(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6495935
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】フォイル除去デバイスおよびタイヤトレッドからフォイルを除去するための方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/52 20060101AFI20190325BHJP
B65H 41/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
B29D30/52
B65H41/00 A
【請求項の数】26
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-556312(P2016-556312)
(86)(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公表番号】特表2017-513731(P2017-513731A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】NL2015050179
(87)【国際公開番号】WO2015163756
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2018年3月12日
(31)【優先権主張番号】2012668
(32)【優先日】2014年4月23日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】クレイマー ロエル
【審査官】
河島 拓未
(56)【参考文献】
【文献】
特開平9−123305(JP,A)
【文献】
特開平8−309880(JP,A)
【文献】
特開2003−182711(JP,A)
【文献】
特開2012−42230(JP,A)
【文献】
特開2000−63036(JP,A)
【文献】
特開平9−29859(JP,A)
【文献】
特表2011−516899(JP,A)
【文献】
特開2011−189678(JP,A)
【文献】
特開平10−151687(JP,A)
【文献】
特表2016−512181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00−30/72
B65H 37/00−37/06
41/00
45/00−47/00
B29B 7/00−11/14
13/00−15/06
B29C 31/00−31/10
37/00−37/04
71/00−71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除去方向においてタイヤトレッドからフォイルを除去するためのフォイル除去デバイスであって、
前記フォイル除去デバイスは、前記フォイルを回収するための巻き取り要素を有するフォイル回収ユニットと、巻き取り軸を中心として巻き取り回転するように前記巻き取り要素を駆動するための巻き取り駆動部とを備え、前記巻き取り要素は、前記フォイルの端部のうちの1つにおいてまたはその付近で前記フォイルを受け取るように構成されており、前記フォイル除去デバイスは、前記フォイルを除去する前に前記フォイルの前記一端にあるまたはその付近にある把持位置において前記フォイルに係合するように構成されているグリッパと、前記フォイルを前記タイヤトレッドから部分的に除去するために前記グリッパを前記把持位置から前記フォイル回収ユニットに向けて移動させるように構成されているグリッパ駆動部とをさらに備え、前記グリッパは、前記フォイル回収ユニットが前記フォイルの前記一端においてまたはその付近で前記フォイルの前記除去された部分を受け取ったときに前記フォイルの前記除去された部分を解放するように構成されており、前記フォイルの前記除去された部分が受け取られた後、前記巻き取り駆動部は、前記巻き取り軸を中心として数回転にわたって前記巻き取り要素の周囲に前記フォイルを巻き取ることによって、前記フォイルに係合し、その後除去するために、数回転にわたって前記巻き取り要素を駆動するように構成されており、前記除去デバイスは、前記巻き取り駆動部が前記巻き取り要素を駆動するのと同時に、前記フォイル回収ユニットを、前記除去方向において前記タイヤトレッドに対して移動させるように構成されている変位駆動部を備える
フォイル除去デバイス。
【請求項2】
前記グリッパ駆動部は、前記グリッパを前記把持位置から前記フォイル回収ユニットに向けて移動させている間、100度〜160度の範囲内の角度にわたって、前記除去方向に対して横断方向もしくは垂直におよび/または前記フォイルの表面に対して平行に、フリップ軸を中心としたフリップ回転において前記グリッパを回転させるように構成されている
請求項1に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項3】
前記グリッパ駆動部は、前記グリッパを、前記フォイル回収ユニットを越えて前記除去方向に移動させるように構成され、前記フォイル回収ユニットは、前記グリッパの後ろで前記除去方向において前記フォイルの前記除去された部分に係合するように構成されている
請求項1または2に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項4】
前記除去デバイスは、テープアプリケータと、前記テープアプリケータを貼付方向に駆動するためのテープアプリケータ駆動部とをさらに備え、前記テープアプリケータは、テープの第1の部分が前記フォイルの前記一端と付着接触しており、テープの第2の部分が前記フォイルから自由に突出している状態で、前記貼付方向においてテープを貼付するように構成されており、前記グリッパは、前記テープの前記自由に延伸する第2の部分を把持することによって前記フォイルに間接的に係合するように構成されている
請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項5】
前記貼付方向は、前記除去方向に対して横断方向または垂直である
請求項4に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項6】
前記テープアプリケータは、前記フォイルに貼付される前記テープの長さよりも実質的に長いテープ供給を保持するように構成されており、前記フォイル除去デバイスは、前記テープ供給から前記テープを切り出すためのカッターが設けられている
請求項4または5に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項7】
前記カッターは、前記テープが前記貼付方向において前記フォイルの一部、または前記フォイル全体に貼付されたときに、前記テープ供給から前記テープを切り出すように構成されている
請求項6に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項8】
前記グリッパは、前記貼付方向において、前記テープの一部、または前記テープ全体を把持するように構成されている2つの対向するジョーが設けられている
請求項7に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項9】
前記フォイル回収ユニットは、前記テープに隣接するフォイルの一端においてまたはその付近で前記フォイルを受け取るように構成されている
請求項4〜8のいずれか一項に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項10】
前記テープアプリケータは、前記フォイルの前記一端の位置を検出し、前記テープアプリケータを、前記貼付方向に沿った貼付のために貼付位置へと移動するように制御するために、前記テープアプリケータ駆動部に、検出された位置を示す信号を送信するためのセンサを備える
請求項4〜9のいずれか一項に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項11】
前記テープは、接着によって前記フォイルに貼付されるように構成されている
請求項4〜10のいずれか一項に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項12】
前記変位駆動部は、少なくとも、前記フォイルが前記巻き取り要素に巻き取られる速度と同じ速度で、前記除去方向において前記タイヤトレッドに対して前記フォイル回収ユニットを移動させるように構成されている
請求項1〜11のいずれか一項に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項13】
前記巻き取り要素は、2つの相互に平行なピンを備え、前記ピンは、前記フォイルの前記一端においてまたはその付近で前記ピンの間に前記フォイルを受け入れるために離間されている
請求項1〜12のいずれか一項に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項14】
前記フォイル回収ユニットは、前記除去方向を横断する進入方向において巻き取り位置へと移動可能であり、前記巻き取り位置において、前記ピンが前記フォイルの主面の両側で前記フォイルの上をスライドされる
請求項13に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項15】
前記変位駆動部は、前記フォイル回収ユニットを移動させるように構成されている
請求項1〜14のいずれか一項に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項16】
前記変位駆動部は、前記タイヤトレッドを支持し、前記除去方向と反対の方向において前記フォイル回収ユニットに対して前記タイヤトレッドを変位させるように構成されているコンベヤである
請求項1〜14のいずれか一項に記載のフォイル除去デバイス。
【請求項17】
フォイル除去デバイスを使用することによって除去方向においてタイヤトレッドからフォイルを除去するための方法であって、
前記フォイル除去デバイスは、前記フォイルを回収するための巻き取り要素を有するフォイル回収ユニットおよび、巻き取り軸を中心として巻き取り回転するように前記巻き取り要素を駆動するための巻き取り駆動部とを備え、前記フォイル除去デバイスは、グリッパおよびグリッパ駆動部とをさらに備え、前記方法は、前記フォイルを除去する前に前記フォイルの一端にあるまたはその付近にある把持位置において前記フォイルを前記グリッパと係合するステップおよび、前記グリッパ駆動部を用いて、前記フォイルを前記タイヤトレッドから部分的に除去するために前記グリッパを前記把持位置から前記フォイル回収ユニットに向けて移動させるステップおよび、前記フォイルの前記一端にあるまたはその付近にある前記巻き取り要素において前記フォイルを受け取るステップおよび、前記フォイル回収ユニットが前記フォイルの前記一端においてまたはその付近で前記フォイルの前記除去された部分を受け取ったときに前記フォイルの前記除去された部分を前記グリッパから解放するステップおよび、その後、前記巻き取り軸を中心として数回転にわたって前記巻き取り要素の周囲に前記フォイルを巻き取ることによって、前記フォイルに係合し、その後除去するために、前記巻き取り駆動部に、数回転にわたって前記巻き取り要素を駆動させることによって、前記フォイルに係合し除去するステップとを含み、前記除去デバイスは変位駆動部を備え、前記方法は、前記巻き取り駆動部が前記巻き取り要素を駆動するのと同時に、前記フォイル回収ユニットを、前記除去方向において前記タイヤトレッドに対して移動させるステップをさらに含む
方法。
【請求項18】
前記グリッパ駆動部は、前記グリッパを前記把持位置から前記フォイル回収ユニットに向けて移動させている間、100度〜160度の範囲内の角度にわたって、前記除去方向に対して横断方向もしくは垂直にまたは前記フォイルの表面に対して平行に、フリップ軸を中心としたフリップ回転において前記グリッパを回転させる
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記グリッパ駆動部は、前記グリッパを、前記フォイル回収ユニットを越えて前記除去方向に移動させ、前記フォイル回収ユニットは、前記グリッパの後ろで前記除去方向において前記フォイルの前記除去された部分に係合する
請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記フォイル回収ユニットは、前記除去方向を横断する進入方向において巻き取り位置へと移動され、前記巻き取り位置において、前記ピンが前記フォイルの主面の両側で前記フォイルの上をスライドされる
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記除去デバイスは、テープアプリケータおよび、前記テープアプリケータを貼付方向に駆動するためのテープアプリケータ駆動部とをさらに備え、前記方法は、前記テープアプリケータを用いて、前記テープの第1の部分が前記フォイルの前記一端と付着接触しており、前記テープの第2の部分が前記フォイルから自由に突出している状態で、前記貼付方向においてテープを貼付するステップをさらに含み、前記グリッパは、前記テープの前記自由に延伸する第2の部分を把持することによって前記フォイルに間接的に係合する
請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記貼付方向は、前記除去方向に対して横断方向または垂直である
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記テープアプリケータは、前記フォイルに貼付されている前記テープの長さよりも実質的に長いテープ供給を保持し、前記フォイル除去デバイスはカッターが設けられており、前記方法は、前記フォイルが貼付された後に、前記テープ供給から前記テープを切り出すステップを含む
請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記フォイル回収ユニットは、前記テープに隣接するその一端においてまたはその付近で前記フォイルを受け取る
請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記テープアプリケータはセンサを備え、前記方法は、前記センサを用いて前記フォイルの前記一端の位置を検出するステップを含み、前記センサは、前記テープアプリケータ駆動部に、検出された位置を示す信号を送信し、前記テープアプリケータ駆動部は、前記信号に基づいて、前記貼付方向に沿った後続の貼付のために、前記テープアプリケータを貼付位置へと移動するように制御する
請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記変位駆動部は、少なくとも、前記フォイルが前記巻き取り要素に巻き取られている速度と同じ速度で、前記除去方向において前記タイヤトレッドに対して前記フォイル回収ユニットを移動させる
請求項17〜25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォイル除去デバイスおよびタイヤトレッドから保護フォイルを除去するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤトレッドには通常、被着面上に保護フォイル(protective foil)が与えられる。この保護フォイルは、タイヤトレッドをタイヤカーカスに被着させる前に除去される必要がある。現在、保護フォイルは手作業で除去されている。除去は、タイヤトレッド被着サイクル時間の大半を占める時間のかかる工程である。さらに、保護フォイルは容易に裂け、手で一貫して除去するには硬く、重い。最後に、保護フォイルを除去する間または後の任意の手作業の介入が、タイヤトレッドの露出した被着面に損傷を与えるか、または、汚染する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前述した手作業除去の欠点のうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に解決する、フォイル除去デバイスおよびタイヤトレッドから保護フォイルを除去するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば、本発明は、除去方向においてタイヤトレッドからフォイルを除去するためのフォイル除去デバイスを提供し、フォイル除去デバイスは、フォイルを回収するための巻き取り要素を有するフォイル回収ユニットと、巻き取り軸を中心として巻き取り回転するように巻き取り要素を駆動するための巻き取り駆動部とを備え、巻き取り要素は、フォイルの端部のうちの1つにおいてまたはその付近でフォイルを受け取るように構成されており、フォイル除去デバイスは、フォイルを除去する前にフォイルの一端にあるまたはその付近にある把持位置においてフォイルに係合するように構成されているグリッパと、フォイルをタイヤトレッドから部分的に除去するためにグリッパを把持位置からフォイル回収ユニットに向けて移動させるように構成されているグリッパ駆動部とをさらに備え、グリッパは、フォイル回収ユニットがフォイルの一端においてまたはその付近でフォイルの除去された部分を受け取ったときにフォイルの除去された部分を解放するように構成されており、フォイルの除去された部分が受け取られた後、巻き取り駆動部は、巻き取り軸を中心として数回転にわたって巻き取り要素の周囲にフォイルを巻き取ることによって、フォイルに係合し、その後除去するために、数回転にわたって巻き取り要素を駆動するように構成されており、除去デバイスは、巻き取り駆動部が巻き取り要素を駆動するのと同時に、フォイル回収ユニットを、除去方向においてタイヤトレッドに対して移動させるように構成されている変位駆動部を備える。
【0005】
タイヤトレッドは一般的に、周方向に単一の長さを適用することができ、カーカスの周囲に接合することができるように、十分に長い。単純にフォイルを除去方向に引くことによってフォイルを除去するには、フォイルがタイヤトレッドの一端から、他方の、タイヤトレッドの対向端をはるかに越えるまで引かれる必要がある。フォイルの除去されている部分の長さが増大することによって緩みを受けることになり、これは、フォイルの除去された部分が、フォイルの、まだタイヤトレッドに付着している残りの部分に接するようにする可能性があり得、それによって、フォイルを除去している間に予期せぬ挙動が生じる。フォイルの除去された部分の緩みがタイヤトレッドの残りの部分に接するのを防止するために、フォイルの除去された部分は、緩みの下に十分な隙間を与えるために、上方向により一層高く持ち上げられる必要がある。本発明は、フォイルの除去を自動化するだけでなく、長いタイヤトレッドからフォイルを除去することに特に関係する上述した問題をも解決する。本発明によるグリッパは、フォイルの一部分に係合し剥離することができ、除去された部分はその後、グリッパからフォイル回収ユニットへと確実に移送することができる。フォイルを巻き取り、同時に、フォイル回収ユニットを除去方向に移動させ、または、タイヤトレッドを反対方向に移動させることによって、フォイルを除去方向に引くことによってフォイルを除去することができ、一方で同時に、フォイルの除去された、回収されていない部分の緩みを防止または低減するために、フォイルの除去された部分の長さをフォイル回収ユニットにおいて回収することができる。
【0006】
一実施形態において、フォイル除去デバイスは、フォイルを除去する前にフォイルの一端にあるかまたはその付近にある把持位置においてフォイルに係合するように構成されているグリッパと、フォイルをタイヤトレッドから部分的に除去するために、グリッパを把持位置からフォイル回収ユニットに向けて移動させるように構成されているグリッパ駆動部とをさらに備え、グリッパは、フォイル回収ユニットがフォイルの一端においてまたはその付近でフォイルの除去された部分を受け取ったときに、フォイルの除去された部分を解放するように構成されている。グリッパは、フォイルの一部分に係合し剥離することができ、除去された部分はその後、グリッパからフォイル回収ユニットへと確実に移送することができる。
【0007】
一実施形態において、グリッパ駆動部は、グリッパを把持位置からフォイル回収ユニットに向けて移動させている間、100度〜160度の範囲内の角度にわたって、除去方向に対して横断方向もしくは垂直におよび/またはフォイルの表面に対して平行に、フリップ軸を中心としたフリップ回転においてグリッパを回転させるように構成されている。グリッパがフリップしている間、フォイルの係合されている、除去された部分が取り込まれ、同じフリップ軸を中心としてフリップまたは回転され、それによって、フォイルの除去された部分をその後、フォイル回収ユニットによって除去方向に引くことができる。
【0008】
一実施形態において、グリッパ駆動部は、グリッパを、フォイル回収ユニットを越えて除去方向に移動させるように構成され、フォイル回収ユニットは、グリッパの後ろで除去方向においてフォイルの除去された部分に係合するように構成されている。フォイル回収ユニットがグリッパの後ろで係合することによって、フォイル回収ユニットは、グリッパが上記係合を妨げることなく、フォイルにその一端において確実に係合することができる。
【0009】
一実施形態において、除去デバイスは、テープアプリケータと、テープアプリケータを貼付方向に駆動するためのテープアプリケータ駆動部とをさらに備え、テープアプリケータは、その第1の部分がフォイルの一端と付着接触しており、その第2の部分がフォイルから自由に突出している状態で、貼付方向においてテープを貼付するように構成されており、グリッパは、テープの自由に延伸する第2の部分を把持することによってフォイルに間接的に係合するように構成されている。テープを把持することによってフォイルに間接的に係合することによって、グリッパがタイヤトレッドおよび/またはフォイルに損傷を与えることを回避することができる。
【0010】
好ましい実施形態において、貼付方向は、除去方向に対して横断方向または垂直である。したがって、テープは、一端に沿って、除去方向に対して横断方向または垂直に貼付することができる。これは一般的に、フォイルの最短の横辺に対して平行である。したがって、除去に必要とされるテープの長さが最小になり、それによって、除去中の廃棄物の量が低減する。
【0011】
一実施形態において、テープアプリケータは、フォイルに貼付されるテープの長さよりも実質的に長いテープ供給を保持するように構成されており、フォイル除去デバイスは、テープ供給からテープを切り出すためのカッターが設けられる。したがって、テープアプリケータは、後続の除去サイクルのために複数のテープ長をもたらすことができる。テープが限定的な長さで切断されると、フォイルを除去するのに使用されるテープの量を最小限に保つことができ、それによって、除去中の廃棄物の量が低減する。
【0012】
一実施形態において、カッターは、テープが貼付方向においてフォイルの相当部分、好ましくはフォイル全体に貼付されたときに、テープ供給からテープを切り出すように構成されている。テープをフォイルの相当部分に沿って貼付することによって、グリッパによってテープにかかる力をフォイルにわたって均等に分散することができ、それによって、除去の一貫性が増大し、フォイルおよび/またはテープが裂けることが防止される。
【0013】
一実施形態において、グリッパは、貼付方向において、テープの相当部分、好ましくはテープ全体を把持するように構成されている2つの対向するジョーが設けられる。グリッパの対向するジョーにテープをフォイルの相当部分に沿って延伸させ、かつ/または、フォイルの相当部分を把持させることによって、グリッパによってテープにかかる力をテープにわたって、および、間接的にフォイルにわたって均等に分散することができ、それによって、除去の一貫性が増大し、フォイルおよび/またはテープが裂けることが防止される。
【0014】
一実施形態において、フォイル回収ユニットは、テープに隣接するその一端においてまたはその付近でフォイルを受け取るように構成されている。フォイルとテープとの重量が組み合わさることによって、フォイルの一端が、フォイルの残りの部分に対して巻き取り要素の反対側で下向きに湾曲することができ、それによって、フォイルが巻き取り要素から解放される可能性が低減する。さらに、テープとフォイルとが組み合わさった厚さは、巻き取り要素のピンの間の距離よりも大きくなり得、それによって、フォイルが除去方向の反対方向で後退することが防止される。
【0015】
一実施形態において、テープアプリケータは、フォイルの一端の位置を検出し、テープアプリケータを、貼付方向に沿った貼付のために貼付位置へと移動するように制御するために、テープアプリケータ駆動部に、検出された位置を示す信号を送信するためのセンサを備える。センサは、さらに、タイヤトレッドの特性が変動する可能性があるかにかかわらず、テープの貼付を自動化することができる。
【0016】
一実施形態において、テープは、接着によってフォイルに貼付されるように構成されている。接着によって、テープがフォイルに付着することが可能になり、それによって、グリッパによってテープにかかる力を、フォイルに伝達することができる。
【0017】
一実施形態において、変位駆動部は、少なくとも、フォイルが巻き取り要素に巻き取られる速度と同じ速度で、好ましくは実質的に同じ速度で、除去方向においてタイヤトレッドに対してフォイル回収ユニットを移動させるように構成されている。このように、フォイルの回収されていない、除去された部分の長さを一定に保つことができるか、または、低減することができ、それによって、緩みが防止または低減される。
【0018】
好ましい実施形態において、巻き取り要素は、2つの相互に平行なピンを備え、ピンは、フォイルの一端においてまたはその付近でピンの間にフォイルを受け入れるために離間されている。
【0019】
一実施形態において、フォイル回収ユニットは、除去方向を横断する進入方向において巻き取り位置へと移動可能であり、巻き取り位置において、ピンがフォイルの主面の両側でフォイルの上をスライドされる。
【0020】
一実施形態において、変位駆動部、好ましくはXY駆動システムは、フォイル回収ユニットを移動させるように構成されている。代替的な実施形態において、変位駆動部は、タイヤトレッドを支持し、除去方向と反対の方向においてフォイル回収ユニットに対してタイヤトレッドを変位させるように構成されているコンベヤである。
【0021】
第2の態様によれば、本発明は、フォイル除去デバイスを使用することによって除去方向においてタイヤトレッドからフォイルを除去するための方法を提供し、フォイル除去デバイスは、フォイルを回収するための巻き取り要素を有するフォイル回収ユニットと、巻き取り軸を中心として巻き取り回転するように巻き取り要素を駆動するための巻き取り駆動部とを備え、フォイル除去デバイスは、グリッパとグリッパ駆動部とをさらに備え、方法は、フォイルを除去する前にフォイルの一端にあるまたはその付近にある把持位置においてフォイルをグリッパと係合するステップと、グリッパ駆動部を用いて、フォイルをタイヤトレッドから部分的に除去するためにグリッパを把持位置からフォイル回収ユニットに向けて移動させるステップと、フォイルの端部のうちの1つにあるまたはその付近にある巻き取り要素においてフォイルを受け取るステップと、フォイル回収ユニットがフォイルの一端においてまたはその付近でフォイルの除去された部分を受け取ったときにフォイルの除去された部分をグリッパから解放するステップと、その後、巻き取り軸を中心として数回転にわたって巻き取り要素の周囲にフォイルを巻き取ることによって、フォイルに係合し、その後除去するために、巻き取り駆動部に、数回転にわたって巻き取り要素を駆動させることによって、フォイルに係合し除去するステップとを含み、除去デバイスは変位駆動部を備え、方法は、巻き取り駆動部が巻き取り要素を駆動するのと同時に、フォイル回収ユニットを、除去方向においてタイヤトレッドに対して移動させるステップをさらに含む。
【0022】
グリッパは、フォイルの一部分に係合し剥離することができ、除去された部分はその後、グリッパからフォイル回収ユニットへと確実に移送することができる。フォイルを巻き取り、同時に、フォイル回収ユニットを除去方向に移動させ、または、タイヤトレッドを反対方向に移動させることによって、フォイルを除去方向に引くことによってフォイルを除去することができ、一方で同時に、フォイルの除去された、回収されていない部分の緩みを防止または低減するために、フォイルの除去された部分の長さをフォイル回収ユニットにおいて回収することができる。
【0023】
一実施形態において、グリッパ駆動部は、グリッパを把持位置からフォイル回収ユニットに向けて移動させている間、100度〜160度の範囲内の角度にわたって、除去方向に対して横断方向もしくは垂直におよび/またはフォイルの表面に対して平行に、フリップ軸を中心としたフリップ回転においてグリッパを回転させる。グリッパがフリップしている間、フォイルの係合されている、除去された部分が取り込まれ、同じフリップ軸を中心としてフリップまたは回転され、それによって、フォイルの除去された部分をその後、フォイル回収ユニットによって除去方向に引くことができる。
【0024】
一実施形態において、グリッパ駆動部は、グリッパを、フォイル回収ユニットを越えて除去方向に移動させ、フォイル回収ユニットは、グリッパの後ろで除去方向においてフォイルの除去された部分に係合する。フォイル回収ユニットがグリッパの後ろで係合することによって、フォイル回収ユニットは、グリッパが上記係合を妨げることなく、フォイルにその一端において確実に係合することができる。
【0025】
一実施形態において、フォイル回収ユニットは、除去方向を横断する進入方向において巻き取り位置へと移動され、巻き取り位置において、ピンがフォイルの主面の両側にわたって、フォイルの上をスライドされる。
【0026】
一実施形態において、除去デバイスは、テープアプリケータと、テープアプリケータを貼付方向に駆動するためのテープアプリケータ駆動部とをさらに備え、方法は、テープアプリケータを用いて、テープの第1の部分がフォイルの一端と付着接触しており、テープの第2の部分がフォイルから自由に突出している状態で、貼付方向においてテープを貼付するステップをさらに含み、グリッパは、テープの自由に延伸する第2の部分を把持することによってフォイルに間接的に係合する。テープを把持することによってフォイルに間接的に係合することによって、グリッパがタイヤトレッドおよび/またはフォイルに損傷を与えることを回避することができる。
【0027】
好ましい実施形態において、貼付方向は、除去方向に対して横断方向または垂直である。したがって、テープは、一端に沿って、除去方向に対して横断方向または垂直に貼付することができる。これは一般的に、フォイルの最短の横辺に対して平行である。したがって、除去に必要とされるテープの長さが最小になり、それによって、除去中の廃棄物の量が低減する。
【0028】
一実施形態において、テープアプリケータは、フォイルに貼付されているテープの長さよりも実質的に長いテープ供給を保持し、フォイル除去デバイスはカッターが設けられ、方法は、フォイルが貼付された後に、テープ供給からテープを切り出すステップを含む。したがって、テープアプリケータは、後続の除去サイクルのために複数のテープ長さをもたらすことができる。テープが限定的な長さで切断されると、フォイルを除去するのに使用されるテープの量を最小限に保つことができ、それによって、除去中の廃棄物の量が低減する。
【0029】
一実施形態において、フォイル回収ユニットは、テープに隣接するその一端においてまたはその付近でフォイルを受け取る。フォイルとテープとの重量が組み合わさることによって、フォイルの一端が、フォイルの残りの部分に対して巻き取り要素の反対側で下向きに湾曲することができ、それによって、フォイルが巻き取り要素から解放される可能性が低減する。さらに、テープとフォイルとが組み合わさった厚さは、巻き取り要素のピンの間の距離よりも大きくなり得、それによって、フォイルが除去方向の反対方向で後退することが防止される。
【0030】
一実施形態において、テープアプリケータはセンサを備え、方法は、センサを用いてフォイルの一端の位置を検出するステップを含み、センサは、テープアプリケータ駆動部に、検出された位置を示す信号を送信し、テープアプリケータ駆動部は、信号に基づいて、貼付方向に沿った後続の貼付のために、テープアプリケータを貼付位置へと移動するように制御する。センサは、さらに、タイヤトレッドの特性が変動する可能性があるかにかかわらず、テープの貼付を自動化することができる。
【0031】
一実施形態において、変位駆動部は、少なくとも、フォイルが巻き取り要素に巻き取られている速度と同じ速度で、好ましくは、実質的に同じ速度で、除去方向においてタイヤトレッドに対してフォイル回収ユニットを移動させる。このように、フォイルの回収されていない、除去された部分の長さを一定に保つことができるか、または、低減することができ、それによって、緩みが防止または低減される。
【0032】
本明細書に記載および図示されている様々な態様および特徴は、可能な限り個々に適用することができる。これらの個々の態様、特に、添付の従属請求項に記載されている態様および特徴は、分割特許出願の主題になり得る。
【0033】
本発明を、添付の図面に示す例示的な実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】保護フォイルを有するタイヤトレッドの斜視図である。
【
図2】
図1によるタイヤトレッド、および、一定の長さのテープをタイヤトレッド上の保護フォイルに貼付するためのテープアプリケータの斜視図である。
【
図3】
図2によるタイヤトレッドおよびテープ、ならびに、テープを把持し、保護フォイルをフリップさせ、タイヤトレッドから部分的に除去するためのグリッパの側面図である。
【
図4】
図2によるタイヤトレッドおよびテープ、ならびに、テープを把持し、保護フォイルをフリップさせ、タイヤトレッドから部分的に除去するためのグリッパの斜視図である。
【
図5】
図4によるタイヤトレッドおよび部分的に除去されたテープ、ならびに、保護フォイルの残りの部分を除去および回収するためのフォイル回収ユニットの斜視図である。
【
図6】
図4によるタイヤトレッドおよび部分的に除去されたテープ、ならびに、保護フォイルの残りの部分を除去および回収するためのフォイル回収ユニットの側面図である。
【
図7】
図4によるタイヤトレッドおよび部分的に除去されたテープ、ならびに、保護フォイルの残りの部分を除去および回収するためのフォイル回収ユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、タイヤまたはタイヤカーカス(図示せず)の周囲に被着させるか、または、トレッドを付け直すための長いタイヤトレッド1を示す。タイヤトレッド1は、被着後に、道路と接するために半径方向外向きに面する外面または走行面11を備える。タイヤトレッド1は、被着後に、半径方向内向きに面し、タイヤカーカスに被着または付着される被着面12をさらに備える。タイヤトレッド1は、長手方向Lを規定する2つの長辺13、14が設けられる。タイヤトレッド1は、長手方向Lにおいて考えると、被着中にタイヤトレッド1の前端および後端を形成する、2つの横端または横縁を有する。2つの端部のうちの一端15のみを
図1に示す。保護フォイルの除去は2つの端部のうちのいずれにおいて開始してもよいことが観察される。
【0036】
図1に示すように、フォイル、特に保護フィルムまたは保護フォイル2が、タイヤトレッド1の被着面12上に与えられる。保護フォイル2は、タイヤトレッド1の被着面12を、汚染、損傷または他の(同様の)タイヤ構成要素への故意でない付着から保護する。タイヤトレッド1の硬化されていないゴム材料の付着または粘着は、保護フォイル2が被着面12から容易に剥がれないように防止する。保護フォイル2は、2つの長辺21、22および2つの横端を有する。タイヤトレッド1の端部と同様に、保護フォイル2の2つの端部のうちの一端23のみを
図1に示す。保護フォイル2は、その長辺21、22がタイヤトレッド1の長辺13、14と平行になっており、長辺13、14の中にある向きで、被着面12上に配置される。一端23は、タイヤトレッドの一端15に対して平行に、一端15に沿って、かつ/または、一端15の近くに配置される。好ましくは、保護フォイル2の表面積は、被着面12の保護を最適化するために、被着面12の表面積の少なくとも30〜40%を被覆する。この例において、保護フォイル2の表面積は、被着面12の表面積の相当部分、好ましくは少なくとも80%を被覆する。
【0037】
図2〜
図7は、除去方向Xにおいてタイヤトレッド1から保護フォイル2を除去するための、本発明によるフォイル除去デバイスを示す。
【0038】
図2に示すように、フォイル除去デバイスは、テープ供給4を有するテープアプリケータ3を備える。テープアプリケータ3は、タイヤトレッド1の長手方向Lおよび除去方向Xに対して垂直な、保護フォイル2の一端23に沿ったテープ貼付方向Bにおいて、テープアプリケータ駆動部31、たとえば、それ自体知られているXY駆動システムを介して、タイヤトレッド1に対して移動可能であるように構成されている。テープ貼付方向Bに沿って移動する間、テープアプリケータ3は、一定の長さのテープ40を、テープ供給4から保護フォイル2の上記一端23に貼付する。テープアプリケータ3は、タイヤトレッド1の長手方向Lおよび除去方向Xにおいて考えると、一定の長さのテープ40の第1の部分41が保護フォイル2の一端23に貼付され、一定の長さのテープ40の残りの第2の部分42がその一端23において保護フォイル2の輪郭または外側を越えて自由に延伸または突出するように、一定の長さのテープ40を貼付するように構成されている。好ましくは、一定の長さのテープ40の残りの第2の部分42は、タイヤトレッド1の長手方向Lおよび除去方向Xにおいて考えると、タイヤトレッドの一端15においてタイヤトレッド1の輪郭または外側をも越えて自由に延伸または突出する。一定の長さのテープ40は、貼付されたときに保護フォイル2と接触している、一定の長さのテープ40の少なくとも第1の部分41において接着性である少なくとも1つの接着面43が設けられる。好ましくは、一定の長さのテープ40は両面において接着性である。
【0039】
任意選択的に、テープアプリケータ3は、保護フォイル2の一端23の位置を検出し、テープアプリケータ3を、貼付方向Bに沿った上述した貼付のために貼付位置へと移動するように制御するために、テープアプリケータ3の駆動部に、上記検出された位置を示す信号を送信するためのセンサ32が設けられる。
【0040】
テープアプリケータ3によって保護フォイル2に一定の長さのテープ40を貼付した後、一定の長さのテープ40は、自動カッター(
図2においては概略的にハサミCによって示す)によってテープ供給4から切り出される。一定の長さのテープ40は以降、テープ40と称されるものとする。テープ40の長さは、貼付方向Bにおいて、保護フォイル2の2つの長辺21、22の間の保護フォイル2の幅に実質的に対応する。
【0041】
図3〜
図6に示すように、フォイル除去デバイスは、保護フォイル2の一端23においてテープ40を把持することによって、保護フォイル2に係合するためのグリッパ5をさらに備える。グリッパ5は、把持機構53によって、
図3および
図4に示すような閉じた把持状態と、
図6に示すような開いた解放状態との間で往復して動くことが可能である、2つの対向する爪またはジョー51、52が設けられる。任意選択的に、把持ジョー51、52は、把持ジョー51、52に対するテープ40の接着を低減するコーティングまたは表面テクスチャが設けられる。
図4および
図5に示すように、対向するジョー51、52は、貼付方向B(
図2に示すような)において、テープまたは保護フォイルの一端23において、テープ40または保護フォイル2の、2つの長辺21、22の間の相当部分、この例ではテープ40または保護フォイル2の幅全体にわたって延伸する。
図4に示すように、グリッパ5は、フリップ軸Kを中心としたフリップ方向Fにおける回転において、グリッパ5に対する回転可能な取り付け部を有するグリッパ駆動部54、たとえば、XY駆動システムによって、タイヤトレッド1に対して移動可能であるように構成されている。フリップ軸Kは、タイヤトレッド1の長手方向Lに対して横断方向または垂直に、タイヤトレッド1の被着面12に対して平行に、または被着面12内で延伸する。任意選択的に、テープアプリケータ3およびグリッパ5は、同じXY駆動システム上で支持され、かつ/または、同じXY駆動システムによって駆動される。
【0042】
好ましくは、グリッパ5は、
図3に示すように、フリップ方向Fにおいて、グリッパ5の水平な向きに対して100度〜160度の範囲内の角度にわたって回転される。特に、グリッパ5は、保護フォイル2が反対にそれ自体に対して折りたたまれるのを防止するために、180度にわたって完全には回転されない。
【0043】
図5、
図6および
図7に示すように、フォイル除去デバイスは、保護フォイル2を除去および回収するためのフォイル回収ユニット6をさらに備える。フォイル回収ユニット6は、タイヤトレッド1の長手方向Lおよび除去方向Xに対して横断方向または垂直な進入方向Dにおいて水平に延伸する2つの相互に平行なピン61、62の形態の巻き取り要素を備える。ピン61、62は、保護フォイル2および/またはテープ40が、特にその厚さについて、2つのピン61、62の間を通過し、またはその間に受け入れられることを可能にするために、離間されている。フォイル回収ユニット6は、ピン61、62に平行で、ピン61、62の間の中心にある巻き取り軸Sを中心とした巻き取り回転Rを行うようにピン61、62を駆動するための巻き取り駆動部63が設けられる。任意選択的に、ピン61、62は、それらの相互の間隔を低減し、保護フォイル2および/またはテープ40を間にクランプ締めするために、互いに向けて移動可能である。
【0044】
フォイル回収ユニット6は、フォイル回収ユニット6をタイヤトレッド1に対して、
図5に示すように進入方向Dにおいて巻き取り位置へと移動させ、
図6および
図7に示すように除去方向Xにおいて移動させるように構成されている、好ましくはそれ自体知られているXYまたはXYZ駆動システムの形態の変位駆動部64が設けられるか、変位駆動部64に結合される。代替的に、タイヤトレッド1は、好ましくは(それ自体知られている)コンベヤの形態で変位駆動部9上に配置され、変位駆動部9は、実効的に、フォイル回収ユニット6がタイヤトレッド1に対して除去方向Xにおいて移動されるように、タイヤトレッド1を、フォイル回収ユニット6に対して除去方向Xと反対の方向Tにおいて移動させるように構成されている。
【0045】
上述したフォイル除去デバイスを使用することによって保護フォイル2をタイヤトレッド1から除去するための方法を、
図2〜
図7を参照して下記に説明する。
【0046】
図2において、テープアプリケータ3が、テープアプリケータ駆動部によって、貼付方向Bにおいて保護フォイル2の一端23に沿って移動されている状況が示されている。保護フォイル2の一端23に沿ったテープアプリケータ3の移動中、テープアプリケータ3は、その後カッターCによって切り出されている、一定の長さのテープ40を貼付している。結果として切り出されたテープ40は、保護フォイル2の一端23への接着によって貼付されている第1の部分41と、保護フォイル2およびタイヤトレッド1の外側でそれらのそれぞれの端部23、15において延伸または突出している第2の残りの部分42とを有する。
【0047】
次に、
図3において、グリッパ5が、対応するグリッパ駆動部54によって、テープ40の突出している第2の部分42と反対の、実質的に水平な把持位置へと導入および駆動される。
図3に示す状況において、グリッパ5の把持機構53が、把持ジョー51、52をともに動かして、テープ40の突出している第2の部分42を反対側からクランプ締めまたは把持するために作動されている。グリッパ5はこの時点で、テープ40を把持することによって保護フォイル2に間接的に係合している。グリッパ5はその後、
図4に示すように、フリップ位置へのフリップ軸Kを中心としたフリップ方向Fにおける回転にわたって、対応するグリッパ駆動部54によって移動される。
【0048】
フリップ方向Fにおける回転中、グリッパ5は、除去方向Xにおいて、タイヤトレッド1から把持されているテープ40、および間接的に保護フォイル2の部分24を取り込み、引き、剥離しまたは除去している。テープ40および保護フォイル2の上記除去された部分24は、フリップ軸Kを中心としてフリップされ、それによって、保護フォイル2の除去された部分24が除去方向Xにおいて、まだタイヤトレッド1に被着されている保護フォイル2の残りの部分25の方向に対して後ろ向きに折りたたまれる。フリップ方向Fにおけるグリッパ5の回転は、160度の最大角度において停止され、それによって、保護フォイル2の緩んだ、除去された部分24は、保護フォイル2の残りの部分25に接しない。
【0049】
図5は、グリッパ5がまだ把持状態にあり、テープ40を把持している状況を示している。グリッパ5が保護フォイル2の除去された部分24を、タイヤトレッド1に対して固定して保持することによって、フォイル回収ユニット6は、その対応する変位駆動部64によって、除去方向Xに関して保護フォイル2および/またはテープ40の一端23の真後ろまたは下流の保護フォイル2における進入位置に位置付けられる。変位駆動部64は、
図5に示すように、フォイル回収ユニット6を進入方向Dにおいて進入位置から巻き取り位置へと移動させている。巻き取り位置において、ピン61、62が保護フォイル2の主面の両側にわたってスライドされ、かつ/または、両側の上で保護フォイル2の幅にわたって延伸する。
【0050】
図6において、把持機構53が、把持ジョー51、52を離して解放位置へと動かすために操作されている状況が示されている。その後、グリッパ駆動部54が、グリッパ5を後退方向Gにおいて後ろ向きにテープ40および保護フォイル2から外方に移動させている。把持ジョー51、52の解放状態への動きおよび/または後退方向Gにおける移動の間にグリッパ5によってテープ40に対してかかる力は、テープ40の把持ジョー51、52に対する接着よりも強く、それによって、テープ40が把持ジョー51、52から引き離される。したがって、テープ40はグリッパ5によってもはや把持されず、この時点で、保護フォイル2はフォイル回収ユニット6によって支持および/または係合される。フォイル回収ユニット6の巻き取り駆動部63はこの時点で、巻き取り軸Sを中心とした巻き取り回転Rにおいてピン61、62を回転させるために作動することができる。
【0051】
図7は、巻き取り駆動部63が数回の回転または巻き取りにわたってピン61、62を回転させており、それによって、テープ40および保護フォイル2の残りの部分24がピン61、62の周りに丸まりまたは巻き上げられている状況を示している。特に、テープ40は最初にピン61、62の一方に対して巻き取られ、その後、後続の巻き取りによって、保護フォイル2の下流の、まだ回収されていない部分24が、ピン61、62およびピン61、62上にすでに巻き取られているテープ40の周囲に巻き上げられる。テープ40が巻き取られる方向に応じて、または、テープ40が両面で接着されている場合、後続して巻き取られる保護フォイル2がテープ40に付着することになり、それによって、保護フォイル2の下流の除去された部分24がピン61、62に付着し、ピン61、62に対して巻き取られることが保証される。最終的に、数回の巻き取りの後、保護フォイル2は、フォイル回収ユニット6によって確実に係合される。
【0052】
巻き取りの間または巻き取りと同時に、対応する変位駆動部64は、タイヤトレッド1の長手方向Lに対して平行で、かつ/または、巻き取り軸Sに対して垂直な除去方向Xにおいてフォイル回収ユニット6を移動させるように構成されており、それによって、除去方向Xにおいて保護フォイル2のより大きい部分24がタイヤトレッド1から徐々に引かれて除去され、保護フォイル2の残りの部分25が低減する。特に、変位駆動部64は、フォイル回収ユニット6が保護フォイル2全体を回収し巻き上げることを可能にするために、保護フォイル2の他端および/またはタイヤトレッド1の他端までおよび/または保護フォイル2の他端をわずかに越える距離まで、除去方向Xにおいてフォイル回収ユニット6を移動させるように構成されている。フォイル回収ユニット6は、除去方向Xにおいて、保護フォイル2の除去された部分24および残りの部分25からの遷移部にある折り目の先または上流に留まるのに十分である速度で移動される。好ましくは、除去方向Xにおける速度は、保護フォイル2がフォイル回収ユニット6上に回収される速度と少なくとも同じであるか、実質的に同じであるか、または当該速度に依存するように選択される。したがって、フォイル回収ユニット6が除去方向Xにおいて経時的に移動する距離は、同じ時間量にわたるフォイル回収ユニット2に対する保護フォイル2の各巻き取りの周長さに実質的に等しい。このように、フォイル回収ユニット6と、保護フォイル2の残りの部分25との間の、回収されていない、除去された部分24の長さは実質的に一定のままである。特に、フォイル回収ユニット6と、保護フォイル2の残りの部分25との間の、回収されていない、除去された部分24の付着は、除去された部分24が残りの部分25に接することを可能にしない量まで低減されることになる。
【0053】
フォイル回収ユニット6を除去方向Xにおいて移動させる代わりに、コンベヤ9上で除去方向Xと反対の方向Tにおいてフォイル回収ユニット6に対してタイヤトレッド1を移動させることができ、それによって、実効的に、フォイル回収ユニット6が除去方向Xにおいてタイヤトレッド1に対して移動する。
【0054】
保護フォイル2がタイヤトレッド1から完全に除去され、回収された後、巻き上げられた保護フォイル2は、ピン61、62から落とされ得る。保護フォイル2は、廃棄物として処分され、かつ/または、リサイクルすることができる。
【0055】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を示すために含まれており、本発明の範囲を限定するようには意図されていないことが理解されるべきである。上記の説明から、依然として本発明の精神および範囲によって包含される多くの変形が、当業者には明らかになる。