(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1フリット材料は、70〜80重量%のビスマス酸化物、2〜7重量%の亜鉛酸化物、5〜15重量%のシリコン酸化物、2〜7重量%のアルミニウム酸化物、0〜5%のマグネシウム酸化物、0〜5%のクロミウム酸化物、0〜5%の鉄酸化物、0〜5%のコバルト酸化物、0〜5%のナトリウム酸化物、0〜5%のマンガン酸化物、及び0〜5%のバリウム酸化物を含む、請求項1又は2に記載のキット。
前記第2フリット材料は、45〜67重量%のバナジウム酸化物、7〜25重量%のバリウム酸化物、及び4〜17重量%の亜鉛酸化物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のキット。
前記第2フリット材料は、0〜13重量%のテルル酸化物、0〜13重量%のモリブデン酸化物、0〜13重量%のタンタル酸化物、及び0〜13重量%のニオブ酸化物をさらに含み、
前記テルル酸化物、モリブデン酸化物、タンタル酸化物、及びニオブ酸化物のうち少なくとも1つは、少なくとも0.25重量%で提供される、請求項4に記載のキット。
【背景技術】
【0003】
真空断熱ガラス(VIG又は真空IG)ユニットは、当技術分野で知られている。一部例示のVIG構成は、例えば、米国特許第5,657,607号、同第5,664,395号、同第5,657,607号、同第5,902,652号、同第6,506,472号及び第6,383,580号に開示されており、その開示の内容は、全て本明細書に参照として含まれる。
【0004】
図1及び
図2は、一般的なVIG窓ユニット1及びVIG窓ユニット1の構成要素を示す。例えば、VIGユニット1は、2つの離隔した実質的に平行なガラス基板2,3を含み、ガラス基板は、その間に減圧された低圧の空間/キャビティ6を含む。ガラスシート又は基板2,3は、例えば、融合したはんだガラスなどで製造することができる周縁部シール4によって互いに結合される。支柱/スペーサ5の配列は、基板2,3の間に存在する低圧の空間/間隙6の点でVIGユニット1の基板2,3の間隔を保持するためにガラス基板2,3の間に含まれてもよい。
【0005】
ポンプアウトチューブ8は、例えば、ガラス基板2のうち1つの内面からガラス基板2の外面の任意の凹部11の下部まで又は任意のガラス基板2の外面に通じる開口/孔10にはんだガラス9等によって気密封止できる。内部キャビティ6を、例えば、順次的なポンプ操作を用いて大気圧より低い低圧に真空引きするために、真空装置をポンプアウトチューブ8に取り付ける。キャビティ6の減圧後、低圧のキャビティ/空間6内の真空状態を封止するために、チューブ8の一部分(例えば、先端)を溶融する。密封されたポンプアウトチューブ8が任意の凹部11内に保持されてもよい。任意に、化学的ゲッター材(getter)12は、ガラス基板のうちの1つ(例えば、ガラス基板2)の内面に配置される凹部13内に含まれてもよい。化学的ゲッター材12は、キャビティ6が減圧されて密封された後に保持されることができる特定の残留不純物を吸着する又はこれと結合するのに用いてもよい。
【0006】
周辺気密端部シール4(例えば、はんだガラス)を含むVIGユニットは、一般的に基板2の周辺部の周辺(又は基板3上)に、溶液上のガラスフリット(glass frit)又はその他適切な物質(例えば、フリットペースト)を蒸着することによって製造される。最終的に、このようなガラスフリットペーストによって端部シール4を形成する。2つの基板2,3の間にガラスフリット溶液及びスペーサ/支柱5が介在するように、基板2上にその他の基板(例えば、3)を配置する。ガラス基板2,3、スペーサ/支柱5及びシール材(例えば、溶液上のガラスフリット又はガラスフリットペースト)を含む全体アセンブリを、少なくとも約440℃の温度まで加熱し、この温度でガラスフリットが溶融して、ガラス基板2,3の表面を湿らした後、最終的に気密周辺/端部シール4を形成する。
【0007】
従来の端部シールの組成物は、当技術分野で知られている。例えば、米国特許第3,837,866号;同第4,256,495号;同第4,743,302号;同第5,051,381号;同第5,188,990号;同第5,336,644号;同第5,534,469号;同第7,425,518号、及び米国特許公開第2005/0233885号を参照し、その開示の内容は、全て本明細書に参照として含まれる。
【0008】
基板の間に端部シール4を形成した後、ポンプアウトチューブ8を介して真空にすることで、基板2,3の間の低圧の空間/キャビティ6を形成する。空間/キャビティ6の圧力は、減圧工程によって大気圧未満(例えば、約10
−2Torr未満)に形成してもよい。空間/キャビティ6内の低圧を保持するために、基板2,3は、ポンプアウトチューブの端部シール及びシールオフによって気密封止された。大気圧下にて、略平行なガラス基板の分離を保持するために、透明なガラス基板の間に小さな高強度スペーサ/支柱5が提供される。上記のように、基板2,3の間の空間6が減圧されれば、例えば、レーザなどを用いてポンプアウトチューブ8の先端を溶融することによってポンプアウトチューブ8を封止してもよい。
【0009】
上記のように、ガラスフリット接合のような高温接合技術は、シリコン、セラミック、ガラス、等で構成された部品を気密封止(例えば、端部シールを形成)するために広く使用される方法である。このような高温工程に必要な温度は、一般的に約440℃〜600℃及びしばしばそれ以上である。このような従来の接合技術は、一般的に全体装置(ガラス及びガラスハウジング内に収容される任意の部品を含む)を、シール形成するために、オーブンを用いて熱平衡に近い状態にするオーブンバルク加熱を必要とする。従って、許容されるシールを得るためには、比較的長い時間が必要である。温度に最も敏感な部品が全体システムの最大許容温度を決定する場合もある。
【0010】
従って、前記検討された(例えば、ガラスフリット接合のための)高温のシール工程は、例えば、強化されたVIGユニットのような感熱性部品を製造するのに適していない。強化されたVIGユニットの場合、VIGユニットの熱強化されたガラス基板は、高温環境で焼戻し強度(temper strength)が早く減少する。特に真空IGユニットで熱強化又は強化ガラス基板2,3を用いることが好ましい場合に、例えば、端部シール4の形成に利用された全体アセンブリの高温及び長い加熱時間は、好ましくない。また、特定の例において、このような高い加工温度は、ガラス基板のうちの1つ又は2つに適用できる特定の低放射率コーティングに悪影響を与える恐れがある。
【0011】
強化ガラスは、適切に設計される場合、破片にさらされた人の負傷のリスクを低減する微細なパターンで破壊されるために好ましい。従って、破片化密度(fragmentation density)の測定は、一般的に強化ガラスが安全要件を充足するか否かを決定するために用いられる。例えば、ヨーロッパ規格EN 14179−1:2005は、50mm×50mm領域内で少なくとも40個の破片となるように破壊するための4mmの強化安全ガラスを必要とする。この点に対して例示の破壊パターンを示す
図3を参照する。
【0012】
加熱条件及び強化損失(tempering loss)の間の相関関係は、ヨーロッパ規格EN 14179−1:2005の破片化要件を超過するように、一定の炉の条件下で数多くの350mm×500mmの基板(4mmのフロートガラス)を焼き戻し処理することによって譲受人により作られた。破壊パターンは、初期の破片化密度を捜し出すために追加の加熱なしに数個の基板上で測定された。残った基板は、破壊する前に(VIGをシミュレーションするための積層された対において)様々な温度及び持続期間で加熱した。最終の破片化密度対初期破片化密度の比は、所定の加熱工程によって誘導されたテンパー損失(temper loss)を示すように取った。
図4に示された結果は、試験条件範囲下におけるテンパー損失は、主に温度に応じて駆動されて時間によってさらに少ない程度で駆動されることを示す。追加の試験は、VIGは、テンパーの30%の損失に耐えて、ヨーロッパ規格EN 14179−1:2005破片化の要件を充足するために十分な残留圧縮応力を有する強化ガラスから製造されてもよいことを示した。一般的にテンパーのレベルが高ければ、連続的に端部シールを製造することが困難な平坦性問題(flatness issues)を起こす。
図4に示すように、非常に短い熱露出(5分未満)は、このような要件を充足するために約375℃の最大温度に制限される。上記にて言及したように、ガラスフリット接合は、遅い工程で実行され、従って一般的に安全ガラス要件を充足するためにはるかに低いピーク温度を必要とする。
【0013】
ガラス基板を一緒に封止することに対する1つの従来の解決策は、エポキシを使用することである。しかし、VIGユニットの場合、エポキシ組成物は、シールを真空に保持するのに不充分なこともある。また、エポキシは、環境要因の影響を受けやすく、VIGユニットに適用する場合、これらの効果がさらに減少し得る。
【0014】
歴史的に、鉛系のフリットは、VIGを含む様々な製品で気密封止を製造するのに広く使用されているが、鉛を含有する製品は、個体に対する健康上の影響が原因で、段階的に廃止されている。従って、特定国(例えば、米国及びヨーロッパ連合で少なくとも特定の国)は、所定の製品に含まれることができる鉛の量に対して厳格な要件を課することができる。すなわち、一部の国(又は顧客)は、現在、完全に無鉛の製品を要求することがあり、他の国もこのような方向に進んでいる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
特定の実施形態は、耐久性のある端部シールを備える真空断熱ガラス(VIG)ユニット、及び/又はその製造方法に関する。具体的には、特定の実施形態は、VIGユニットが組み立てられる場合、互いに対面する2つの基板(例えば、ガラス基板)の表面上に第1「プライマー」フリットを適用することによって製造されてもよい。プライマーフリットは、熱処理(例えば、熱強化及び/又は焼き戻し処理)前に、基板の周縁部に、例えば、一般的に円周のストリップで適用してもよい。熱処理後、しかしシールの焼成操作前に、現在の焼成された(now−fired)プライマーストリップのうち1つ又は2つ上に異なる第2「シーリング」フリットが適用される。第1フリットは、熱処理後(例えば、ガラスの温度が約600℃の温度に到達するか、又は超過し得る一般的な強化条件後)、フロートガラスなどに機械的に強くて耐久性のある接合を形成するように選択される。ガラスに対する熱処理の効果を維持するために(例えば、ガラスのテンパーを保持するために)十分に低い温度で、第2フリットは溶融するように選択され、第1フリットは湿潤される。特定の実施形態において、ガラスが好ましくは450℃未満、さらに好ましくは400℃未満、より好ましくは約360℃以下の温度に到達すれば、第2フリットは溶融し、第1フリットは湿潤する。一部の例では、ガラスが300〜360℃の温度に到達すれば、第2フリットが溶融して第1フリットが湿潤する。
【0029】
特定の実施形態において、プライマーフリットは、主にビスマス酸化物を含み、シーリングフリットは、主にバナジウム酸化物、バリウム酸化物、及び亜鉛酸化物を含む。特定の実施形態において、第1プライマーフリットは、Bi系はんだガラスであると言え、第2シーリングフリットは、VBZシールフリットであると言える。特定の実施形態の技術は、有利には、フロートガラスの接着強度より強い気密封止によって製造することができる強化されたVIGユニットを製造してもよい。
【0030】
具体的に図面を参照すると、
図5は、特定の実施形態に従って製造されたVIGユニットの断面図である。
図5に示されたVIGユニットは、
図1〜
図2と関連して前記図示、及び説明されたものと同様である。例えば、
図1〜
図2に対して前記図示及び説明されたVIGユニットのような
図5のVIGユニットは、実質的に平行な離隔した方向の第1及び第2基板(2,3)を含む。複数のスペーサ5は、第1基板及び第2基板(2,3)の間の間隙が大気より低圧に減圧されても、これらの関係を保持するのを助ける。
【0031】
図5のVIGユニットは、2つのフリット材料から製造された端部シールを有する。すなわち、第1フリット材料15a,15bは、第1及び第2基板(2,3)の周縁部の周りの内面に適用される。このような第1フリット材料15a,15bは、第2フリット材料17aに対するプライマーとして作用し、熱処理(例えば、熱強化及び/又は焼き戻し処理)に耐えることができる。すなわち、第1フリット材料15a,15bは、基板によく融合し、ガラスの代わりに第2フリット材料17aを融合してもよい。これは、各々異なる溶融温度を有する異なるフリット組成物を用いてもよく、例えば、フリットをまた別のフリットに融合するのと違って、フリットをガラスに融合するのが困難なことがある。
【0032】
図5は、断面図であるが、第1フリット材料15a,15b及び第2フリット材料17aは、基板の内面上の端部に基板の周辺に基本的な円周のストリップで適用してもよいことが理解されるであろう。すなわち、第1フリット材料15a,15bは、熱処理前に、スクリーン印刷、インクジェット印刷、及び/又は任意のその他適切な技術によって、第1及び第2基板(2,3)の内面上の端部に、基本的に円周のストリップで適用してもよい。第1フリット材料15a,15bが熱処理工程を介して第1及び第2基板(2,3)に焼成して融合されると、第2フリット材料17aは、現在の焼成された第1フリット材料15a,15b上にこれと接触し、基板のうちの1つ又は2つと少なくとも部分的に重なるように配置されることができ、例えば、基板の内面上の端部に基本的に円周のストリップで提供される。
【0033】
端部シールの二重フリットアクセス方法は、ポンプアウトチューブ8に対して使用してもよい。例えば、上記のように、孔は、ポンプアウトチューブ8を収容するように基板のうちの1つに穿孔されてもよい。
図5の例において、ポンプアウトチューブ8は、第2基板3内に示されているが、その他の例示的な実施形態では、チューブを、第1基板2の端部シール内に又は外に配置されてもよい。いずれにしても、孔の内面は、ここに適用された第1プライマーフリット材料15cを有し、同様にポンプアウトチューブ8自体も、ここに適用された第1プライマーフリット材料15dを有してもよい。チューブ8は、例えば、第2基板3内の孔の内面に、及びチューブ8自体の外面に適用された第1プライマーフリット材料15cに第2フリット材料17bを融合することによって孔の内面に接合してもよい。
【0034】
チューブ8が第2基板3に融合すると、キャビティ19は、少なくとも部分的に減圧されてもよい。チューブ8は、封止をするために(例えば、レーザなどを用いて)「先端オフ(tipped off)」されることによって、キャビティ19内で少なくとも部分的な真空を保持することができる。
【0035】
第1及び第2フリット材料は、「サンドイッチ」(例えば、VIGユニットの周辺に15a/17a/15bを有するスタック層)として示されているが、場合によっては、基板の表面と層間で互いに混合し得ることが分かる。例えば、一部の例では、気密シールの品質は、基板2,3に第1フリット材料15a,15bを接合する領域外では、フリット材料(15a/17a/15b)の増加した相互の混合によってより良くなり得る。また、ポンプアウトチューブ8の周辺に提供されたフリットに対して類似の説明が適用されてもよい。
【0036】
本発明者により、少なくとも特定の実施形態において、第2シールフリットとしてVBZ系フリット、及び第1プライマーフリットとしてBi系はんだガラスを使用することで、ガラス内のテンパーを保持するための十分に低いシール温度で、VIG内で予想外に強くて耐久性があるシールを製造できることが観察された。一方、本発明者によって、第1及び第2フリットとしてBi系フリットを使用することは、気密封止を製造するためにVIGガラスを360℃を超過した温度まで加熱する必要があり(これは、容認されないテンパー損失をもたらす)、一方、第1及び第2フリットとしてVBZ系フリットを使用することは、しばしばVIGガラス基板への低い又は不安定な接合に潜在的に起因する遅延したシールの故障(delayed seal failure)に繋がり得ることが観察された。
【0037】
図6は、特定の実施形態に係る
図5に示されたVIGを製造するのに使用することができる工程を示すフローチャートである。(例えば、ステップS23a〜S27aが関連する)
図6に示されたステップは、部分的な並列順序(parallel order)を含む、任意の好適な順序で実行され得ることが分かり、図示された特定の例の順序は、具体的に別に記載されない限り制限するものとして解釈されるべきではない。
図6のステップS21は、選択的予備加工が実行されてもよいことを含む。選択的予備工程は、例えば、ストックシートを任意の大きさに切断する操作、端部シーミング(seaming)を行う操作、低放射及び/又はその他のコーティングを適用する操作、このようなコーティングを端部除去する操作、ゲッター材を収容するのに適した1つ以上のポケットを穿孔する操作、ポンプアウトチューブを収容する孔及び選択的ポケットを穿孔する操作、ポンプアウトチューブが配置される孔にフリットを適用する操作、洗浄及び/又は洗浄操作(例えば、DI水、プラズマアッシングなど)のような多くの異なる選択事項を含んでもよい。
【0038】
ステップS23において、第1フリット材料は、基板周辺及び(例えば、第2基板内の)ポンプアウトホールの周辺に適用される。上記のように、特定の実施形態において、第1プライマーフリットはビスマス系であってもよい。ステップS25において、第1フリット材料を上に有する基板は、熱処理(例えば、熱強化及び/又は焼き戻し処理)される。これは、所望する周辺、一般的に円周のパターンで基板にプライマー物質を融合してもよい。熱処理は、任意の好適な炉などを用いて達成してもよい。熱処理されると、基板は、ステップS27に示すように冷却及び/又は冷却させることができる。
【0039】
ステップS23aにおいて、第1フリット材料がポンプアウトチューブに適用される。上記のように、特定の実施形態で第1プライマーフリットは、ビスマス系であってもよい。ステップS25aにおいて、第1フリット材料を上に有するポンプアウトチューブは、ポンプアウトチューブの表面に第1フリットを融合するように加熱する。熱処理は、任意の好適な炉などを用いて達成してもよい。熱処理されれば、ポンプアウトチューブは、ステップS27aで示すように冷却及び/又は冷却させることができる。
【0040】
非熱処理可能な(non heat treatable)コーティングは、任意に熱処理後に適用され得ることが分かる。例えば、特定の熱処理可能な低放射率コーティングがあるが、その他の低放射率コーティングは、熱処理可能でない。例えば、反射防止及び/又は他のコーティングは、例えば、スパッタリング、湿式化学(wet chemical)及び/又は他の技術を用いて適用してもよい。装飾及び/又はその他のパターンは、スクリーン印刷するか、又は別に形成されてもよい。
【0041】
ステップS29において、第2フリット材料は、焼成された第1フリットと少なくとも部分的に重なるように基板の周辺の周りに適用される。上記のように、特定の実施形態で第2フリットは、VBZ系のフリットであってもよい。
【0042】
支柱は、ステップS31において基板のうちの1つに配置される。ステップS33において、任意に、ゲッターは、1つ又は2つの基板上のブランケットコーティングとしてポケットに適用される。
【0043】
基板は、ステップS35において、例えば、第2フリット材料が2つの基板の周辺において第1フリット領域と重なるように、第2基板を支柱などを支持する異なる基板の上に配置されることによって、共にブッキングされる(booking)。ステップS37において、融合した第1フリット材料を有するポンプアウトチューブは、第2基板内のポンプアウトホール内に配置され、第2フリット材料は、例えば、第2基板及び/又はチューブ上の、第2基板内の孔における第1フリット領域と少なくとも部分的に重なるように適用され、及び/又は予め適用される。アセンブリは、ステップS39で加熱され、これは、第2フリット材料を溶融して第1フリット材料を湿らすのを助ける。好ましくは、ガラスによって到達するピーク温度は、450℃以下(さらに好ましくは400℃以下、より好ましくは360℃以下)であり、ピーク温度における時間は、好ましくは30分未満、さらに好ましくは15分未満、より好ましくは10分未満(及び場合によって3〜7分だけ)である。低い時間及び温度にもかかわらず、第2フリットの物質組成は、第2フリットが溶融することができ、第1フリットが湿潤するようなものである。
【0044】
シール操作は、選択的加熱能力を有するオーブン、例えば、VIGでフロートガラスより早く第1及び/又は第2フリットを加熱する加熱エネルギー源に対して実行されてもよい。選択的熱エネルギーの例は、短波赤外線(SWIR)光である。選択的加熱を用いれば、第1及び第2フリットを加熱し、従ってガラスより早くさらに高いピーク温度に到達する。
【0045】
また、上記のように、第1フリットは(例えば、一般的な熱処理条件、例えば、ガラスの温度が少なくとも約600℃に到達する強化に係る熱処理条件後)、フロートガラスに機械的に強くて丈夫な接合をするために選択される。一方、第2フリットは、ガラス内のテンパー及び/又はガラスの他の熱強化特徴を保持するために十分に低い温度(例えば、ガラスが360℃以下に到達する温度)で第2フリットが溶融して第1フリットが湿るように、選択される。
【0046】
図6を参照すると、ステップS41においてアセンブリを冷却及び/又は冷却させることができる。静的又は動的圧力は、任意に、フリット固化のうちに優れた接触を保障するのを助けるために、アセンブリ(例えば、少なくともフリットが配置される端部周辺)に適用してもよい。
【0047】
ステップS43において、キャビティは、例えば、ポンプアウトチューブを介して空気を吸引することによって大気圧よりも低圧に真空引きする。ターゲット圧力は、真空又はその近くであってもよく、好ましくは0.1Pa未満である。キャビティは、例えば、全体の内容が本明細書に参照として含まれる米国特許公開第2012/0304696号に開示されるように、プラズマ強化減圧技術及び静的プラズマグリッド、又は配列に対して洗浄されてもよいことに留意する。オゾン洗浄技術はまた、例えば、米国特許公開第2013/0292000号に検討されたように使用してもよく、その全体の内容は、本明細書に参照として含まれる。
【0048】
ステップS45において、チューブが封止された。これは、全体の内容が本明細書に参照として含まれる米国特許公開第2013/0153550号、及び/又は同第2013/0153551号、及び/又は2012年9月27日に出願された米国特許出願第13/628,653号に対して記載されたポンプアウトチューブチップオフ技術を用いて実行されてもよい。ステップS47において、必要に応じてゲッターは、活性化してもよい。ゲッター材及び活性化技術は、例えば、全体の内容が本明細書に参照として含まれる2012年7月31日に出願された米国特許出願第13/562,386号;同第13/562,408号;同第13/562,423号に開示されている。
【0049】
例えば、ステップS49に示すように、ポンプアウトチューブは、その上に適用された任意の保護キャップを有してもよい。ポンプアウトチューブを保護するために用いてもよく、特定の実施形態に対して使用することができる様々な技術がある。例えば、米国特許公開第2013/0074445号、同第2013/0302542号、同第2013/0305785号、同第2013/0306222号、及び同第2013/0309425号を参照し、その全体の内容は、本明細書に参照として含まれる。
【0050】
第1プライマーフリットの例示の組成物は、次の表に示されている。その他の物質は、下記に表示されたものと共に又は代わりに用いてもよく、例示の重量パーセントは、また他の実施形態で互いに異なってもよい。特定の化学量論は、例示の物質に対して表示されるが、このような及び/又は他の化学量論が他の例示的な実施形態に提示されてもよい。
【0052】
第2シーリングフリットの例示の組成物は、次の表に示されている。その他の物質は、下記に表示されたものと共に又は代わりに用いてもよく、例示の重量パーセントは、また他の実施形態で互いに異なってもよい。特定の化学量論は、例示の物質に対して表示されるが、このような及び/又は他の化学量論が他の例示的な実施形態に提示されてもよい。
【0054】
特定の実施形態で第1フリットは、2〜7重量%のB
2O
3をさらに含むことができる。前記提供された例示のフリット組成物は、0重量%を含む重量パーセント範囲の数個の物質が列挙されている。特定の実施形態において、フリットは、少なくとも一部の例では、例えば約0.25重量%まで減らされた、少量のこのような及び/又は他の物質を含んでもよい。
【0055】
フリット又はシール材が基板に配置される場合、シール材の熱膨張係数(CTE)は、下部基板のCTEと互いに異なってもよい。これは、2つの物質の間のCTEミスマッチング(mismatch)を起こすことがある。このような状況において、下部基板及びシール材の温度が上昇/下降するにつれ、物質は、各々異なる速度で膨張/収縮してもよい。これは、基板にシール材が配置された(例えば、接合又は接着された)製品で構造的な問題を起こすことがある。例えば、シール材が結果的に下部基板から剥離し、(例えば、VIGが真空を失うにつれ)製品が故障することがある。このような故障は、好ましくないため、例えば、下部基板のCTEに近づくよう(又は一致するように)膨張速度を調節するために、上述したようにCTE充填材をフリット材料に添加してもよい。
【0056】
この点において、第1及び第2フリット中の1つ又は2つは、例えば、最終状態でプライマーがガラスに融合するとき、シールが形成されるとき、シールとガラスとの間の熱膨張差を減らすために、適切な量の、低い又は負の膨張係数を有する耐火性充填材(refractory fillers)を含んでもよい。これは、接合、ガラスの湿り、及び/又はその他の特徴を改善するのを助けることができる。
【0057】
特定の例示のフリット材料と共に使用することができる1つの一般的なCTE充填材物質は、チタン酸鉛であってもよい。しかし、上述したように、CTE充填材としての鉛の使用は、商業的に実用的でない可能性がある。従って、場合によっては、非鉛系(non−lead based)のCTE充填材物質が好ましい場合がある。特定の実施形態において、CTE充填材物質は、1つ以上の基板に用いられるシール材を形成するために、ミクロスフェア又は粉末(例えば、球状シリカ−真空バブル)の形態でフリット材料と混合することができる。例示のガラスバブルは、3M Companyから市販されているK37、S60、S60H、及びIM30Kタイプガラスバブルを含む。理解されるように、バブルの大きさが大きくなるほど、ガラスは(例えば、粉砕強度で示すように)機械的に弱くなり、一部の例では、ガラスバブル体積対フリット材料の比が増加すると、基板からシール材が剥離する量を減らすことができる。
【0058】
特定の実施形態において、モリブデン(Mo)に基づくCTE充填材を用いてもよい。モリブデンは約4.8のリニアppm CTEを有してもよい。特定の実施形態において、約150メッシュ未満又は約150メッシュ以上の約170メッシュ未満の大きさを有する形状は、特定の例のVBZフリット材料と共に用いてもよい。適切な物質は、例えば、H.C.Starck及び/又はAlfa Aesar(a Johnson Matthey Company)から得ることができる。特定の例のCTE充填材は約60ミクロンと100ミクロンの間、さらに好ましくは約70ミクロンと90ミクロンの間の大きさ範囲又は、例えば、約80ミクロンの球直径又は主な長さ(major distance size)の球を有してもよい。特定の実施形態において、CTE充填材コーディエライト(cordierite)−−2(MgO)−2(Al
2O
3)−5(SiO
2)−−が使用されてもよい。
【0059】
特定の実施形態のフリットでCTEマッチング(matcher)に対して、一部例は、前記識別された球のサイズの80%から100%の間を含み、粒子及び/又は球の残りは、このような球のサイズ外にある(例えば、100ミクロン超過である球/粒子又は60ミクロン未満の粒子/球)。また、全ての「球」が完全な球状ではないこともある。例えば、一部の「球」は、部分的に又は実質的に球状であってもよい(例えば、長方形又は不規則的な球状)。従って、特定のCTE充填材に用いられる粒子は、「実質的」に球状であってもよい。例えば、所定のCTE充填材物質のうち物体の半分又は60%超過は、「実質的に」球状であってもよく、さらに好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも95%である。特定の例において、60から100ミクロン範囲のCTE充填材内に球状要素のパーセントは、CTE充填材の少なくとも90体積%、さらに好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%である。
【0060】
特定の例において、CTEマッチング特徴及び/又は球の機械的強度を改善するために(例えば、VIG物品の応力に耐えるために)、球状(又は他の形状)の表面の化学的性質を改善してもよい。
【0061】
特定の実施形態において、次の物質は、ガラス基板にフリットをCTEマッチングするためにフリット材料と共に使用することができる:Cu
2P
2O
7xH
2O(例えば、銅ピロリン酸塩水和物);Mg
2P
2O
7(例えば、マグネシウムピロリン酸塩);SnP
2O
7(例えば、スズピロリン酸塩−少ない添加によって改善された相溶性(例えば、0.2から0.5gm/2.5gmのフリット材料));W(タングステン粉末−高い添加レベルのフリット材料との改善された相溶性(例えば、1から1.5gm/2.5gmのフリット材料));Fe/Ni65:35重量%(例えば、インバー(Invar)合金−高い添加レベルのフリット材料との改善された相溶性(例えば、0.6〜0.8gm/2.5gmのフリット材料))。このような物質(例えば、インバー)は、前記検討されたモリブデン物質として球状であってもよい。また、特定の物質(例えば、インバー)は、1.2ppm減少したCTEを有することができ、従ってCTEマッチングを得るためにフリットに添加される追加の重量を減らすことができる。特定の例において、セラミック充填材は、球状(又は実質的に球状)であるものを用いてもよい。特定の実施形態において、石英を用いてもよい。石英は、本明細書に記載した球状で提供されてもよい。石英のCTEが約0.6であるため、所定の基板に対してCTEマッチングを得るために本明細書に記載したその他の物質より少ない物質が要求されてもよい。特定の実施形態の一形態は、不活性で焼成及び/又はその他の高温工程中に溶融したフリットガラスと反応しない充填材に関する。特定の実施形態において、タングステン酸ジルコニウム(例えば、ジルコニウムタングステン酸化物又はZrW
2O
8)粉末は、特定の例のフリット材料にソーダ石灰フロートガラスと許容されるCTEマッチング(例えば、ガラスのリニアCTEが約7.0〜11.0ppmである)を提供してもよい。
【0062】
特定の実施形態でモリブデン球は、ガラスバブル(例えば、その他の粒子)と結合されてもよい。例えば、IM30Kの重量で0.2〜0.3gm、又はZrW
2O
8の重量で0.15〜0.35、及びIM30Kの0.2〜0.3gmと混合されるモリブデン球の重量で0.3〜0.5gmが特定の実施形態で用いられてもよい。特定の実施形態において、結合されたCTE充填材物質を形成するために2つ以上の検討されたCTE充填材が結合されてもよい。
【0063】
特定の実施形態は、球状又は一般的に球状のCTE充填材に関して記載されているが、その他の形状は、このような形状の代わり又は共に用いてもよい。例えば、フットボール型、目型、円筒型、細長型、ウィスカー型、及び/又はその他の類型の粒子を用いてもよい。このような形状は、一部の例の場合に対称的であり、及び/又は対称的に湾曲していてもよい。特定の実施形態において、例えば、60〜100ミクロンの主な長さを有するこのような形状を用いてもよい。また、特定のサイズ及び/又は形状の物質の一部が変化してもよいことが理解される。しかし、凝集体(aggregate)において、一般的に物質分布は、指定された大きさ/形状を有する必要がある。
【0064】
特定の実施形態において、例示のCTE充填材を含むフリット材料のCTEは、基板のCTEの約15%以内、さらに好ましくは約10%以内、より好ましくは約5%以内、より好ましくは約3%以内であってもよい。例えば、ガラスは、例えば、約25〜300℃の温度範囲において8.6ppmのCTEを有することが知られている。このような値以下のCTE充填材物質を提供することが好ましい。例えば、同一の又は類似の範囲において8.0ppmのCTEが好ましい。これにより、ガラスが圧縮状態で保持されて、好ましい。
【0065】
時には、フリット材料は、例えば、フリットを構成する様々な物質の接合を容易にするために用いられる接合剤を含んでもよい。しかし、特定の例において、フリットに用いられる物質は、フリットに用いられる接合剤のバーンアウトポイント(burn out point)未満の溶融温度を有してもよい。このような状況において、接合剤の不完全なバーンオフ(burn off)は、多孔性フリットシールを形成し、例えば、フリット内の炭素汚染、又はフリットベースシールに対して好ましくないその他の特徴によって、フリットに対するガラス接合が減少することがある。従って、特定の実施形態は、熱処理及び次の焼成操作によってバーンオフする好ましい接合剤を有するフリットを含んでもよい。例示の接合剤は、以下に基づく接合剤を含む:メチルセルロースポリマー接合剤(例えば、DI水内の400 cps分子量ポリマーとして、約320〜380℃のバーンアウト温度を有することを譲受人は発見した);ポリエチレンカーボネート接合剤、例えば、[CH
2CH
2OCO
2]n又はC
3H
4O
3(例えば、エンパワーマテリアルズ(Empower Materials Inc.)から市販されているQPAC(登録商標)25)、ポリプロピレンカーボネート接合剤、例えば、[CH
3CHCH
2OCO
2]n又はC
4H
6O
3(例えば、エンパワーマテリアルズ社から市販されているQPAC(登録商標)40として、約250〜275℃のバーンアウト温度を有することを譲受人は発見した。);など。
【0066】
第1及び第2基板のうちの1つ又は2つは、特定の実施形態で熱強化されることができ、このような場合に加熱操作は、強化された第1及び第2基板が(例えば、VIGユニットが製造されれば)熱処理完了後に元の焼戻し強度の少なくとも約50%を保持し、さらに好ましくは熱処理完了後に元の焼戻し強度の少なくとも約60%、より好ましくは熱処理完了後に元の焼戻し強度の少なくとも約70%、より好ましくは熱処理完了後に元の焼戻し強度の少なくとも約75%、場合により熱処理完了後に元の焼戻し強度の80〜90%以上を保持するように十分に低いピーク温度に対して実行されてもよい。
【0067】
本明細書に記載した技術によって製造される強化されたVIGの優れたシールは、密封されたVIGをこじ開けようとした際に確認された。ライト(lite)は、1つ又は2つを破壊せずに分離することができず、破面(fracture)はシールに平行であり、これは、ガラス内で発生してシール又はシールとガラスの界面内では発生しないことを発見した。すなわち、ガラスに対するシールの接合及びシールの接着強度は、このような試料内においてガラスの強度を超過した。この試験では、アニールされたガラスが用いられたが、加熱工程は、保存条件を調節するために調節した。強化されたガラスを用いた反復試験は、丈夫な破壊パターンを生成し、調節された条件の保存などを実証する。
【0068】
特定の実施形態において、フリットのうちの1つ又は2つは、「無鉛」であってもよい。例えば、特定の実施形態において、ベースフリットを製造する際に鉛を使用せず、極微量だけを使用することもできる(例えば、使用される原料及び/又はツール)。上記の例の物質は、汚染物として任意の検出可能な量の鉛を含まずに利用できる場合がある。従って、特定の「無鉛」組成物は、その中に極少量の鉛だけ、例えば1〜3ppm未満の鉛、を有してもよいことが理解されるであろう。
【0069】
特定の実施形態は、本明細書に開示された例示の一部のフリットの代わり又は共に2012年5月25日に出願された米国出願第13/480,987号に開示された例のフリットを使用してもよい。
【0070】
本明細書で用いられる「熱処理」及び「熱処理すること」は、物品をガラス含有物品の焼き戻し処理及び/又は熱強化を達成するために十分な温度まで加熱することを意味する。この定義は、例えば、コーティング物品を、オーブン又は炉で少なくとも約550℃、好ましくは少なくとも約580℃、さらに好ましくは少なくとも約600℃、さらに好ましくは少なくとも約620℃、最も好ましくは少なくとも約650℃の温度で強化及び/又は熱強化するのに十分な期間の間加熱する工程を含む。特定の実施形態において、これは、少なくとも約2分間、又は約10分以下、15分以下であってもよい。
【0071】
VIGユニットは、例えば、住宅及び/又は商業的な窓の用途などを含む異なる数多くの用途に使用できることに留意されたい。他の例示的な実施形態でVIGユニットのうち1つ又は2つの基板が熱処理(例えば、熱強化及び/又は焼き戻し処理)できる。
【0072】
特定の実施形態は、VIGユニットに対して記載されているが、本明細書に記載した例示の技術は、ガラス以外の物質から形成された1つ以上の基板を含んでもよいことが分かる。すなわち、本明細書の例示の技術は、少ない加工時間及び温度で気密封止を形成できるため、例えば、プラスチック、プレキシガラスなどのまた他の基板物質を使用することができる。上記のように、このような物質は、真空断熱パネル(VIP)ユニットなどに1つ又は2つの基板として用いてもよい。上述したように、任意の又は全ての特徴、形態、技術、構成などは、このようなVIPユニットに用いることができる。また、本明細書に記載した例示のVIG及びVIPユニットは、特定の実施形態において、また他の基板に積層され得ることが分かる。
【0073】
例えば、シールに対して本明細書に用いられた「周辺」及び「端部」は、シール及び/又はその他の要素がユニットの完全に周辺又は端部に配置されることを意味するのではなく、代わりにシール及び/又はその他の要素がユニットのうち少なくとも1つの基板端部に又は近辺(例えば、約2インチ内)に少なくとも部分的に配置されることを意味する。同様に、本明細書に使用される「端部」は、ガラス基板の完全な端部に制限されずに基板の完全な端部又は近辺(例えば、約2インチ以内)の領域を含んでもよい。
【0074】
本明細書に使用される、「上に」、「によって支持される」等は、別に記載されていなければ、2つの要素が互いに直接隣接することを意味すると解釈されるべきではない。すなわち、その間に1つ以上の層がある場合にも、第1層が第2層「上に」又は「によって支持される」と記載されてもよい。
【0075】
特定の実施形態において、VIG窓ユニット用の端部シールの形成時に使用される第1及び第2フリット材料を含むキットが提供される。第1フリット材料は、少なくとも65重量%のビスマス酸化物を含み、ガラスが550℃以上の第1温度に到達するとき、第1フリット材料がガラスに溶融可能である。第2フリット材料は、合計で65重量%の量でバナジウム酸化物、バリウム酸化物、及び亜鉛酸化物を含み、第2フリットは、VIG窓ユニット用の端部シールの製造時に第1フリット材料と接合を形成するように構成され、ガラスが400℃以下の第2温度に到達するときに溶融可能であり、第1フリット材料は、第2温度で湿潤可能である。
【0076】
前の段落の特徴以外に、特定の実施形態において、第1フリット材料は、少なくとも2重量%の亜鉛酸化物をさらに含んでもよい。
【0077】
前記2つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、第1フリット材料は、70〜80重量%のビスマス酸化物、2〜7重量%の亜鉛酸化物、5〜15重量%のシリコン酸化物、2〜7重量%のアルミニウム酸化物、0〜5%のマグネシウム酸化物、0〜5%のクロミウム酸化物、0〜5%の鉄酸化物、0〜5%のコバルト酸化物、0〜5%のナトリウム酸化物、0〜5%のマンガン酸化物、及び0〜5%のバリウム酸化物を含んでもよい。
【0078】
前記3つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、第2フリット材料は、45〜67重量%のバナジウム酸化物、7〜25重量%のバリウム酸化物、及び4〜17重量%の亜鉛酸化物を含んでもよい。
【0079】
前の段落の特徴以外に、特定の実施形態において、第2フリット材料は、0〜13重量%のテルル酸化物、0〜13重量%のモリブデン酸化物、0〜13重量%のタンタル酸化物、及び0〜13重量%のニオブ酸化物をさらに含んでもよく、テルル酸化物、モリブデン酸化物、タンタル酸化物、及びニオブ酸化物のうち少なくとも1つは、少なくとも0.25重量%で提供されてもよい。
【0080】
前記4つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、第2フリット材料は、45〜67重量%のバナジウム酸化物、7〜25重量%のバリウム酸化物、及び4〜17重量%の亜鉛酸化物を含んでもよい。
【0081】
前の段落の特徴以外に、特定の実施形態において、第2フリット材料は、0〜13重量%のテルル酸化物、0〜13重量%のモリブデン酸化物、0〜13重量%のタンタル酸化物、及び0〜13重量%のニオブ酸化物をさらに含んでもよく、テルル酸化物、モリブデン酸化物、タンタル酸化物、及びニオブ酸化物のうち少なくとも1つは、少なくとも0.25重量%で提供されてもよい。
【0082】
前記7つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、第1及び/又は第2フリット材料は、CTE充填材を含んでもよく、CTE充填材は、ここに導入されるときにそのCTEを低くする。
【0083】
前記8つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、第1及び/又は第2フリット材料は、無鉛であってもよい。
【0084】
前記9つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、第1及び/又は第2フリット材料は、1ppm未満の鉛を含んでもよい。
【0085】
前記10個の段落のうちのいずれか1つの特徴以外に、特定の実施形態において、第1フリット材料は、プライマーフリット材料であってもよく、第2フリット材料はシーリングフリット材料であってもよい。
【0086】
前記11個の段落のうちのいずれか1つの特徴以外に、特定の実施形態において、第1フリット材料及び第2フリット材料は、排気管が位置するVIGユニットの基板に形成される孔の内面とVIGユニットの排気管との間でのシールの形成時に用いてもよい。
【0087】
前記12個の段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、プライマーフリットとして第1フリットを、シーリングフリットとして第2フリットを用いて、共に気密封止されるように、第1及び第2ガラス基板がキットにさらに含まれてもよい。
【0088】
特定の実施形態において、VIG窓ユニットの製造方法が提供される。前記方法は前の段落のキットを有する工程と;第1及び第2フリット材料を用いて、第1及び第2ガラス基板と、前記基板のうちの1つ及び排気管を共に封止するステップと;を含んでもよい。
【0089】
特定の実施形態において、VIG窓ユニット用のポンプアウトポートシール及び端部シールの形成時に使用されるフリット材料が提供される。フリット材料は、少なくとも65重量%のビスマス酸化物、及び少なくとも2重量%の亜鉛酸化物を含み、フリット材料は、ガラスが550℃以上の第1温度に到達するときにガラスに溶融するように設計され、ガラスが第1温度より少なくとも150℃低い第2温度に到達するときに湿るように設計される。
【0090】
前の段落の特徴以外に、特定の実施形態において、フリット材料は、70〜80重量%のビスマス酸化物、2〜7重量%の亜鉛酸化物、5〜15重量%のシリコン酸化物、2〜7重量%のアルミニウム酸化物、0〜5%のマグネシウム酸化物、0〜5%のクロミウム酸化物、0〜5%の鉄酸化物、0〜5%のコバルト酸化物、0〜5%のナトリウム酸化物、0〜5%のマンガン酸化物、及び0〜5%のバリウム酸化物をさらに含んでもよい。
【0091】
前記2つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、フリット材料は2〜7重量%のB
2O
3をさらに含んでもよい。
【0092】
前記3つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、フリット材料はCTE充填材をさらに含んでもよく、CTE充填材はその中に導入された結果、フリット材料のCTEを低くする。
【0093】
特定の実施形態において、真空断熱ガラス(VIG)窓ユニット用のポンプアウトポートシール及び端部シールの形成時に使用されるフリット材料が提供され、フリット材料は、45〜67重量%のバナジウム酸化物、7〜25重量%のバリウム酸化物、及び4〜17重量%の亜鉛酸化物を含み、360℃以下のピーク温度が15分以下の時間の間保持されるときに溶融可能であり、これらの条件下で前記4つの段落のいずれかに記載のフリットに接合可能であるように設計される。
【0094】
前の段落の特徴以外に、特定の実施形態において、フリット材料は、0〜13重量%のテルル酸化物、0〜13重量%のモリブデン酸化物、0〜13重量%のタンタル酸化物、及び0〜13重量%のニオブ酸化物をさらに含んでもよく、テルル酸化物、モリブデン酸化物、タンタル酸化物、及びニオブ酸化物のうち少なくとも1つは、少なくとも0.25重量%で提供されてもよい。
【0095】
前記2つの段落のいずれかに記載の特徴以外に、特定の実施形態において、フリット材料はCTE充填材をさらに含んでもよく、CTE充填材はその中に導入された結果、フリット材料のCTEを低くする。
【0096】
本発明は、現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して説明してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、添付する請求の範囲の思想と範囲内に含まれる様々な変更及び同等な配列を含むことが理解される。