【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、方法課題を解決するために、プレス工具の、特にプレスシート又はエンドレスベルトの、表面構造の形成が3D層構造を用いて行われ、その場合に方法は以下のステップを有している:
−表面構造の3Dトポグラフィーのデジタルデータの準備と使用、
−3Dトポグラフィーの個々の2D層のデジタルデータの形成、
−加工ヘッドを案内するため、かつ/又はxy平面内で位置決めするため、あるいは、2D層のデジタルデータに従って、層材料を存在する支持体材料又はすでに形成されている層と結合するために、固定位置に保持された加工ヘッドに対して作業テーブルをx座標とy座標によって形成される平面内で追従させるために、2D層のデジタルデータを使用。
【0014】
本発明の他の好ましい形態が、下位請求項に開示されている。
【0015】
プレスシート又はエンドレスベルトの形成は、新しい方法によれば、3D層構造を用いて行われる。
この目的のために、3Dトポグラフィーを用いて個々の2D層のデジタルデータを形成するために、3Dトポグラフィーの準備されたデジタルデータが利用される。
その場合に2D層の数は、所望の構造深さに、すなわち最大で形成すべき構造の最も低い点に、依存する。
通常、プレスシート又はエンドレスベルトにおいて、表面構造を形成するために、エッチング技術によって80μmの深さ構造が得られる。
しかし個々の場合においては、この構造は、400μmの深さまで延びることができる。
3D層構造を用いてプレスシート又はエンドレスベルトを形成する場合に、状況は同様である。
それぞれプレス工具の後の進入深さを大きくしようとするほど、最も低い点と最も高い点の間の差は、それだけ大きく選択されなければならないので、個別場合においては、加工ヘッドを用いて多数の個別の2D層を形成しなければならない。
【0016】
2D層のデジタルデータを用いて、加工ヘッドを案内し、かつ/又はxy平面内で位置決めし、あるいは、2D層のデジタルデータに従って、層材料を存在する支持体材料又はすでに形成されている層と結合するために、固定位置に保持された加工ヘッドに対して作業テーブルをx座標とy座標によって形成される平面内で追従させる可能性が存在する。
使用される層材料に従って、加工ヘッドによって、選択された表面領域は、それが層材料が支持体材料であろうと、すでに形成されている層であろうと、存在する土台と結合されるように、加工される。
それぞれどのような加工ヘッドが使用されるかに従って、たとえばレーザービーム又は電子ビームのガイドを行うことができる。
プリンタ状の加工ヘッドの場合においては、作業テーブルが固定されている場合に、この加工ヘッドはプレス工具を介してx−y平面内で移動することができる。
代替的に、特別な適用場合において、加工ヘッドが固定位置に保持される場合に、作業テーブルがx−y平面内で移動することができる。
しかしこれは、高速で加工するために加工ヘッドも作業テーブルも移動できることを、排除するものではない。
作業テーブルが固定されている場合に、たとえば複数の独立した加工ヘッドを使用して、移動させることができる。
したがって、提供される2Dデータのデジタルデータを用いて加工ヘッドの制御を行う可能性が存在し、その場合に新しく塗布された層材料との結合を形成するために、形成すべき表面構造の輪郭が実質的に検出される。
【0017】
その場合に、デジタルデータによって、加工ヘッドを正確に制御する可能性が存在するので、表面構造のほぼ同一の再現を何度も行うことができ、あるいは場合によっては複数の層が段階状に重ねて配置される。
そのためには、模造された天然の表面構造を再現する、3Dトポグラフィーのデジタルデータを提供することが、必要となるだけである。
その後、3Dトポグラフィーのデジタル化されたデータから計算された2D層が、x座標とy座標によって形成される平面内で加工ヘッドを制御するために使用されるので、デジタルデータを用いて加工ヘッドを所定の位置へ移動させることができる。
それによって、所望の表面構造を模擬するために、部分的な層配置を塗布する可能性が生じる。
【0018】
本発明の特別な利点は、層材料の固化を不変の高い精度で行うことができ、したがって構造の欠陥箇所又は望ましくない重なりを回避できることにある。
その場合に本発明に係る方法によって、表面の大まかな構造化も、表面の細かな構造化も行うことできるので、場合によってはエッチングプロセスがまったく不要になる。
他の本質的な利点は、デジタルデータが表面の再現性を任意の回数、それも複雑なコントロール措置なしで、可能にし、それによって操作者の監視行動を最小限に限定できることによって生じる。
他の特別な利点として、従来技術に従って使用される、環境に負荷をかけるエッチング方法を大幅に回避できることが、申し立てられる。
上述したやり方は、特に、プレスシート又はエンドレスベルトのような、大フォーマットのプレス工具の形成にとって効果的である。
この場合において、大フォーマットのプレス工具は、少なくとも1つのエッジ長さが1メートルよりも大きいプレス工具を意味している。
典型的に、3x6メートルの規模のプレスシートが形成される。
【0019】
層構造のために、固体、液体、ペースト状、ガス状又は粉末の形状で存在する層材料が使用され、その場合に存在する支持体ボディないしそれ以前に塗布されている層との固化が、加工ヘッドによって行われる。
したがって層材料が液状又はペースト状である場合には、3Dプリントを出発点とすることができる。
【0020】
方法の他の形態において、電磁放射を発生させるための加工ヘッドが設けられており、その場合に特に赤外線放射あるいは1波長又は2波長を有するレーザー光が使用され、かつ/又は加工ヘッドが電子ビームを送出する。
電磁放射又は電子ビームによって、塗布された層材料が固化され、その場合に加工ヘッドは赤外線ランプ、UVランプ、レーザー又は電子ビーム源からなることができる。
【0021】
加工ヘッドのために電子ビームが使用される限りにおいて、この電子ビームは少なくとも部分的に位置固定して配置された加工ヘッドによって、テレビ受像器の場合のように、方向変換することができ、その場合に2D層のデジタルデータが利用される。
【0022】
その場合に、それぞれ使用される加工ヘッドの種類に応じて、異なる層材料、たとえば、鉄、金、銅、チタンなどのような金属あるいはABSのようなプラスチックと樹脂又は粉末を使用することができる。
層材料の結合は、たとえば焼結、あるいは支持体材料上にナノメートル領域まで可能な高い溶解を有する重合によって行うことができる。
支持体材料は、プレス工具であり、たとえばプレスシート又はエンドレスベルトである。
【0023】
3次元の層構造は、たとえば、部分的に層状に塗布されて固化される、固体状、液状又はガス状の材料によって行うことができ、その場合に液状の材料においては、重合が前面に来て、ガス状の材料の場合には化学反応に照準が置かれる。
固体の材料においては、ワイヤ、シングル又はマルチコンポーネント粉末と箔を使用することができる。
固体の材料、たとえばワイヤを出発点とする限りにおいて、これが溶融されて、支持体ボディ上で凝固することができる。
シングル又はマルチコンポーネント粉末は、結合剤によって固化され、あるいは溶融して次に凝固させるために使用され、この場合においてレーザーが「選択的レーザー焼結」(selective laser sintering (SLS)の形式で使用される。
箔が使用される限りにおいて、箔は切り取りと接合により、もしくは重合によって支持体ボディと固化することができる。
それに続いて残りの箔が除去されて、方法は少なくとも1つの他の箔によって定められる。
液状の材料は、好ましくは重合され、その場合にこれは、熱、2波長の光又は1波長の光によって行われる。
1波長の光は、たとえばランプ、レーザービームによって、あるいはホログラフィーを用いて使用することができる。
【0024】
既知の方法は、Additive Layer manufacturingであって、それにおいて粉末が、たとえば3Dプリントによる、3次元の層構造のための基礎として使用される。
この種の3Dプリンタは、1つ又は複数のプリントヘッドを有しており、それらが従来のインクジェットプリンタの場合と同様に機能する。
しかし、インクの代わりに、プリントヘッドを介して液状の接着剤(結合材料)を粉末層上に塗布することができる。
そのために基礎として、3Dトポグラフィーの2D層が用いられる。
粉末による3Dプリントにおいては、最も下の層上に、移動可能なプリントヘッドを介して液状の接着剤が粉末層上に塗布される。
その場合に3Dプリンタは、粉末層を有する支持体材料上に第1の層の2Dイメージを描き、そのようにして支持体材料上で個々の材料粒子を互いに接着する。
その後自動的に、新しい極めて薄い粉末層が第1の層上に敷かれ、第2の層をもってプロセスが繰り返される。
このようにして所望の3Dトポグラフィーが生じるまで、層上に層が塗布される。
3D構造を下から上へ向かって成長させることができるようにするために、粉末層は、それぞれ固化された層上に塗布される。
その場合に材料量は、層が互いに結合され、特に接着されるように、計算される。
粉末と接着剤は、異なる材料からなることができる。
たとえばプラスチック粉末あるいはセラミックガラス及び他の粉末状の材料を加工することができる。
このやり方は、3次元の層構造を得るための、もっとも簡単な可能性である。
【0025】
プレスシート又はエンドレスベルトを形成するために設けられる方法のために、好ましくは焼結方法(selective laser sintering; SLS)が考えられる。
この場合においては、金属の粉末材料が加工され、その粉末材料は3Dプリントとは異なり液状のプラスチックとは結合されず、高出力レーザーによって溶融される。
したがってプラスチックの他に、金属、セラミック及び砂も加工される。
【0026】
他の焼結方法(selective laser melting; SLM)は、同様に粉末状の材料とレーザーによって実施され、その場合に粉末状の材料が融合され、すなわち完全に溶融されるので、形成された表面構造の極めて高い密度を得ることができる。
電子ビーム溶融(electronic beam melting; EBM)においては、同様な原理に従って粉末状の金属が良好に制御可能な電子ビームを介して互いに融合され、その場合に電子ビームの制御は簡単に取り扱うことができ、かつ高い溶解精度が得られる。
【0027】
さらに、溶融された材料による(fuse deposition modelling; FDM)3Dプリントが考えられる。
それは、溶融された材料によるプリントのもっとも普及した方法であって、特に液状の材料による3Dプリントのために、ABS又はPLAのようなプラスチックが使用され、好ましくは液状のUV感受性のプラスチック(フォトポリマー)を使用することができる。
ここではステレオリソグラフィー(STL;SALA)が知られている。
このやり方においては、液状のエポキシ樹脂が槽内へ充填され、その場合にこの特殊なプラスチックは、所定の時間がたつと露光によって硬化するという、特別な特性を有している。
したがって3次元対象を発生させるために、3Dモデルの個々の層がレーザーによって液状の材料の表面へ投射され、第1の層が硬化するとすぐに、支持体ボディが層構造の高さだけ下方へ移動され、それによってその上方に再び液状の樹脂又はプラスチックが集まり、あるいは機械的なアームによって塗布することができる。
その後、次の層が投射されて、液状の樹脂、たとえばエポキシ樹脂が硬化する。
層構築の終了後に、完全に硬化していない対象が槽から取り出されて、しばしば専用の露光チャンバ内で完全に硬化するまで追加露光される。
他の方法は、digital light processing(DLP)とmulti jet modelling(MJM)である。
代替的に、film transfer inejing 方法(FTI)を適用する可能性があり、その場合にトランスポート箔が感光性のプラスチックを収容し、そのプラスチックが加工ヘッドによって所望の構造に従って硬化される。
【0028】
上述した方法のうち、プレスシートの形成には、好ましくは焼結が推奨される。
というのは、この場合において、それ自体充分な形状強度を有する金属が層をなして構築されるからである。
しかし同様に良好にプラスチック材料も使用することができ、それが金属の支持体ボディ上で溶融される。
電解金属分離の前に、支持体面上の電気的に導通しないプラスチック材料に電気的に導通する層が設けられなければならない。
これは、たとえば銀を含む溶液又は還元剤を含む溶液をスプレイすることによって行うことができる。
銀の沈積を有するプラスチック材料が、その後、ガルバニック槽内で、構造化された支持体面上にNE金属、たとえば銅、ニッケル又は真鍮からなる金属層が分離されるように、処理される。
それに続いて、少なくとも1度の光沢を有するクロム層を塗布することができる。
【0029】
支持体材料上に形成すべき表面構造を正確に加工するために、加工ヘッドの追従は表面に対して1cmから20cmの間隔で行われる。
その場合にさらに、加工ヘッドは、たとえば支持体材料のわずかな凹凸に基づく、表面と加工ヘッドとの間に生じる間隔変化に従って自動的に追従する。
それによって、加工ヘッドの制御データがその他においては変化しない場合に、加工すべき面の幅は変化する間隔に基づいて変化されない。
【0030】
方法の他の形態において、好ましくは、たとえば木材表面のような自然に成長した未加工材料、あるいは人工的に形成された構造、たとえばセラミック表面、の表面構造のデジタルデータの使用が基礎とされる。
したがって3次元の層構造を用いて、プレスシート又はエンドレスベルト上に所望の表面構造全体を設けることができ、それによってこれらのプレスシート又はエンドレスベルトが次に材料プレートをプレスするために使用される。
プレス工具を用いてプラスチック箔、
剥離フィルム、PVC表面又はLVTをプレスしようとする限りにおいて、これらは同様に自然の表面構造又は人工的な表面構造を基礎とすることができる。
デビッドカード、パス、クレジットカード又はその他のプラスチックカードがプレスされる限りにおいて、通常、安全上重要な特徴が前面に出され、それらは外的なプレスによって装飾層のみに設けられ、あるいは場合によっては同様にプレス工具を用いて最も外側の層内へ付加的に圧入することができる。
これは、木材バッジ、企業標識あるいは他のグラフィックシンボルとすることができる。
【0031】
方法の他の形態において、表面構造を検出するための3Dスキャナの使用と、3Dトポグラフィーを定めるためのデジタルデータの計算が行われ、その3Dスキャナは手本の表面全体を方向変換可能なミラーによって自然に正確にスキャンし、あるいは少なくとも1つのミラーによって方向変換されたレーザービームとそこから得られる反射とを用いて表面構造全体を走査することによって検出する。
同様に3Dマイクロスコープを使用することができ、それは付加的に、深さ構造の充分かつ改良されたデータを供給する。
代替的に、表面構造のグレースケール複写を使用することができる。
それによって得られた、3Dトポグラフィーのデジタルデータは、次に2D層構造に変換されるので、加工ヘッドを駆動することができる。
【0032】
このデジタル3Dデータの検出及び特にそれ以降の加工を簡単にするために、方法の他の形態においては、特に2D層のデジタルデータを求めるための補間とデータリダクションによるデジタルの3Dデータの変換及び加工ヘッドの制御が行われる。
【0033】
表面を構造化するための3次元の層構造のために、好ましくは、表面構造は繰り返されるレピートに関係なく、部分領域に分割することができ、その部分領域がそれぞれシーケンシャルに加工され、あるいは少なくとも部分的に複数の加工ヘッドによって並行に加工される。
その場合に部分領域の境界は、自由に選択可能であって、好ましくは境界が表面の未加工の領域と一致する形式で、定められるので、表面構造化において技術的にもたらされる不正確さが生じることがない。
使用される加工ヘッドに従って、定められた部分領域は10〜100cm、好ましくは50cmのエッジ長さを有することができる。
【0034】
さらに、方法を適用する場合に、レーザーのレーザービーム又は電子ビーム源の電子ビームは垂直(z座標)に対して角度をもって表面へ当接する。
その場合に2〜10nmの直径上でレーザービーム又は電子ビームを合焦することが可能である。
【0035】
表面構造化の技術的に生じる中断、すなわち使用される層材料の塗布、を行うことができるようにし、かつ続いて他の加工を実施するために、方法の他の好ましい形態においては、表面上に測定点が設けられており、それらが加工ヘッドの位置をいつでもコントロールすることを許すので、補正制御を行うことができ、かつ加工ヘッドは正確に、その前に中断された位置においてその作業を再び開始することができる。
【0036】
できあがったプレスシート又はエンドレスベルトは、構造化が行われた後に他の加工方法を受けることができる。
たとえば光沢度の異なる複数のクロム層を塗布することができ、その場合にまず全面的なクロムメッキが行われ、かつそれに続いて少なくとも1つの第2のクロムメッキ層を設けるために、表面構造の隆起した領域または低い位置にある領域がマスクで覆われる。
代替的に、光沢度を光沢液槽、機械液な後加工あるいは表面エッチングによって調節する可能性がある。
これら他の方法ステップの終了後に、プレスシート又はエンドレスベルトができあがり、定められた使用目的のために使用することができる。
【0037】
本発明の課題は、さらに、本発明に係る方法に従って大フォーマットのプレスシート又はエンドレスベルト上に3次元の層構造を形成することができる、装置を提供することである。
【0038】
本発明によれば、装置課題は、装置が、加工すべき材料のための少なくとも1つの載置装置、少なくとも1つの加工ヘッド及び加工ヘッドを任意の位置へ案内及び/又は移動させるため、あるいはx及びy座標によって形成される平面の内部で作業テーブルを追従させるためのキャリッジガイド並びにその位置に到着するための独立した駆動部材と制御ユニットを有し、その制御ユニットが加工ヘッド又は作業テーブルを案内し、位置決めし、かつ制御するために設けられていることによって、解決される。
その場合にx及びy座標の駆動は、3Dトポグラフィーの個々の2Dデータのデジタルデータによって行われ、その場合に少なくとも1つの加工ヘッドを用いて、使用される層材料が固化される。
【0039】
方法を適用するために設けられた装置は、まず、載置装置からなり、その上にプレスシート又はエンドレスベルトを載せることができる。
1メートルより大きい少なくとも1つのエッジ長さを有する、加工すべきプレスシート又はエンドレスベルトの大きさに基づいて、この載置装置は大フォーマットで形成されなければならず、かつプレスシートもしくはエンドレスベルトの平坦な載置を可能にしなければならない。
キャリッジガイドによって、x座標とy座標によって形成される平面内で加工ヘッドを移動させることが可能になり、その場合に位置へ到着するための独立した駆動部材が設けられている。
その場合に、3Dトポグラフィーの個々の2D層のデジタルデータが供給される制御ユニットを介して、加工ヘッドの、もしくは加工ヘッドが固定的に位置決めされている場合には作業テーブルの、ガイド、位置決め及び制御が行われる。
この場合に使用される加工ヘッドは、使用される粉末形式、ペースト状、ガス状又は液状の形式の層材料を固化するために、用いられる。
【0040】
装置請求項の他の形態において、1つ又は複数の加工ヘッドが平面内で1つの座標方向に配置されており、他の座標の方向へ一緒に移動することができる。
その場合に加工ヘッドは、表面に対して1〜20cmの間隔で配置することができ、その場合に10〜100cm、好ましくは50cmのエッジ長さを有する面を、加工ヘッドによって加工することができる。
【0041】
装置請求項の他の形態において、載置装置が平坦な平面を有し、その平面が多数の部分面に分割されており、かつ部分面の内部に真空吸引装置のための吸引開口部を有している。
真空吸引装置によって、プレスシート又はエンドレスベルトが吸い付けられるので、これが載置装置上に平坦に載置することができ、加工ヘッドによる他の加工ステップのために固定位置に保持され、それによってプレスシート又はエンドレスベルトがずれによって表面構造に対して移動することが回避される。
【0042】
できあがったプレスシート又はエンドレスベルトは、方法についてすでに説明したように、構造化が行われた後に他の加工方法を受けることができる。
たとえば異なる光沢度を有する複数のクロム層を設けることができ、その場合にまず、全面的なクロムメッキが行われ、かつ表面構造の隆起した、あるいは低い位置にある領域がマスクで覆われ、それによって次に少なくとも1つの第2のクロムメッキ層が設けられる。
代替的に、光沢度を光沢液層、機械的な後加工又は表面エッチングによって調節する可能性が存在する。
これら他の方法ステップの終了後に、プレスシート又はエンドレスベルトは完成し、定められた使用目的のために使用することができる。
【0043】
3次元の層構造を用いて形成された、プレス工具の、特に金属のプレスシート又はエンドレスベルトの表面構造は、それが材料プレート、プラスチック箔、
剥離フィルム、PVC表面、LVT(
高級ビニルタイル)、
デビッドカード、パス、クレジットカード又はプラスチックカードをプレスし、かつ/又は刻印するために使用されるように、設けられており、その場合にプレス工程によって500μmの深さまでの自然に忠実な表面構造が得られ、かつその場合にプレス工具の表面を構造化するために、x及びy座標を駆動するために、表面構造の3Dトポグラフィーの2D層のデジタルデータが使用され、かつその場合に表面は部分的に加工され、かつ、プレス工具の表面上に表面構造又はそのネガの予め定められた3Dトポグラフィーの再現が、層材料の塗布によって行われる。
【0044】
本発明は、さらに、少なくとも部分的に刻印された表面を有する材料プレートに関し、その材料プレートは、方法請求項のいずれかに従い、かつ装置請求項のいずれかに記載の装置を使用して形成された、プレスシート又はエンドレスベルトを使用して形成される。
【0045】
本発明に係る方法の好ましい形態において、手本として、たとえば木材表面のような、自然に成長した未加工材料、あるいは特に天然石表面のような、自然の鉱物の表面構造、あるいは、たとえばセラミック表面のような、人工的に形成された構造の3Dトポグラフィーのデジタルデータが使用される。
デジタルデータは、たとえばスキャナによって検出することができ、そのスキャナは表面構造の3Dトポグラフィー全体を方向変換可能なミラー技術によって自然に忠実に検出し、あるいは、少なくとも1つのミラーによって方向変換されたレーザービームとそれから得られる反射を用いて手本の表面構造の3Dトポグラフィー全体を走査することによって、検出する。
好ましくは、改良された深さ分解能を有する3Dマイクロスコープを使用することができる。
表面を構造化するために、さらに、表面構造のグレースケールイメージのデジタルデータを使用することができる。
その場合にカラースケールは、白と黒の間で所望の数のインターバルに分解される。
次に、各インターバルにカウンター値が対応づけられる。
カラー白に相当するインターバル値に、あるいはカラー黒に相当するインターバル値に、ゼロの数が対応づけられる。
その場合にインターバルは、カラースケールの反対側の端部まで、連続的に番号づけられる。
z座標は、インターバルに相当するカウンター値、あるいはそれの任意の数倍をとることができ、かつ2D層を定めるために使用することができる。
【0046】
本発明の特別な利点は、単純な支持体ボディ、たとえばスチールシート、が使用され、その上に表面を構造化するための3次元の層構造が、あるいは重合により、あるいは焼結によって形成されることにある。
それによって、前もってエッチングレジスト(マスク)を設けることを伴う煩雑なエッチング方法が不要となる。
したがってこの方法は、場合によっては仕上げまでに他の材料層、特に硬質クロム層の塗布が設けられる場合でも、極めて環境になじむ方法として特徴づけられる。
【0047】
以下、図を用いて本発明を詳細に説明する。