(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
固定子と、前記固定子に対して回転可能に配置された回転子を備える回転機であって、前記固定子として請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の固定子が用いられていることを特徴とする回転機。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、本明細書中では、「軸中心」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、回転子(回転軸)の回転中心を示す。「軸中心線」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸中心を通る回転中心線を示す。「周方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸中心線に直交する方向から見て、軸中心を中心とする円周方向を示す。「径方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸中心線に直交する方向から見て、軸中心を通る方向を示す。
【0009】
本発明の回転機の第1の実施形態が
図1〜
図3に示されている。なお、以下で説明する各実施形態では、本発明の回転機を電動機として構成している。
図1は、第1の実施形態の回転機100を、軸中心Pを通る軸中心線に直交する方向から見た図である。
図2は、第1の実施形態の回転機100で用いられている固定子110の分解図であり、
図3は、
図2の部分拡大図である。なお、固定子110は、本発明の固定子の第1の実施形態を示している。
【0010】
本実施形態の回転機100は、固定子110、回転子180および回転軸190を有している。
回転軸190は、回転子180に形成された回転軸挿入孔に圧入あるいは焼き嵌めされている。回転子180は、回転子180の外周面181と固定子110の内周面(後述するティース先端部160の内周壁163)の間に空隙(エアギャップ)Gが保持された状態で回転可能に配置されている。
【0011】
固定子110は、別体に形成され、組み付け可能な第1の部材120と第2の部材130により構成されている。第1の部材120および第2の部材130は、積層された複数の電磁鋼板により構成されている。
第1の部材120は、軸中心線に直交する方向から見て、周方向に沿って延在するヨーク部121を有している。
ヨーク部121は、外周面122と内周面123を有するリング状(筒状)に形成されている。また、ヨーク部121は、内周側に、軸中心P側が開口している(軸中心Pと反対側に窪んでいる)溝124が形成されている。後述するティース基部150の端壁151側の部分(外周側の部分)が溝124に挿入されることによって、第1の部材120と第2の部材130が組み付けられる。
本実施形態では、溝124は、
図3に示されているように、底壁124a、第1の側壁124bおよび第2の側壁124cにより形成されている。第1の側壁124bと第2の側壁124cは、周方向に沿って距離N離れた位置に配置され、径方向に沿って直線状に延在している。また、底壁124aは、第1の側壁124bおよび第2の側壁124cの、軸中心Pと反対側(外周側)の端部間に配置され、周方向に沿って直線状に延在している。
【0012】
第2の部材130は、ティース部140と連結部170を有している。
ティース部140は、軸中心線に直交する方向から見て、径方向に沿って延在するティース基部150と、ティース基部150の、軸中心P側(内周側)に連設され、周方向に沿って延在するティース先端部160により形成されている。
ティース基部150は、端壁151と第1の側壁152および第2の側壁153を有している。第1の側壁152および第2の側壁153は、軸中心Pを通るティース部140の中心線(周方向中心線)Tを挟んで周方向両側に配置され、径方向に沿って直線状に延在している。
図3では、ティース部140の中心線Tに対して、周方向に沿って時計周り方向(右回り方向)側に第1の側壁152が配置され、反時計回り方向(左回り方向)側に第2の側壁153が配置されている。端壁151は、第1の側壁152および第2の側壁153の、軸中心Pと反対側(外周側)の端部間に配置され、周方向に沿って直線状に延在している。
本実施形態では、ティース基部150の第1の側壁152と第2の側壁153の間隔(幅)Mは、溝124の周方向に沿った長さ(溝124の幅)Nより少し小さく設定されている。また、ティース基部150の端壁151と軸中心Pとの間の距離が、溝124の底壁124aと軸中心Pとの間の距離より少し長く設定されている。これにより、ティース基部150の外周側の部分は、第1の側壁152および第2の側壁153が溝124を形成する第1の側壁124bおよび第2の側壁124cに隙間嵌めされ、端壁151が溝124を形成する底壁124aに締り嵌めされる。
「締り嵌め」は、穴の内径より少し大きい外径を有する部材を穴に挿入して固定する方法を意味する。締り嵌め方法としては、典型的には、圧入方法や焼き嵌め方法が用いられる。また、「隙間嵌め」は、穴の内径より少し小さい外径を有する部材を穴に挿入する方法を意味する。
なお、本明細書では、時計回り方向(右回り方向)および時計回り方向側(右回り方向側)を「一方方向」および「一方側」といい、反時計回り方向(左回り方向)および反時計回り方向側(左回り方向側)を「他方方向」および「他方側」という。
【0013】
ティース先端部160は、第1の外周壁161および第2の外周壁162と内周壁163を有している。第1の外周壁161は、ティース基部150の第1の側壁152の、軸中心P側(内周側)の端部から、周方向に沿って一方側に、直線状に延在している。第2の外周壁162は、ティース基部150の第2の側壁153の、軸中心P側(内周側)の端部から、周方向に沿って他方側に、直線状に延在している。内周壁163は、第1の外周壁161および第2の外周壁162より径方向に沿って軸中心P側に配置され、周方向に沿って延在している。
ティース先端部160の内周壁163は、回転子180の外周面181と対向する固定子110の内周面を形成する。典型的には、内周壁163は、軸中心Pを中心とする円弧形状を有している。
軸中心Pを通るティース部140の中心線Tと第1の外周壁161(第2の外周壁162)の延在方向(延在線)により形成される角度をθとする。
【0014】
連結部170は、第1の連結壁171と第2の連結壁172を有している。
第1の連結壁171は、隣接するティース先端部160の第1の外周壁161と第2の外周壁162を連結する。本実施形態では、第1の連結壁171は、周方向に沿って直線状に延在している。
図3では、第1の連結壁171の周方向に沿った一方側の端部171Aが、周方向に沿って一方側に配置されているティース先端部160の第2の外周壁162と連結され、周方向に沿った他方側の端部171Bが、周方向に沿って他方側に配置されているティース先端部160の第1の外周壁161と連結されている。
第2の連結壁172は、隣接するティース先端部160の内周壁163を連結する。本実施形態では、第2の連結壁172は、底壁172aと第1の側壁172bおよび第2の側壁172cを有している。第1の側壁172bおよび第2の側壁172cは、周方向に沿って離れた箇所に配置され、径方向に沿って直線状に延在している。底壁172aは、第1の側壁172bおよび第2の側壁172cの、軸中心Pと反対側(外周側)の端部間に配置され、周方向に沿って直線状に延在している。第2の連結壁172は、軸中心P側が開口した、すなわち、軸中心Pと反対側(外周側)に窪んだ凹部を形成している。
【0015】
なお、固定子110を分割構造とする場合、ティース部140毎に分割すると、組み付け作業等が困難となる。そこで、周方向に隣接するティース部140を連結部170で連結して第2の部材130を形成することにより、組み付け作業等を容易にしている。
しかしながら、連結部170を介して周方向に隣接するティース先端部160間を流れる磁束は、回転子180を流れないため、回転子180の駆動に寄与しない。このため、連結部170を介して流れる磁束の量(漏れ磁束の量)を抑制する必要がある。例えば、径方向に沿った厚さを薄く(小さく)することによって、連結部170を介して流れる磁束の量を抑制する。
一方、第1の部材120と第2の部材130との組み付けにより発生する応力による連結部170の変形を抑制するために、連結部170に強度を持たせる必要がある。例えば、径方向に沿った厚さを厚く(大きく)することによって、連結部170の強度を高める。
したがって、連結部170の形状、例えば、径方向に沿った長さ(厚さ)や周方向に沿った長さ(幅)は、連結部170を介する磁束の量(漏れ磁束の量)を抑制しながら、応力に対する強度を確保することができるように設定される。
連結部170は、軸中心Pを通る、スロットの中心線Sと交差するように、好適には、スロットの中心線Sに対して線対称となるように配置される。
【0016】
第1の部材120と第2の部材130は、第2の部材130のティース部140に固定子巻線(図示省略)を巻き付けた状態で組み付けられる。
ここで、本発明では、第1の部材と第2の部材を組み付ける方法として、第2の部材のティース基部の、軸中心Pと反対側の部分(外周側の部分)を第1の部材のヨーク部に形成されている溝に組み付ける方法を用いている。
また、ティース基部の端壁および第1の側壁と第2の側壁を、溝を形成する壁に締り締めすると組み付け作業が困難となるため、本発明では、ティース基部と溝は、ティース基部の第1および第2の側壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされるとともに、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に隙間嵌めされるように、あるいは、ティース基部の第1および第2の側壁が、溝を形成する壁に隙間嵌めされるとともに、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされるように構成されている。
【0017】
なお、電磁鋼板は、圧縮応力を受けると磁気抵抗が大きくなる。
このため、ティース基部の第1および第2の側壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされるとともに、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に隙間嵌めされる場合には、ティース基部の磁気抵抗が大きくなり、損失が増大する。一方、第2の部材のティース先端部は、圧縮応力の影響を受けないので損失は増大しない。
また、ティース基部の第1および第2の側壁が、溝を形成する壁に隙間嵌めされるとともに、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされる場合には、ティース基部およびティース先端部に圧縮応力が作用してティース基部およびティース先端部の磁気抵抗が大きくなり、損失が増大する。一方、第2の部材の連結部の磁気抵抗も大きくなるため、連結部を介して流れる磁束(漏れ磁束)の量を減少させることができる。
【0018】
本実施形態では、前述したように、ティース基部150の第1の側壁152と第2の側壁153の間隔(幅)Mが、溝124を形成する第1の側壁124bと第2の側壁124cとの間の距離Nより少し小さく設定され、ティース基部150の端壁151と軸中心Pとの間の距離が、溝124を形成する底壁124aとの間の距離より少し長く設定されている。これにより、ティース基部150の外周側の部分は、ティース基部150の第1の側壁152および第2の側壁153が溝124を形成する第1の側壁124bおよび第2の側壁124cに隙間嵌めされ、ティース基部150の端壁151が溝124を形成する底壁124aに締り嵌めされる。
第1の部材120と第2の部材130が組み付けられると、周方向に隣接するティース部140、ヨーク部121および連結部170によって、固定子巻線が挿入されるスロットが形成される。
本実施形態では、ティース部140(スロット)が6個設けられている。
なお、回転子180としては、回転機100の型式に対応した回転子が用いられる。例えば、永久磁石埋込型電動機では、磁石挿入孔と磁石挿入孔に挿入された永久磁石を有する回転子が用いられる。
【0019】
なお、第1の部材120と第2の部材130を組み付けることにより、すなわち、ティース基部150の外周側の部分をヨーク部121の溝124に組み付けることにより応力が発生する。
連結部170の径方向に沿った長さ(幅)は、連結部170を介して磁束が流れるのを抑制する(漏れ磁束を抑制する)ために、短く設定される。
このため、連結部170の第2の連結壁172が直線状に延在している場合には、第2の部材130に発生する応力が連結部170に作用すると、第2の連結壁172がティース先端部160の内周壁163より軸中心P側(内周側)に飛び出るおそれがある。
本実施形態では、連結部170の第2の連結壁172が、径方向に沿って、軸中心Pと反対側に窪んでいる。これにより、応力が連結部170に作用した場合でも、第2の連結壁172の底壁172aがティース先端部160の内周壁163より軸中心P側に飛び出るのを防止することができる。
また、連結部170の第2の連結壁172が窪んでいるため、ティース先端部160の、連結部170付近の部分に作用する応力は、第2の連結壁172によって吸収され、低下する。
【0020】
本実施形態では、外周側に窪んでいる第2の連結壁172によってティース先端部160に作用する応力が低下するため、ティース先端部160の磁気抵抗の増大が抑制される。これにより、磁束が、ティース先端部の、連結部170付近の部分まで流れるようになり、回転機の出力の低下を抑制することができる。
本実施形態では、第2の連結壁172により形成される凹部の径方向に沿った長さ(深さ)D(mm)および周方向に沿った長さ(幅)L(mm)が、[D≧0.5G]、[L≧2G]を満足するように構成されている。なお、G(mm)は、回転子180の外周面181と固定子110の内周面(ティース先端部160の内周壁163)との間の間隙(エアギャップ)である。
第2の連結壁172により形成される凹部の深さDおよび幅Lをこのように設定することにより、連結部170に圧縮応力を集中させることができる。これにより、電磁鋼板により形成されている連結部170の透磁率が低下して磁気抵抗が増大するため、連結部170を介して磁束(漏れ磁束)が流れるのを効果的に抑制することができる。したがって、固定子巻線に流す電流を減少させることができ、回転機の効率を向上させることができる。
また、連結部170に圧縮応力を集中させることにより、ティース先端部160に圧縮応力がほとんど作用しなくなり、ティース先端部160の磁気抵抗の増大を効果的に抑制することができる。したがって、ティース先端部160の、連結部170付近まで磁束が流れることができるため、ティース先端部160を流れる磁束が増大し、単位体積当たりの出力密度を向上させることができる。
さらに、第2の連結壁により形成される凹部の深さDおよび長さLを、[D≧0.5G]、[L≧2G]を満足するように構成することにより、コギングトルクを低減することができ、コギングトルクに起因する騒音や振動を低減することができる。
【0021】
本発明の回転機の第2の実施形態200および本発明の固定子の第2の実施形態210が
図4に示されている。なお、
図4において、
図1に示されている構成要素に付された符号と3桁目以外が一致する符号が付されている構成要素は同等物を示している。
第2の実施形態の回転機200(第2の実施形態の固定子210)は、ティース部240(スロット)が9個設けられている点が第1の実施形態の回転機100(第1の実施形態の固定子110)と相違している。
【0022】
本発明の回転機の第3の実施形態300および本発明の固定子の第3の実施形態310が
図5に示されている。なお、
図5において、
図1に示されている構成要素に付された符号と3桁目以外が一致する符号が付されている構成要素は同等物を示している。
第3の実施形態の回転機300(第2の実施形態の固定子310)は、ティース部340(スロット)が12個設けられている点が第1の実施形態の回転機100(第1の実施形態の固定子110)と相違している。
【0023】
次に、ティース部(スロット)の数が6個、9個、12個である場合における、ティース部140の中心線Tとティース先端部160の第1の外周壁161(第2の外周壁162)の延在方向(延在線)により形成される角度θ(以下、単に「角度θ」という)と回転機の効率との関係を、
図6〜
図8を参照して説明する。
なお、
図6〜
図8では、横軸は角度θ(度)を示し、左側の縦軸は回転機の効率(%)を示し、右側の縦軸はスロット断面積(mm
2)を示している。また、実線は回転機の効率を示すグラフであり、破線はスロット断面積を示すグラフである。
ここで、前述したように、連結部の径方向に沿った厚さや周方向に沿った長さ等は、連結部を介する磁束の量(漏れ磁束の量)を抑制しながら、応力に対する強度を確保することができるように設定される。すなわち、連結部の厚さや長さ等はあらかじめ定められる。したがって、
図6〜
図8に示されているグラフは、
図3に示されているように、ティース先端部160の第1の外周壁161を、連結部170の第1の連結壁171の他方側の端部171Bを中心に回転させることによって、あるいは、ティース先端部160の第2の外周壁162を、連結部170の第1の連結壁171の一方側の端部171Aを中心に回転させることによって角度θを変更した場合のものである。
例えば、第1の外周壁161(第2の外周壁162)が
図3に実線で示されている位置に配置された場合の角度θは、第1の外周壁161(第2の外周壁162)が
図3に破線で示されている位置に配置された場合の角度θより大きい。すなわち、第1の外周壁161を第1の連結壁171の他方側の端部171Bを中心に反時計回り方向(他方方向)に回転させるほど角度θが大きくなる。また、第2の外周壁162を第1の連結壁171の一方側の端部171Aを中心に時計回り方向(一方方向)に回転させるほど角度θが大きくなる。
【0024】
図6には、ティース(あるいはスロット)の数が6個である回転機(例えば、
図1に示されている回転機100)について、角度θに対する効率とスロット断面積の関係を示すグラフが示されている。
図7には、ティース(あるいはスロット)の数が9個である回転機(例えば、
図4に示されている回転機200)について、角度θに対する効率とスロット断面積の関係を示すグラフが示されている。
図8には、ティース(あるいはスロット)の数が12個である回転機(例えば、
図5に示されている回転機300について、角度θに対する効率とスロット断面積の関係を示すグラフが示されている。
【0025】
図6〜
図8に示されているグラフから、スロット断面積は、角度θが増加するにしたがって増加していることが分かる。
また、効率は、角度θが小さい領域では、角度θが増加するに従って上昇し、角度θが大きい領域では、角度θが増加するにしたがって低下し、中間領域では、角度θが増加しても効率は大きく変動していないことが分かる。
これは、以下の理由による。
角度θが小さくてスロット断面積が小さい場合には、スロット内に設定巻数の固定子巻線を挿入するためには、径の小さい固定子巻線を使用する必要がある。径の小さい固定子巻線の抵抗は径が大きい固定子巻線の抵抗より大きい。このため、径が小さい固定子巻線を用いる場合には、固定子巻線の抵抗が大きくなり、固定子巻線の損失が増大する。したがって、角度θが小さい領域では、角度θが増加するにしたがって、径の大きい固定子巻線を用いることができるようになる。これにより、固定子巻線の抵抗が小さくなり、固定子巻線の損失が低減して効率が向上する。
角度θが所定値に達すると、スロット内に所定径の固定子巻線を設定巻数挿入することができるようになるため、角度θが増大しても効率は大きく変化しない。
角度θがさらに増大すると、スロット断面積の増大にともなってティース先端部の径方向に沿った長さ(幅)が減少する。ティース先端部の径方向に沿った長さ(厚さ)が減少すると、ティース先端部の周方向に沿った端部(連結部付近)まで磁束が流れなくなる。このため、角度θが大きい領域では、角度θが増加するにしたがって効率が低下する。
【0026】
したがって、
図6に示されているグラフから、ティース部(スロット)が6個設けられている場合には、ティース部の中心線とティース先端部の第1の外周壁(第2の外周壁)の延在方向(延在線)により形成される角度θが[50度≦θ≦60度]を満足するように構成することにより、回転機の効率を高めることができることが理解できる。
また、
図7に示されているグラフから、ティース部(スロット)が9個設けられている場合には、ティース部の中心線とティース先端部の第1の外周壁(第2の外周壁)の延在方向(延在線)により形成される角度θが[50度≦θ≦70度]を満足するように構成することにより、回転機の効率を高めることができることが理解できる。
また、
図8に示されているグラフから、ティース部(スロット)が12個設けられている場合には、ティース部の中心線とティース先端部の第1の外周壁(第2の外周壁)の延在方向(延在線)により形成される角度θが[45度≦θ≦75度]を満足するように構成することにより、回転機の効率を高めることができることが理解できる。
【0027】
第1、第2および第3の実施形態の回転機100、200および300(第1、第2のおよび第3の実施形態の固定子110、120および310)では、直線状の第1の連結壁と外周側に窪んだ第2の連結壁を有する連結部を用いたが、他の構成の連結部を用いることもできる。
【0028】
図9に、第4の実施形態の回転機の固定子(第4の実施形態の固定子)を構成する第2の部材430の部分拡大図が示されている。
図9に示されている第2の部材430は、ティース基部450とティース先端部460により形成されるティース部440と、隣接するティース部440(ティース先端部460)を連結する連結部470を有している。
連結部470は、隣接するティース先端部460の第1の外周壁461と第2の外周壁462を連結する第1の連結壁471と、隣接するティース先端部460の内周壁463を連結する第2の連結壁472を有している。
第1の連結壁471は、軸中心P側(内周側)に窪んでいる曲線形状を有している。本実施形態では、第1の連結壁471は、円弧形状を有している。
第2の連結壁472は、第1の実施形態の第2の連結壁172と同様に、直線状の底壁472a、第1の側壁472bおよび第2の側壁472cを有し、外周側に窪んでいる凹部を形成している。
本実施形態では、第1の連結壁471が軸中心P側に窪んでいる曲線形状を有している(湾曲している)。これにより、連結部470の、第1の連結壁471の周方向中央の部分(スロット中心線Sと交差する部分)がより圧縮されるため、透磁率がより低下し、磁気抵抗がより増大する。一方、連結部470の、ティース先端部460側の部分は、引張応力が作用するため、透磁率が上昇し、磁気抵抗が減少する。これにより、ティース先端部460の、連結部470付近の部分の磁気抵抗がより減少し、磁束がティース先端部460の、連結部470付近の部分までより流れ易くなる。したがって、単位体積当たりの出力密度を向上させることができる。
図9に示されている連結部470を第1〜第3の実施形態の回転機(第1〜第3の固定子)に用いた場合も、第1〜第3の実施形態の回転機(第1〜第3の固定子)と同様の効果を有する。
【0029】
図10に、第5の実施形態の回転機の固定子(第4の実施形態の固定子)を構成する第2の部材530の部分拡大図が示されている。
図10に示されている第2の部材530の連結部570は、隣接するティース先端部560の第1の外周壁561と第2の外周壁562を連結する第1の連結壁571と、隣接するティース先端部560の内周壁563を連結する第2の連結壁572を有している。
第1の連結壁571は、直線状に延在している底壁571a、第1の側壁571bおよび第2の側壁571cを有し、軸中心P側に窪んでいる凹部を形成している。
第2の連結壁572は、第1の実施形態の第2の連結壁172と同様に、直線状に延在している底壁572a、第1の側壁572bおよび第2の側壁572cを有し、外周側に窪んでいる凹部を形成している。
本実施形態では、第1の連結壁571により、軸中心P側(内周側)に窪んでいる凹部を形成するとともに、第2の連結壁572により、軸中心Pと反対側(外周側)に窪んでいる凹部を形成しているため、ティース先端部560の、連結部近くまで磁束が流れるのを抑制することができ、コギングトルクやトルク脈動を低減することができる。
図10に示されている連結部570を第1〜第3の実施形態の回転機(第1〜第3の固定子)に用いた場合も、第1〜第3の実施形態の回転機(第1〜第3の固定子)と同様の効果を有する。
【0030】
図11に、第6の実施形態の回転機の固定子(第4の実施形態の固定子)を構成する第2の部材630の部分拡大図が示されている。
図11に示されている第2の部材630の連結部670は、隣接するティース先端部660の第1の外周壁661と第2の外周壁662を連結する第1の連結壁671と、隣接するティース先端部660の内周壁663を連結する第2の連結壁672を有している。
第1の連結壁671は、軸中心P側(内周側)に窪んでいる曲線状に延在している。本実施形態では、第1の連結壁671は、円弧形状を有している。
第2の連結壁672は、曲線状に延在している底壁672a、直線状に延在している第1の側壁672bおよび第2の側壁672cを有し、軸中心Pと反対側(外周側)に窪んでいる凹部を形成している。第2の連結壁672を形成する底壁672aは、軸中心P側(内周側)に突出している曲線形状を有している。本実施形態では、第2の連結壁672の底壁672aは、第1の連結壁671の円弧形状と同じ曲率の円弧形状を有している。
なお、本実施形態では、第2の連結壁672により形成される凹部の径方向に沿った長さ(深さ)Dは、ティース先端部660の内周壁663の仮想延在線と底壁672aとの間の最小間隔である。
本実施形態では、第1の連結壁671が軸中心P側に窪んでいる曲線形状を有しているとともに、第2の連結壁672の底壁672aが、軸中心P側に突出している曲線形状を有している。これにより、連結部670の周方向中央の部分(スロット中心線Sと交差する部分)がより圧縮されるため、透磁率がより低下し、磁気抵抗がより増大する。一方、ティース先端部660の、連結部670付近の部分に作用する引張応力がより低下するため、ティース先端部660の、連結部670付近の部分の磁気抵抗がより減少し、磁束がティース先端部660の、連結部670付近の部分まで流れ易くなる。したがって、単位体積当たりの出力密度をより向上させることができる。
図11に示されている連結部670を第1〜第3の実施形態の回転機(第1〜第3の固定子)に用いた場合も、第1〜第3の実施形態の回転機(第1〜第3の固定子)と同様の効果を有する。
【0031】
第1〜第6の実施形態の回転機(第1〜第6の実施形態の固定子)では、直線状の底壁、第1の側壁および第2の側壁により形成される溝に、直線状の端壁、第1の側壁および第2の側壁により形成されるティース基部を組み付けたが、溝とティース基部の形状の組み合わせはこのような組み合わせに限定されない。以下に、溝とティース基部の形状の組み合わせを変更した他の実施形態を説明する。
なお、以下の実施形態の回転機(固定子)は、溝とティース基部の形状の組み合わせが第1の実施形態の回転機100(固定子110)と異なっているだけであるため、溝の形状とティース基部の形状のみを説明する。
【0032】
第7の実施形態の回転機700が
図12、
図13に示されている。なお、
図13には、第7の実施形態の回転機700で用いられている固定子710(第7の実施形態の固定子)の部分拡大図が示されている。
本実施形態では、ティース基部の第1の側壁および第2の側壁が溝を形成する壁に隙間嵌めされ、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされるように構成されている。
本実施形態の回転機700(固定子710)では、第1の部材720のヨーク部721に形成される溝724は、曲線状の底壁724aと、直線状の第1の側壁724bおよび第2の側壁724cにより形成されている。第1の側壁724bと第2の側壁724cは、周方向に沿って距離Nだけ離れた箇所に配置され、径方向に沿って直線状に延在している。底壁724aは、第1の側壁724bおよび第2の側壁724cの、軸中心Pと反対側(外周側)の端部間に配置され、軸中心Pと反対側(外周側)に窪んでいる曲線状に延在している。
また、ティース基部750は、曲線状の端壁751と、直線状の第1の側壁752および第2の側壁753cを有している。第1の側壁752および第2の側壁753は、周方向に沿って距離Mだけ離れた箇所に、径方向に沿って直線状に延在している。端壁751は、第1の側壁752および第2の側壁753の、軸中心Pと反対側(外周側)の端部間に配置され、軸中心Pと反対側(外周側)に突出している曲線状に延在している。
本実施形態では、ティース基部750の第1の側壁752と第2の側壁753との間隔(幅)Mが、溝724の第1の側壁724bと第2の側壁742cとの間の間隔(幅)Nより少し小さく設定されている([M<N])とともに、端壁751と軸中心Pとの間の距離が、溝724の底壁724aと軸中心Pとの間の距離より少し長く(大きく)設定されている。また、溝724の底壁724aとティース基部750の端壁751は、同じ曲率半径の円弧形状を有している。
本実施形態では、溝724の底壁724aとティース基部750の端壁751が同じ曲率半径の円弧形状に形成されているため、ティース基部750の端壁751を溝724の底壁724aに容易に締り嵌めすることができる。
なお、溝724の底壁724aとティース基部750の端壁751は、それぞれ異なる曲線状に延在するように形成することもできる。
【0033】
第8の実施形態の回転機800が
図14、
図15に示されている。なお、
図15には、第8の実施形態の回転機800で用いられている固定子810(第8の実施形態の固定子)の部分拡大図が示されている。
本実施形態では、ティース基部の第1の側壁および第2の側壁が溝を形成する壁に隙間嵌めされ、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされるように構成されている。
本実施形態の回転機800(固定子810)では、第1の部材820のヨーク部821に形成される溝824は、第1の実施形態の溝124と同様に、直線状の底壁824a、第1の側壁824bおよび第2の側壁824cにより形成されている。
また、ティース基部850は、第1の実施形態のティース基部150と同様に、直線状の端壁851、第1の側壁852および第2の側壁853を有しているが、本実施形態では、端壁851と第1の側壁852との接続部および端壁851と第2の側壁853との接続部が曲線状に形成されている。
本実施形態では、ティース基部850の端壁851と第1および第2の側壁852および853との接続部が曲線状に形成されているため、ティース基部850の外周側の部分を容易に溝824に挿入することができる。
【0034】
第9の実施形態の回転機900が
図16、
図17に示されている。なお、
図17には、第9の実施形態の回転機900で用いられている固定子910(第9の実施形態の固定子)の部分拡大図が示されている。
本実施形態では、ティース基部の第1の側壁および第2の側壁が溝を形成する壁に隙間嵌めされ、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされるように構成されている。
本実施形態の回転機900(固定子910)では、第1の部材920のヨーク部921に形成される溝924は、曲線状の底壁924aにより形成されている。底壁924aは、軸中心Pと反対側(外周側)に窪んでいる曲線状に延在している。
また、ティース基部950は、曲線状の端壁951と、直線状の第1の側壁952および第2の側壁953を有している。第1の側壁952および第2の側壁953は、周方向に沿って距離Mだけ離れた箇所に、径方向に沿って直線状に延在している。端壁951は、第1の側壁952および第2の側壁953の、軸中心Pと反対側(外周側)の端部間に配置され、軸中心Pと反対側(外周側)に突出している曲線状に延在している。
本実施形態では、ティース基部950の第1の側壁952と第2の側壁953の間隔(幅)Mが、溝724の開口径Nより少し小さく設定されている([M<N])とともに、端壁951と軸中心Pとの間の最大距離が、溝924の底壁924aと軸中心Pとの間の最大距離より少し大きく設定されている。また、溝924の底壁924aとティース基部950の端壁951は、同じ曲率半径の円弧形状を有している。
本実施形態では、溝924が円弧形状の底壁924aにより形成されているため、溝924の開口を大きくすることができる。これにより、ティース基部950の外周側の部分を容易に溝924に挿入することができる。また、溝924の底壁924aとティース基部950の端壁951が同じ曲率半径の円弧形状に形成されているため、ティース基部950の端壁951を溝924の底壁924aに容易に締り嵌めすることができる。
なお、溝924の底壁924aとティース基部950の端壁951は、それぞれ異なる曲線形状に形成することもできる。
【0035】
第10の実施形態の回転機1000(第10の実施形態の固定子1010)が
図18に示されている。
本実施形態では、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされ、ティース基部の第1の側壁および第2の側壁が、溝を形成する壁に隙間嵌めされるように構成されている。
本実施形態の回転機1000(固定子1010)では、第1の部材1020のヨーク部1021に形成される溝1024は、直線状の底壁1024a、第1の側壁1024bおよび第2の側壁1024cにより形成されている。また、ティース基部1050は、直線状の端壁1051、第1の側壁1052および第2の側壁1053を有している。
本実施形態では、ティース基部1050の第1の側壁1052と第2の側壁1053との間隔(幅)Mが、溝1024を形成する第1の側壁1024bと第2の側壁1024cとの間隔(幅)Nより少し大きく設定されている([M>N])とともに、ティース基部1050の端壁1051と軸中心Pとの間の距離が、溝1024を形成する底壁1024aと軸中心Pとの間の距離より少し小さく設定されている。
本実施形態では、ティース基部1050の間隔Mが溝1024の幅Nより大きい寸法でティース基部1050の外周側部分が溝1024に挿入されるので、ティース基部1050が圧縮され、端壁1051と軸中心Pの方向(径方向)に引張応力が発生する。ティース基部1050を構成する電磁鋼板は、圧縮応力が作用すると透磁率が大きく低下するが、引張応力が作用した場合には透磁率の低下は小さい。これにより、ヨーク部1021からティース基部1050を介してティース部1040に多くの磁束を流し込むことができ、回転子1080にも多くの磁束を流し込むことができるので、回転機のトルク定数を向上させることができる。さらに、端壁1051と軸中心Pの方向(径方向)に引張応力が発生することにより、連結部1070に安定した30MPa〜100MPa程度の圧縮応力を加えることができ、連結部1070を介して磁束(漏れ磁束)が流れるのを防止することができる。
【0036】
第11の実施形態の回転機1100(第11の実施形態の固定子1110)が
図19に示されている。
本実施形態では、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされ、ティース基部の第1の側壁および第2の側壁が、溝を形成する壁に隙間嵌めされるように構成されている。
本実施形態の回転機1100(固定子1110)では、第1の部材1120のヨーク部1121に形成される溝1124は、曲線状の底壁1124aと直線状の第1の側壁1124bおよび第2の側壁1124cにより形成されている。底壁1124aは、軸中心Pと反対側(外周側)に窪んでいる曲線状に延在している。また、ティース基部1150は、曲線状の端壁1151と直線状の第1の側壁1152および第2の側壁1153を有している。端壁1151は、軸中心Pと反対側(外周側)に突出している曲線状に延在している。
本実施形態では、ティース基部1150の第1の側壁1152と第2の側壁1153との間隔(幅)Mが、溝1124を形成する第1の側壁1124bと第2の側壁1124cとの間隔(幅)Nより少し大きく設定されている([M>N])とともに、ティース基部1150の端壁1151と軸中心Pとの間の最大距離が、溝1124を形成する底壁1124aと軸中心Pとの間の最大距離より少し小さく設定されている。
本実施形態では、第10の実施形態と同様の効果を有している。また、ティース基部1150の曲線状の端壁1151と溝1124の曲線状の底壁1124aとの隙間が非常に小さいので、磁気抵抗が大きく増加することなく磁束を流すことができる。また、本実施形態では、ヨーク部1121とティース部1140間を流れる磁束の磁路面積を大きく確保することができるので、磁気抵抗をより低減することができる。
【0037】
第12の実施形態の回転機1200(第12の実施形態の固定子1210)が
図20に示されている。
本実施形態では、ティース基部の端壁が、溝を形成する壁に締り嵌めされ、ティース基部の第1の側壁および第2の側壁が、溝を形成する壁に隙間嵌めされるように構成されている。
本実施形態の回転機1200(固定子1210)では、第1の部材1220のヨーク部1221に形成される溝1224は、直線状の底壁1224a、第1の側壁1224bおよび第2の側壁1224cにより形成されている。また、ティース基部1250は、直線状の端壁1251、第1の側壁1252および第2の側壁1253を有しているが、端壁1251と第1の側壁1252および第2の側壁1253との接続部が曲線状に形成されている。
本実施形態では、ティース基部1250の第1の側壁1252と第2の側壁1253との間隔(幅)Mが、溝1224を形成する第1の側壁1224bと第2の側壁1224cとの間隔(幅)Nより少し大きく設定されている([M>N])とともに、ティース基部1250の端壁1251と軸中心Pとの間の距離が、溝1224を形成する底壁1224aと軸中心Pとの間の距離より少し小さく設定されている。
本実施形態では、第10の実施形態と同様の効果を有している。また、ティース基部1250の端壁1251と第1の側壁1252および第2の側壁1253との接続部が角状に形成されている場合には、寸法公差が大きくなると角部付近から異常な応力が発生し、固定子の内径寸法が変化するおそれがある。本実施形態では、ティース基部1250の端壁1251と第1の側壁1252および第2の側壁1253との接続部が曲線状に形成されている。これにより、寸法公差を大きくしても安定した応力が発生するため、固定子の内径寸法が変化するのを防止することができる。
【0038】
本発明は、詳細な説明に記載した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
第1の部材と第2の部材を組み付ける方法は、締り嵌めに限定されず、種々の組み付け方法を用いることができる。
第1の部材や第2の部材の形状は、種々変更可能である。
連結部の構成は、種々変更可能である。例えば、直線状の第1の連結壁と直線状の第2の連結壁を有する連結部を用いることもできる。
実施形態で説明した構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
本発明の回転機は、種々の型式の回転機として構成することができる。
本発明の固定子は、種々の回転機に用いることができる。
【0039】
なお、本発明は、以下のように構成することができる。
特許文献1に開示されている分割構造の固定子では、第1の部材と第2の部材を組み付ける方法としては、ティース基部の外周側の部分を、ティース部分の外周側の部分の側壁及び端壁が締り締めされるように、ヨーク部に形成された溝に挿入する方法が用いられている。
このため、従来の分割構造の固定子では、第1の部材と第2の部材の組み付け作業が面倒であった。
本発明は、第1の部材と第2の部材が組み付けられて構成される固定子において、第1の部材と第2の部材の組み付け作業を容易とする技術を提供することを目的とする。
本発明は、
「第1の部材と第2の部材が組み付けられて構成される回転機の固定子であって、
前記第1の部材は、軸中心を通る軸中心線に直交する方向から見て、周方向に沿って延在しているとともに、軸中心側が開口している複数の溝が形成されているヨーク部を有し、
前記第2の部材は、前記軸中心線に直交する方向から見て、径方向に沿って延在するティース基部および前記ティース基部の前記軸中心側に連設され、周方向に沿って延在するティース先端部により形成される複数のティース部と、周方向に隣接する前記ティース部の前記ティース先端部を連結する複数の連結部を有し、
前記ティース基部は、前記軸中心を通るティース部の中心線を挟んで周方向に沿った一方側および他方側に配置され、径方向に沿って延在する第1の側壁および第2の側壁と、前記第1の側壁および第2の側壁の、前記軸中心と反対側の端部間に配置され、周方向に沿って延在する端壁を有し、
前記ティース先端部は、前記ティース基部の前記第1の側壁の、前記軸中心側の端部から周方向に沿って前記一方側に延在する第1の外周壁と、前記ティース基部の前記第2の側壁の、前記軸中心側の端部から周方向に沿って前記他方側に延在する第2の外周壁と、前記第1の外周壁および前記第2の外周壁より径方向に沿って前記軸中心側に配置され、周方向に沿って延在する内周壁を有し、
前記連結部は、当該連結部より周方向に沿った前記一方側に配置されている前記ティース先端部の前記第2の外周壁と当該連結部より周方向に沿った前記他方側に配置されている前記ティース先端部の前記第1の外周壁を連結する第1の連結壁と、当該連結部より周方向に沿った前記一方側および前記他方側に配置されている前記ティース先端部の前記内周壁を連結する第2の連結壁を有し、
前記ティース基部と前記溝は、前記第1の側壁および前記第2の側壁が前記溝を形成する壁に締り嵌めされるとともに、前記端壁が前記溝を形成する壁に隙間嵌めされるように、あるいは、前記第1の側壁および前記第2の側壁が前記溝を形成する壁に隙間嵌めされるとともに、前記端壁が前記溝を形成する壁に締り嵌めされるように構成されていることを特徴とする固定子。」
として構成される。
【符号の説明】
【0040】
100、200、300、700、800、900、1000、1100、1200 回転機
110、210、310、710、820、920、1020、1120、1220 固定子
120、220、320、720、820、920、1020、1120、1220 第1の部材
121、221、321、721、821、921、1021、1121、1221 ヨーク部
122 外周面
123 内周面
124、724、824、924 溝
124a、724a、824a、924a、1024a、1124a、1124a、1224a 底壁
124b、124c、724b、724c、824b、824c、1024b、1024c、1124b、1124c、1124b、1124c、1224b、1224c 側壁
130、230、330、430、530、630、730、830、930、1030、1130、1230 第2の部材
140、240、340、440、540、640、740、840、940、1040、1140、1240 ティース部
150、250、350、450、550、650、750、850、950、1050、1150、1250 ティース基部
151、451、551、651、751、851、951、1051、1151、1251 端壁
152、153、452、453、552、553、652、653、752、753、852、853、952、953、1052、1053、1152、1153、1252、1253 側壁
160、260、360、460、560、660、760、860、960、1060、1160、1260 ティース先端部
161、162、461、462、561、562、661、662、761、762、861、862、961、962 外周壁
163、463、563、663、763 内周壁
170、270、370、470、570、670、770、870、970、1070、1170、1270 連結部
171、471、571、671、771、871、971 第1の連結壁
172、472、572、672、772、872、972 第2の連結壁
172a、472a、571a、572a、672a、772a、872a、972a 底壁
172b、172c、472b、472c、571b、571c、572b、572c、672b、672c、772b、772c、872b、872c、972b、972c 側壁
180、280、380、780、880、980、1080、1180、1280 回転子
190、290、390、790、890、990、1090、1190、1290 回転軸