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特許6495561土地用途判定システム、土地用途判定方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6495561
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】土地用途判定システム、土地用途判定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20190325BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20190325BHJP
【FI】
   G06T1/00 A
   G06Q50/26
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-550480(P2018-550480)
(86)(22)【出願日】2017年10月30日
(86)【国際出願番号】JP2017039122
【審査請求日】2018年9月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
(72)【発明者】
【氏名】友廣 一雄
(72)【発明者】
【氏名】休坂 健志
【審査官】 真木 健彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−098993(JP,A)
【文献】 特開2014−102542(JP,A)
【文献】 特開2008−152425(JP,A)
【文献】 特開2005−310053(JP,A)
【文献】 特開2015−079412(JP,A)
【文献】 阪田 知彦,細密数値情報土地利用データと建物ポリゴンの重ね合わせによる用途属性の整合性評価に関する基礎的分析,地理情報システム学会講演論文集 第11巻,日本,地理情報システム学会,2002年 9月30日,Vol.11 / 2002,P.205-209
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06Q 50/16
G06Q 50/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土地が登録された用途と同じ用途で使われているかを判定する土地用途判定システムであって、
撮像された土地の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像を解析して、前記土地の住所を特定する住所特定手段と、
前記画像を解析して、前記土地がどのような用途で使われているか特定する用途特定手段と、
前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する判定手段と、を備える土地用途判定システム。
【請求項2】
前記用途特定手段は、前記画像を解析して、前記土地に栽培されている農作物の種類を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定する請求項1に記載の土地用途判定システム。
【請求項3】
前記用途特定手段は、前記画像を解析して、前記土地に栽培されている農作物の生育状況を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定する請求項1に記載の土地用途判定システム。
【請求項4】
前記用途特定手段は、前記画像を解析して、前記土地に建っている建物を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定する請求項1に記載の土地用途判定システム。
【請求項5】
前記判定手段は、住民台帳を参照することで、前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する請求項1に記載の土地用途判定システム。
【請求項6】
前記判定手段は、登記簿謄本を参照することで、前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する請求項1に記載の土地用途判定システム。
【請求項7】
前記画像取得手段は、撮像された土地の時系列の画像を取得し、
前記用途特定手段は、前記時系列の画像を解析して、前記土地がどのような用途で使われているかの変化を特定し、
前記判定手段は、前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の変化した用途と、が一致しているかを判定する請求項1に記載の土地用途判定システム。
【請求項8】
土地が登録された用途と同じ用途で使われているかを判定する土地用途判定システムが実行する土地用途判定方法であって、
撮像された土地の画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像を解析して、前記土地の住所を特定する住所特定ステップと、
前記画像を解析して、前記土地がどのような用途で使われているか特定する用途特定ステップと、
前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する判定ステップと、を備える土地用途判定方法。
【請求項9】
土地用途判定システムに、
撮像された土地の画像を取得する画像取得ステップ、
前記画像を解析して、前記土地の住所を特定する住所特定ステップ、
前記画像を解析して、前記土地がどのような用途で使われているか特定する用途特定ステップ、
前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する判定ステップ、を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土地が、予め登録された用途と同じ用途で実際に使われているかを判定する土地用途判定システム、土地用途判定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、近年、画像を解析して土地の用途を調査する技術が進化している。例えば、空中写真を画像解析することにより土地の用途別の面積を住所情報に関連付けて算出する土地用途別面積算出装置が提供されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−79412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、除染のための作業の種類や総量を把握するための技術であって、土地が登録されている用途通りに使われているかどうかを判定できない問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、撮像された画像を解析して、土地が登録された用途と同じ用途で使われているかを判定する土地用途判定システム、土地用途判定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0007】
第1の特徴に係る発明は、土地が登録された用途と同じ用途で使われているかを判定する土地用途判定システムであって、撮像された土地の画像を取得する画像取得手段と、前記画像を解析して、前記土地の住所を特定する住所特定手段と、前記画像を解析して、前記土地がどのような用途で使われているか特定する用途特定手段と、前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する判定手段と、を備える土地用途判定システムを提供する。
【0008】
第1の特徴に係る発明は、土地が登録された用途と同じ用途で使われているかを判定する土地用途判定方法であって、撮像された土地の画像を取得する画像取得ステップと、前記画像を解析して、前記土地の住所を特定する住所特定ステップと、前記画像を解析して、前記土地がどのような用途で使われているか特定する用途特定ステップと、前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する判定ステップと、を備える土地用途判定方法を提供する。
【0009】
第1の特徴に係る発明は、コンピュータに、撮像された土地の画像を取得する画像取得ステップと、前記画像を解析して、前記土地の住所を特定する住所特定ステップと、前記画像を解析して、前記土地がどのような用途で使われているか特定する用途特定ステップと、前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する判定ステップと、をさせるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
所定の土地が、予め登録されている用途通りに、実際に使われているかを判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、土地用途判定システムの概要図である。
図2図2は、土地の用途を判定した例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0013】
本発明の土地用途判定システムは、土地が登録された用途と同じ用途で使われているかを判定するシステムである。
【0014】
本発明の好適な実施形態の概要について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の好適な実施形態である土地用途判定システムの概要図である。
【0015】
図1にあるように、土地用途判定システムは、制御部が所定のプログラムを読み込むことで実現される、画像取得手段、住所特定手段、用途特定手段、判定手段を備える。これらは、アプリケーション型、クラウド型またはその他であってもよい。上述の各手段が、単独のコンピュータで実現されてもよいし、2台以上のコンピュータ(例えば、サーバと端末のような場合)で実現されてもよい。
【0016】
画像取得手段は、撮像された土地の画像を取得する。画像は動画でも静止画でもよい。ドローンのカメラや、人工衛星のカメラで撮像された画像でもよい。カメラは、ドローンに備えられたカメラは、デジタルカメラであっても、スマートフォンのカメラであっても、何でもよい。リアルタイムに画像解析させるにはリアルタイムな画像の方が好ましい。
【0017】
住所特定手段は、画像を解析して土地の住所を特定する。画像の緯度経度情報を基に画像解析をすることで、土地の面積・形状などを利用して住所を特定することができる。機械学習によって画像解析の精度を向上させてもよい。例えば、過去画像を教師データとして機械学習を行う。
【0018】
用途特定手段は、画像を解析して土地がどのような用途で使われているか特定する。画像解析をすることで、土地が公共系・ 住居系・商業系・工業系・農業系などの内、どの用途で使われているのかを特定することができる。例えば図2のように、畑の画像であれば、農業系の用途と、住居系の用途と、に使われているのが特定される。
【0019】
また、用途特定手段は、画像を解析して土地に栽培されている農作物の種類を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定してもよい。例えば、ただの雑草なのか、キャベツなのか、などを画像解析することで、で個人宅なのか、畑なのか、などを特定できる。
【0020】
また、用途特定手段は、画像を解析して土地に栽培されている農作物の生育状況を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定してもよい。例えば、ボーボーに生い茂り手入れがされていない雑草なのか、美味しそうに育ったキャベツなのか、などを画像解析することで、で個人宅なのか、畑なのか、などを特定できる。
【0021】
また、用途特定手段は、画像を解析して土地に建っている建物を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定してもよい。例えば、看板の有無や、客の出入りの有無、などを画像解析することで、工場なのか、お店なのか、個人宅なのか、などを特定できる。
【0022】
判定手段は、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定する。
【0023】
また、判定手段は、住民台帳を参照することで、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定してもよい。住民台帳には土地の用途が記載されているので、それと、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定することができる。
【0024】
また、判定手段は、登記簿謄本を参照することで、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定してもよい。登記簿謄本には土地の用途が記載されているので、それと、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定することができる。
【0025】
また、画像取得手段は、撮像された土地の時系列の画像を取得してもよい。時系列の画像を取得することで、時間変化を考慮することができる。
【0026】
また、用途特定手段は、時系列の画像を解析して、土地がどのような用途で使われているかの変化を特定してもよい。時系列の画像を解析することで、用途の時間変化を特定することができる。
【0027】
また、判定手段は、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の変化した用途と、が一致しているかどうかを判定する。土地の用途の時間変化を考慮して、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の変化した用途と、が一致しているかどうかを判定することができる。
[動作の説明]
【0028】
次に、土地用途判定方法について説明する。本発明の土地用途判定方法は、土地が登録された用途と同じ用途で使われているかどうかを判定する方法である。
【0029】
土地用途判定方法は、画像取得ステップ、住所特定ステップ、用途特定ステップ、判定ステップを備える。
【0030】
画像取得ステップは、撮像された土地の画像を取得する。画像は動画でも静止画でもよい。ドローンのカメラや、人工衛星のカメラで撮像された画像でもよい。カメラは、ドローンに備えられたカメラは、デジタルカメラであっても、スマートフォンのカメラであっても、何でもよい。リアルタイムに画像解析させるにはリアルタイムな画像の方が好ましい。
【0031】
住所特定ステップは、画像を解析して土地の住所を特定する。画像の緯度経度情報を基に画像解析をすることで、土地の面積・形状などを利用して住所を特定することができる。機械学習によって画像解析の精度を向上させてもよい。例えば、過去画像を教師データとして機械学習を行う。
【0032】
用途特定ステップは、画像を解析して土地がどのような用途で使われているか特定する。画像解析をすることで、土地が公共系・ 住居系・商業系・工業系・農業系などの内、どの用途で使われているのかを特定することができる。例えば図2のように、畑の画像であれば、農業系の用途と、住居系の用途と、に使われているのが特定される。
【0033】
また、用途特定ステップは、画像を解析して土地に栽培されている農作物の種類を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定してもよい。例えば、ただの雑草なのか、キャベツなのか、などを画像解析することで、で個人宅なのか、畑なのか、などを特定できる。
【0034】
また、用途特定ステップは、画像を解析して土地に栽培されている農作物の生育状況を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定してもよい。例えば、ボーボーに生い茂り手入れがされていない雑草なのか、美味しそうに育ったキャベツなのか、などを画像解析することで、で個人宅なのか、畑なのか、などを特定できる。
【0035】
また、用途特定ステップは、画像を解析して土地に建っている建物を特定することで、当該土地がどのような用途で使われているか特定してもよい。例えば、看板の有無や、客の出入りの有無、などを画像解析することで、工場なのか、お店なのか、個人宅なのか、などを特定できる。
【0036】
判定ステップは、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定する。
【0037】
また、判定ステップは、住民台帳を参照することで、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定してもよい。住民台帳には土地の用途が記載されているので、それと、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定することができる。
【0038】
また、判定ステップは、登記簿謄本を参照することで、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定してもよい。登記簿謄本には土地の用途が記載されているので、それと、解析で特定された土地の用途と、が一致しているかどうかを判定することができる。
【0039】
また、画像取得ステップは、撮像された土地の時系列の画像を取得してもよい。時系列の画像を取得することで、時間変化を考慮することができる。
【0040】
また、用途特定ステップは、時系列の画像を解析して、土地がどのような用途で使われているかの変化を特定してもよい。時系列の画像を解析することで、用途の時間変化を特定することができる。
【0041】
また、判定ステップは、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の変化した用途と、が一致しているかどうかを判定する。土地の用途の時間変化を考慮して、住所に基づいて登録された土地の用途と、解析で特定された土地の変化した用途と、が一致しているかどうかを判定することができる。
【0042】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータにインストールされるアプリケーションであってもよいし、コンピュータからネットワーク経由で提供されるSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態であってもよいし、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0043】
上述した機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、強化学習などを利用してよい。また、ニューラルネットワークを利用して、学習するための特徴量を自ら生成する深層学習(ディープラーニング)であってもよい。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。

【要約】
【課題】撮像された画像を解析して、土地が登録された用途と同じ用途で使われているかを判定すること。
【解決手段】土地が登録された用途と同じ用途で使われているかを判定する土地用途判定システムであって、撮像された土地の画像を取得する画像取得手段と、前記画像を解析して、前記土地の住所を特定する住所特定手段と、前記画像を解析して、前記土地がどのような用途で使われているか特定する用途特定手段と、前記住所に基づいて登録された土地の用途と、前記解析で特定された土地の用途と、が一致しているかを判定する判定手段と、を備える土地用途判定システムを提供する。
【選択図】図1
図1
図2