特許第6495550号(P6495550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6495550階層選択ゲートトランジスタを有するNAND構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6495550
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】階層選択ゲートトランジスタを有するNAND構造
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/10 20060101AFI20190325BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   G11C16/10
   G11C16/04 170
【請求項の数】11
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-530706(P2018-530706)
(86)(22)【出願日】2017年2月13日
(86)【国際出願番号】US2017017630
(87)【国際公開番号】WO2017172072
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2018年7月13日
(31)【優先権主張番号】62/316,557
(32)【優先日】2016年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/292,548
(32)【優先日】2016年10月13日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511242535
【氏名又は名称】サンディスク テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャグディシュ サブディ
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤベル パチャマズー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ラブキン
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−229070(JP,A)
【文献】 特開2009−088446(JP,A)
【文献】 特開2005−116119(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0007999(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0146608(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/10
G11C 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット線に接続されるNANDストリングの第1の部分と、
ソース線に接続される前記NANDストリングの第2の部分と、
プログラミング動作中、前記NANDストリングの前記第1の部分を前記NANDストリングの前記第2の部分から電気的に切り離すように構成される分離トランジスタであって、前記分離トランジスタは第1のチャネル長を含み、前記NANDストリングの前記第1の部分は前記第1のチャネル長と異なる第2のチャネル長を有する第2のトランジスタを含む、分離トランジスタと、
前記NANDストリングの前記第2の部分のメモリセルトランジスタ内に格納された最も高いプログラミングされたデータ状態が特定の閾値電圧より大きいことを検出し、前記NANDストリングの前記第2の部分の前記メモリセルトランジスタ内に格納された前記最も高いプログラミングされたデータ状態が前記特定の閾値電圧より大きいことを検出するのに応答して、前記プログラミング動作中、前記分離トランジスタに、前記NANDストリングの前記第1の部分を前記NANDストリングの前記第2の部分から電気的に切り離させ、かつ、前記NANDストリングの前記第1の部分の前記プログラミング動作を行うように構成される制御回路と、を備える、装置。
【請求項2】
前記第2のチャネル長は前記第1のチャネル長より短い、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2のトランジスタはプログラム可能トランジスタを含み、前記分離トランジスタはプログラム不可能トランジスタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記NANDストリングの前記第1の部分は第1のストリング長を有し、前記NANDストリングの前記第2の部分は前記第1のストリング長と異なる第2のストリング長を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のストリング長は前記第2のストリング長より短い、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記NANDストリングの前記第1の部分は前記NANDストリングの前記第2の部分より上に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記NANDストリングの前記第2の部分は、前記第1のチャネル長より短い第3のチャネル長を有する第3のトランジスタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
NANDストリングに関連付けられたメモリセルトランジスタの第1のセットと、
前記NANDストリングに関連付けられたメモリセルトランジスタの第2のセットと、
前記メモリセルトランジスタの前記第1のセットと前記メモリセルトランジスタの前記第2のセットとの間に配置される分離デバイスであって、前記分離デバイスは、プログラミング動作中、前記メモリセルトランジスタの前記第1のセットを前記メモリセルトランジスタの前記第2のセットから電気的に分離するように構成され、前記分離デバイスは、第1のチャネル長を有する第1のトランジスタを含み、前記メモリセルトランジスタの前記第1のセットは、前記第1のチャネル長より短い第2のチャネル長を有する第2のトランジスタを含む、分離デバイスと、
前記メモリセルトランジスタの前記第2のセットの前記メモリセルトランジスタ内に格納された最も高いプログラミングされたデータ状態が特定の閾値電圧より小さいことを検出し、前記NANDストリングの前記第2のセットの前記メモリセルトランジスタ内に格納された前記最も高いプログラミングされたデータ状態が前記特定の閾値電圧より小さいことを検出するのに応答して、前記プログラミング動作中、前記分離デバイスに、前記メモリセルトランジスタの前記第1のセットを前記メモリセルトランジスタの前記第2のセットから電気的に分離させ、かつ、前記NANDストリングの前記第1のセットの前記プログラミング動作を行うように構成される制御回路と、を備える、装置。
【請求項9】
前記分離デバイスは、NMOSトランジスタを含む、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記メモリセルトランジスタの前記第1のセットは第1の数のトランジスタを含み、前記メモリセルトランジスタの前記第2のセットは前記第1の数のトランジスタより多い第2の数のトランジスタを含む、請求項に記載の装置。
【請求項11】
NANDストリングのメモリセルトランジスタの第1のセットと、前記NANDストリングのメモリセルトランジスタの第2のセットとの間に配置される階層選択ゲートトランジスタを、第1のプログラミング動作中に伝導状態に設定し、メモリセルトランジスタの前記第2のセットに前記第1のプログラミング動作を行うことと、
前記NANDストリングの前記メモリセルトランジスタの前記第のセットの前記メモリセルトランジスタ内に格納された最も高いプログラミングされたデータ状態が特定の閾値電圧より大きいことを検出し、かつ、前記NANDストリングの前記メモリセルトランジスタの前記第2のセットの前記メモリセルトランジスタ内に格納された前記最も高いプログラミングされたデータ状態が前記特定の閾値電圧より大きいことを検出するのに応答して、メモリセルトランジスタの前記第1のセットの第2のプログラミング動作中、前記階層選択ゲートトランジスタを非伝導状態に設定することと、
前記第2のプログラミング動作中、選択ワード線電圧を前記メモリセルトランジスタの第のセットの第2のメモリセルトランジスタに加えることであって、前記階層選択ゲートトランジスタはプログラム不可能トランジスタを含み、前記階層選択ゲートトランジスタは第1のチャネル長を含み、前記第2のメモリセルトランジスタは、前記第1のチャネル長より短い第2のチャネル長を含む、ことと
含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体メモリは、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末、医療用電子機器、モバイルコンピューティングデバイス、および非モバイルコンピューティングデバイスなどのさまざまな電子デバイスにおいて広く使用されている。半導体メモリは、不揮発性メモリまたは揮発性メモリを備えてよい。不揮発性メモリは、不揮発性メモリが電源(例えば、バッテリ)に接続されていない時でも、情報を記憶しかつ保持できるようにする。不揮発性メモリの例は、フラッシュメモリ(例えば、NAND型およびNOR型フラッシュメモリ)および電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)を含む。
【0002】
フラッシュメモリおよびEEPROMは両方とも、フローティングゲートトランジスタを利用する。それぞれのフローティングゲートトランジスタに対して、フローティングゲートは、フローティングゲートトランジスタのチャネル領域より上に位置付けられ、かつこの領域から分離される。チャネル領域は、フローティングゲートトランジスタの、ソース領域とドレイン領域との間に位置付けられる。制御ゲートは、フローティングゲートより上に位置付けられ、かつフローティングゲートから分離される。フローティングゲートトランジスタの閾値電圧は、フローティングゲート上に格納される電荷量を設定することによって制御されてよい。フローティングゲート上の電荷量は、典型的には、ファウラーノルドハイム(F−N)トンネリングまたはホットエレクトロン注入を使用して制御される。閾値電圧を調節可能にすることによって、フローティングゲートトランジスタは不揮発性記憶素子またはメモリセルとしての機能を果たすことができる。場合によっては、複数の閾値電圧または閾値電圧範囲をプログラミングしかつ読み取ることによって、1メモリセル(すなわち、マルチレベルまたは多状態メモリセル)ごとに2つ以上のデータビットが提供されてよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
NANDフラッシュメモリ構造は、典型的には、2つの選択ゲートと共に、かつこれらの間に、複数のフローティングゲートトランジスタを直列に配置する。直列のフローティングゲートトランジスタおよび選択ゲートは、NANDストリングと称される場合がある。近年、NANDフラッシュメモリはビット当たりの費用を低減するために縮小されている。しかしながら、プロセス形態が小さくなると、多くの設計およびプロセスの課題が提示される。これらの課題には、プロセス、電圧、および温度に対するトランジスタ特性のばらつきの増加が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】メモリシステムの実施形態を示す図である。
図1B】メモリシステムの実施形態を示す図である。
図1C】メモリシステムの実施形態を示す図である。
図1D】メモリシステムの実施形態を示す図である。
図1E】メモリシステムの実施形態を示す図である。
図1F】メモリシステムの実施形態を示す図である。
図2】モノリシック3次元メモリアレイの一部分の1つの実施形態を示す図である。
図3】モノリシック3次元メモリアレイの一部分の別の実施形態を示す図である。
図4】不揮発性メモリ材料の縦縞を含むモノリシック3次元メモリアレイの一部分の1つの実施形態を示す図である。
図5図4に示される垂直に配向された選択デバイスを使用するメモリ構造の断面図である。
図6A】NANDストリングの1つの実施形態を示す図である。
図6B】対応する回路図を使用して図6AのNANDストリングの1つの実施形態を示す図である。
図6C】複数のNANDストリングを含むメモリブロックの1つの実施形態を示す図である。
図6D】1セル当たり3ビットのメモリセルに対する可能な閾値電圧分布(またはデータ状態)の1つの実施形態を示す図である。
図7A】4つのNANDストリングの1つの実施形態を示す図である。
図7B】メモリストリングの4つのグループを含むNAND構造の1つの実施形態を示す図である。
図7C】階層選択ゲートトランジスタを含むNAND構造の1つの実施形態を示す図である。
図7D】階層選択ゲートトランジスタを含むNAND構造の代替的な実施形態を示す図である。
図7E】2つの階層選択ゲートトランジスタを含むNAND構造の一部分の1つの実施形態を示す図である。
図7F】1つまたは複数の階層選択ゲートトランジスタを含むNAND構造のワード線に適用されるバイアス条件の1つの実施形態を示す図である。
図8】1つまたは複数の階層選択ゲートトランジスタを含むNAND構造を使用してメモリ動作を行うためのプロセスの1つの実施形態を描写するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
NAND構造の種々の部分間で1つまたは複数の階層選択ゲートトランジスタを利用することによって不揮発性メモリの性能および信頼性を改善するための技術について説明する。NAND構造(例えば、NANDストリング)は、共に電気的に接続可能である、または、1つまたは複数の階層選択ゲートトランジスタを介して電気的に分離可能である2つ以上のメモリストリング階層(例えば、2つの部分列)を含むことができる。NAND構造は、2つ以上のメモリストリング階層を含むビットコストスケーラブル(BiCS)NAND構造などの水平NAND構造または垂直NAND構造を含むことができる。第1のメモリストリング階層は、データの第1のセットを格納するようにプログラミング可能であるメモリセルトランジスタ(例えば、フローティングゲートまたは電荷トラップトランジスタ)の第1のセットを含むことができ、第2のメモリストリング階層は、トランジスタの第1のセットより上に配置され、かつデータの第2のセットを格納するようにプログラミング可能であるメモリセルトランジスタの第2のセットを含むことができる。メモリセルトランジスタの第1のセットと、メモリセルトランジスタの第2のセットとの間に、メモリセルトランジスタの第1のセットおよびメモリセルトランジスタの第2のセットと直列の階層選択ゲートトランジスタを含んでよい。階層選択ゲートトランジスタは、プログラム可能トランジスタ(例えば、フローティングゲートトランジスタまたは電荷トラップトランジスタ)またはプログラム不可能トランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタ、またはトランジスタのトランジスタ閾値電圧を修正するための電荷トラップ層がないトランジスタ)を含むことができる。
【0006】
階層選択ゲートトランジスタは、メモリセルトランジスタの第1のセットおよび/またはメモリセルトランジスタの第2のセットに使用されるトランジスタチャネル長と異なる第1のトランジスタチャネル長を有することができる。第1のチャネル長は、メモリセルトランジスタの第1のセットおよびメモリセルトランジスタの第2のセットに使用されるトランジスタチャネル長のいずれのものよりも長くてよい。例えば、第1のチャネル長は、メモリセルトランジスタの第1のセットおよびメモリセルトランジスタの第2のセットに使用されるトランジスタチャネル長より3倍長くてよい。より長いトランジスタチャネル長は、トランジスタ閾値電圧、ドレイン誘起障壁低下、および速度飽和におけるばらつきなどの短チャネル効果を低減するまたは抑制するのに役立つ場合がある。2つ以上のメモリストリング階層は、2つ以上の部分列間に配置される1つまたは複数の階層選択ゲートトランジスタを介して互いに選択的に電気的に接続されてよいNANDストリングの2つ以上の部分列に対応することができる。NANDストリングは、NANDストリングのドレイン側端部におけるビット線、およびNANDストリングのソース側端部におけるソース線に接続できる。第1の部分列はビット線に直接接続でき、第2の部分列はソース線に直接接続でき、階層選択ゲートトランジスタは第1の部分列および第2の部分列両方に直接接続可能である。
【0007】
いくつかの実施形態では、メモリセルトランジスタの第1のセットとメモリセルトランジスタの第2のセットとの間に直列に配置される階層選択ゲートトランジスタは、メモリセルトランジスタの第1のセットの第1のメモリセルトランジスタのトランジスタチャネル長、およびメモリセルトランジスタの第2のセットの第2のメモリセルトランジスタのトランジスタチャネル長より長いトランジスタチャネル長を有するように製作されてよい。1つの実施形態では、メモリセルトランジスタの第1のセットにおけるトランジスタの数は、メモリセルトランジスタの第2のセットにおけるトランジスタの数と異なってよい。例えば、メモリセルトランジスタの第1のセットは全部で16のトランジスタを含んでよく、メモリセルトランジスタの第2のセットは全部で32のトランジスタまたは全部で8つのトランジスタを含んでよい。
【0008】
NANDストリングのメモリセルトランジスタの第1のセットとNANDストリングのメモリセルトランジスタの第2のセットとの間に階層選択ゲートトランジスタを使用する1つの利点は、メモリセルトランジスタの第1のセットが、プログラミング中分離可能である、および/または、プログラムディスターブを低減するために動作を消去可能であることである。1つの例では、メモリセルトランジスタの第1のセットの一端はビット線に接続可能であるが、メモリセルトランジスタの第1のセットの他端は階層選択ゲートトランジスタに接続される。この場合、階層選択ゲートトランジスタは、プログラミング中にメモリセルトランジスタの第1のセットをメモリセルトランジスタの第2のセットから電気的に分離する、および/または、メモリセルトランジスタの第1のセットに対して行われている動作を消去することができる。階層選択ゲートトランジスタは、プログラミング中にメモリセルトランジスタの第1のセットをメモリセルトランジスタの第2のセットに電気的に接続可能である、および/またはメモリセルトランジスタの第2のセットに対して行われている動作を消去することができる。階層選択ゲートトランジスタは、読み取り動作がメモリセルトランジスタの第1のセットまたはメモリセルトランジスタの第2のセットに対して行われている間、メモリセルトランジスタの第1のセットをメモリセルトランジスタの第2のセットに電気的に接続することもできる。
【0009】
いくつかの実施形態では、NANDストリングに対して両側性の部分的なブロック消去動作が行われてよい。ここで、メモリセルトランジスタの第2のセットをNANDストリングのソース側から消去するソース側消去動作はPウェルから正孔を注入し、メモリセルトランジスタの第1のセットをNANDストリングのドレイン側から消去するドレイン側消去動作はゲート誘起ドレインリーク(GIDL)を使用する。場合によっては、NANDストリングのメモリセルトランジスタの第1のセットとNANDストリングのメモリセルトランジスタの第2のセットとの間に配置される階層選択ゲートトランジスタは、ソース側消去動作および/またはドレイン側消去動作中、非導電状態に設定されてよい。
【0010】
場合によっては、NANDストリングの第1の部分はビット線に接続されてよく、NANDストリングの第2の部分はソース線に接続されてよい。分離トランジスタは、NANDストリングの第1の部分またはNANDストリングの第2の部分内のメモリセルトランジスタのプログラミングされたデータ状態に基づいて、メモリ動作(例えば、プログラミング動作または消去動作)中、NANDストリングの第1の部分をNANDストリングの第2の部分から電気的に切り離してよい。場合によっては、NANDストリングの第2の部分内のメモリセルがプログラミングされた後、NANDストリングの第1の部分内で以前にプログラミングされたメモリセルの閾値電圧分布はシフトされプログラムディスターブをもたらす場合がある。さらに、シフト量は、より小さい閾値電圧に関連付けられた状態または閾値電圧をプログラミングするために大きくなってよい。1つの例では、500mVを中心とする第1のプログラミング状態に対する閾値電圧分布は、1.2Vを中心とした第2のプログラミング状態に対する閾値電圧分布より多くシフトさせてよい。1つの実施形態では、第1の階層および第2の階層を接続する階層選択ゲートトランジスタは、第2の階層内のメモリセルがプログラミングされている場合、非導電状態に設定されてよい。別の実施形態では、第1の階層および第2の階層を接続する階層選択ゲートトランジスタは、第2の階層内のメモリセルがプログラミングされており、かつ第1の階層内のメモリセルの少なくとも閾値数が特定の閾値電圧を下回るプログラミング状態を有する(例えば、第1の階層内の少なくとも3つのメモリセルが1Vを下回る閾値電圧を有する)場合、非導電状態に設定されてよい。別の実施形態では、分離トランジスタは、特定のプログラミングされたデータ状態を格納するNANDストリングの第2の部分のメモリセルトランジスタの数がメモリセルトランジスタの特定の数より大きいことが検出される場合、メモリ動作中、NANDストリングの第1の部分をNANDストリングの第2の部分から電気的に切り離してよい。別の実施形態では、分離トランジスタは、NANDストリングの第2の部分のメモリセルトランジスタ内に格納された最も低いプログラミングされたデータ状態が特定の閾値電圧未満であることが検出される場合、メモリ動作中、NANDストリングの第1の部分をNANDストリングの第2の部分から電気的に切り離してよい。別の実施形態では、分離トランジスタは、NANDストリングの第2のメモリセルトランジスタ内に格納された最も高いプログラミングされたデータ状態が特定の閾値電圧を上回ることが検出される場合、メモリ動作中、NANDストリングの第1の部分をNANDストリングの第2の部分から電気的に切り離してよい。
【0011】
場合によっては、階層選択ゲートトランジスタは、種々のメモリストリング階層を独立的に制御するために使用されてよい。1つの例では、階層選択ゲートトランジスタは、第1のメモリストリング階層が非アクティブ状態にフローティングされるまたは設定される間、第2のメモリストリング階層をプログラミング可能としてよい。場合によっては、第1のメモリストリング階層は、第1のメモリストリング階層のメモリセル内に格納された最小のプログラミングされたデータ状態が閾値プログラミングデータ状態を上回るまたは超える(例えば、メモリセル全てが1.5Vまたは3Vを超える閾値電圧を格納する)場合、非アクティブ状態にフローティングまたは設定されてよい。別の例では、階層選択ゲートトランジスタは、第1のメモリストリング階層が非アクティブ状態にフローティングまたは設定される間、第2のメモリストリング階層を消去可能としてよい。NANDストリングによる1つの問題点は、NANDストリングのメモリセルの第1のセットをプログラミングすることによって、NANDストリングの他のメモリセル内に格納されたデータを阻害するまたは破損させる場合があることである。プログラムディスターブの影響は、NANDストリング内のメモリセルの数が増加するため増大する場合がある。よって、面積効率を助長しかつメモリのダイ面積を低減する一方でプログラムディスターブを低減または防止するために、長いストリング長(例えば、NANDストリングにおける48以上のトランジスタ)の使用を可能にする必要がある。
【0012】
1つの実施形態では、NAND構造は、共に電気的に接続可能である、または1つまたは複数の分離デバイスを介して電気的に分離可能である2つ以上の部分列を含むことができる。場合によっては、分離デバイスは、トランジスタ、フローティングゲートトランジスタ、電荷トラップトランジスタ、半導体スイッチ、または電気的に制御されるスイッチを備えてよい。1つの例では、分離デバイスは、階層選択ゲートトランジスタに対応させることができる。分離デバイスは、NAND構造内のメモリセルトランジスタのチャネル長と異なるチャネル長を有するトランジスタを含むことができる。1つの例では、分離デバイスのチャネル長は、メモリセルトランジスタのチャネル長の3倍であってよい。
【0013】
1つの実施形態では、不揮発性記憶システムは、不揮発性メモリセルの1つまたは複数の2次元アレイを含むことができる。2次元メモリアレイ内のメモリセルは、メモリセルの単層を形成でき、X方向およびY方向において制御線(例えば、ワード線およびビット線)を介して選択可能である。別の実施形態では、不揮発性記憶システムは、1つまたは複数のモノリシック3次元メモリアレイを含むことができる。ここで、メモリセルの2つ以上の層は任意の介在する基板なしで単一基板より上に形成されてよい。場合によっては、3次元メモリアレイは、基板より上におよびこれと直交する、または実質的に基板と直交する(例えば、基板と直交する法線ベクトルの2〜5度内に)位置するメモリセルの1つまたは複数の垂直カラムを含むことができる。1つの例では、不揮発性記憶システムは、垂直ビット線、または半導体基板と直交して配置されるビット線を有するメモリアレイを含むことができる。基板はシリコン基板を含んでよい。メモリアレイは、平面NAND構造、垂直NAND構造、ビットコストスケーラブル(BiCS)NAND構造、3D NAND構造、または3D ReRAM構造を含むさまざまなメモリ構造を含むことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、不揮発性記憶システムは、シリコン基板より上に配設される作用面積を有するメモリセルの1つまたは複数の物理レベルのアレイにおいてモノリシックに形成される不揮発性メモリを含むことができる。不揮発性記憶システムは、メモリセルの動作に関連付けられた回路構成(例えば、デコーダ、状態機械、ページレジスタ、または、メモリセルの読み取りおよび/またはプログラミングを制御するための制御回路構成)も含むことができる。メモリセルの動作に関連付けられた回路構成は、基板より上に位置してよい、または基板内に位置してよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、不揮発性記憶システムはモノリシック3次元メモリアレイを含むことができる。モノリシック3次元メモリアレイは、1つまたは複数のレベルのメモリセルを含んでよい。1つまたは複数のレベルのメモリセルのうちの第1のレベル内のそれぞれのメモリセルは、基板(例えば、単結晶基板または結晶シリコン基板)より上に位置する作用面積を含むことができる。1つの例では、作用面積は半導体接合部(例えば、P−N接合部)を含んでよい。作用面積はトランジスタのソースまたはドレイン領域の一部分を含んでよい。別の例では、作用面積はトランジスタのチャネル領域を含んでよい。
【0016】
図1Aは、メモリシステム101およびホスト106の1つの実施形態を示す。メモリシステム101は、ホストとインターフェース接続する不揮発性記憶システム(例えば、モバイルコンピューティングデバイスまたはサーバ)を含むことができる。場合によっては、メモリシステム101はホスト106内に埋め込まれてよい。例として、メモリシステム101は、メモリカード、ソリッドステートドライブ(SSD)、例えば、高密度MLC SSD(例えば、2ビット/セルまたは3ビット/セル)もしくは高性能SLC SSD、またはハイブリッドHDD/SSDドライブを含むことができる。図示されるように、メモリシステム101は、メモリチップコントローラ105およびメモリチップ102を含む。メモリチップ102は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリを含んでよい。単一のメモリチップが示されるが、メモリシステム101は2つ以上のメモリチップ(例えば、4つまたは8つのメモリチップ)を含んでよい。メモリチップコントローラ105は、ホスト106からデータおよびコマンドを受信し、かつメモリチップデータをホスト106に提供することができる。メモリチップコントローラ105は、1つまたは複数の状態機械、ページレジスタ、SRAM、およびメモリチップ102の動作を制御するための制御回路構成を含むことができる。1つまたは複数の状態機械、ページレジスタ、SRAM、およびメモリチップの動作を制御するための制御回路構成は、管理回路または制御回路と称される場合がある。管理回路または制御回路は、形成動作、消去動作、プログラミング動作、または読み取り動作を含む1つまたは複数のメモリアレイ動作を容易にすることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のメモリアレイ動作を容易にするための管理回路または制御回路(または管理回路または制御回路の一部分)は、メモリチップ102内で統合されてよい。メモリチップコントローラ105およびメモリチップ102は、単一集積回路上に配置可能である、または単一ダイ上に配置可能である。他の実施形態では、メモリチップコントローラ105およびメモリチップ102は、異なる集積回路上に配置されてよい。場合によっては、メモリチップコントローラ105およびメモリチップ102は、システムボード、ロジックボード、またはPCB上に統合されてよい。
【0018】
メモリチップ102は、メモリコア制御回路104およびメモリコア103を含む。メモリコア制御回路104は、メモリコア103内のメモリブロック(またはアレイ)の選択を制御する、特定のメモリアレイを読み取りまたは書き込み状態へのバイアスをかけるための電圧基準の生成を制御する、およびローアドレスおよびカラムアドレスを生成するための論理回路を含んでよい。メモリコア103は、メモリセルの1つまたは複数の2次元アレイ、またはメモリセルの1つまたは複数の3次元アレイを含むことができる。1つの実施形態では、メモリコア制御回路104およびメモリコア103は、単一集積回路上に配置されてよい。他の実施形態では、メモリコア制御回路104(またはメモリコア制御回路の一部分)およびメモリコア103は、異なる集積回路上に配置されてよい。
【0019】
図1Aを参照すると、メモリ動作は、ホスト106が、メモリシステム101からデータを読み取りたいまたはメモリシステム101にデータを書き込みたいことを指示する命令をメモリチップコントローラ105に送る時に開始されてよい。書き込み(またはプログラミング)動作時には、ホスト106はメモリチップコントローラ105に書き込みコマンドおよび書き込まれるデータの両方を送ってよい。書き込まれるデータは、メモリチップコントローラ105によってバッファリングされてよく、誤り訂正符号(ECC)データは書き込まれるデータに対応させて生成可能である。送信または格納中に生じるデータエラーを検出および/または補正できるようにするECCデータは、メモリコア103に書き込まれてよい、またはメモリチップコントローラ105内の不揮発性メモリに格納されてよい。1つの実施形態では、メモリチップコントローラ105内の回路構成によって、ECCデータは生成され、かつデータエラーは補正される。
【0020】
図1Aを参照すると、メモリチップ102の動作は、メモリチップコントローラ105によって制御可能である。1つの例では、書き込み動作をメモリチップ102に発行する前に、メモリチップコントローラ105は、確実に、メモリチップ102がデータの書き込みを承認できるように状態レジスタをチェックすることができる。別の例では、メモリチップ102への読み取り動作を発行する前に、メモリチップコントローラ105は、読み出されるデータに関連付けられたオーバーヘッド情報をあらかじめ読み取ることができる。オーバーヘッド情報は、読み出されるデータに関連付けられたECCデータ、または、リクエストされるデータを読み取るためのメモリチップ102内の新しいメモリ場所へのリダイレクトポインタを含むことができる。読み取りまたは書き込み動作がメモリチップコントローラ105によって開始されると、メモリコア制御回路104は、メモリコア103内のワード線およびビット線に対する適切なバイアス電圧を生成可能であり、かつ適切なメモリブロックアドレス、ローアドレス、およびカラムアドレスを生成可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の管理回路または制御回路は、メモリコア103内のメモリアレイの動作を制御するために使用されてよい。1つまたは複数の管理回路または制御回路は、メモリアレイ上で読み取り動作および/または書き込み動作を行うために、制御信号をメモリアレイに提供してよい。1つの例では、1つまたは複数の管理回路または制御回路は、制御回路構成、状態機械、デコーダ、センス増幅器、読み取り/書き込み回路、および/またはコントローラのうちの任意の1つまたはこれらの組み合わせを含んでよい。1つまたは複数の管理回路は、消去動作、プログラミング動作、または読み取り動作を含む1つまたは複数のメモリアレイ動作を行うまたは容易にすることができる。1つの例では、1つまたは複数の管理回路は、ローおよびカラムアドレス、ワード線およびビット線アドレス、メモリアレイイネーブル信号、およびデータラッチ信号を判断するためのオンチップメモリコントローラを含んでよい。
【0022】
図1Bは、メモリコア制御回路104の1つの実施形態を示す。図示されるように、メモリコア制御回路104は、アドレスデコーダ170、選択制御線用電圧発生器172、および非選択制御線用電圧発生器174を含む。制御線は、ワード線、ビット線、またはワード線およびビット線の組み合わせを含むことができる。選択制御線は、メモリセルを選択状態にするために使用される選択ワード線または選択ビット線を含んでよい。非選択制御線は、メモリセルを非選択状態にするために使用される非選択ワード線または非選択ビット線を含んでよい。選択制御線用電圧発生器(または電圧調整器)172は、選択制御線電圧を生成するための1つまたは複数の電圧発生器を含むことができる。非選択制御線用電圧発生器174は、非選択制御線電圧を生成するための1つまたは複数の電圧発生器を含むことができる。アドレスデコーダ170は、メモリブロックアドレス、ならびに、特定のメモリブロックのためのローアドレスおよびカラムアドレスを生成することができる。
【0023】
図1C図1Fは、複数のメモリベイを有するメモリコアを含み、それぞれのメモリベイは複数のメモリブロックを有するメモリコア編成の1つの実施形態を示す。メモリベイがメモリブロックを含み、かつメモリブロックがメモリセルのグループを含む場合のメモリコア編成が開示されているが、本明細書に説明される技術による他の編成またはグループ化も使用可能である。
【0024】
図1Cは、図1Aにおけるメモリコア103の1つの実施形態を示す。図示されるように、メモリコア103はメモリベイ330およびメモリベイ331を含む。いくつかの実施形態では、1メモリコアごとのメモリベイの数は、異なる実装形態に対して異なる可能性がある。例えば、メモリコアは、単一のメモリベイのみ、または複数のメモリベイ(例えば、16のメモリベイまたは256のメモリベイ)を含むことができる。
【0025】
図1Dは、図1Cにおけるメモリベイ330の1つの実施形態を示す。図示されるように、メモリベイ330は、メモリブロック310〜312、および読み取り/書き込み回路306を含む。いくつかの実施形態では、1メモリベイごとのメモリブロックの数は、異なる実装形態に対して異なる場合がある。例えば、メモリベイは、1つまたは複数のメモリブロック(例えば、1メモリベイ当たり32のメモリブロック)を含むことができる。読み取り/書き込み回路306は、メモリブロック310〜312内のメモリセルを読み取るおよび書き込むための回路構成を含む。図示されるように、読み取り/書き込み回路306は、メモリベイ内で複数のメモリブロックにわたって共有されてよい。これによってチップ面積を低減することができるが、これは、読み取り/書き込み回路306の単一のグループが複数のメモリブロックをサポートするために使用可能であるからである。しかしながら、いくつかの実施形態では、信号衝突を回避するために特定の時間に単一のメモリブロックが読み取り/書き込み回路306に電気的に結合されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、読み取り/書き込み回路306は、データの1つまたは複数のページをメモリブロック310〜312に(またはメモリブロックのサブセットに)書き込むために使用されてよい。メモリブロック310〜312内のメモリセルは、ページの直接的な上書きを許可してよい(すなわち、ページまたはページの一部分を表すデータは、データを書き込む前に消去またはリセット動作をメモリセル上で行う必要なくメモリブロック310〜312に書き込み可能である)。1つの例では、図1Aにおけるメモリシステム101は、ターゲットアドレスおよびターゲットアドレスに書き込まれるべきデータのセットを含む書き込みコマンドを受信してよい。メモリシステム101は、データのセットをターゲットアドレスに書き込むための書き込み動作を行う前に、ターゲットアドレスに現在格納されているデータを読み取るための書き込み前読み取り(RBW)動作を行うことができる。メモリシステム101は、次いで、特定のメモリセルがその現在の状態にとどまってよい(すなわち、メモリセルが既に正しい状態にある)か、「0」状態に設定される必要がある、または「1」状態に再設定される必要があるかどうかを判断することができる。メモリシステム101は、次いで、メモリセルの第1のサブセットを「0」状態に書き込み、その後メモリセルの第2のサブセットを「1」状態に書き込むことができる。既に正しい状態にあるメモリセルは、これをスキップ可能であることで、プログラミング速度が改善され、かつ非選択メモリセルに加えられる累積電圧ストレスが低減される。特定のメモリセルは、第1の極性の特定のメモリセルにわたる第1の電圧差(例えば、+1.5V)を与えることによって「1」状態に設定されてよい。特定のメモリセルは、第1の極性のものとは反対の第2の極性の特定のメモリセルにわたる第2の電圧差(例えば、−1.5V)を与えることによって「0」状態に再設定されてよい。
【0027】
場合によっては、読み取り/書き込み回路306は、3つ以上のデータ/抵抗状態のうちの1つになるように特定のメモリセルをプログラミングするために使用されてよい(すなわち、特定のメモリセルはマルチレベルメモリセルを含むことができる)。1つの例では、読み取り/書き込み回路306は、特定のメモリセルを3つ以上のデータ/抵抗状態のうちの第1の状態にプログラミングするために特定のメモリセルにわたる第1の電圧差(例えば、2V)を、または、特定のメモリセルを3つ以上のデータ/抵抗状態のうちの第2の状態にプログラミングするために第1の電圧差未満の特定のメモリセルにわたる第2の電圧差(例えば、1V)を加えることができる。特定のメモリセルにわたってより小さい電圧差を加えることによって、特定のメモリセルを、部分的にプログラミングする、またはより大きい電圧差を加える時より遅い速度でプログラミングすることができる。別の例では、読み取り/書き込み回路306は、特定のメモリセルを3つ以上のデータ/抵抗状態のうちの第1の状態にプログラミングするために第1の期間(例えば、150ns)で特定のメモリセルにわたる第1の電圧差を加えることができる、または、第1の期間より短い第2の期間(例えば、50ns)で特定のメモリセルにわたる第1の電圧差を加えることができる。1つまたは複数のプログラミングパルス後のメモリセル検証フェーズを使用して、特定のメモリセルを正しい状態になるようにプログラミングすることができる。
【0028】
図1Eは、図1Dにおけるメモリブロック310の1つの実施形態を示す。図示されるように、メモリブロック310は、メモリアレイ301、ローデコーダ304、およびカラムデコーダ302を含む。メモリアレイ301は、連続したワード線およびビット線を有するメモリセルの連続したグループを含んでよい。メモリアレイ301は、メモリセルの1つまたは複数の層を含んでよい。メモリアレイ310は、2次元メモリアレイまたは3次元メモリアレイを含んでよい。ローデコーダ304は、ローアドレスを復号し、かつ適切な場合(例えば、メモリアレイ301においてメモリセルを読み取るまたは書き込む時)にメモリアレイ301における特定のワード線を選択する。カラムデコーダ302は、カラムアドレスを復号し、かつ、図1Dにおける読み取り/書き込み回路306などの読み取り/書き込み回路に電気的に結合されるようにメモリアレイ301におけるビット線の特定のグループを選択する。1つの実施形態では、ワード線の数は1メモリ層当たり4Kであり、ビット線の数は1メモリ層当たり1Kであり、メモリ層の数は4であり、16Mのメモリセルを含有するメモリアレイ301を提供する。
【0029】
図1Fは、メモリベイ332の1つの実施形態を示す。メモリベイ332は、図1Dにおけるメモリベイ330に対する代替的な実装形態の1つの例である。いくつかの実施形態では、ローデコーダ、カラムデコーダ、および読み取り/書き込み回路は、メモリアレイ間で分割または共有されてよい。図示されるように、ローデコーダ349は、メモリアレイ352および354の間で共有されるが、これは、ローデコーダ349がメモリアレイ352および354両方においてワード線を制御するからである(すなわち、ローデコーダ349によって駆動されるワード線は共有される)。ローデコーダ348および349は、メモリアレイ352における偶数ワード線がローデコーダ348によって駆動され、かつメモリアレイ352における奇数ワード線がローデコーダ349によって駆動されるように分割されてよい。カラムデコーダ344および346は、メモリアレイ352における偶数ビット線がカラムデコーダ346によって制御され、かつメモリアレイ352における奇数ビット線がカラムデコーダ344によって駆動されるように分割されてよい。カラムデコーダ344によって制御される選択ビット線は、読み取り/書き込み回路340に電気的に結合されてよい。カラムデコーダ346によって制御される選択ビット線は、読み取り/書き込み回路342に電気的に結合されてよい。カラムデコーダが分割される時に読み取り/書き込み回路を読み取り/書き込み回路340および342に分割することによって、メモリベイのより効率的なレイアウトを可能にすることができる。
【0030】
1つの実施形態では、メモリアレイ352および354は、支持基板に水平である水平面で配向されるメモリ層を含んでよい。別の実施形態では、メモリアレイ352および354は、支持基板に対して垂直である垂直面で配向される(すなわち、垂直面は支持基板に垂直である)メモリ層を含んでよい。この場合、メモリアレイのビット線は垂直ビット線を含むことができる。
【0031】
図2は、第1のメモリレベル218より上に位置付けられる第2のメモリレベル220を含むモノリシック3次元メモリアレイ201の一部分の1つの実施形態を示す。メモリアレイ201は、図1Eにおけるメモリアレイ301についての実装形態の1つの例である。ビット線206および210は第1の方向に配置され、ワード線208は第1の方向に垂直の第2の方向に配置される。図示されるように、第1のメモリレベル218の上部導体は、第1のメモリレベルより上に位置付けられる第2のメモリレベル220の下部導体として使用されてよい。メモリセルの追加の層を有するメモリアレイにおいて、ビット線およびワード線の対応する追加の層があることが考えらえる。
【0032】
図2に示されるように、メモリアレイ201は複数のメモリセル200を含む。メモリセル200は再書き込み可能なメモリセルを含んでよい。メモリセル200は不揮発性メモリセルまたは揮発性メモリセルを含んでよい。第1のメモリレベル218に対して、メモリセル200の第1の部分はビット線206およびワード線208の間にあり、かつこれらに接続する。第2のメモリレベル220に対して、メモリセル200の第2の部分は、ビット線210およびワード線208の間にあり、かつこれらに接続する。1つの実施形態では、それぞれのメモリセルは、ステアリング素子(例えば、ダイオード)および記憶素子(すなわち、状態変化素子)を含む。1つの例では、第1のメモリレベル218のダイオードは、矢印Aによって指示されるように上方に向いているダイオードであってよく(例えば、ダイオードの最下部においてp領域を有する)、第2のメモリレベル220のダイオードは、矢印Aによって指示されるように下方に向いているダイオードであってよく(例えば、ダイオードの最下部においてn領域を有する)、または、その逆も同様である。別の実施形態では、それぞれのメモリセルは、状態変化素子を含み、ステアリング素子を含まない。メモリセルにダイオード(または他のステアリング素子)がないことによって、プロセスの複雑性、およびメモリアレイの製造に関連する費用が低減可能である。
【0033】
1つの実施形態では、図2のメモリセル200は、可逆的抵抗スイッチング素子を含む再書き込み可能な不揮発性メモリセルを含んでよい。可逆的抵抗スイッチング素子は、2つ以上の状態の間で可逆的にスイッチング可能である抵抗率を有する可逆的抵抗率スイッチング材料を含むことができる。1つの実施形態では、可逆的抵抗スイッチング材料は、金属酸化物(例えば、二元金属酸化物)を含むことができる。金属酸化物は酸化ニッケルまたは酸化ハフニウムを含むことができる。別の実施形態では、可逆的抵抗スイッチング材料は、相変化材料を含んでよい。相変化材料は、カルコゲニド物質を含んでよい。場合によっては、再書き込み可能な不揮発性メモリセルは、抵抗RAM(ReRAM)デバイスを含むことができる。
【0034】
図3は、第2のメモリレベル410より下に位置付けられる第1のメモリレベル412を含むモノリシック3次元メモリアレイ416の一部分の1つの実施形態を示す。メモリアレイ416は、図1Eにおけるメモリアレイ301についての実装形態の1つの例である。図示されるように、ローカルビット線LBL11〜LBL33は第1の方向(すなわち、垂直方向)に配置され、ワード線WL10〜WL23は第1の方向に垂直の第2の方向に配置される。モノリシック3次元メモリアレイにおける垂直ビット線のこの配置は、垂直ビット線メモリアレイの1つの実施形態である。図示されるように、それぞれのローカルビット線およびそれぞれのワード線の交点の間に、特定のメモリセルが配設される(例えば、メモリセルM111はローカルビット線LBL11とワード線WL10との間に配設される)。1つの例では、特定のメモリセルは、(例えば、窒化ケイ素材料を使用する)フローティングゲートデバイスまたは電荷トラップデバイスを含むことができる。別の例では、特定のメモリセルは、可逆的抵抗スイッチング材料、金属酸化物、相変化材料、またはReRAM材料を含んでよい。グローバルビット線GBL〜GBLは、第1の方向および第2の方向両方に垂直である第3の方向に配置される。ビット線選択デバイス(例えば、Q11〜Q31)のセットは、ローカルビット線(例えば、LBL11〜LBL31)のセットを選択するために使用されてよい。図示されるように、ビット線選択デバイスQ11〜Q31は、ローカルビット線LBL11〜LBL31を選択するために、かつロー選択線SGを使用してローカルビット線LBL11〜LBL31をグローバルビット線GBL〜GBLに接続するために使用される。同様に、ビット線選択デバイスQ12〜Q32は、ロー選択線SGを使用してローカルビット線LBL12〜LBL32をグローバルビット線GBL〜GBLに選択的に接続するために使用され、ビット線選択デバイスQ13〜Q33は、ロー選択線SGを使用してローカルビット線LBL13〜LBL33をグローバルビット線GBL〜GBLに選択的に接続するために使用される。
【0035】
図3を参照すると、1ローカルビット線ごとに単一のビット線選択デバイスのみが使用されるため、特定のグローバルビット線の電圧のみが対応するローカルビット線に加えられてよい。従って、ローカルビット線(例えば、LBL11〜LBL31)の第1のセットがグローバルビット線GBL〜GBLにバイアスがかけられる時、他のローカルビット線(例えば、LBL12〜LBL32およびLBL13〜LBL33)はまた、同じグローバルビット線GBL〜GBLへ動かされるか、フローティングされるかのどちらかがなされるべきである。1つの実施形態では、メモリ動作中、メモリアレイ内の全てのローカルビット線は最初に、グローバルビット線のそれぞれを1つまたは複数のローカルビット線に接続することによって非選択ビット線電圧のバイアスがかけられる。ローカルビット線が非選択ビット線電圧のバイアスがかけられた後、ローカルビット線LBL11〜LBL31の第1のセットのみがグローバルビット線GBL〜GBLを介して1つまたは複数の選択ビット線電圧のバイアスがかけられるが、他のローカルビット線(例えば、LBL12〜LBL32およびLBL13〜LBL33)はフローティングされる。1つまたは複数の選択ビット線電圧は、例えば、読み取り動作中の1つまたは複数の読み取り電圧、またはプログラミング動作中の1つまたは複数のプログラミング電圧に対応させてよい。
【0036】
1つの実施形態では、メモリアレイ416などの垂直ビット線メモリアレイは、垂直ビット線に沿ったメモリセルの数と比較して、ワード線に沿ったメモリセルをより多くの数含む(例えば、ワード線に沿ったメモリセルの数はビット線に沿ったメモリセルの数の10倍以上になってよい)。1つの例では、それぞれのビット線に沿ったメモリセルの数は16または32であってよく、それぞれのワード線に沿ったメモリセルの数は2048または4096以上であってよい。
【0037】
図4は、不揮発性メモリ材料の縦縞を含むモノリシック3次元メモリアレイの一部分の1つの実施形態を示す。図4に示される物理構造は、図3に示されるモノリシック3次元メモリアレイの一部分についての1つの実装形態を含むことができる。不揮発性メモリ材料の縦縞は、基板に垂直である方向に(例えば、Z方向に)形成されてよい。不揮発性メモリ材料414の縦縞は、例えば、垂直酸化物層、垂直金属酸化物層(例えば、酸化ニッケルまたは酸化ハフニウム)、相変化材料の垂直層、または垂直電荷トラップ層(例えば、窒化ケイ素の層)を含んでよい。材料の縦縞は、複数のメモリセルまたはデバイスによって使用可能である材料の単一の連続した層を含むことができる。1つの例では、不揮発性メモリ材料414の縦縞の一部分は、WL12〜LBL13の断面に関連付けられた第1のメモリセルの一部、および、WL22〜LBL13の断面に関連付けられた第2のメモリセルの一部を含むことができる。場合によっては、LBL13などの垂直ビット線は垂直構造(例えば、直角プリズム、円筒、またはピラー)を含むことができ、不揮発性材料は完全にまたは部分的に垂直構造(例えば、垂直構造の側部を取り囲む相変化材料のコンフォーマル層)を取り囲むことができる。図示されるように、垂直ビット線のそれぞれは、選択トランジスタを介してグローバルビット線のセットのうちの1つに接続されてよい。選択トランジスタは、MOSデバイス(例えば、NMOSデバイス)または垂直薄層トランジスタ(TFT)を含んでよい。
【0038】
図5は、図4に示される垂直に配向された選択デバイスを使用するメモリ構造の断面図を示す。図5のメモリ構造は、記憶素子の連続したメッシュアレイを含んでよいが、これは、ビット線の両側に接続される記憶素子、および、ワード線の両側に接続される記憶素子があるからである。図5の最下部において、シリコン基板が示されている。シリコン基板の表面より上に、ML−0、ML−1、およびML−2を含むさまざまな金属線がある。ML−2の線526は対応するグローバルビット線(GBL)としての役割を果たす。ピラー選択層は、2つの酸化物層520を含み、これらの間にゲート材料層522が挟まれている。酸化物層520はSiOとすることができる。グローバルビット線としての役割を果たす金属線ML−2 526は、タングステン、または、窒化チタン接着層、または窒化チタン接着層上のタングステン上のn+ポリシリコンの積層構造上のタングステンを含む、任意の適した材料から実現可能である。ゲート材料522は、ポリシリコン、窒化チタン、窒化タンタル、ニッケルシリサイド、または任意の他の適した材料とすることができる。ゲート材料522は、図5においてロー選択線580、582、584、586、588、および590として標示される、ロー選択線SG(例えば、図4のSG、SG、…)を実現する。
【0039】
メモリ層は(N+ポリシリコンを含む)垂直ビット線530のセットを含む。垂直ビット線530の間に、酸化物層534およびワード線層536を交互に点在させる。1つの実施形態では、ワード線はTiNから作られる。垂直ビット線530、および交互にした酸化物層536およびワード線層536の積層の間に、可逆的抵抗スイッチング材料532の垂直に配向された層がある。1つの実施形態では、可逆的抵抗スイッチング材料は酸化ハフニウムHfOから作られる。別の実施形態では、可逆的抵抗スイッチング材料532は、アモルファスシリコンの層(例えば、Sバリア層)、および酸化チタンの層(例えば、TiO2スイッチング層)を含むことができる。ボックス540は、ワード線536と垂直ビット線530との間に挟まれた可逆的抵抗スイッチング材料532を含む1つの例示の記憶素子を示す。それぞれの垂直ビット線530の真下には、垂直に配向された選択デバイス504があり、このそれぞれは(1つの例示の実施形態では)n+/p−/n+ TFTを含む。垂直に配向された選択デバイス504のそれぞれは、それぞれの側に酸化物層505を有する。図5はまた、n+ポリシリコン層524を示す。図示されるように、垂直に配向された選択デバイス504のnpn TFTは、グローバルビット線GBL(層526)を垂直ビット線530のいずれかと接続するために使用可能である。
【0040】
さらに、図5は、ゲート材料層522における6つのロー選択線(SG)580、582、584、586、588、および590を示し、それぞれは、複数のワード線の積層の下にある。ロー選択線580、582、584、586、588、および590のそれぞれは、基板内ではなく基板より上に、2つの垂直に配向された選択デバイス504の間に位置付けられる。それぞれのロー選択線は2つの隣り合う垂直に配向された選択デバイス504のどちらかに対するゲート信号としての役割を果たすことができるため、垂直に配向された選択デバイス504は二重ゲート制御されると言われる。それぞれの垂直に配向された選択デバイス504はこの実施形態では2つの異なるロー選択線によって制御可能である。それぞれのビット線ピラーのベース部分に組み込まれる垂直に配向された選択デバイスの1つの態様は、2つの隣接する垂直に配向された選択デバイスが同じゲート領域を共有することである。これによって、垂直に配向された選択デバイスを互いに近くにすることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、メモリアレイの一部分は、複数のメモリホールを形成するためにワード線層および誘電体層を交互に積層することによる第1のエッチング(例えば、酸化物層によって分離されるTiNまたはポリシリコンの層によるエッチング)によって形成されてよい。複数のメモリホールは、矩形、正方形、または円筒形のホールを含んでよい。複数のメモリホールは、パターン化した後、ドライエッチング、湿式化学エッチング、プラズマエッチング、または反応性イオンエッチング(RIE)などのさまざまなエッチング技法を使用して材料を除去することによって、形成されてよい。複数のメモリホールが作成された後、複数のメモリホール内に垂直ピラーを形成するための層が堆積されてよい。垂直ピラーの層は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、または原子層堆積(ALD)などのさまざまな堆積技法を使用して堆積させてよい。
【0042】
図6Aは、NANDストリング90の1つの実施形態を示す。図6Bは、対応する回路図を使用して図6AのNANDストリングの1つの実施形態を示す。図示されるように、NANDストリング90は、第1の選択ゲート470(すなわち、ドレイン側選択ゲート)と第2の選択ゲート471(すなわち、ソース側選択ゲート)との間に直列の4つのトランジスタ472〜475を含む。選択ゲート470は、NANDストリング90をビット線426に接続し、かつ適切な電圧を選択線SGDに加えることによって制御される。この場合、ビット線426は、NANDストリングのドレイン側端部に直接接続される。選択ゲート471はNANDストリング90をソース線428に接続し、かつ適切な電圧を選択線SGSに加えることによって制御される。この場合、ソース線428は、NANDストリング90のソース側端部に直接接続される。トランジスタ472〜475のゲートは、ワード線WL3、WL2、WL1、およびWL0にそれぞれ接続される。
【0043】
図6A図6BがNANDストリングにおけるフローティングゲートを示し、4つのフローティングゲートトランジスタの使用が例としてのみ提供されていることに留意されたい。NANDストリングは、4つ未満またはそれ以上のフローティングゲートトランジスタ(またはメモリセル)を有することができる。例えば、いくつかのNANDストリングは、16のメモリセル、32のメモリセル、64のメモリセル、128のメモリセルなどを含んでよい。本明細書に論述されていることは、NANDストリングにおけるいずれの特定の数のメモリセルにも限定されない。1つの実施形態は、66のメモリセルを有するNANDストリングを使用し、この場合、64のメモリセルはデータを格納するために使用され、メモリセルのうちの2つはダミーメモリセルと称されるが、これはそれらがデータを格納しないからである。
【0044】
NANDフラッシュメモリ構造を使用するフラッシュメモリシステムのための典型的なアーキテクチャは、メモリブロック内の複数のNANDストリングを含む。メモリブロックは消去の単位を含む。場合によっては、メモリブロック内のNANDストリングは共通のウェル(例えば、pウェル)を共有してよい。それぞれのNANDストリングは、そのソース側選択ゲートによって共通のソース線に接続され(例えば、選択線SGSによって制御され)、かつそのドレイン側選択ゲートによってその関連のビット線に接続される(選択線SGSによって制御される)。典型的には、それぞれのビット線は、ワード線に垂直の方向においてその関連のNANDストリングの最上部に(またはこれの真上に)及び、かつセンス増幅器に接続される。
【0045】
いくつかの実施形態では、プログラミング動作中、プログラミングされない記憶素子(例えば、ターゲットデータ状態へのプログラミングを以前に完了している記憶素子)は、関連のチャネル領域をブーストする(例えば、ワード線結合によってチャネル領域をセルフブーストする)ことによってプログラミングが抑止またはロックアウトされるようにすることができる。非選択記憶素子(または非選択NANDストリング)は、プログラミング動作の所与のプログラミング反復中にプログラミングが抑止またはロックアウトされるため、抑止またはロックアウト記憶素子(または抑止NANDストリング)と称される場合がある。
【0046】
図6Cは、複数のNANDストリングを含むメモリブロックの1つの実施形態を示す。図示されるように、それぞれのNANDストリングは(Y+1)メモリセルを含む。それぞれのNANDストリングは、ドレイン側選択信号SGDによって制御されるドレイン側選択ゲートを介してドレイン側の(X+1)ビット線の中の1つのビット線(すなわち、ビット線BL0〜BLXのうちの1つのビット線)に接続される。それぞれのNANDストリングは、ソース側選択信号SGSによって制御されるソース側選択ゲートを介してソース線(ソース)に接続される。1つの実施形態では、ソース側選択信号SGSによって制御されるソース側選択ゲート、および、ドレイン側選択信号SGDによって制御されるドレイン側選択ゲートは、フローティングゲートのないトランジスタ、またはフローティングゲート構造を含むトランジスタを含んでよい。
【0047】
1つの実施形態では、プログラミング動作中、NANDフラッシュメモリセルなどのメモリセルをプログラミングする時、プログラム電圧はメモリセルの制御ゲートに加えられてよく、対応するビット線は接地されてよい。これらのプログラミングバイアス条件は、電界支援電子トンネリングによってフローティングゲートに電子を注入させることができ、それによって、メモリセルの閾値電圧を上昇させる。プログラム動作中に制御ゲートに加えられるプログラム電圧は、一連のパルスで加えられてよい。場合によっては、プログラミングパルスの大きさは、所定の刻み幅によってそれぞれの連続パルスによって増大する場合がある。プログラミングパルスの間に、1つまたは複数の検証動作が行われてよい。プログラミング動作中、意図されるプログラミング状態に達したメモリセルは、プログラム抑止されたメモリセルのチャネル領域をブーストすることによってプログラミングがロックアウトおよび抑止されてよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、検証動作および/または読み取り動作中、選択ワード線はある電圧に接続されて(またはバイアスがかけられて)よく、このレベルは、特定のメモリセルの閾値電圧がかかるレベルに達したかどうかを判断するために、それぞれの読み取りおよび検証動作に対して指定される。ワード線電圧を加えた後、メモリセルの伝導電流は、メモリセルがワード線に加えられた電圧に応答して十分な量の電流を伝導したかどうかを判断するために測定(または検知)されてよい。ある特定の値より大きい伝導電流が測定される場合、メモリセルがオンにされ、かつワード線に加えられた電圧がメモリセルの閾値電圧より大きいと想定される。ある特定の値より大きい伝導電流が測定されない場合、メモリセルがオンされず、かつワード線に加えられた電圧がメモリセルの閾値電圧より大きくないと想定される。
【0049】
読み取りまたは検証動作中にメモリセルの伝導電流を測定するためのいくつかのやり方がある。1つの例では、メモリセルの伝導電流は、センス増幅器において専用のコンデンサを放電させるまたは充電する速度によって測定されてよい。別の例では、選択メモリセルの伝導電流は、メモリセルを含んだNANDストリングが対応するビット線に対する電圧を放電することを可能にする(または可能にしない)。ビット線の電圧(または、センス増幅器における専用コンデンサにわたる電圧)は、ビット線が特定の量によって放電されたか否かを判断する期間後に測定されてよい。
【0050】
場合によっては、読み取り動作または検知動作中、ソース側選択信号SGSは、ソース線(ソース)に加えられた電圧を、ゲートが、WL0、またはソース側選択ゲートに最も近いワード線に接続されているフローティングゲートトランジスタのソース接合部に渡すために特定の電圧(例えば、7Vまたは10V)に設定されてよい。
【0051】
図6Dは、1セル当たり3ビットのメモリセル(すなわち、メモリセルは3ビットのデータを格納することができる)に対する可能な閾値電圧分布(またはデータ状態)の1つの実施形態を示す。しかしながら、他の実施形態は、1メモリセルごとに3つ以上または未満のビットのデータ(例えば、1メモリセルごとに4つ以上のビットのデータなど)を使用することができる。(検証とともに)プログラミングプロセスがうまく行われた後、メモリページまたはメモリブロック内のメモリセルの閾値電圧は、適宜、プログラミングされたメモリセルに対する1つまたは複数の閾値電圧分布内、または消去されたメモリセルに対する閾値電圧の分布内にあるものとする。
【0052】
図示されるように、それぞれのメモリセルは、3ビットのデータを格納できるため、8つの有効データ状態S0〜S7がある。1つの実施形態では、データ状態S0は0ボルトを下回り、データ状態S1〜S7は0ボルトを上回る。他の実施形態では、8つのデータ状態全ては0ボルトを上回る、または他の配置構成が実現可能である。1つの実施形態では、閾値電圧分布S0は分布S1〜S7より広い。
【0053】
それぞれのデータ状態S0〜S7は、メモリセルに格納される3ビットに対する一意の値に対応する。1つの実施形態では、S0=111、S1=110、S2=101、S3=100、S4=011、S5=010、S6=001、およびS7=000である。状態S0〜S7へのデータの他のマッピングも使用可能である。1つの実施形態では、メモリセルに格納されるデータのビットの全ては、同じ論理ページに格納される。他の実施形態では、メモリセルに格納されるデータのそれぞれのビットは、種々のページに対応する。よって、3ビットのデータを格納するメモリセルは、第1のページ、第2のページ、および第3のページにおけるデータを含むことになる。いくつかの実施形態では、同じワード線に接続されるメモリセルの全ては、データの同じ3ページにデータを格納することになる。いくつかの実施形態では、ワード線に接続されるメモリセルは、(例えば、奇数および偶数のビット線の単位で)ページの異なるセットにグループ化可能である。
【0054】
いくつかの例示の実装形態では、メモリセルは状態S0まで消去されることになる。状態S0から、メモリセルは状態S1〜S7のいずれかまでプログラミング可能である。パルスのセットを加えて、メモリセルの制御ゲートまでの大きさを上昇させることによって、プログラミングが行われてよい。パルスの間に、プログラミングされているメモリセルがそのターゲット閾値電圧に達したかどうかを(例えば、検証レベルVv1、Vv2、Vv3、Vv4、Vv5、Vv6,およびVv7を使用して)判断するための検証動作のセットが行われてよい。状態S1までプログラミングされているメモリセルは、これらの閾値電圧がVv1に達したかどうかを見るためにテストされることになる。状態S2までプログラミングされているメモリセルは、それらの閾値電圧がVv2に達したかどうかを見るためにテストされることになる。状態S3までプログラミングされているメモリセルは、それらの閾値電圧がVv3に達したかどうかを見るためにテストされることになる。状態S4までプログラミングされているメモリセルは、それらの閾値電圧がVv4に達したかどうかを見るためにテストされることになる。状態S5までプログラミングされているメモリセルは、それらの閾値電圧がVv5に達したかどうかを見るためにテストされることになる。状態S6までプログラミングされているメモリセルは、それらの閾値電圧がVv6に達したかどうかを見るためにテストされることになる。状態S7までプログラミングされているメモリセルは、それらの閾値電圧がVv7に達したかどうかを見るためにテストされることになる。
【0055】
3ビットのデータを格納するメモリセルを読み取るとき、メモリセルがどの状態にあるのかを判断するために、読み取り比較点Vr1、Vr2、Vr3、Vr4、Vr5、Vr6、およびVr7において読み取りを複数回行うことになる。メモリセルがVr1に応答してオンになる場合、該メモリセルは状態S0にある。メモリセルがVr2に応答してオンになるが、Vr1に応答してオンにならない場合、該メモリセルは状態S1にある。メモリセルがVr3に応答してオンになるが、Vr2に応答してオンにならない場合、該メモリセルは状態S2にある。メモリセルがVr4に応答してオンになるが、Vr3に応答してオンにならない場合、該メモリセルは状態S3にある。メモリセルがVr5に応答してオンになるが、Vr4に応答してオンにならない場合、該メモリセルは状態S4にある。メモリセルがVr6に応答してオンになるが、Vr5に応答してオンにならない場合、該メモリセルは状態S5にある。メモリセルがVr7に応答してオンになるが、Vr6に応答してオンにならない場合、該メモリセルは状態S6にある。メモリセルがVr7に応答してオンにならない場合、該メモリセルは状態S7にある。
【0056】
図7Aは、4つのNANDストリング705〜708の1つの実施形態を示す。NANDストリングのそれぞれは、(例えば、メモリセルトランジスタ704の第1の階層に対応する)NANDストリングの第1の部分、(例えば、メモリセルトランジスタ702の第2の階層に対応する)NANDストリングの第2の部分、および、NANDストリングの第1の部分とNANDストリングの第2の部分との間に配置される階層選択ゲートトランジスタ703を含む。NANDストリングの第1の部分はワード線WL0〜WL47に対応するメモリセルトランジスタ、ダミーワード線DWL0に接続され、かつ、階層選択ゲートトランジスタ703と、ワード線WL47に接続されるメモリセルトランジスタとの間に配置されるメモリセルトランジスタ、および、ダミーワード線WLDS1およびWLDS0に接続され、かつ、ワード線WL0に接続されるメモリセルトランジスタとSGSに接続されるソース側選択ゲートとの間に配置されるメモリセルトランジスタを含む。
【0057】
1つの実施形態では、第1の階層704内のメモリセルに対するプログラミング動作中、第1の階層704内のメモリセルがプログラミングされている間、階層選択ゲートトランジスタ703は伝導状態にしてよい。第2の階層702内のメモリセルに対する後続のプログラミング動作中、第2の階層702内のメモリセル701がプログラミングされている間、階層選択ゲートトランジスタ703は非伝導状態にしてよい。この場合、第1の階層704内のメモリセル下のチャネルは、フローティングされてよい。階層選択ゲートトランジスタ703は、NMOSトランジスタのチャネルとNMOSトランジスタのゲートとの間に電荷トラップ層がないNMOSトランジスタを含むことができる。別の実施形態では、第2の階層702内のメモリセルに対する消去動作中、第2の階層702内のメモリセルが消去されている間、階層選択ゲートトランジスタ703は非伝導状態にしてよい。
【0058】
図7Bは、(4つのNANDストリングを含む第1のグループ775、および4つのNANDストリングを含む第2のグループ776を含む)メモリストリングの4つのグループを含むNAND構造の1つの実施形態を示す。それぞれのメモリストリングは、メモリ動作(例えば、消去動作またはプログラミング動作)中、(例えば、下部階層ワード線WL00〜WL47に対応する)メモリストリング内のメモリセルトランジスタの第1のセットを、(例えば、上部階層ワード線WL48〜WL95に対応する)メモリストリング内のメモリセルトランジスタの第2のセットから電気的に分離するために使用可能である階層選択ゲートトランジスタ(またはメモリホール接合トランジスタ)を含む。階層選択ゲートトランジスタ773は、フローティングゲートトランジスタまたは電荷トラップトランジスタなどのプログラム可能トランジスタ、または、NMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタなどのプログラム不可能トランジスタを含んでよい。階層選択ゲートトランジスタが伝導状態に設定される時、NANDストリングのドレイン側に接続されるビット線は、下部階層のメモリセルトランジスタ下に形成されるチャネルに電気的に接続されてよい。メモリストリングの4つのグループ内のそれぞれのメモリストリングは、異なるビット線に接続されてよい。
【0059】
図7Cは、階層選択ゲートトランジスタを含むNANDストリングの1つの実施形態を示す。図示されるように、階層選択ゲートトランジスタは、メモリホール(MH)接合トランジスタ(MJT)を含むことができる。MJTは、(例えば、ワード線WL47およびWL48に対応して)NAND構造内のメモリセルトランジスタのものより大きい、ゲート長Lg722およびチャネル長を有するNMOSトランジスタを含んでよい。MJTは、第2の階層のトランジスタをプログラミングしている間、第1の階層のトランジスタを分離するために使用されてよい。メモリホールが形成可能であり、このメモリホールにおいて、垂直NANDストリングが製作される。垂直NANDストリングは、二酸化ケイ素の層(コアSiO2 728)を含むことができる。二酸化ケイ素の層(コアSiO2 728)はポリシリコンの層(ポリチャネル727)によって取り囲まれ、ポリシリコンの層(ポリチャネル727)はトンネリング層TNL726によって取り囲まれ、トンネリング層TNL726は電荷トラップ層CTL725(例えば、窒化ケイ素)によって取り囲まれ、電荷トラップ層CTL725はブロッキング酸化物Blk Ox724によって取り囲まれる。この場合、階層選択ゲートトランジスタのゲートは、バリアメタル733を有する金属ゲート732またはポリシリコンゲートを含むことができ、階層選択ゲートトランジスタのチャネル長Lgは、(例えば、ワード線WL47およびワード線WL48に対応して)メモリセルトランジスタのチャネル長より長くてよい。階層選択ゲートトランジスタはプログラム可能デバイスまたはプログラム可能分離デバイスを含んでよい。1つの例では、階層選択ゲートトランジスタのチャネル長Lgは、50nmまたは150nmであってよい。より長いチャネル長を使用する1つの利点は、短チャネル効果が低減可能であることである。さらに、NANDストリング内の、階層選択ゲートトランジスタと他のトランジスタとの間の間隔は、ゲート誘起ドレインリーク(GIDL)を低減するために増大させることができる。例えば、階層選択ゲートトランジスタと隣接するトランジスタとの間の間隔は200nmであってよいが、NANDストリング内の他の隣接するメモリセルトランジスタ間の間隔は50nmまたは100nmとすることができる。
【0060】
図7Dは、階層選択ゲートトランジスタを含むNAND構造の代替的な実施形態を示す。図示されるように、メモリホールはエッチング可能であり、その後、垂直NANDストリングはメモリホールにおいて製作されてよい。垂直NANDストリングは、二酸化ケイ素の層(コアSiO2 728)を含むことができる。二酸化ケイ素の層(コアSiO2 728)はポリシリコンの層(ポリチャネル727)によって取り囲まれ、ポリシリコンの層(ポリチャネル727)はトンネリング層TNL726によって取り囲まれる。しかしながら、この場合、電荷トラップ層は垂直NANDストリング全体に広がらず、階層選択ゲートトランジスタのチャネルと階層選択トランジスタのゲートとの間に配置されない。例えば、階層選択ゲートトランジスタは階層選択ゲートトランジスタのゲートとポリチャネル727との間に電荷トラップ層(例えば、窒化ケイ素の層)を含まない。階層選択ゲートトランジスタの領域741内に電荷トラップ層がないことによって、階層選択ゲートトランジスタのトランジスタ閾値電圧がプログラミング不可能になる場合がある。よって、階層選択ゲートトランジスタはプログラミング不可能トランジスタを含んでよい。
【0061】
階層選択ゲートトランジスタのゲートは、(図示されるような)金属ゲートまたはポリシリコンゲートを含むことができ、階層選択ゲートトランジスタのチャネル長Lgは(例えば、ワード線WL47およびワード線WL48に対応して)メモリセルトランジスタのチャネル長より長くてよい。1つの例では、階層選択ゲートトランジスタのチャネル長Lgは30nm〜150nmであってよい。より長いチャネル長を使用する1つの利点は、短チャネル効果が低減可能であることである。さらに、NANDストリング内の、階層選択ゲートトランジスタと他のトランジスタとの間の間隔は、階層選択ゲートトランジスタとその隣り合うまたは隣接するトランジスタとの間のゲート誘起ドレインリーク(GIDL)を低減するために設定または増大可能である。
【0062】
図7Eは、2つの階層選択ゲートトランジスタMJT1およびMJT2を含むNAND構造の一部分の1つの実施形態を示す。図示されるように、NAND構造の一部分は3つの階層751〜753を含む。MJT1によって駆動される第1の階層選択ゲートトランジスタは、第1の階層751(またはメモリセルトランジスタの第1の部分列)と、第2の階層752(またはメモリセルトランジスタの第2の部分列)との間に配置される。MJT2によって駆動される第2の階層選択ゲートトランジスタは、第2の階層752と第3の階層753(またはメモリセルトランジスタの第3の部分列)との間に配置される。3つの階層のみが示されているが、3つ以上の階層は、さらなる階層選択ゲートトランジスタをNAND構造に追加することによって作成可能である。
【0063】
図7Fは、1つまたは複数の階層選択ゲートトランジスタを含むNAND構造のワード線に適用されるバイアス条件の1つの実施形態を示す。図示されるように、ワード線WL0に関連付けられた第1の階層内のメモリセルをプログラミング781するとき、VPGM(例えば、15V)がWL0に加えられる一方、階層選択ゲートトランジスタは、伝導状態(例えば、7VのVSG_M)に設定され、かつパス電圧は非選択ワード線WL1からWL95まで加えられる。ワード線WL48に関連付けられた第2の階層内のメモリセルをプログラミング782するとき、VPGMがWL48に加えられる一方、階層選択ゲートトランジスタは、非伝導状態に設定され(例えば、階層選択ゲートトランジスタのゲートは0Vに駆動される)、かつパス電圧は第2の階層内の非選択ワード線WL49からWL95まで加えられる。この場合、第1の階層内のトランジスタは、第2の階層内のトランジスタから電気的に切り離されてよく、第1の階層内のメモリセルトランジスタはフローティングされてよい。
【0064】
図8は、1つまたは複数の階層選択ゲートトランジスタを含むNAND構造を使用してメモリ動作を行うためのプロセスの1つの実施形態を描写するフローチャートである。1つの実施形態では、図8のプロセスは、図1Aに示されるメモリシステム101などのメモリシステムによって行われてよい。
【0065】
ステップ802において、NANDストリングの第1の部分とNANDストリングの第2の部分との間に配置される分離トランジスタ(または他のタイプの分離デバイス)は、伝導状態に設定される。NANDストリングの第1の部分はビット線に接続されてよい。NANDストリングの第2の部分はソース線に接続されてよい。分離トランジスタはNANDストリングの第2の部分の第2のトランジスタの第2のチャネル長と異なる第1のチャネル長を含んでよい。1つの例では、第1のチャネル長は第2のチャネル長より長くてよい。分離トランジスタはNANDストリングの第2の部分の第2のトランジスタの第2のゲート長と異なる第1のゲート長を含んでよい。1つの例では、第1のゲート長は第2のゲート長より長くてよい。ステップ804では、第1のメモリ動作がNANDストリングを使用して行われる間、分離トランジスタは伝導状態に設定される。ステップ806では、分離トランジスタは非伝導状態に設定される。ステップ808では、第2のメモリ動作がNANDストリングを使用して行われる間、分離トランジスタは非伝導状態に設定される。第1のメモリ動作は読み取り動作を含んでよく、第2のメモリ動作は、消去動作またはプログラミング動作を含んでよい。
【0066】
開示される技術の1つの実施形態は、ビット線に接続されるNANDストリングの第1の部分、ソース線に接続されるNANDストリングの第2の部分、および、メモリ動作中にNANDストリングの第1の部分をNANDストリングの第2の部分から電気的に切り離すように構成される分離トランジスタを含む。分離トランジスタは第1のチャネル長を含み、NANDストリングの第1の部分は、第1のチャネル長と異なる第2のチャネル長を有する第2のトランジスタを含む。
【0067】
開示される技術の1つの実施形態は、NANDストリングに関連付けられたメモリセルトランジスタの第1のセット、NANDストリングに関連付けられたメモリセルトランジスタの第2のセット、および、メモリセルトランジスタの第1のセットとメモリセルトランジスタの第2のセットとの間に配置される分離デバイス(例えば、NMOSトランジスタ)を含む。分離デバイスは、メモリ動作中、メモリセルトランジスタの第1のセットをメモリセルトランジスタの第2のセットから電気的に分離するように構成される。1つの実施形態では、分離デバイスは第1のチャネル長を有する第1のトランジスタを含み、メモリセルトランジスタの第1のセットは第1のチャネル長より短い第2のチャネル長を有する第2のトランジスタを含む。
【0068】
開示される技術の1つの実施形態は、NANDストリングのメモリセルトランジスタの第1のセットと、NANDストリングのメモリセルトランジスタの第2のセットとの間に配置される階層選択ゲートトランジスタを、メモリ動作中非伝導状態に設定することと、メモリ動作中、選択ワード線電圧をメモリセルトランジスタの第2のセットの第2のメモリセルトランジスタに加えることとを含む。階層選択ゲートトランジスタはプログラム不可能トランジスタを含む。階層選択ゲートトランジスタは第1のチャネル長を含み、メモリセルトランジスタの第1のセットは、第1のチャネル長より短い第2のチャネル長の第2のトランジスタを含む。
【0069】
本書の目的で、第1の層と第2の層との間にある介在層がゼロ、1つ、またはそれ以上である場合、第1の層は第2の層の真上にまたはこれより上にあってよい。
【0070】
本書の目的で、図に示されるさまざまな特徴の寸法は必ずしも正確な縮尺率ではない場合があることは留意されるべきである。
【0071】
本書の目的で、本明細書において、「一実施形態」、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、または「別の実施形態」に言及することは、異なる実施形態を説明するために使用されてよく、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。
【0072】
本書の目的で、接続は、直接接続、または(例えば、別の一部を介した)間接接続であってよい。場合によっては、ある素子が別の素子に接続または結合されると称される時、当該素子は、他の素子に直接接続される、または介在する素子を介して他の素子に間接的に接続される場合がある。ある素子が別の素子に直接接続されると称される時、当該素子と他の素子との間に介在する素子はない。
【0073】
本書の目的で、「〜に基づいて」という用語は、「〜に少なくとも部分的に基づいて」と読み取られる場合がある。
【0074】
本書の目的で、追加の文脈なく、「第1の」物体、「第2の」物体、および「第3の」物体などの数に関する用語は、物体の順序付けを暗示しない場合があり、その代わりに、種々の物体を特定するための識別の目的で使用される場合がある。
【0075】
本書の目的で、物体の「セット」という用語は、物体の1つまたは複数の「セット」に言及する場合がある。
【0076】
構造的特徴および/または方法論的作用に特有の言語で主題が説明されているが、添付の特許請求の範囲に定められる主題が上述される特有の特徴または作用に必ずしも限定されるわけではないことは理解されたい。もっと正確に言えば、上述される特有の特徴および作用は特許請求の範囲を実現する例示の形態として開示されている。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
ビット線に接続されるNANDストリングの第1の部分702と、
ソース線に接続される前記NANDストリングの第2の部分704と、
メモリ動作中、前記NANDストリングの前記第1の部分を前記NANDストリングの前記第2の部分から電気的に切り離すように構成される分離トランジスタ703であって、前記分離トランジスタは第1のチャネル長を含み、前記NANDストリングの前記第1の部分は前記第1のチャネル長と異なる第2のチャネル長を有する第2のトランジスタを含む、分離トランジスタと、を備える、装置。
(項目2)
前記NANDストリングの前記第2の部分のメモリセルトランジスタ内に格納されたプログラミングされたデータ状態を検出し、かつ、前記分離トランジスタに、前記プログラミングされたデータ状態に基づいて、前記メモリ動作中、前記NANDストリングの前記第1の部分を前記NANDストリングの前記第2の部分から電気的に切り離させるように構成される制御回路をさらに含み、前記第2のチャネル長は前記第1のチャネル長より短い、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記NANDストリングの前記第2の部分のメモリセルトランジスタ内に格納されたプログラミングされたデータ状態が特定の閾値電圧より大きいことを検出し、かつ、前記プログラミングされたデータ状態が前記特定の閾値電圧より大きいことを検出するのに応答して、前記メモリ動作中、前記分離トランジスタに、前記NANDストリングの前記第1の部分を前記NANDストリングの前記第2の部分から電気的に切り離させるように構成される制御回路をさらに含む、項目1に記載の装置。
(項目4)
前記第2のトランジスタはプログラム可能トランジスタを含み、前記分離トランジスタはプログラム不可能トランジスタを含む、項目1に記載の装置。
(項目5)
前記NANDストリングの前記第1の部分は第1のストリング長を有し、前記NANDストリングの前記第2の部分は前記第1のストリング長と異なる第2のストリング長を有する、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記第1のストリング長は前記第2のストリング長より短い、項目5に記載の装置。
(項目7)
前記メモリ動作は消去動作を含む、項目1に記載の装置。
(項目8)
ゲート誘起ドレインリーク電流は、前記消去動作中、前記NANDストリングの前記第1の部分のチャネル内で生じる、項目7に記載の装置
(項目9)
前記メモリ動作はプログラミング動作を含む、項目1に記載の装置。
(項目10)
前記NANDストリングの前記第1の部分は前記NANDストリングの前記第2の部分より上に配置される、項目1に記載の装置。
(項目11)
前記NANDストリングの前記第2の部分は前記メモリ動作中フローティングされる、項目1に記載の装置。
(項目12)
前記NANDストリングの第3の部分と、前記メモリ動作中、前記NANDストリングの前記第3の部分を前記NANDストリングの前記第1の部分に電気的に接続するように構成される第2の分離トランジスタと、をさらに含む、項目1に記載の装置。
(項目13)
前記NANDストリングの前記第2の部分は、前記第1のチャネル長より短い第3のチャネル長を有する第3のトランジスタを含む、項目1に記載の装置。
(項目14)
NANDストリングのメモリセルトランジスタの第1のセットと、前記NANDストリングのメモリセルトランジスタの第2のセットとの間に配置される階層選択ゲートトランジスタを、メモリ動作中非伝導状態に設定すること802と、
前記メモリ動作中、選択ワード線電圧を前記メモリセルトランジスタの第2のセットの第2のメモリセルトランジスタに加えること804と、を含む方法であって、前記階層選択ゲートトランジスタはプログラム不可能トランジスタを含み、前記階層選択ゲートトランジスタは第1のチャネル長を含み、前記メモリセルトランジスタの第1のセットは、前記第1のチャネル長より短い第2のチャネル長の第2のトランジスタを含む、方法。
(項目15)
前記メモリ動作はプログラミング動作を含む、項目14に記載の方法。
【要約】
NANDストリングの異なる部分の間に1つまたは複数の階層選択ゲートトランジスタを利用することによって不揮発性メモリの性能を改善するためのシステムおよび方法が記載される。第1のメモリストリング階層は、データの第1のセットを格納するようにプログラミング可能であるメモリセルトランジスタの第1のセットを含むことができ、第2のメモリストリング階層は、トランジスタの第1のセットより上に配置され、かつデータの第2のセットを格納するようにプログラミング可能であるメモリセルトランジスタの第2にセットを含むことができる。メモリセルトランジスタの第1のセットとメモリセルトランジスタの第2のセットとの間に、メモリセルトランジスタの第1のセットおよびメモリセルトランジスタの第2のセットと直列の階層選択ゲートトランジスタを含むことができる。階層選択ゲートトランジスタはプログラム可能トランジスタまたはプログラム不可能トランジスタを含んでよい。
【選択図】図7D
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8