特許第6495775号(P6495775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6495775
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】破砕粘性計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/14 20060101AFI20190325BHJP
   B02C 18/08 20060101ALI20190325BHJP
   A47J 43/07 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   G01N11/14 A
   B02C18/08 B
   A47J43/07
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-152033(P2015-152033)
(22)【出願日】2015年7月31日
(65)【公開番号】特開2017-32393(P2017-32393A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】500409127
【氏名又は名称】株式会社大道産業
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100102015
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志
(72)【発明者】
【氏名】坂田 浩一
【審査官】 素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−017073(JP,A)
【文献】 特開昭63−317744(JP,A)
【文献】 特開平06−052800(JP,A)
【文献】 特開2000−189829(JP,A)
【文献】 特表2014−513303(JP,A)
【文献】 特開2015−158484(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0132782(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/00 − 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正逆回転可能な駆動軸と、
駆動軸が正回転されたときは駆動軸により正回転するが、駆動軸が逆回転されたときは、回転しないように駆動軸に取り付けられる刃物と、
駆動軸が逆回転したときは駆動軸により逆回転するが、駆動軸が正回転したときは、回転しないように駆動軸に取り付けられる粘性を計測するための回転子と、
を備える破砕粘性計測装置。
【請求項2】
駆動軸は、内側軸と外側軸とからなり、内側軸と外側軸はそれぞれ選択して駆動可能で
あって、内側軸あるいは外側軸の一方には刃物が取り付けられ、他方には粘性計測装置が
取り付けられる、
請求項1記載の破砕粘性計測装置。
【請求項3】
刃物の駆動軸と回転子の駆動軸の選択は、クラッチにより切り替えられる、
請求項1または2いずれか記載破砕粘性計測装置。
【請求項4】
粘性計測装置には、被破砕粘性計測物を通過させる導入部を設けられる、
請求項1または2または3いずれか記載破砕粘性計測装置。
【請求項5】
被破砕粘性計測物にとろみ剤を加えて回転される、
請求項1または2または3または4いずれか記載破砕粘性計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素材の破砕と破砕された素材の粘度計測を一台ですることが可能な破砕粘性計測装置に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、素材の撹拌と撹拌された素材の粘度を一台で計測することが可能な装置は知られている。
【0003】
例えば、特許文献1「ブックブロック背部または表紙を接合する接着剤の粘性を一定に保持するための装置」には、「粘性測定手段と接続され粘性の設定値と測定値とを比較して接着剤(5)に付加する希釈剤を配量するための制御ユニット(22)を備える、ブックブロック背部または表紙を接合する接着剤(5)の粘性を希釈剤の付加によって一定に保持するための装置(1)において、攪拌装置(19)を接着剤容器(7)内の接着剤(5)の粘性を測定する攪拌機構(20)として形成することを特徴とする装置。」が記載されている(特許文献1[請求項1])。さらに同装置は、「攪拌装置を接着剤容器内の接着剤の粘性を測定する攪拌機構として形成することによって解決される。」との記載がある(特許文献1[0001])。
【0004】
更に、「接着剤容器7内に配置された攪拌装置19は攪拌機構20として形成されており、これは同時に接着剤容器7内に存在する接着剤5の粘性を計測するよう作用する。攪拌機構20は、さらに制御ユニット22によってエネルギまたは電流を供給される電気モータ21を備えている。制御ユニット22は演算装置を備えており、これには接着剤5の粘性の設定値が記憶されており、これを測定された接着剤容器7内の粘性状態と比較することができる。接着剤容器7内の接着剤5が濃縮されて粘性が上昇し測定値が一定分の設定値を超えて変化した場合、演算装置によって制御機構へ信号が発信され」との記載がある(特許文献1[0015])。
【0005】
他方特許文献2「流体塗布方法と流体塗布装置」には、「サブタンク4bにも攪拌機33が設けられており」(特許文献2[0035])、「本実施例に係るサブタンク4bの配管34の途中には、粘性測定手段7が設けられており」の記載がある(特許文献2[0037])
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−121055号公報
【特許文献2】特開平6−52800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の特許文献1記載の「ブックブロック背部または表紙を接合する接着剤の粘性を一定に保持するための装置」は、接着剤を対象とする装置であるため、攪拌装置で接着材を撹拌し、接着剤容器内の接着剤の粘性を測定する攪拌機構として形成する装置であって、測定対象物を破砕し、それの粘度計測するものでは無かった。
更に、特許文献1及び2記載の装置は、破砕粘性測定装置ではなく、破砕装置と粘性測定装置とを効率よく組み合わせているものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の破砕粘性計測装置は、
正逆回転可能な駆動軸と、
駆動軸が正回転されたときは駆動軸により正回転するが、駆動軸が逆回転されたときは、回転しないように駆動軸に取り付けられる刃物と、
駆動軸が逆回転したときは駆動軸により逆回転するが、駆動軸が正回転したときは、回転しないように駆動軸に取り付けられる粘性を計測するための回転子と、
を備える。
【0009】
本発明の破砕粘性計測装置は、更に、
駆動軸は、内側軸と外側軸とからなり、内側軸と外側軸はそれぞれ選択して駆動可能であって、内側軸あるいは外側軸の一方には刃物が取り付けられ、他方には粘性計測装置が取り付けられる。
【0010】
本発明の破砕粘性計測装置は、更に、
刃物の駆動軸と回転子の駆動軸の選択は、クラッチにより切り替えられる。
【0011】
本発明の破砕粘性計測装置は、更に、
粘性計測装置には、被破砕粘性計測物を通過させる導入部を設けられる。
【0012】
本発明の破砕粘性計測装置は、更に、
被破砕粘性計測物にとろみ剤を加えて回転される。
【発明の効果】
【0013】
駆動軸の正回転と逆回転とを選択することにより、刃物による被測定物の破砕と破砕された被測定物の粘性測定とをそれぞれ行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施の形態に係る、計測物を通過させる導入部が設けられた第1実施例の破砕粘性計測装置における正面断面図である。
図2】この発明の実施の形態に係る、計測物を通過させる導入部が設けられた第1実施例の破砕粘性計測装置における、キャップ取外し状態の平面図である。
図3】この発明の実施の形態に係る、計測物を通過させる導入部が設けられた第1実施例の破砕粘性計測装置における刃物作動状態の一部拡大正面断面図である。
図4】この発明の実施の形態に係る、計測物を通過させる導入部が設けられた第1実施例の破砕粘性計測装置における回転子作動状態の一部拡大正面断面図である。
図5】この発明の実施の形態に係る、計測物を通過させる導入部が設けられた第1実施例に係る破砕粘性計測装置における図1乃至図4の一部拡大図である。
図6】この発明の実施の形態に係る、計測物を通過させる導入部が設けられた第1実施例に係る破砕粘性計測装置における図1乃至図4の一部拡大図である。
図7】この発明の実施の形態に係る、導入部は設けられない第2実施例の破砕粘性計測装置における一部拡大中央断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施の一形態に係る第1実施例を、この発明の第1実施例を図示する図1乃至図7に基づいて説明する。
11は、本発明に係る破砕粘性計測装置である。破砕粘性計測装置11は、一台でミキシングと粘性計測ができるミキサーである。12は、外カバーであって、外カバー12は、破砕粘性計測装置11の基部の周りに設置される。
【0016】
14は、脚ゴムである。脚ゴム14は、外カバー12の底面四隅に設置され、作動時の破砕粘性計測装置11が発する振動を吸収して外部に伝播するのを防止する。
15は、モータである。モータ15は、破砕粘性計測装置11下部の外カバー12内に設置され、スイッチの切り替えにより、正逆回転可能である。この第1実施例では、モータ15一台でミキシングと粘性測定を行うことができる。モータ15はツインモータとしてもよい。ツインモータで、ミキシングと粘性測定とを別途におこなってもよい。
17は、カップ取付台座である。カップ取付台座17は、外カバー12上に設置される。13は、カップである。カップ13は、被破砕測定物である食物を収納可能な中空状を有する。カップ取付台座17の上にカップ13が取り付けられる。16は、キャップであり、カップ13の上部開口部を塞ぐ。
【0017】
18は、センサーシャフトである。センサーシャフト18は、カップ取付台座17の四隅で取り付け支柱の内部を貫通し、図1図6図中上下方向すなわち、モータ15方向とカップ13方向とに移動可能である。181はセンサー、182はスプリング、183はパッキンである。184は、カップ13と取付台座17との間のネジ部であり、両者がねじ止めされる。スプリング182は、センサーシャフト18を、図中上方向即ちカップ取付台座17方向に付勢させる。センサー181は、接触センサーからなり、センサーシャフト18の図中下方端即ちモータ15方向先端に設置され、センサーシャフト18の接触を感知する。
カップ取付台座17にカップ13が取り付けられると、スプリング182の付勢力に抗してセンサーシャフト18は、図中下方向即ちモータ15方向に移動され、センサー181に接触して、カップ取付台座17にカップ13の取り付けを感知させる。
センサー181は、カップ13の有無を感知できるものであれば、接触センサー、近接スイッチ、それ以外のセンサーからなっても良い。
19は、把手である。把手19は、カップ13の側面に取り付けられ、カップ13のカップ取付台座17からの取り付け取外し時に把持する。
【0018】
21は、モータ駆動軸である。モータ駆動軸21は、モータ15寄りの基部側モータ駆動軸21Aと、先端側の先端側モータ駆動軸21Bとからなり、基部側モータ駆動軸21Aと先端側モータ駆動軸21Bとは、カップリング22で連結される。基部側モータ駆動軸21Aは、モータ15の駆動軸に連結される。
駆動軸としては、モータ駆動軸21以外に、刃物駆動軸31と、回転子駆動軸41とが設けられる。刃物駆動軸31と、回転子駆動軸41とは、図示されるように2軸構造からなり、内側軸としての刃物駆動軸31と、内側軸の外周に設けられる外側軸としての回転子駆動軸41とからなり、それぞれ先端側モータ駆動軸21Bに連結される。刃物駆動軸31と、回転子駆動軸41とは、それぞれ第1クラッチ52と第2クラッチ52により、別々に駆動可能である。そのため、同軸の1軸で、ミキシング即ち破砕と、粘性測定を行うことができる。
【0019】
内側軸である刃物駆動軸31の先端側には、刃物従動軸32が連結される。刃物従動軸32には、先端に刃物61が取り付けられる。
外側軸である回転子駆動軸41の先端側には、回転子従動軸42が連結される。回転子従動軸42には、先端に粘性測定部71が設けられ回転する。
43は、シールであり、回転子駆動軸41に取り付けられる。
【0020】
図3図4図6に図示される44は、ベアリングである。ベアリング44は、第2クラッチ52の設置された位置の回転子駆動軸41外周に設置される。
図示される45は、ブッシュである。46はOリングである。
51、52は、クラッチである。第1クラッチ51、第2クラッチ52ともワンウェイクラッチからなる。ワンウェイクラッチは、特定方向に回転した場合は伝達軸である第1実施例では刃物駆動軸31あるいは回転子駆動軸41をロックして回転駆動を伝達するが、逆回転をした場合は、伝達軸である刃物駆動軸31あるいは回転子駆動軸41にはフリー状態を取らせて、回転駆動を伝達軸である刃物駆動軸31あるいは回転子駆動軸41に伝えない。
【0021】
第1クラッチ51は、図3図4図6に図示されるように、先端側モータ駆動軸21Bと、回転子駆動軸41との間に取り付けられる。
モータ15の回転方向が、図4に図示されるように時計方向Cの回転(右回転)のときのみ、第1クラッチ51は、先端側モータ駆動軸21B外側に位置する回転子駆動軸41をロックして、先端側モータ駆動軸21B外側の回転子駆動軸41を駆動する。
モータ15の回転方向が、図3に図示されるような反時計方向Dの回転(左回転)のときは、第1クラッチ51は、先端側モータ駆動軸21B外側に位置する回転子駆動軸41をロックすることなくフリー状態として、駆動しない。
【0022】
第2クラッチ52は、図3図4図6に図示されるように、先端側モータ駆動軸21Bと、刃物駆動軸31との間に取り付けられる。
第2クラッチ52は、図示されるように、第1クラッチ51よりも、先端側モータ駆動軸21Bの先端側に取り付けられる。
第2クラッチ52は、モータ15の回転方向が、図3に図示されるように反時計方向Dの回転(左回転)のときのみ先端側モータ駆動軸21B外側に位置する刃物駆動軸31をロックして、先端側モータ駆動軸21B外側の刃物駆動軸31を駆動する。モータの回転方向が右回転のときは、第2クラッチ52は、外側に位置する刃物駆動軸31をロックすることなく、フリー状態として刃物駆動軸31を駆動しない。
【0023】
すなわち、モータ15でワンウェイクラッチからなる第1クラッチ51、同じくワンウェイクラッチからなる第2クラッチ52を介して、内側軸である刃物駆動軸31と外側軸である回転子駆動軸41はそれぞれ駆動される。そして、刃物駆動軸31と回転子駆動軸41それぞれの一方にモータ15の駆動力を伝達するロック状態と、他方には駆動力を伝達しないフリー状態との選択が可能である。
【0024】
刃物61は、回転により、被破砕計測物であるこの第1実施例では食品あるいは食材を破砕する。刃物61は、この第1実施例では、羽根状からなり刃物従動軸32先端に取り付けられる。
34は、シールである。シール34は、刃物駆動軸31と刃物従動軸32との間に取り付けられる。
【0025】
71は、粘性測定部である。粘性測定部71は、粘性計測装置の一部を構成し、被計測物である食品あるいは食材の中で回転子72Aが回転されることで、これらの粘度、とろみ具合を計測するためのセンサーの役割を果たす。
図3乃至図6に図示される72Aは、回転子である。回転子72Aは、回転子従動軸42の先端外面からなり、回転子従動軸42の回転に従動して回転する。回転子72A表面は、角ネジ構造からなり、表面に凹凸が回転子従動軸42の軸先端から基部方向に設けられている。粘性測定部71を構成する回転子72Aの回転時には、回転子72Aに沿って、食材をモータ15方向に搬送あるいは通過させる。回転子72A表面には、凹凸が設けられているため、被搬送物である食材の固形物が引っ掛かりやすくし、抵抗を生ずるようにする。
【0026】
73は、ブッシュである。ブッシュ73は、軸受けであり回転しない。ブッシュ73は、回転子72Aの外周周囲に、狭い間隔を空けて壁状に設けられ、回転子72Aとの間の隙間に導入部74を設ける。
75は、底面である。底面75は、導入部74のモータ15側に設けられ、導入部74底面を塞ぐ。76は、排出口である。排出口76は、食材を導入部74に導入し、通過させて、カップ13内に排出する。排出口76は、導入部74より小径に設けられ、破砕された食材あるいは食品が通過し難くしてある。
この実施例は、被介護者のそれぞれ有する食べる能力に合せて食材の大きさ粘度を判別することに使用する。そのため、ブッシュ73、排出口76の孔径は1mm径、2mm径、5mm等変更しながら被介護者が飲み込めない大きさの食材を見つけなければならない。
例えば、ブッシュ74と回転子72Aの隙間が6mm、排出口76径が5mmの場合、食材の大きさが、6mmよりも大きいとブッシュ73の上側で詰まる。その結果、導入部74に空洞ができ、空回り状態となり粘性が下がると考えられる。
食材の大きさが6mmよりも小さいと導入部74に入る。5mm径より大きいと排出口76で詰まり、抵抗が上がるものと考えられる。食材が5mm径よりも小さいと排出口76から排出される。
【0027】
図5で、矢印Aに図示するように、狭い部分である導入部74、排出口76に被計測物である食材を通過させることで、人間の食道部分と同じ環境に近づける。大きな食材が、排出口76、導入部74に詰まると、抵抗となって、粘性測定部71を構成する回転子72Aを回転させるに要する電流値が変化し、異常を通知する。
電流値から、あらかじめティーチングした電流値と粘度との関係と対比して、粘度を求める。モータ15の回転数が一定である場合に回転計を内蔵した電気モータ15によって消費される電流を変化させて実施する。あるいは、電気抵抗で測定してもよい。
81は、固定ナットである。固定ナット81で、刃物従動軸32頂点を固定している。そのため、固定ナット81を外すことで、刃物従動軸32、刃物61、粘性測定部71、回転子72A等食品と接する部分が分解でき、洗浄することができる。
【0028】
次に、この第1実施例の被破砕粘度計測物である食品あるいは食材の破砕時あるいはミキシング時について、説明する。
まず、図3に図示されるようにカップ13内に、被破砕粘性計測物である食物、食材を入れる。
モータ15に、図3に図示されるように反時計方向Dの回転(左回転)をさせる。モータ15の回転方向が、図3に図示されるように反時計方向Dの回転(左回転)のときのみ、ワンウェイクラッチである第2クラッチ52は、先端側モータ駆動軸21B外側に位置する刃物駆動軸31をロックして、先端側モータ駆動軸21B外側の刃物駆動軸31を駆動する。
【0029】
刃物61は、図3に図示される正回転(反時計方向D回転)されたときは刃物駆動軸31と連動する刃物従動軸32により正回転するが、逆回転されたときは、回転しないように刃物従動軸32に、第2クラッチ52を介して取り付けられる。
そのため、モータ正回転(左回転)時は、ワンウェイクラッチからなる第2クラッチ52がロックし、内側軸に取り付けられた刃物61のみが回転する。刃物61により、被測定物のミキシング、破砕が行われる。
他方、そのとき、第1クラッチ51は、モータ15の回転方向が、図3に図示されるような反時計方向Dの回転(左回転)のときは、先端側モータ駆動軸21B外側に位置する回転子駆動軸41をロックすることなくフリー状態として、駆動しない。そのため、ワンウェイクラッチである第1クラッチ51はフリーで粘性測定部71を構成する回転子72Aは停止し粘性の測定は行わない。
【0030】
ついで、破砕しミキシングされた被破砕計測物の粘性測定をする。図4に図示されるように、モータ15を逆回転(右回転)する。
図4に図示されるように、モータ15に、時計方向Cの回転(右回転)をさせる。モータ15の回転方向が、時計方向Cの回転(右回転)のときのみ、ワンウェイクラッチである第1クラッチ51は、先端側モータ駆動軸21B外側に位置する回転子駆動軸41をロックして、先端側モータ駆動軸21B外側の回転子駆動軸41を駆動する。
【0031】
他方、第2クラッチ52は、モータ15の回転方向が、図3に図示されるように反時計方向Dの回転(左回転)のときのみ、先端側モータ駆動軸21B外側に位置する刃物駆動軸31をロックして、先端側モータ駆動軸21B外側の刃物駆動軸31を駆動する。モータの回転方向が右回転のときは、第2クラッチ52は、外側に位置する刃物駆動軸31をロックすることなく、フリー状態として駆動しない。
そのため、先端側モータ駆動軸21B外側に位置する回転子駆動軸41に取り付けられた回転子72Aのみが回転する。第2クラッチ52はフリーになり刃物61は停止する。
刃物(羽根)61が、回転すると被測定物である食材がぶつかり、粘性の測定を不安定にする。そのため、刃物61は駆動させない。粘性測定時には、刃物61は回転しないので、刃物61の影響を受けることなく粘性計測を正確に測定できる。
【0032】
回転子72Aが回転すると、破砕されたあるいはミキシングされた食材を、導入部74に導入し、通過させて、カップ13内に排出する。排出口76は、導入部74より小径に設けられ、破砕された食材あるいは食品が通過し難くしてある。
大きな食材の有無を、詰まりで判別する。電流値が過大となった場合、大きな粒が存在すると判別することができる。
電流値から、あらかじめティーチングした電流値と粘度との関係と対比して、粘度を求める。モータ15の回転数が一定である場合に回転計を内蔵した電気モータ15によって消費される電流を変化させて実施する。あるいは、電気抵抗で測定してもよい。
とろみ剤を混ぜて粘性を計測する場合もある。
第1実施例では、回転子72Aが回転して細かな食材の粘性を計測する。
【0033】
次に、図7に一部拡大正面図を図示される第2実施例について説明する。第2実施例は、円筒状からなる回転子72Bを用いるタイプである。単純にカップ13内の粘性を測定する。
図7に図示される33は、スプリングである。スプリング33は、刃物従動軸32をモータ15方向である矢印B方向に付勢させる。そのため、基部方向にスライドする力が発生して、図7に図示されるように、シール部A1乃至A6各部でシール効果を生ずる。
【0034】
71は、粘性測定部である。粘性測定部71は、粘性計測装置の一部を構成し、被計測物である食品あるいは食材の中で、粘性測定部71を構成する回転子72Bが回転されることで、これらの粘度、とろみ具合を計測するためのセンサーの役割を果たす。
図7に図示される72Bは、回転子である。回転子72Bは、表面は、円筒状からなり、回転子従動軸42の先端外面に取り付けられる。回転子従動軸42の回転に従動して回転する。
他は、第1実施例と共通である。
【符号の説明】
【0035】
21 モータ駆動軸
31 刃物駆動軸(内側軸)
41 回転子駆動軸(外側軸)
61 刃物
71 粘性測定部(破砕粘性計測装置)
74 導入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7