(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[1.1 第1実施形態]
<1.1−1 生体情報計測装置>
図1に示す生体情報計測装置1は、被験者100の体表面の温度変化を計測し、その計測した結果に基づいて、生体情報としての脈波に関する指標である脈波指標を導出する装置である。体表面とは、体の表面であり、例えば、皮膚などである。温度変化とは、温度の変化である。
【0012】
この生体情報計測装置1は、1つのバンド6と、1つのセンシングユニット8と、1つの制御ユニット40とを備えている。
バンド6は、帯状に形成されたバンドであり、被験者100に装着される。バンド6が装着される被験者100の部位として、被験者100の手首を想定する。
【0013】
センシングユニット8は、センシング部10と、被覆部14とを備えている。
センシング部10は、矩形のシート状に形成され、被験者100の体表面の温度変化を計測する装置である。このセンシング部10は、バンド6において被験者100の体表面に接触する側の面に設置されている。これにより、バンド6が被験者100に装着されることで、被験者100の体表面に取り付けられる。
【0014】
以下、センシング部10において、被験者100の体表面と接する面を接触面11と称し、その接触面11とは反対側の面を反対面12と称す。
本実施形態のセンシング部10は、少なくとも1つの熱流束センサ16と、検出回路38とを備える。なお、熱流束センサ16については、
図2から
図4を参照、検出回路38については、
図4を参照。
【0015】
熱流束センサ16は、詳しくは後述するように、被験者100の体表面からの熱流束を計測するセンサである。熱流束センサ16は、ゼーベック効果を利用して温度変化を測定する少なくとも1つの測温接点を有している。
【0016】
被覆部14は、センシング部10の反対面12の少なくとも一部分を覆う構造である。本実施形態の被覆部14は、センシング部10の反対面12の全面、及びセンシング部10の全ての側面を覆うように構成されている。
【0017】
被覆部14は、規定熱容量を有するように構成されている。規定熱容量とは、センシング部10で計測される被験者100の体表面からの熱流束に影響を与えない熱容量として規定された規定値以上の熱容量である。また、熱容量とは、物体の温度を「1度」上昇させるために必要な熱量である。
【0018】
規定熱容量を実現する方法として、被覆部14の容積を大きくすることが考えられる。被覆部14の容積を大きくする方法として、センシング部10の厚みd1よりも、被覆部14の厚みd2を大きくすることが考えられる。また、規定熱容量を実現する方法として、被験者100の体表面からの熱流束に影響を与えない程度に熱容量の大きな材料にて形成することや、被験者100の体表面からの熱流束に影響を与えない程度に熱伝導率の低い材料にて形成することが考えられる。
<1.1−2熱流束センサ>
熱流束センサ16は、
図2,
図3に示すように、1つのシート材18と、複数の第1接続部材26と、複数の第2接続部材28とを備えている。
【0019】
シート材18は、可撓性及び絶縁性を有した材料にてシート状に形成された部材であり、基板20と、表面保護材22と、裏面保護材24とを備えている。
基板20は、可撓性及び絶縁性を有した材料にてシート状に形成された部材であり、複数の第1ホール30及び複数の第2ホール32を有している。第1ホール30及び第2ホール32は、当該基板20の厚さ方向に貫通する孔であり、配列状に設けられている。本実施形態における配列は、
図2に示すように9行10列であるが、配列はこれに限るものではなく、N行M列であれば、どのようなものであってもよい。なお、符号N,符号Mは、それぞれ、1以上の自然数である。
【0020】
表面保護材22は、可撓性及び絶縁性を有した材料にてシート状に形成された部材であり、基板20の一方の面に配置される。表面保護材22の基板20と接する面には、表面パターン34が形成されている。
【0021】
裏面保護材24は、可撓性及び絶縁性を有した材料にてシート状に形成された部材であり、基板20の他方の面に配置される。裏面保護材24の基板20と接する面には、裏面パターン36が形成されている。
【0022】
第1接続部材26は、金属材料により線状に形成された部材である。
第2接続部材28は、第1接続部材26とは異なる金属材料で線状に形成された部材である。第1接続部材26は、第1ホール30に配置され、第2接続部材28は、第2ホール32に配置されている。
【0023】
表面パターン34、及び裏面パターン36は、導電性を有した金属材料にて形成された導電パターンである。この表面パターン34及び裏面パターン36は、第1ホール30に配置された第1接続部材26と、第2ホール32に配置された第2接続部材28とを、交互に直列に接続するように構成されている。
【0024】
そして、基板20と表面保護材22と裏面保護材24とは積層される。
すなわち、第1接続部材26の一方の端点と第2接続部材28の一方の端点とは、表面保護材22の表面パターン34を介して電気的に接続される。第1接続部材26の一方の端点と第2接続部材28の一方の端点とが接続された表面パターン34の各々は、ゼーベック効果を利用して温度変化を測定する測温接点として機能する。よって、センシング部10において、表面保護材22の表面が接触面11となる。
【0025】
一方、第1接続部材26の他方の端点と第2接続部材28の他方の端点とは、裏面保護材24の裏面パターン36を介して電気的に接続される。第1接続部材26の他方の端点と第2接続部材28の他方の端点とが接続された裏面パターン36の各々は、基準接点として機能する。よって、センシング部10において、裏面保護材24の表面が反対面12となる。
【0026】
なお、複数の裏面パターン36のうち、第1接続部材26と第2接続部材28と表面パターン34とを介して直列に接続された両端部に位置する裏面パターン36の端部は、検出回路38に接続される。
【0027】
検出回路38は、センシング部10からの検出信号を増幅し、ノイズをカットする回路である。検出回路38におけるノイズをカットする回路は、バンドパスフィルタとして構成されている。
【0028】
このバンドパスフィルタは、規定周波数範囲の外側における周波数成分の信号をカットする。規定周波数範囲とは、人の脈波に応じた周波数として規定された周波数の範囲であり、具体的には、0.5[Hz]から5[Hz]までの周波数の範囲であってもよい。
<1.1−3 制御ユニット>
図4に示すように、制御ユニット40は、表示器42と、メモリ44と、制御部50とを備えている。
【0029】
表示器42は、制御部50からの信号に従って情報を表示する。この表示器42として、例えば、液晶ディスプレイや、各種のインジケータなどを用いることが考えられる。
メモリ44は、記憶内容を書き換え可能な記憶装置である。このメモリ44は、可搬型の記憶装置であってもよい。
【0030】
制御部50は、AD変換器(図中、ADC)52と、記憶部54と、導出部56とを備えている。
AD変換器52は、アナログ信号をデジタル信号へと変換する回路である。本実施形態のAD変換器52は、センシング部10での検出信号をアナログ信号で取得し、デジタル信号に変換する。
【0031】
記憶部54は、各種の処理プログラムや処理に必要なデータ、処理過程で生成されたデータを記憶する記憶装置である。各種の処理プログラムには、被験者100の体表面の温度変化をセンシング部10にて計測した結果に基づいて脈波指標を導出する脈波導出処理を実行するためのプログラムが含まれる。
【0032】
導出部56は、少なくともCPUを有したマイクロコンピュータを中心に構成されている。この導出部56は、脈波導出処理を実行することで脈波指標を導出する。脈波指標とは、被験者100の脈波に関する指標であり、例えば、脈波そのものや脈拍数などを含む。
【0033】
なお、本実施形態においては、AD変換器52、記憶部54、表示器42、メモリ44、及び導出部56の動作を制御する制御信号の周波数が、規定周波数範囲の範囲外となるように設定されている。すなわち、本実施形態においては、これらの各部における制御信号の周波数が規定周波数範囲の範囲外に設定されることが、低減部として機能する。低減部とは、センシング部10の外部からの当該センシング部10へのノイズの影響を低減する構成である。
<1.1−4 脈波導出処理>
脈波導出処理は、予め規定された規定時間(例えば、100[ms])間隔で繰り返し起動される。
【0034】
そして、脈波導出処理が起動されると、導出部56は、
図5に示すように、AD変換器52で変換した「被験者100の体表面からの熱流束」を取得し、記憶部54に記憶する(S10)。
【0035】
そして、導出部56は、記憶部54に記憶されている「被験者100の体表面からの熱流束」に基づいて脈波指標を導出する(S20)。本実施形態のS20では、導出部56は、AD変換器52から取得した信号を、脈波指標の1つである被験者100の脈波そのものとして導出する。
【0036】
すなわち、
図6(A)に示す、熱流束センサ16で検出された検出信号は、検出回路38及びAD変換器52を通過することで、ノイズが除去される。このノイズが除去された信号は、
図6(B)に示す被験者100の脈波を表す脈波信号となる。その脈波信号を、脈波導出処理のS10にて導出部56が取得し、S20にて、被験者100の脈波そのものとして取り扱う。
【0037】
さらに、脈波導出処理のS20では、導出部56は、その被験者100の脈波における単位時間(例えば、「1分」)でのピークの回数を、脈波指標の1つである脈拍数として導出する。この脈拍数の導出方法は、
図7(A)に示すように、脈波を表す信号におけるピークの回数を集計することで実行してもよいし、
図7(B)に示すように、脈波を表す信号を周波数解析し、ピークとなる周波数から演算することで実行してもよい。
【0038】
脈波導出処理では、続いて、導出部56は、S20で導出した脈波指標を出力する(S30)。このS30での脈波指標の出力先は、表示器42であってもよいし、メモリ44であってもよい。
【0039】
その後、導出部56は、脈波導出処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
[1.2 第1実施形態の効果]
(1.2a) 生体情報計測装置1は、発明者が詳細な検討を行った結果として得られた、人の体表面の温度は心臓の拍動に応じて推移するという知見に基づくものであり、被験者100の体表面における温度の変化をセンシングすることで、被験者100の脈波を導出している。
【0040】
つまり、生体情報計測装置1によれば、被験者100の脈波を計測するために、被験者100の体表面の温度変化を計測すればよく、発光部を発光する必要がない。特に、生体情報計測装置1において、被験者100の体表面における温度変化の計測に用いられる熱流束センサ16は、パッシブなセンサであるため、消費電力を抑制できる。
【0041】
以上説明したように、生体情報計測装置1によれば、被験者100の脈波を計測可能としつつ、消費電力を抑制できる。
(1.2b) しかも、生体情報計測装置1においては、被験者100の脈波を導出するためにセンシングする対象は、被験者100の体表面における温度の変化である。よって、生体情報計測装置1によれば、被験者100の皮膚の表面に含まれるメラニン色素の過多に関わらず、脈波を導出できる。
【0042】
(1.2c) 熱流束センサ16は、測温接点の各々をシート材18に配置することで構成されており、測温接点の密度を高めることで小型化できる。よって、生体情報計測装置1によれば、装置全体の小型化を進めることができる。
【0043】
(1.2d) 特に、熱流束センサ16は、複数の第1接続部材26と複数の第2接続部材28とが交互に直列に接続されることで構成されている。このような熱流束センサ16を用いることで、熱流束センサ16の出力値を増加させることができ、被験者100の脈波の検出精度を向上させることができる。
【0044】
(1.2e) また、熱流束センサ16によれば、
図8に示すように、測温接点としての表面パターン34が多点化されているため、被験者100の体表面から熱流束を検出する際のSN比を向上させることができる。
【0045】
この結果、生体情報計測装置1によれば、被験者100の脈波指標の検出精度を向上させることができる。
(1.2f) 熱流束センサ16が備えるシート材18は、可撓性を有した材料にて形成されている。よって、被験者100の体表面に沿って熱流束センサ16の形状を変化させることができ、被験者100の体表面に熱流束センサ16を密着させることができる。
【0046】
この結果、生体情報計測装置1によれば、被験者100の体表面から熱流束を検出する際のSN比を向上させることができ、被験者100の脈波の導出精度を向上させることができる。
【0047】
(1.2g) さらに、生体情報計測装置1においては、被覆部14によって、センシング部10の反対面12が覆われている。これにより、生体情報計測装置1によれば、センシング部10の反対面12における温度の変化を抑制でき、被験者100の体表面からの熱流束をセンシング部10で検出する際のSN比を向上させることができる。
【0048】
(1.2h) 特に、被覆部14は、被験者100の体表面からの熱流束に影響を与えない熱容量として規定された規定値以上の熱容量を有するため、反対面12の温度変化をより安定させることができ、熱流束センサ16での熱流束の検出精度を向上させることができる。
【0049】
(1.2i) なお、生体情報計測装置1によれば、各部の制御信号の周波数を規定周波数範囲の範囲外としている。このため、生体情報計測装置1によれば、センシング部10で計測した結果に基づく被験者100の脈波と、各部における信号の周波数とを切り分けることができ、導出部56で導出される被験者100の脈波への制御信号の周波数の影響を低減できる。
【0050】
(1.2j) 生体情報計測装置1のセンシング部10は、バンド6において被験者100の体表面に接触する側の面に設置されている。
このため、生体情報計測装置1によれば、被験者100にバンド6を取り付けることで、その被験者100の体表面の温度変化を計測し、当該被験者100の脈波を導出できる。すなわち、生体情報計測装置1によれば、被験者100の脈波を簡易に計測できる。
[1.3 第1実施形態の変形例]
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は上記第1実施形態に限定されるものではない。
【0051】
(1.3a) 上記実施形態では、AD変換器52、記憶部54、表示器42、メモリ44、及び導出部56の動作を制御する制御信号の周波数を、規定周波数範囲の範囲外とすることで、低減部を構成していたが、低減部の構成はこれに限るものではない。
【0052】
例えば、
図9に示すように、低減部102は、制御部50の少なくとも一部分をセンシング部10と非接触とする構造であってもよい。この非接触とする構造は、具体的には、センシング部10の反対面12に、制御部50の少なくとも一部分が非対向となる構造であってもよい。非対向とは、少なくとも一部分が向き合わない状態である。
【0053】
このような生体情報計測装置1によれば、センシング部10での計測結果ノイズの影響を、低減部102によって低減でき、センシング部10での被験者100の体表面における温度変化の検出精度を向上させることができる。この結果、生体情報計測装置1によれば、被験者100の脈波の導出精度を向上させることができる。
【0054】
特に、このような低減部102であれば、制御部50の少なくとも一部分がセンシング部10と非接触であるため、センシング部10での計測結果へのノイズの影響をより低減できる。更に言えば、このような低減部102であれば、制御部50の少なくとも一部分がセンシング部10の反対面12に非対向となるため、センシング部10での計測結果へのノイズの影響をより低減できる。
[2.1 第2実施形態]
本実施形態においては、第1実施形態の生体情報計測装置1と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態の生体情報計測装置1とは異なる構成及び処理を中心に説明する。
<2.1−1 生体情報計測装置>
図10に示す生体情報計測装置2は、被験者100の体表面の温度変化を計測し、その計測した結果に基づいて、生体情報として脈波指標を導出する装置である。
【0055】
この生体情報計測装置2は、1つのバンド6と、複数のセンシングユニット8と、1つの制御ユニット60とを備えている。本実施形態においては、センシングユニット8の個数を「4つ」として説明する。ただし、センシングユニット8の個数は、2以上であれば、何個であってもよい。
【0056】
センシングユニット8の各々は、センシング部10と、被覆部14とを備えている。
センシング部10は、被験者100の体表面の温度変化を計測する機構であり、熱流束センサ16と、検出回路38とを備える。
【0057】
被覆部14は、センシング部10各々の反対面12の少なくとも一部分を覆う構造である。本実施形態の被覆部14は、センシング部10の反対面12の全面を覆うように構成されている。被覆部14は、センシング部10で計測される被験者100の体表面からの熱流束に影響を与えない熱容量として規定された規定値以上の熱容量である規定熱容量を有する。
【0058】
センシングユニット8の各々は、バンド6において被験者100の体表面に接触する側の面に設置されている。さらに、本実施形態においては、センシング部10の各々のうち、対をなすセンシング部10が、被験者100の体を挟んで対称となるように設置されている。
【0059】
本実施形態における熱流束センサ16の構造は、第1実施形態における熱流束センサ16の構造と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
<2.1−2 制御ユニット>
図11に示すように、制御ユニット60は、表示器42と、メモリ44と、制御部62とを備えている。
【0060】
制御部62は、複数のAD変換器52と、記憶部54と、加算器64と、導出部66とを備えている。
AD変換器52は、アナログ信号をデジタル信号へと変換する回路である。本実施形態のAD変換器52は、対応するセンシング部10からの検出信号をアナログ信号で取得し、デジタル信号に変換する。
【0061】
加算器64は、AD変換器52の各々からのデジタル信号の加算平均を出力する回路である。すなわち、加算器64は、センシング部10の各々で計測した温度変化の代表値としての加算平均の結果を算出する。
【0062】
記憶部54は、各種の処理プログラムや処理に必要なデータ、処理過程で生成されたデータを記憶する記憶装置である。各種の処理プログラムには、脈波導出処理を実行するための処理プログラムが含まれる。
【0063】
導出部66は、少なくともCPUを有したマイクロコンピュータを中心に構成されている。この導出部66は、脈波導出処理を実行することで脈波指標を導出する。
具体的に、導出部66は、第1実施形態に記載された脈波導出処理において、AD変換器52で変換した「被験者100の体表面からの熱流束」を、「被験者100の体表面からの熱流束の平均値(即ち、加算器64の出力)」へと読み替え、「被験者100の体表面からの熱流束」を、「被験者100の体表面からの熱流束の平均値」へと読み替えて実行する。
【0064】
なお、本実施形態においては、AD変換器52、記憶部54、表示器42、メモリ44、加算器64及び導出部66の動作を制御する制御信号の周波数が、規定周波数範囲の範囲外となるように設定されている。すなわち、本実施形態においては、これらの各部における制御信号の周波数が規定周波数範囲の範囲外に設定されることが、低減部として機能する。
[2.2 第2実施形態の効果]
(2.2a) このような生体情報計測装置2によれば、複数のセンシング部10で計測した被験者100の体表面における温度変化の代表値に基づいて脈波指標を導出できる。
【0065】
この結果、生体情報計測装置2によれば、脈波指標の信頼性を高いものとすることができる。
(2.2b) 生体情報計測装置2によれば、対をなすセンシング部10が、被験者100を挟んで対称となるように設置されているため、そのセンシング部10を構成するペアのうちの少なくとも一方が、その被験者100に接触している可能性が高い。
【0066】
このため、生体情報計測装置2によれば、被験者100の温度変化を計測し続けられる可能性を高めることができ、被験者100の脈波の導出が途切れることを低減できる。
例えば、対をなすセンシング部10を、被験者100の手首を挟んで対称となるように設置することを想定する。この場合、センシング部10を構成するペアのうちの一方が、重力などの外的要因によって被験者100の体表面から離れていたとしても、他方が被験者100の体表面に接触した状態となる。このため、他方のセンシング部10によって、当該被験者100の体表面の温度変化を計測し続けることができる。
[2.3 第2実施形態の変形例]
(2.3a) 上記実施形態では、加算器64で加算平均を実行した結果を、センシング部10の各々で計測した温度変化の代表値として算出していたが、被験者100の体表面における温度変化の代表値の算出方法は、これに限るものではない。
【0067】
例えば、センシング部10の各々で計測した被験者100の体表面の温度変化うち、人の温度変化として不適切な温度変化を除外した温度変化の平均値や最頻値などを、被験者100の体表面における温度変化の代表値として算出してもよい。
【0068】
この場合、制御部62は、
図12に示すように、加算器64に換えて選択回路68を備えていることが好ましい。選択回路68は、センシング部10の各々で計測した温度変化の中で、人の体表面の温度変化として不適切な温度変化として規定された不適温度変化範囲内となった温度変化を除外するように構成されていてもよい。そして、導出部66は、除外されない被験者100の体表面の温度変化に基づいて、被験者100の体表面における温度変化の代表値として、人の体表面の温度変化として適切な温度変化の平均値や最頻値などを算出してもよい。
【0069】
さらに、導出部66は、その被験者100の体表面における温度変化の代表値に従って、被験者100の脈波指標を算出すればよい。
このような生体情報計測装置2によれば、被験者の脈波を、2つ以上のセンシング部10で計測した温度変化の代表値に基づいて導出できる。
[3.1 第3実施形態]
本実施形態においては、第1実施形態の生体情報計測装置1と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態の生体情報計測装置1とは異なる構成及び処理を中心に説明する。
<3.1−1 生体情報計測装置>
図13に示す生体情報計測装置3は、被験者100の体表面の温度変化を計測し、その計測した結果に基づいて、生体情報としての脈波指標を導出する装置である。
【0070】
この生体情報計測装置3は、1つのバンド6と、複数のセンシングユニット8と、複数の接触センサ78と、1つの制御ユニット70とを備えている。本実施形態においては、センシングユニット8の個数をLとして説明する。符号Lは、2以上の自然数である。
【0071】
センシングユニット8の各々は、センシング部10と、被覆部14とを備えている。
接触センサ78の各々は、対応するセンシング部10と被験者100の体表面との接触状態を検出する接触検出部としてのセンサである。この接触センサ78は、静電容量式の接触センサであってもよいし、インピーダンス式の接触センサであってもよい。
<3.1−2 制御ユニット>
制御ユニット70は、表示器42と、メモリ44と、制御部72とを備えている。
【0072】
制御部72は、AD変換器52と、AD変換器74と、記憶部54と、導出部76とを備えている。
AD変換器52は、対応するセンシング部10からの検出信号をアナログ信号で取得し、デジタル信号に変換する。
【0073】
AD変換器74は、アナログ信号をデジタル信号へと変換する回路である。本実施形態のAD変換器74の各々は、対応する接触センサ78からの信号をアナログ信号で取得し、デジタル信号に変換する。
【0074】
記憶部54は、各種の処理プログラムや処理に必要なデータ、処理過程で生成されたデータを記憶する記憶装置である。各種の処理プログラムには、脈波導出処理を実行するための処理プログラムが含まれる。
【0075】
導出部76は、少なくともCPUを有したマイクロコンピュータを中心に構成されている。この導出部76は、脈波導出処理を実行することで脈波指標を導出する。
なお、本実施形態においては、AD変換器52、AD変換器74、記憶部54、表示器42、メモリ44、及び導出部76の動作を制御する制御信号の周波数が、規定周波数範囲の範囲外となるように設定されている。すなわち、本実施形態においては、これらの各部における制御信号の周波数が規定周波数範囲の範囲外に設定されることが、低減部として機能する。
<3.1−3 脈波導出処理>
脈波導出処理は、予め規定された規定時間(例えば、100[ms])間隔で繰り返し起動される。
【0076】
そして、脈波導出処理が起動されると、導出部76は、
図14に示すように、AD変換器52で変換した「被験者100の体表面からの熱流束」を取得し、記憶部54に記憶する(S110)。さらに、S110では、導出部76は、AD変換器74でデジタル信号に変換した接触センサ78各々での検出結果を取得する。
【0077】
そして、導出部76は、S110で取得した接触センサ78の各々での検出結果に基づいて、センシング部10と被験者100の体表面とが接触していることを表す接触センサ78が存在するか否かを判定する(S120)。
【0078】
この判定の結果、センシング部10と被験者100の体表面とが接触していることを表す接触センサ78が存在していなければ(S120:NO)、導出部76は、脈波指標の導出を非実行とする(S130)。非実行とは、脈波指標の導出を実行しないという意味である。
【0079】
導出部76は、その後、本脈波導出処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
一方、S120での判定の結果、センシング部10と被験者100の体表面とが接触していることを表す接触センサ78が存在していれば(S120:YES)、導出部76は、脈波導出処理をS140へと移行させる。
【0080】
そのS140では、導出部76は、センシング部10と被験者100の体表面とが接触していることを表す接触センサ78に対応するセンシング部10の中で、接触状態が最も良い接触センサ78に対応するセンシング部10を選択する。なお、接触状態が最も良いとは、例えば、接触センサ78の出力が、センシング部10と被験者100の体表面とが接触している場合の出力範囲として規定された規定出力範囲内、かつ最良の出力値であるという意味を含む。
【0081】
さらに、S150では、導出部76は、S140で選択されたセンシング部10からの検出結果に基づいて、脈波指標を導出する。なお、脈波指標の導出方法は、第1実施形態と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0082】
脈波導出処理では、続いて、導出部76は、S150で導出した脈波指標を出力する(S160)。このS160での脈波指標の出力先は、表示器42であってもよいし、メモリ44であってもよい。
【0083】
その後、導出部76は、脈波導出処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
[3.2 第3実施形態の効果]
(3.2a) このような生体情報計測装置3によれば、被験者100の体表面に接触している少なくとも1つのセンシング部10で計測した被験者100の体表面の温度変化に基づいて被験者100の脈波を導出できる。
【0084】
このため、生体情報計測装置3によれば、導出される被験者100の脈波をより適切なものとすることができる。
(3.2b) 生体情報計測装置3では、被験者100の体表面と接触するセンシング部10が存在しなければ、被験者100の脈波の導出を非実行としている。
【0085】
このため、生体情報計測装置3によれば、脈波として異常な結果が導出されることを抑制できる。
[4.1 第4実施形態]
本実施形態においては、第1実施形態の生体情報計測装置1と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態の生体情報計測装置1とは異なる構成及び処理を中心に説明する。
<4.1−1 生体情報計測装置>
図15に示す生体情報計測装置4は、被験者100の体表面の温度変化を計測し、その計測した結果に基づいて、生体情報としての脈波指標を導出する装置である。
【0086】
この生体情報計測装置4は、1つのバンド6と、複数のセンシングユニット8と、加速度センサ88と、1つの制御ユニット80とを備えている。本実施形態においては、センシングユニット8の個数をLとして説明する。
【0087】
加速度センサ88は、被験者100の状態を検出する状態検出部としてのセンサである。この加速度センサ88は、加速度センサ88自身に加わる加速度を計測するセンサであり、バンド6に設けられている。
<4.1−2 制御ユニット>
次に、制御ユニット80は、表示器42と、メモリ44と、制御部82とを備えている。制御部82は、AD変換器52と、AD変換器84と、記憶部54と、導出部86とを備えている。
【0088】
AD変換器52は、対応するセンシング部10からの検出信号をアナログ信号で取得し、デジタル信号に変換する。
AD変換器84は、アナログ信号をデジタル信号へと変換する回路である。本実施形態のAD変換器84は、加速度センサ88からの信号をアナログ信号で取得し、デジタル信号に変換する。
【0089】
記憶部54は、各種の処理プログラムや処理に必要なデータ、処理過程で生成されたデータを記憶する記憶装置である。各種の処理プログラムには、脈波導出処理を実行するための処理プログラムが含まれる。
【0090】
導出部86は、少なくともCPUを有したマイクロコンピュータを中心に構成されている。この導出部86は、脈波導出処理を実行することで脈波指標を導出する。
なお、本実施形態においては、AD変換器52、AD変換器84、記憶部54、表示器42、メモリ44、及び導出部86の動作を制御する制御信号の周波数が、規定周波数範囲の範囲外となるように設定されている。すなわち、本実施形態においては、これらの各部における制御信号の周波数が規定周波数範囲の範囲外に設定されることが、低減部として機能する。
<4.1−3 脈波導出処理>
脈波導出処理は、予め規定された規定時間(例えば、100[ms])間隔で繰り返し起動される。
【0091】
そして、脈波導出処理が起動されると、導出部86は、
図16に示すように、AD変換器52で変換した「被験者100の体表面からの熱流束」を取得し、記憶部54に記憶する(S210)。さらに、S210では、導出部86は、AD変換器84でデジタル信号に変換した加速度センサ88での計測値を取得する。
【0092】
そして、導出部86は、S210で取得した加速度センサ88での計測値が、予め規定された規定条件を満たすか否かを判定する(S220)。規定条件とは、被験者100が、予め規定された大きさ以上の体動を実施していることである。具体的にS220では、導出部86は、加速度センサ88での計測値が、予め定められた閾値以上であれば、規定条件を満たすものと判定すればよい。
【0093】
この判定の結果、計測値が規定条件を満たしていなければ(S220:NO)、導出部86は、センシング部10からの検出信号に基づいて、被験者100の脈波指標を導出する(S230)。なお、脈波指標の導出方法は、第1実施形態と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0094】
脈波導出処理では、続いて、導出部86は、S230で導出した脈波指標を出力する(S250)。このS250での脈波指標の出力先は、表示器42であってもよいし、メモリ44であってもよい。
【0095】
その後、導出部86は、脈波導出処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
一方、S220での判定の結果、計測値が規定条件を満たしていれば(S220:YES)、導出部86は、脈波導出処理をS240へと移行させる。
【0096】
このS240では、導出部86は、加速度センサ88での計測値に基づいて、センシング部10からの検出信号から被験者100の体動に起因する周波数成分を除去する。さらに、S240では、導出部86は、その被験者100の体動に起因する周波数成分が除去された検出信号に基づいて脈波指標を導出する。なお、脈波指標の導出方法は、第1実施形態と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0097】
脈波導出処理では、続いて、導出部86は、S240で導出した脈波指標を出力する(S250)。このS250での脈波指標の出力先は、表示器42であってもよいし、メモリ44であってもよい。
【0098】
その後、導出部86は、脈波導出処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
つまり、本実施形態の脈波導出処理では、導出部86は、状態検出部で検出した被験者100の状態に基づいて、導出した被験者の脈波を補正する。その補正は、被験者100の体動に起因する周波数成分が除去されるように実施される。
[4.2 第4実施形態の効果]
このような生体情報計測装置4によれば、被験者100の状態に基づいて、導出した被験者100の脈波を補正するため、当該被験者100の脈波の精度を向上させることができる。
[5.1 第5実施形態]
本実施形態においては、第1実施形態の生体情報計測装置1と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態の生体情報計測装置1とは異なる構成及び処理を中心に説明する。
<5.1−1 生体情報計測装置>
図17に示す生体情報計測装置5は、被験者100の体表面の温度変化を計測し、その計測した結果に基づいて、生体情報としての脈波指標を導出する装置である。
【0099】
この生体情報計測装置5は、1つのバンド6と、複数のセンシングユニット8と、気流センサ98と、1つの制御ユニット90とを備えている。本実施形態においては、センシングユニット8の個数をL(Lは2以上の自然数)として説明する。
【0100】
気流センサ98は、少なくとも1つのセンシング部10の周辺における状況を検出する周辺検出部の1つであり、そのセンシング部10の周辺の気流を計測するセンサである。この気流センサ98として、具体的には、気体の流量、及び流れの方向を計測する、いわゆるフローセンサを用いればよい。
<5.1−2 制御ユニット>
制御ユニット90は、表示器42と、メモリ44と、制御部92とを備えている。
【0101】
制御部92は、AD変換器52と、AD変換器94と、記憶部54と、導出部96とを備えている。
AD変換器52は、対応するセンシング部10からの検出信号をアナログ信号で取得し、デジタル信号に変換する。
【0102】
AD変換器94は、アナログ信号をデジタル信号へと変換する回路である。本実施形態のAD変換器94は、気流センサ98からの信号をアナログ信号で取得し、デジタル信号に変換する。
【0103】
記憶部54は、各種の処理プログラムや処理に必要なデータ、処理過程で生成されたデータを記憶する記憶装置である。各種の処理プログラムには、脈波導出処理を実行するための処理プログラムが含まれる。
【0104】
導出部96は、少なくともCPUを有したマイクロコンピュータを中心に構成されている。この導出部96は、脈波導出処理を実行することで脈波指標を導出する。
なお、本実施形態においては、AD変換器52、AD変換器94、記憶部54、表示器42、メモリ44、及び導出部96の動作を制御する制御信号の周波数が、規定周波数範囲の範囲外となるように設定されている。すなわち、本実施形態においては、これらの各部における制御信号の周波数が規定周波数範囲の範囲外に設定されることが、低減部として機能する。
<5.1−3 脈波導出処理>
脈波導出処理は、予め規定された規定時間(例えば、100[ms])間隔で繰り返し起動される。
【0105】
そして、脈波導出処理が起動されると、導出部96は、
図18に示すように、AD変換器52で変換した「被験者100の体表面からの熱流束」を取得し、記憶部54に記憶する(S310)。さらに、S310では、導出部96は、AD変換器84でデジタル信号に変換した気流センサ98での計測値を取得する。
【0106】
そして、導出部96は、S310で取得した気流センサ98での計測値が、予め規定された規定条件を満たすか否かを判定する(S320)。本実施形態における規定条件とは、気流センサ98に対応するセンシング部10の周辺の状況が予め定められた流量かつ流速以上変化した状況であることである。具体的にS320では、導出部96は、気流センサ98での計測値が、前回の計測値と比較して、予め定められた閾値以上変化していれば、規定条件を満たすものと判定すればよい。
【0107】
この判定の結果、計測値が規定条件を満たしていなければ(S320:NO)、導出部96は、センシング部10からの検出信号に基づいて、被験者100の脈波指標を導出する(S330)。なお、脈波指標の導出方法は、第1実施形態と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0108】
脈波導出処理では、続いて、導出部96は、S330で導出した脈波指標を出力する(S350)。このS350での脈波指標の出力先は、表示器42であってもよいし、メモリ44であってもよい。
【0109】
その後、導出部96は、脈波導出処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
一方、S320での判定の結果、計測値が規定条件を満たしていれば(S320:YES)、導出部96は、脈波導出処理をS340へと移行させる。
【0110】
このS340では、導出部96は、気流センサ98での計測値に基づいて、センシング部10からの検出信号から、センシング部10の周辺における気流の変化に起因する周波数成分を除去する。さらに、S340では、導出部96は、その気流に起因する周波数成分が除去されたセンシング部10からの検出信号に基づいて、脈波指標を導出する。なお、脈波指標の導出方法は、第1実施形態と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0111】
脈波導出処理では、続いて、導出部96は、S340で導出した脈波指標を出力する(S350)。このS350での脈波指標の出力先は、表示器42であってもよいし、メモリ44であってもよい。
【0112】
その後、導出部96は、脈波導出処理を終了し、次の起動タイミングまで待機する。
つまり、本実施形態の脈波導出処理では、導出部96は、周辺検出部で検出したセンシング部10の周辺の状況に基づいて、導出した被験者100の脈波を補正する。その補正は、センシング部10の周辺における気流の変化に起因する周波数成分が除去されるように実施される。
[5.2 第5実施形態の効果]
このような生体情報計測装置5によれば、センシング部10の周辺の状況に基づいて、導出した被験者100の脈波を補正するため、当該被験者100の脈波の精度を向上させることができる。
[6. その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0113】
(6a) 上記実施形態のセンシング部10は検出回路38を備えていたが、検出回路38は省略されていてもよい。
(6b) また、上記実施形態のセンシング部10では、被験者100の体表面の温度変化を計測するセンサとして熱流束センサ16を想定していたが、被験者100の体表面の温度変化を計測するセンサは、これに限るものではなく、温度変化を計測するセンサであれば、どのようなものであってもよい。
【0114】
(6c)更に言えば、上記実施形態の熱流束センサ16は、第1接続部材26及び第2接続部材28を複数有していたが、熱流束センサ16が備える第1接続部材26及び第2接続部材28は、単数であってもよい。
【0115】
(6d) 上記実施形態の熱流束センサ16では、第1接続部材26の端点と第2接続部材28の端点とは、表面パターン34または裏面パターン36を介して接続されていたが、第1接続部材26の端点と第2接続部材28の端点とは、表面パターン34または裏面パターン36を介すことなく、直接接続されていてもよい。
【0116】
(6e) また、センシング部10は、熱流束センサ16に換えて、被験者100の体表面の温度を計測する温度センサを備えていてもよい。この場合、導出部56,66,76,86,96が、被験者100の体表面の温度変化を導出して、脈波指標を算出してもよい。
【0117】
(6f) また、上記実施形態においては、バンド6が装着される被験者100の部位として、被験者100の手首を想定していたが、バンド6が装着される被験者100の部位は、被験者100の腰であってもよいし、被験者100の足首であってもよいし、被験者100の腕であってもよい。
【0118】
(6g) 上記実施形態においては、センシング部10の形状を矩形としていたが、センシング部10の形状は、円形であってもよいし、楕円形であってもよいし、その他の形状であってもよい。すなわち、センシング部10の形状は、どのようなものであってもよい。
【0119】
(6h) 上記実施形態の生体情報計測装置1,2,3,4,5は、被覆部14を備えていたが、被覆部14は省略されていてもよい。
また、被覆部14を備えている場合、その被覆部14は、センシング部10の反対面12の少なくとも一部分を覆う構造であれば、どのような構造であってもよい。
【0120】
(6i) 上記実施形態における導出部56,66,76,86,96が実行する機能の一部または全部は、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成されていてもよい。
【0121】
(6j) 上記実施形態においては、記憶部54にプログラムが格納されていたが、プログラムを格納する記憶媒体は、これに限るものではなく、半導体メモリなどの非遷移的実体的記憶媒体に格納されていてもよい。
【0122】
(6k) また、導出部56,66,76,86,96は非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行してもよい。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実現される。
【0123】
(6l) なお、上記実施形態の構成の一部を省略した態様も本発明の実施形態である。また、上記実施形態と変形例とを適宜組み合わせて構成される態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。
【0124】
(6m) 上記実施形態の説明で用いる符号を特許請求の範囲にも適宜使用しているが、各請求項に係る発明の理解を容易にする目的で使用しており、各請求項に係る発明の技術的範囲を限定する意図ではない。