(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6495170
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】厚い断熱ガラス窓ユニットを収容するように設計された窓枠内に真空断熱ガラス窓ユニットを設置するためのスペーサーシステム
(51)【国際特許分類】
E06B 3/66 20060101AFI20190325BHJP
C03C 27/06 20060101ALI20190325BHJP
E06B 3/62 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
E06B3/66 Z
C03C27/06 101Z
E06B3/62 Z
【請求項の数】26
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-531179(P2015-531179)
(86)(22)【出願日】2013年9月5日
(65)【公表番号】特表2015-532956(P2015-532956A)
(43)【公表日】2015年11月16日
(86)【国際出願番号】US2013058211
(87)【国際公開番号】WO2014039642
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年8月17日
(31)【優先権主張番号】13/606,096
(32)【優先日】2012年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593005002
【氏名又は名称】ガーディアン・インダストリーズ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ ジェフェリー エー.
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−124952(JP,A)
【文献】
特開平10−306660(JP,A)
【文献】
特開2010−144412(JP,A)
【文献】
特開平08−184268(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3052904(JP,U)
【文献】
独国特許出願公開第04241309(DE,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第00566070(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第00244494(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/54−3/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠内のVIG窓ユニットであって、前記窓枠は、前記VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる、VIG窓ユニットと、
第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含む前記VIG窓ユニットと、
前記窓枠の第1係止部によって前記第2ガラス基板の外表面である第1主面上に直接支持され、前記窓枠の第2係止部によって前記第1ガラス基板の外表面である第2主面上に間接的に支持される前記VIG窓ユニットであって、前記VIG窓ユニットと前記第2係止部との間の前記VIG窓ユニットの第2主面上にスペーサが提供されるが、前記VIG窓ユニットの第1主面上には同様のスペーサが提供されない、前記VIG窓ユニットと、
を含み、
前記スペーサの第1コーナー及び第2コーナーは、前記VIG窓ユニットに直接接触し、
前記スペーサの前記第1コーナー及び前記第2コーナーのうち少なくとも1つは、第1ポリマー系物質及び第2ポリマー系物質を含み、前記第1ポリマー系物質は、前記第2ポリマー系物質より軟質であり、前記第2ポリマー系物質でない前記第1ポリマー系物質は、前記スペーサの前記第1コーナー及び前記第2コーナーのうち少なくとも1つで前記VIG窓ユニットに直接接触する、
窓ユニット。
【請求項2】
前記スペーサは、断面として見ると、固形部分によって囲まれた中空領域を含む、
請求項1に記載の窓ユニット。
【請求項3】
前記中空領域は、空気、発泡体、及び/又は断熱材で実質的に充填される、
請求項2に記載の窓ユニット。
【請求項4】
前記VIG窓ユニットと前記第1係止部との間の前記VIG窓ユニットの第1主面上には、スペーサが提供されずに、前記VIG窓ユニットと前記第1係止部との間の前記VIG窓ユニットの第1主面上には、接着剤が提供される、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項5】
前記VIG窓ユニットは、周囲4辺を含み、前記スペーサは、実質的に前記VIG窓ユニットの周囲4辺の全てに沿って提供される、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項6】
前記スペーサは、実質的に前記VIG窓ユニットの周囲4辺の各々に沿って提供される、4つのストリップ片を含む、
請求項5に記載の窓ユニット。
【請求項7】
接着剤は、前記VIG窓ユニットと前記第1係止部との間に位置するように前記VIG窓ユニットの第1主面上に提供される、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項8】
前記第1係止部及び前記第2係止部は、互いに実質的に平行な方向に延びる、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項9】
前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つは、断面として見ると、固形部分によって囲まれた中空の空間を含み、前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つの前記中空の空間は、空気及び/又は発泡体で充填又は実質的に充填される、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項10】
前記スペーサは、断面として見ると、ほぼ長方形の形状を有する、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項11】
前記スペーサの前記第1コーナー及び前記第2コーナーの間に位置して、前記VIG窓ユニットに対向する前記スペーサの一部は、前記VIG窓ユニットに直接接触しない、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項12】
前記VIG窓ユニットは、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間の前記低圧の間隙内に位置する複数のスペーサ、及び実質的に前記低圧の間隙を大気圧未満圧力で保持するために、前記VIG窓ユニットの周辺を気密封止するように前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間に提供される端部シールを含む、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項13】
(i)前記VIG窓ユニットと前記窓ユニットのサッシ部との間、及び(ii)前記スペーサと前記窓ユニットのサッシ部との間に位置するセッティング部材をさらに含む、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項14】
前記VIG窓ユニットの下側、及び前記スペーサの下側に前記窓ユニットの底面に位置するセッティング部材をさらに含む、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項15】
前記VIG窓ユニットは、厚さが4〜12mmで、前記第1係止部と前記第2係止部との間の間隙は、19〜40mmである、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項16】
窓枠内のVIG窓ユニットであって、前記窓枠は、前記VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる、VIG窓ユニットと、
第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含む前記VIG窓ユニットと、
前記窓枠の第1係止部と前記窓枠の第2係止部との間に位置する前記VIG窓ユニットと、
前記VIG窓ユニットと前記第1係止部との間に提供される第1スペーサ、及び前記VIG窓ユニットと前記第2係止部との間に提供される第2スペーサと、
を含み、
前記第1スペーサと前記第2スペーサの各々の少なくとも1つのコーナーは、前記VIG窓ユニットに直接接触する、
前記VIG窓ユニットに直接接触する少なくとも1つの前記コーナーは、第1ポリマー系物質及び第2ポリマー系物質を含み、前記第1ポリマー系物質は、前記第2ポリマー系物質より軟質であり、前記第2ポリマー系物質でない前記第1ポリマー系物質が少なくとも1つの前記コーナーで前記VIG窓ユニットに直接接触する、
窓ユニット。
【請求項17】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサのうち少なくとも1つは、断面として見ると、固形部分によって囲まれた中空領域を含む、
請求項16に記載の窓ユニット。
【請求項18】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、断面として見ると、各々固形部分によって囲まれた中空領域を含み、前記中空領域は、各々空気及び/又は発泡体で実質的に充填される、
請求項17に記載の窓ユニット。
【請求項19】
前記VIG窓ユニットは、周囲4辺を含み、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、各々前記VIG窓ユニットの周囲4辺の全てに実質的に沿って提供される、
請求項16〜18のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項20】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、各々前記VIG窓ユニットの周囲4辺の各々に実質的に沿って提供される4つのストリップ片を含む、
請求項19に記載の窓ユニット。
【請求項21】
接着剤は、前記VIG窓ユニットと各々の前記第1スペーサ及び前記第2スペーサの間に提供される、
請求項16〜20のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項22】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサは、断面として見ると、各々ほぼ長方形の形状を有する、
請求項16〜21のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項23】
前記VIG窓ユニットは、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間の前記低圧の間隙内に位置する複数のスペーサ、及び実質的に前記低圧の間隙を大気圧未満圧力で保持するために、前記VIG窓ユニットの周辺を気密封止するように前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間に提供される端部シールを含む、
請求項16〜22のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項24】
サッシの少なくとも一部上に前記窓ユニットの底面に位置するセッティング部材をさらに含み、前記セッティング部材は、前記VIG窓ユニットの下側、及び前記第1スペーサと前記第2スペーサの下側に位置する、
請求項16〜23のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項25】
前記VIG窓ユニットは、厚さが4〜12mmで、前記第1係止部と前記第2係止部との間の間隙は、19〜40mmである、
請求項16〜24のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項26】
窓枠内に真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットを設置する方法において、
前記窓枠から19〜40mmの厚さを有するIG窓ユニットを除去する工程と、
前記窓枠内に4〜12mmの厚さを有するVIG窓ユニットを配置する工程であって、第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含む前記VIG窓ユニットを配置する工程と、を含み、
前記VIG窓ユニットは、前記窓枠の第1係止部と前記窓枠の第2係止部との間に位置し、
前記VIG窓ユニットと前記窓枠の前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つの間にスペーサ構造体が提供され、
前記スペーサ構造体の第1コーナー及び第2コーナーは、前記VIG窓ユニットに直接接触し、
前記スペーサ構造体の前記第1コーナー及び前記第2コーナーのうち少なくとも1つは、第1ポリマー系物質及び第2ポリマー系物質を含み、前記第1ポリマー系物質は、前記第2ポリマー系物質より軟質であり、前記第2ポリマー系物質でない前記第1ポリマー系物質は、前記スペーサ構造体の前記第1コーナー及び前記第2コーナーのうち少なくとも1つで前記VIG窓ユニットに直接接触する、
窓枠内に真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットを設置する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットの設置構成、及び一般的に少なくとも厚いIG(断熱ガラス/一体型ガラス)窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するための方法に関する。特定の実施形態は、少なくとも厚いIG窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するのに用いられる周辺スペーサーシステムに関し、このような周辺スペーサーシステムは、窓枠に隣接したVIGユニットの周辺に提供される。スペーサーシステムを含むこのような技術は、例えば、新しい窓枠を有する新しい構成内で用いてもよく、すでにIGユニットを含む古い窓枠内に既存のIG窓を交換するために用いてもよい。
【背景技術】
【0002】
真空断熱ガラス(VIG)ユニットは、一般的に、離隔された少なくとも2つのガラス基板を備えており、これらガラス基板の間には真空引きした又は低圧の空間/キャビティを含んでいる。基板は、外周端部シールで相互接続されており、一般的に、ガラス基板間の間隔を保持するため及び基板間に既存の低圧環境が原因で生じ得るガラス基板の損傷を回避するためにガラス基板間にスペーサ/支柱が含まれている。いくつかのVIG構造例は、例えば、米国特許第5,657,607号、第5,664,395号、同第5,657,607号、同第5,902,652号、同第6,701,749号、及び同第6,383,580号に開示されており、これらの開示の内容は、本明細書に参照として含まれる。
【0003】
図1及び
図2は、典型的なVIG窓ユニット1及びVIG窓ユニット1の構成要素を表している。例えば、VIGユニット1は、離隔された2つの実質的に平行なガラス基板2,3を備えていてよく、これらガラス基板の間には真空引きした低圧の空間/キャビティを含んでいる。ガラスシート又は基板2,3は外周端部シール4で相互接続されており、外周端部シールは例えば、溶融はんだガラス等であってよい。基板2,3の間に既存の低圧の空間/間隙6を考慮して、支柱/スペーサ5の配列をガラス基板2,3の間に備えてVIGユニット1の基板2,3の間隔を維持することもある。
【0004】
排気管8は、例えば、ガラス基板2のうち1つの内表面からガラス基板2の外表面の任意の凹部11の底面、又は、選択的にガラス基板2の外表面に通じる開口部/穴10'にはんだガラス9によって気密封止されてもよい。排気管8に吸引装置を取り付け及び/又は連通して、例えば、連続ポンプダウン操作を利用して内部キャビティ6を大気圧未満の低圧まで真空引きする。キャビティ6の真空引き後、排気管8の一部(例えば、先端)を溶融することで低圧キャビティ/空間6を真空密封する。この任意の凹部11は、封止された排気管8を保持することができる。場合により、一方のガラス基板、例えば、ガラス基板2の内表面に配置された凹部13にはゲッター材12が含まれていてもよい。ゲッター材12は、キャビティ6を真空引きと封止後に残存している可能性のある特定の残留不純物を吸着する、又は特定の残留不純物に結合するために使用され得る。
【0005】
溶融はんだガラス外周端部シール4の付いたVIGユニットは一般的に、ガラスフリット又は他の適切な材料を溶液状態(例えば、フリットペースト)で基板2(又は基板3)の外縁周囲に配置させることによって製造される。このガラスフリットペーストは最終的に端部シール4を形成する。もう一方の基板(例えば、3)を、2つの基板2,3の間にスペーサ/支柱5とガラスフリット溶液が挟持されるように基板2上に下ろす。次に、ガラス基板2,3、スペーサ/支柱5及びシール材(例えば、溶液又はペースト状態のガラスフリット)を備える組立品全体を少なくとも約500℃の温度まで加熱することで、ガラスフリットが溶融してガラス基板2,3の表面を濡らし、そして最終的に気密性の外縁/端部シール4となる。
【0006】
基板間に端部シール4を形成した後、排気管8を介して真空にすることで基板2,3間に低圧の空間/キャビティ6を形成する。空間6内の圧力は、真空引き工程によって大気圧未満、例えば、約10
−2Torr未満の程度にしてよい。空間/キャビティ6内の低圧を保持するために、基板2,3は、端部シール4と排気管の閉鎖によって気密封止する。小さな高強度スペーサ/支柱5を透明ガラス基板の間に配置することで、大気圧下でほぼ平行なガラス基板の分離を維持する。上述の通り、基板2,3間の空間6を真空引き後、排気管8は、例えば、レーザなどを用いてその先端を溶融させることによって封止してよい。
【0007】
二重窓VIG窓ユニットは、一般的に従来の二重窓非真空断熱ガラス窓ユニットよりはるかに効率的な断熱材である。VIG窓ユニットは、良好な性能を有しながらも非真空断熱ガラス窓ユニットよりも著しく薄い。このような厚さの違いのために、従来の窓設置構造体、例えば、窓枠(例えば、サッシ)が元々厚いIGユニットのために設計された場合、VIG窓ユニットを効果的に用いて収容するように再設計する必要が生じ得る。したがって、薄いVIGユニットを収容するために窓枠(例えば、サッシを含んでもよい)の交換を必要とすることがある。VIG窓ユニットは、関連する多くの利益及び利点にもかかわらず、窓構造体の再設計及び窓枠(例えば、サッシ)の交換及び/又は再設計には費用や時間がかかるため、特に小規模の製造業者が従来の建物にVIG窓ユニットを適用するのを遅らせる原因となっている。
【0008】
標準IG窓ユニットは、やや厚く様々な厚さ(例えば、約19〜40mm)を提供することが分かる。上記のように、一般的に事務室、住宅、アパートなどに用いるためには、このような厚いIG窓ユニットを収容する窓枠が設計される。一方、VIG窓ユニットは、一般的なIG窓ユニットよりかなり薄い(例えば、約4〜12mm、好ましくは約4〜10mm、さらに好ましくは約7〜9mm、例えば、厚さ約8.3mm)。また、VIGユニットの熱性能は、IG窓ユニットより顕著に優れている(例えば、VIGユニットのR値は、IGユニットのR値より高い)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
IGユニットを収容するように設計された窓枠内にVIGユニットを用いることが好ましい。これは、窓枠の再設計及び/又は窓枠を変更する必要性の回避又は低減を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特定の実施形態例は、少なくとも厚いIGユニット窓ユニットを収容するように設計された窓枠(サッシを含める)内にVIG窓ユニットを設置するのに用いる周辺スペーサーシステムに関し、このような周辺スペーサーシステムは、窓枠に隣接して位置し、及び/又はVIGユニットのガラス基板と窓枠との間に位置するようにVIGユニットの周辺に提供される。スペーサーシステムは、VIGユニットのガラス基板の周辺に、好ましくは一枚以上の窓の4つの辺に嵌めることができる。したがって、スペーサーシステムに対して、厚いIG窓ユニットのために設計された窓枠内にさらに薄いVIG窓ユニットを設けることで、窓枠の再設計又は著しく窓枠を変更する必要性を回避又は低減する構造体及び/又は技術が提供される。このような技術は、例えば、新しい窓枠を有する新しい構成内で用いたり、すでにIGユニットを含む古い窓枠内で従来のIG窓を交換するために用いたり、既存のIG又はVIG窓をVIG窓ユニットに交換することによって既存のIG又はVIG窓ユニットを修理するのに用いてもよい。したがって、本開示は、既存の窓枠内のIG窓をVIG窓に交換することに制限されず、例えば、さらに新しいVIG窓ユニットに対して設計される構造体にも関係することが理解できる。
【0011】
本発明の特定の実施形態例は、(i)改善された熱性能を含む高効率高性能VIG窓ユニットの適用、(ii)窓製造者によってVIG窓ユニットを適用する時間の減少、及び/又はVIGの迅速な適用及び/又は配置、(iii)窓枠(例えば、サッシを含む)構造体をほぼ又は全く変更せずに厚いIGユニットのために設計された窓設計内においてVIG窓ユニットを実現可能とすることの提供、(iv)小規模な窓製造者がVIG窓ユニットを適用可能とすることの提供、(v)窓製造者に必要なツールの減少、(vi)窓の特徴及び/又は美的概観の維持、及び/又は(vii)厚いIGユニットのために設計された窓枠に収まるようにVIGガラス基板周辺に位置するスペーサーシステムの提供、のうち1つ以上に対する利点を有する。このようなスペーサーシステムは、(a)改善された断熱を提供し、(b)製造設備を窓工場及び/又は作業現場に搬送する間にユニットを保護するのを助け、(c)VIGユニットに強度/完全性を付加し、及び/又は(d)その端部でVIGユニットの熱性能を改善する。
【0012】
本発明の特定の実施形態例において、窓ユニットが提供され、窓ユニットは、窓枠内のVIG窓ユニット(窓枠は、VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる)と、第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含むVIG窓ユニットと、前記窓枠の第1係止部によって第1主面上に直接支持されて前記窓枠の第2係止部によって第2主面上に間接的に支持されるVIG窓ユニット(スペーサは、VIG窓ユニットと第2係止部との間に提供されるVIG窓ユニットの第2主面上に提供されるが、いかなる類似のスペーサもVIG窓ユニットの第1主面上には提供されない)とを含む。
【0013】
本発明の特定の実施形態において、窓ユニットが提供され、窓ユニットは、窓枠内のVIG窓ユニット(窓枠は、VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる)と、第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含むVIG窓ユニットと、前記窓枠の第1係止部と前記窓枠の第2係止部との間に位置するVIG窓ユニットと、VIG窓ユニットと第1係止部との間に提供された第1スペーサ、VIG窓ユニットと第2係止部との間に提供された第2スペーサとを含む。
【0014】
本発明の特定の実施形態例において、真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットを設置する方法において、前記方法は、窓枠から約19〜40mmの厚さを有するIG窓ユニットを除去することと、窓枠内に約4〜12mmの厚さを有するVIG窓を配置する工程において、VIG窓ユニットは、第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含むことと、VIG窓ユニットは、前記窓枠の第1係止部と前記窓枠の第2係止部との間に位置することと、VIG窓ユニットと窓枠の第1係止部及び第2係止部のうち少なくとも1つの間に提供されることとを含む。
【0015】
これら及びその他の実施態様及び利点は、本明細書では特定の実施態様例によって、そして以下の図面を参照しながら説明する。図面中、同様の参照符号は、同様の要素を指すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図1の従来のVIGユニットの上部平面図である。
【
図3】例示の窓枠内にIG窓ユニットを含む標準IG窓ユニットのために設計された例示の窓枠の概略部分断面図である。
【
図4】少なくとも厚いIG窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するための本発明の実施形態例に従う、VIGユニットのスペーサーシステムの概略部分断面図である。
【
図5】
図4に示したスペーサ構造体のコーナーの部分を拡大した概略断面図である。
【
図6】本発明の追加の実施形態例に従う、少なくとも厚いIG窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するVIGユニットのスペーサーシステムの概略部分断面図である。
【
図7】本発明の追加の実施形態例に従う、少なくとも厚いIG窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するためのVIGユニットのスペーサーシステムの概略部分断面図である。
【
図8】
図7のスペーサ構造体のコーナーの部分を拡大した概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書では以下の図面を参照して特定の実施態様例を詳述する。図面中、複数の図面における同様の参照符号は同様の要素を指すものとする。本明細書に記載の実施態様は、限定ではなく例示を目的とするものであり、また、当業者は、本明細書に添付する特許請求の範囲の真の趣旨及び全範囲を逸脱することなく様々な変更が可能であると考えることができることが分かるであろう。
【0018】
図3を参照すると、少なくとも標準及び/又は厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠(例えば、サッシの外形を有する)の概略部分断面図が示されている。VIGユニット及びスペーサーシステムが、本発明の実施形態例によって
図3に示した窓枠及び/又は少なくともIG窓ユニットを収容するように設計された任意のその他の適切な窓枠内に位置するようにする。したがって、本発明の特定の実施形態例において、
図4、
図6、及び
図7に示したスペーサーシステム及びVIGユニット1は、
図3に示した窓枠又はIG窓ユニットを収容するように設計された任意のその他の適切な窓枠内に収容される。もちろん、
図3を参照すると、VIGユニット1及びスペーサーシステムが窓枠内に装着されると、IGユニット30は存在しない。
【0019】
図3は、IGユニット30を示し、例えば2つの板ガラス36の間に空気又は気体を充填した間隙38を規定する2つの板ガラス36を含んでいるが、それらに制限されることはない。IG窓ユニット30は、窓サッシ32内/上に配置される。ガラス基板36の間の間隙38は、一般的に空気及び/又は気体で充填され(VIG窓ユニットと異なる)、ほぼ大気圧であり、内側空間/間隙38は、周辺スペーサーシステム29を介して封止される。窓サッシ32は、主要サッシ部32の一部に一体型で製造された第1係止部35、及び第2係止部34をサッシ部内に規定された凹部32aを介してサッシ部32に接続するためのクリップ又はその他の拡張部37を含んでもよく、場合によって着脱可能な第2係止部34を含んでもよい。係止部34,35は、窓ユニットの外部端部の下及び/又は隣接して提供される主要サッシ部32と一体に製造されても一体に製造されなくてもよい。特定の実施形態例において、係止部34,35は、例えば、
図3に示すように、互いに実質的に平行であってもよい。
図3の係止部34,35の形状は、例示目的で示されたものであり、その他の形状の係止部が提供されてもよい。例えば、1つ又は2つの係止部34,35は、固形部分33で囲まれた、(例えば、空気又は他の何かで充填された)中空の部分31を有していても、有していなくてもよい。その他の例示的な実施形態において、1つ又は2つの係止部34,35は、窓ユニットのガラス基板に平行な方向に突出した実質的に平面又は平面部を含む、あるいは本質的に平面又は平面部で構成された固形片(例えば、プラスチック、木材、又は、金属)であってもよい。窓ユニットは、係止部34,35の間に間接又は直接的に保持及び/又は位置する。
【0020】
図3を再び参照すると、IGユニット30は、サッシ部32によって支持され、その両側の係止部34,35によって適所に保持される。係止部34,35の間の距離は、好ましくはIGユニット30の厚さに対応する。IG窓ユニット30は、やや厚く様々な厚さで提供される(例えば、約19〜40mm、場合によって
図3に示した2つのガラス基板の代りに、3枚のガラス基板を用いた場合には、さらに厚くなる)。IGユニット30は、サッシ部32内/上に配置されて第1係止部35と係合する場合、第2係止部34は、例えば、クリップ又は拡張部37を介してサッシ32に接続される。係止部34,35は、IG窓ユニット30に対して横方向の支持を提供する。サッシ32及び係止部34,35は、任意の好適な物質で製造してもよく、例えば、PVC、繊維ガラス、木材、ゴム、アルミニウム、様々な複合材などを含むことができるが、それらに限定されることはない。上記のように、一般的なIGユニット30の幅は、IG窓ユニットのタイプによって約20mm以上の範囲にある。したがって、窓枠の係止部34,35の間の間隙は、一般的に少なくとも19mm、さらに好ましくは19〜40mm、及び最も好ましくは20〜35mm又は20〜30mmなどの同様の範囲内であってもよい。
【0021】
図4及び
図6は、
図4及び
図6に示すように、少なくとも厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠内に(例えば、IG窓ユニット30を含まない
図3の窓枠内)VIG窓ユニット1を設置するために、本発明の実施形態例によりVIG窓ユニット1に接続されるスペーサーシステム/構造体40の概略部分断面図である。
図4の実施形態において、スペーサ構造体40は、全体の窓構造体の外側に最も近いVIGユニット1の面上に位置する一方、
図6の実施形態において、スペーサ構造体40は、全体の窓構造体の外側から遠く離れたVIGユニット1の面上に位置する。したがって、
図4及び
図6の実施形態は、スペーサ構造体40がVIG窓ユニット1の異なる側に提供されることを除いて類似する。
【0022】
図4及び
図6を再び参照すると、スペーサ構造体40は、中空スペーサブロック41を含み、中空スペーサブロック41は、VIGユニット1と係止部34,35のうちの1つとの間に位置する。
図4及び
図6に示すように、スペーサ部41は、実質的に正方形、長方形、及び/又はブロックの形状であってもよく、その他の形状であってもよい。スペーサブロック41は、プラスチック(例えば、PVC)又は任意の異なる適切な物質で構成されてもよく、少なくとも1つの中空領域43を含んでもよい。少なくとも1つの中空領域43は、得られた窓ユニット構造体の耐熱性を改善するために、
図4及び
図6のように、断面として見ると、固形部分44に囲まれている。特定の実施形態例において、スペーサ構造体のスペーサ部41は、各々押出ビニル(例えば、1つの押出ビニルストリップ)で製造されてもよい。中空領域43は、特定の例において、空気通路/チャネルであってもよく、中空領域の端部は、開放されてもよく、開放されなくてもよい。特定の好ましい実施形態において、中空領域43は、断面として見ると、固形部分44によって囲まれ、中空領域43の端部が開放される(すなわち、中空領域43は、窓ユニットの4つのコーナー各々で開放されて大気圧の状態である)。スペーサ構造体40は、好ましくは窓ユニットの4つの辺の周りに提供され、4つの対応するストリップ(窓の各側に1つのストリップ)内に提供されてもよく、そのストリップは、各端部で約45度の角度である。したがって、スペーサ構造体40の各ストリップの端部は、窓ユニットの各コーナーで互いに組み合わさる。接着ストリップ(例えば、ガラス用テープ、VHBストリップ、及び/又は湿ったガラス用物質)45は、スペーサ構造体40をVIG窓ユニット1に取付けてVIGユニット1の他の側を係止部34,35に取付けるために、VIGユニット1のガラス基板2,3の外側上に提供されてもよい。特定の実施形態例において、VIG窓ユニット1をスペーサ部41に取付けるための接着剤45は、
図4及び
図6に示したスペーサ部41の1つの壁内に規定された凹部内に提供されてもよい。特定の実施形態例において、このような接着剤45は、スペーサ部41をVIGユニット1及び係止部34,35に取付けるために
図6に示したスペーサ部41の両面上に提供されてもよい。
【0023】
図4及び
図6を再び参照すると、スペーサ部41は、係止部34,35とVIGユニット1との間に規定された間隙内に収容される。例えば、
図4は、着脱可能な係止部34とVIG窓ユニット1との間に装着されたスペーサブロック41を示す。また、
図6は、一体型係止部35及びVIG窓ユニット1の間に装着されたスペーサブロック41を示す。特定の実施形態例において、VIG窓ユニット1及びスペーサ部41は、2つともセッティング部材、例えば、セッティングブロック42上に装着される。セッティングブロック42は、主要サッシ部32上に、主要サッシ部32とVIGユニット1との間に、また、
図4及び
図6に示すように主要サッシ部32とスペーサ部41との間に位置する。特定の実施形態例において、主要サッシ部32は、中空領域32bを含んでもよく中空領域は、空気、発泡体、又は、その他の断熱材で充填することもしないこともでき、
図4及び
図6に示した固形部分によって囲まれている。
【0024】
特定の実施形態例において、スペーサ部41は、2つのコーナー41bを含み、2つのコーナーは、VIG窓ユニット1のガラス基板のうちの1つに対向して接触する。選択的に、接着剤45は、これらのコーナー41bの間に配置されてもよい。特定の実施形態例において、スペーサ部41のコーナー41bの一方又は両方は、軟性物質41e及び硬性物質41fを含み、コーナーの部分41bの軟性物質41eは、VIG窓ユニット1に接触するために用いられる(例えば、
図4〜
図6参照)。スペーサ部41は、2つの異なる物質(41e及び41f)で共押出されてもよく、軟性ポリマー系物質41eは、押出工程において、硬性ポリマー系物質41fに取付ける。VIG窓ユニットに接触するためにスペーサ構造体の軟性物質41eを用いれば、例えば、スペーサ構造体が全体の窓構造体の外側上に用いられる場合、VIGユニット1のガラスに対して改善されたシールを提供する。
【0025】
例えば、
図4〜
図6を参照すると、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体40は、IG窓ユニット30の代わりに、
図3に示した窓枠のような窓枠内に提供される。この点で、
図4及び
図6は、標準IG窓ユニットのために設計された
図3の窓枠内に装着されたVIG窓ユニット1及びスペーサ構造体40を示す。したがって、スペーサ構造体40及びVIG窓ユニット1は、
図3の窓枠内のIG窓ユニット30を交換するために用いてもよく、
図4〜
図6に示した構造体は、IG窓ユニット30の代わりに
図3に示した例示の窓枠のような窓枠内に提供されてもよい。特に、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体40は、係止部34,35の間にサッシ部32上の
図3の窓枠内に提供される。
図3に示したIG窓ユニット30は、
図4〜
図6に示したVIG窓ユニット1及びスペーサ構造体40で交換され、スペーサ部41の外壁47は、VIGユニット1及び係止部34,35に接触又は接着される。VIG窓ユニット1は、IG窓ユニット30よりはるかに薄いため、スペーサ構造体の厚さによって、VIG窓ユニット1が少なくとも厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠(例えば、
図3の窓枠)内に設けることができる。
【0026】
図7〜
図8は、本発明の追加の実施形態例に係るVIG窓ユニット1に接続するためのスペーサーシステム/構造体50の概略部分断面図である。スペーサーシステム/構造体50は、少なくとも厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠(例えば、IG窓ユニット30が含まれない
図3の窓枠)内にVIGユニット1を設置するために用いられる(
図4〜
図6に示したVIGユニット及びスペーサ構造体は、
図3窓枠内に装着されるのと同一)。スペーサ構造体50は、VIG窓ユニット1の対向側に取付ける第1及び第2部分(41及び41')を含む。部分(41及び41')は、異なる実施形態でVIGユニット1下側に延びていても、延びていなくてもよい(
図7に図示なし)。部分(41及び41')は、プラスチック(例えば、PVC)又は任意のその他の適切なポリマー系物質で構成されてもよく、各々は、少なくとも1つの中空領域43を含む。中空領域43は、窓ユニットの耐熱性を改善するために、
図7のように断面として見ると、各々固形部分44で囲まれている。特定の好ましい実施形態において、中空領域43は、断面として見ると、固形部分44によって囲まれ、中空領域43の端部が開放されている(すなわち、中空領域43は、窓ユニットの4つのコーナー各々で開放されており、大気圧の状態である)。中空領域43は、特定の例において、空気通路/チャネルであってもよく、その端部は、開放されていてもよく、開放されていなくてもよい。スペーサ構造体50は、好ましくは窓ユニットの4つの辺の周りに提供され、4つの辺に対応するストリップ(窓の各側に対する1つのストリップ)は、
図4〜
図6で上述したように、端部で約45度の角度である。接着ストリップ45は、スペーサ部41,41'をVIG窓ユニット1に取付けて窓枠の各々の係止部34,35に取付けるためにスペーサ部41,41'の内側及び/又は外側上に提供されてもよい。VIGユニット1は、
図7に示した部分(41及び41')の間に規定されたチャネル56に収容される。例えば、
図7は、スペーサ構造体の対向する部分(41及び41')の間のチャネル内に装着されたVIG窓ユニット1を示す。VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体50(41、41'、及び選択的に42を含む)は、IG窓ユニット30の代わりに、
図3に示した窓枠のような窓枠内に提供される。したがって、VIG1及びスペーサ構造体50は、
図3の窓枠内にIG窓ユニット30を交換するために用いてもよく、VIG1及びスペーサ構造体50は、IG窓ユニット30の代わりに
図3に示した例示の窓枠のような窓枠内に提供されてもよい。特に、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体50は、係止部34,35の間にサッシ部32上の
図3の窓枠内に提供される(
図4〜
図6の実施形態と似ているということ)。
図3内のIG窓ユニット30は、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体50で交換され、スペーサ部41,41'の外壁は、各々係止部34,35の内面に(直接又は間接的に)接触又は接着され、スペーサ部41,41'の内壁は、VIG窓ユニット1に接触又は接着される。VIG窓ユニット1は、IG窓ユニット30よりはるかに薄いため、
図7〜
図8に示したスペーサ構造体50の厚さによって、VIG窓ユニット1が少なくとも厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠(例えば、
図3の窓枠)内に設けられることができる。
【0027】
中空スペーサ部41,41'は、
図7に示した実質的に長方形形状であってもよい。また、スペーサ部41,41'は、実質的にL字状であってもよく、各々の一方の側は、VIGユニット1下側に延びてVIGユニットとサッシ部32との間に位置する。セッティング部材42が存在して中空スペーサ部41,41'が実質的にL字状の場合、L字状スペーサ部41,41'の各々の一方の側は、VIGユニット1の下側に延びてVIGユニット1とセッティング部材42との間に位置する。セッティング部材42は、本発明の特定の実施形態例において、実質的に平面形状であってもよい。また、中空スペーサ部41,41'が実質的にL字状の場合、スペーサ部41,41'の各々の中空領域43は、
図7に示したVIGユニット1の面に沿って延びるが、VIGユニット1の下側に延びていても、延びていなくてもよい(すなわち、中空領域は、実質的にL字状スペーサ部41,41'のLの一面のみ又は両面に提供されてもよい)。
【0028】
図7〜
図8を参照すると、スペーサ部41,41'の一方又は両方は、VIG窓ユニット1のガラス基板2,3のうちの1つに接触対向する2つのコーナー41bを含んでもよい。選択的に、接着剤45は、所定のスペーサ部のコーナー41bの間に配置されてもよい。特定の実施形態例において、各々のスペーサ部のコーナー41bの一方又は両方は、軟性物質41e及び硬性物質41f(スペーサ部のバルクは、41fで製造される)を含んでもよくコーナーの部分41bの軟性物質41eは、VIGユニット1に接触するために用いられる(例えば、
図7〜
図8参照)。スペーサ部41,41'は、2つの異なる物質(41e及び41f)で共押出されてもよく、軟性ポリマー系物質41eは、押出工程において硬性ポリマー系物質41fに接着される。VIG窓に接触するためにスペーサ部の軟性物質41eを用いれば、VIGユニット1のガラスに改善されたシールを提供する。
【0029】
また、
図3〜
図6を参照すると、本発明の特定の実施形態において、窓ユニットを提供し、窓ユニットは、窓枠内のVIG窓ユニット(窓枠は、VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる)と、第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含むVIG窓ユニットと、前記窓枠の第1係止部によって第1主面上に直接支持されて前記窓枠の第2係止部によって第2主面上に間接的に支持されるVIG窓ユニット(スペーサは、VIG窓ユニットと第2係止部との間に提供されるVIG窓ユニットの第2主面上に提供されるが、いかなる類似のスペーサもVIG窓ユニットの第1主面上には提供されない)とを含む。例えば、
図3〜
図5を参照すると、窓ユニットを提供して、窓ユニットは、窓枠内のVIG窓ユニット1(窓枠は、VIG窓ユニット1より大きい厚さを有する非真空IG窓ユニット30を支持できる)と、第1ガラス基板2、第2ガラス基板3、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙6を含むVIG窓ユニット1と、前記窓枠の第1係止部35によって第1主面上に直接支持されて前記窓枠の第2係止部34によって第2主面上に間接的に支持されるVIG窓ユニット1(スペーサ41は、VIG窓ユニット1と第2係止部34との間に提供されるVIG窓ユニット1の第2主面上に提供されるが、いかなる類似のスペーサ41もVIG窓ユニット1と第1係止部35との間に提供されるVIG窓ユニット1の第1主面上には提供されない)と、含む。
【0030】
直前の段落の窓ユニットにおいて、スペーサ41は、断面として見ると、固形部分44によって囲まれた中空領域43を含んでもよい(
図4〜
図6参照)。中空領域43は、実質的に空気、発泡体、及び/又はその他の断熱材で充填してもよい。
【0031】
前記2つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニット1と第1係止部との間のVIG窓ユニット1の第1主面上には、スペーサが必要でない。選択的に、接着剤45がVIG窓ユニットと第1係止部との間にVIG窓ユニットの第1主面上に提供されてもよい。
【0032】
前記3つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニットは、周囲4辺を含んでもよく、スペーサ41は、実質的にVIG窓ユニットの周囲4辺全てに沿って提供されてもよい。スペーサ41は、実質的にVIG窓ユニット1の周囲4辺の各々に沿って提供される4つのストリップ片で構成してもよい。
【0033】
前記4つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、接着剤45は、VIG窓ユニット1と第1係止部34,35との間に位置するようにVIG窓ユニットの第1主面上に提供されてもよい。
【0034】
前記5つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、第1係止部35及び第2係止部34は、互いにほぼ平行な方向に延びてもよい。
【0035】
前記6つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、第1係止部35及び第2係止部34のうち少なくとも1つは、断面として見ると、固形部分33によって囲まれた中空の空間31を含んでもよく係止部の中空の空間31は、空気及び/又は発泡体で充填又は実質的に充填される。
【0036】
前記7つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、スペーサ41は、断面として見ると、ほぼ長方形の形状を有してもよい(例えば、
図4〜
図6参照)。
【0037】
前記8つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、スペーサ41の第1及び第2コーナー41bは、VIG窓ユニット1に直接接触してもよい。選択的に、スペーサの第1及び第2コーナー41bの間に位置してVIG窓ユニット1に対向するスペーサ41の一部(例えば、接着剤45が位置する凹部におけるスペーサ部を参照)は、選択的にVIG窓ユニット1に直接接触しない(例えば、接着剤45がその間に提供されないため)。スペーサ4の第1及び第2コーナー41bのうち少なくとも1つは、第1ポリマー系物質41e及び第2ポリマー系物質41fを含んでもよく第1ポリマー系物質41eは、第2ポリマー系物質41fより軟質であり、第2ポリマー系物質41fでない第1ポリマー系物質41eは、直接スペーサ41の前記コーナー41bでVIG窓ユニット1に直接接触する(例えば、
図5に硬性及び軟性の物質が示される。
図4〜
図6参照)
【0038】
前記9つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニットは、第1ガラス基板2と第2ガラス基板3との間の低圧の間隙6内に位置する複数のスペーサ5、及び実質的に低圧の間隙6を大気圧未満圧力で保持するためにVIGユニット1の周辺を気密封止するように第1ガラス基板2と第2ガラス基板3との間に(直接又は間接)提供された端部シール4を含む。
【0039】
前記10個の段落のうちいずれか1つの窓ユニットは、(i)VIG窓ユニット1と窓ユニットのサッシ部32との間及び(ii)スペーサ41と窓ユニットのサッシ部32との間に位置するセッティング部材42を含んでもよい。セッティング部材42(例えば、セッティングブロック)は、VIG窓ユニット1及びスペーサ41の下で
図4〜
図6に示した窓ユニットの底面に配置されてもよい。
【0040】
前記11個の段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニット1は、厚さが約4〜12mmであってもよく、第1及び第2係止部(35及び34、又は、その反対)の間の間隙は約19〜40mmであってもよい。
【0041】
本発明の特定の実施形態例は、例えば従来の窓設計(窓サッシを含む)をほぼ変更せずに、複数の非真空断熱ガラス窓ユニットとVIG窓ユニットとの間の厚さの差を埋める窓ユニット向けにプロファイルし直した交換窓係止部を用いてもよく、用いないこともできる。例えば、本発明は、2012年7月5日に出願された第13/541,840号に記載されたプロファイルし直した交換窓に用いても用いなくてもよく、本明細書に参照として含まれる。
【0042】
本発明の特定の実施形態において(
図7〜
図8参照)、窓ユニットが提供され、窓ユニットは、窓枠内のVIG窓ユニット1(窓枠は、VIG窓ユニット1より大きい厚さを有する非真空IG窓ユニット30を支持できる)と、第1ガラス基板2、第2ガラス基板3、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙6を含むVIG窓ユニット1と、前記窓枠の第1係止部34,35と前記窓枠の第2係止部(34又は35の他の1つ)との間に位置するVIG窓ユニット1と、VIG窓ユニット1と第1係止部との間に提供された第1スペーサ(41又は41')、及びVIG窓ユニット1と第2係止部との間に提供された第2スペーサ(41,41'のうち他の1つ)とを含む。
【0043】
直前の段落の窓ユニットにおいて、第1及び第2スペーサ(41及び/又は41')の一方又は両方は、断面として見ると、固形部分44によって囲まれた中空領域43を含んでもよい。中空領域43は、空気、発泡体、及び/又は断熱材で充填してもよい。
【0044】
前記2つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニット1は、周囲4辺を含んでもよく、第1及び第2スペーサ(41,41')は、各々実質的にVIG窓ユニットの周囲4辺全てに沿って提供されてもよい。
【0045】
前記3つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、第1スペーサ及び第2スペーサは、各々VIG窓ユニットの周囲4辺の各々に沿って実質的に提供される4つのストリップ片を含んでもよい。
【0046】
前記4つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、接着剤45は、VIG窓ユニット1と各々の第1及び第2スペーサの間に提供されてもよい。
【0047】
前記5つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、第1及び第2スペーサは、断面として見ると、各々ほぼ長方形の形状を有してもよい(例えば、
図7参照)
【0048】
前記6つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、第1及び第2スペーサ(41,41')の各々の少なくとも1つのコーナー41bは、VIG窓ユニット1に直接接触してもよい。VIG窓ユニットに直接接触するコーナーの少なくとも1つは、第1ポリマー系物質41e及び第2ポリマー系物質41fを含んでもよく、第1ポリマー系物質41eは、第2ポリマー系物質41fより軟質であり、第2ポリマー系物質41fでない第1ポリマー系物質41eは、直接スペーサのコーナーでVIG窓ユニット1に接触する。
【0049】
前記7つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニット1は、第1ガラス基板2と第2ガラス基板3との間の低圧の間隙6内に位置する複数のスペーサ5、及び実質的に低圧の間隙6を大気圧未満圧力で保持するためにVIGユニット1の周辺を気密封止するように第1ガラス基板2と第2ガラス基板3との間に提供された端部シール4を含んでもよい。
【0050】
前記8つの段落のうちいずれか1つの窓ユニットは、サッシ部32の少なくとも一部上の窓ユニットの底面に位置するセッティング部材42を含んでもよくセッティング部材42は、第1及び第2スペーサ(41,41')及びVIGユニット1下に位置する。
【0051】
前記9つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニットは、厚さが約4〜12mmであってもよく、第1係止部35と第2係止部34との間の間隙は、約19〜40mmであってもよい。
【0052】
本明細書では特定の実施形態について説明及び開示してきたが、本明細書に記載の実施態様は、限定ではなく例示を目的とするものであり、また、当業者は、本明細書に添付する特許請求の範囲の真の趣旨及び全範囲を逸脱することなく様々な変更が可能であると考えることができることが分かるであろう。