(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のタッチ検出モードにおいて、前記タッチ検出電極と前記駆動電極との間の相互静電容量により、前記第1の領域の前記タッチ検出電極への導体の接触または近接を検出し、
前記第2のタッチ検出モードにおいて、前記タッチ検出電極の自己静電容量により、前記第2の領域への導体の接触または近接を検出する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のタッチ検出装置。
前記第2のタッチ検出モードにおいて、前記タッチ検出電極は、前記重畳電極と、前記重畳電極と重畳する前記タッチ検出電極との静電容量を介して前記第2の領域への導体の接触または近接を検出する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のタッチ検出装置。
前記第1のタッチ検出モードにおいて、前記第1の領域に接触または近接する導体を検出するタッチ検出動作と、画像信号に基づいて、前記画素電極と前記駆動電極との間に表示用駆動電圧を印加して前記表示機能層の画像表示機能を発揮させる表示動作とが、時分割で行われる請求項14に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
基板と、前記基板と平行な面上、かつ、画像が表示される第1の領域内に配置される複数の駆動電極と、前記駆動電極との間に静電容量を形成する複数のタッチ検出電極と、を有し、複数の前記タッチ検出電極の内、少なくとも1つのタッチ検出電極が、前記第1の領域に配置される第1の部分と、前記第1の領域に隣接する第2の領域に配置される第2の部分とを含むタッチ検出装置の表面側に配置されるカバー部材であって、
カバー基板と、
前記カバー基板と平行な面上であって、平面視で前記タッチ検出電極の前記第2の部分がある位置に配置された重畳電極と、を有するカバー部材。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置を適用したスマートフォンの外観を示す図である。
図1に示すように、スマートフォン100は、表示領域101aと、額縁領域101bとを有する。表示領域101aは、画像、文字等を表示するとともに、2D(2次元)のタッチ検出を行うことができる。表示領域101aは、タッチ検出領域を兼ねている。また、額縁領域101bは、表示領域101aの周囲に隣接して設けられている。額縁領域101bに、0D(0次元、オン、オフ)のタッチ検出を行うことができる0Dボタン(以下、単に「ボタン」という)102a〜102cが配置されている。例えば、ボタン102aは、1つ前の画面を表示する「戻るボタン」、ボタン102bは、ホーム画面を表示する「ホームボタン」、ボタン102cは、メニュー画面を表示する「メニューボタン」である。表示領域101aにおける画像表示及びタッチ検出は、後述する本実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置により実現される。また、ボタン102a〜102cのタッチ検出も、後述する本実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置により実現される。
【0013】
なお、ここでは2Dのタッチ検出とは、タッチ位置の座標を判別することを意味し、0Dのタッチ検出とは、タッチの有無のみの判別を意味している。また、ボタン102a〜102cの数は3個に限らず、1又は2個でも良いし、4個以上でも良い。ボタン102a〜102cは、表示領域101aの下側の額縁領域101bに配置されているが、表示領域101aの上側に配置されていてもよく、左側又は右側に配置されていてもよい。
【0014】
図2は、第1の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を示すブロック図である。タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出部40とを備えている。タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10がタッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いている表示パネル20と、タッチ入力を検出するタッチ検出装置であるタッチパネル30とを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置である。なお、タッチ検出機能付き表示部10は、表示パネル20の上にタッチパネル30を装着した、いわゆるオンセルタイプの装置であってもよい。なお、表示パネル20は、例えば、有機EL表示パネルであってもよい。
【0015】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
【0016】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の、後述する各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。
【0017】
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の、後述する駆動電極COMLに第1の駆動信号Vcomを供給する回路である。
【0018】
表示パネル20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行う表示素子である。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、及びタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0019】
タッチパネル30は、2Dのタッチ検出を行うタッチ部30aと、0Dのタッチ検出を行うボタン部30bと、を有する。タッチ部30aは、平面視において(タッチ検出機能付き表示部10の主面に垂直な方向からみて)、表示パネル20の表示領域に重畳されている。ボタン部30bはタッチ部30aと隣接して配置されており、平面視において、表示パネル20の表示領域外、例えば額縁領域に配置されている。
【0020】
タッチパネル30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、相互静電容量方式にてタッチ検出を行う第1のタッチ検出モードと、自己容量方式にてタッチ検出を行う第2のタッチ検出モードとを有する。タッチ部30aに対するタッチ入力の有無は、第1のタッチ検出モード(相互静電容量方式)で検出を行い、ボタン部30bに対するタッチ入力の有無は第2のタッチ検出モード(自己静電容量方式)で検出を行う。
【0021】
タッチパネル30は、タッチ部30aに対するタッチ入力がある場合に第1のタッチ検出信号Vdet1を出力し、タッチ検出部40に第1のタッチ検出信号Vdet1が供給される。また、タッチパネル30は、ボタン部30bに対するタッチ入力がある場合に第2のタッチ検出信号Vdet2を出力し、タッチ検出部40に第2のタッチ検出信号Vdet2が供給される。
【0022】
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチパネル30から供給された第1のタッチ検出信号Vdet1及び第2のタッチ検出信号Vdet2に基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する回路である。また、タッチ検出部40は、タッチがある場合においてタッチ部30aにおけるその座標などを求める。このタッチ検出部40は、タッチ検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを備えている。タッチ検出部40は、さらにX検出部47と、X駆動ドライバ48と、A/D変換部49とを備える。
【0023】
上述のとおり、タッチパネル30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作する。ここで、
図3〜
図7を参照して、本実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1の第1のタッチ検出モードにおける相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。
図3は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。
図4は、
図3に示す指が接触または近接していない状態の等価回路の例を示す説明図である。
図5は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接した状態を表す説明図である。
図6は、
図5に示す指が接触または近接した状態の等価回路の例を示す説明図である。
図7は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。なお、以下の説明では、指が接触または近接する場合を説明するが、指に限られず、導体を含むスタイラスペン等の装置であってもよい。
【0024】
例えば、
図3に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えている。
図4に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器(タッチ検出部)DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば
図2に示すタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
【0025】
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、
図7に示すような出力波形(第1のタッチ検出信号Vdet1)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、駆動電極ドライバ14から入力される第1の駆動信号Vcomに相当するものである。
【0026】
指が接触(または近接)していない状態(非接触状態)では、
図3及び
図4に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I
0が流れる。
図4に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
0の変動を電圧の変動(実線の波形V
0(
図7参照))に変換する。
【0027】
一方、指が接触(または近接)した状態(接触状態)では、
図5に示すように、指によって形成される静電容量C2が、タッチ検出電極E2と接しているまたは近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子C1の容量値よりも容量値の小さい容量素子C1’として作用する。そして、
図6に示す等価回路でみると、容量素子C1’に電流I
1が流れる。
図7に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
1の変動を電圧の変動(点線の波形V
1)に変換する。この場合、波形V
1は、上述した波形V
0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部から近接する導体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
【0028】
図2に示すタッチパネル30は、駆動電極ドライバ14から供給される第1の駆動信号Vcomに従って、1検出ブロックずつ順次走査して、相互静電容量方式によりタッチ部30aにおけるタッチ検出を行うようになっている。
【0029】
タッチパネル30は、複数の後述するタッチ検出電極TDLから、
図4または
図6に示す電圧検出器DETを介して、検出ブロック毎に第1のタッチ検出信号Vdet1を出力し、タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42に供給するようになっている。
【0030】
タッチ検出信号増幅部42は、相互静電容量方式のタッチ検出により、タッチパネル30から供給される第1のタッチ検出信号Vdet1を増幅する。なお、タッチ検出信号増幅部42は、第1のタッチ検出信号Vdet1に含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去して出力する低域通過アナログフィルタであるアナログLPF(Low Pass Filter)を備えていてもよい。
【0031】
A/D変換部43は、第1の駆動信号Vcomに同期したタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。
【0032】
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、第1の駆動信号Vcomをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、指による検出信号の差分のみ取り出す処理を行う。この指による差分の信号は、上述した波形V
0と波形V
1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。信号処理部44は、検出した指による差分の信号を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧未満であれば、外部近接導体が非接触状態であると判断する。一方、信号処理部44は、検出したデジタル電圧を所定の閾値電圧と比較し、しきい値電圧以上であれば、外部近接導体の接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出部40はタッチ検出が可能となる。
【0033】
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、タッチパネル座標を検出信号出力Voutとして出力する。
【0034】
次に、
図8〜
図10を参照して、本実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1の第2のタッチ検出モードにおける自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。
図8は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。
図9は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接した状態を表す説明図である。
図10は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。なお、
図8及び
図9は、検出回路を併せて示している。
【0035】
図8に示すように、指が接触または近接していない状態において、タッチ検出電極E2に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加される。タッチ検出電極E2は、静電容量C3を有しており、静電容量C3に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(実線の波形V
4(
図10参照))に変換する。
【0036】
次に、
図9に示すように、指が接触または近接した状態において、指とタッチ検出との間の静電容量C4が、タッチ検出電極E2の静電容量C3に加わる。したがって、タッチ検出電極E2に交流矩形波Sgが印加されると、静電容量C3及びC4に応じた電流が流れる。
図10に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(点線の波形V
5)に変換する。そして、得られた波形V
4及び波形V
5の電圧値をそれぞれ積分し、これらの値を比較することで、タッチ検出電極E2への、指の接触または近接の有無を判別することができる。なお、
図10では、波形V
2と波形V
3について、所定の基準電圧に低下するまでの期間を求めて、これらの期間を比較する等の方法であってもよい。
【0037】
具体的には、
図8及び
図9に示すように、タッチ検出電極E2はスイッチSW1及びスイッチSW2で切り離すことが可能な構成となっている。
図10において、時刻T
01のタイミングで交流矩形波Sgは電圧V
0に相当する電圧レベルを上昇させる。このときスイッチSW1はオンしておりスイッチSW2はオフしている。このためタッチ検出電極E2も電圧V
0の電圧上昇となる。次に時刻T
11のタイミングの前にスイッチSW1をオフとする。このときタッチ検出電極E2はフローティング状態であるが、タッチ検出電極の容量C3(
図8参照)、あるいはタッチ検出電極の容量C3に指等の接触または近接よる容量C4を加えた容量(C3+C4、
図9参照)によって、タッチ検出電極E2の電位はV
0が維持される。更に、時刻T
11のタイミングの前にスイッチSW3をオンさせ所定の時間経過後にオフさせ電圧検出器DETをリセットさせる。このリセット動作により出力電圧はVrefと略等しい電圧となる。
【0038】
続いて、時刻T
11のタイミングでスイッチSW2をオンさせると、電圧検出器DETの反転入力部がタッチ検出電極E2の電圧V
0となり、その後、タッチ検出電極E2の容量C3(またはC3+C4)と電圧検出器DET内の容量C5の時定数に従って電圧検出器DETの反転入力部は基準電圧Vrefまで低下する。このとき、タッチ検出電極E2の容量C3(またはC3+C4)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の容量C5に移動するため、電圧検出器DETの出力が上昇する(Vdet2)。電圧検出器DETの出力(Vdet2)は、タッチ検出電極E2に指等が近接していないときは、実線で示す波形V
4となり、Vdet2=C3・V
0/C5となる。指等の影響による容量が付加されたときは、点線で示す波形V
5となり、Vdet2=(C3+C4)・V
0/C5となる。その後、タッチ検出電極E2の容量C3(またはC3+C4)の電荷が容量C5に十分移動した後の時刻T31のタイミングでスイッチSW2をオフさせ、スイッチSW1及びスイッチSW3をオンさせることにより、タッチ検出電極E2の電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。なお、このとき、スイッチSW1オンさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T
02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETをリセットさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T
12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)で繰り返す。波形V
4と波形V
5との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することができる。なお、タッチ検出電極E2の電位は、
図10に示すように、指等が近接していないときはV
2の波形となり、指等の影響によるC4が付加されるときはV
3の波形となる。波形V
2と波形V
3とが、それぞれ所定の電圧V
THまで下がる時間を測定することにより外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することも可能である。
【0039】
図2に示すタッチパネル30は、X駆動ドライバ48から供給される第2の駆動信号Vxに従って、複数の後述するタッチ検出電極TDLに電荷が供給され、自己静電容量方式により、ボタン部30bにおけるタッチ検出を行う。
【0040】
タッチパネル30は、複数の後述するタッチ検出電極TDLから、
図8または
図9に示す電圧検出器DETを介して、第2のタッチ検出信号Vdet2を出力する。第2のタッチ検出信号Vdet2は、タッチ検出部40のX検出部47に供給される。
【0041】
A/D変換部49は、X検出部47から入力された信号をA/D変換して、信号処理部44に出力する。信号処理部44は、A/D変換部49の出力信号に基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、指による差分の電圧のみ取り出す処理を行う。信号処理部44は、検出した指による差分の電圧を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧以上であれば、外部から近接する外部近接導体の接触状態と判断し、しきい値電圧未満であれば、外部近接導体の非接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出部40は、第2のタッチ検出モードにおいて自己静電容量方式によるタッチ検出が可能となる。
【0042】
信号処理部44は、A/D変換部49からの出力信号と、A/D変換部43からの出力信号とを比較して、ボタン部30bに対するタッチの有無を検出してもよい。この場合、信号処理部44は、第1のタッチ検出信号Vdet1から得られた容量の差分と、第2のタッチ検出信号Vdet2から複数のタッチ検出電極TDLごとの容量の差分とを比較することで、ボタン部30bに対するタッチ検出の有無を判断する。また、信号処理部44は、第2のタッチ検出信号Vdet2から複数のタッチ検出電極TDLごとの容量の差分を求め、複数のタッチ検出電極TDL同士の容量の比較を行うことにより、ボタン部30bに対するタッチ検出の有無を判断してもよい。
【0043】
座標抽出部45は、信号処理部44においてボタン部30bに対するタッチが検出されたときに、ボタン102a〜102c(
図1参照)に対応する座標を求める論理回路である。本実施形態において、座標抽出部45はX座標を出力する。なお、X駆動ドライバ48は、相互静電容量方式によるタッチ検出動作の間は動作せず、電荷の供給を行わない。
【0044】
図11は、タッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。
図11に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、TFT基板21と、フレキシブルプリント基板Tとを備えている。TFT基板21は、COG(Chip On Glass)19Aを搭載し、表示パネル20(
図2参照)の表示領域101aと、表示領域101aを囲む額縁領域101bとが形成されている。COG19Aは、TFT基板21に実装されたICドライバのチップであり、
図2に示す制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13など、表示動作に必要な各回路を内蔵したものである。また、本実施形態において、駆動電極ドライバ14は、ガラス基板であるTFT基板21に形成してもよい。COG19A及び駆動電極ドライバ14は、額縁領域101bに設けられる。なお、COG19Aは、駆動電極ドライバ14を内蔵していてもよい。この場合、額縁領域101bを狭くすることが可能である。
【0045】
フレキシブルプリント基板Tは、表示領域101aの短辺側に設けられ、フレキシブルプリント基板Tの上にタッチIC110が実装されている。タッチIC110は、タッチ検出部40(
図2参照)を含む。タッチIC110は、並設された複数のタッチ検出電極TDLのそれぞれと接続されており、タッチ検出電極TDLのタッチ検出信号(上述した第1のタッチ検出信号Vdet1及び第2のタッチ検出信号Vdet2)が、タッチIC110に供給される。なお、フレキシブルプリント基板Tは、フレキシブルプリント基板に限られず、端子であればよい。この場合、モジュールの外部にタッチIC110が備えられる。
【0046】
図11に示すように、タッチ検出機能付き表示部10は、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLと、駆動電極COMLと立体交差するように形成されたタッチ検出電極TDLとが設けられている。駆動電極COMLは、表示領域101aの短辺に沿う方向に延出しており、タッチ検出電極TDLは、表示領域101aの長辺に沿う方向に延出している。駆動電極COML及びタッチ検出電極TDLは、表示領域101aと重畳する位置に設けられる。
【0047】
本実施形態において、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ部30aとボタン部30bとを有している。タッチ部30aは、表示パネル20(
図2参照)の表示領域101aと重畳する位置に設けられており、ボタン部30bは、額縁領域101bのボタン102a〜102c(
図1参照)と重畳する領域である。ボタン部30bは、表示領域101aの短辺側に隣接する額縁領域101bの部分であって、表示領域101aの短辺と平行方向に延在する領域である。
図11に示すように、タッチ検出電極TDLはそれぞれ、タッチ部30aにおいて延在する第1の部分TDL1Aと、第1の部分TDL1Aと連続しボタン部30bまで延在する第2の部分TDL1Bとを有する。第2の部分TDL1Bが、それぞれフレキシブルプリント基板Tに接続される。
【0048】
図11に示す、タッチ検出電極TDLa、TDLb、TDLcは、それぞれボタン102a〜102c(
図1参照)に対応する。つまり、タッチ検出電極TDLaは、ボタン102aに対応して「戻るボタン」のタッチ入力を検出し、タッチ検出電極TDLbは、ボタン102bに対応して「ホームボタン」のタッチ入力を検出し、タッチ検出電極TDLcは、ボタン102cに対応して「メニューボタン」のタッチ入力を検出する。
【0049】
本実施形態において、上述のように、タッチ部30aにおけるタッチ検出は、相互静電容量方式のタッチ検出で行われる。タッチ検出機能付き表示装置1は、駆動電極COMLに第1の駆動信号Vcomを順次供給することにより、1検出ラインずつ順次走査が行われ、タッチ検出電極TDLから第1のタッチ検出信号Vdet1が出力される。ボタン部30bにおけるタッチ検出は、自己静電容量方式のタッチ検出で行われる。タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出電極TDLに第2の駆動信号Vxを供給して、タッチ検出電極TDLの自己静電容量の変化を計測する。このため、ボタン部30bにおけるタッチ検出のための駆動電極COMLは、ボタン部30bに設けられていないため、TFT基板21の簡略化が可能である。
【0050】
図11に示すタッチ検出機能付き表示装置1は、上述した第1のタッチ検出信号Vdet1及び第2のタッチ検出信号Vdet2を、表示領域101aの短辺側から出力する。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、端子部であるフレキシブルプリント基板Tを介してタッチIC110に接続する際の配線の引き回しが容易になる。
【0051】
図12は、カバー部材の平面図である。
図12に示すようにカバー部材120は、カバーガラス121と、カバーガラス121のボタン部30bに設けられた複数の0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cとを有する。0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、
図11に示す、タッチ検出電極TDLa〜TDLcの一部と重畳して設けられる重畳電極である。また、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、それぞれ、ボタン102a〜102c(
図1参照)に対応する位置に配置されている。0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、ボタン部30bの、タッチ部30aに接する位置に設けられ、タッチ検出電極TDLと重畳する重畳部分51と、タッチ検出電極TDLと重畳しない部分52とを有する。なお、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、それぞれ平面視で矩形状であるが、これに限られず、円形状、多角形状など種々に変更してもよい。
【0052】
重畳部分51は、タッチ検出電極TDLの第2の部分TDL1B(
図11参照)と重畳する位置に設けられる。重畳部分51とタッチ検出電極TDLの第2の部分TDL1Bとが静電容量結合する。したがって、ユーザが面積の大きい0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cに対して入力操作を行うことで、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと指等との間に形成された静電容量が、重畳部分51を介してタッチ検出電極TDLの静電容量に付加される。これにより、ボタンタッチ入力の検出範囲を拡大することができ、検出感度を向上することができる。
【0053】
図11及び
図12に示すように、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、タッチ検出電極TDLの延在する方向と交差する方向において、複数のタッチ検出電極TDLが配列されるピッチよりも大きいピッチを有する。このため、複数のタッチ検出電極TDLの第2の部分TDL1Bは、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと重畳する第2の部分TDL1Bと、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと重畳しない第2の部分TDL1Bとを含む。よって、例えば、
図12に示す0D用タッチ検出電極TDL2aと、
図11に示すタッチ検出電極TDLaの第2の部分TDL1Bとが静電容量結合した場合において、0D用タッチ検出電極TDL2aと重畳しない第2の部分TDL1Bと、0D用タッチ検出電極TDL2aとの静電容量結合を抑制することができる。したがって、ボタンタッチ入力を行ったボタン102a〜102cに対応するタッチ検出電極TDLの検出精度が向上する。
【0054】
次に、タッチ検出機能付き表示部10の構成例を詳細に説明する。
図13は、第1の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の概略断面構造を表す断面図である。
図14は、第1の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示部の画素配列を表す回路図である。
【0055】
図13に示すように、タッチ検出機能付き表示部10は、画素基板2と、この画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。また、タッチ検出機能付き表示部10を保護する等の観点から、タッチ検出機能付き表示部10の表面に垂直な方向に対向して、カバー部材120が配置されている。
【0056】
画素基板2は、回路基板としてのTFT(Thin Film Transistor)基板21と、このTFT基板21上にマトリックス状に配設された複数の画素電極22と、TFT基板21及び画素電極22の間に形成された複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。
【0057】
対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。ガラス基板31の他方の面には、タッチパネル30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。なお、
図13ではフレキシブルプリント基板T及びタッチIC110(
図11参照)を省略して示している。
【0058】
カバー部材120は、タッチ検出機能付き表示装置1の最表面側に配置されており、カバーガラス121は、TFT基板21の表面の垂直方向において、TFT基板と対向する。カバーガラス121は、例えばガラス基板等である。カバーガラス121の裏面(タッチ検出機能付き表示部10側の面)には、遮光層122が設けられている。遮光層122は、額縁領域101b(
図12参照)に重畳する領域に設けられる。遮光層122の、タッチ検出機能付き表示部10側の面には、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cが形成されている。つまり、TFT基板21の表面の垂直方向において、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、タッチ検出電極TDLよりもTFT基板21から離れた位置に配置される。なお、
図13では、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cのうち、0D用タッチ検出電極TDL2aについて示している。0D用タッチ検出電極TDL2aは、タッチ検出電極TDLのタッチ部30bに延出する第2の部分TDL1Bと対向する。カバーガラス121が、最表面に配置されているため、ユーザが、指などを例えばボタン102aに接触又は近接させた場合に、指などと0D用タッチ検出電極TDL2aとの間に静電容量が形成され、0D用タッチ検出電極TDL2aを介してタッチ検出電極TDLの静電容量が変化する。0D用タッチ検出電極TDL2aは、ユーザの視線側からみて遮光層122の裏に隠れることになるので、ユーザから視認しづらくすることができる。また、0D用タッチ検出電極TDL2aは、遮光層122の裏面側に設けられるため、例えば銅(Cu)、銀(Ag)等の透光性を有しない金属材料を用いることができる。
【0059】
本実施形態によれば、カバーガラス121の裏面側に0Dボタン用の0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cを形成することで、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cを大きく形成することができる。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、ボタンタッチ入力の検出範囲を拡大することができ、検出感度が向上する。また、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出電極TDLと指、スタイラス等との間の距離を短縮することができるので、検出感度を向上することができ、スマートフォン100の操作性を向上することができる。
【0060】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた表示パネルが用いられる。なお、
図13に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
【0061】
図13に示すTFT基板21には、
図14に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ素子(以下、TFT素子)Tr、
図13に示す各画素電極22に画素信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。画素信号線SGL及び走査信号線GCLは、TFT基板21の表面と平行な平面に延在する。
【0062】
図14に示す表示パネル20は、マトリックス状に配列した複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、それぞれTFT素子Tr及び液晶素子LCを備えている。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソース又はドレインの一方は画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのソース又はドレインの他方に接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0063】
副画素SPixは、走査信号線GCLにより、表示パネル20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12(
図2参照)と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、画素信号線SGLにより、表示パネル20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13(
図2参照)と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。さらに、副画素SPixは、駆動電極COMLにより、同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14(
図2参照)と接続され、駆動電極ドライバ14より第1の駆動信号Vcomが供給される。つまり、この例では、同じ一行に属する複数の副画素SPixが一本の駆動電極COMLを共有するようになっている。
【0064】
図2に示すゲートドライバ12は、走査信号線GCLを順次走査するように駆動する。走査信号Vscan(
図2参照)が、走査信号線GCLを介して、副画素SPixのTFT素子Trのゲートに印加され、副画素SPixのうちの1水平ラインが表示駆動の対象として順次選択される。また、タッチ検出機能付き表示装置1は、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、その1水平ラインに対応する駆動電極COMLに対して第1の駆動信号Vcomを印加する。
【0065】
図13に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域を周期的に配列して、上述した
図14に示す各副画素SPixにR、G、Bの3色の色領域32R、32G、32Bが1組として画素Pixとして対応付けられている。カラーフィルタ32は、TFT基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、3色の組み合わせに限定されず、4色以上の組み合わせであってもよい。
【0066】
本実施形態に係る駆動電極COMLは、表示パネル20の駆動電極として機能するとともに、タッチパネル30の駆動電極としても機能する。
図15は、第1の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示部の駆動電極及びタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。タッチパネル30は、画素基板2に設けられた駆動電極COMLと、対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。
【0067】
駆動電極COMLは、
図15の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びるストライプ状の電極パターンから構成されている。そして、タッチ検出電極TDLは、TFT基板21の表面に対する垂直な方向において、駆動電極COMLと対向している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42及びX検出部47の入力にそれぞれ接続されるとともに、X駆動ドライバ48の出力に接続されている(
図2参照)。タッチ部30aにおいて、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせている。
【0068】
タッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料が用いられる。なお、タッチ検出電極TDL及び駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLは、櫛歯形状であってもよい。あるいはタッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLは、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
【0069】
この構成により、タッチパネル30では、相互静電容量方式のタッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14が駆動電極ブロックとして時分割的に順次走査するように駆動することにより、駆動電極COMLの1検出ブロックが順次選択される。そして、タッチ検出電極TDLから第1のタッチ検出信号Vdet1が出力されることにより、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極ブロックは、上述した静電容量方式のタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチパネル30はこの基本原理に従ってタッチ部30aにおけるタッチを検出するようになっている。
図15に示すように、タッチ部30aでは、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチパネル30のタッチ検出面(タッチ部30a)全体にわたって走査することにより、外部近接導体の接触または近接が生じた位置の検出が可能となっている。
【0070】
タッチパネル30では、自己静電容量方式のタッチ検出動作を行う際、複数のタッチ検出電極TDLに第2の駆動信号Vxがそれぞれ供給され、タッチ検出電極TDLから第2のタッチ検出信号Vdet2が出力される。
図15に示すように、タッチ検出電極TDLはそれぞれ、タッチ部30aに配置された第1の部分TDL1Aと、ボタン部30bに配置された第2の部分TDL1Bとを有する。ユーザがボタン102a〜102cに指等を接触または近接させた場合に、指等と第2の部分TDL1Bとの間に静電容量が形成され、タッチ検出電極TDLの静電容量が変化する。これにより、ボタン部30bにおけるタッチ検出が可能となっている。本実施形態において、タッチ検出電極TDLは、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2c(
図12、
図13参照)と、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと重畳するタッチ検出電極TDLとの間に形成される静電容量を介して、ボタン部30bに対する外部の導体の接触または近接を検出することができる。タッチ検出電極TDLは、上述した自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理におけるタッチ検出電極E2に対応する。タッチパネル30はこの基本原理に従ってボタン部30bにおけるタッチ入力を検出するようになっている。自己静電容量方式のタッチ検出において、X駆動ドライバ48は、複数のタッチ検出電極TDLに同時に第2の駆動信号Vxを供給してもよく、複数のタッチ検出電極TDLを時分割に順次選択して第2の駆動信号Vxを供給してもよい。
【0071】
次に、タッチ検出機能付き表示装置1の動作を詳細に説明する。
図16は、第1の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
図17は、第1の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置のタッチ検出動作を表すフローチャートである。
【0072】
図16は、タッチ検出機能付き表示装置1の1フレーム期間(1F)における動作を模式的に示した図である。1フレーム期間(1F)において、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)と表示期間Pd
n(n=1〜N)とが、時分割で交互に配置される。また、1フレーム期間(1F)において、表示期間Pd
Nのあとに、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2が配置される。タッチ検出機能付き表示装置1は、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)において、相互静電容量方式のタッチ検出動作を行い、表示期間Pd
n(n=1〜N)で1フレーム分の映像情報の表示動作が行われる。第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2では、自己容量方式のタッチ検出動作が行われる。
【0073】
タッチ部30aに存在する駆動電極COMLは、表示パネル20の共通駆動電極として機能するとともに、タッチパネル30の駆動電極としても機能するため、第1の駆動信号Vcomが互いに影響を及ぼす可能性がある。このため、駆動電極COMLは、表示動作を行う表示期間Pd
n(n=1〜N)と、相互静電容量方式のタッチ検出動作を行う第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)とに分けて第1の駆動信号Vcomが印加される。駆動電極ドライバ14は、表示動作を行う表示期間Pd
n(n=1〜N)においては表示駆動信号として第1の駆動信号Vcomを印加する。そして、駆動電極ドライバ14は、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)においてはタッチ駆動信号として第1の駆動信号Vcomを印加する。以下の説明では、表示駆動信号としての第1の駆動信号Vcomを、表示駆動信号Vcomdとして記載し、タッチ駆動信号としての第1の駆動信号Vcomを、タッチ駆動信号Vcomtとして記載する。
【0074】
なお、タッチ駆動信号Vcomtとしては交流矩形波形の信号を用いることができ、表示駆動信号Vcomdとしては、直流電圧信号を用いても良く交流矩形波形信号を用いても良い。
【0075】
図2、
図16、
図17を参照して、タッチ検出機能付き表示装置1の1フレーム期間(1F)における動作を説明する。まず、タッチ検出機能付き表示装置1のタッチ部30aの部分の動作について説明する。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdisp、垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、及びタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。ゲートドライバ12は、表示期間Pd
n(n=1〜N)において、表示パネル20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、表示期間Pd
n(n=1〜N)において、ゲートドライバ12により選択された1水平ラインを構成する各画素Pixに、画像信号Vpixを供給する。
【0076】
表示期間Pd
n(n=1〜N)では、駆動電極ドライバ14が1水平ラインに係る駆動電極ブロックに表示駆動信号Vcomd(Vcom)を印加し、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)では、駆動電極ドライバ14がタッチ検出動作に係る駆動電極ブロックに対してタッチ駆動信号Vcomt(Vcom)を順次印加し、1検出ブロックを順次選択する。タッチ検出機能付き表示部10は、表示期間Pd
n(n=1〜N)において、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、及び駆動電極ドライバ14により供給された信号に基づいて表示動作を行う。タッチ検出機能付き表示部10は、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)において、駆動電極ドライバ14により供給された信号に基づいて、相互静電容量方式のタッチ検出動作を行い(
図17、ST11)、タッチ検出電極TDLから第1のタッチ検出信号Vdet1を出力する。表示期間Pd
n(n=1〜N)と第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)とを、交互に時分割で全水平ライン分繰り返し、表示面全面にわたる走査により1フレーム(1F)分の表示動作を行うとともに、タッチ検出面(タッチ部30a)全面にわたる走査によりタッチ検出動作を行う。
【0077】
次に、タッチ検出機能付き表示装置1のボタン部30bの部分の動作について説明する。タッチ検出機能付き表示装置1のボタン部30bは、表示を行わないので、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2だけを行い、表示期間Pd
n(n=1〜N)を行わないようにすれば良い。つまり、タッチ検出機能付き表示部10は、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2において、タッチ検出部40のX駆動ドライバ48により供給された信号に基づいて、自己静電容量方式のタッチ検出動作を行い(
図17、ステップST12)、タッチ検出電極TDLから第2のタッチ検出信号Vdet2が出力される。
【0078】
第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)で、タッチ検出電極TDLから出力された第1のタッチ検出信号Vdet1は、タッチ検出信号増幅部42に供給される。タッチ検出信号増幅部42は、第1のタッチ検出信号Vdet1を増幅して出力する。A/D変換部43は、タッチ駆動信号Vcomt(Vcom)に同期したタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する(
図17、ステップST13)。
【0079】
信号処理部44において相互静電容量式のタッチ検出があったと判断された場合(
図17、ステップST13、Yes)、座標抽出部45は、タッチパネル座標を演算して求める(
図17、ステップST17)。座標抽出部45は、タッチパネル座標を検出信号出力Voutとして出力する(
図17、ステップST18)。そして、次の1フレーム期間(1F)の表示動作及びタッチ検出動作を実行する。信号処理部44においてタッチ検出が無かったと判断された場合(
図17、ステップST13、No)、信号処理部44は、ボタン部30bに対する入力があるかどうかを判断する。
【0080】
第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2で、タッチ検出電極TDLから出力された第2のタッチ検出信号Vdet2は、X検出部47に供給される。X検出部47は、第2のタッチ検出信号Vdet2を増幅する増幅器やアナログLPFを備えていてもよい。A/D変換部49は、X検出部47から入力された信号をA/D変換して信号処理部44に出力する。信号処理部44は、A/D変換部49の出力信号に基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する(
図17、ステップST14)。
【0081】
ここで、タッチ検出電極TDLから出力された第2のタッチ検出信号Vdet2は、タッチ部30aに対するタッチ入力による検出信号と、ボタン部30bに対するタッチ入力よる検出信号とを含む。そのため、信号処理部44において、タッチ検出があったと判断された場合(
図17、ステップST14、Yes)、信号処理部44は、タッチ部30aに対するタッチ操作であるか、ボタン部30bに対するタッチ操作であるかを判断する(
図17、ステップST15)。信号処理部44において、タッチ検出が無かったと判断された場合(
図17、ステップST14、No)、次の1フレーム期間(1F)の表示動作及びタッチ検出動作を実行する。
【0082】
図18は、ボタン部に対するタッチ入力が行われた場合の、自己静電容量方式によるタッチ検出結果を模式的に示すグラフである。
図18は、横軸に、複数のタッチ検出電極TDLに対応する位置(X座標)を示し、縦軸に第2のタッチ検出信号Vdet2から求められた各タッチ検出電極TDLの容量差分を示す。ここで、容量差分は、タッチ検出電極TDLに指が接触または近接していない場合と、指が接触または近接した場合との、タッチ検出電極TDLの容量成分の差を算出した値である。
図19は、ボタン部に対するタッチ入力が行われた場合の、相互静電容量方式によるタッチ検出結果を模式的に示すグラフである。
図19に示すグラフは、x軸は、複数のタッチ検出電極TDLに対応する位置(タッチ部30aのX座標)であり、y軸は、複数の駆動電極COMLに対応する位置(タッチ部30aのY座標)であり、z軸は、タッチ検出電極TDLと駆動電極COMLとの交点における容量差分を示す。
図20は、タッチ部に対するタッチ入力操作が行われた場合の、自己静電容量方式によるタッチ検出結果を模式的に示すグラフである。
図21は、タッチ部に対するタッチ入力操作が行われた場合の、相互静電容量方式によるタッチ検出結果を模式的に示すグラフである。
【0083】
図18に示すように、ボタン部30bに対するタッチ操作が行われた場合、指が接触または近接したタッチ検出電極TDL(m)において容量差分の大きなピークが現れ、タッチ検出電極TDL(m)に隣り合うタッチ検出電極TDL(m−1)及びタッチ検出電極TDL(m+1)では、容量差分が小さい値となっている。タッチ検出電極TDL(m)は、
図12に示す0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cのいずれかと静電容量結合して、タッチ入力により自己静電容量が変化し大きな容量差分となる。これに対し、タッチ検出電極TDL(m)と隣り合うタッチ検出電極TDL(m−1)及びタッチ検出電極TDL(m+1)は、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと重畳しないため、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cとの静電容量結合が抑制され、自己静電容量の変化が抑制される。このため1つのタッチ検出電極TDL(m)において大きな容量差分のピークが出力される。
【0084】
ボタン部30bに対するタッチ入力が行われた場合、
図11、
図15に示すように、ボタン部30bには駆動電極COMLが設けられていないため、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの相互静電容量の変化が抑制される。このため、
図19に示すように、相互静電容量方式によるタッチ検出の容量差分のピークは検出されない。
【0085】
タッチ部30aに対するタッチ入力が行われた場合、接触または近接する指と、複数のタッチ検出電極TDLとの間で静電容量が形成される。このため、
図20に示すように、指が接触または近接した位置のタッチ検出電極TDL(m)で最大の容量差分が検出されるとともに、タッチ検出電極TDL(m)に隣り合うタッチ検出電極TDL(m−1)及びタッチ検出電極TDL(m+1)においても容量差分が検出される。
【0086】
タッチ部30aに対するタッチ入力が行われた場合、指が接触または近接した位置において、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの相互静電容量が変化する。このため、
図21に示すように、相互静電容量方式によるタッチ検出の容量差分のピークが検出される。
図20及び
図21に示すように、タッチ部30aに対するタッチ操作が行われた場合、自己静電容量方式によるタッチ検出と、相互静電容量方式によるタッチ検出との両方で、容量差分のピークが検出される。
【0087】
信号処理部44は、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)において、相互静電容量方式のタッチ検出により出力された第1のタッチ検出信号Vdet1から得られた容量差分(
図19)と、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2で、自己容量方式のタッチ検出により出力された第2のタッチ検出信号Vdet2から得られた容量差分(
図18)とを比較する。信号処理部44は、第1のタッチ検出信号Vdet1から得られた容量差分と、第2のタッチ検出信号Vdet2から得られた容量差分との差が所定の値以上である場合に、ボタン部30bに対するタッチ入力が有ったと判断する(
図17、ステップST15、Yes)。
【0088】
また、
図20及び
図21に示すように、自己静電容量方式によるタッチ検出の容量差分と、相互静電容量方式によるタッチ検出の容量差分との両方でピークが検出された場合、
図21に示す、容量差分のピークが検出された駆動電極COMLと、各タッチ検出電極TDLとの容量差分の値と、
図20に示す自己静電容量によるタッチ検出の容量差分とを比較する。第1のタッチ検出信号Vdet1から得られた容量差分(
図21)と、第2のタッチ検出信号Vdet2から得られた容量差分(
図20)との差が所定の値よりも小さい場合に、信号処理部44は、ボタン部30bに対するタッチ入力が無かったと判断する(
図17、ステップST15、No)。
【0089】
信号処理部44が、ボタン部30bに対するタッチ入力があったと判断した場合、座標抽出部45は、第2のタッチ検出信号Vdet2に基づいてボタン部30bのタッチ座標を演算して求め(
図17、ステップST16)、タッチ操作されたボタンがボタン102a〜102cのいずれであるかを求める。そして、座標抽出部45は、ボタン部30bのタッチ座標を検出信号出力Voutとして出力する(
図17、ステップST17)。その後、次の1フレーム期間(1F)の表示動作及びタッチ検出動作を実行する。また、信号処理部44が、ボタン部30bに対する操作が無かったと判断した場合、検出信号出力Voutを出力せずに、次の1フレーム期間(1F)の表示動作及びタッチ検出動作を実行する。
【0090】
以上のようなフローで、タッチ部30a及びボタン部30bに対するタッチ入力の検出が実行される。なお、
図16では、1フレーム(1F)期間において、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2は、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)の後に配置されているが、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)の前に行ってもよく、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)の途中に行ってもよい。1フレーム(1F)期間に、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2は2回行われているが、検出精度を向上させるため、第2のタッチ検出期間の回数を3回以上にしてもよく、または1回であってもよい。
【0091】
本実施形態において、相互静電容量方式のタッチ検出により出力された第1のタッチ検出信号Vdet1から得られた容量差分と、自己容量方式のタッチ検出により出力された第2のタッチ検出信号Vdet2から得られた容量差分とを比較して、ボタン部30bに対するタッチ入力の有無を判断しているが、他の方法であってもよい。
図18及び
図20に示す、タッチ検出電極TDL(m)と、タッチ検出電極TDL(m)と隣り合うタッチ検出電極TDL(m−1)及びタッチ検出電極TDL(m+1)との容量差分の値を比較して、ボタン部30bに対するタッチ操作の有無を判断してもよい。
【0092】
この場合、タッチ検出電極TDL(m−1)及びタッチ検出電極TDL(m+1)の容量差分の値が、タッチ検出電極TDL(m)の容量差分の値に対して、所定のしきい値よりも小さい場合、すなわち、1本のタッチ検出電極TDL(m)で大きい容量差分のピークが検出された場合、ボタン部30bに対するタッチ入力が有ると判断してもよい。タッチ検出電極TDL(m−1)及びタッチ検出電極TDL(m+1)の容量差分の値が、タッチ検出電極TDL(m)の容量差分の値に対して、所定のしきい値以上である場合、すなわち、複数のタッチ検出電極TDLで容量差分が検出され、ピーク幅が拡がっている場合、ボタン部30bに対するタッチ操作が無いと判断してもよい。
【0093】
(詳細動作)
次に、タッチ検出機能付き表示装置1の詳細動作を説明する。まず、タッチ検出機能付き表示装置1のタッチ部30aの部分の動作について説明する。
図22は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
図22に示すように、表示パネル20は、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、
図14に示す、走査信号線GCLのうちの、隣接する(n−1)行目、n行目、(n+1)行目の走査信号線GCLの1水平ラインずつ順次走査して表示を行う。同様に、駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、駆動電極COMLのうちの、隣接する(n−1)行目、n行目、(n+1)行目に第1の駆動信号Vcomを供給する。
【0094】
このように、タッチ検出機能付き表示装置1では、1表示水平期間(1H)ごとに、タッチ検出動作(第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N))と、表示動作(表示期間Pd
n(n=1〜N))を時分割的に行う。タッチ検出動作では、1表示水平期間1Hごとに、異なる駆動電極COMLを選択してタッチ検出の第1の駆動信号Vcomt(Vcom)を印加することにより、タッチ検出の走査を行う。以下に、その動作を詳細に説明する。
【0095】
まず、ゲートドライバ12が、(n−1)行目の走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n−1)が低レベルから高レベルに変化する。これにより、1表示水平期間1Hが開始する。
【0096】
次に、第1のタッチ検出期間Pm(n−1)において、駆動電極ドライバ14が、(n−1)行目の駆動電極COMLに対してタッチ駆動信号Vcomt(Vcom)を印加し、第1の駆動信号Vcom(n−1)が低レベルから高レベルに変化する。この第1の駆動信号Vcom(n−1)は、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、第1のタッチ検出信号Vdet1が変化する。次に、第1の駆動信号Vcom(n−1)が高レベルから低レベルに変化すると、第1のタッチ検出信号Vdet1は同様に変化する。この第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)における第1のタッチ検出信号Vdet1の波形は、上述した相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理における、第1のタッチ検出信号Vdet1に対応するものである。A/D変換部43は、この第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)における第1のタッチ検出信号Vdet1をA/D変換することによりタッチ検出を行う。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1では、1検出ラインのタッチ検出が行われる。
【0097】
次に、表示期間Pd(n−1)において、ソースドライバ13が、画素信号線SGLに対して画像信号Vpixを印加し、1水平ラインに対する表示を行う。なお、
図22に示すように、この画像信号Vpixの変化が、寄生容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、第1のタッチ検出信号Vdet1が変化し得るが、表示期間Pd(n−1)ではA/D変換部43がA/D変換を行わないようにすることにより、この画像信号Vpixの変化のタッチ検出に対する影響を抑えることができる。ソースドライバ13による画像信号Vpixの供給が終了したのち、ゲートドライバ12が、(n−1)行目の走査信号線GCLの走査信号Vscan(n−1)を高レベルから低レベルに変化させ、1表示水平期間(1H)が終了する。
【0098】
なお表示期間Pd
n(n=1〜N)において、駆動電極ドライバ14は、選択される駆動電極COMLに対して表示用駆動信号Vcomd(Vcom)を印加する。この例においては、表示期間Pd
n(n=1〜N)にはVcomd(Vcom)として0Vの直流電圧が印加されている。
【0099】
すなわち、この例ではタッチ駆動信号Vcomtは、低レベル部と高レベル部を有する矩形波信号であり、表示用駆動信号Vcomdはタッチ駆動信号Vcomtの低レベル部と等しいレベルの直流電圧信号である。
【0100】
なお、この例では駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLがゲートドライバ12に選択されていない期間にも表示用駆動信号Vcomdと同レベルの直流電圧信号を印加するが、電圧信号を印加せず、電位が固定されていないフローティングとしても良い。
【0101】
次に、ゲートドライバ12は、先ほどとは異なるn行目の走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n)が低レベルから高レベルに変化する。これにより、次の1表示水平期間(1H)が開始する。
【0102】
次の第1のタッチ検出期間Pm(n)において、駆動電極ドライバ14が、先ほどとは異なるn行目の駆動電極COMLに対して第1の駆動信号Vcomを印加する。そして、第1のタッチ検出信号Vdet1の変化を、A/D変換部43がA/D変換することにより、この1検出ラインのタッチ検出が行われる。
【0103】
次に、表示期間Pd(n)において、ソースドライバ13が、画素信号線SGLに対して画像信号Vpixを印加し、1水平ラインに対する表示を行う。なお、本実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1はドット反転駆動を行うため、ソースドライバ13が印加する画像信号Vpixは、前の1表示水平期間(1H)のものと比べて、その極性が反転している。この表示期間Pd(n)が終了した後、この1表示水平期間(1H)が終了する。
【0104】
これ以降、上述した動作を繰り返すことにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、表示面全面にわたる走査により表示動作を行うとともに、タッチ検出面全面にわたる走査によりタッチ検出動作を行う。
【0105】
上述したように、タッチ検出機能付き表示装置1では、1表示水平期間(1H)において、タッチ検出動作は第1のタッチ検出期間Pd
n(n=1〜N)に行い、表示動作は表示期間Pd
n(n=1〜N)に行うようにしている。このように、タッチ検出動作と表示動作とを時分割に行うようにしたので、同じ1表示水平期間において表示動作とタッチ検出動作の両方を行うことができるとともに、表示動作のタッチ検出に対する影響を抑えることができる。
【0106】
なお、タッチ検出機能付き表示装置1は、1表示水平期間(1H)において、必ずタッチ検出動作と表示動作とを等間隔の時分割で行う必要はなく、1画面分の表示を行う1フレーム期間の間に、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)と表示期間Pd
n(n=1〜N)とを任意に設定し時分割でタッチ検出動作と表示動作を行うことができる。すなわち、タッチ検出機能付き表示装置1は、複数水平ラインの表示動作と、複数ライン分のタッチ検出動作とを繰り返すことにより1画面分の画面表示とタッチ検出を行うものであっても良い。また1画面分の表示動作の間に1画面以下又は1画面以上のタッチ検出を行っても良い。また、一画面分の表示動作と一画面分のタッチ検出動作とを繰り返しても良い。
【0107】
次に、タッチ検出機能付き表示装置1のボタン部30bの部分の動作について説明する。タッチ検出機能付き表示装置1のボタン部30bは、表示を行わないので、自己静電容量方式のタッチ検出動作だけを行う。
図16に示すように第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2だけを行い、表示期間Pd
n(n=1〜N)を行わないようにすれば良い。つまり、制御部11から供給される制御信号に基づいて、X検出部47から第2の駆動信号Vxが複数のタッチ検出電極TDLに供給される。タッチ検出電極TDLの自己静電容量により、タッチ検出電極TDLから出力される第2のタッチ検出信号Vdet2が変化する。この第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2における第2のタッチ検出信号Vdet2の波形は、上述した自己静電容量方式によるタッチ検出の基本原理における、第2のタッチ検出信号Vdet2に対応するものである。A/D変換部43は、この第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2における第2のタッチ検出信号Vdet2をA/D変換することによりタッチ検出を行う。
【0108】
以上のように、タッチ検出機能付き表示装置1では、ボタン部30bのボタンタッチ検出が行われる。なお、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2において、駆動電極COMLは、電圧信号を印加せず、電位が固定されていないフローティングとしてもよい。また、駆動電極COMLは、タッチ検出電極TDLに印加される第2の駆動信号Vxと、同レベルの電圧信号を第2の駆動信号Vxと同時に印加してもよい。また、上述のように第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2において表示動作は行わない。このため、走査信号線GCL及び画素信号線SGL(
図14参照)は、フローティングとしてもよく、または、第2の駆動信号Vxと同レベルの電圧信号を第2の駆動信号Vxと同時に印加してもよい。
【0109】
以上説明したように、本実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1によれば、タッチパネル30のボタン部30bにより、ボタン102b〜102dを実現することができる。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、ボタン102b〜102dを実現するために専用のFPC、タッチセンサ、タッチボタン等を設ける必要をなくすことができる。また、自己静電容量方式のタッチ検出により、ボタン部30bに対するタッチ入力を検出するため、ボタン部30bに設ける電極の数を減らすことができTFT基板21の構成を簡略化することができる。従って、タッチ検出機能付き表示装置1は、簡易な回路構成で、部品点数の増加を抑制することができ、製造工程の増加を抑制することができ、コストダウンを図ることができる。
【0110】
(第2の実施形態)
図23は、第2の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。
図23に示すように、ボタン102a〜102cに対応する位置に配置されたタッチ検出電極TDLa〜TDLcは、第1の部分TDL1Aと第2の部分TDL1Bとが同じ幅を有して延在している。これに対し、タッチ検出電極TDLa〜TDLc以外のタッチ検出電極TDLは、第1の部分TDL1Aに対して、第2の部分TDL1Bの幅が細くなっている。
【0111】
本実施形態のカバー部材は、
図12に示す、第1の実施形態のカバー部材120と同様である。このため、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、
図23に示すタッチ検出電極TDLa〜TDLcの第2の部分TDL1Bと重畳する。本実施形態において、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと重畳するタッチ検出電極TDLa〜TDLcの第2の部分TDL1Bは、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと重畳しないタッチ検出電極TDLの第2の部分TDL1Bよりも大きい幅を有している。
【0112】
このようにボタン102a〜102cに対応する第2の部分TDL1Bが大きい幅を有するため、指が0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cに接触または近接したときに、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと、タッチ検出電極TDLa〜TDLcとの間の静電容量が変化する。これにより、タッチ検出電極TDLから出力される第2のタッチ検出信号Vdet2が変化し、ボタン部30bに対するタッチ操作を検出することができる。
【0113】
また、タッチ検出電極TDLa〜TDLc以外のタッチ検出電極TDLの第2の部分TDL1Bが細幅であるため、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと、細幅の第2の部分TDL1Bとの間に形成される静電容量が低減される。したがって、
図18に示す自己静電容量方式によるタッチ検出結果と同様に、ボタン102a〜102cに対応するタッチ検出電極TDLa〜TDLcで、容量差分の1つのピークが検出され、タッチ検出電極TDLa〜TDLc以外のタッチ検出電極TDLの容量差分が抑制される。これにより、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cを簡略化しつつ、精度よくボタン部30bのタッチ検出が可能となる。
【0114】
(第3の実施形態)
図24は、第3の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。
図25は、第3の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置のカバー部材の平面図である。
図24に示すように、第3の実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1Bは、タッチ部30aに対して、フレキシブルプリント基板Tが接続された位置と反対側にボタン部30bが設けられている。
図25に示すように、カバー部材120Aの0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、ボタン部30bに配置されている。本実施形態において、ボタン102a〜102c(
図1参照)は、表示領域101aの上辺側の額縁領域101bに設けられることとなり、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cとそれぞれ対向する。
【0115】
この場合、タッチ検出電極TDLは、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと重畳するように、タッチ検出電極TDLa〜TDLcに第2の部分TDL1Bが設けられる。本実施形態において、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと対応しない位置に配置されたタッチ検出電極TDL(タッチ検出電極TDLa〜TDLc以外のタッチ検出電極TDL)は、第2の部分TDL1Bを有していない。このため、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと第2の部分TDL1Bとの間に静電容量が形成され、タッチ検出電極TDLa〜TDLc以外のタッチ検出電極TDLと、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cとの間の静電容量が抑制される。したがって、例えば
図18に示すように、タッチ入力を行ったボタン102a〜102cに対応するタッチ検出電極TDLにおいて、鋭い1つのピークが検出されるため、検出精度が向上する。
【0116】
また、本実施形態は、フレキシブルプリント基板Tと反対側にボタン部30bが設けられているため、各タッチ検出電極TDLとフレキシブルプリント基板Tとの接続の制約が少なく、第2の部分TDL1Bの配置の自由度が大きくなる。
【0117】
(第4の実施形態)
図26は、第4の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。
図27は、第4の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置のカバー部材の平面図である。本実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1Cは、
図26及び
図27に示すように、ボタン部30bが、表示領域101aの左辺側の額縁領域101bに設けられている。
【0118】
この場合、
図26に示すように、複数の駆動電極COMLの内、駆動電極COMLa〜COMLcが、タッチ部30aに配置された第1の部分COML1と、タッチ部30aに隣接するボタン部30bに配置された第2の部分COML2とを有する。
図27に示すように、カバー部材120Bの0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、駆動電極COMLa〜COMLcの第2の部分COML2と重畳する位置に設けられる。0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cは、駆動電極COMLと重畳する重畳部分51と、駆動電極COMLと重畳しない部分とを有する。
【0119】
本実施形態において、駆動電極COMLa〜COMLcの第2の部分COML2がボタン部30bに設けられており、駆動電極COMLの自己静電容量に基づいて、ボタン部30bに対する指等の接近または接触が検出される。
【0120】
本実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1Cは、
図16に示す、第1のタッチ検出期間Pm
n(n=1〜N)及び表示期間Pd
n(n=1〜N)での動作は、上述した第1の実施形態と同様であるが、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
1での動作が異なる。具体的には、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2において、制御部11から供給される制御信号に基づいて、駆動電極ドライバ14から第1の駆動信号Vcomが駆動電極COMLに供給される。駆動電極COMLから出力される第2のタッチ検出信号Vdet2は、駆動電極COMLの自己静電容量により変化する。この第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2におけるタッチ検出は、
図8〜
図10に示す自己静電容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づく。本実施形態の駆動電極COMLは、
図8〜
図10に示すタッチ検出電極E2に対応し、本実施形態の第1の駆動信号Vcomは、
図10に示す第2の駆動信号Vxに対応する。第2のタッチ検出信号Vdet2の波形は、
図8〜
図10の第2のタッチ検出信号Vdet2に対応するものである。
【0121】
X検出部47(
図2参照)は、各駆動電極COMLに接続され、駆動電極COMLから第2のタッチ検出信号Vdet2が供給される。信号処理部44は、A/D変換された第2のタッチ検出信号Vdet2をA/D変換部49から受け取り、ボタン部30bにおける駆動電極COML(第2の部分COML2)に対する、指等の接触または近接の有無を判断する。
【0122】
以上のような構成及び動作により、ボタン部30bが、平面視で表示領域101a(タッチ部30a)の左右方向に位置する場合であっても、良好にボタン部30bに対するタッチ検出を行うことができる。
【0123】
なお、本実施形態において、第2のタッチ検出期間Ps
1、Ps
2において、第1の駆動信号Vcomが駆動電極ドライバ14から供給されるとしたが、別の駆動電極ドライバを設けて駆動信号を供給してもよい。
【0124】
(第5の実施形態)
図28は、第5の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の動作のタイミング図の一例を示す。第5の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置は、消費電力を低減するため、一定期間操作がない場合に、2Dのタッチ入力検出及び画像表示を行わないスリープモードを有する。(A)はタッチICのタッチ検出処理を示し、(B)はCOGの動作を示し、(C)はタッチICの動作タイミングを示し、(D)はタッチICからCOGに出力される制御信号であるTRGT信号を示し、(E)は電源ICの出力電圧を示す。
【0125】
初期タイミングt60において、タッチIC110は、タッチ検出電極TDLの自己容量方式により、タッチを検出している(
図28(A))。COG19は、スリープ中であり、タッチ検出機能付き表示部10の駆動を行っていないが、タッチIC110からの制御信号の受け取りは可能である(
図28(B))。TRGT信号は、インアクティブ(ローレベル)である(
図28(D))。電源ICは、スリープ中であり、昇圧を行っておらず、出力電圧は0Vである(
図28(E))。
【0126】
スリープモードにおいて、タッチIC110は、
図28(C)に示すように、所定のインターバルで、タッチ検出電極TDLの自己静電容量方式により、タッチ部30aまたはボタン部30bに対するタッチ入力の検出を行うことができる。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、例えば、0Dのボタンタッチ入力でスマートフォン100をスリープモードから通常動作モードに移行させるトリガとすることもでき、消費電力を抑制しつつ、スマートフォン100の操作性を向上させることができる。このスリープモードでは、相互静電容量方式によるタッチ検出動作及び画像表示動作は実行しない。
【0127】
タッチIC110は、タッチを検出すると、タイミングt61において、TRGT信号をアクティブ(ハイレベル)にする。TRGT信号は、タッチIC110からCOG19に送られる。COG19は、タイミングt61においてTRGT信号がアクティブになると、制御信号を電源ICに送り、電源ICをスリープから復帰させる。電源ICは、タイミングt62において電源電圧VccをCOG19に供給する。
【0128】
タッチIC110は、タイミングt63において、所定のインターバルで、タッチ検出電極TDLと駆動電極COMLとの間の相互容量方式により、ジェスチャを検出する。タッチIC110は、所定のジェスチャを検出すると、タイミングt64において、スリープ解除コマンドがCOG19に送られる。
【0129】
スリープ解除コマンドを受け取ったCOG19は、タイミングt64において、電源ICに電源電圧Vddを出力させる制御信号を電源ICに出力する。電源ICは、タイミングt65において電源電圧VddをCOG19に供給する。また、このとき、COG19は、バックライトの動作を開始させる。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、画像表示を行うことができるようになる。
【0130】
COG19は、タイミングt65において、電源ICから供給される電源電圧Vddを用いて、タッチ検出機能付き表示部10の駆動、つまり画像の表示及びタッチの検出のための駆動電極COMLの駆動を開始する。また、タッチIC110は、タイミングt65から所定の時間経過後のタイミングt66において、所定のインターバルで、タッチ検出電極TDLと駆動電極COMLとの間の相互容量方式により、ジェスチャを検出する。
【0131】
以上により、タッチ検出機能付き表示装置1は、スリープモードから通常動作モードに復帰する。なお、通常動作モードにおいて、所定の時間タッチ入力がないと、COG19は、電源ICをスリープ(昇圧を停止)させスリープモードとなる。
【0132】
(第6の実施形態)
図29は、第6の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の概略断面構造を表す断面図である。第1〜第5の実施形態では、表示パネル20と、タッチパネル30とを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置について説明したが、これに限定されない。
図29に示すように、本実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1Dは、表示パネル20の上に、タッチ入力を検出するタッチ検出装置としてのタッチパネル30を装着した、いわゆるオンセルタイプの装置である。
【0133】
表示パネル40は、TFT基板21の上方において、複数の画素電極22と、共通電極23とが設けられている。共通電極23は、TFT基板21の表面の垂直方向において画素電極22と対向する。
【0134】
タッチパネル30は、下部基板37に設けられた駆動電極COMLAと、上部基板38に設けられたタッチ検出電極TDLとを有する。駆動電極COMLAの上面には絶縁層39が設けられている。駆動電極COMLAは、タッチ部30aに対するタッチ入力を検出するための第1の駆動信号Vcomが供給される。タッチ検出電極TDLは、タッチ部30aにおいて延在する第1の部分TDL1Aと、ボタン部30bにおいて延在する第2の部分TDL1Bとを含む。第1の部分TDL1Aが駆動電極COMLAと対向し、第2の部分TDL1Bが、カバー部材120Cのカバーガラス121に設けられた0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cと対向する(
図29では0D用タッチ検出電極TDL2aについて示す)。
【0135】
本実施形態において、第1の駆動信号Vcomが供給される駆動電極COMLAと、画素電極22に共通電位を与えるための共通電極23とが、別々に設けられている。このような構成であっても、上述のように、タッチパネル30の、タッチ部30aに対するタッチ入力は相互静電容量方式により検出することができ、ボタン部30bに対するタッチ入力は自己静電容量方式により検出することができる。
【0136】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0137】
例えば、タッチ検出電極TDL及び駆動電極COMLは、
図11等に示す形状や配置に限定されず、矩形状などの複数の電極を配置したものでもよい。また、タッチ検出電極TDLと駆動電極COMLとを同一平面に設けてもよい。カバーガラス121に0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cを設けない場合であってもよい。また、0D用タッチ検出電極TDL2a〜TDL2cの形状や配置等についても適宜変更してもよい。