(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体をゲルパーミエーションクロマトグラフ測定したときのクロマトグラムにおいて、ポリスチレン換算分子量400〜1000の間をピークトップとするピークの面積の、全ピークの面積に対する面積率が、40%以上70%以下である
ことを特徴とする、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のポリイソシアネート組成物は、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体とを含有する。
【0019】
キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、キシリレンジイソシアネートの三量体(トリマー)であって、キシリレンジイソシアネートを、イソシアヌレート化触媒の存在下において、イソシアヌレート化反応させることにより得られる。
【0020】
キシリレンジイソシアネートとしては、1,2−キシリレンジイソシアネート(o−キシリレンジイソシアネート(o−XDI))、1,3−キシリレンジイソシアネート(m−キシリレンジイソシアネート(m−XDI))、1,4−キシリレンジイソシアネート(p−キシリレンジイソシアネート(p−XDI))が、構造異性体として挙げられる。
【0021】
これらキシリレンジイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。キシリレンジイソシアネートとして、好ましくは、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、より好ましくは、1,3−キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0022】
本発明において、イソシアヌレート化触媒としては、イソシアヌレート化を活性化する触媒であれば、特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、2級アミン共重合体(例えば、ジアルキルアミンなどの2級アミン、および、2級アミンと共重合可能な単量体(例えば、フェノール、ホルムアルデヒドなど)の重縮合物)などの3級アミン、例えば、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのマンニッヒ塩基、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリブチルベンジルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム(別名:N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム)、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウムなどのトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸、ナフテン酸などのアルキルカルボン酸の金属塩(例えば、アルカリ金属塩、マグネシウム塩、スズ塩、亜鉛塩、鉛塩など)、例えば、アルミニウムアセチルアセトン、リチウムアセチルアセトンなどのようなβ−ジケトンの金属キレート化合物、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素などのフリーデル・クラフツ触媒、例えば、チタンテトラブチレート、トリブチルアンチモン酸化物などの種々の有機金属化合物、例えば、ヘキサメチルシラザンなどのアミノシリル基含有化合物、二フッ化水素テトラブチルホスホニウムなどのハロゲン置換有機リン化合物などが挙げられる。
【0023】
これらイソシアヌレート化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0024】
イソシアヌレート化触媒として、好ましくは、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドが挙げられ、より好ましくは、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドが挙げられ、さらに好ましくは、トリメチルベンジルアンモニウムのハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムのハイドロオキサイドが挙げられる。
【0025】
イソシアヌレート化触媒として、上記の触媒を用いれば、とりわけ優れた反応率でキシリレンジイソシアネートをイソシアヌレート化することができるため、製造効率に優れる。
【0026】
また、イソシアヌレート化触媒は、固形分100%として用いてもよく、また、アルコール(例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなど)などの有機溶剤に、適宜の割合で希釈されていてもよい。
【0027】
イソシアヌレート化触媒の配合割合(固形分)は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.001質量部(phr)以上、好ましくは、0.005質量部(phr)以上、より好ましくは、0.01質量部(phr)以上、さらに好ましくは、0.012質量部(phr)以上、とりわけ好ましくは、0.015質量部(phr)以上、であり、例えば、0.1質量部(phr)以下、好ましくは、0.06質量部(phr)以下、より好ましくは、0.05質量部(phr)以下、さらに好ましくは、0.03質量部(phr)以下、とりわけ好ましくは、0.025質量部(phr)以下である。
【0028】
そして、この方法では、キシリレンジイソシアネートにイソシアヌレート化触媒を上記した配合割合で配合し、加熱することにより、イソシアヌレート化反応させる。
【0029】
イソシアヌレート化反応の反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下、反応温度(到達最高温度)が、例えば、40℃以上、好ましくは、60℃以上、より好ましくは、65℃以上、さらに好ましくは、70℃以上であり、例えば、90℃以下、好ましくは、80℃以下、より好ましくは、77℃以下、さらに好ましくは、75℃以下である。また、反応時間が、例えば、30分以上、好ましくは、60分以上、より好ましくは、120分以上、さらに好ましくは、300分以上であり、例えば、720分以下、好ましくは、600分以下、より好ましくは、480分以下である。
【0030】
また、上記の反応においては、イソシアヌレート化を調節するために、例えば、特開昭61−129173号公報に記載されているような有機亜リン酸エステルなどを、助触媒として配合することもできる。
【0031】
有機亜リン酸エステルとしては、脂肪族有機亜リン酸エステル、芳香族有機亜リン酸エステルなどが挙げられる。
【0032】
脂肪族有機亜リン酸エステルとしては、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイトなどのアルキルモノホスファイト、例えば、ジステアリル・ペンタエリスリチル・ジホスファイト、ジ・ドデシル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、ジ・トリデシル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、トリペンタエリスリトール・トリホスファイトなどの脂肪族多価アルコールから誘導されたジ、トリあるいはテトラホスファイト、さらに、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー(分子量2400〜3000)などの脂環族ポリホスファイト、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイトなどが挙げられる。
【0033】
芳香族有機亜リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイトなどのアリールモノホスファイト、例えば、ジノニルフェニル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、テトラフェニル・テトラ・トリデシル・ペンタエリスリチル・テトラホスファイト、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイトなどの芳香族多価アルコールから誘導されたジ、トリあるいはテトラホスファイト、さらに、例えば、炭素数が1〜20のジ・アルキル・ビスフェノールA・ジホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ・トリデシル)ホスファイトなどのビスフェノール系化合物から誘導されたジホスファイトなどが挙げられる。
【0034】
これら有機亜リン酸エステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0035】
有機亜リン酸エステルとして、好ましくは、芳香族有機亜リン酸エステルが挙げられ、より好ましくは、芳香族多価アルコールから誘導されたジ、トリあるいはテトラホスファイトが挙げられ、さらに好ましくは、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイトが挙げられる。
【0036】
また、有機亜リン酸エステルの配合割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部(phr)以上、好ましくは、0.03質量部(phr)以上であり、例えば、0.1質量部(phr)以下、好ましくは、0.07質量部(phr)以下である。
【0037】
助触媒として上記の有機亜リン酸エステルを配合することにより、反応速度および反応率の向上を図ることができ、また、ゲル化を抑制することができる。
【0038】
また、上記の反応では、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、例えば、2,6−ジ(tert-ブチル)−4−メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、以下、BHTと略する場合がある。)、イルガノックス1010、イルガノックス1076、イルガノックス1135、イルガノックス245(以上、チバ・ジャパン社製、商品名)などの安定剤を添加することもできる。
【0039】
安定剤の配合割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.01質量部(phr)以上、好ましくは、0.02質量部(phr)以上であり、例えば、0.05質量部(phr)以下、好ましくは、0.03質量部(phr)以下である。
【0040】
また、上記の反応では、必要により、公知の反応溶媒を配合してもよく、さらに、任意のタイミングで公知の触媒失活剤(例えば、リン酸、モノクロロ酢酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゾイルクロリドなど)を添加することもできる。
【0041】
そして、反応終了後、未反応のキシリレンジイソシアネートは、必要に応じて、公知の方法で除去することができる。
【0042】
具体的には、上記のイソシアヌレート化反応終了後、得られるキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体からなるイソシアヌレート組成物と、キシリレンジイソシアネートモノマーとの混合反応液から、未反応のキシリレンジイソシアネートモノマーを、例えば、薄膜蒸留(スミス蒸留)などの蒸留や、抽出などの公知の方法で除去することができる。
【0043】
本発明において、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート化反応終了後に薄膜蒸留する場合、その薄膜蒸留により得られるイソシアヌレート誘導体の収率(蒸留収率)は、反応混合液の質量に対する、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の質量であり、例えば、15質量%以上、好ましくは、25質量%以上、より好ましくは、40質量%以上であり、例えば、70質量%以下、好ましくは、64質量%以下、より好ましくは、60質量%以下である。
【0044】
なお、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の蒸留収率は、後述する実施例に準拠して、反応混合液の質量に対するキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の質量の割合を算出することにより求めることができる。
【0045】
また、上記の反応では、必要により、アルコール類を配合することができる。すなわち、イソシアヌレート変性体を、アルコール類により変性することができる。
【0046】
本発明において、アルコール類としては、例えば、脂肪族アルコール、芳香族アルコールなどが挙げられ、好ましくは、脂肪族アルコールが挙げられる。
【0047】
脂肪族アルコールとしては、例えば、1価の脂肪族アルコール、2価の脂肪族アルコール、3価の脂肪族アルコール、4価以上の脂肪族アルコールなどが挙げられる。
【0048】
1価の脂肪族アルコールとしては、例えば、直鎖状の1価脂肪族アルコール、分岐状の1価脂肪族アルコールなどが挙げられる。
【0049】
直鎖状の1価脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール(ラウリルアルコール)、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、n−ノナデカノール、エイコサノールなどが挙げられる。
【0050】
分岐状の1価脂肪族アルコールとしては、例えば、イソプロパノール(別名:イソプロピルアルコール、IPA)、イソブタノール(別名:イソブチルアルコール、IBA)、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール(別名:2−エチルヘキシルアルコール、2−EHA)、イソノナノール、イソデカノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、その他の分岐状アルカノール(C(炭素数、以下同様)5〜20)などが挙げられる。
【0051】
2価の脂肪族アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール(1,3−PG)、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、その他の直鎖状のアルカン(C7〜20)ジオールなどの直鎖状の2価脂肪族アルコール、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール(別名:1,3−ブタンジオール)、1,2−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(MPD)、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタンジオール(TMPD)、3,3−ジメチロールヘプタン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、その他の分岐状のアルカン(C7〜20)ジオールなどの分岐状の2価脂肪族アルコール、例えば、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールAなどの脂環式の2価脂肪族アルコールなどが挙げられる。
【0052】
3価の脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
【0053】
4価以上の脂肪族アルコールとしては、例えば、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトールなどが挙げられる。
【0054】
また、これらアルコール類は、分子中に1つ以上のヒドロキシ基を有していれば、それ以外の分子構造は、本発明の優れた効果を阻害しない限り、特に制限されず、例えば、分子中に、エステル基、エーテル基、シクロヘキサン環、芳香環などを有することもできる。このようなアルコール類としては、例えば、上記1価アルコールとアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)との付加重合物(2種類以上のアルキレンオキサイドのランダムおよび/またはブロック重合物)であるエーテル基含有1価アルコール、上記1価アルコールとラクトン(例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンなど)との付加重合物であるエステル基含有1価アルコールなどが挙げられる。
【0055】
これらアルコール類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0056】
アルコール類として、好ましくは、脂肪族アルコールが挙げられ、より好ましくは、1価および2価の脂肪族アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、2価の脂肪族アルコールが挙げられる。
【0057】
また、脂肪族アルコールとして、好ましくは、炭素数が1〜20の脂肪族アルコール、より好ましくは、炭素数が2〜20の脂肪族アルコール、さらに好ましくは、炭素数が2〜8の脂肪族アルコールが挙げられる。
【0058】
また、脂肪族アルコールとして、好ましくは、分岐状の1価および2価の脂肪族アルコールが挙げられ、より好ましくは、分岐状の2価の脂肪族アルコールが挙げられる。
【0059】
本発明において、脂肪族アルコールとして、とりわけ好ましくは、1,3−ブタンジオールが挙げられる。
【0060】
アルコール類は、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体において、その平均官能基数が2以上となるように配合され、その配合割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、アルコール類が、例えば、0.3質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上、より好ましくは、1.5質量部以上であり、また、例えば、11質量部以下、好ましくは、8.0質量部以下、より好ましくは、7.0質量部以下、さらに好ましくは、5.0質量部以下である。
【0061】
また、この反応において、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とは、アルコール類のヒドロキシ基に対する、キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、5以上、好ましくは、10以上、通常、1000以下となる配合割合にて、配合される。
【0062】
キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を、アルコール類により変性する方法としては、例えば、まず、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とを反応させ、次いで、イソシアヌレート化触媒の存在下にイソシアヌレート化反応させた後、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去する方法や、例えば、まず、上記した方法でキシリレンジイソシアネートのみをイソシアヌレート化した後、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去し、その後、得られたポリイソシアヌレートとアルコール類とを反応させる方法などが挙げられる。
【0063】
好ましくは、まず、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とを反応させ、次いでイソシアヌレート化触媒の存在下にイソシアヌレート化反応させた後、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去する。
【0064】
具体的には、この方法では、まず、キシリレンジイソシアネートとアルコール類とを、混合し、反応させる。
【0065】
キシリレンジイソシアネートとアルコール類との反応は、ウレタン化反応(アロファネート化反応を含む)であり、その反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、室温(例えば、25℃)以上、好ましくは、40℃以上であり、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.05時間以上、好ましくは、0.2時間以上であり、例えば、10時間以下、好ましくは、6時間以下、より好ましくは、2.5時間以下である。
【0066】
また、上記ウレタン化反応においては、必要に応じて、例えば、アミン類や有機金属化合物などの公知のウレタン化触媒を添加してもよい。
【0067】
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
【0068】
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫系化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。
【0069】
さらに、ウレタン化触媒として、例えば、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのカリウム塩が挙げられる。
【0070】
これらウレタン化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0071】
そして、この方法では、得られる反応液に、イソシアヌレート化触媒を上記した配合割合で配合し、キシリレンジイソシアネートとアルコール類との反応物を、イソシアヌレート化反応させる。なお、イソシアヌレート化における反応条件は、上記と同じである。そして、反応終了後、未反応のキシリレンジイソシアネートは、必要により、蒸留などの公知の除去方法により、除去する。
【0072】
これにより、アルコール類により変性された、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を得ることができる。
【0073】
また、例えば、キシリレンジイソシアネートのみをイソシアヌレート化した後、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去し、得られたポリイソシアネートとアルコール類とを反応させる方法(上記の後者の方法)を採用する場合には、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体とアルコール類とが反応する。なお、この反応もウレタン化反応であり、上記したウレタン化反応の反応条件で反応させる。
【0074】
これによっても、アルコール類により変性された、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を製造することができる。
【0075】
なお、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、アルコール類により変性される場合には、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体が、副生成物として得られる場合がある。このような場合、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、不可避的に含まれる副成分として、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を含有する。換言すれば、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、アルコール類により変性される場合には、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を含有するイソシアヌレート組成物が得られる。
【0076】
アルコール類により変性された、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体において、イソシアヌレート誘導体に対するアルコール類の変性量(イソシアヌレート誘導体のアルコール変性率)は、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、1.0質量%以上、より好ましくは、3.0質量%以上であり、例えば、15質量%以下、好ましくは、10質量%以下、より好ましくは、7.0質量%以下、さらに好ましくは、6.0質量%以下である。
【0077】
なお、イソシアヌレート誘導体に対するアルコール類の変性量(アルコール変性率)は、下記式により算出することができる。
【0078】
イソシアヌレート誘導体のアルコール変性率(質量%)=(反応混合液におけるアルコール変性率(質量%)/蒸留収率(質量%))×100
そして、反応混合液におけるアルコール変性率は、反応混合液におけるキシリレンジイソシアネートおよびイソシアヌレート誘導体に対するアルコール類の変性量であって、キシリレンジイソシアネートの仕込み質量に対するアルコール類の仕込み質量の配合割合として算出することができる。
【0079】
また、一般的には、アルコール変性率は、
1H−NMR測定により算出することもできる。
【0080】
例えば、脂肪族アルコールが用いられる場合、イソシアヌレート誘導体の
1H−NMR測定(400MHz、溶剤CDCL
3(3%)、積算128回)において、6.5〜8.0ppmのベンゼンプロトンピークをキシリレンジイソシアネートの帰属ピークとし、また、0.9〜1.4ppmのメチルプロトンピークを脂肪族アルコールの帰属ピークとする。そして、それらのピーク面積比を、キシリレンジイソシアネートと脂肪族アルコールとのモル比として算出できる。そして、算出されたモル比から、キシリレンジイソシアネートおよびアルコールの質量比を算出し、アルコール変性率を算出することができる。
【0081】
キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体として、好ましくは、本質的にアルコール類により変性されていないキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体(無変性のイソシアヌレート誘導体と称する場合がある。)が挙げられる。
【0082】
なお、本発明において、本質的にアルコール類により変性されていないキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体とは、上記アルコール類などの活性水素基含有化合物を変性剤として積極的に配合していない誘導体として定義され、例えば、イソシアヌレート誘導体製造時において、不可避的に混入する活性水素基含有化合物(例えば、イソシアヌレート化触媒の溶媒(例えば、メタノールなど)や、水分など)に基づく、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体に対する変性基(例えば、ウレタン基、ウレア基など)の含有が許容される。
【0083】
キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、イソシアネート基濃度(固形分100質量%)が、例えば、10.0質量%以上、好ましくは、15.0質量%以上、より好ましくは、18.0質量%以上であり、例えば、25.0質量%以下、好ましくは、24.0質量%以下、より好ましくは、23.0質量%以下、さらに好ましくは、21.0質量%以下である。
【0084】
なお、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体のイソシアネート基濃度(固形分100質量%)は、後述する実施例に準拠して求めることができる。
【0085】
また、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体においては、イソシアネートモノマー濃度(未反応のキシリレンジイソシアネートの濃度)が、例えば、2質量%以下、好ましくは、1質量%以下、より好ましくは、0.5質量%以下である。
【0086】
また、キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の転化率(反応率)は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、15質量%以上であり、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、25質量%以下である。
【0087】
なお、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、本質的にアルコール類により変性されていない場合には、キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の転化率(反応率)は、イソシアヌレート転化率と実質的に同一である。
【0088】
一方、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、アルコール類により変性されている場合には、キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の転化率(反応率)は、アルコール類によるウレタン転化率と、イソシアヌレート転化率との合計値である。
【0089】
このような場合、ウレタン転化率は、例えば、1質量%以上、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、5質量%以上であり、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。
【0090】
なお、キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の転化率、ウレタン転化率およびイソシアヌレート転化率は、後述する実施例に準拠して、仕込み時のキシリレンジイソシアネートのイソシアネート基濃度に対する、反応液のイソシアネート基濃度の減少率を算出することにより求めることができる。
【0091】
そして、本発明では、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体をゲルパーミエーションクロマトグラフ測定したときのクロマトグラムにおいて、ポリスチレン換算分子量400〜1000、好ましくは、600〜900の間をピークトップとするピークの面積の、全ピークの面積に対する面積率(以下、3分子体面積率とする。)が、30%以上、好ましくは、35%以上、より好ましくは、40%以上であり、90%以下、好ましくは、80%以下、より好ましくは、70%以下、さらに好ましくは、65%以下である。
【0092】
なお、3分子体面積率は、後述する実施例に準拠して、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の分子量分布を、標準ポリスチレンの検量線に基づき、示差屈折率検出器(RID)を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によって測定し、得られたクロマトグラム(チャート)におけるピーク面積比率として、算出することができる。
【0093】
キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、本質的にアルコール類により変性されていない場合、3分子体面積率は、イソシアヌレート一核体(具体的には、3分子のキシリレンジイソシアネートが1つのイソシアヌレート環を形成している化合物、すなわち、イソシアヌレート環を介するキシリレンジイソシアネートの3分子体)の含有率に相当する。
【0094】
また、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、アルコール類により変性されている場合、3分子体面積率は、イソシアヌレート一核体の含有率と、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体の3分子体(具体的には、2分子のキシリレンジイソシアネートがアルコール類(2価アルコール)を介して結合し、かつ、その結合部位(のウレタン結合)に対して1分子のキシリレンジイソシアネートがアロファネート結合している化合物、すなわち、アロファネート結合を有するキシリレンジイソシアネートの3分子体)の含有率との総量に相当する。
【0095】
脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体は、脂肪族ポリイソシアネートと、ビウレット変性剤とを反応させることにより、得ることができる。
【0096】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:ヘキサメチレンジイソシアネート)(HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0097】
また、脂肪族ポリイソシアネートは、脂環族ポリイソシアネートを含んでいる。
【0098】
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H
12MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H
6XDI)およびその混合物、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトエチル)シクロヘキサンおよびその混合物、2,5−または2,6−ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)およびその混合物などの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0099】
これら脂肪族ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0100】
脂肪族ポリイソシアネートとして、好ましくは、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよびその混合物、2,5−または2,6−ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンおよびその混合物が挙げられ、さらに好ましくは、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ、とりわけ好ましくは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0101】
ビウレット変性剤としては、例えば、水、第3級アルコール、第2級アミンなどが挙げられる。
【0102】
第3級アルコールとしては、例えば、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、2−エチル−2−ブタノール、トリエチルカルビノール、1,1−ジメチルベンジルアルコール、1−メチル−1−フェニルベンジルアルコール、ジメチルフェニルカルビノール、ジフェニルメチルカルビノール、トリフェニルカルビノール、3−エチル−5,5−ジメチル3−ヘキサノールなどが挙げられる。
【0103】
これら第3級アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0104】
第2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジオクタデシルアミン、N−メチルエチルアミン、N−エチルプロピルアミンなどのジアルキルアミンなどが挙げられる。
【0105】
これら第2級アミンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0106】
また、ビウレット変性剤としては、上記の他、さらに、蟻酸、硫化水素なども挙げられる。
【0107】
脂肪族ポリイソシアネートと、ビウレット変性剤との配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0108】
また、この反応では、溶剤を用いることができる。
【0109】
溶剤は、脂肪族ポリイソシアネートおよびビウレット変性剤を溶解または分散可能であり、かつ、脂肪族ポリイソシアネートおよびビウレット変性剤に対して不活性な溶剤であれば、特に制限されず、適宜選択して用いることができる。
【0110】
このような溶剤として、具体的には、エチレングリコール系溶剤、プロピレングリコール系溶剤、アルキルリン酸系溶剤などが挙げられる。
【0111】
エチレングリコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリーコルジエチルエーテル、エチレングレコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールメチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、エチレングリコールエチル−n−プロピルエーテル、エチレングリコールエチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールエチル−n−ブチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピル−n−ブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールエチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピル−n−ブチルエーテルなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
【0112】
プロピレングリコール系溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリーコルジエチルエーテル、プロピレングレコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルイソプロピルエーテル、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールエチル−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールエチルイソプロピルエーテル、プロピレングリコールエチル−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピル−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピル−n−ブチルエーテルなどが挙げられ、好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
【0113】
アルキルリン酸系溶剤としては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチルなどが挙げられ、好ましくは、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが挙げられる。
【0114】
これら溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0115】
溶剤の配合量は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0116】
また、溶剤には、必要に応じて、特開平8−225511号公報に記載されるリン酸ジ(2−エチルヘキシル)などのOH酸性化合物を添加することもできる。
【0117】
反応条件は、常圧下、反応温度が、例えば、70℃以上、好ましくは、90℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、例えば、4時間以下、好ましくは、3時間以下である。
【0118】
このような反応により、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体を製造することができる。
【0119】
このようにして得られる脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体は、イソシアネート基濃度(固形分基準)が、例えば、15質量%以上、好ましくは、21質量%以上であり、例えば、25質量%以下、好ましくは、24質量%以下である。
【0120】
また、このようにして得られる脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体においては、イソシアネートモノマー濃度(未反応の脂肪族ポリイソシアネートの濃度)が、例えば、5質量%以下、好ましくは、2質量%以下、より好ましくは、1質量%以下である。
【0121】
また、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体は、市販品として入手することもできる。市販品として、具体的には、例えば、商品名タケネートD−165N(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット誘導体、イソシアネート基含有率23.3質量%、固形分濃度100質量%、三井化学社製)などが挙げられる。
【0122】
そして、ポリイソシアネート組成物は、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体とを含有し、かつ、溶媒を含有していない。ポリイソシアネート組成物は、好ましくは、溶媒を含有していないキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、溶媒を含有していない脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体とからなる。
【0123】
このようなポリイソシアネート組成物は、例えば、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体とを、公知の方法で配合および混合することにより、得ることができる。
【0124】
ポリイソシアネート組成物において、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合は、ポリイソシアネート組成物の総量(すなわち、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体との総量)100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、95質量部以下、好ましくは、75質量部以下、より好ましくは、50質量部以下である。また、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体の含有割合は、ポリイソシアネート組成物の総量100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、25質量部以上、より好ましくは、50質量部以上であり、例えば、95質量部以下、好ましくは、90質量部以下である。
【0125】
とりわけ、光学特性(ヘイズ)の向上を図る観点から、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合は、ポリイソシアネート組成物の総量100質量部に対して、好ましくは、1質量部以上、より好ましくは、5質量部以上であり、好ましくは、75質量部以下、より好ましくは、50質量部以下、さらに好ましくは、25質量部以下である。脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体の含有割合は、ポリイソシアネート組成物の総量100質量部に対して、好ましくは、25質量部以上、より好ましくは、50質量部以上、さらに好ましくは、75質量部以上であり、好ましくは、99質量部以下、より好ましくは、95質量部以下である。
【0126】
また、速乾性、速硬化性の向上を図る観点から、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合は、ポリイソシアネート組成物の総量100質量部に対して、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、50質量部以上、さらに好ましくは、75質量部以上であり、好ましくは、95質量部以下である。脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体の含有割合は、ポリイソシアネート組成物の総量100質量部に対して、好ましくは、5質量部以上であり、好ましくは、90質量部以下、より好ましくは、50質量部以下、さらに好ましくは、25質量部以下である。
【0127】
本願発明の組成物の構成は、特にキシリレンジイソシアネートが含まれる態様であるにもかかわらず、耐候性や耐光性が予想以上に高い傾向がある。
【0128】
また、ポリイソシアネート組成物には、必要に応じて、さらに、公知の添加剤、例えば、貯蔵安定剤(o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミドなど)、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、触媒、顔料、染料、滑剤、フィラー、加水分解防止剤などを、適宜の割合で配合することができる。
【0129】
なお、添加剤は、例えば、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体に配合されてもよく、また、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体に配合されてもよく、また、それらの混合物(すなわち、ポリイソシアネート組成物)に配合されもよい。
【0130】
また、ポリイソシアネート組成物は、溶剤を含んでおらず、必要に応じて、有機溶剤で希釈することができる。
【0131】
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類などが挙げられる。
【0132】
さらに、有機溶剤としては、例えば、非極性溶剤(非極性有機溶剤)が挙げられ、これら非極性溶剤としては、脂肪族、ナフテン系炭化水素系有機溶剤を含む、アニリン点が、例えば、10〜70℃、好ましくは、12〜65℃の、低毒性で溶解力の弱い非極性有機溶剤や、ターペン油に代表される植物性油などが挙げられる。
【0133】
かかる非極性有機溶剤は、市販品として入手可能であり、そのような市販品としては、例えば、ハウス(シェル化学製、アニリン点15℃)、スワゾール310(丸善石油製、アニリン点16℃)、エッソナフサNo.6(エクソン化学製、アニリン点43℃)、ロウス(シェル化学製、アニリン点43℃)、エッソナフサNo.5(エクソン製、アニリン点55℃)、ペガゾール3040(モービル石油製、アニリン点55℃)などの石油炭化水素系有機溶剤、その他、メチルシクロヘキサン(アニリン点40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点44℃)、ガムテレピンN(安原油脂製、アニリン点27℃)などのターペン油類などが挙げられる。
【0134】
ポリイソシアネート組成物は、これら有機溶剤と、任意の割合で混合することができる。
【0135】
なお、ポリイソシアネート組成物が有機溶剤で希釈される場合には、例えば、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体との両方、または、いずれか一方に、予め有機溶剤を配合してもよく、また、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体との配合時に、有機溶剤を配合してもよく、さらに、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネートのビウレット誘導体とを配合した後、得られるポリイソシアネート組成物に、別途、有機溶剤を配合してもよい。
【0136】
ポリイソシアネート組成物が有機溶剤により希釈される場合、ポリイソシアネート組成物の濃度は、例えば、20質量%以上、好ましくは、30質量%以上であり、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
【0137】
また、このような場合、25℃における粘度が、例えば、10mPa・s以上、好ましくは、20mPa・s以上、例えば、10000mPa・s以下、好ましくは、5000mPa・s以下となるように、調整される。
【0138】
そして、このようなポリイソシアネート組成物によれば、光学特性、速乾性、速硬化性、耐候性(耐光性)および機械物性に優れるポリウレタン樹脂を得ることができる。
【0139】
そのため、ポリイソシアネート組成物は、ポリウレタン樹脂の製造において、好適に用いられる。
【0140】
ポリウレタン樹脂は、上記ポリイソシアネート組成物と、活性水素基含有化合物とを反応させることにより、得ることができる。
【0141】
本発明において、活性水素基含有化合物は、例えば、水酸基、メルカプト基、アミノ基などの活性水素基を分子中に2つ以上有する有機化合物である。
【0142】
活性水素基含有化合物としては、例えば、ポリオール成分、ポリチオール成分、ポリアミン成分などが挙げられ、好ましくは、ポリオール成分が挙げられる。
【0143】
本発明において、ポリオール成分としては、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールが挙げられる。
【0144】
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300未満、好ましくは、400未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、アルカン(C7〜20)ジオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
【0145】
これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0146】
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300以上、好ましくは、400以上、さらに好ましくは、500以上の化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなど)、ポリエステルポリオール(例えば、アジピン酸系ポリエステルポリオール、フタル酸系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールなど)、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール(例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどをポリイソシアネートによりウレタン変性したポリオール)、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ビニルモノマー変性ポリオールなどが挙げられる。
【0147】
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0148】
高分子量ポリオールとして、好ましくは、アクリルポリオールが挙げられる。
【0149】
そして、ポリウレタン樹脂は、例えば、バルク重合や溶液重合などの重合方法により、製造することができる。
【0150】
バルク重合では、例えば、窒素気流下において、ポリイソシアネート組成物を撹拌しつつ、これに、活性水素基含有化合物を加えて、反応温度50〜250℃、さらに好ましくは50〜200℃で、0.5〜15時間程度反応させる。
【0151】
溶液重合では、上記したポリイソシアネート組成物の希釈に用いられる有機溶媒と同様の有機溶媒に、ポリイソシアネート組成物と、活性水素基含有化合物とを加えて、反応温度50〜120℃、好ましくは50〜100℃で、0.5〜15時間程度反応させる。
【0152】
さらに、上記重合反応においては、必要に応じて、例えば、上記したウレタン化触媒を添加してもよい。
【0153】
また、バルク重合および溶液重合では、例えば、ポリイソシアネート組成物と活性水素基含有化合物とを、活性水素基含有化合物中の活性水素基(水酸基、メルカプト基、アミノ基)に対するポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように配合する。
【0154】
また、上記重合反応をより工業的に実施する場合には、ポリウレタン樹脂は、例えば、ワンショット法およびプレポリマー法などの公知の方法により、得ることができる。
【0155】
ワンショット法では、例えば、ポリイソシアネート組成物と活性水素基含有化合物とを、活性水素基含有化合物中の活性水素基(水酸基、メルカプト基、アミノ基)に対するポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように処方(混合)した後、例えば、室温〜250℃、好ましくは、室温〜200℃で、例えば、5分〜72時間、好ましくは、4〜24時間硬化反応させる。なお、硬化温度は、一定温度であってもよく、あるいは、段階的に昇温または冷却することもできる。
【0156】
また、プレポリマー法では、例えば、まず、ポリイソシアネート組成物と、活性水素基含有化合物の一部(好ましくは、高分子量ポリオール)とを反応させて、分子末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを合成する。次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有化合物の残部(好ましくは、低分子量ポリオールおよび/またはポリアミン成分)とを反応させて、鎖伸長反応させる。なお、プレポリマー法において、活性水素基含有化合物の残部は、鎖伸長剤として用いられる。
【0157】
イソシアネート基末端プレポリマーを合成するには、ポリイソシアネート組成物と、活性水素基含有化合物の一部とを、活性水素基含有化合物の一部中の活性水素基に対するポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、1.1〜20、好ましくは、1.3〜10、さらに好ましくは、1.3〜6となるように処方(混合)し、反応容器中にて、例えば、室温〜150℃、好ましくは、50〜120℃で、例えば、0.5〜18時間、好ましくは、2〜10時間反応させる。なお、この反応においては、必要に応じて、上記したウレタン化触媒を添加してもよく、また、反応終了後には、必要に応じて、未反応のポリイソシアネート組成物を、例えば、蒸留や抽出などの公知の除去手段により、除去することもできる。
【0158】
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有化合物の残部とを反応させるには、イソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有化合物の残部とを、活性水素基含有化合物の残部中の活性水素基に対するイソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように処方(混合)し、例えば、室温〜250℃、好ましくは、室温〜200℃で、例えば、5分〜72時間、好ましくは、1〜24時間硬化反応させる。
【0159】
これにより、ポリウレタン樹脂を得ることができる。
【0160】
なお、ポリウレタン樹脂を製造する場合においては、必要に応じて、さらに、公知の添加剤、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、触媒、さらには、顔料、染料、滑剤、フィラー、加水分解防止剤などを、適宜の割合で配合することができる。これら添加剤は、各成分の合成時に添加してもよく、あるいは、各成分の混合・溶解時に添加してもよく、さらには、合成後に添加することもできる。
【0161】
そして、このようなポリウレタン樹脂は、本発明のポリイソシアネート組成物を用いて製造されるため、光学特性、速乾性、速硬化性、耐候性(耐光性)および機械物性に優れる。
【0162】
そのため、このようなポリウレタン樹脂は、例えば、フィルムコート剤、各種インキ、粘着剤、シーリング材、各種マイクロカプセル、プラスチックレンズ、人工および合成皮革、RIM成形品、スラッシュパウダー、弾性成形品(スパンデックス)、ウレタンフォームなどの幅広い分野において広範に使用することができる。
【0163】
また、本発明は、二液硬化型ポリウレタン組成物を含んでいる。
【0164】
二液硬化型ポリウレタン組成物は、硬化剤として調製されるポリイソシアネート成分と、主剤として調製されるポリオール成分とを含んでいる。
【0165】
ポリイソシアネート成分(硬化剤)は、上記したポリイソシアネート組成物を含有しており、好ましくは、上記したポリイソシアネート組成物からなる。
【0166】
また、ポリイソシアネート成分(硬化剤)は、必要により、上記した有機溶剤を含有することができる。
【0167】
ポリイソシアネート成分(硬化剤)が有機溶剤を含有する場合、その含有割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0168】
ポリオール成分(主剤)としては、上記したポリオール成分が挙げられる。ポリオール成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。ポリオール成分として、好ましくは、高分子量ポリオールが挙げられ、さらに好ましくは、アクリルポリオールが挙げられる。
【0169】
また、ポリオール成分(主剤)は、必要により、上記した有機溶剤を含有することができる。
【0170】
ポリオール成分(主剤)が有機溶剤を含有する場合、その含有割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0171】
そして、二液硬化型ポリウレタン組成物において、ポリイソシアネート成分(硬化剤)とポリオール成分(主剤)とは、それぞれ別々に調製され、使用時に配合および混合して使用される。
【0172】
ポリイソシアネート成分(硬化剤)とポリオール成分(主剤)との配合割合は、ポリイソシアネート成分(硬化剤)中のイソシアネート基に対する、ポリオール成分(主剤)中の水酸基の当量比(OH/NCO)が、例えば、0.5以上、好ましくは、0.75以上であり、例えば、2以下、好ましくは、1.5以下となるように、調整される。
【0173】
また、ポリイソシアネート成分(硬化剤)およびポリオール成分(主剤)には、必要に応じて、そのいずれか一方またはその両方に、例えば、エポキシ樹脂、触媒、塗工改良剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、可塑剤、界面活性剤、顔料(例えば、酸化チタンなど。)、充填剤、有機または無機微粒子、防黴剤、シランカップリング剤などの添加剤を配合してもよい。これらの添加剤の配合量は、その目的および用途により適宜決定される。
【0174】
そして、このような二液硬化型ポリウレタン組成物は、本発明のポリイソシアネート組成物を用いて得られるため、光学特性、速乾性、速硬化性、耐候性(耐光性)および機械物性に優れる。
【0175】
そのため、このような二液硬化型ポリウレタン組成物は、塗料(プラスチック用塗料、自動車用塗料)、接着剤、コーティング剤、インキ、シーラントなどの各種分野において、好適に用いられる。
【実施例】
【0176】
次に、本発明を、調製例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
【0177】
また、各実施例および各比較例において採用される測定方法を下記する。
【0178】
<イソシアヌレート誘導体の蒸留収率>
イソシアヌレート誘導体の蒸留収率は、反応混合液(蒸留前液)およびイソシアヌレート誘導体(蒸留後液)の質量をそれぞれ測定し、下記式により反応混合液の質量に対するイソシアヌレート誘導体の質量の割合を算出することにより求めた。
【0179】
イソシアヌレート誘導体の蒸留収率(質量%)=(イソシアヌレート誘導体の質量(g)/反応混合液の質量(g))×100
<イソシアヌレート誘導体に対するアルコール類による変性量(イソシアヌレート誘導体のアルコール変性率)>
反応混合液における、キシリレンジイソシアネートおよびイソシアヌレート誘導体に対するアルコール類の変性量(反応混合液におけるアルコール変性率)は、キシリレンジイソシアネートの仕込み質量に対するアルコール類の仕込み質量として算出した。
【0180】
また、イソシアヌレート誘導体に対するアルコール類の変性量(イソシアヌレート誘導体のアルコール変性率)は、下記式により算出した。
【0181】
イソシアヌレート誘導体のアルコール変性率(質量%)=(反応混合液におけるアルコール変性率(質量%)/蒸留収率(質量%))×100
<転化率(反応率)(%)>
反応液(反応混合液またはイソシアヌレート誘導体)中のイソシアネート基濃度を、JIS K−1603−1(2010年)に準拠して測定し、その減少率を求めることにより、イソシアネート基の転化率(反応率)を求めた。
【0182】
なお、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が、本質的にアルコール類により変性されていない場合には、イソシアネート基の転化率が、イソシアヌレート転化率である。
【0183】
また、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体がアルコール類により変性される場合には、アルコール類の添加後かつイソシアヌレート化触媒の添加前におけるイソシアネート基の転化率が、ウレタン転化率である。また、イソシアヌレート化触媒の添加後におけるイソシアネート基の転化率が、イソシアヌレート転化率である。
【0184】
<3分子体面積率>
イソシアヌレート誘導体のサンプルをゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定し、得られたクロマトグラム(チャート)において、ポリスチレン換算分子量400〜1000の間をピークトップとするピークの面積の、全ピークの面積に対する面積率から、3分子体面積率を求めた。
【0185】
なお、3分子体面積率は、下記装置において得られたクロマトグラム(チャート)において、保持時間26.7分から27.1分の間をピークトップとするピークの面積の、全ピークの面積に対する面積率でもある。
【0186】
GPC測定においては、サンプルを約0.04g採取し、メタノールでメチルウレタン化させた後、過剰のメタノールを除去し、テトラヒドロフラン10mLを添加して溶解させた。そして、得られた溶液を、以下の条件でGPC測定した。
(1)分析装置 : Alliance(Waters)
(2)ポンプ : Alliance 2695(Waters)
(3)検出器 : 2414型示差屈折検出器(Waters)
(4)溶離液 : Tetrahydrofuran
(5)分離カラム :Plgel GUARD + Plgel 5μmMixed−C×3本(50×7.5mm,300×7.5mm)
メーカー ; Polymer Laboratories
品番 ; PL1110−6500
(6)測定温度 : 40℃
(7)流速 : 1mL/min
(8)サンプル注入量 : 100μL
(9)解析装置 : EMPOWERデータ処理装置(Waters)
・システム補正
(1)標準物質名 : Polystyrene
(2)検量線作成方法 : 分子量の異なるTOSOH社製 TSKstandard Polystyreneを用い、リテンションタイムと分子量のグラフを作成。
(3)注入量、注入濃度 : 100μL、 1mg/mL
なお、製造例4のキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体のゲルパーミエーションクロマトグラムを
図1に示し、製造例9のキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体のゲルパーミエーションクロマトグラムを
図2に示す。
【0187】
<キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体>
製造例1
温度計、撹拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応器に、窒素雰囲気下、1,3−キシリレンジイソシアネート(三井化学社製、m−XDI)100質量部と、2,6−ジ(tert-ブチル)−4−メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、BHT、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(安定剤))0.025phrと、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト(JPP−100(商品名、城北化学工業社製)有機亜リン酸エステル、助触媒)0.05phrとを仕込んだ後、この仕込み液に、イソシアヌレート化触媒として、テトラブチルアンモニウムのハイドロオキサイド(TBAOH)の溶液(37%メタノール溶液)を0.04phr(固形分換算0.015phr)配合し、反応開始温度60℃で120分間反応させた。反応中の到達最高温度は、68℃であった。
【0188】
そして、得られた反応混合液を、薄膜蒸留装置(温度150℃、真空度50Pa)に通液して、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去し、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を得た。なお、蒸留収率は16.1質量%であった。
【0189】
この反応におけるアルコール変性率は0質量%であり、イソシアネート基の転化率(すなわち、イソシアヌレート転化率)は、8.6質量%であり、3分子体面積率は85%であった。
【0190】
製造例2〜8
表1に示す処方および製造条件に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体を得た。
【0191】
製造例9
温度計、撹拌装置、窒素導入管および冷却管が装着された反応器に、窒素雰囲気下、1,3−キシリレンジイソシアネート(三井化学社製、m−XDI)100質量部と、イルガノックス1076(Irg1076(商品名、チバ・ジャパン社製)ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.025phrと、トリデシルホスファイト(JP−310(商品名、城北化学工業社製)、脂肪族有機亜リン酸エステル、助触媒)0.05phrとを仕込んだ後、この仕込み液に、1,3−ブタンジオール4.00質量部を加え、仕込み液を75℃に昇温して、ウレタン化反応させた。1,3−ブタンジオールのヒドロキシ基に対する、1,3−キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は12であった。
【0192】
次いで、同温度で120分間反応後、60℃に降温した。そして、イソシアヌレート化触媒として、テトラブチルアンモニウムのハイドロオキサイド(TBAOH)の溶液(37%メタノール溶液)を、0.024phr(固形分換算0.009phr)配合し、イソシアヌレート化反応させた。反応開始から290分でイソシアヌレート化反応を終了させた。反応中の到達最高温度は、74℃であった。
【0193】
そして、得られた反応混合液を、薄膜蒸留装置(温度150℃、真空度50Pa)に通液して、未反応のキシリレンジイソシアネートを除去し、ポリイソシアヌレート組成物を得た。なお、蒸留収率は64.8質量%であった。
【0194】
この反応におけるアルコール変性率は、反応混合液(蒸留前)において3.85質量%、イソシアヌレート誘導体(蒸留後)において5.94質量%であり、イソシアネート基の転化率は38.3質量%であり、ウレタン転化率は、8.8質量%であり、イソシアヌレート転化率は、29.5質量%であり、3分子体面積率は38%であった。
【0195】
【表1】
【0196】
【表2】
【0197】
なお、表中の略号を下記する。
Irg1076:イルガノックス1076、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チバ・ジャパン社製
BHT:2,6−ジ(tert-ブチル)−4−メチルフェノール(別名:ジブチルヒドロキシトルエン、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
JP−310:トリデシルホスファイト、脂肪族有機亜リン酸エステル、助触媒、城北化学工業社製
JPP−100:テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト、有機亜リン酸エステル、助触媒、城北化学工業社製
TBAOH:テトラブチルアンモニウムのハイドロオキサイドの溶液、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、濃度9.09質量%
1,3−BG:1,3−ブタンジオール
実施例1〜
14、実施例16〜20、参考例15、参考例21および比較例1〜15
各製造例で得られたキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体、市販のキシリレンジイソシアネートのポリオール誘導体、市販の脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)のビウレット誘導体、および、市販の脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)の三量体を、表3〜表8に示す組み合わせおよび処方で配合し、ポリイソシアネート組成物を得た。
【0198】
評価
(塗工溶液の調製)
各実施例
、各参考例および各比較例で得られたポリイソシアネート組成物を、酢酸エチルで希釈し、固形分75質量%の溶液を調製した。次いで、得られたポリイソシアネート組成物の溶液と、アクリルポリオール(三井化学社製、商品名:オレスターQ666、以下、Q666と略する。)とを、ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基に対するアクリルポリオール中の水酸基の当量比(NCO/OH)が1.0となる割合で配合し、シンナー(酢酸エチル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/酢酸ブチルを重量比1:1:1で混合したもの)で、固形分50質量%になるように希釈した後に、23℃で5分間攪拌した。さらに、10分間超音波処理することにより、脱泡して、塗工溶液を得た。
(ウレタン皮膜の作製)
上記方法により得られた塗工溶液を、鋼板(SPCC、PBN−144処理品)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)板上にそれぞれ乾燥膜厚が40μmになるように、ガラス板上に乾燥膜厚が100μmになるように、それぞれ塗工した。次いで、23℃で2時間乾燥後に、80℃で30分熱処理した。その後、23℃、相対湿度55%で7日間熟成することにより鋼板、PMMA板、およびガラス板上それぞれにウレタン皮膜を得た。
【0199】
得られた皮膜は、下記の物性評価に用いた。
【0200】
物性評価
各実施例
、各参考例および各比較例の塗工溶液およびウレタン皮膜を用いて、下記の物性についてそれぞれ評価した。
【0201】
(指触乾燥時間)
アプリケーターを用いて100μmの厚み(乾燥前厚み)になるように塗工溶液をガラス板上に塗工した。塗工後、23℃、相対湿度30%の条件下で、指で触った時にタックがなくなるまでの時間を測定した。
【0202】
(硬化乾燥時間)
アプリケーターを用いて100μmの厚み(乾燥前厚み)になるように塗工溶液をガラス板上に塗工した。塗工後、23℃、相対湿度30%の条件下で、指を強く押し付けた時に指紋の跡がつかなくなるまでの時間を測定した。
【0203】
(フィルム状態の相溶性の評価)
ガラス板上に塗工したウレタン皮膜のヘイズを、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)にて評価した。
【0204】
(耐候性の評価)
促進耐候性試験機(デューパネル光コントロールウェザーメーター、スガ試験機社製)にて、PMMA板上に塗工したウレタン皮膜を、昼間(60℃×相対湿度10%×4時間×光照射)、夜間(50℃×相対湿度95%×4時間×光照射なし)のサイクルで600時間処理した。処理前後のウレタン皮膜を色差計(日本電色工業社製、SE2000)にて評価し、処理前後の色差(ΔE)を算出した。また、光沢度を光沢度計(日本電色工業社製、VG2000)にて評価し、初期の光沢度を100としたときの光沢保持率(600時間後)を算出した。
【0205】
(耐衝撃性(デュポン衝撃)の評価)
鋼板上に塗工したウレタン皮膜を、デュポン式衝撃試験器の1/2インチの撃ち型と受け台との間に挟み、おもり(300g)を用いて、鋼板におけるウレタン皮膜が形成された面(表面)から衝撃を加え、ウレタン皮膜に損傷が現れるおもりの高さ(cm)を測定した。
【0206】
(エリクセン試験の評価)
JIS K 5600−5−2(1999年)に準拠して、鋼板上に塗工したウレタン皮膜表面と反対側とから20mm径の押し込み器をあて、鋼板をしっかり固定しておき、所定の速度で押し込み器を押し出しウレタン皮膜表面に割れ、剥れを生じた時の押し出し長さをエリクセン(mm)として評価した。
【0207】
なお、表3には、本質的にアルコール類により変性されていないキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)のビウレット誘導体とが配合される場合の評価結果について示す。
【0208】
なお、表4には、アルコール類により変性されているキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体と、脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)のビウレット誘導体とが配合される場合の評価結果について示す。また、それらのヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のビウレット誘導体の質量割合と、ΔEとの関係を、
図3に示す。
【0209】
なお、表5および表6には、本質的にアルコール類により変性されていないキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の、3分子体面積比が異なる場合の、評価結果について示す。
【0210】
なお、表7は、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体に代えて、キシリレンジイソシアネートのポリオール誘導体が用いられる場合の、評価結果について示す。
【0211】
なお、表8は、脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)のビウレット誘導体に代えて、脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート)の三量体が用いられる場合の、評価結果について示す。
【0212】
【表3】
【0213】
【表4】
【0214】
【表5】
【0215】
【表6】
【0216】
【表7】
【0217】
【表8】
【0218】
また、表中の略号の詳細を下記する。
D−110N:キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン変性体、NCO基含有率:11.5質量%、固形分濃度:75質量%、溶剤:酢酸エチル、粘度(25℃):500mPa・s、三井化学社製
D−165N:ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変性体、NCO基含有率:23.3質量%、固形分濃度:100質量%、粘度(25℃):2300mPa・s、三井化学社製
D−170N:ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、NCO基含有率:20.7質量%、固形分濃度:100質量%、粘度(25℃):2000mPa・s、三井化学社製
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれる。