【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年10月20日に自社ウェブサイトの「外部油圧モデル「超耕速マックスハローACE(エース)新登場」」にて公開
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の「耕耘爪」は、「取付け基部1と、平面板からなる縦刃部2と、弯曲板からなる横刃部243とが一体的に構成されてなる耕耘爪において、回転爪軸Sの回転軸線を法線とする面を側面としたとき、側面視における取付け基部1の中心を通る鉛直線分から弯曲開始部Fの刃縁までの弯曲開始水平距離Lが、弯曲曲率半径rの最小値である最小弯曲曲率半径r1よりも小さく、横刃部24刃縁の横方向先端位置Qまでの側面視刃縁形状において、回転爪軸Sの回転軸線S0から刃縁下端までの刃縁距離Rを、横刃部3の中途位置で最大刃縁距離R2となるように連続的に変化させてなる。」を提供するものである。
【0003】
特許文献2に記載の「耕耘爪」は、「耕耘爪1は、耕耘爪軸60に取り付けられる取付基部3から連続して延びる縦刃部10及び横刃部20を有し、縦刃部10から横刃部20にかけて回転方向と逆向きに湾曲するとともに、横刃部20が一方側に湾曲してなる。耕耘爪1の最大回転半径Rmとなる位置R2と、最大切削幅H1となる位置L1とは別の位置にある。また最大回転半径Rmとなる位置R2から最大切削幅H1となる位置L1との間の横刃部20の先端面22に最大回転半径Rmの位置R2から延びる直線部25を設け、最大回転半径Rmの位置R2での耕土表面とのなす刃先進入角度を50°〜55°の範囲にする。」を提供するものである。
【0004】
特許文献3に記載の「耕耘爪」は、「耕耘爪1は、耕耘爪軸60に取り付けられる取付基部3から連続して延びる縦刃部10及び横刃部20を有し、縦刃部10から横刃部20にかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、横刃部20が縦刃部10に対して一方側に弯曲する。縦刃部10は取付基部3に対して一側方に傾斜する。縦刃部10の折曲開始部分11は、耕耘爪軸60に取り付けて耕耘爪軸中心と取付基部3の中心を通る線分から爪先端までの爪軸軸芯方向の側面視における爪長さを爪全長Lとしたときに、爪全長Lの取付基部側寄りの1/4付近に位置し、横刃部20の折曲開始部分23は、爪全長Lの半分よりも先端側寄りとされる。横刃部20の先端部の断面形状は、一側方に弯曲する横刃部20の弯曲方向と同方向側に凸状に弯曲して形成される。」を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明の実施の形態に係る実施例の代かき機に取り付けた使用状態正面断面図である。
【
図2】この発明の実施の形態に係る実施例の作動状態正面図である。
【
図3】この発明の実施の形態に係る第1実施例に係る耕耘爪の正面図である。
【
図4】この発明の実施の形態に係る第1実施例に係る耕耘爪の平面図である。
【
図5】この発明の実施の形態に係る第1実施例に係る耕耘爪の側面図であって耕耘爪の刃先端側から見た投影図である。
【
図6】この発明の実施の形態に係る第2実施例に係る耕耘爪の正面図である。
【
図7】この発明の実施の形態に係る第2実施例に係る耕耘爪の平面図である。
【
図8】この発明の実施の形態に係る第2実施例に係る耕耘爪の側面図である。
【
図9】
図5における耕耘爪の回転軸と直交する側面側から見た投影図のA部拡大図である。
【
図10】
図5における耕耘爪の回転軸と直交する側面側から見た投影図のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の実施の一形態に係る第1実施例を
図1乃至
図5、及び、第2実施例を
図6乃至
図8に基づいて説明する。
【0014】
11は、代かき機である。代かき機11は、トラクタ(図示せず)に牽引されて、
図1矢示方向即ち図中左方に移動される。
16は爪軸である。爪軸16は、トラクタに牽引される。12は、カバーである。カバー12は、回転軸である爪軸16の上部に設置され爪軸16上部を覆う。
13は、第1レベラーである。第1レベラー13は、カバー12の後部に取り付けられ土壌をならす。14は、第2レベラーであり、第1レベラー13の後部に取り付けられ、土壌をならす。15は、レーキであり、第1レベラー13より土壌寄りに取り付けられる。
【0015】
21は、耕耘爪である。耕耘爪21は、全体として湾曲あるいは傾斜した平面状からなる。22は、耕耘爪21の基部である。
第1実施例において
図3に図示されるO1、第2実施例において
図6に図示されるO2は、耕耘爪21の回転中心である。第1実施例において
図3に図示されるL1、第2実施例において
図6に図示されるL2は、法線である。第1実施例において
図3に図示されるr1は、第2実施例において
図6に図示されるr2は、回転軸線である。
23は、耕耘爪21の直刃部23である。直刃部23は、爪軸16への取り付け状態で、放射方向と交差する方向、これらの実施例では、回転方向に延びる平面板からなる。
【0016】
24は、耕耘爪21の横刃部24である。横刃部24は、第1実施例では、直刃部23から直刃部23の平面に対して爪軸16への取り付け状態で、一側方に傾斜して延びる平面板からなる。あるいは、横刃部24は、爪軸16の回転軸方向に傾斜して延びる。
第2実施例では、横刃部24は、直刃部23から横刃部24に掛けて爪軸16への取り付け状態で、一側方に湾曲される平面板からなっている。
図3乃至
図5に図示する、第1実施例は、折り曲げタイプの横刃部24からなり、第1実施例における横刃部24は、
図4に図示されるように、爪軸16への取り付け状態で、平面視直線状となっている。
【0017】
第1実施例のように、横刃部24が、爪軸16への取り付け状態で、平面視直線状となっていると、横移動の速度が速くなり、また、土壌に加わる押圧力が大きくなり、練り込み効果が大きくなる。
第2実施例は、円弧状タイプの横刃部24からなり、横刃部24は、
図7に図示されるように、直刃部23から直刃部23の平面に対して爪軸16への取り付け状態で、平面視R状に湾曲している平面板からなる。
第2実施例のように、横刃部24が、爪軸16への取り付け状態で、平面視円弧状に湾曲している形状の場合、直線状の場合に比較して土壌の移動速度が緩やかになるため、練り込み性能も緩やかになる。
【0018】
25は、耕耘爪21の直交刃部である。第1実施例、第2実施例とも、直交刃部25は、横刃部24の平面に対して爪軸16への取り付け状態で、横刃部24から一側方に延び、回転方向と直交する方向の平面からなる。
第1実施例の直交刃部25は、
図3、
図4に図示されるように、横刃部24から延び、爪軸16への取り付け状態で、横刃部24の平面に対して傾斜度を変え、傾斜度を深くし、一側方に延びる平面からなり、直刃部23の平面に対して略垂直方向に延ばされる。
第2実施例の直交刃部25は、横刃部24から延び横刃部24の平面に対して、湾曲から傾斜に変えて一側方に延びる平面からなり、直刃部23の平面に対して略垂直方向に延ばされる。
【0019】
第1実施例においては、
図3に図示されるように、また、第2実施例においては、
図6に図示されるように、耕耘爪21において、直刃部23から横刃部24にかけて爪軸16への取り付け状態で、回転方向と逆向きに湾曲されている。直刃部23から横刃部24及び直交刃部25にかけての回転方向前側に刃部を有している。
図3、
図6に図示されるように、直交刃部25平面は爪軸16への取り付け状態で、回転方向に対し前方側から後方側に向かい回転中心側に傾斜している。
【0020】
第1実施例においては
図3に、第2実施例においては
図6に図示されるように、耕耘爪21の先端は、法線L1、L2内に収まっている。
図3、
図6に想像線で図示される、曲げる前の展開状態の耕耘爪41と比較すると、曲げる前の展開状態の耕耘爪41の先端は、法線L1、L2外にはみ出している。それに対して、第1実施例、第2実施例とも、曲げた後の本実施例に係る直交刃部25は、直刃部23の平面に対して略垂直方向に延ばされる。曲げる前の展開状態の耕耘爪41で法線の外側にはみ出している分だけ、曲げた後の本実施例にでは、直交刃部25平面が形成されている。
51は、耕耘爪21先端の回転軌跡である。回転軌跡51は、最大回転半径である。
これら実施例では耕耘爪21は、直交刃部25と横刃部24との境界部の爪軸16への取り付け状態で、回転方向前方端部近傍が回転半径は最大となっている。
【0021】
第1実施例では
図3、第2実施例では
図6に図示されるように耕耘爪21は、直交刃部25の爪軸16回転中心側に面する平面は、爪軸16への取り付け状態で、回転方向の法線に対して前方側から後方側に向かい回転中心側に45度乃至50度角(
図3中c1、
図6中c2)傾斜している。
45度乃至50度角傾斜しているため、土壌を持回るのに有効である。
第1実施例では、耕耘爪21は、爪軸16への取り付け状態で、回転方向に面する直交刃部25の、回転軸と直交する側面側から見た
図5に示す方向から見た投影面積は、
図9に図示される平面状のB部分となり、耕耘爪の回転軸と直交する側面側から見た
図5に示す方向から見た横刃部24の投影面積は、
図10に図示されるA部分の形状となり、A部分よりB部分の投影面積は、1.3乃至1.6倍大きい。
第2実施例でも、
図8に示す方向から見た投影面積は平面状となるB部分である直交刃部25は、耕耘爪の刃先端側から見たとき斜めとなる
図8に示す方向から見た投影面積であるA部分である横刃部24よりも、1.3乃至1.6倍大きい。
そのため、直交刃部25で、土壌を持回るのに有効である。
【0022】
爪軸16回転中心軸方向視の直刃部23と横刃部24の境界部の長さは、基部22と直刃部23の境界長さの1.8〜2.1倍であり、直交刃部25と横刃部24との境界部の長さは、直刃部23と横刃部24の境界部の長さの1.4乃至1.6倍である。
1.4乃至1.6倍であるため、土壌の持ち上げ量が増え、練り込みが有効に行える。
26は、取付孔であり、耕耘爪21の基部22に穿設される。
図4、
図7に図示されるように、直刃部24の基部22側から直交刃部25の基部22側に至る肉厚は、同厚としても良いが、これらの実施例では順次厚さを薄くしている。順次厚さを薄くしているため、耕耘刃21先端側に弾性を持たせ、基部22への応力集中を軽減し、振動を吸収することができる。
【0023】
31は、耕耘爪取付部である。
図1に図示されるように、耕耘爪取付部31は、ボックス型からなり、爪軸16の周囲に放射方向に取り付けられる。耕耘爪取付部31には、耕耘爪21の基部22を差し込み、取付孔26にボルト32を差し込み固定する。耕耘爪21は、基部22で、水平な爪軸16の軸周に放射方向に取り付けられ固定されて、回転されることで土壌を耕耘する。
【0024】
耕耘爪21の作用について説明する。
図1、
図2に図示されるように、直刃部23によりまず、土に食い込んで土を抱き込む。前方側で直刃部23によって切断された土壌の側方側は、横刃部24で斜め横方向に移動させられ、さらに、直交刃部25によって直刃部23切断方向と直交する方向に移動される。
この間、耕耘爪21は、回転しているため横刃部24の土壌は、回転方向後方側の耕耘爪21先端側に順次押されて移動する。
そして、回転方向と直交する方向の面を有する直交刃部25に達すると、移動方向が変更され移動抵抗が増加して土壌に圧力が付加されるとともに、側方に移動される。また、直交刃部25に達した一部の土壌は、外周方向に飛ばされ、飛ばされた土壌は、カバー12にぶつけられ土壌はこなれて粉砕される。このように、土壌に適度の圧力を作用させ横方向への移動を効率よく行うため土壌が短時間に細かく破砕されるとともに、練り込まれる。
【0025】
図1、
図2に図示されるように、直交刃部25の爪軸16側の面は、正面視又は回転軸である爪軸16方向からみて回転中心前方側から下方に向かって回転する。最下端部を過ぎて、後方側になると、回転方向前方端側が低く、後端側が高い傾斜から徐々に水平になり、さらに前方端側が高く後端側が低い傾斜に変化していく。
この過程において、直交刃部25の爪軸16側の面に耕耘された土壌の一部が載せられて爪軸16上方側から前方側に持回られ、更に細かく破砕されるとともに、練り込まれる。
直交刃部25により持回る土の量が多くなり、砕土性は向上する。
【0026】
図2に基づき、夾雑物のすき込み性について説明する。
直刃部23から横刃部24及び直交刃部25にかけての回転方向前側の刃部は、回転すると、
図2に図示されるように、土壌に当接する前方位置から爪軸16回転軸中心の下方位置近傍までは、前方が高く後方が低く傾斜した状態から下方に移動するに伴い、徐々に水平状態に変化する。
そして、回転下端部を過ぎると、前方が低く後方が高く傾斜した状態に変化する。これにより、夾雑物は上方から回転してくる直刃部23の刃部によって、土中の下方に移動され、回転下端部近傍において、夾雑物が土の抵抗により土中に取り残されてすき込まれる。直交刃部25平面と横刃部24との境界部の回転方向前方端部近傍が回転半径は最大となって、直交刃部25の刃部が横刃部24側から端部にかけて回転軸芯側に湾曲して、夾雑物を持ち上げることが無い。
【0027】
第2実施例のように、横刃部24が、爪軸16への取り付け状態で、平面視円弧状に湾曲している形状の場合、直線状の場合に比較して土壌の移動速度が緩やかになるため、練り込み性能も緩やかになる。
他方、折り曲げタイプの横刃部24からなる第1実施例では、横刃部24は、平面視直線状となっていると、横移動の速度が速くなり、また、土壌に加わる押圧力が大きくなり、練り込み効果が大きくなる。
土質が異なると、練り込み性も異なるため、第1実施例に係る耕耘爪21と、第2実施例に係る耕耘爪21とを、土質にあった形状又は希望する練り込み度合いに合った形状を選択して使用することで、作業性を向上する。
【0028】
この発明の実施例では、耕耘爪の砕土性を向上するとともに、耕耘爪が土を持回る量を向上し、早く作業をすることを可能とし、同一箇所での作業を軽減する。