特許第6495052号(P6495052)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6495052
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】上げ下げ窓
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/44 20060101AFI20190325BHJP
   E05B 1/00 20060101ALI20190325BHJP
   E06B 3/26 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   E06B3/44
   E05B1/00 311J
   E06B3/26
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-40956(P2015-40956)
(22)【出願日】2015年3月3日
(65)【公開番号】特開2016-160666(P2016-160666A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
(74)【代理人】
【識別番号】100168228
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 達則
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 知佐
(72)【発明者】
【氏名】藤本 毅
(72)【発明者】
【氏名】増山 新作
【審査官】 小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−216174(JP,A)
【文献】 特開平11−210330(JP,A)
【文献】 特開2001−065257(JP,A)
【文献】 特開2014−218832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/04 − 3/46
E06B 3/50 − 3/52
E05B 1/00 − 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内障子と外障子を備える複合サッシであって、内障子が、上框と下框を備え、上框と下框が、何れも室内側の樹脂部材と室外側の金属部材からなるものであり、上框の樹脂部材の上端に上取手を設けてあり、上取手は、板状で、上框の長手方向に延び室内側に突出していて上框の樹脂部材と一体に形成してあり、下框の樹脂部材の上端に下取手を設けてあり、下取手は、板状で、下框の長手方向に延び室内側に突出していて下框の樹脂部材と一体に形成してあり、内障子の開閉状態にかかわらず上取手と下取手の両方が使用できることを特徴とする上げ下げ窓。
【請求項2】
内障子と外障子を備える複合サッシであって、内障子が、上框と下框を備え、上框と下框が、何れも室内側の樹脂部材と室外側の金属部材からなるものであり、上框の樹脂部材の上端に上取手を設けてあり、上取手は、上框の長手方向に延び室内側に突出していて上框の樹脂部材と上面が同一面で一体に形成してあり、下框の樹脂部材の上端に下取手を設けてあり、下取手は、下框の長手方向に延び室内側に突出していて下框の樹脂部材と一体に形成してあり、内障子の開閉状態にかかわらず上取手と下取手の両方が使用できることを特徴とする上げ下げ窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内障子と外障子を備える上げ下げ窓に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1に示すように、従来の上げ下げ窓においては、内障子(可動障子)の下框の中央に取手を取り付けてあった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「マディオJ・M総合カタログ2013−2014(STJ0831A)」、三協立山株式会社、2013年2月、p.632
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような上げ下げ窓においては、窓台に物を置くと、取手が物の後側に隠れてしまうので、操作性が悪かった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、操作性のよい上げ下げ窓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1記載の発明は、内障子と外障子を備える複合サッシであって、内障子が、上框と下框を備え、上框と下框が、何れも室内側の樹脂部材と室外側の金属部材からなるものであり、上框の樹脂部材の上端に上取手を設けてあり、上取手は、板状で、上框の長手方向に延び室内側に突出していて上框の樹脂部材と一体に形成してあり、下框の樹脂部材の上端に下取手を設けてあり、下取手は、板状で、下框の長手方向に延び室内側に突出していて下框の樹脂部材と一体に形成してあり、内障子の開閉状態にかかわらず上取手と下取手の両方が使用できることを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項2記載の発明は、内障子と外障子を備える複合サッシであって、内障子が、上框と下框を備え、上框と下框が、何れも室内側の樹脂部材と室外側の金属部材からなるものであり、上框の樹脂部材の上端に上取手を設けてあり、上取手は、上框の長手方向に延び室内側に突出していて上框の樹脂部材と上面が同一面で一体に形成してあり、下框の樹脂部材の上端に下取手を設けてあり、下取手は、下框の長手方向に延び室内側に突出していて下框の樹脂部材と一体に形成してあり、内障子の開閉状態にかかわらず上取手と下取手の両方が使用できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、窓を開ける際には、上取手を使用することで、窓台に物を置いてあっても操作しやすい。また、窓を閉める際には、下取手を使用することで、内障子が高い位置にあっても操作しやすい。そして、複合サッシであるから、断熱性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の上げ下げ窓の縦断面図である。
図2】本発明の上げ下げ窓の横断面図である。
図3】内障子の上框部分の縦断面図である。
図4】内障子の上框の拡大縦断面図である。
図5】内障子の下框部分の縦断面図である。
図6】内障子の下框の拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、この上げ下げ窓は、横枠201と縦枠202を四周枠組みした枠体内に、内障子101と外障子102を納めてある。内障子101は、枠体内を上下動する可動障子であって、閉鎖時は枠体の下部に位置する。一方、外障子102は固定障子であって、枠体の上部に位置する。そして、内障子101と外障子102は、何れも四周の框の内周側にガラスパネルを嵌め込んだものであって、各框が室内側の樹脂部材と室外側の金属部材からなる複合サッシとなっている。なお、右側の縦枠202の内部には、内障子101を任意の位置で固定するためのバランサー103を設けてある。また、横枠201及び縦枠202の室内側には、額縁301を設けてある。
【0011】
続いて、内障子101について詳述する。内障子101は、上框1と、下框5と、左右の縦框9を四周框組みして、その内周側にガラスパネル10を嵌め込んだものである。上框1と下框5と縦框9は、何れも室内側の樹脂部材2,6,91と、室外側の金属部材3,7,92からなる。
【0012】
図3及び図4に示すように、上框1の樹脂部材2は、断面が矩形の樹脂部材本体部21を有しており、樹脂部材本体部21は、中空で上下に延びる二枚の壁面によって略等間隔に仕切られており、室内外方向に並ぶ三つの中空部22a,22b,22cを形成してある。三つの中空部22a,22b,22cは、何れも樹脂部材本体部21の上側面を一部としており、何れも縦長形状である。また、樹脂部材本体部21の室外側下部には、略J字形の室内側係合部23を形成してある。さらに、樹脂部材本体部21の上側面は室外側に向けて延出しており、延出部分の下面には二つの垂下片24を形成してあり、さらに室外側端にはタイト材ホルダ25を形成してあって、タイト材25aを取り付けてある。このタイト材25aは、内障子101の閉鎖時において、外障子102に当接する。さらに、タイト材ホルダ25の下側には、略C字形の室外側係合部26を形成してある。また、樹脂部材本体部21の下面の室内側端部には、断面矩形で中空の、ガラス間口の室内側側壁27を形成してある。そして、樹脂部材本体部21の上端の室内側部に、室内側に向けて水平に突出する上取手4を形成してある。上取手4は、見込寸法が樹脂部材本体部21の見込寸法と略等しく、上框1の長手方向の略全長にわたって延びており、樹脂部材本体部21(樹脂部材2)と一体で、かつ樹脂部材本体部21の上側面(中空部22a,22b,22cの上側面)と連続して形成してある。なお、上取手4の室内側端部は、下向きに傾斜している。また、樹脂部材2の上側面の長手方向中央部には、クレセント錠11を取り付けてある。このクレセント錠11は、内障子101の閉鎖時において、外障子102の下部に設けた錠受部11aに係合して施錠されるものである。一方、上框1の金属部材3は、断面が矩形の室内側下部を切欠いた形状の金属部材本体部31を有しており、金属部材本体部31は中空で、室内側面が下側に突出して室外側に屈曲した室内側受部32と、上側面が室外側に突出した室外側受部33を形成してある。また、下面の室外側端部から下側に向けてガラス間口の室外側側壁34が延びている。そして、樹脂部材2の室内側係合部23を金属部材3の室内側受部32に係合させ、樹脂部材2の室外側係合部26を金属部材3の室外側受部33に係合させて、樹脂部材2と金属部材3を一体に連結してある。この際、樹脂部材2の垂下片24が金属部材本体部31の上側面に当接する。また、樹脂部材2の室内側側壁27と金属部材3の室外側側壁34が室内外に対向する。さらに、樹脂部材本体部21の下側面と金属部材本体部31の下側面が面一となり、ガラス間口の底壁となる。そして、このようにして樹脂部材2と金属部材3により構成した上框1の、室内側側壁27と室外側側壁34の間に、グレイジングチャンネル12を取り付けたガラスパネル10を嵌め込んで取り付けてある。
【0013】
また、図5及び図6に示すように、下框5の樹脂部材6は、断面が室内側と下側に向けて延びる略L字形の樹脂部材本体部61を有しており、樹脂部材本体部61は、中空で上下に延びる二枚の壁面によって略等間隔に仕切られており、室内外方向に並ぶ三つの中空部62a,62b,62cを形成してある。三つの中空部62a,62b,62cは、何れも樹脂部材本体部61の上側面を一部としており、特に中央と室外側の中空部62b,62cは縦長形状である。また、樹脂部材本体部61の室外側上部には、略J字形の上側係合部63を形成してある。さらに、樹脂部材本体部61の室外側下部には、略L字形の下側係合部64を形成してある。また、樹脂部材本体部61の上面の室内側端部には、断面矩形で中空の、ガラス間口の室内側側壁65を形成してある。そして、室内側側壁65の上端の室内側部に、室内側に向けて突出する下取手8を形成してある。下取手8は、見込寸法が樹脂部材本体部61の見込寸法と略等しく、下框5の長手方向の略全長にわたって延びており、室内側側壁65(樹脂部材6)と一体で、かつ中空の室内側側壁65の上側面と連続して形成してある。なお、下取手8は、その基端部から室内側に向けて上向きに傾斜しており、途中で屈曲して室内側端部は下向きに傾斜している。一方、下框5の金属部材7は、断面が矩形の室内側上部を切欠いた形状の金属部材本体部71を有している。金属部材本体部71は中空で、室内側上部に略L字形の上側受部72を形成してあり、室内側面が下側に延出していてその室内側面に略L字形の下側受部73を形成してある。また、上面の室外側端部から上側に向けてガラス間口の室外側側壁74が延びている。そして、樹脂部材6の上側係合部63を金属部材7の上側受部72に係合させ、樹脂部材2の下側係合部64を金属部材7の下側受部73に係合させて、樹脂部材6と金属部材7を一体に連結してある。この際、樹脂部材6の室内側側壁65と金属部材7の室外側側壁74が室内外に対向する。また、樹脂部材本体部61の上側面と金属部材本体部71の上側面が面一となり、ガラス間口の底壁となる。よって、樹脂部材6の三つの中空部62a,62b,62cは、何れもガラス間口の底壁を一部とする。そして、このようにして樹脂部材6と金属部材7により構成した下框5の、室内側側壁65と室外側側壁74の間に、グレイジングチャンネル12を取り付けたガラスパネル10を嵌め込んで取り付けてある。
【0014】
このように構成した本発明の上げ下げ窓によれば、内障子101を開ける際には、上框1の上取手4を使用することで、下側の額縁301(窓台)に植木鉢などの物を置いてあっても操作しやすい。この際の操作をより詳しく説明すると、まず、内障子101の上框1に設けたクレセント錠11を開錠し、その近傍の上取手4に手を掛けて内障子101を上昇させる。そして、下框5が植木鉢などの物よりも上側まで上昇してきたら、下取手8に手を掛けてさらに内障子101を上昇させる。このようにすることで、内障子101の開放操作を短い作業動線で連続的に行うことができる。また、特に大開口の上げ下げ窓においては、内障子101の上下ストロークが大きくなるので、従来のように下框の取手のみで操作する場合、腰を大きく屈曲することになり操作者の負担が大きかったが、本発明によれば、上取手4と下取手8を続けて使用することで、腰の屈曲を小さくして負担を軽減できる。さらに、内障子101を閉める際には、開ける際と逆の操作をすればよく、下取手8を使用することで、内障子101が高い位置にあっても操作しやすい。そして、この上げ下げ窓は複合サッシであるから、断熱性が高い。特に、上框1においては、樹脂部材2の三つの中空部22a,22b,22cが室内外方向に並んで金属部材本体部31の見付面を覆っており、下框5においても、樹脂部材6の三つの中空部62a,62b,62cが室内外方向に並んで金属部材本体部71の見付面を覆っているので、何れにおいても室内側に伝達する冷気を効果的に抑制できる。また、上框1及び下框5の何れにおいても、三つの中空部22a〜c,62a〜cの見込寸法が均等であり、各中空部22a〜c,62a〜cの体積が小さく、対流する空気の量が少ないので、より熱が伝わりにくく、断熱性が高い(不均等の場合、何れかの中空部の体積が大きくなり、その中空部では対流する空気の量が多いので、熱が伝わりやすくなってしまう)。
【0015】
また、内障子101の上框1は、召合框として風圧に抵抗するための主要部材となるが、上取手4を室内側に突出させてあることで、上框1の見込寸法が大きくなり、それに伴って上框1の断面二次モーメントも大きくなっているので(見込寸法の約三乗に比例する)、たわみにくく、耐風圧性能が高い。さらに、上取手4は樹脂部材本体部21の上側面(中空部22a,22b,22cの上側面)と連続して形成してあり、下取手8は中空の室内側側壁65の上側面と連続して形成してあるので、何れも取手自体の強度が高い。また、上取手4と下取手8は、それぞれ上框1と下框5の長手方向の略全長にわたって延びており、内障子101の幅方向のどの場所からでも操作できるので、利便性が高い。
【0016】
さらに、上框1の樹脂部材2の中央の中空部22b及び室外側の中空部22cは、上取手4の基端部から室内外方向に離隔した位置にあり、かつ上取手4と連続する樹脂部材本体部21の上側面を一部としている。すなわち、これらの中空部22b,22cは、上取手4に働く回転モーメント荷重に対して、室内側の中空部22aを中心として室内外方向に対称な位置にある。よって、中空部22b,22cの位置に非中空形状(閉じた空間を有さない形状)の部位を形成した場合と比較して、上取手4操作時に伝達される回転モーメント荷重に対して樹脂部材2(上框1)の変形を効果的に抑制できる。さらに、中空部22a,22b,22cがそれぞれ縦長形状で、上下方向(回転モーメント荷重が働く方向であり、すなわち樹脂部材2が変形しようとする方向)に厚みがあるので、回転モーメント荷重に対して樹脂部材2(上框1)の変形を効果的に抑制できる。また、下框5の樹脂部材6の中央の中空部62b及び室外側の中空部62cは、ガラス間口の室内側側壁65の下側の室外側にずれた位置にあり、かつガラス間口の底壁(樹脂部材本体部61の上側面)を一部としている。すなわち、これらの中空部62b,62cは、下取手8に働く回転モーメント荷重に対して、下取手8と連続する室内側側壁65を中心として室内外方向及び上下方向に対称な位置にある。よって、中空部62b,62cの位置に非中空形状(閉じた空間を有さない形状)の部位を形成した場合と比較して、下取手8操作時に伝達される回転モーメント荷重に対して樹脂部材6(下框5)の変形を効果的に抑制できる。さらに、回転モーメント荷重に対して対称な位置にある中央及び室外側の中空部62b,62cがそれぞれ縦長形状で、上下方向(回転モーメント荷重が働く方向であり、すなわち樹脂部材6が変形しようとする方向)に厚みがあるので、回転モーメント荷重に対して樹脂部材6(下框5)の変形を効果的に抑制できる。また、上框1の三つの中空部22a,22b,22cと、下框5の三つの中空部62a,62b,62cは、何れも一体に形成されたものであるから、ガタツキがなく、より上取手4及び下取手8の強度が向上する。そして、上框1及び下框5の中空部22a〜c,62a〜cは、それぞれ見込寸法が均等であるから、回転モーメント荷重が働いた際に応力が集中しない。このように、上框1及び下框5の樹脂部材2,6にそれぞれ室内外方向に並ぶ三つの中空部22a〜c,62a〜cを設けたことにより、上取手4(上框1)及び下取手8(下框5)の強度と断熱性の両方を効果的に向上させている。そして、上取手4及び下取手8の変形を抑制することで、操作者に安心感を与えることができる。また、特に下框5において、室内側側壁65が室内側へ倒れるように変形することを抑制するので、ガラスパネル10と室内側側壁65との密着が損なわれて水密性能が低下することを防止できる。
【0017】
そして、上取手4は室内側端部が下向きに傾斜しているので、内障子101の閉鎖状態において、下側から指を掛けやすい。一方、下取手8は基端部から室内側に向けて上向きに傾斜しているので、内障子101の開放状態において、上側から指を掛けやすい。よって、上框1の上取手4は、内障子101を開き始める時に力を加えやすく、下框5の下取手8は、内障子101を閉じ始める時に力を加えやすくなっており、これらの上取手4と下取手8を併せ持つので操作性がよい。また、上取手4は、基端部から室内側に向けて水平に延び室内側端部が下向きに傾斜した形状なので、上框1の上面にたまったホコリなどを容易に払い落とすことができる。さらに、下取手8は、基端部から室内側に向けて上向きに傾斜しているので、内障子101に結露水が生じた場合に、下取手8が結露水を受け止め、額縁301などへ流れ出すことを防ぐ。なお、下取手8の両端部には、水を塞き止めるためのキャップを設けることが望ましい。
【0018】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、上框及び下框において、樹脂部材や金属部材の断面形状や、上取手及び下取手の形状は、上記の要件を満たすものであれば、どのようなものであってもよい。また、この上げ下げ窓は、内障子のみが開閉する片上げ下げ窓であってもよいし、内障子と外障子の両方が開閉する両上げ下げ窓であってもよい。さらに、上框及び下框の樹脂部材本体部は、均等に分割して室内外方向に並ぶ中空部を形成することが望ましく、分割数はいくつでもよいが、細かく分割するほど、より樹脂部材(上框及び下框)の変形を抑制できる。
【符号の説明】
【0019】
1 上框
2 樹脂部材(上框)
3 金属部材(上框)
4 上取手
5 下框
6 樹脂部材(下框)
7 金属部材(下框)
8 下取手
101 内障子
102 外障子
図1
図2
図3
図4
図5
図6