(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記器具本体は、長手方向の端面部に前記電線を外部に送るための電線送り孔がノックアウト加工により形成された請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向や位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明器具10を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る照明器具10を示す分解斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る照明器具10の断面図である。
図4は、
図2のA部拡大図である。
図5は、本実施の形態に係る本体部21及び光源ユニット30を端部から見た斜視図である。
図1〜
図5を用いて、本実施の形態に係る照明器具10の全体構成について説明する。
【0011】
本実施の形態に係る照明器具10は、例えば、天井面などの被取付部に取り付けられる照明器具であり、長手方向に伸びた長尺状の照明器具である。この照明器具10は、長手方向に複数連結して用いられる場合がある。
図1〜
図5において、天井面の方向を取付方向あるいは上方とし、光源の照射方向を下方として説明する。
【0012】
図1,2に示すように、照明器具10は、器具本体20と、この器具本体20に着脱可能に取り付けられる光源ユニット30とを備える。
【0013】
器具本体20は、長尺状の本体部21と、この本体部21の長手方向の両端に取り付けられる台形状の端板部22(端面部)とを備える。
端板部22には、取付方向が開口するU字状の電源線送り穴261(電線送り孔)がノックアウト加工されたノックアウト部26が形成される。電源線送り穴261は、照明器具110が長手方向に連結された場合に、後述する送り電線を、長手方向の隣に配置された照明器具10に送るための孔である。
【0014】
図2〜5に示すように、本体部21は、2つの傾斜部212と、この2つの傾斜部212に挟まれるように形成される凹部24を備える。凹部24は、2つの傾斜部212に挟まれた位置に長手方向に伸びた凹みを形成する。
2つの傾斜部212は、凹部24の長手方向の両側の縁部244から、取付方向(上方)に向かって広がるように形成される。
図5に示すように、本体部21は、1枚の金属板を折り曲げ加工することにより形成される。
【0015】
凹部24は、底面部241(底部)と、この底面部241の短手方向の両端側に照射方向に形成される側壁部242(内壁部)とを有する。底面部241には、
図2に示すように、電源端子台25が取り付けられる。
また、凹部24は、側壁部242に長手方向に伸びた凹み溝(溝)を形成する収容凹部243(溝部)を備える。収容凹部243は、電源装置34に接続される送り電線(電線)を内部に収容する。収容凹部243への送り電線の収容方法については後述する。
【0016】
図4に示すように、収容凹部243は、凹み溝の底面を形成する溝底面部2432と、凹み溝の側面を形成する溝側面部2431とを備える。収容凹部243は、短手方向に平行な断面が略コ字形状である。
【0017】
また、収容凹部243は、側壁部242において底面部241の存在する側(取付方向の側)に寄せて形成される。よって、
図4に示す収容凹部243では、凹部24の底面部241が、収容凹部243の上下の溝側面部2431のうち上方(取付方向)の溝側面部2431を兼ねた構造となっている。したがって、本体部21を形成しやすい形状となっている。
なお、収容凹部243は、側壁部242の取付方向側に寄せて設けなくてもよい。収容凹部243は、凹部24の縁部244と底面部241との間の側壁部242に設けられていればどこに形成しても構わない。
【0018】
また、
図4に示すように、収容凹部243は、溝底面部2432の短手方向の幅L2が、溝側面部2431の短手方向の幅L1より長く形成される。すなわち、収容凹部243の断面は、略コ字形状で形成される矩形が上下方向に長い矩形となる。
なお、収容凹部243の断面は、矩形でなくてもよい。例えば、上下方向に長いC字形状、U字を略90度回転した形状でもよい。また、上下方向に長い形状でなくてもよく、溝底面部2432の短手方向の幅L2が、溝側面部2431の短手方向の幅L1より短く形成され、奥行きの深い収容凹部243でも構わない。
【0019】
光源ユニット30は、LED321(光源)と、LED321に電力を供給する電源装置34とを備え、凹部24の凹みを塞ぐように凹部24に取り付けられる。
光源ユニット30は、上方が開口するコの字形状に折り曲げられて形成した取付部材31と、この取付部材31に取り付けられるLEDモジュール32と、このLEDモジュール32を覆うように取付部材31に取り付けられる透光カバー33と、取付部材31に取り付けられ、LEDモジュール32に電力を供給する電源装置34とを備える。
【0020】
光源ユニット30は、取付部材31の照射方向側の面にLEDモジュール32が取り付けられ、取付部材31の取付方向側の面に電源装置34が取り付けられる。光源ユニット30は、電源装置34を器具本体20の凹部24の内部に収納するとともに、取付部材31により凹部24を塞ぐように、凹部24の縁部244近傍に取り付けられる。
【0021】
次に、器具本体20と光源ユニット30の取り付け工程について説明する。
図6は、本実施の形態に係る照明器具10における送り電線12の配線について説明するための図である。
図6では、照明器具10を長手方向に2つ連結している状態を示している。
図6に向かって左の照明器具10を第1照明器具10aとし、右の照明器具10を第2照明器具10bとして説明する。第1照明器具10aと第2照明器具10bとは、上述した照明器具10と同一構造の照明器具である。以下において、第1照明器具10aの構成部の符号には添え字aを付与し、第2照明器具10bの構成部の符号には添え字bを付与することにより、第1照明器具10aと第2照明器具10bとの構成部を区別して説明する。
【0022】
まず、第1照明器具10aの器具本体20aを天井などの被取付部に取り付け、第2照明器具10bの器具本体20bを長手方向に並べて被取付部に取り付ける。このとき、端板部22aと端板部22bとが接するように、第1照明器具10aと第2照明器具10bとを配置することが好ましい。
次に、天井などから引き出された電源線11を、第1照明器具10aの底面部241aに設けられた挿入孔27aから凹部24a内部に挿入する。挿入した電源線11は、器具本体20aの凹部24aの底面部241aに取り付けられている電源端子台25aの電線挿入孔に挿入する。
電源端子台25aにおいて送り電線12を挿入する端子部分(送り電線挿入孔)に、送り電線12を挿入し、この送り電線12を、収容凹部243aに押し込みながら端板部22aまで配線し、端板部22aと端板部22bと介して第2照明器具10bの器具本体20bに送る。
【0023】
なお、それぞれの器具本体20a,20bにおいて、対向して接する長手方向の端部(端板部22a,22b)には、ノックアウト形成された電源線送り穴261a,261bが形成されている。予めこのノックアウトを外し、第1照明器具10aと第2照明器具10bと間の電源線送り穴261a,261bを連通させておく。
そして、送り電線12は、電源端子台25aから収容凹部243aに押し込まれながら端板部22aまで配線され、連通する電源線送り穴261a及び電源線送り穴261bを介して第2照明器具10bの凹部24bの内部に送られる。
【0024】
電源線送り穴261a,261bを通じて送られた送り電線12は、第2照明器具10bの収容凹部243bに押し込まれ、電源端子台25bまで配線される。送り電線12の先端部は電源端子台25bの電源線挿入孔に挿入される。
図6において、送り電線12が点線で表されている箇所は、送り電線12が収容凹部243a,243bに押し込まれて収容凹部243a,243bの内部に収容されている箇所を示している。
【0025】
このように、第1照明器具10aの内部から第2照明器具10bの内部に配線された送り電線12は、ほとんどが収容凹部243a,243bに収納された状態となり、送り電線12が器具本体20の凹部24a,24bの開口部分から垂れ下がったりすることがない。そのため、この状態で光源ユニット30を凹部24に取り付ける際、送り電線12が光源ユニット30と凹部24の開口部分(縁部244)とに挟み込まれたり、電源装置34と凹部24との間に挟まったりするようなことがなく、送り電線12が光源ユニット30と干渉することを防止することができる。
【0026】
また、
図3に示すように、収容凹部243は、凹部24の側壁部242と傾斜部212とに挟まれた空間に形成されるため、光源ユニット30を器具本体20に取り付けたとき、外観上からこの収容凹部243が形成されていることはわからず、照明器具10の意匠性を損なうことがない。したがって、本実施の形態に係る収容凹部243によれば、意匠性を向上させながら、電源線を収容することが可能となる。
【0027】
また、収容凹部243を凹部24の両側の側壁部242(左右の側壁部242)にそれぞれ設けることによって、光源ユニット30に取り付けられている電源装置34が、短手方向の一方側に寄せてある場合であっても、収容凹部24に収められている送り電線12が電源装置34に干渉することがない。
【0028】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具10は、凹部24を有する器具本体20と、この器具本体20の凹部24に着脱自在に取り付けられる光源ユニット30を備える長尺状の照明器具10である。凹部24は、底面部241と、底面部241の短手方向から折り曲げられて形成される側壁部242とを備え、側壁部242は、電源線(送り電線12)を収容する電源線収容部(収容凹部243)を有する。よって、照明器具10によれば、複数の照明器具10間を送り配線したときに、光源ユニット30を器具本体20へ取り付ける際、送り電線12(送り配線)が干渉することがないようにすることができる。
また、この電源線収容部は、側壁部242に、例えば凹状に形成された収容凹部243であるため、電源線収容部を形成することが容易であるとともに、簡単に電源線を収容することができる。
【0029】
実施の形態2.
本実施の形態では、実施の形態1で説明した収容凹部243とは異なる形状の収容凹部243dを備える照明器具10dについて説明する。
図7は、本実施の形態に係る照明器具10dの断面図である。
図7は、実施の形態1で説明した
図3に相当する図であり、実施の形態1で説明した構成部と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0030】
本実施の形態では、収容凹部243dにより側壁部242に形成された開口の短手方向の幅L3は、溝底面部2432の短手方向の幅L4よりも狭く形成される。実施の形態1では、収容凹部243はコの字状に窪んだ形状である場合について説明したが、本実施の形態では、
図7に示すように、収容凹部243dの下側の溝側面部2431dは、凹部24の側壁部242から収容凹部243dの内部に入るにしたがって、凹部24の開口部分の方向(照射方向)に傾斜する収容傾斜部2433を形成する。言い換えると、上下の溝側面部2431のうち照射方向側の溝側面部2431dは、溝底面部2432側から凹部24の中央部に向かって徐々に取付方向側(上方)に傾斜した収容傾斜部2433となっている。よって、側壁部242に形成された開口の短手方向の幅L3は、溝底面部2432の短手方向の幅L4よりも狭くなる。
【0031】
以上のように、収容凹部243dに収容傾斜部2433を形成するようにすると、電源線を収容凹部243dに挿入した際、電源線の重さによって傾斜に沿って力が発生し、収容凹部243dの内部に電源線が収容される。また、電源線自身の硬さによる応力などによって、収容凹部243dの内部へ電源線を押し込む力が発生しているときも、電源線が収容傾斜部2433の奥(角部)に押し当てられるようになるので、電源線が収容凹部243dに収容され易くなる。
【0032】
また、送り電線12などに使用する電源線は、断面が楕円形状を成している(
図7参照)。よって、送り電線12を収容凹部243dに斜め方向から差し込んで、捩じるように回転させることで、収容凹部243dに送り電線12を挟み込ませることができ、確実に送り電線12を収容凹部243dに収めることができる。
【0033】
さらに、収容凹部243dを凹部24の左右にそれぞれ設けることによって、光源ユニット30に取り付けられている電源装置34が、短手方向の一方側に寄せてある場合であっても、収容凹部243dに収められている送り電線12が電源装置34に干渉することがない。
【0034】
なお、
図7では、照射方向(下方)側の溝側面部2431dに収容傾斜部2433を形成する構成について説明したが、側壁部242に形成された開口の短手方向の幅L3が溝底面部2432の短手方向の幅L4よりも狭く形成されていればよく、上下両方の溝側面部2431が開口の短手方向の幅L3を狭めるように傾斜してもよい。あるいは、収容凹部243dは、C字形状でもよい。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態の2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。