特許第6495854号(P6495854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6495854
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190325BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20190325BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20190325BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   H01L29/78 371
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-52770(P2016-52770)
(22)【出願日】2016年3月16日
(65)【公開番号】特開2017-168645(P2017-168645A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2018年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】東芝メモリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】大村 光広
(72)【発明者】
【氏名】今村 翼
(72)【発明者】
【氏名】酒井 伊都子
【審査官】 佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−119099(JP,A)
【文献】 特開平09−050984(JP,A)
【文献】 特開2007−180493(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0035742(US,A1)
【文献】 特開平11−186236(JP,A)
【文献】 特開2000−091450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層、前記第1層の第1方向に積層された第2層、前記第2層の前記第1方向に積層された他の第1層、及び、前記他の第1層の前記第1方向に積層された他の第2層を含む被加工物に前記第1方向に延びるホールを形成し、
前記被加工物上と、前記ホールの側壁のうちの浅い部分と、に第1膜を形成し、
前記第1膜の表面に第2膜を形成し、
前記被加工物上に形成された前記第1膜及び前記第2膜を、第1エッチャントを用いて除去して、前記浅い部分に形成された前記第1膜の少なくとも一部、及び、前記第1膜の前記少なくとも一部の前記表面に形成された前記第2膜の少なくとも一部を残し、
前記残された前記第1膜の前記少なくとも一部と、前記残された前記第2膜の前記少なくとも一部と、から前記ホール内において露出する前記被加工物の深い部分の少なくとも一部を第2エッチャントを用いて除去する半導体装置の製造方法であって、
前記第1膜の前記第1エッチャントに対するエッチングレートは、前記第2膜の前記第1エッチャントに対するエッチングレートよりも高い半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1層は、シリコン酸化物を含み、
前記第2層は、シリコン窒化物を含む請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1膜の前記形成は、前記第1膜を炭化水素を含むガスを用いて形成することを含む、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1膜の前記形成は、前記第1膜をメタンを含むガスを用いて形成することを含む、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2膜の前記形成は、前記第2膜を、六フッ化タングステン、六フッ化モリブデン、六フッ化レニウム、六フッ化イリジウム、六フッ化プラチナ、四塩化チタン、四酸化ルテニウム及びトリメチルアンモニウムからなる群より選択された少なくとも1つと、酸素ガスと、を含むガスを用いて形成する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1膜は、炭素膜を含み、
前記第2膜は、酸化金属膜を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記酸化金属膜に含まれる金属元素は、タングステン、モリブデン、チタン、アルミニウム、レニウム、イリジウム、プラチナ及びルテニウムからなる群より選択された少なくとも1つ以上を含む、請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2膜の前記形成は、前記第1膜の前記形成が行われるチャンバで実施される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1エッチャントを用いた前記除去は、前記チャンバで実施される、請求項8記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1膜の前記形成において、前記チャンバの内壁の少なくとも一部に前記第1膜の一部が形成され、
前記第2膜の前記形成において、前記チャンバの前記内壁の前記少なくとも一部に形成された前記第1膜の前記一部の表面の少なくとも一部に、前記第2膜の一部が形成される請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1エッチャントを用いた前記除去は、
前記チャンバの前記内壁の前記少なくとも一部に形成された前記第1膜の前記一部の少なくとも一部、及び、
前記チャンバの前記内壁の前記少なくとも一部に形成された前記第1膜の前記一部の前記表面の少なくとも一部に形成された前記第2膜の前記一部の少なくとも一部を除去することを含む、請求項10記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第2エッチャントを用いた前記除去は、前記チャンバ内で実施される、請求項8〜11のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ホールの前記形成は、前記チャンバで実施される、請求項8〜12のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1膜の前記形成は、前記被加工物が配置されたステージに、第1電源から出力される第1電力を供給することを含み、
前記第2膜の前記形成は、前記ステージに、前記第1電源から出力される第3電力、及び、第2電源から出力される第4電力を供給し、電極に第3電源から出力される第5電力を供給することを含み、前記ステージと前記電極との間に前記被加工物が配置され、前記第3電力の第3周波数は前記第4電力の第4周波数とは異なり、前記第5電力の第5周波数は、前記第3周波数及び前記第4周波数の少なくともいずれかよりも低い、請求項8〜13のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第5周波数は、前記第3周波数及び前記第4周波数のいずれかと同じ、請求項14記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1エッチャントを用いた前記除去は、前記ステージに、前記第1電源から供給される第6電力及び前記第2電源から供給される第7電力を供給し、前記電極に前記第3電源から第8電力を供給することを含み、前記第6電力の第6周波数は、前記第7電力の第7周波数とは異なり、前記第8電力の第8周波数は、前記第6周波数及び前記第7周波数の少なくともいずれかよりも低い、請求項14または15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第8周波数は、前記第6周波数及び前記第7周波数のいずれかと同じ、請求項16記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第8周波数は、前記第3周波数及び前記第4周波数のいずれかと同じ、請求項16または17に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1エッチャントは、酸素イオン及び水素イオンの少なくともいずれかを含む請求項1〜18のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記第2エッチャントは、フッ素及び炭素を含む請求項1〜19のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、メモリセルを3次元的に集積させた半導体装置が提案されている。このような半導体装置の製造工程において、被加工物にアスペクト比が高いホールが形成される。均一で高アスペクト比のホールが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4416595号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、均一で高アスペクト比のホールが形成できる半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、半導体装置の製造方法は、第1層、前記第1層の第1方向に積層された第2層、及び、前記第2層の前記第1方向に積層された他の第2層を含む被加工物に前記第1方向に延びるホールを形成する。前記被加工物上と、前記ホールの側壁のうちの浅い部分と、に第1膜を形成する。前記第1膜の表面に第2膜を形成する。前記被加工物上に形成された前記第1膜及び前記第2膜を、第1エッチャントを用いて除去して、前記浅い部分に形成された前記第1膜の少なくとも一部、及び、前記第1膜の前記少なくとも一部の前記表面に形成された前記第2膜の少なくとも一部を残す。前記残された前記第1膜の前記少なくとも一部と、前記残された前記第2膜の前記少なくとも一部と、から前記ホール内において露出する前記被加工物の深い部分の少なくとも一部を第2エッチャントを用いて除去する。前記第1膜の前記第1エッチャントに対するエッチングレートは、前記第2膜の前記第1エッチャントに対するエッチングレートよりも高い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
図2】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる処理装置を例示する模式図である。
図3図3(a)〜図3(f)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式図である。
図4図4(a)〜図4(h)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式図である。
図5図5(a)〜図5(h)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、半導体装置を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
以下、実施形態に係る製造方法の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【0009】
図1に示すように、被加工物にホールを形成し(ステップS110)、その被加工物上、及び、ホールの側壁のうちの浅い部分に、第1膜及び第2膜を形成する(ステップS120及びS130)。そして、被加工物上に形成された第1膜及びその第1膜の表面に形成された第2膜を、第1エッチャントを用いて除去する(ステップS140)。このとき、ホールの側壁のうちの浅い部分に形成された第1膜及び第2膜は残る。その後、ホールの内側において、残った第1膜及び第2膜から露出する被加工物を、第2エッチャントを用いてさらに除去する(ステップS150)。すなわち、残った第1膜及び第2膜を用いてホールの浅い部分を保護しつつ、ホールの深い部分の被加工物をさらに除去して、ホールの深い部分の幅を広げる。
【0010】
実施形態においては、上記の第1膜の第1エッチャントに対するエッチングレートは、上記の第2膜の第1エッチャントに対するエッチングレートよりも高い。これにより、ステップS140において、被加工物上に形成された第1膜及び第2膜が例えばリフトオフ効果によって効果的に除去できる。一方、ホールの側壁のうちの浅い部分において、これらの膜が残りやすい。残ったこれらの膜を用いてホールの浅い部分の側壁を保護しつつ、ホールの底部を広げる。これにより、例えば、ホールの径の均一性が高い、深いホールを形成できる。これにより、均一で高アスペクト比のホールが形成できる。
【0011】
以下、まず、このような製造方法に用いられる装置の例について説明する。
図2は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる処理装置を例示する模式図である。
【0012】
処理装置210は、例えば、エッチング装置である。処理装置210は、例えば、チャンバ61、ステージ62L、第1電源RF1、及び、第1ブロッキングコンデンサBC1を含む。ステージ62Lは、チャンバ61内に設けられる。第1電源RF1は、例えば高周波電源である。第1電源RF1は、第1ブロッキングコンデンサBC1を介して、ステージ62Lと電気的に接続される。チャンバ61は、例えば、ガス供給口61s、排出口61v及び電極62Uを含む。例えば、電極62Uの少なくとも一部は、ステージ62Lと、Z方向において対向する。この例では、電極62Uは、接地されている。このような処理装置210内において、ステージ62Lと電極62Uの間に、被加工物が配置される。
【0013】
ガス供給口61sからエッチングガスをチャンバ61内に導入する。そして、第1電源RF1からステージ62Lに電力を供給する。これにより、プラズマが発生する。プラズマを利用して、エッチングが行われる。チャンバ61内に適切な原料ガスを供給することで、膜を形成することもできる。
以下、このような処理装置210を用いて、上記のステップ110〜150を実施する例について説明する。
【0014】
図3(a)〜図4(g)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式図である。
図3(a)、図3(c)、図3(e)、図4(a)、図4(c)、図4(e)及び図4(g)は、半導体装置の製造方法を例示する工程順断面図である。
図3(b)、図3(d)、図3(f)、図4(b)、図4(d)、図4(f)及び図4(h)は、それぞれ、図3(a)、図3(c)、図3(e)、図4(a)、図4(c)、図4(e)及び図4(g)に示す製造工程におけるチャンバの状態を例示する。
【0015】
図3(a)に示すように、基体10上に被加工物MLが設けられている。被加工物MLにおいて、第1方向(Z方向)に、複数の第1層21及び複数の第2層22が交互に積層されている。第1層21は、例えば酸化シリコンを含み、第2層22は、例えばシリコン窒化物を含む。実施形態において、これらの層は任意である。また、ここで「交互」とは第1層21と第2層22との間に、例えばバリア層や接着層などの他の膜を介して積層する場合、第1層21と第2層22との少なくともいずれか一方それ自体が、複数層を含む積層膜である場合を含む。
【0016】
被加工物ML上に、所定の形状の第1マスクパターンMP1(例えばSi膜)、第2マスクパターンMP2(例えばCVDによるC膜)及び第3マスクパターンMP3(例えばシリコン酸化膜)が設けられている。これらは、例えば、以下のように形成される。
【0017】
被加工物ML上に第1マスク膜MS1を形成し、その上に第2マスク膜MS2を形成し、さらに、その上に第3マスク膜MS3を形成する。その上に、レジスト膜(図示しない)を形成し、例えばホールパターンの露光及び加工を行い、所定の形状のレジストパターン(図示しない)が得られる。
【0018】
その後、図3(b)に示す処理装置210内で、第1マスク膜MS1、第2マスク膜MS2及び第3マスク膜MS3の加工を行う。例えば、ガス供給口61sからエッチングガスをチャンバ61内に導入して、第1電源RF1からステージ62Lに電力を印加する。例えば、エッチングガスとして、フルオロカーボン系のエッチングガスが用いられる。これにより、チャンバ61内に第1プラズマP1(例えば、フルオロカーボンプラズマ)が発生する。第1プラズマP1に含まれる活性種により、レジストパターン(図示しない)をマスクとして用いたエッチングが行われる。具体的には、第3マスク膜MS3を加工し第3マスクパターンMP3が得られる。その後、第3マスクパターンMP3をマスクとして第2マスク膜MS2を加工し第2マスクパターンMP2が得られる。その後、第2マスクパターンMP2をマスクとして第1マスク膜MS1を加工し第1マスクパターンMP1が得られる。この結果、第1〜第3マスク膜MS1〜MS3からそれぞれ、第1〜第3マスクパターンMP1〜MP3が得られる。この結果、第1〜第3マスク膜MS1〜MS3からそれぞれ、第1〜第3マスクパターンMP1〜MP3が得られる。
【0019】
例えば、レジストをマスクとして、フルオロカーボンプラズマを用いて第3マスク膜MS3を加工して、第3マスクパターンMP3が得られる。第3マスクパターンMP3をマスクとして、第2マスク膜MS2をOを主成分とするプラズマで加工して、第2マスクパターンMP2が得られる。第2マスクパターンMP2をマスクとして、第1マスク膜MS1をClを主成分とするプラズマで加工して、第1マスクパターンMP1が得られる。
【0020】
図3(c)に示すように、これらのマスクを用いて、被加工物MLにホールMHを形成する(ステップS110)。この工程では、第1〜第3マスクパターンMP1〜MP3をマスクとした異方性エッチングが行われる。このエッチングにより、被加工物MLにホールMHが形成される。
【0021】
このホールMHは、例えば、以下のように形成される。
図3(d)に示すように、ガス供給口61sからエッチングガスをチャンバ内に導入して、第1電源RF1からステージ62Lに電力を供給する。例えば、エッチングガスとしてフルオロカーボン系のエッチングガスが用いられる。これにより、チャンバ61内に第2プラズマP2(例えば、フルオロカーボンプラズマ)が発生する。第2プラズマP2に含まれる活性種によって被加工物MLがエッチングされる。このとき、この例では、第3マスクパターンMP3は除去され、さらに、第2マスクパターンMP2の一部も除去される。第2マスクパターンMP2の一部は残っている。このエッチングによって、ホールMHが形成される。ホールMHは、Z方向(第1方向)に延びる。
図3(c)に示すように、このようなホールMHの深い部分(下側部分)は、テーパー状である。例えば、ホールMHの下側部分(深い部分)の第2側壁MHs2とZ方向との間の角度は、ホールMHの上側部分(浅い部分)の第1側壁MHs1とZ方向との角度よりも大きい。
【0022】
その後、図3(e)に示すように、第2マスクパターンMP2の残りを除去する。
例えば、図3(f)に示すように、チャンバ61内に酸素ガスを供給する。第1電源RF1からステージ62Lに電力を供給する。これにより、チャンバ61内に第3プラズマP3(酸素プラズマ)が発生する。この第3プラズマP3に含まれる活性種によって、第2マスクパターンMP2は除去される。
【0023】
図4(a)に示すように、被加工物ML上及びホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に第1膜71を形成する(ステップS120)。第1膜71は、例えば炭素を含む。この例では、第1膜71は、被加工物MLの上面MLuの上に設けられた第1マスクパターンMP1上に形成される。さらに、第1膜71は、ホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に形成される。
【0024】
このような第1膜71は、例えば、以下のように形成される。
図4(b)に示すように、ガス供給口61sから、炭化水素(例えばメタン)を含むガスをチャンバ61内に導入する。第1電源RF1からステージ62Lに電力を供給する。これにより、チャンバ61内に第4プラズマP4(メタンプラズマ)が発生する。この第4プラズマP4に含まれる活性種によって第1膜71が形成される。メタンガスから生じる活性種は、被加工物MLへの付着確率が高い。このため、活性種は、ホールMHの深い部分に到達する前に、ホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に付着する。これにより、被加工物MLの上面MLuの上(この例では、第1マスクパターンMP1の上)及びホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に、第1膜71が形成される。この第1膜71は、例えば、炭素膜を含む。このとき、チャンバ61の内壁61wの少なくとも一部に、第1膜71の一部が形成される。
【0025】
図4(c)に示すように、第1膜71の表面の少なくとも一部に第2膜72を形成する(ステップS130)。第2膜72は、金属元素を含む。第2膜72は、例えば、酸化金属膜を含む。例えば、第2膜72は、タングステン、モリブデン、チタン、アルミニウム、レニウム、イリジウム、プラチナ及びルテニウムからなる群より選択された少なくとも1つを含む。例えば、第2膜72は、例えば酸化タングステンを含む。
【0026】
このような第2膜72は、例えば、以下のように形成される。
図4(d)に示すように、ガス供給口61sから、金属元素を含むガス(例えば、六フッ化タングステンガス)と酸素ガスとの混合ガスをチャンバ61内に導入する。第1電源RF1からステージ62Lに電力を供給する。これにより、チャンバ61内に第5プラズマP5(混合ガスプラズマ)が発生する。この第5プラズマP5に含まれる活性種によって、第2膜72が形成される。このとき、チャンバ61の内壁61wに形成された第1膜71の表面の少なくとも一部に、第2膜72の一部が形成される。例えば、金属元素を含むガスとして、WF(六フッ化タングステン)、MoF(六フッ化モリブデン)、ReF(六フッ化レニウム)、IrF(六フッ化イリジウム)、PtF(六フッ化プラチナ)、TiCl(四塩化チタン)、RuO(四酸化ルテニウム)及び(CHAl(トリメチルアルミニウム)からなる群より選択された少なくとも1つを用いてもよい。
【0027】
図4(e)に示すように、被加工物ML上に形成された第1膜71及び被加工物ML上に形成された第1膜71の表面に形成された第2膜72を、第1エッチャントを用いて除去する(ステップS140)。このとき、ホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に形成された第1膜71の少なくとも一部、及び、その第1膜71(第1側壁MHs1に形成された第1膜71)の表面に形成された第2膜72の少なくとも一部は、残す。
【0028】
例えば、第1膜71の第1エッチャントに対するエッチングレートは、第2膜72の第1エッチャントに対するエッチングレートよりも高い。第1エッチャントは、例えば、酸素プラズマに含まれる活性種(例えば、酸素イオン及び酸素ラジカル)、及び、水素プラズマに含まれる活性種(水素イオン及び水素ラジカル)の少なくともいずれかである。
【0029】
被加工物ML上に形成された第1膜71及びその第1膜71の表面に形成された第2膜72が、除去し易くなる。すなわち、被加工物MLの上面MLuにおいて、エッチングレートの低い第2膜72の下にエッチングレートが高い第1膜71が設けられている。例えば、第2膜72に局所的に薄い部分などがあると、この部分を介して、第1膜71が激しくエッチングされる。これにより、第1膜71の上に位置する第2膜72は、例えばリフトオフ効果によって除去されやすくなる。このため、被加工物MLの上面MLu上の第1膜71及び第2膜72は、良好に除去される。エッチングチャンバを用いて室温で有機膜上に形成したメタル含有膜は高温のCVD膜などと比べれば緻密では無く、リフトオフが可能であるが、積極的に膜厚を薄くする必要がある場合には、後述の第2の実施形態を用いることが出来る。一方、ホールMH内には、第1エッチャントは入りにくい。ホールMHの浅い部分において第2膜72の一部が薄くなった場合にも、リフトオフによって除去される第1膜71及び第2膜72の面積は、小さい。すなわち、ホールMH内の浅い部分では、これらの膜が残りやすい。
【0030】
このような第1膜71及び第2膜72のエッチングは、以下のように実施される。
図4(f)に示すように、例えば、酸素ガスをガス供給口61sからチャンバ61内に導入する。第1電源RF1からステージ62Lに電力を供給する。これにより、第6プラズマP6(酸素プラズマ)が発生する。チャンバ61内の圧力を適切に制御する。被加工物ML上に形成された第1膜71及びその表面に形成された第2膜72に、第6プラズマP6に含まれる活性種(例えば、酸素イオン及びラジカル)が照射される。例えば、チャンバ61内の圧力は、例えば、10mTorr以上、1Torr以下である。チャンバ61内の圧力は、例えば、排出口61vからのチャンバ61内の気体の排出量を調整することにより制御される。
【0031】
第6プラズマP6の活性種(第1エッチャント)によって被加工物MLの上面MLu上に形成された第1膜71及び第2膜72がエッチングされる。例えば、既に説明したように、リフトオフ効果により、第1膜71がエッチングされることで、その第1膜71の表面に形成された第2膜72も除去される。このとき、チャンバ61の内壁61wに形成された第1膜71及びその表面に形成された第2膜72も除去される。一方、既に説明したように、ホールMH内の浅い部分において、第1膜71及び第2膜72は残り易い。このエッチングは、水素プラズマを用いて実施されてもよい。
【0032】
図4(g)に示すように、ホールMH内において第1膜71及び第2膜72から露出した被加工物MLの一部を第2エッチャントを用いて除去する(ステップS150)。第2エッチャントは、例えばフッ素及び炭素を含む。
【0033】
第2エッチャントの被加工物MLに対するエッチングレートは、第2エッチャントの第2膜72に対するエッチングレートよりも高い。このエッチングにより、ホールMHの第2側壁MHs2(深い部分)の一部が除去される。ホールMHの第2側壁MHs2の一部が除去されて、この部分の径が大きくなる。例えば、ステップS150の後においては、ホールMHの第2側壁MHs2とZ方向との間の角度は、ステップS150の前の状態の角度よりも小さくなる。すなわち、ステップS150により、第2側壁MHs2(深い部分)とZ方向との間の角度は、第1側壁MHs1(浅い部分)とZ方向との間の角度に近くなる。ホールMHの径が、均一化される。均一で高アスペクト比のホールが形成できる。
【0034】
このような、第2エッチャントを用いた加工は、例えば、以下のように実施される。
例えば、図4(h)に示すように、ガス供給口61sから例えばフルオロカーボン系のエッチングガスをチャンバ61内に導入する。第1電源RF1からステージ62Lに電力を供給する。これにより、チャンバ61内に第7プラズマP7(フルオロカーボンプラズマ)が発生する。第7プラズマP7に含まれる活性種(第2エッチャント)によって、ホールMH内において第1膜71及び第2膜72から露出した被加工物MLの一部が除去される。
【0035】
このように、本実施形態においては、ホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に第1膜71及び第2膜72を形成する。その後、ホールMHの第2側壁MHs2(深い部分)をエッチングする。これにより、アスペクト比が高く、均一なホールを形成することができる。第1膜71及び第2膜72によってホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)は覆われている。このため、例えば、ボウイング(ホールMHの径が部分的に大きくなる現象)が抑制される。ボウイングを抑制することで、例えば、半導体装置におけるデバイス特性のばらつきを小さくできる。
【0036】
例えば、上記のステップS140(被加工物ML上の第1膜71及び第2膜72の第1エッチャントによる除去)において、被加工物ML上に形成された第1膜71及び第2膜72の除去が不十分であり、これらの膜の一部が、被加工物ML上に残っていると、その後のステップS150(第2エッチャントによりホールMHの深い部分の側壁MHs2の除去)において、処理が不安定になる。例えば、被加工物ML上に不均一に残った膜(第1膜71及び第2膜72)は、第2エッチングプラズマ中の活性種と反応し、プラズマ状態を変化させる事でエッチング特性に影響を与えることがある。さらに、チャンバ61の内壁61wに膜(例えば第1膜71及び第2膜72)が残っており、その膜が剥がれると、ダストが発生することがある。ダストにより、ホールが不均一になる。例えば、製品歩留まりが低下する。
【0037】
これに対して、本実施形態においては、ステップS150(ホールMHの下側部分のエッチング)の前のステップS140において、被加工物ML上に形成された第1膜71及び第2膜72を効果的に除去する。これにより、ステップS150(ホールMHの下側部分のエッチング)が均一に安定して実施できる。そして、ダストも抑制される。
【0038】
上記のように、実施形態において、チャンバ61の内壁61wに、第1膜71及び第2膜72が形成される。エッチングレートが低い第2膜72の下に、エッチングレートが高い第1膜71が設けられているため、チャンバ61の内壁61wにおいても、リフトオフ効果により、これらの膜も除去され易くなる。チャンバ61内におけるダストの発生が抑制される。これにより、例えば、半導体装置の製造歩留まりが向上する。
【0039】
(第2の実施形態)
本実施形態では、処理装置に複数の電源が設けられ、複数の電源から周波数が互いに異なる電力が供給される。
【0040】
図5(a)〜図5(h)は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式図である。
図5(a)、図5(c)、図5(e)及び図5(g)は、半導体装置の製造方法を例示する工程順断面図である。図5(b)、図5(d)、図5(f)及び図5(h)は、それぞれ図5(a)、図5(c)、図5(e)及び図5(g)に示す工程におけるチャンバを例示する。
【0041】
図5(a)に示すように、被加工物MLにホールMHを形成した(ステップS110)後に、被加工物ML上及びホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に第1膜71を形成する(ステップS120)。第1膜71は、例えば、炭素を含む。第1膜71は、例えば、炭素膜である。
【0042】
この処理は、例えば、図5(b)に示す処理装置220で実施される。処理装置220は、処理装置210(図2参照)の構成において、第2電源RF2及び第3電源RF3がさらに設けられている。これらの電源は、例えば高周波電源である。第2電源RF2は、第2ブロッキングコンデンサBC2を介してステージ62Lと電気的に接続されている。第3電源RF3は、第3ブロッキングコンデンサBC3を介して電極62Uと電気的に接続されている。その他の構成は、上記の処理装置210と同様である。
【0043】
このステップS120(第1膜71の形成)の実施においては、例えば、ガス供給口61sからメタンを含むガスをチャンバ61内に導入する。第1電源RF1からの第1電力をステージ62Lに供給する。この例では、第2、第3電源RF3は動作させない。第2電力の第2周波数は、第1電力の第1周波数とは異なる。この例では、第1周波数は、約100MHzである。第2周波数は、約13.56MHzであり、第2周波数は第1周波数よりも低い。第1電源RF1からの第1電力により、チャンバ61内に第4プラズマP4が発生する。この第4プラズマP4により第1膜71が、チャンバ61の内壁61w、被加工物MLの上面MLuの上(この例では、第1マスクパターンMP1の上)、及び、ホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に形成される。
【0044】
図5(c)に示すように、第1膜71の表面に第2膜72を形成する(ステップS130)。
図5(d)に示すように、ガス供給口61sから、金属元素(例えば六フッ化タングステンなど)を含むガス、及び、酸素ガスをチャンバ61内に導入する。第1電源RF1及び第2電源RF2からステージ62Lに電力を供給する。
【0045】
例えば、第1電源RF1からの第3電力、及び、第2電源RF2からの第4電力がステージ62Lに供給される。この第3電力の第3周波数は、第4電力の第4周波数とは異なる。例えば、第4周波数は、第3周波数よりも低い。さらに、第3電源RF3からの第5電力を電極62Uに供給する。第5電力の第5周波数は、第3周波数及び第4周波数の少なくともいずれかよりも低い。第3周波数は、例えば、約100MHzである。第4周波数及び第5周波数のそれぞれは、例えば、約13.56MHzである。
【0046】
周波数が高い第3電力により、第5プラズマ(混合ガスプラズマ)が発生する。この第5プラズマP5により、第2膜72が形成される。このとき、周波数が低い第4電力により、被加工物MLの上面MLuの上の第1膜71の表面に形成された第2膜72は、スパッタリングされ、薄くなる。
【0047】
さらに、周波数の低い第5電力により、チャンバ61の内壁61wに形成された第1膜71の上の第2膜72は、スパッタリングされ、薄くなる。チャンバ61の内壁61wに形成された第2膜72の厚さは、ホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に形成された第2膜72の厚さよりも薄くなる。
【0048】
図5(e)に示すように、被加工物MLの上面MLuの上に形成された第1膜71、及び、その第1膜71の表面に形成された第2膜72を、第1エッチャントを用いて除去する(ステップS140)。第1エッチャントに対する第1膜71のエッチングレートは、第1エッチャントに対する第2膜72のエッチングレートよりも高い。
【0049】
例えば、図5(f)に示すように、酸素ガスをガス供給口61sからチャンバ61内に導入する。第1電源RF1からの第6電力、及び、第2電源RF2からの第7電力をステージ62Lに供給する。そして、電極62Uに、第3電源RF3からの第8電力を供給する。この第6電力の第6周波数は、第7電力の第7周波数とは異なる。例えば、第7周波数は、第6周波数よりも低い。一方、第8電力の第8周波数は、第6周波数及び第7周波数の少なくともいずれかよりも低い。例えば、第8周波数は、第6周波数及び第7周波数のいずれかと同じでも良い。例えば、第6周波数は、約100MHzである。第7周波数は、約13.56MHzである。第8周波数は、約13.56MHzである。
【0050】
周波数の高い第6電力により、第6プラズマP6が発生する。これにより、エッチングが行われる。さらに、周波数が低い第7電力を用いることで、被加工物MLの上面MLuの上に形成された第1膜71及びこの第1膜71の表面に形成された第2膜72の除去効率が向上する。さらに、周波数が低い第8電力により、チャンバ61の内壁61wに形成された第1膜71及びこの第1膜71の表面に形成された第2膜72の除去効率が向上する。これにより、これらの膜を効率良く除去しつつ、ホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)には、第1膜71及び第2膜72が残る。
【0051】
図5(g)に示すように、ホールMH内において残された第2膜72及び第1膜71から露出した被加工物MLの一部を、第2エッチャントを用いて除去する(ステップS150)。第2エッチャントの被加工物MLに対するエッチングレートは、第2エッチャントの第2膜72に対するエッチングレートよりも高い。このエッチングにより、ホールMHの第2側壁MHs2(深い部分)の一部が除去される。
【0052】
このようなステップ150は、以下のように行われる。
図5(h)に示すように、ガス供給口61sから例えばフルオロカーボン系のエッチングガスをチャンバ61内に導入して、第1電源RF1からステージ62Lに電力を供給する。これにより、チャンバ61内に第7プラズマP7(フルオロカーボンプラズマ)が発生する。第7プラズマP7に含まれる活性種(第2エッチャント)によって、ホールMH内において第1膜71及び第2膜72から露出した被加工物MLの一部が除去される。ホールMHの第1側壁MHs2(深い部分)の一部が除去されて、この部分のホール径が大きくなる。ホールMHの径が、均一化される。均一で高アスペクト比のホールが形成できる(図5(g)参照)。
【0053】
本実施形態においては、ホールMHの第1側壁MHs1(浅い部分)に第1膜71及び第2膜72が形成される。その後、ホールMHの第2側壁MHs2(深い部分)の一部をエッチングする。これにより、均一でアスペクト比の高いホールMHを形成することができる。例えば、ボーイングが抑制できる。デバイス特性のばらつきが小さい半導体装置を製造できる。
【0054】
本実施形態においては、第1電源RF1からの電力に加えて、第2電源RF2からの電力を供給して、第2膜72を形成する。被加工物MLの上面MLuの上に形成される第2膜72の厚さを薄くできる。後のエッチングによって、被加工物MLの上面MLuの上に形成されたこれらの膜が除去されやすくなる。
【0055】
さらに、この第2膜72の形成において、電極62Uに第3電源RF3からの電力を供給する。これにより、チャンバ61の内壁61wに形成される第2膜72の厚さが薄くできる。チャンバ61の内壁61wに形成された第1膜71及び第2膜72のエッチングが容易になる。
【0056】
実施形態に係る製造方法によって製造される半導体装置の例について説明する。
図6(a)及び図6(b)は、半導体装置を例示する模式図である。図6(a)は、模式的斜視図である。図6(b)は、図6(a)に示すA1−A2線断面図である。
【0057】
図6(a)に示すように、半導体装置310は、基体10、積層体MLe及びピラーPLを含む。基体10は、例えば、半導体基板などを含んでも良い。基体10は、半導体基板の上に設けられた絶縁膜を含んでも良い。積層体MLeは、基体10の上に設けられる。積層体MLeは、複数の層間絶縁層91及び複数の導電層WLを含む。例えば、層間絶縁層91は、第1層21に対応する(図4(a)参照)。例えば、導電層WLは、例えば、上記のようなステップS110〜S150の工程の後に、第2層22を除去した後の空間に導電材料を設けることにより形成される。ピラーPLは、第1方向に沿って積層体MLe中を延びる。
【0058】
ピラーPLは、半導体膜51及びコア絶縁膜52を含む。コア絶縁膜52は、積層体MLe中をZ方向に延びる。半導体膜51は、積層体MLeとコア絶縁膜52との間に設けられている。
【0059】
メモリ膜MFは、ピラーPLと積層体MLeとの間に設けられている。メモリ膜MFは、ブロック絶縁層41、電荷蓄積層42及びトンネル絶縁層43を含む。
【0060】
ブロック絶縁層41は、ピラーPLと積層体MLeとの間に設けられている。トンネル絶縁層43は、ピラーPLとブロック絶縁層41との間に設けられている。電荷蓄積層42は、ブロック絶縁層41とトンネル絶縁層43との間に設けられている。ピラーPL及びメモリ膜MFは、ホールMH内に設けられる。
【0061】
図6(b)に示すように、半導体装置310に導電層WLとピラーPLとの間にメモリセルが形成される。半導体装置310において、複数の導電層WLとピラーPLとの間のそれぞれに、メモリセルが形成される。ホールMHにボウイング部分が形成されると、メモリセルの形状が不均一となる。デバイス特性が不均一になる。
【0062】
ホールMH内に第1膜及び第2膜を形成しない参考例では、ホールMHの下側部分をエッチングする際に、マスクパターンに形成されたファセット部分でイオンなどの活性種ASが反跳する。このため、反跳した活性種がホールMHの側壁に衝突し、ボーイングが発生し易い。
【0063】
実施形態においては、第1膜71及び第2膜72によってホールMHの側壁が保護されている。これにより、ボーイングの発生が抑制される。そして、第1膜及び第2膜のエッチングレートを適切に設定することで、ホールの側壁の浅い部分の第1膜及び第2膜を残した状態で、被加工物上に形成されたこれらの膜を効果的に除去できる。そして、残ったこれらの膜を用いてホールの浅い部分を保護しつつ、ホールの深い部分を広げる。例えば、径の均一性が高い、深いホールを形成できる。均一で高アスペクト比のホールが形成できる。
【0064】
実施形態によれば、均一で高アスペクト比のホールが形成できる半導体装置の製造方法が提供できる。
【0065】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0066】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10:基体、 21:第1層、 22:第2層、 41:ブロック絶縁層、 42:電荷蓄積層、 43:トンネル絶縁層、 51:半導体膜、 52:コア絶縁膜、 61:チャンバ、 61s:ガス供給口、 61v:排出口、 62L:ステージ、 62U:電極、 71:第1膜、 72:第2膜、 91:層間絶縁層、 210、220:処理装置、 310:半導体装置、 AS:活性種、 BC1〜BC3:第1〜第3ブロッキングコンデンサ、 MF:メモリ膜、 MH:ホール、 MHs1、MHs2:第1、第2側壁、 ML:被加工物、 MLe:積層体、 MLu:上面、 MP1:第1マスクパターン、 MP2:第2マスクパターン、 MS1:第1マスク膜、 MS2:第2マスク膜、 P1〜P7:第1〜第7プラズマ、 PL:ピラー、 RF1〜RF3:第1〜第3電源、 WL:導電層
図1
図2
図3
図4
図5
図6