して取得する。例えば、キーコード特定部20は、識別区分特定部18が領域「6、10」を特定した場合は、入力データ記憶領域16に登録された帳票データの先頭から「6」桁目から始まる「10」桁の情報を特定する。より詳細な例を説明すると、キーコード特定部20は、
図5に示す帳票データが入力データ記憶領域16に登録されている場合、帳票データの「6」桁目から始まる「10」桁の情報、すなわち、10桁の健康保険証番号「1212000001」を特定する。
【0062】
マイナンバー取得部21は、識別区分特定部18が特定した識別区分と、キーコード特定部20が特定したキーコードとに対応付けられたマイナンバーをマイナンバー情報テーブル15から特定する。また、マイナンバー取得部21は、特定したマイナンバーのうち、基準日取得部19が取得した基準日を、対応付けられた有効期間内に含むマイナンバーを特定する。具体的には、マイナンバー取得部21は、特定したマイナンバーのうち、有効開始日付が基準日よりも前であって、かつ、有効終了日付が基準日よりも後または有効終了日付が登録されていないマイナンバーを取得する。
【0063】
例えば、マイナンバー取得部21は、識別区分「113」、キーコード「1212000001」、基準日「2014/9/1」が特定された場合は、
図4に示すマイナンバー情報テーブル15から、マイナンバー「111111111111」を取得する。
【0064】
一方、マイナンバー取得部21は、識別区分「113」、キーコード「1212000003」、基準日「2014/9/1」が特定された場合は、以下の処理を実行する。まず、マイナンバー取得部21は、
図4に示すマイナンバー情報テーブル15から、マイナンバー「333333333333」および「555555555555」を特定する。ここで、マイナンバー「333333333333」は、有効開始日付「2014/01/01」が基準日「2014/9/1」よりも前であるが、有効終了日付「2014/5/31」が基準日「2014/9/1」よりも前である。このため、マイナンバー取得部21は、マイナンバー「333333333333」を取得対象から除外する。
【0065】
一方、マイナンバー「555555555555」は、有効開始日付「2014/06
/01」が基準日「2014/9/1」よりも前であり、かつ、有効終了日付が登録されていない。すなわち、マイナンバー「555555555555」は、基準日「2014/9/1」において有効なマイナンバーである。このため、マイナンバー取得部21は、キーコード「1212000003」と対応するマイナンバーとして、マイナンバー「555555555555」を取得する。
【0066】
また、マイナンバー取得部21は、マイナンバー情報テーブル15からマイナンバーを取得すると、入力データ記憶領域16に登録された帳票データに取得したマイナンバーを付与する。例えば、
図6は、実施例1に係る情報処理装置が帳票データにマイナンバーを付与する処理の一例を説明する図である。
図6に示すように、マイナンバー取得部21は、帳票データに含まれる健康保険証番号に取得したマイナンバーを対応付けて登録する。
【0067】
図2に示すように、帳票データ出力部22は、マイナンバーを業務システム110、210に出力する。例えば、帳票データ出力部22は、入力データ記憶領域16に格納された帳票データにマイナンバーが登録された場合は、かかる帳票データを送信元となる業務システムに対して送信する。
【0068】
[情報処理装置が実行する処理の流れ]
次に、
図7を用いて、情報処理装置10が実行する処理の流れについて説明する。
図7は、実施例1に係る情報処理装置が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
図7に示すように、情報処理装置10は、業務システム110、210から帳票データを取得する(ステップS101)。次に、情報処理装置10は、受信した帳票データに含まれるキーコードの識別区分を識別区分管理テーブル14から特定する(ステップS102)。続いて、情報処理装置10は、基準日を取得する(ステップS103)。
【0069】
また、情報処理装置10は、帳票データからキーコードを取得し(ステップS104)、取得したキーコードと特定した識別区分と基準日とを用いて、マイナンバー情報テーブル15からマイナンバーを取得する(ステップS105)。そして、情報処理装置10は、取得したマイナンバーを帳票データに付与する(ステップS106)。
【0070】
ここで、情報処理装置10は、帳票データに含まれる全キーコードに対応するマイナンバーを全て取得したか否かを判定し(ステップS107)、取得していない場合は(ステップS107:No)、ステップS104を実行する。また、情報処理装置10は、帳票データに含まれる全てのキーコードに対応するマイナンバーを取得した場合は(ステップS107:Yes)、帳票データを送信元の業務システムに出力し(ステップS108)、処理を終了する。
【0071】
[実施例1の効果]
このように、情報処理装置10は、マイナンバーと、各業務システム110、210上で個人を特定する際に用いられるキーコードと、キーコードの種別とを対応付けて記憶する。また、情報処理装置10は、業務システム110、210からキーコードを受信した場合は、受信したキーコードの種別を特定する。そして、情報処理装置10は、受信したキーコードと、特定したキーコードの種別とに対応付けられたマイナンバーを取得し、取得したマイナンバーを業務システム110、210に出力する。
【0072】
このため、情報処理装置10は、複数の業務システムがキーコードとして用いる情報の種別が異なる場合にも、各業務システムが管理する任意の情報をキーコードとして、適切なマイナンバーを特定できる。また、各業務システム110、210は、帳票データを情報処理装置10に出力すればマイナンバーを取得できるので、独自にマイナンバーを管理するよりも、システムの更新に要する手間を削減することができる。
【0073】
また、情報処理装置10は、マイナンバー又はキーコードの有効期間をさらに記憶する。そして、情報処理装置10は、キーコードの値と特定したキーコードの種別とに対応付けられたマイナンバーのうち、所定の条件を満たすマイナンバーを取得する。例えば、情報処理装置10は、所定の条件として、業務システム110、210が指定した日付を有効期間内に含むマイナンバーや、マイナンバーを取得する時点で有効期間が終了していないマイナンバーを取得する。
【0074】
このため、情報処理装置10は、従業員番号が使いまわされている場合や、マイナンバーの紛失により新たなマイナンバーが付与された場合等にも、正しいマイナンバーを出力することができる。例えば、情報処理装置10は、同一の従業員番号が使いまわされていても、退職した従業員の帳票を出力する場合と、現在所属している従業員の帳票を出力する場合とで、同一の従業員番号から各従業員のマイナンバーを出力できる。
【0075】
また、情報処理装置10は、各業務システム110、210が生成する帳票の種別と、各業務システム110、210が帳票を生成する際に用いるキーコードの種別とを対応付けて記憶する。そして、情報処理装置10は、キーコードの送信元となる業務システムが生成する帳票の種別と対応付けられたキーコードの種別を特定する。
【0076】
このため、情報処理装置10は、帳票の種別ごとに、業務システム110、210が使用するキーコードの識別区分が異なる場合にも、キーコードの識別区分を適切に特定することができるので、マイナンバーを適切に出力することができる。また、情報処理装置10は、識別区分ごとにキーコードを登録する領域をマイナンバー情報テーブル15に設けずとも、マイナンバーを特定することができるので、マイナンバー情報テーブル15のテーブルのサイズを削減することができる。また、情報処理装置10は、識別区分が増えた場合にも、マイナンバー情報テーブル15を更新しなくてよいので、マイナンバーの管理をより容易に行うことができる。
【0077】
また、情報処理装置10は、各業務システム110、210が帳票を生成する際に用いるキーコードを記憶する。このため、情報処理装置10は、帳票作成時に付与すべきマイナンバーを正確に出力することができる。
【実施例2】
【0078】
これまで本発明の実施例について説明したが、実施例は、上述した実施例以外にも様々な異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0079】
[キーコードの種別を特定する処理について]
上述した実施例1では、情報処理装置10は、帳票を作成する際にキーコードとなる情報の識別区分と、帳票種別とを対応付けた識別区分管理テーブル14を有し、業務システム110、210が生成する帳票の帳票種別と対応する識別区分を特定した。しかしながら、実施例は、これに限定されるものではない。すなわち、情報処理装置10は、業務システム110、210が情報を特定する際に用いるキーコードの種別を特定することができるのであれば、任意の手段を採用することができる。
【0080】
例えば、情報処理装置10は、業務システム110、210が生成する帳票の種別、業務システム110、210が管理する帳票データの内容等から、キーコードの識別区分を予測してもよい。また、情報処理装置10は、帳票データの内容やキーコードの種別から、キーコードの領域を予測してもよい。
【0081】
また、情報処理装置10は、各業務システム110、210と、各業務システム110、210が用いるキーコードの識別区分とを対応付けて記憶し、帳票データの送信元となる業務システム110と対応付けられたキーコードの識別区分を特定する。そして、情報処理装置10は、特定した識別区分と、キーコードの値とに対応付けられたマイナンバーを取得し、業務システム110に送信してもよい。
【0082】
例えば、
図8は、実施例2に係る識別区分管理テーブルの一例を説明する図である。
図8に示すように、実施例2に係る識別区分管理テーブル14aには、会社コード、識別区分、識別区分名称、領域が対応付けて登録される。ここで、会社コードとは、帳票データの送信元となる業務システムを使用するクライアントの識別番号であり、業務システムを特定するために用いられる識別番号でもある。
【0083】
図8に示す例では、識別区分管理テーブル14aには、会社コード「1234」、識別区分「111」、識別区分番号「従業員番号」、領域「5、6」が対応付けて登録される。かかる情報は、会社コード「1234」で示されるクライアントが使用する業務システムが、識別区分「111」で示される「従業員番号」をキーコードとして利用する旨を示す。
【0084】
かかる識別区分管理テーブル14aを有する場合、情報処理装置10は、以下の処理を実行する。例えば、情報処理装置10は、業務システム110から、会社コード「1234」とキーコードである従業員番号「123456」とを含む帳票データ「1234123456・・・」とを受信する。かかる場合、情報処理装置10は、帳票データ「1234123456・・・」の先頭4桁を会社コードと見做し、会社コードと対応付けられた識別区分、識別区分名称、および領域を識別区分管理テーブル14aから特定する。すなわち、情報処理装置10は、帳票データの送信元となる業務システムと対応付けられた識別区分を特定する。
【0085】
ここで、識別区分管理テーブル14aには、会社コード「1234」と対応付けて、領域「5、6」が登録されている。このため、情報処理装置10は、帳票データ「1234123456・・・」の5桁目を先頭とする6桁のデータ「123456」をキーコードとして取得する。
【0086】
続いて、情報処理装置10は、取得したキーコードと特定した識別区分とに対応付けられたマイナンバーを特定する。例えば、
図9は、実施例2に係るマイナンバー情報テーブルの一例を説明する図である。
図9に示すように、実施例2に係るマイナンバー情報テーブル15aには、識別区分「111」およびキーコード「123456」と対応付けられた2つのマイナンバー「123456789102」、「123456789104」が登録されている。
【0087】
そこで、情報処理装置10は、マイナンバー「123456789102」、「123456789104」のうち、基準日が所定の条件を満たすマイナンバーを取得する。例えば、情報処理装置10は、2014年10月1日における帳票を作成する場合、2014年10月1日を有効期間内に含むマイナンバー「123456789104」を取得する。そして、情報処理装置10は、取得したマイナンバー「123456789104」を帳票データの送信元となる業務システム110に送信する。
【0088】
一方、情報処理装置10は、例えば、業務システム210から帳票データ「222211234567890・・・」を受信した場合、帳票データの先頭4桁「2222」を会社コードとする。そして、情報処理装置10は、会社コード「2222」と対応付けられた識別区分「113」、識別区部名称「健康保険証番号」、領域「6、10」を
図8に示す識別区分管理テーブル14aから取得する。
【0089】
かかる場合、情報処理装置10は、帳票データ「222211234567890・・・」の6桁目から始まる10桁のデータ「1234567890」をキーコードとする。そして、情報処理装置10は、識別区分「113」とキーコード「1234567890」と対応付けられたマイナンバー「12345678905」、「12345678906」を取得する。
【0090】
そして、情報処理装置10は、マイナンバー「12345678905」、「12345678906」のうち、有効期間が基準日を含むマイナンバーを取得する。例えば、情報処理装置10は、2010年1月1日から2014年1月31までの期間内に基準日が含まれる場合は、マイナンバー「12345678905」を選択する。一方、情報処理装置10は、基準日が2014年2月1日以降の場合は、マイナンバー「12345678906」を選択する。
【0091】
このように、情報処理装置10は、業務システムと、業務システムが用いるキーコードの識別区分とを対応付けて記憶し、帳票データの送信元となる業務システムと対応付けられた識別区分を特定する。このため、情報処理装置10は、業務システムごとにキーコードの種別が異なる場合にも、マイナンバーを特定することができる。
【0092】
なお、上述した例では、識別区分を帳票種別または業務システムと対応付けて記憶する例について記載したが、実施例は、これに限定されるものではない。すなわち、情報処理装置10は、業務システムが帳票データを特定する際に使用するキーコードの種別を特定することができるのであれば、任意の情報と識別区分とを対応付けて記憶することができる。
【0093】
[キーコードの種別について]
上述した例では、情報処理装置10は、識別区分として、従業員番号、受給者番号、基礎年金番号、厚生年金番号、健康保険証番号等を記憶していたが、実施形態は、これに限定されるものではない。すなわち、情報処理装置10は、業務システム110、210が使用する任意のキーコードの識別区分を記憶して良い。例えば、情報処理装置10は、業務システム110が独自に使用するキーコードに所定の識別区分を割り当てて記憶してもよい。また、情報処理装置10は、業務システム110、210等、業務に係るシステム以外にも、在学生の情報を管理する在学生管理システムや、その他個人情報を管理する任意のシステムに対して、キーコードに対応するマイナンバーを出力してもよい。
【0094】
また、情報処理装置10は、複数の業務システム110、210が共通して使用するキーコードに同一の識別区分を割り当てて記憶することで、複数の業務システム110、210が共通して情報を管理する個人に対し、同一のマイナンバーを付与してもよい。
【0095】
また、情報処理装置10は、業務システム110、210が複数のキーコードを用いて帳票データを特定する場合は、各キーコードの値と、各キーコードの識別区分とに対応付けられたマイナンバーを取得してもよい。
【0096】
[マイナンバー情報テーブルについて]
例えば、マイナンバー情報テーブル15、15aには、上述した情報以外にも、任意の情報が登録されてもよい。例えば、マイナンバー情報テーブル15、15aには、ユーザが入力した任意の情報を記憶可能な領域や、生年月日が登録されてもよい。また、キーコードやその他の情報が変更される場合は、かかる変更を識別するための世代区分を登録してもよい。
【0097】
また、情報処理装置10は、識別区分管理テーブル14、14aや、マイナンバー情報テーブル15、15aを、クライアントごとに異なるテーブルとして記憶してもよい。かかる場合、情報処理装置10は、クライアントごとにアクセス可能とするテーブルを制御することで、セキュリティを向上させることができる。
【0098】
[機能構成について]
上述した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。例えば、情報処理装置10は、帳票データを各業務システム110、210から受動的に取得してもよく、各業務システム110、210から帳票データを能動的に取得してもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0099】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0100】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0101】
[ハードウェア構成について]
図10は、ハードウェア構成例を示す図である。
図10に示すハードウェア構成は、
図1等に示した情報処理装置10のハードウェア構成の一例である。
図10に示すように、情報処理装置10として動作するサーバ300は、CPU(Central Processing Unit)301、メモリ302、記憶装置303、通信インタフェース304を有する。また、
図10に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0102】
通信インタフェース304は、ネットワークインタフェースカードなどである。HDD303は、ハードディスクなどの記憶装置であり、
図1に示した機能を動作させる個人番号特定プログラムや、
図3から
図6に示した各テーブルを記憶する。HDD303の例としては、ROM(Read Only Memory)、RAM、CD−ROM等の他のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に各種プログラムを格納しておき、コンピュータに読み取らせることとしてもよい。なお、記録媒体を遠隔地に配置し、コンピュータが、その記憶媒体にアクセスすることでプログラムを取得して利用してもよい。また、その際、取得したプログラムをそのサーバ自身の記録媒体に格納して用いてもよい。
【0103】
CPU301は、
図2に示した各処理部と同様の処理を実行させる個人番号特定プログラムを記憶装置303等から読み出してメモリ302に展開することで、
図2等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。すなわち、CPU301は、入力データ受信部17、識別区分特定部18、基準日取得部19、キーコード特定部20、マイナンバー取得部21、帳票データ出力部22と同様の機能を発揮させる個人番号特定プログラムを記憶装置303等から読み出す。そして、CPU301は、各処理部と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0104】
このように、サーバ300は、個人番号特定プログラムを読み出して実行することで情報処理装置10として動作する。また、サーバ300は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいう個人番号特定プログラムは、サーバ300によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。