(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6495960
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
B01D 35/30 20060101AFI20190325BHJP
B01D 29/11 20060101ALI20190325BHJP
B01D 35/02 20060101ALI20190325BHJP
B01D 35/14 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
B01D35/30
B01D29/10 501C
B01D29/10 510C
B01D29/10 530B
B01D35/02 E
B01D35/14
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-37251(P2017-37251)
(22)【出願日】2017年2月28日
(62)【分割の表示】特願2014-516210(P2014-516210)の分割
【原出願日】2012年3月15日
(65)【公開番号】特開2017-148799(P2017-148799A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2017年3月22日
(31)【優先権主張番号】102011105555.3
(32)【優先日】2011年6月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511004689
【氏名又は名称】ハイダック フィルターテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト サン
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ブラウン
【審査官】
目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/047754(WO,A1)
【文献】
特表2013−508132(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/102690(WO,A1)
【文献】
特表2012−520164(JP,A)
【文献】
特表2009−544461(JP,A)
【文献】
特開昭47−036152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D27/00−29/96
B01D35/00−35/34
B01D46/00−46/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾材(27)を封入した内部フィルタキャビティ(23)を有する少なくとも1つのフィルタエレメント(17)を収納するフィルタハウジング(1)を有し、該フィルタハウジング(1)は、前記フィルタエレメントがその機能的位置にある際にフィルタエレメント(17)と相互作用するエレメントホルダ(19)を含むフィルタ装置において、
前記エレメントホルダ(19)は突出した収納部(43)を有し、該収納部の外形は、前記エレメントホルダ(19)に固定されるべき関連フィルタエレメント(17)の端部に位置する開口部(37)の形状に合わせて形成されることで、前記フィルタエレメントが前記機能的位置にある時に前記収納部(43)は前記フィルタエレメント(17)の開口部(37)を介して適合し、前記エレメントホルダ(19)の前記収納部(43)は、収納空間(39)の中へと延びるように配置され、前記収納部はスパイク(43)に形成されており、前記収納空間(39)はドーム(35)に形成されており、前記スパイク(43)は、前記エレメントホルダ(19)が備えかつ前記スパイク(43)の中央孔(61)の中に延びているシャフト(65)上に回転可能に支持されていることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
該収納空間は、夫々のフィルタエレメント(17)がその機能的位置にある時に前記収納空間に対して割り当てられた関連端部キャップ(31)に配置されて前記内部フィルタキャビティ(23)の中に延びることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記フィルタエレメント(17)の前記収納空間(39)の前記開口部(37)への係合のために設けられた前記収納部(43)の少なくとも一部分は、非円形の外周を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記スパイク(43)はその外周に沿って平面部分(45)を備え、該平面部分は正方形に内接する4つの真っ直ぐな側面(47)を伴った断面形状を画定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記スパイク(43)の断面の大きさはその上部自由端(49)に向かって減少することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記シャフト(65)はカラー(81)を備え、該カラーは、前記カラーに寄りかかる前記スパイク(43)を、夫々のフィルタエレメント(17)から離反する方向の如何なる軸線方向移動に対して固定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記シャフト(65)上に配置されたスナップリング(78)が、前記スパイクの中央孔(61)の内側に配置された溝(77)と共に作用して、スパイク(43)を、前記シャフト(65)からの如何なる離昇作用に対して固定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記シャフト(65)は、封止可能な前記フィルタハウジング(1)のオイル排出口(9)にねじ込まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記シャフト(65)は、前記カラー(81)の外部と前記フィルタハウジング(1)のオイル排出口(9)との間に内部流体路(87)を備えることを特徴とする請求項6に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
夫々のフィルタハウジング(1)のエレメントホルダ(19)に固定できると共に、内部フィルタキャビティ(23)を入れる濾材(27)を備える、フィルタエレメントを備えるフィルタ装置であって、
前記エレメントホルダ(19)に固定されることになる端部には、前記内部フィルタキャビティへの接近手段を構成する開口部(37)が設けられ、該開口部は、前記フィルタエレメント(17)がその機能を発する位置にある時に前記開口部(37)を介して適合するように前記エレメントホルダ(19)から離れて延びる、収納部(43)の寸法及び形状に適応することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
前記開口部(37)は、その機能的位置にある時に前記内部フィルタキャビティ(23)の中に延びる前記収納部(43)が前記開口部(37)を介して適合するように、前記濾材(27)の骨組みを作る端部キャップ(31)に形成されることを特徴とする請求項10に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
前記端部キャップ(31)は、前記収納部(43)に入るための前記開口部(37)から前記内部フィルタキャビティ(23)へと延びて前記収納部(43)をスリーブのように取り囲む収納空間(39)を備えることを特徴とする請求項11に記載のフィルタ装置。
【請求項13】
前記収納部はスパイク(43)に形成されており、前記収納空間(39)はドーム(35)に形成されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項14】
前記ドーム(35)の前記開口部(37)は、それを介して適合するスパイク(43)部分の断面形状に適応する開口部周りのリムによって画定され、前記リムは正方形の辺(47)の部分を形成することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項15】
前記ドーム(35)の内壁は、収納ドームの内部の端部に向かって収束してドーム(35)に配置されたスパイク(43)の平面部分(45)と共に適合接触を達成する平面部分(45)を備えることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾材を封入した内側フィルタ空洞を持つ少なくとも1つのフィルタエレメントを収容する、フィルタハウジングを有したフィルタ装置であって、フィルタエレメントが機能的位置にある時に前記ハウジングがそのフィルタエレメントと相互作用するエレメントホルダを含むようなフィルタ装置に関する。本発明はさらに、そのようなフィルタ装置の内部で使用するように設けられたフィルタエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルタ装置は従来技術から知られている。それらは、例えば油圧油、クーラント、燃料、潤滑油など様々な技術的な流体のろ過のため、構造形式、サイズ及び/又は圧力レベルを変えた形で広く使用されている。そのようなフィルタ装置が故障する限りにおいて変動し得る運転外乱は、破損した箇所の下流側のシステムの損傷や破壊を招く恐れがあり、かなりの経済的損害を引き起こす可能性があるため、フィルタ装置の作動信頼性は非常に重要である。従って、このようなフィルタ装置の作動させる場合、ろ過処理は、フィルタハウジング内部に配置される準備完了状態のフィルタエレメントを使って実行される一方、この処理に使用されるフィルタエレメントの仕様は、対応する圧力レベル、流動抵抗などについて割り当てられたフィルタの品質に関連するシステムの作動要件に正確にマッチすることが確実でなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、ろ過処理の間の故障から保護するために高い信頼性を以てフィルタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の全特徴を有するフィルタ装置によって達成される。
【0005】
請求項1の特徴部分によれば、本発明の特徴は、フィルタハウジングの内側に設けられたエレメントホルダは、夫々のフィルタエレメントを固定するための突出した収納部を備え、その突出収納部の外部形状は、エレメントホルダの収納部に固定されるべき関連フィルタエレメントの端部にある開口部に適応し、その結果フィルタエレメントが機能的な位置にある時に収納部はフィルタエレメントの開口部を介して適合するという事実にある。このようにして、エレメントホルダの形状にマッチする適当な突出収納部が開口部を介して適合するのを可能にするフィルタハウジングの内側において、そのようなフィルタエレメントだけをその機能的位置にもたらせることが確実となる。このようにして、使用されたフィルタエレメントが、フィルタ品質、許容圧力レベル等の観点でその仕様に準拠しないリスクを回避することができ、以て良好な運用信頼度を提供する。
【0006】
特に好ましい実施形態では、エレメントホルダの収納部は、関係するフィルタエレメントが機能的位置にある時に割り当てられた端部キャップに配置された収納空間内へ前記収納部が延びて内部フィルタキャビティに到達するように配置される。この構造設計により、例えば仮に不良フィルタエレメント、即ちそのエレメントホルダにおいて、フィルタキャビティ内部へと延びる収納部のための収納空間を持たないようなフィルタエレメントを挿入しようとする試みがなされたとしても、その収納部は端部キャップによって止められ阻止されるために、そのフィルタエレメントの挿入移動は機能的位置に至る前にブロックされることとなり、作業者に対し、「貴方は今“不良”のフィルタエレメントを挿入しようとしている」という明確な信号を与えることが確実となる。
【0007】
好ましくは、フィルタエレメントの収納空間の開口部に係合するように設けられた収納部の少なくとも一部が非円形の形状を有するような配置構造が選択される。
【0008】
特に好ましい実施形態において、前記収納部をスパイクのように形成し、エレメントホルダの収納空間をドームのように形成することができる。
【0009】
特に好ましくは、選択された装置により提供可能なことは、スパイクはその外周に沿って、正方形の形に内接する4つの真っ直ぐな側面の形状の断面を画定する平面部分を備え、そのスパイクの断面サイズは上部の自由端に向かって徐々に小さくなることである。スパイクのそのスレンダーな自由端のせいで、特に容易でかつ快適なドームとの係合が達成される。
【0010】
その外周に沿って平面部分を有する非円形のスパイクとそれに対応して非円形の収納ドーム開口部とにより、フィルタエレメントとスパイク前方との間には、収納ドームへの係合のためにそれに対応する相対回転位置が必要となるために、特に好ましい実施形態では、ドームの中央孔の中に延びるエレメントホルダに配されるシャフト上でスパイクを回転可能に支持する。収納ドームとスパイクを組み合わせた際には、その組み合わせ動作に必要な回転位置でのよりスレンダーな自由端により、スパイクは自分自身で自動的に位置合わせする。
【0011】
特に好ましい実施形態においてシャフトはカラーを有し、同カラーは、それに対して寄りかかるスパイクを、夫々のフィルタエレメントから離反する方向の如何なる軸線方向移動に対して固定する。
【0012】
スパイクがシャフトからその他の方向に持ち上がる如何なる動作からも保護するために、シャフト上に、スパイクの中央孔にある溝と併せて作用するスナップリングを設けることでスパイクを軸線方向に固定することができる。
【0013】
シャフトは、フィルタハウジングの封止可能なオイル排出口にねじ込むことができ、その場合特にシンプルでかつコンパクトな構造組立体が得られる。
【0014】
ねじ込まれたシャフトがあるにもかかわらず、オイル排出口にその排出機能を果たすことができるようにするために、特に好ましくは、装置にはカラーの外部とハウジングの排出口との間に内部流体路を設けることができる。その結果、たとえシャフトが開口部にねじ込まれ排出口上での排出ネジにより放出を生みだすことが可能になる。
【0015】
本発明の別の目的は、請求項1〜11のいずれか1つに記載のフィルタ装置に使用するフィルタエレメントであって請求項12で特定した特徴を有するフィルタエレメントを提供することにある。
【0016】
フィルタエレメントの更なる構造に関しては従属請求項13〜17に記載されている。
【0017】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明によるフィルタ装置の実施形態の斜視図であって、部分的に切断した図である。
【
図2】
図1に示された本発明の実施形態を一般構造タイプのフィルタハウジング内に装着させた、
図1に類似する図である。
【
図3】
図1の実施形態によるフィルタエレメントの端部キャップとフィルタハウジングのエレメントホルダだけを示し、大きく拡大した分解斜視図である。
【
図4】
図3のエレメントホルダの軸線の側面図である。
【
図5】
図3のエレメントホルダの軸線の縦断面図である。
【
図6】
図3のエレメントホルダの収納部として作用するスパイクだけの縦断面図である。
【
図7】
図3のエレメントホルダの収納部として作用するスパイクだけの上視図である。
【
図8】フィルタエレメントの端部キャップだけをその底側から見た斜視図である。
【
図9】フィルタエレメントの端部キャップだけをその上側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、加圧流体ろ過のために提供される本発明フィルタ装置の一実施形態を示している。垂直軸線3を規定するフィルタハウジング1は、円筒状の本体部5とその上部にねじ込まれるヘッド部7を備える。排出口9を除き本体部5の底端部は閉じられており、排出ネジ11が前記排出口の内ネジにねじ込まれる。上部のヘッド部7は未ろ過の流体が流入する接続部13とろ過流体の出口にための接続部15を備える。ヘッド部7に配置されると共に、何故か詳細には示されていないが関連する従来技術に相当する流体路が、接続部13及び15を、ハウジング1内部に保持された夫々のフィルタエレメント17の未処理側とクリーン側に接続し、これもまた従来技術に対応し、必要に応じてヘッド部7内部のバイパス手段が第2の閉鎖部をつくる。
【0020】
フィルタエレメント17の外側が見えるようにフィルタハウジング1は、図では縦軸線3に沿って切断開放されて示されており、フィルタエレメントも又、底部の長手部分においては切断開放された状態で示されており、それによりフィルタエレメント17はフィルタハウジング1の底部21においてエレメントホルダ19に据え付けられる。これは、垂直軸線3に同軸状に配置されかつ流体透過性の支持パイプ25に囲まれているフィルタキャビティ23上でのその内側に対する視界を広げ、さらに支持パイプの上には中空シリンダを構成する濾材27が順に配置される。ろ過処理の間、前記濾材は、クリーン側を成すフィルタキャビティ23に対して未処理側29を成す外部からの貫流を受ける。
【0021】
図1に示すように、フィルタエレメント17をその機能位置に固定するのに役立ち、かつフィルタエレメント17の端部キャップ21と相互作用するフィルタハウジング1のエレメントホルダ19のさらなる詳細は、
図3〜
図9により明確なかたちで示すことができる。端部キャップ31は従来技術からは既知のように、濾材の骨組みを作る濾材27の端部域に割り当てられた突出リム33を備えている。従来の端部キャップとの主な相違点は、端部キャップ31が、垂直軸線3に沿ってフィルタエレメント17の内部へと延びる一体成型品として提供されかつ端部側の開口部37(特に
図8を参照)から内方端部に向かってテーパーが付けられた逆ゴブレット又はドーム35の形状を有する本体部を持つことにあり、その結果ドーム35は同様に内方端部に向かってテーパー付けられたスリーブのような内部収納空間39を構成することである。内方端部に位置する収納空間39の開口部はネジ41によって封止することができる。ネジ41の代わりに、好ましくは焼結金属で作られてた栓を使用し、対応の開口部に嵌め込むようにしても良い。前述した焼結金属材料はある程度多孔質であるため、フィルタエレメント上に置かれる閉止栓を伴って圧力均衡を達成できる一方で、それがフィルタ内に配置された際には微粒子不純物を分離するある種の小型フィルタの役目を果たすことができる。この目的のため、閉止ネジ41は予め設定可能な多孔率を有する焼結金属材料で形成することも可能である。
【0022】
エレメントホルダ19はスパイク43の形の収納部を備えており、フィルタエレメント17がその機能的位置にある時にスパイクはドーム35の収納空間39の内部に収納される。
図3、
図6及び
図7から分かるように、スパイク43は非円形であり、スパイク43の外周に沿って収納空間39に係合する長手部分に平面部分45が設けられることで、結果として
図7に示すように正方形の内側で内接する4つの真っ直ぐな端縁部47を伴うスパイク43断面が生じる。これら平面部分45は収納空間39のテーパーに対応するようにして端部49に向かって収束することで、スパイク43が収納空間39内部に収納された際には、ドーム35の内面51がスパイク43の平面部分45に対して適合する。縦リブ53(図面では全部に参照番号を付してはいない)はドーム35の外側に沿って延び、夫々の間に間隙を有して配置され、支持パイプ25のストッパとして設けられたカラー55からドーム35の内方端に向かって延びている。
【0023】
図3 、
図6及び
図7から明らかなように、スパイク43は、平面部分45の間に丸みを帯びた接続面57の他に、対向する2側部に半径方向に突出するフランジ部59も備える。スパイク43の内部では中央孔61が、その厚い底端部からテーパーが付いた上端部49の補償孔63へと延びている。スパイク43は、エレメントホルダ19のシャフト65上の中央孔61によって回転可能に支持される。スパイク43のこの回転可能な支持は、フィルタエレメント17がフィルタハウジング1に挿入された際の、ドーム35の収納空間39内への非円形スパイク43の移動を容易にする。何故なら、スパイク43の持つテーパー形状によって、スパイクがそれ自身でドーム内移動の際の適切な回転位置へと自動的に調整するからである。シャフト65はその底端部に外ネジ67を備え、それによりフィルタハウジング1の排出口9の内ネジにねじ込まれ、その推進作用のためにシャフト65の上端部には六角形の挿入ビット69が設けられる。その六角形挿入ビット69に続くのが円筒形の長手部分71であり、これによりシャフト65は回転可能に支持され、スパイク43の中央孔61の支持部分73に適合される。
図6から分かるように、孔61はその底端部に延長部75を備えており、その中に溝77が形成されている。前記溝は、
図3に示されるのみの、シャフト65の溝79内に配置されたスナップリング78と相互作用することで、スパイク43がスパイクシャフト65から外れようとする方向の如何なる軸線方向移動からも保護する安全手段を構成する。これに関してシャフト65はスパイク43と共に2部品からなる構造ユニットを構成する。
【0024】
溝79の中に配置されるスナップリング78の下方において、シャフト65は、半径方向延長部を構成すると共にスパイク43をどんな軸線方向下側への移動に対して固定するためのストッパ面83を構成するカラー81を備える。カラー81は、その外側にある開口部85と、ハウジング1の排出口9にねじ込み可能な底端部との間に流体接続部87を備え、同接続部によって排出ネジ11の除去後ハウジング1を空の状態にすることができる。
【0025】
図2は、本発明によるフィルタ装置のエレメントホルダとして存在するように、本発明によるフィルタエレメント17に、スパイク43のための収納空間39を作るドーム35を有する端部キャップ31が設けられ、さらにそのようなフィルタエレメントがその機能的位置にある状況を示したものである。とはいえ、
図1とは異なり、
図2ではフィルタエレメント17は本発明によるフィルタハウジング1には挿入されておらず、その代わりに同エレメントは、スパイクの形態の突出する収納部を備えたエレメントホルダを持たず、閉じられたフロア部を備えた一般的構造タイプのフィルタハウジングに挿入される。このため
図2に示すように、本発明によって構成されたフィルタエレメント17も又、そのような一般的フィルタハウジングに挿入し、その内側の機能的位置へともたらすことができる。
【0026】
本発明では、エレメントホルダ19はスパイク43とシャフト65の形態の鋼部品から作られる。好ましくはフィルタエレメント17の端部キャップ31はアルミニウム/亜鉛合金からなるダイキャスト部品である。これとは別の例としては、端部キャップ31は又、プラスチック材からダイキャスト鋳造されるようにしても良い。