特許第6495517号(P6495517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6495517
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】照明装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20190325BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20190325BHJP
   F21V 29/83 20150101ALI20190325BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20190325BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20190325BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20190325BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20190325BHJP
   F21V 23/02 20060101ALI20190325BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20190325BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190325BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   F21S8/08 100
   F21V29/83
   F21V29/503
   F21V29/508
   F21V23/00 113
   F21V23/04
   F21V23/00 200
   F21V23/02
   F21V5/00 510
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-115001(P2018-115001)
(22)【出願日】2018年6月15日
【審査請求日】2018年6月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000123608
【氏名又は名称】かがつう株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145458
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 正哉
(72)【発明者】
【氏名】青山 博行
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 徹
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 和弘
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−243479(JP,A)
【文献】 特開2016−134230(JP,A)
【文献】 特開2017−010773(JP,A)
【文献】 特開2018−049694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08 − 19/00
H05B 37/02 − 39/00
F21V 23/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明用発光ダイオードの一つまたは所定複数の直列回路に前記照明用発光ダイオードの微発光防止用コンデンサが並列接続された単位回路の複数が直列接続され、
前記照明用発光ダイオードと前記微発光防止用コンデンサは、前記単位回路ごとに前後方向に直線状配置をなす関係で以って前記単位回路の複数が前後方向に直線状配置にて回路基板の下面に突出状態で前記回路基板に形成された配線パターンの所定部に電気的に接続され、
前記照明用発光ダイオードの個々に対応する配光部を有し前記回路基板に重ね合わせ状態に配置される配光ユニットを有し、
前記配光部は、前記照明用発光ダイオードに対応する凹部を前記回路基板と対向する面に形成したレンズ部を構成した、
照明装置を備え、
前記配光ユニットは、電気絶縁性であり、それぞれの前記配光部の前記凹部には、平面視で前記凹部を包含するように前記凹部よりも大きい面積を有して前記凹部の開口部全周が連通する窪みを有し、前記窪みの前後端部で連通し前後方向に直線状に延び前後端部が前記配光ユニットの外側に開放する一連の通気溝を前記回路基板に対向する面に有し、
前記通気溝及び前記窪みの深さは、前記通気溝及び前記窪みの側壁によって前記照明用発光ダイオードの発光の配光特性が乱されないよう前記凹部の深さよりも浅く、且つ前記窪みの深さは前記回路基板の下面に突出状態の前記照明用発光ダイオードよりも深く、
前記回路基板に配光ユニットが重ね合わせ状態において、前記照明用発光ダイオードが前記配光部の前記凹部と対応し前記微発光防止用コンデンサが前記通気溝に配置される、
ことを特徴とする前後方向に長い形態の照明器具。
【請求項2】
前記通気溝及び前記窪みの深さは、前記照明用発光ダイオードの発光の有効照射範囲に掛からず前記通気溝及び前記窪みの側壁によって前記照明用発光ダイオードの発光の配光特性が乱されない深さである、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記配線パターンは前記回路基板の下面に形成され、前記単位回路においては、前記照明用発光ダイオードの外側位置で且つ前記照明用発光ダイオードが電気絶縁部を跨ぐように接続される配線パターンの外側に、前記微発光防止用コンデンサが電気絶縁部を跨ぐように接続される配線パターンを有し、前記配線パターンは全体として前記回路基板の後端側に設けた接続端子の+端子部と−端子部に接続される部分から前方へ向かって前後方向に長く略矩形状に形成される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に取り付けたLED(発光ダイオード)の発光により被照明部を照明する照明装置、及びこの照明装置を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電源を入力源として、回路基板に直列接続状態のLED(発光ダイオード)の発光によって、道路面等の被照明部を照明する照明器具がある。このような照明器具は、LEDの発光によって生じる熱を放散させるために、金属製の放熱板に回路基板の裏側を密着固定し、この放熱板を接地された金属製の照明器具本体のリブや周縁部に取り付けることにより、LEDの発光によって生じる熱を回路基板、放熱板及び照明器具本体から放出する構成が採用されている(特許文献1参照)。
【0003】
このような照明器具は、交流電源を入力電源とし変換した直流電力をLEDに供給するLED駆動回路が設けられ、交流電源からLED駆動回路への入力ラインの一方をLED点灯・消灯スイッチでON−OFFする。この方式は、所謂片切りスイッチ方式である。
【0004】
この構成において、回路基板の配線パターンの導体部分と、金属製の放熱板との間、及び金属製の照明器具本体との間に浮遊容量が生じており、LED点灯・消灯スイッチをOFF状態にした状態において、この浮遊容量を介して漏れ電流が流れ、この漏れ電流がLEDに流れて、LEDが薄明り状態に微発光する現象が生じ、この微発光が人の目によって視認できる程度の明るさとなる場合があることは公知である(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-201585号公報
【特許文献2】特開2014-022087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような照明器具の微発光現象を防止するために、直列接続された各LEDにそれぞれコンデンサを並列接続する技術が採用されるが、対応する個々のLEDの数だけコンデンサが必要となるため、LEDの数が多くなる照明器具では、それに伴ってコンデンサの数も多くなる。
【0007】
本発明は、この点に鑑み、直列接続されたLEDのうち、2個、3個というように、直列接続状態にある所定の複数個数のLEDを一組とし、その組ごとにLEDの微発光防止用コンデンサを並列接続することによって、微発光防止用コンデンサの数が少ない状態で、LEDが浮遊容量によって微発光することを防止できる効果を奏すること、回路基板への取付け部品数が少なくLEDと微発光防止用コンデンサの回路基板への取付け配置がコンパクトになること、及び、所期の照度を得る場合の回路基板を小さくでき、照明器具の小型化に寄与できること。更に、LEDの光を所定の配光とする配光ユニットとの組み合わせにおいて、LEDの放熱促進を図り、且つ微発光防止用コンデンサとの衝突回避状態での回路基板への配光ユニットの取付けがし易くなる、等の効果を奏する照明装置及び照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明は、
照明用発光ダイオードの一つまたは所定複数の直列回路に前記照明用発光ダイオードの微発光防止用コンデンサが並列接続された単位回路の複数が直列接続され、
前記照明用発光ダイオードと前記微発光防止用コンデンサは、前記単位回路ごとに前後方向に直線状配置をなす関係で以って前記単位回路の複数が前後方向に直線状配置にて回路基板の下面に突出状態で前記回路基板に形成された配線パターンの所定部に電気的に接続され、
前記照明用発光ダイオードの個々に対応する配光部を有し前記回路基板に重ね合わせ状態に配置される配光ユニットを有し、
前記配光部は、前記照明用発光ダイオードに対応する凹部を前記回路基板と対向する面に形成したレンズ部を構成した、
照明装置を備え、
前記配光ユニットは、電気絶縁性であり、それぞれの前記配光部の前記凹部には、平面視で前記凹部を包含するように前記凹部よりも大きい面積を有して前記凹部の開口部全周が連通する窪みを有し、前記窪みの前後端部で連通し前後方向に直線状に延び前後端部が前記配光ユニットの外側に開放する一連の通気溝を前記回路基板に対向する面に有し、
前記通気溝及び前記窪みの深さは、前記通気溝及び前記窪みの側壁によって前記照明用発光ダイオードの発光の配光特性が乱されないよう前記凹部の深さよりも浅く、且つ前記窪みの深さは前記回路基板の下面に突出状態の前記照明用発光ダイオードよりも深く、
前記回路基板に配光ユニットが重ね合わせ状態において、前記照明用発光ダイオードが前記配光部の前記凹部と対応し前記微発光防止用コンデンサが前記通気溝に配置される、
ことを特徴とする前後方向に長い形態の照明器具である。
【0009】
第2の本発明は、上記第1の本発明において、
前記通気溝及び前記窪みの深さは、前記照明用発光ダイオードの発光の有効照射範囲に掛からず前記通気溝及び前記窪みの側壁によって前記照明用発光ダイオードの発光の配光特性が乱されない深さである、
ことを特徴とする照明器具である。
【0010】
第3の本発明は、上記第1または第2の本発明において、
前記配線パターンは前記回路基板の下面に形成され、前記単位回路においては、前記照明用発光ダイオードの外側位置で且つ前記照明用発光ダイオードが電気絶縁部を跨ぐように接続される配線パターンの外側に、前記微発光防止用コンデンサが電気絶縁部を跨ぐように接続される配線パターンを有し、前記配線パターンは全体として前記回路基板の後端側に設けた接続端子の+端子部と−端子部に接続される部分から前方へ向かって前後方向に長く略矩形状に形成される、
ことを特徴とする照明器具である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の照明装置は、発光部回路は、照明用発光ダイオードの複数が直列接続された回路に微発光防止用コンデンサの一つが並列接続された回路を単位回路とし、この単位回路の所定数が直列接続された構成であるため、微発光防止用コンデンサの数が少ない状態で、照明用発光ダイオードが浮遊容量によって微発光することを防止できる効果がある。このため、回路基板への取付け部品数が少なくなり、照明用発光ダイオードと微発光防止用コンデンサの回路基板への取付け配置がコンパクトになること、更に、所期の照度を得る場合の回路基板を小さくでき、照明器具の小型化に寄与できるものとなる。
【0014】
また、本発明の照明装置は、LEDの光を所定の配光とする配光ユニットとの組み合わせがし易くなる。照明用発光ダイオードに対応する配光部を有する配光ユニットは、照明用発光ダイオードが収容される凹部のそれぞれに連通し両端部が配光ユニットの外側に開放する一連の通気溝を裏側面に有し、この通気溝に微発光防止用コンデンサが配置された構成である。このため、回路基板から突出する微発光防止用コンデンサの逃げ部分を配光ユニットに特別に形成する必要もなく、且つ照明用発光ダイオードの発熱は通気溝から配光ユニットの外側に放出されるため、照明用発光ダイオードの劣化や発光効率の低下を抑制できる。更に、回路基板に照明用発光ダイオードと微発光防止用コンデンサが一列配置状態とし、この一列配置状態に対応して通気溝を形成すれば、この通気溝への微発光防止用コンデンサの配置が容易となり、回路基板から突出する微発光防止用コンデンサの逃げ部分を配光ユニットに特別に形成する必要もなくなる。特に、一列配置状態を直線状配置とすることにより、通気溝も直線状とすることができるため、回路基板から突出する微発光防止用コンデンサの通気溝への収容もし易く、回路基板から突出する微発光防止用コンデンサの逃げ部分を配光ユニットに特別に形成する必要もなくなる。
【0015】
また、本発明の照明装置は、発光部回路が、中間部に折り返し部を形成して直線状の並行2列配置をなすことにより、照度アップを図る照明装置として好ましいものとなり、この場合も、上記同様に、照明用発光ダイオードの発熱の通気溝からの放出による照明用発光ダイオードの劣化や発光効率の低下の抑制効果と、更に、回路基板に照明用発光ダイオードと一列配置された微発光防止用コンデンサの通気溝への配置効果が達成できる。また、照明用発光ダイオードは配光部の裏側の凹部に収容され、微発光防止用コンデンサは配光ユニットの裏側の通気溝に収容される状態に、照明用発光ダイオードの発光が透過する電気絶縁性の配光ユニットで覆われるため、通電部が露出することなく電気的な感電などに対し安全上の効果もある。
【0016】
本発明は、
請求項1により、微発光防止用コンデンサが前後方向に直線状に形成した通気溝に配置される。
即ち、回路基板に配光ユニットが重ね合わせ状態において、照明用発光ダイオードが配光部の凹部と対応し微発光防止用コンデンサが通気溝に配置される。
回路基板の下側面には配光ユニットが当接状態に配置されるが、回路基板から下方へ突出する微発光防止用コンデンサは、配光ユニットに衝突し、回路基板の下側面への配光ユニットの取り付けの邪魔になり、これを防止するためには、配光ユニットに微発光防止用コンデンサが入り込む逃げ孔や窪み等の逃げ部分を形成する必要があるが、本発明では、そのような逃げ部分を配光ユニットに特別に形成することなく、配光ユニットを回路基板の下側面に取り付けることができる。
また、配光部の凹部に対する窪みによって、組み立て時の照明用発光ダイオードと配光ユニットとの当接防止ができると共に、窪みによって通気溝の一部が拡大された通気溝形態となり、照明用発光ダイオードの発熱の放出効果が得られる。
また、照明用発光ダイオードと微発光防止用コンデンサが電気絶縁性の配光ユニットで覆われるため、通電部の露出が無く電気的にも安全である。
請求項2により、請求項1の効果に加えて、照明用発光ダイオードの発熱の放出を考慮すると共に、照明用発光ダイオードの発光の配光特性が乱されないための有効照射範囲との関係を考慮した通気溝の形成ができる。
請求項3により、照明用発光ダイオードの放熱効果を得ることと、微発光防止用コンデンサの配置のし易さが達成でき、単位回路ごとに形成される配線パターンの連続形態で以って、全体の配線パターンを前後方向に長い略矩形状の回路基板面に前後方向に長い略矩形状に形成できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る照明器具の分解斜視図である。
図2】本発明に係る透光性カバーを外した状態の器具本体の下側面図である。
図3図2のA−A断面図である。
図4図2のB−B断面図である。
図5】本発明に係る照明器具の斜視図である。
図6】本発明に係る照明装置の発光部回路図である。
図7】本発明に係る配光ユニットを回路基板に取り付けた状態を示す平面図である。
図8】本発明に係る配光ユニットの表面図である。
図9】本発明に係る配光ユニットの裏面図である。
図10】本発明に係る照明装置の回路基板に形成した配線パターンとそれに接続したLED素子と微発光防止用コンデンサの配置状態を示す平面図である。
図11図10における回路基板に前後二つの配光ユニットを取り付けた状態で、配光ユニットを透過して配光部と通気溝を実線で示す平面図である。
図12図11において配線パターンを省略した状態の平面図である。
図13】本発明に係る照明装置の発光部回路を含む回路図である。
図14図12のLED素子の発光照射と通気溝との関係を説明するための左右方向に切断した断面図である。
図15図12のLED素子の発光照射と通気溝との関係を説明するための前後方向に切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の照明装置は、照明用発光ダイオードが浮遊容量によって微発光することを前記照明用発光ダイオードと微発光防止用コンデンサの並列接続によって防止する照明装置において、前記照明用発光ダイオードの複数が直列接続された回路に前記微発光防止用コンデンサの一つが並列接続された回路を単位回路とし、前記単位回路の所定数が直列接続されて発光部回路が構成されている。
【0019】
その一つの形態として、照明用発光ダイオードと、通電部となる導体部分を構成する配線パターンを備えた回路基板と、前記配線パターンと電気的絶縁間隔を存する電気的導電部分との間に形成される浮遊容量と、前記照明用発光ダイオードの一つまたは所定複数の直列回路に並列接続され前記浮遊容量によって前記照明用発光ダイオードが微発光状態となることを防止する微発光防止用コンデンサを備える発光部回路と、を有する照明装置において、前記照明用発光ダイオードと前記微発光防止用コンデンサは前記配線パターンの所定部に電気的に接続されて前記回路基板の同じ面に一列に突出し、前記一列の中間部に折り返し部を形成して直線状の並行2列の配置をなし、前記並行2列の前記照明用発光ダイオードに対応する配光部を有し前記回路基板に重ね合わせ状態に配置される配光ユニットを備え、前記配光部は、前記回路基板に対向する面に前記並行2列のそれぞれの前記照明用発光ダイオードが収容される凹部を形成したレンズ部を構成し、前記配光ユニットは、前記並行2列の列ごとに前記凹部のそれぞれに連通し両端部が前記配光ユニットの外側に開放する一連の通気溝を裏側面に有し、前記並行2列の列ごとの前記通気溝に前記並行2列の各列の前記微発光防止用コンデンサがそれぞれ配置された、ことを特徴とする照明装置である。
以下、本発明の実施形態として、本発明の照明装置を備えた照明器具について図面を参照して説明する。
【0020】
本発明の照明器具1は、不透光性の器具本体2の下面側の周縁部で囲まれた領域に照明用発光ダイオードであるLED素子7が放射する光を所定の配光にて出射する発光部6が取り付けられ、発光部6の出射光が道路の長手方向に配光される照明器具である。図1乃至図5等に示すように、本発明の照明器具1は、下面の略全域が開口するように開口部2Aを形成し内外両面に防錆効果のある熱伝導性塗装を施した金属製等の熱伝導良好な不透光性の器具本体2と、この器具本体2の開口部2Aを塞ぐように開口部2Aの周縁部に組み合わされる合成樹脂製の透光性カバー3を備え、前後方向に長い形態である。
【0021】
器具本体2は、上壁2Tと前記上壁2Tから下降する周囲壁2Sを有し、周囲壁2Sで囲まれた下側に開口する開口部2Aを形成した内部空間4を有するアルミニウムのダイキャスト製等の熱良導材で前後方向に長い形態に構成され、図示していない支柱等への取り付け部10を後部に備える。透光性カバー3は、下方に膨らんだ形態をなし、上端周縁部には上方へ突出する環状のフランジ3Fが形成されている。本体2の開口部2Aの周縁部2A1は、透光性カバー3のフランジ3Fが嵌り込む環状の溝2Mを有し、溝2Mの外側を巡るように下方へ突出する環状のフランジ2Fを形成している。
【0022】
図3及び図4に示すように、溝2Mにフランジ3Fが嵌り込むように、透光性カバー3を本体2の開口部2Aに組み合わせた状態で、ネジで開口部2Aの周縁部2A1に適宜固定する。溝2Mとフランジ3Fのように嵌り合う凹凸構成によって、本体2と透光性カバー3との間が防水構造をなしている。なお、下向き開口の溝2Mは、その上底にパッキンを収容すれば、このパッキンがフランジ3Fによって圧縮される構成によって、更によい防水効果が得られる。
【0023】
照明器具1は前後方向に長い形態であり、前後方向に長い開口部2Aに沿って発光部6を配置している。発光部6は、LED素子7が放射する光を所定の配光にて出射する部分であり、平板状の回路基板5の下側面にLED素子7が下方へ僅かに突出状態で配置され、LED素子7の発光を所定配光にて下方へ照射するための配光ユニット8を備える。LED素子7を覆うように回路基板5の下側面に重ね合わせ状態に配置される配光ユニット8を備える。配光ユニット8は、図示のものは、前後方向に長い形態の回路基板5に対して、前後2枚に分割された形態をなすが、前後方向に長い形態の回路基板5に対して、同じく前後方向に長い形態の1枚の配光ユニット8とすることでもよい。
【0024】
LED素子7は、LEDチップ(ベアチップ)が2個並列接続されたものが黄色の蛍光剤入り封止材で封止された形態の白色発光素子であるが、これに限らず、1個のLEDチップ(ベアチップ)が黄色の蛍光剤入り封止材で封止された形態、または2個等複数のLEDチップ(ベアチップ)の直列接続されたものが複数並列接続され、これが黄色の蛍光剤入り封止材で封止された形態であってもよい。
【0025】
図3図4図7乃至図9図11図12図14及び図15に示すように、配光ユニット8は、電気絶縁性を有し透光性合成樹脂製で形成され、回路基板5の下側面に密着状態で取り付けられ、LED素子7が放射する光を所定の配光にて出射する機能を有するために、平板状の板状部81には、各LED素子7に対応するよう板状部81から突出する複数の配光部82を一体形成している。配光部82は、各LED素子7が個々に収容されるように回路基板5側に開口する凹部82Bを形成したレンズ部を構成する。レンズ部82は、板状部81から下方へ向けて所定の曲率にて突出した曲面形状をなす。
【0026】
内部空間4のうちの前部空間4Aにおいて、開口部2Aに沿って平板状のアルミニウム等の金属製放熱板9が配置される。放熱板9は、平板部9Hの左右に上方へ向けて略直角に折り曲げた支持辺9Aを有し、支持辺9Aの中間部に外方へ略直角に折り曲げた取り付け辺9Bを有する。放熱板9の取り付け辺9Bが器具本体2の上壁2Tから垂下する取り付けボス2Bにネジ止めされる。
【0027】
回路基板5は、放熱板9の平板部9Hの下側面に密着状態にネジ止めされる。配光ユニット8は、回路基板5から下方へ突出するLED素子7が凹部82Bに収容された状態において、回路基板5の下側面にネジ止めされる。この状態で、LED素子7の発光熱は、回路基板5から放熱板9へ伝達され、器具本体2の内部空間4に放熱されて器具本体2から外方へ放散される経路と、回路基板5から放熱板9へ伝達され、取り付け辺9Bから器具本体2へ伝達されて器具本体2から外方へ放散される経路にて放熱される。また、支持辺9Aの先端(上端)が本体2の上壁2Tに当接すれば、支持辺9Aから器具本体2へ伝達されるため、LED素子7の発熱の放熱効果が向上する。
【0028】
電気絶縁性の回路基板5は、複数のLED素子7を下面に実装するために、LED素子7及び後述の微発光防止用コンデンサ12への通電部となる導体部分を構成する配線パターン11が同じ下面にプリント配線として形成されている。この配線パターン11は、図10及び図11において回路基板5の下側面に斜線で示すように、LED素子7の両端子が接続されるパターンと、微発光防止用コンデンサ12の両端子が接続されるパターンとに形成されており、配線パターン11の全体が電気絶縁被膜で覆われている。回路基板5は前後方向に長く延びる略矩形状をなし、その後端部にLED素子7への直流電力DCを通電するための+端子部と−端子部を有する接続端子CNを備える。図6等に示すように、実施例では20個のLED素子7をLED1〜LED20で示し、この20個のLED素子7が回路基板5上において一列配置の形態をなすように、配線パターン11のうちのLED素子7用の配線パターンの所定部に接続されて電気的に直列接続回路6Lを構成する。
【0029】
図13に示す回路において、交流電力が整流されて得られた発光部回路6Kに印加される直流電力DCは、その+側ラインL1がスイッチSWによってON−OFF制御される構成である。後述の光センサSSが照明器具1の周囲の照度を検知し、この光センサSSの照度検出動作に基づくスイッチ制御回路CKの動作によって、スイッチSWは、日暮れ時から夜明けまでの夜間にLED素子7が点灯するようON状態(実質的通電状態)となり、夜明けから夕暮れ時までの昼間にLED素子7が消灯するようOFF状態(実質的遮断状態)となる動作を行う半導体スイッチで構成され、点灯制御回路LTに含まれる。
【0030】
これに係る構成について、以下に具体的に記載する。交流電力ACの一方側のラインは大地へ繋がるようにアースEHに接続されており、器具本体2は取り付け部10を取り付けた支柱等を通して大地へ繋がるようにアースEHに接続される。点灯制御回路LTは、光センサSSが接続されたスイッチ制御回路CK、半導体スイッチSW及びフィルタ回路等の必要な電気部品回路を含む。点灯制御部KTは、交流電力ACを入力として直流電力DCに変換する4個のダイオードブリッジの整流回路SC及び前記直流電力DCによって動作するLED素子7の点灯制御回路LTを含み、前記直流電力DCの+側ラインL1をON−OFF制御する半導体で構成されたスイッチSW(半導体スイッチSWという)のON状態において、点灯制御部KTの出力である直流電力DCが、接続端子CNから直列接続回路6Lの両端に印加されることにより、LED素子7が正規の発光状態となる。この場合、スイッチSWのOFF状態において、配線パターン11と電気的絶縁間隔を存する電気的導電部分である器具本体2や放熱板9との間に浮遊容量CFが形成され、この浮遊容量CFを通してLED素子7に流れる漏れ電流が生じ、この漏れ電流によりLED素子7が微発光状態となることがある。
【0031】
本発明は、このように、浮遊容量CFによってLED素子7が微発光状態となることを防止するために、直列接続回路6LのLED素子7に微発光防止用コンデンサ12が並列接続されて発光部回路6Kを構成している。この場合、発光部回路6Kは、それぞれ20個のLED素子7毎に1個の微発光防止用コンデンサ12が並列接続される構成でもよいが、その場合は、微発光防止用コンデンサ12の数がLED素子7の数だけ必要となるため、その解決手段として、本発明では、LED素子7の所定の複数が直列接続された回路に、微発光防止用コンデンサ12の一つが並列接続された回路を単位回路CTとし、単位回路CTの所定数が直列接続されて発光部回路6Kを構成する。このような微発光防止用コンデンサ12は、配線パターン11のうちの微発光防止用コンデンサ12用の配線パターン部の所定部に接続される。
【0032】
図6図10乃至図12に示すように、実施例では、20個のLED素子7としてLED1〜LED20を示しており、2個直列接続されたLED素子7に1個の微発光防止用コンデンサ12が並列接続される構成としている。この場合、微発光防止用コンデンサ12としてC1〜C10で示す10個の微発光防止用コンデンサを備える。即ち、図イに示すように、LED1とLED2の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC1が並列接続された単位回路CT、LED3とLED4の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC2が並列接続された単位回路CT、LED5とLED6の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC3が並列接続された単位回路CT、LED7とLED8の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC4が並列接続された単位回路CT、LED9とLED10の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC5が並列接続された単位回路CT、LED11とLED12の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC6が並列接続された単位回路CT、LED13とLED14の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC7が並列接続された単位回路CT、LED15とLED16の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC8が並列接続された単位回路CT、LED17とLED18の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC9が並列接続された単位回路CT、LED19とLED20の直列回路に1個の微発光防止用コンデンサC10が並列接続された単位回路CTが形成され、これら単位回路CTが順次直列接続されて発光部回路6Kを構成する。これから明らかなように、照明用発光ダイオード7の所定複数の直列回路に浮遊容量CFによって照明用発光ダイオード7が微発光状態となることを防止する微発光防止用コンデンサ12が並列接続された単位回路CTと、単位回路CTの複数が直列接続されて構成された発光部回路6とを有する照明装置において、単位回路CTごとに照明用発光ダイオード7と微発光防止用コンデンサ12が直線状配置をなす関係で以って複数の単位回路CTが直線状に配置され、照明用発光ダイオード7と微発光防止用コンデンサ12が回路基板5の同じ面に突出状態に配置されている。
【0033】
これら複数のLED素子7と複数の微発光防止用コンデンサ12は、配線パターン11の所定部に電気的に接続されて、回路基板5の同じ下側面に配置される。この場合、各LED素子7と各微発光防止用コンデンサ12は、回路基板5に取り付けられた状態で、回路基板5から下方へ突出状態で以って、所定の列状態の配置である。この列配置は、一列配置の場合と複数列配置の場合のいずれにおいても、各LED素子7と各微発光防止用コンデンサ12の回路基板5への配列と、配光ユニット8の配光部82による配光特性、更には後述の通気溝15の形成等を考慮すれば、各列が前後方向に延びる直線状の一列配置状態をなす状態が好ましい。発光部回路6Kを構成する20個のLED素子7と10個の微発光防止用コンデンサ12の配置は、実施例では、照明装置としての高い照度を得るために、図6図10乃至図12に示すように、発光部回路6Kは、回路基板5の接続端子CNの反対側部分(前端部)において、前記一列の中間部に折り返し部13を形成して前後方向に延びる直線状の左右並行2列の配置をなし、発光部回路6Kの+側は配線パターン11によって接続端子CNの+端子部と接続され、発光部回路6Kの−側は配線パターン11によって接続端子CNの−端子部と接続される。図12には、LED素子7であるLED1〜LED20をLEDとして示し、微発光防止用コンデンサ12をC1〜C10で示している。
【0034】
なお、小型の照明装置としての所期の照度を得るためには、発光部回路6Kの複数のLED素子7と複数の微発光防止用コンデンサ12は、上記のような直線状の左右並行2列の配置ではなく、例えば、LED1〜LED8と、微発光防止用コンデンサC1〜〜C4で構成される一列の直線状配置とする発光部回路6K形態とし、この発光部回路6Kの+側は配線パターン11によって接続端子CNの+端子部と接続され、発光部回路6Kの−側は配線パターン11によって接続端子CNの−端子部と接続される構成とすることができる。
【0035】
上記の構成において、スイッチSWのON状態において、交流電力ACが整流されて得られた直流電力DCがこの発光部回路6Kの両端に印加され、直列接続回路6LのLED素子7が正規の発光状態となる構成である。そして、スイッチSWのOFF状態において、上記のように発生する漏れ電流は、各単位回路CTのLED素子7と並列の微発光防止用コンデンサ12を流れるため、単位回路CTのLED素子7へは流れず、このためLED素子7の微発光は防止される。
【0036】
LED素子7と微発光防止用コンデンサ12は、回路基板5に取り付けられた状態で、上記のように回路基板5から僅かに下方へ突出する。回路基板5の下側面には配光ユニット8が当接状態に配置されるが、LED素子7は凹部82Bに収容されるため、回路基板5の下側面への配光ユニット8の取付けにLED素子7が邪魔になることはない。しかし、そのままでは回路基板5から下方へ突出する微発光防止用コンデンサ12は、配光ユニット8に衝突し、回路基板5の下側面への配光ユニット8の取り付けの邪魔になる。これを防止するためには、配光ユニット8に微発光防止用コンデンサ12が入り込む逃げ孔や窪み等の逃げ部分を形成する必要がある。本発明では、そのような逃げ部分を配光ユニット8に特別に形成することなく、配光ユニット8を回路基板5の下側面に取り付けることができる構成とする。
【0037】
即ち、本発明では、複数のLED素子7と複数の微発光防止用コンデンサ12は、図10及び図11に示すように、それぞれ配線パターン11間の電気絶縁部を跨ぐように配線パターン11の所定部に電気的に接続されて回路基板5の同じ面に突出して一列状態の配置をなす。また、各LED素子7に対応する配光部82を有し回路基板5の裏側面(回路基板5のLED素子7側の面)に重ね合わせ状態に配置される配光ユニット8を設けている。そして、配光部82は回路基板5に対向する面にそれぞれのLED素子7が収容される凹部82Bを形成したレンズ部を構成し、配光ユニット8は、凹部82Bのそれぞれに連通し両端部が配光ユニット8の外側端部に開放する一連の通気溝15を回路基板5に対向する裏側面に有し、通気溝15に微発光防止用コンデンサ12が配置される構成とする。通気溝15は、形成し易いように回路基板5に向けて開放した溝である。
【0038】
その一つの形態を図7乃至図12に示しており、発光部回路6Kの複数のLED素子7と複数の微発光防止用コンデンサ12が、上記のような直線状の左右並行2列の配置の場合は、この直線状の左右並行2列に対応して、配光ユニット8には、各LED素子7に対応して左右方向に長い形態の配光部82が直線状の左右並行2列の配置に形成され、配光部82の裏側には各LED素子7が個々に収容される凹部82Bを形成している。そして、配光ユニット8の裏側には、前記直線状の左右並行2列の各列に対応する凹部8Bのそれぞれに連通し、前後両端部が配光ユニット8の外側に開放する一連の直線状の通気溝15を形成しており、この通気溝15に各微発光防止用コンデンサ12が収容配置される構成である。
【0039】
また、上記のように、LED1〜LED8と、微発光防止用コンデンサC1〜C4で以って一列の直線状配置とする発光部回路6Kの形態を有する照明装置である場合も、同様に、配光ユニット8には、各LED素子7に対応して配光部82が一列の直線状配置に形成され、配光ユニット8の裏側には、この一列の直線状配置に対応する凹部8Bのそれぞれに連通し、前後両端部が配光ユニット8の外側に開放する一連の直線状の通気溝15を形成し、この通気溝15に各微発光防止用コンデンサ12が収容配置される構成とする。
【0040】
図9図14及び図15に示すように、各配光部82の裏側には窪み15Mを形成している。この窪み15Mは、平面視で凹部8Bを包含するように凹部8Bよりも大きい面積を有し、回路基板5に密着状態で配光ユニット8を取り付けたとき、LED素子7に配光ユニット8が当接しないようにするための当接回避部である。窪み15Mには凹部82Bの開口部全周が開口した状態で窪み15Mと凹部82Bが連通状態であり、通気溝15は窪み15Mの前後端部で連通状態である。また、凹部82Bの深さよりも通気溝15及び窪み15Mの深さが十分浅い。また、図14及び図15に示すように、通気溝15及び窪み15Mは配光部82から外れた位置にあり、LED素子7の発光の有効照射範囲θに通気溝15及び窪み15Mが掛からないため、通気溝15及び窪み15Mの側壁によってLED素子7の発光の配光特性が乱されることはない。このため、配光ユニット8を取り付けた回路基板5が所定の状態に取り付けられた照明器具1において、通気溝15及び窪み15Mは、LED素子7の照射の邪魔にならず、且つLED素子7の発光に伴う発熱が通気溝15を通して配光ユニット8の端部から放出され、LED素子7の劣化防止等の効果を奏することができる。
【0041】
上記のように、通気溝15は窪み15Mの前後端部で連通状態であるため、窪み15Mは通気溝15の一部が拡大形成された形態とみなされ、通気溝15は窪み15Mを含み、前後方向に直線状の一連の通気溝15を形成することとなる。
【0042】
凹部82BがLED素子7を収容できる大きさである場合は、回路基板5に密着状態で配光ユニット8を取り付けたとき、LED素子7は配光ユニット8に当接することなく凹部82Bに収容できるため、その場合は窪み15Mを形成する必要はなくなる。この場合、通気溝15はその前後端部が凹部82Bの前後端部で連通し、前後方向に直線状の一連の通気溝15を形成することとなる。この場合も上記同様に、配光ユニット8を取り付けた回路基板5が所定の状態に取り付けられた照明器具1において、通気溝15は配光部82から外れた位置にあり、LED素子7の発光の有効照射範囲θに通気溝15の側壁が掛からず、有効照射範囲θよりも通気溝15が外れるため、通気溝15によってLED素子7の発光の配光特性が乱されることはない。また、図14及び図15に示すように、LED素子7の発光の有効照射範囲θに通気溝15Mの側壁が掛からない構成である。これによって、有効照射範囲θよりも通気溝15Mの側壁が外れるため、通気溝15MがLED素子7の発光の邪魔にならず所期の照射効果が得られ、且つLED素子7の発光に伴う発熱が通気溝15を通して配光ユニット8の端部から放出され、LED素子7の劣化防止等の効果を奏することができる。
【0043】
上記の構成によって、配光ユニット8は回路基板5の下側面に密着状態で取り付けられた状態で、照明用発光ダイオード7は配光部82の裏側の凹部82Bに収容され、微発光防止用コンデンサ12は配光ユニット8の裏側の通気溝15に収容される状態に、照明用発光ダイオード7の発光が透過する電気絶縁性の配光ユニットで覆われるため、通電部が露出することなく電気的な感電などに対し安全上の効果もある。
【0044】
図示の形態は、発光部回路6Kの複数のLED素子7と複数の微発光防止用コンデンサ12が、前後方向に延びる直線状の左右並行2列配置において、LED1〜LED10と微発光防止用コンデンサC1〜C4が、回路基板5の一方側である右側位置に直線状に一列配置され、この列に沿って通気溝15が前後方向に直線状に形成されている。また、LED11〜LED20と微発光防止用コンデンサC6〜C9が、回路基板5の他方側である左側位置に前後方向に延びる直線状に一列配置され、この列に沿って通気溝15が前後方向に直線状に形成されている。
【0045】
なお、実施例では、微発光防止用コンデンサC5は、前後方向に延びる前記直線状の左右並行2列の間において、回路基板5の前端側となる接続端子CNの反対側に配置され、微発光防止用コンデンサC10は、前記直線状の左右並行2列の間において、回路基板5の後端側となる接続端子CN側に配置される構成としているため、この微発光防止用コンデンサC5及びC10がそれぞれ収容される通気溝15Aが、通気溝15と同様に、通気溝15に略直角に交差する状態で、配光ユニット8の裏側面に形成されている。これは、回路基板5及び配光ユニット8を小型化するための手段であって、本発明の趣旨を変更するものではない。
【0046】
これに対して、たとえば、微発光防止用コンデンサC5をLED10の前方位置に配置し、微発光防止用コンデンサC10をLED20の後方位置に配置する関係のように、発光部回路6KのすべてのLED素子7と微発光防止用コンデンサ12を前後方向に延びる直線状の左右並行2列配置とすれば、通気溝15Aを形成することなく、すべてのLED素子7と微発光防止用コンデンサ12が、それぞれ左右の前後方向に延びる通気溝15Aに収容配置できることとなる。
【0047】
このような構成によって、LED素子7の発熱は、通気溝15から配光ユニット8の外側に放出されるため、LED素子7の劣化や発光効率の低下を更に抑制できる効果がある。更に、回路基板5にLED素子7と一列配置された微発光防止用コンデンサ12は、通気溝15に配置されるため、回路基板5から突出する微発光防止用コンデンサ12の逃げ部分を配光ユニット8に特別に形成する必要がない効果もある。
【0048】
また、このように発光部回路6Kが、中間部13に折り返し部を形成して直線状の並行2列配置をなすことにより、照度アップを図る照明装置とする場合も、上記同様に、LED素子7の発熱の通気溝15からの放出により、LED素子7の劣化抑制や発光効率の低下の抑制効果と、更に、回路基板5にLED素子7と一列配置された微発光防止用コンデンサ12の通気溝への配置効果が達成できる。
【0049】
上記のように、本発明の照明装置は、
照明用発光ダイオード7が浮遊容量CFによって微発光することを照明用発光ダイオード7と微発光防止用コンデンサ12の並列接続によって防止する照明装置において、
照明用発光ダイオード7の複数が直列接続された回路に微発光防止用コンデンサ12の一つが並列接続された回路を単位回路CTとし、単位回路CTの所定数が直列接続されて発光部回路6Kが構成され、交流電力ACが整流されて得られる発光部回路6Kに印加される直流電力DCは、その+側ラインがスイッチSWによってON−OFF制御される構成であり、スイッチSWのON状態によって、照明用発光ダイオード7が正規の発光状態となる構成である。
【0050】
図示の形態では、2個直列接続されたLED素子7に1個の微発光防止用コンデンサ12が並列接続される構成としているが、コンパクト化が達成できる程度の所定の大きさを有する回路基板5に、十分な照射量が得られるLED素子7の数が実装できること、微発光防止用コンデンサ12は浮遊容量CFによるLED素子7の微発光防止効果が得られる性能を有すること、単位回路CTを構成するLED素子7と微発光防止用コンデンサ12が直列配置できること、更に、微発光防止用コンデンサ12は直線状の通気溝15に収容可能な大きさにできること、等を考慮して、単位回路CTを構成する直列接続されるLED素子7の数を定めればよい。このため、単位回路CTを構成する直列接続されるLED素子7は、2個ではなく3個〜5個であってもよく、その場合は、3個〜5個直列接続されたLED素子7に、1個の微発光防止用コンデンサ12が並列接続されて単位回路CTを構成すればよい。
【0051】
また、本発明の照明装置は、上記のように、複数が直列接続された照明用発光ダイオード7と、通電部となる導体部分を構成する配線パターン11を備えた回路基板5と、配線パターン11と電気的絶縁間隔を存する電気的導電部分との間に形成される浮遊容量CFと、浮遊容量CFによって照明用発光ダイオード7が微発光状態となることを防止する微発光防止用コンデンサ12とを有する照明装置において、照明用発光ダイオード7の所期の配光特性を得るために、照明用発光ダイオード7に対応する配光部82を有し回路基板5に重ね合わせ状態に配置される配光ユニット8を備える構成とする。この場合、照明用発光ダイオード7の放熱効果の向上と、回路基板5から突出する微発光防止用コンデンサ12の配光ユニット8との衝突回避の効果的な技術を提供する。
【0052】
このため、照明用発光ダイオード7の一つに微発光防止用コンデンサ12の一つが並列接続されて単位回路CTとし、または実施形態のように照明用発光ダイオード7の所定複数に微発光防止用コンデンサ12の一つが並列接続されて単位回路CTを構成することができる。何れの場合も、この単位回路CTの複数が直列接続されて発光部回路6Kを構成し、発光部回路6Kは、単位回路CTごとに照明用発光ダイオード7と微発光防止用コンデンサ12が直線状配置をなす関係で以って複数の単位回路CTが直線状に配置されて配線パターン11の所定部に電気的に接続されて回路基板5の同じ面に突出した直線状の並行2列の配置をなし、前記並行2列の前記照明用発光ダイオード7に対応する配光部82を有し回路基板5に重ね合わせ状態に配置される配光ユニット8を備える。配光部82は、回路基板5に対向する面に前記並行2列のそれぞれの照明用発光ダイオード7が収容される凹部8Bを形成したレンズ部を構成し、配光ユニット8は、前記並行2列の列ごとに凹部8Bのそれぞれに連通し両端部が配光ユニット8の外側に開放する一連の通気溝15を裏側面に有し、前記並行2列の列ごとの通気溝15に前記並行2列の各列の微発光防止用コンデンサ12がそれぞれ配置された構成とする。
【0053】
上記の形態の発光部回路6Kは、図10及び図11に示すように、単位回路CTの照明用発光ダイオード7と微発光防止用コンデンサ12が直線状に並ぶ関係にて、全体として直線状の並行2列の配置をなす。これはLED7による照度が高い照明器具1を得る場合に適する。一方、それよりも照度が低くてもよい小型の照明器具1の場合は、単位回路CTごとに照明用発光ダイオード7と微発光防止用コンデンサ12が直線状の配置で以って、発光部回路6Kは全体として、照明用発光ダイオード7と微発光防止用コンデンサ12が直線状の1列配置となる形態とすることもできる。この場合、通気溝15は1列の直線状とすることができるため、照明用発光ダイオード7の放熱効果の向上と共に、回路基板5から突出する微発光防止用コンデンサ12の配光ユニット8への当接回避部となる通気溝15への微発光防止用コンデンサ12の収容もし易く、回路基板5から突出する微発光防止用コンデンサ12の逃げ部分を配光ユニット8に特別に形成する必要もなくなる。
【0054】
このような照明装置は、照明用発光ダイオード7の発光が下方を照射するために、上記のように、金属製の器具本体2に組み込まれ、器具本体2の下側面が照明用発光ダイオード7の発光が透過する材質で構成されたカバー3で覆われた照明器具1とする。
【0055】
点灯制御部KTは、制御部基板KTPに必要な電子部品でもって回路構成された状態で、内部空間4のうちの前部空間4Aの後方に位置する後部空間4Bに、電気絶縁シート21でカバーされた状態で配置され、その下側を器具本体2にネジ止めされるカバー板20によって覆われる。照明器具1に対して外部電源である交流電力ACから電力供給を行うために、照明器具1へ供給される外部電源ライン16は、器具本体2の後壁2Rに形成した貫通孔に挿入される絶縁ゴム製のブッシング17を貫通し、その先端に取り付けた電源コネクタ18が、後部空間4Bに配置された電源端子に電気的に接続される。
【0056】
照明器具1は、その周囲の照度を検知して日暮れ時から夜明けまでの夜間にLED素子7が点灯するようにスイッチ制御回路CKに電気的に接続された光センサSSを備える。点灯制御部KTは、スイッチ制御回路CK、半導体スイッチSW及びフィルタ回路等の必要な電気部品を含む点灯制御回路LTと、整流回路SCとを取り付けた制御部基板KTPと、光センサSS及びその他の必要な電子部品が取り付けられて制御部基板KTPに結合したセンサ基板SSPとを有し、制御部基板KTPとセンサ基板SSPとは電気的に接続されている。光センサSSは、センサ基板SSPに取り付けたセンサホルダSSH内に収容されており、照明器具1の正規の組み立て状態において、センサホルダSSHは、本体2の後壁2Rに形成した採光窓(採光孔ともいう)に保持された透光性部材19と組み合わされ、その状態で、光センサSSは、透光性部材19を通して照明器具1の後方における照明器具1の周囲の照度を検知する。この構成によって、光センサSSは、余計な光を受光して誤動作することなく、照明器具1の周囲の正規の照度を検知する。光センサSSの検知動作は、日没による低下した照度を検知してスイッチ制御回路CKの動作によりスイッチSWをONさせ、LED素子7を発光させる。また、日の出による上昇した照度を検知してスイッチ制御回路CKの動作によりスイッチSWをOFFさせ、LED素子7を消灯させるように動作する。
【0057】
回路基板5が放熱板9の下側面に取り付けられた状態で、LED素子7が発する光は、配光ユニット8を通して左右方向へ所定角度範囲で広がる配光特性を有する。透光性カバー3は、LED素子7が発する光を効果的に下方へ透過するために、略均一な厚さに形成されるが、器具本体2への取り付け強度を維持するために、フランジ3Fを含む透光性カバー3の取り付け部分FSが、他の部分よりも厚肉に形成されている。LED素子7が発する光がこの厚肉の取り付け部分FSを透過する場合は、その部分で生じる光の屈折によって所期の配光特性が得られず、照明器具1の下方への光量が減少し、照明器具1の下方領域である路面等の照明効果が低下することとなる。
【0058】
このため、所期の配光特性で以って所期の照明効果を得るために、配光部82から照射されるLED素子7の発光が透光性カバー3の厚肉となる取り付け部分FSよりも下方位置となるように、放熱板9の器具本体2へ取り付けを考慮して、回路基板5が放熱板9の下側面に取り付けられている。これによって、LED素子7が発する光の有効照射範囲SHである光の広がり範囲が、例えば160度程度である場合、LED素子7が発する光が厚肉部分である取り付け部分FSを透過することなく、透光性カバー3の正規の部分を透過することとなり、所期の配光特性を有する照明器具1とすることができる。なお、厚肉となる取り付け部分FSは、本体2の開口部2Aの周縁部2A1の下方へ突出する環状のフランジ2Fよりも下方位置であるため、LED素子7の発光が配光部82から出射される有効照射範囲SHが取り付け部分FSよりも下方位置となる状態であれば、配光部82から照射されるLED素子7の発光がフランジ2Fによって遮られることはない。
【符号の説明】
【0059】
1 照明器具
2 器具本体
3 透光性カバー
4 内部空間
5 回路基板
6 発光部
6K 発光部回路
6L 直列接続回路
7 照明用発光ダイオード(LED素子:LED1〜LED20)
8 配光ユニット
8B 凹部
81 板状部
82 配光部
9 放熱板
10 取り付け部
11 配線パターン
12 微発光防止用コンデンサ(C1〜C10)
13 折り返し部
15 通気溝
16 外部電源ライン
AC 交流電力
CN 接続端子
CT 単位回路
KT 点灯制御部
SH 有効照射範囲
SS 光センサ
SW 半導体スイッチ
【要約】      (修正有)
【課題】照明用発光ダイオードが浮遊容量によって微発光することを照明用発光ダイオードと微発光防止用コンデンサの並列接続によって防止する照明装置において、微発光防止用コンデンサの数を減少させ同様の効果を得る構成技術を提供する。
【解決手段】照明用発光ダイオード7の複数が直列接続された回路に微発光防止用コンデンサ12の一つが並列接続された回路を単位回路CTとし、単位回路の所定数が直列接続されて発光部回路6Kを形成する。また、照明用発光ダイオードに対応する配光部を有する配光ユニットに各照明用発光ダイオードの収容凹部を形成し、各凹部に連通し両端部が配光ユニットの外側に開放する一連の通気溝に微発光防止用コンデンサを配置する。
【選択図】図13
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15