特許第6495274号(P6495274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6495274
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】圧電封着ヘッドを備えた超音波吻合器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/11 20060101AFI20190325BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   A61B17/11
   A61B17/00 700
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-530854(P2016-530854)
(86)(22)【出願日】2014年11月11日
(65)【公表番号】特表2016-537090(P2016-537090A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】US2014064996
(87)【国際公開番号】WO2015073425
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年11月10日
(31)【優先権主張番号】14/081,190
(32)【優先日】2013年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317011687
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シュテューレン・フォスター・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ディエツ・ティモシー・ジー
【審査官】 大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−517598(JP,A)
【文献】 特表2001−514541(JP,A)
【文献】 特開2012−232117(JP,A)
【文献】 特開平08−056953(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/047857(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位側に延在するシャフトであって、前記シャフトが遠位端を有する、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端に配置される超音波要素であって、前記超音波要素が遠位方向に向く環状面を含む、超音波要素と、
(d)環状クランプパッドであって、前記クランプパッドが前記超音波要素の前記遠位方向に向く環状面に向かって移動可能である、環状クランプパッドと、
を含み、
前記超音波要素が超音波トランスデューサであり、
前記超音波トランスデューサが円筒状形状を有し、
アンビルを更に含み、前記アンビルが、前記クランプパッドが固定されるヘッドを含み、
前記ヘッドが、前記クランプパッドに対して内側にある陥凹部を画定し、
前記シャフトの前記遠位端がシュラウドを含み、前記超音波トランスデューサが前記シュラウド内に配置されており、
1の管状組織構造が前記アンビルに固定され、他の管状組織構造が前記シュラウドに固定されている際に、前記クランプパッドが前記超音波トランスデューサの前記遠位方向に向く環状面に向かって移動して、前記1の管状組織構造の自由端および前記他の管状組織構造の自由端が前記陥凹部内に集められ、前記1の管状組織構造および前記他の管状組織構造が前記クランプパッドおよび前記超音波トランスデューサの前記遠位方向に向く環状面間で挟み込まれた状態で、前記超音波トランスデューサにより生成された超音波振動により、前記1の管状組織構造および前記他の管状組織構造を切断および封着する、機器。
【請求項2】
前記本体がハンドルアセンブリを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記シャフトが湾曲している、請求項1に記載の機器。
【請求項4】
前記本体から前記超音波トランスデューサまで前記シャフトを通って延在する、1つ又は2つ以上の電気導体を更に含む、請求項に記載の機器。
【請求項5】
前記超音波トランスデューサが中央穴を画定する、請求項1に記載の機器。
【請求項6】
前記超音波トランスデューサの前記中央穴を通って延在する細長い部材を更に含み、前記細長い部材は、前記超音波トランスデューサ前記遠位方向に向く環状面に近づく方向及び前記遠位方向に向く環状面から離れる方向に前記クランプパッドを選択的に動かすよう操作可能である、請求項に記載の機器。
【請求項7】
前記細長い部材がトロカールを含む、請求項に記載の機器。
【請求項8】
前記アンビルが、前記ヘッドから延出し、前記細長い部材と連結されるよう構成されている柄を含む、請求項に記載の機器。
【請求項9】
前記シュラウドが、前記超音波トランスデューサの外側領域に対して内向きの圧縮力を印加するよう構成されている、請求項に記載の機器。
【請求項10】
前記シュラウドが遠位縁を含み、前記遠位方向に向く環状面が前記遠位縁と同一面である、請求項に記載の機器。
【請求項11】
前記超音波トランスデューサが、長手方向の動き及び径方向の動きで超音波振動するよう構成されている、請求項1に記載の機器。
【請求項12】
前記クランプパッドが、止血又は組織治癒を強化するように構成された物質を含む、請求項1に記載の機器。
【請求項13】
前記超音波トランスデューサに電力を供給するよう操作可能な発電機を更に含み、前記発電機がケーブルを介して前記本体に連結されている、請求項1に記載の機器。
【請求項14】
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位側に延在するシャフトであって、前記シャフトが遠位端を有する、シャフトと、
(c)前記シャフトの前記遠位端に配置される円筒状超音波トランスデューサであって、前記超音波トランスデューサが遠位方向に向く環状面を含む、円筒状超音波トランスデューサと、
(d)前記超音波トランスデューサに対して並進運動可能なアンビル連結機構と、
(e)アンビルであって、前記アンビルが前記アンビル連結機構と連結するよう構成されており、前記アンビルが環状クランプパッド、及び、前記クランプパッドが固定されるヘッドを含み、前記クランプパッドが、前記超音波トランスデューサの前記遠位方向に向く環状面に向かって移動可能であり、前記ヘッドが、前記クランプパッドに対して内側にある陥凹部を画定し、アンビルと、
を含み、
前記シャフトの前記遠位端がシュラウドを含み、前記超音波トランスデューサが前記シュラウド内に配置されており、
1の管状組織構造が前記アンビルに固定され、他の管状組織構造が前記シュラウドに固定されている際に、前記クランプパッドが前記超音波トランスデューサの前記遠位方向に向く環状面に向かって移動して、前記1の管状組織構造の自由端および前記他の管状組織構造の自由端が前記陥凹部内に集められ、前記1の管状組織構造および前記他の管状組織構造が前記クランプパッドおよび前記超音波トランスデューサの前記遠位方向に向く環状面間で挟み込まれた状態で、前記超音波トランスデューサにより生成された超音波振動により、前記1の管状組織構造および前記他の管状組織構造を切断および封着する、機器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
吻合は、患者の体内で2つの中空組織構造を繋ぎ合わせ、これによりこれら2つの中空組織構造の間に流体連通を提供し得る。この吻合は、望ましくない漏れが吻合部位から生じるのを防ぐ、封着された外周を有し得る。この吻合は、側々吻合(例えば、小腸の側壁を胃の側壁に接合するなど)又は端々吻合(例えば、2つの管状組織構造を繋ぎ合わせるなど)を含み得る。例えば、いくつかの外科処置では、望ましくない組織を排除するか又は他の理由で、消化管の一部分を切り離し除去することがある。望ましくない組織を除去した後、消化管の残りの部分を吻合で再結合させることができる。こうした吻合処置を達成するのに使用され得る器具の1つが円形ステープラである。円形ステープラは、患者に天然に存在する開口部、及び/又は外科的に形成した開口部を通して挿入される。
【0002】
円形外科用ステープラの例は、1993年4月27日に発行の名称を「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」とする米国特許第5,205,459号、1993年12月21日に発行の名称を「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」とする米国特許第5,271,544号、1994年1月4日に発行の名称を「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」とする米国特許第5,275,322号、1994年2月15日に発行の名称を「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」とする米国特許第5,285,945号、1994年3月8日に発行の名称を「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」とする米国特許第5,292,053号、1994年8月2日に発行の名称を「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」とする米国特許第5,333,773号、1994年9月27日に発行の名称を「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」とする米国特許第5,350,104号、1996年7月9日に発行の名称を「Surgical Anastomosis Stapling Instrument」とする米国特許第5,533,661号、2012年11月22日に公開された名称を「Low Cost Anvil Assembly for a Circular Stapler」とする米国特許公開第2012/0292372号、及び、2013年9月24日に出願された名称を「Surgical Stapler with Rotary Cam Drive and Return」とする米国特許出願第14/033,688号に記述されており、これらの開示は参照により本明細書に援用される。上に引用した米国特許及び米国特許出願公報のそれぞれの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。このようなステープラのいくつかは、組織層をクランプし、クランプした組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって組織層の切断された端部の近くで組織層を共に実質的に封着し、それによって管状組織構造の2つの切断された端部を接合するように動作可能である。
【0003】
ステープルの駆動機構を備える代わりに、組織を(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)切断及び封着するために、又は単に組織を封着するために、超音波周波で振動するブレード要素を有するエンドエフェクタは、様々な外科器具に含まれている。これらの器具は、電力を超音波振動に変換する圧電素子を含んでおり、それらの振動は音響導波管に沿ってブレード要素に伝達される。切断及び凝固の精度は、外科医の技術によって、並びに電力レベル、ブレードエッジ角度、組織引張、及びブレード圧力を調節することによって制御され得る。
【0004】
超音波外科器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo−Surgery,Inc.(オハイオ州Cincinnati)製である。そのような装置及び関連する概念の更なる例は、1994年6月21日に発行の名称を「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」とする米国特許第5,322,055号(この開示は参照により本明細書に援用される)、1999年2月23日に発行の名称を「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」とする米国特許第5,873,873号(この開示は参照により本明細書に援用される)、1997年10月10日に発行の名称を「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」とする米国特許第5,980,510号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2001年12月4日に発行の名称を「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」とする米国特許第6,325,811号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2004年8月10日に発行の名称を「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」とする米国特許第6,773,444号(この開示は参照により本明細書に援用される)、及び、2004年8月31日に発行の名称を「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」とする米国特許第6,783,524号(この開示は参照により本明細書に援用される)に開示されている。
【0005】
超音波外科器具のまた更なる例は、2006年4月13日に発行の名称を「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」とする米国特許公開第2006/0079874号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2007年8月16日に発行の名称を「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」とする米国特許公開第2007/0191713号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2007年12月6日に発行の名称を「Ultrasonic Waveguide and Blade」とする米国特許公開第2007/0282333号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2008年8月21日に発行の名称を「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」とする米国特許公開第2008/0200940号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2009年4月23日に発行の名称を「Ergonomic Surgical Instruments」とする米国特許公開第2009/0105750号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2010年3月18日に発行の名称を「Ultrasonic Device for Fingertip Control」とする米国特許公開第2010/0069940号(この開示は参照により本明細書に援用される)、及び、2011年1月20日に発行の名称を「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」とする米国特許公開第2011/0015660号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2012年2月2日に発行の名称を「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」とする米国特許公開第2012/0029546号(この開示は参照により本明細書に援用される)、及び、2013年1月18日に発行の名称を「Ultrasonic Surgical Apparatus with Silicon Waveguide」とする米国特許出願第13/745,385号(この開示は参照により本明細書に援用される)に開示されている。
【0006】
一部の超音波外科器具はコードレストランスデューサを含み得、これは例えば、2012年5月10日に発行の名称を「Recharge System for Medical Devices」とする米国特許公開第2012/0112687号(この開示は参照により本明細書に援用される)、2012年5月10日に発行の名称を「Surgical Instrument with Charging Devices」とする米国特許公開第2012/0116265号(この開示は参照により本明細書に援用される)、及び/又は2010年11月5日に発行の名称を「Energy−Based Surgical Instruments」とする米国特許出願第61/410,603号(この開示は参照により本明細書に援用される)に開示されている。
【0007】
加えて、一部の超音波外科器具には関節接合シャフト部分が含まれ得る。そのような超音波外科器具の例は、2012年6月29日に出願の名称を「Surgical Instruments with Articulating Shafts」とする米国特許出願第13/538,588号(この開示は参照により本明細書に援用される)、及び、2012年10月22日に出願の名称を「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」とする米国特許出願第13/657,553号(この開示は参照により本明細書に援用される)に開示されている。
【0008】
吻合部位で中空の解剖学的構造を接合するため、様々な種類の器具及び技法が作られ、使用されてきたが、本発明の発明者以前に、添付の請求項に述べた発明を作った又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は本技術を具体的に指摘しかつ明確にその権利を請求する特許請求の範囲によって完結するが、本技術は、以下の特定の例の説明を添付図面と併せ読むことでより良く理解されるものと考えられ、図面では同様の参照符号は同じ要素を特定する。
図1】超音波ヘッドアセンブリに連結されたアンビルを備えた、例示的な超音波吻合器具の側立面図を示す。
図2】アンビルが超音波ヘッドアセンブリから外された、図1の器具の側立面図を示す。
図3図1の器具のアンビルの斜視図を示す。
図4図1の器具のシャフトアセンブリ及び超音波ヘッドアセンブリの分解図を示す。
図5図1の器具の超音波ヘッドアセンブリの側面断面図を示す。
図6A】第1管状組織構造内に配置された図5の超音波ヘッドアセンブリの側面断面図を示し、アンビルは超音波ヘッドアセンブリから分離され、第2管状組織構造内に配置されている。
図6B図5の超音波ヘッドアセンブリの側面断面図を示し、第1管状組織構造が超音波ヘッドアセンブリのトロカール周囲に縫合され、アンビルは超音波ヘッドアセンブリから分離され、第2管状組織構造がアンビルの柄の周囲に縫合されている。
図6C図5の超音波ヘッドアセンブリの側面断面図を示し、アンビルの柄が、超音波ヘッドアセンブリのトロカールに連結されている。
図6D図5の超音波ヘッドアセンブリの側面断面図を示し、アンビルの柄と超音波ヘッドアセンブリのトロカールが超音波ヘッドアセンブリ内に引き込まれ、超音波ヘッドアセンブリとアンビルの間の第1及び第2管状構造の領域を圧縮している。
図6E図5の超音波ヘッドアセンブリの側面断面図を示し、超音波ヘッドアセンブリのトランスデューサ要素が作動し、圧縮されている組織に対して切除と封着を同時に行っている。
図6F】吻合部位で接合された第1及び第2管状構造の側面断面図を示す。
【0010】
各図面は、いかなる意味においても限定を意図するものではなく、図に必ずしも示していないものを含め、本技術の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることが考えられる。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は図示される厳密な配置に限定されないことは理解される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記の本技術の特定例の記述は、本発明の範囲を制限するために使用するべきではない。本技術のその他の例、特徴、態様、実施形態及び利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、その他種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、制限的なものではなく、例示的な性質のものとみなすべきである。
【0012】
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されたい。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0013】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、外科用器具の人間又は、ロボットの操作者に対して本明細書で定義する。「近位」という用語は、外科用器具の人間又はロボットの操作者により近く、かつ、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を参照する。「遠位」という用語は、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科用器具の人間又はロボットの操作者から更に離れた要素の位置を指す。
【0014】
I.例示的な吻合用器具
図1〜2は、ハンドルアセンブリ(20)、超音波ヘッドアセンブリ(40)、シャフトアセンブリ(18)、及びアンビル(60)を有する例示的な吻合用器具(10)を示し、それぞれについて、以下により詳細に説明する。シャフトアセンブリ(18)はハンドルアセンブリ(20)から遠位に延在する。超音波ヘッドアセンブリ(40)は、シャフトアセンブリ(18)の遠位端にある。アンビル(60)は、シャフトアセンブリ(18)のトロカール(34)と着脱可能に連結され、これにより、超音波ヘッドアセンブリ(40)に組織を圧縮するよう構成される。次に、ハンドルアセンブリ(20)は、超音波ヘッドアセンブリ(40)のトランスデューサ要素(70)を作動させ、超音波ヘッドアセンブリ(40)とアンビル(60)の間に捕捉された組織を切除及び封着するよう操作可能である。したがって、吻合用器具(10)は、図6A〜6Fに示すように、吻合(140)部位で、2つの管状組織構造(100、110)の自由端を合わせて、封着状態で接合するのに使用することができる。器具(10)の例示的な特徴が以下でより詳細に説明されるが、数多くの変形例が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0015】
下記の教示に加えて、下記特許の教示の少なくとも一部に従って、器具(10)の1つ又は複数の超音波機能を構築できることが理解されよう:米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許公開第2006/0079874号、米国特許公開第2007/0191713号、米国特許公開第2007/0282333号、米国特許公開第2008/0200940号、米国特許公開第2009/0105750号、米国特許公開第2010/0069940号、米国特許公開第2011/0015660号、米国特許公開第2012/0112687号、米国特許公開第2012/0116265号、米国特許出願第13/538,588号、米国特許出願第13/657,553号、及び/又は米国特許出願第61/410,603号。前述の特許、公開、及び出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
A.例示的なハンドルアセンブリ
本実施例のハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(22)と、トリガアセンブリ(24)と、ノブ(26)と、トロカール作動ボタン(30)と、を含む。ピストルグリップ(22)は単に任意追加的であり、これによりハンドルアセンブリ(20)は他の好適な種類のグリップ機能を提供し得る。ケーブル(16)はピストルグリップ(22)から延出し、更に発電機(12)に連結される。発電機(12)は、超音波ヘッドアセンブリ(40)のトランスデューサ要素(70)に電力を選択的に供給するよう操作可能である。あくまで一例として、発電機(12)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(オハイオ州Cincinnati)により販売されているGEN 300を備えることができる。追加的にあるいは代替的に、発電機(12)は、2011年4月14日に公開された「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題する米国特許公開第2011/0087212号(この開示は参照により本明細書に援用される)に示される教示の少なくとも一部に従って、構築され得る。また、発電機(12)の機能性の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(20)に組み込むことができ、ハンドルアセンブリ(20)はケーブル(14)を省略するように更に電池又は他の搭載された電源を含むこともまたできると理解されたい。なお、発電機(12)が有することができる他の好適な形体、並びに発電機(12)が提供することができる種々の機構及び動作性は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0017】
トリガアセンブリ(24)は、発電機(12)を超音波ヘッドアセンブリ(40)のトランスデューサ要素(70)に選択的に連結するようにピストルグリップ(22)に向かって枢動可能であり、これによりトランスデューサ要素(70)に選択的に通電する。いくつかの変形例において、トリガアセンブリ(24)は、トリガアセンブリ(24)を誤って作動させるのを防ぐ安全機能を含む。いくつかのそのような変形例において、この安全機能は、アンビル(60)が超音波ヘッドアセンブリ(40)から所定の距離範囲外にあるときに、トリガアセンブリ(24)を効果的に使用不能にするか、又は他の方法でトリガアセンブリ(24)の作動を防止する。アンビル(60)が超音波ヘッドアセンブリ(40)から所定の距離範囲内の位置に達すると、この安全機能は、トリガアセンブリ(24)の作動を可能にし得る。単なる一例として、そのような安全機能は、3013年9月24日に出願された「Control Features for Motorized Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許出願第14/033,751号(この開示は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って提供することができる。トリガアセンブリ(24)の安全機能を構成することができるその他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。同様に、本明細書の教示を考慮することで、トリガアセンブリ(24)の他の好適な機能及び構成も、当業者に明らかになるであろう。
【0018】
ノブ(26)は、トロカール作動アセンブリ(30)を選択的に作動させるよう回転可能である。以下に詳細に説明されるように、トロカール作動アセンブリ(30)は、トロカール(34)を選択的に並進運動させるよう操作可能であり、これにより、超音波ヘッドアセンブリ(40)に対するアンビル(60)の位置を選択的に調節する。具体的には、ノブ(26)を一方向に回転させることにより、アンビル(60)が超音波ヘッドアセンブリ(400)に向かって近位側に引き戻され、ノブ(26)を反対方向に回転させることにより、アンビル(60)が超音波ヘッドアセンブリ(400)から遠位側に進む。トロカール作動アセンブリ(30)はこのように、ノブ(26)の回転運動を、トロカール(34)及びアンビル(60)の線形運動に変換するよう作動可能である。あくまで一例として、トロカール作動アセンブリ(30)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、米国特許公開第2012/0292372号、及び/又は米国特許出願第14/033,688号の教示の少なくとも一部に従って構成することができ、これらのすべての開示が参照により本明細書に援用される。トロカール作動アセンブリ(30)が構成され得るその他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
【0019】
B.例示的なシャフトアセンブリ
本実施例において、シャフトアセンブリ(18)は剛性の湾曲した形状を有し、これは、直腸アプローチによる患者の大腸内での超音波ヘッドアセンブリ(40)の位置決めを促進し得る。いくつかの他の変形例において、シャフトアセンブリ(18)は剛性で真っ直ぐである。更に他の変形例において、シャフトアセンブリ(18)は可撓性である。更に別の単なる例示的代替例として、シャフトアセンブリ(18)は、可撓性構成と剛性構成の間を選択的に移行するよう操作可能であり得る。単なる一例として、そのような選択的移行は、2012年12月17日に出願された「Motor Driven Rotary Input Circular Stapler with Lockable Flexible Shaft」と題する米国特許出願第13/716,323号(この開示は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って提供することができる。
【0020】
図4で最もよくわかるように、本実施例のシャフトアセンブリ(18)はトロカール作動シャフト(32)を含み、これはシャフトアセンブリ(18)内で並進運動するよう操作可能である。トロカール(34)はトロカール作動シャフト(32)の遠位端に固定されており、これにより、トロカール(34)は、トロカール作動シャフト(32)と一体となって並進運動する。トロカール作動シャフト(32)はトロカール作動アセンブリ(30)に連結されており、これにより、トロカール作動アセンブリ(30)は、トロカール作動シャフト(32)を介してトロカール(34)を並進運動させるよう操作可能である。本明細書の教示を考慮すれば、トロカール作動シャフト(32)をトロカール作動アセンブリ(30)と連結することができる様々な適切な方法が、当業者には明らかであろう。
【0021】
トロカール(34)は、アンビル(60)の柄(66)に選択的に挿入されるよう構成されており、これについては以下で詳述する。本実施例のトロカール(34)は、先細の遠位先端(36)を備える。かかる先端(34)は、組織に穿孔し、かつ/又はトロカール(34)上へのアンビル(60)の柄(66)の配置を支援することが可能であってもよいが、先端(36)の先細形状は単に任意のものである。例えば、他の変形例において、トロカール(34)は鈍い先端(36)を有してもよい。それに加えて、又はその代わりに、トロカール(34)は、アンビル(60)をトロカール(34)に向かって引き付け得る磁性部分(図示なし)を含んでもよい。トロカール(34)の更に他の構成及び配置は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0022】
C.例示的な超音波ヘッドアセンブリ
本実施例の超音波ヘッドアセンブリ(40)は、トランスデューサ要素(70)を受容するような寸法にされたソケットを画定するシュラウド(42)を含む。あくまで一例として、シュラウド(42)は、アルミニウム及び/又は任意の他の好適な材料を含み得る。トランスデューサ要素(70)は圧電材料で形成され、これによってトランスデューサ要素(70)は、発電機(12)からの電力を超音波振動に変換するよう構成される。図4〜5で最もよくわかるように、本実施例のトランスデューサ要素(70)は、穴(71)を画定する単一のモノリシックな圧電材料片からなり、これによって、トランスデューサ要素(70)は中空の細長い円筒状形状を有する。よって、トランスデューサ要素(70)は、遠位面(72)、近位面(74)、内径表面(76)、及び外径表面(78)を含む。あくまで1つの代替例として、トランスデューサ要素(70)は、同軸的に配列されて積層体とされる複数の圧電ディスク要素によって形成されていてもよい。トランスデューサ要素(70)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0023】
いくつかの変形例において、トランスデューサ要素(70)は、締まり嵌めによりシュラウド(42)内に収容され、これによりシュラウド(42)は、外径表面(78)に対して、径方向内向きの圧縮力を印加する。いくつかの変形例において、トランスデューサ要素(70)と相対するシュラウド(40)表面との間に、防音材が挿入される。更に別の単なる具体例として、シュラウド(42)は内向きの環状突起を含み得、これが、トランスデューサ要素(70)を通って伝わる共鳴超音波振動に関連するノードに対応する長手方向位置で、トランスデューサ要素(70)に対して内向きの圧縮力を印加する。更に、1つ又は2つ以上の機能が、遠位面(72)上に配置され得ることが理解されよう。例えば、金属性ワッシャを遠位面(72)上に配置することができ、これにより、音波伝導性を提供しながら、保護を提供することができる。あくまで一例として、かかるワッシャは、チタン(Ti6Al4V)及び/又は他の好適な任意の材料を含み得る。トロカール(34)は、穴(71)内に同軸的に配置される。図5〜6Bに示すように、穴(71)の直径は、トロカール(34)がトランスデューサ要素(70)に対して遠位及び近位に自在に並進運動できるのに十分な大きさである。図6C〜6Eに示すように、穴(71)は更に、アンビル(60)の柄(66)を収容する寸法にされ、これにより柄(66)が内径表面(76)に接触することなく穴(71)に挿入され得る。
【0024】
面(72、74)は、(例えばコーティング、フィルム、その他の機能により)電気的に絶縁されている。一方、表面(76、78)は導電性である(例えば、金属めっきなどを有する)。トランスデューサ要素(70)は、電圧が表面(76、78)に印加されたとき(例えば、表面(76)がアース又はニュートラル経路となる)、電力を超音波振動に変換するよう構成される。あくまで一例として、トランスデューサ要素(70)は、2013年1月18日に出願された「Ultrasonic Surgical Apparatus with Silicon Waveguide」と題する米国特許出願第13/745,385号(この開示は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って構成されることができる。
【0025】
発電機(12)からの電力は、ワイヤ(80)を介してトランスデューサ要素(70)に達する。このワイヤは、超音波ヘッドアセンブリ(40)及びシャフトアセンブリ(18)を通って形成された通路(44)内に配置される。ワイヤ(80)は、トリガアセンブリ(24)の作動に基づいて、ケーブル(14)ひいては発電機(12)と、選択的に電気的に連通する。ワイヤ(80)は、様々な方法でトランスデューサ要素(70)に連結され得る。あくまで一例として、ワイヤ(80)は、2013年9月20日に出願された「Transducer Features for Ultrasonic Surgical Instrument」と題する米国特許出願第14/032,842号(この開示は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って、トランスデューサ要素(70)に連結され得る。ワイヤ(80)は単なる例であり、他の任意の好適な種類の電気導体が使用可能であることが理解されよう。トランスデューサ要素(70)が電力を受け取ることができる他の適当な方法は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。
【0026】
本実施例では、トランスデューサ要素(70)の遠位面(72)は、トランスデューサ要素(70)を通じて伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に配置される。トランスデューサ要素(70)が通電されたとき、遠位面(72)は、例えば、ピーク間で約10〜500マイクロメートル、一部の例では、例えば、55.5kHzの所定の振動周波数fにて約20〜約200マイクロメートルの範囲で、軸方向/長手方向及び/又は径方向に移動するように構成される。本実施例のトランスデューサ要素(70)が作動すると、遠位面(72)はこれにより、共鳴超音波周波数で軸方向/長手方向及び/又は径方向に振動する。したがって、以下に詳細に説明されるように、組織がトランスデューサ要素(70)の遠位面(72)とアンビル(60)のクランプパッド(64)との間にクランプされたとき、トランスデューサ要素(70)の軸方向/長手方向及び/又は径方向の超音波振動によって、組織を切断すると同時に隣接する組織細胞中のタンパク質を変性させることができ、これによって、比較的わずかな熱拡散で凝固効果を提供することができる。一部の変形例において、電流は更に、トランスデューサ要素(70)及び/又はクランプパッド(64)を介して供給されてよく、これにより更に組織を焼灼する。
【0027】
本実施例では、トランスデューサ要素(70)の遠位面(72)は、シュラウド(42)の遠位縁(48)と同一面である。いくつかの他の変形例において、トランスデューサ要素(70)の遠位面(72)は、シュラウド(42)の遠位縁(48)を超えて遠位方向に突出している。更に他の変形例において、トランスデューサ要素(70)の遠位面(72)は、シュラウド(42)の遠位縁(48)に対して近位に引っ込んでいる。トランスデューサ要素(70)の遠位面(72)がシュラウド(42)の遠位縁(48)に対して近位に引っ込んでいる変形例において、クランプパッド(64)は、アンビル(60)が超音波ヘッドアセンブリ(40)に対して完全に引き戻された位置にあるとき、シュラウド(42)の遠位縁(48)を超えて近位側に突出するよう構成され得る。これら構造的特徴部の間のその他の好適な関係は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。
【0028】
トランスデューサ要素(70)を多様な方法で変更できることが理解されよう。あくまで一例として、トランスデューサ要素(70)は、本明細書に引用される様々な参考文献に教示される圧電構成と同様に、同軸的に配置された圧電環構造の積層体を含み得る。また、トランスデューサ要素(70)の近位面(74)と、超音波ヘッドアセンブリ(40)のシュラウド(42)内の遠位側に向いた表面(46)との間に、エンドマスを長手方向に介在させることできることも理解されよう。そのようなエンドマスは、ディスクの形態、及び/又は他の好適な任意のタイプの構造であり得る。いくつかの他の変形例において、トランスデューサアセンブリは、ハンドルアセンブリ(20)内(例えば、ピストルグリップ(22)などの内部)に配置され、音波導波管がシャフトアセンブリ(18)内を通って延在して、超音波ヘッドアセンブリ(40)内にある円筒状ブレードに達し、これにより、トランスデューサアセンブリにより生成された超音波振動が、円筒状ブレードに伝わる。そのような円筒状ブレードは、トランスデューサ要素(70)の形状に実質的に類似の形状を有していてよく、これにより、円筒状ブレードは、トランスデューサ要素(70)と同様に、アンビル(60)と協働する。シャフトアセンブリ(18)が屈曲形状を有する場合、又は別に、導波管が湾曲経路に沿って屈曲する必要がある場合の変形例において、導波管は、米国特許出願第13/538,588号及び/又は米国特許出願第13/657,553号(これらの開示は参照により本明細書に援用される)の教示の少なくとも一部に従って構築され得る。本明細書の教示を考慮することで、その他好適な変更例が当業者に明らかであろう。
【0029】
D.例示的なアンビル
図3で最も良くわかるように、本実施例のアンビル(60)は、ヘッド(62)と、柄(66)とを含む。ヘッド(62)は、近位側を向いた環状クランプパッド(64)を含む。いくつかの変形例において、クランプパッド(64)はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。例えば、クランプパッド(64)は、PTFE又はその他の低摩擦材料でコーティングされた鋼を含み得る。別の単なる具体例として、クランプパッド(64)はポリイミド、グラファイト、及びPTFEの組み合わせを含み得る。クランプパッド(64)を形成するために使用され得る他の好適な材料(及びその組み合わせ)は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。クランプパッド(64)は、実質的に平坦であってよく、又は様々な種類の表面形状を含み得ることが理解されよう。例えば、クランプパッド(64)は、刻み、径方向に延在する隆起部の角度をつけて間隔を空けた配列(例えば、放射線模様など)、同心性環状隆起部の配列、十字交差する隆起部、及び/又はその他の様々な表面形状を含み得る。クランプパッド(64)はまた、先細であってもよい。例えば、クランプパッド(64)の露出表面は、クランプパッド(64)の内径部分の厚さが、クランプパッド(64)の外径部分の厚さよりも厚くなるように、先細であり得る。別の単なる具体例として、クランプパッド(64)は、クランプパッド(64)が、角の丸い正三角形の断面形状を有するように、先細であり得、アンビル(60)がトロカール(34)と連結したときに、トランスデューサ要素(70)の遠位面(72)に先端が向くようになっていてよい。
【0030】
クランプパッド(64)は更に、米国特許公開第2006/0079874号の1つ又は2つ以上の教示に従って構築されてよく、この開示は参照により本明細書に援用される。クランプパッド(64)及び/又はアンビル(60)の他の部分は更に、止血及び/又は組織治癒を高めるための、生物学的物質、薬剤、及び/又はその他の物質を含み得る。止血及び/又は組織治癒を高めるための、様々な好適な生物学的物質、薬剤、及び/又はその他の物質は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。同様に、本明細書の教示を考慮することで、クランプパッド(64)の他の好適な形状及び構成も、当業者には明らかであろう。
【0031】
ヘッド(62)は更に、柄(66)とクランプパッド(64)との間に画定された陥凹部(68)を含む。陥凹部(68)は、余分な組織を収容するように構成されるが、これについては以下で詳述する。図6A〜6Eに最もわかりやすく示されるように、柄(66)は、トロカール(34)を受容するように構成されている穴(69)を画定する。柄(66)は更に、柄(66)の自由端に向かって延出する複数のリーフ板(67)を含む。リーフ板(67)は弾力的に付勢され、円筒状形状を画定するが、依然として、トロカール(34)の挿入を可能にするために、外向きに変形可能である。トロカール(34)が一定の深さまで柄(66)の穴(69)に挿入されると、リーフ板(67)が内向きにカチッと閉まってトロカール(34)を捕捉し、これにより、柄(66)とトロカール(34)との間にスナップ嵌めをもたらす。いくつかの他の変形例において、柄(66)は、柄(66)をトロカール(34)に選択的に固定する、弾性的に付勢された保持クリップを含む。更に他の変形例において、柄(66)及び/又はトロカール(34)は、アンビル(60)とトロカール(34)との間に取り外し可能又は一方向の連結を提供するような、かかり、一方向スナップ、コレット、カラー、タブ、バンド、及び/又は任意の他の好適な機構を含み得る。更なる例として、アンビル(60)は、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号、米国特許公開第2012/0292372号、及び/又は米国特許出願第14/033,688号の教示の少なくとも一部に従ってトロカール(34)と連結することができ、これらのすべての開示が参照により本明細書に援用される。更に別の単なる具体例として、アンビル(60)はねじ付きスタッドを介してトロカール(34)と連結され得る。更に、トロカール(34)は穴(69)に類似の形状を含んでよく、柄(66)は先端(36)に類似の閉じた先端を含み得ることが理解されよう。アンビル(60)がトロカール管(34)と連結され得る更に他の好適な方式が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。
【0032】
アンビル(60)がトロカール(34)に連結されると、クランプパッド(64)の近位側を向いた表面とトランスデューサ要素(70)の遠位面(72)との間の距離が、間隙距離dを画定する。上述のように、ノブ(26)は、トロカール作動アセンブリ(30)を作動させるのに使用することができ、ノブ(26)が回転する方向に基づいて間隙距離dを調節する。間隙距離dが所定の範囲内に入ると、トリガアセンブリ(24)が作動してトランスデューサ要素(70)を起動し、これによって、クランプパッド(64)とトランスデューサ要素(70)の遠位面(72)との間に捕捉された組織を切断し封着する。間隙距離dに関する視覚的フィードバックを手術者に提供するために、本実施例のハンドルアセンブリ(20)は、間隙距離dが所定の範囲内にあるかどうかの視覚的な指標をユーザーに提供するよう操作可能な機能を備えたインジケータウィンドウ(38)を含む。あくまで一例として、インジケータウィンドウ(38)は、固定されたしるしに対して移動するバーを含み得る(例えば、米国特許第5,533,661号(この開示は参照により本明細書に援用される)の教示によるもの)。あるいは、インジケータウィンドウ(38)は、間隙距離dが所定の範囲内にあるかどうかの視覚的な指標を手術者に提供する、1つ又は2つ以上のLED、LCD画面、及び/又は任意の他の好適な機能を含み得る。追加的にあるいは代替的に、ハンドルアセンブリ(20)は、間隙距離dが所定の範囲内にあるかどうかの聴覚的な指標を提供する、1つ又は2つ以上の機能を含み得る。例えば、聴覚的フィードバック機能は、間隙距離dが所定の範囲内にあるときに、特定のトーン、トーンのパターン、又は他の何らかの聴覚的な指標を提供し得る。間隙距離dが所定の範囲内にあることを器具(10)が手術者に示し得る更に他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。
【0033】
トランスデューサ要素(70)の遠位面(72)とアンビル(60)のクランプパッド(64)との間に挟まれた組織に対し、適切な超音波切断及び封着を行うことは、遠位面(72)及びクランプパッド(64)により組織に付与される圧力又は圧縮力の大きさに依存し得ることが、理解されよう。間隙距離dは、好ましい圧縮力と相関し得ることが理解されよう。あるいは、トロカール作動シャフト(32)の作動は、実際の圧縮力により重点を置いており、距離dにはあまり重点を置いていなくともよい。あくまで一例として、いくつかの変形例において、トロカール作動シャフト(32)は長手方向に柔軟性を有する(例えば、長さ方向に沿って可塑的に変形可能である)。トロカール作動シャフト(32)の伸縮性は、遠位面(72)とクランプパッド(64)とにより組織に付与される圧縮力が、およその所定値に達してから、トロカール作動シャフト(32)が延伸し始めることができるように、選択され得る。この圧縮力がおよその所定値に達すると、トロカール作動シャフト(32)が延伸し始めることができ、これによりノブ(26)によるトロカール作動シャフト(32)の更なる作動が、圧縮力を顕著に増加させることはない。いくつかのそのような変形例において、インジケータウィンドウ(38)は、トロカール作動シャフト(32)が延伸された度合の視覚的指標を提供することができ、これは、遠位面(72)及びクランプパッド(64)により組織に付与される圧縮力を示すものになり得る。更に別の単なる具体例として、弾力性部材(例えば、コイルばね、ばね積層体など)をトロカール作動シャフト(32)とノブ(26)との間に挿入することができる。そのような弾力性部材は同様に、圧縮力がおよその所定値に達したときに、ある程度の延伸を提供し得る。圧縮力がおよその所定値に達したことに応じて、器具(10)が、1つ又は2つ以上の構成要素の伸縮性を提供し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。
【0034】
II.超音波吻合器具の例示的な操作
図6A〜6Fは、器具(10)がある管状組織構造(100)を別の管状組織構造(110)と接合するのに使用されるプロセスを示す。あくまで一例として、組織構造(100、110)は、患者の腸管(例えば、結腸など)の一部を含み得、この管は切断されて管の一部が除去され、自由端(104、114)が残されている。図6Aに示すように、超音波ヘッドアセンブリ(40)は、トロカール(34)が管状組織構造(110)の開放自由端(114)から突出するように、下の管状組織構造(110)を通って挿入されている。アンビル(60)は、柄(66)が管状組織構造(100)の開放自由端(104)から突出するように、上の管状組織構造(100)を通って挿入されている。超音波ヘッドアセンブリ(40)及びアンビル(60)が図6Aに示す位置に配置され得る様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。
【0035】
超音波ヘッドアセンブリ(40)及びアンビル(60)が図6Aに示す位置に配置された後、上の管状組織構造(100)の開放自由端(104)が、図6Bに示すように、アンビル(60)の柄(66)の一部を覆うように引っ張られる。同様に、下方の管状組織構造(110)の開放自由端(114)も、図6Bに示すように、トロカール(34)の一部を覆うように引っ張られる。次に、縫合糸(120)を巾着縫合形状で上の管状組織構造(100)に通し、縫合糸(120)を引っ張って、上の管状組織構造(100)を柄(66)に対して全体に締まるようにする。縫合糸(140)も、巾着縫合形状で下の管状組織構造(110)に通し、縫合糸(140)を引っ張って、下の管状組織構造(110)を柄(66)に対して全体に締まるようにする。この技法は単に任意のものであることが理解されよう。上の管状組織構造(100)をアンビル(60)に固定し得る他の様々な方法、並びに、下の管状組織構造(110)を超音波ヘッドアセンブリ(40)に固定し得る他の様々な方法が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。
【0036】
管状組織構造(100、110)がそれぞれアンビル(60)及び超音波ヘッドアセンブリ(40)に固定されたら、図6Cに示すように、リーフ板(67)がトロカール(34)にスナップ嵌めされるまで、トロカール(34)を柄(66)の穴(69)に挿入する。あくまで一例として、これは、従来型の組織把持器具セットで柄(66)の露出部分を把持してから、柄(66)をトロカール(34)に向けて引っ張ることによって、達成され得る。図6Cに示すように、柄(66)及びトロカール(34)を一緒に固定するのに使用され得る他の好適な技法及び器具は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。また、アンビル(60)を超音波ヘッドアセンブリ(40)に向けて動かすことで、管状組織構造(100)が管状組織構造(110)に向けて引っ張られることも、理解されよう。
【0037】
柄(66)及びトロカール(34)を共に固定した状態で、手術者は次にノブ(26)を回転させて、アンビル(60)を超音波ヘッドアセンブリ(40)に対して近位側に引き戻し、これにより、図6Dに示すように、クランプパッド(64)とトランスデューサ要素(70)の遠位面(72)との間の間隙距離dを小さくすることができる。上述のように、このノブ(26)の回転は、トロカール作動アセンブリ(30)及びトロカール作動シャフト(32)を介して、トロカール(34)を引き戻す動きに変換される。手術者は、インジケータウィンドウ(38)を見ることにより、間隙距離dをモニターできる。望ましい間隙距離dが達成されると、クランプパッド(64)とトランスデューサ要素(70)の遠位面(72)との間に捕捉された組織は、実質的に圧縮状態になり得ることが理解されよう。上述のように、トロカール作動シャフト(32)の柔軟性部(及び/又はトロカール作動シャフト(32)に連結された柔軟性部)は、クランプパッド(64)とトランスデューサ要素(70)の遠位面(72)との間に好適な圧縮力が達成されると、可塑的に変形し始め得る。トランスデューサ要素(70)は更に、この段階で長手方向への圧縮力を受け得る。クランプパッド(64)の内径に対して内側にある組織は、この段階で、陥凹部(68)内に集められ得ることが理解されよう。
【0038】
望ましい間隙距離d及び/又は圧縮力が達成されると、手術者は、トリガアセンブリ(24)を作動させることができ、これによって、図6Eに示すように、トランスデューサ要素(70)を超音波エネルギーで作動させる。トランスデューサ要素(70)により生成された超音波振動が、クランプパッド(64)と遠位面(72)との間に捕捉された組織を切断及び封着する。特に、陥凹部(68)内に集められた組織は、管状組織構造(100、110)の他の部分から切除される。管状組織構造(100、110)の隣接して並置された部分は一緒に封着され、これによって、全体に環状形状の封着された組織層が得られる。手術者は次に、器具(10)を患者から除去し(例えば、管状組織構造(110)の管腔(112)を通して)、図6Fに示すように、封着された吻合(140)が残される。陥凹部(68)内の切除された組織は、器具(10)と共に除去され得る。結果として得られた吻合(140)は、第1管状組織構造(100)の管腔(102)と第2管状組織構造(110)の管腔(112)との間の流体連通のための、明確な通路を提供し得る。また、吻合(140)は、通常の生物学的プロセス中に、管状組織構造(100、110)の表面/壁面/内部を通って伝わることになる力に耐えるのに十分な構造的一体性を有し得、これにより、管腔(102、112)及び吻合(140)を通る内容物は吻合(140)部位から漏れ出ることはないことが理解されよう。
【0039】
アンビル(60)は、図6Eから図6Fへの移行に示されるように、器具(10)を患者から除去するときに、トロカール(34)と連結したままであり得ることが理解されよう。場合によっては、図6Eに示す段階の完了後、図6Fに示すように器具(10)を除去する前に、手術者はノブ(26)を逆方向に回転させて、クランプパッド(64)とトランスデューサ要素(70)の遠位面(72)との間の間隙距離dを広げることができる。これは、吻合位置の組織を解放するのに役立ち、吻合(140)を損傷することなく器具(10)を除去するのを促進し得る。
【0040】
場合によっては、トランスデューサアセンブリ(70)は、作動のたびに患者から超音波ヘッドアセンブリ(40)を取り出す必要なく、同じ吻合(140)部位で繰り返し作動させることができる。更に、トランスデューサアセンブリ(70)は、作動のたびに患者から超音波ヘッドアセンブリ(40)を取り出す必要なく、患者の内部の様々な部位で作動させることができる。よって、器具(10)は、従来型の円形ステープラ器具よりも、繰り返し動作により適している可能性があることが理解されよう。更に、本実施例の器具(10)は、吻合(140)完了後に患者の内部にステープルなどの人工構成要素を残すことがない。
【0041】
端々吻合に関連して実施例が図6A〜6Fに示され上記に説明されてきたが、器具(10)は、側々吻合にも容易に使用可能であることが理解されよう。器具(10)が使用され得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかであろう。
【0042】
III.その他
本明細書で説明した教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上を、本明細書で説明される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上と組み合わせることができることが理解されるべきである。したがって、上述の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに関して孤立して考慮されるべきでない。本明細書による教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には容易に明らかであろう。そのような修正及び変形は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0043】
参照することにより、全部又は一部を、本明細書に組み込まれると述べた任意の特許、刊行物、又は他の開示文献は、組み込まれた文献が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示文献と矛盾しない範囲においてのみ本明細書に組み込まれることが理解されるべきである。したがって、必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の矛盾する文献に取って代わるものとする。参照することにより本明細書に組み込まれると述べた任意の文献又はその一部で、現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示文献と矛盾するものは、組み込まれた文献と現行の開示文献との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0044】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び手技で用いられてもよく、ロボット補助による医療処置及び手技で用いられてもよい。単なる実施例として、本明細書の様々な教示は、Intuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)のDAVINCI(商標)システムなどのロボット手術システムに容易に組み込まれることができる。
【0045】
上述の変形例は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されることもできる。変形例は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整には、デバイスを分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄又は交換する工程、並びにその後の再組み立てする工程の任意の組み合わせを含んでもよい。特に、デバイスのいくつかの変形例は分解されてもよく、また、デバイスの任意の個数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスのいくつかの変形例は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前にユーザーによって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は理解されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整されたデバイスは、全て、本出願の範囲内にある。
【0046】
単なる一例として、本明細書で説明した変形例は、手術の前及び/又は後に、滅菌されてもよい。ある滅菌技術において、デバイスは、プラスチック製又はタイベック(TYVEK)製のバックなど、閉じられ密封された容器に入れられる。次いで、容器及びデバイスは、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線により、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌した容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されるものではないが、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の他の任意の技術を使用して滅菌することもできる。
【0047】
本発明の様々な実施形態を図示及び説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変によって、本明細書で説明される方法及びシステムの更なる適合化を達成することができる。そのような可能な改変のいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上で議論した例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲において考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示し説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0048】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体と、
(b)該本体から遠位側に延在するシャフトであって、該シャフトが遠位端を有する、シャフトと、
(c)該シャフトの該遠位端に配置される超音波要素であって、該超音波要素が遠位方向に向く環状面を含む、超音波要素と、
(d)環状クランプパッドであって、該クランプパッドが該超音波要素の該遠位方向に向く環状面に向かって移動可能である、環状クランプパッドと、
を含む、機器。
(2) 前記本体がハンドルアセンブリを含む、実施態様1に記載の機器。
(3) 前記シャフトが湾曲している、実施態様1に記載の機器。
(4) 前記超音波要素が超音波トランスデューサを含む、実施態様1に記載の機器。
(5) 前記超音波トランスデューサが円筒状形状を有する、実施態様4に記載の機器。
【0049】
(6) 前記本体から前記超音波トランスデューサまで前記シャフトを通って延在する、1つ又は2つ以上の電気導体を更に含む、実施態様4に記載の機器。
(7) 前記超音波要素が中央穴を画定する、実施態様1に記載の機器。
(8) 前記超音波要素の前記中央穴を通って延在する細長い部材を更に含み、該細長い部材は、該超音波要素の該遠位方向に向く環状面に近づく方向及び該遠位方向に向く環状面から離れる方向に前記クランプパッドを選択的に動かすよう操作可能である、実施態様7に記載の機器。
(9) 前記細長い部材がトロカールを含む、実施態様8に記載の機器。
(10) アンビルを更に含み、該アンビルが、
(i)前記クランプパッドが固定される、ヘッドと、
(ii)該ヘッドから延出し、前記細長い部材と連結されるよう構成されている、柄と、
を含む、実施態様8に記載の機器。
【0050】
(11) 前記ヘッドが、前記クランプパッドに対して内側にある陥凹部を画定する、実施態様10に記載の機器。
(12) 前記シャフトの前記遠位端がシュラウドを含み、前記超音波要素が該シュラウド内に配置されている、実施態様1に記載の機器。
(13) 前記シュラウドが、前記超音波要素の外側領域に対して内向きの圧縮力を印加するよう構成されている、実施態様12に記載の機器。
(14) 前記シュラウドが遠位縁を含み、前記遠位方向に向く環状面が該遠位縁と同一面である、実施態様12に記載の機器。
(15) 前記超音波要素が、長手方向の動き及び径方向の動きで超音波振動するよう構成されている、実施態様1に記載の機器。
【0051】
(16) 前記クランプパッドが、止血又は組織治癒を強化するように構成された物質を含む、実施態様1に記載の機器。
(17) 前記超音波要素に電力を供給するよう操作可能な発電機を更に含み、該発電機がケーブルを介して前記本体に連結されている、実施態様1に記載の機器。
(18) (a)本体と、
(b)該本体から遠位側に延在するシャフトであって、該シャフトが遠位端を有する、シャフトと、
(c)該シャフトの該遠位端に配置される円筒状超音波トランスデューサであって、該超音波トランスデューサが遠位方向に向く環状面を含む、円筒状超音波トランスデューサと、
(d)該超音波トランスデューサに対して並進運動可能なアンビル連結機構と、
(e)アンビルであって、該アンビルが該アンビル連結機構と連結するよう構成されており、該アンビルが環状クランプパッドを含み、該クランプパッドが、該超音波トランスデューサの該遠位方向に向く環状面に向かって移動可能である、アンビルと、
を含む、機器。
(19) 第1中空組織構造と第2中空組織構造との間の吻合を形成する方法であって、
(a)第1中空組織構造に超音波要素を挿入することであって、該超音波要素が遠位方向に向く環状面を含む、ことと、
(b)第2中空組織構造に環状クランプパッドを挿入することと、
(c)該遠位方向に向く環状面と該クランプパッドとの間にある、該第1中空組織構造の組織と、該第2中空組織構造の組織とを、圧縮することと、
(d)該超音波要素を超音波エネルギーで作動させ、これにより、該遠位方向に向く環状面と該クランプパッドとの間に捕捉された組織を切断及び封着することと、
を含む、方法。
(20) 前記第1及び第2中空組織構造が、消化管の一部分を含む、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F