(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像表示部材と、周縁部に遮光層が形成された光透過性カバー部材とが、液状の光硬化性樹脂組成物から形成された光透過性硬化樹脂層を介し、光透過性カバー部材の遮光層形成面が画像表示部材側に配置されるように積層された画像表示装置の製造方法において、以下の工程(A)〜(D):
<工程(A)>
液状の光硬化性樹脂組成物を、光透過性カバー部材の遮光層形成側表面又は画像表示部材の表面に、遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面とで形成される段差がキャンセルされるように、遮光層の厚さより厚く塗布する工程;
<工程(B)>
紫外線を遮蔽する遮蔽板を紫外線光源と上記光硬化性樹脂組成物との間に、該光硬化性樹脂組成物の周縁部は露出するように、且つ紫外線の照射時間の一部期間に設置し、少なくとも遮光層上に位置する光硬化性樹脂組成物に対し紫外線を照射して仮硬化させ、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率を30〜80%とする工程;
<工程(C)>
画像表示部材に、遮光層と仮硬化樹脂層とが内側となるように光透過性カバー部材を貼り合わせる工程;
<工程(D)>
画像表示部材と光透過性カバー部材との間に挟持されている仮硬化樹脂層に対し紫外線を照射して本硬化させ、遮光層上及び光透過性カバー部材上の両者の光透過性硬化樹脂層の硬化率を90%以上とし、画像表示部材と光透過性カバー部材とを光透過性硬化樹脂層を介して積層して画像表示装置を得る工程
を有する画像表示装置の製造方法。
前記工程(B)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が、光透過性カバー部材表面の仮硬化樹脂層の硬化率よりも高い請求項1又は2記載の画像表示装置の製造方法。
光硬化性樹脂組成物は、アクリレート系オリゴマー成分、アクリル系モノマー成分、可塑剤成分及び光重合開始剤成分を含有し、可塑剤成分が、固形の粘着付与剤と液状オイル成分とを含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、工程(A)〜(D)を有する本発明の画像表示装置の製造方法を、図面を参照しながら工程毎に詳細に説明する。
【0017】
<工程(A)(塗布工程)>
まず、
図1Aに示すように、片面の周縁部に形成された遮光層1を有する光透過性カバー部材2を用意し、
図1Bに示すように、光透過性カバー部材2の表面2aに、液状の光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1と光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面2aとで形成される段差4がキャンセルされるように、遮光層1の厚さより厚く塗布する。具体的には、遮光層1の表面も含め、光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面2aの全面に光硬化性樹脂組成物3を平坦になるように塗布し、段差が生じないようにする。従って、光硬化性樹脂組成物3を、遮光層1の厚さの好ましくは1.2〜12.5倍、より好ましくは2.5〜4倍の厚さで塗布する。
【0018】
なお、この光硬化性樹脂組成物3の塗布は、必要な厚みが得られるように複数回行ってもよい。
【0019】
光透過性カバー部材2としては、画像表示部材に形成された画像が視認可能となるような光透過性があればよく、ガラス、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等の板状材料やシート状材料が挙げられる。これらの材料には、片面又は両面ハードコート処理、反射防止処理などを施すことができる。光透過性カバー部材2の厚さや弾性などの物性は、使用目的に応じて適宜決定することができる。
【0020】
遮光層1は、画像のコントラストを挙げるため等に設けられるものであり、黒色等に着色された塗料をスクリーン印刷法などで塗布し、乾燥・硬化させたものである。遮光層1の厚みとしては、通常5〜100μmであり、この厚みが段差4に相当する。
【0021】
本工程で使用する光硬化性樹脂組成物3の性状は液状である。液状のものを使用するので、遮光層1と光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面2aとで形成される段差4をキャンセルできる。ここで、液状とは、コーンプレート型粘度計で0.01〜100Pa.s(25℃)の粘度を示すものである。
【0022】
このような光硬化性樹脂組成物3は、アクリレート系オリゴマー成分(成分(イ))、アクリレート系モノマー成分(成分(ロ))、及び光重合開始剤(成分(ハ))を主成分として含有するものを好ましく例示することができる。
【0023】
成分(イ)のアクリル系オリゴマーは、光硬化性樹脂組成物のベース材料として使用されている。好ましい具体例としては、ポリイソプレン、ポリウレタン、ポリブタジエン等を骨格に持つ(メタ)アクリレート系オリゴマーを挙げることができる。なお、本明細書において、“(メタ)アクリレート”という用語は、アクリレートとメタクリレートとを包含する。
【0024】
ポリイソプレン骨格の(メタ)アクリレートオリゴマーの好ましい具体例としては、ポリイソプレン重合体の無水マレイン酸付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(UC102(ポリスチレン換算分子量17000)、(株)クラレ;UC203(ポリスチレン換算分子量35000)、(株)クラレ;;UC−1(分子量約25000)、(株)クラレ)等を挙げることができる。
【0025】
また、ポリウレタン骨格を持つ(メタ)アクリル系オリゴマーの好ましい具体例としては、脂肪族ウレタンアクリレート(EBECRYL230(分子量5000)、ダイセル・サイテック社;UA−1、ライトケミカル社)等を挙げることができる。
【0026】
ポリブタジエン骨格の(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、公知のものを採用することができる。
【0027】
成分(ロ)のアクリル系モノマー成分は、画像表示装置の製造工程において、光硬化性樹脂組成物に十分な反応性及び塗布性等を付与するために反応性希釈剤として使用されている。このようなアクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート等を挙げることができる。
【0028】
成分(ハ)の光重合開始剤としては、公知の光ラジカル重合開始剤を使用することができ、例えば、1−ヒドロキシ−シクロへキシルフェニルケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ社)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2一ヒドロキシ−2−メチル−プロピロニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュア127、チバ・スペシャリティケミカルズ社)、ベンゾフェノン、アセトフェノン等を挙げることができる。
【0029】
このような光重合開始剤は、アクリレート系オリゴマー(イ)及びモノマー(ロ)の合計100質量部に対し、少なすぎると紫外線照射時に硬化不足となり、多すぎると開裂によるアウトガスが増え発泡不具合の傾向があるので、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜3質量部である。
【0030】
また、光硬化性樹脂組成物3は、分子量の調整のために連鎖移動剤を含有することができる。例えば、2−メルカプトエタノール、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノール、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
【0031】
また、光硬化性樹脂組成物3は、更に、必要に応じて、可塑剤成分(成分(ニ))、シランカップリング剤等の接着改善剤、酸化防止剤等の一般的な添加剤を含有することができる。
【0032】
成分(ニ)の可塑剤成分は、硬化樹脂層に緩衝性を付与するとともに、光硬化性樹脂組成物の硬化収縮率を低減させるために使用され、紫外線の照射では成分(イ)のアクリレート系オリゴマー成分及び成分(ロ)のアクリレート系モノマー成分と反応しないものである。このような可塑剤成分は、固体の粘着付与剤(1)と液状オイル成分(2)とを含有する。
【0033】
固形の粘着付与剤(1)としては、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂等のテルペン系樹脂、天然ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、水素添加ロジン等のロジン樹脂、テルペン系水素添加樹脂を挙げることができる。また、前述のアクリレート系モノマーを予め低分子ポリマー化した非反応性のオリゴマーも使用することができ、具体的には、ブチルアクリレートと2−ヘキシルアクリレートおよびアクリル酸の共重合体やシクロヘキシルアクリレートとメタクリル酸の共重合体等を挙げることができる。
【0034】
液状オイル成分(2)としては、ポリプタジエン系オイル、又はポリイソプレン系オイル等を含有することができる。
【0035】
光硬化性樹脂組成物3は、基本的には可塑剤成分(成分(ニ))を含有することは必須ではないが、本発明の効果を損なわない範囲で含有させても良い。従って、光硬化性樹脂組成物中に成分(イ)のアクリレート系オリゴマー成分と成分(ロ)のアクリル系モノマー成分との合計含有量は好ましくは25〜85質量%であるが、成分(ニ)の可塑剤成分の含有量は0〜65質量%の範囲である。
【0036】
<工程(B)(仮硬化工程)>
次に、
図1Cに示すように、少なくとも遮光層1上に位置する光硬化性樹脂組成物3に対し紫外線を照射して仮硬化させることにより遮光層1上の仮硬化樹脂層5aの硬化率を高める。ここで、少なくとも遮光層1上に位置する光硬化性樹脂組成物3を液状から著しく流動しない状態に仮硬化させるのは、遮光層1と光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面との間の段差をキャンセルするためである。また、塗布領域の外周を硬化させることで塗布形状を維持し、紫外線が照射されにくい遮光層1上の硬化状態を予め高めておくためである。
【0037】
このような仮硬化は、
図1Cに示すように、例えば紫外線を減衰させる減衰板20を紫外線光源と光硬化性樹脂組成物3との間に設置しても良い。減衰板20は、例えば石英製の板状体で形成され、表面に凹凸が形成されている。この構成により、減衰板20を透過する紫外線が、減衰板20内で減衰すると共に、表面の凹凸で乱反射し、さらに減衰する。減衰板20表面の凹凸は、紫外線が乱反射することができる寸法と形状であれば良い。
【0038】
また、仮硬化は、例えば光を遮蔽する遮蔽板を紫外線光源と光硬化性樹脂組成物3との間に設置し、パネル周縁部は露出、パネル主面部は遮蔽板によって遮蔽しても良い。また、紫外線の照射時間の一部期間に遮蔽板を設置するようにしても良い。
【0039】
遮光層1上の仮硬化樹脂層5aの硬化率(ゲル分率)は、好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜70%となるようなレベルである。これにより、工程(D)の本硬化工程において、パネル主面部である光透過性カバー部材2上の光透過性硬化樹脂層7を完全硬化させる際、遮光層1上の光透過性硬化樹脂層7も完全硬化させることができる。ここで、完全硬化とは、後述するように硬化率が少なくとも90%となるように硬化した状態を意味する。
【0040】
また、光透過性カバー部材2表面の仮硬化樹脂層5bの硬化率は、好ましくは0〜80%、より好ましくは20〜70%である好ましい。仮硬化樹脂層の硬化率が80%を超えると、界面剥離が生じ易くなり、接着状態が悪くなる傾向にある。
【0041】
また、遮光層1と光透過性カバー部材2との間から樹脂組成物が排除されるのを防ぐため、遮光層1上の仮硬化樹脂層5aの硬化率は、光透過性カバー部材2表面の仮硬化樹脂層5bの硬化率よりも高いことが好ましい。
【0042】
ここで、硬化率(ゲル分率)とは、紫外線照射前の光硬化性樹脂組成物3中の(メタ)アクリロイル基の存在量に対する紫外線照射後の(メタ)アクリロイル基の存在量の割合(消費量割合)と定義される数値であり、この数値が大きい程、硬化が進行していることを示す。
【0043】
なお、硬化率(ゲル分率)は、紫外線照射前の樹脂組成物層のFT−IR測定チャートにおけるベースラインからの1640〜1620cm
−1の吸収ピーク高さ(X)と、紫外線照射後の樹脂組成物層のFT−IR測定チャートにおけるベースラインからの1640〜1620cm
−1の吸収ピーク高さ(Y)とを、以下の数式(1)に代入することにより算出することができる。
【0045】
紫外線の照射に関し、遮光層1上の仮硬化樹脂層の硬化率(ゲル分率)が、好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜70%となるように仮硬化させることができる限り、光源の種類、出力、累積光量などは特に制限はなく、公知の紫外線照射による(メタ)アクリレートの光ラジカル重合プロセス条件を採用することができる。
【0046】
また、紫外線照射条件に関し、上述の硬化率の範囲内において、
図1Dに示すように、仮硬化樹脂層を天地逆転させても液だれや変形が生じないような条件の一つとして、粘度が20Pa・S以上(コーンプレートレオメーター、25℃、コーン及びプレートC35/2、回転数10rpm)であることが好ましい。なお、仮硬化樹脂層を天地を逆転させない場合は、粘度が20Pa・S未満であっても構わない。
【0047】
また、紫外線照射条件に関し、上述の硬化率の範囲内において、後述する工程(C)の貼り合わせ操作の際、仮硬化樹脂層5の表面のべとつき(タック性)を維持できるような条件を選択することが好ましい。そのようなべとつきを維持できるような条件をタッキング試験機(TAC−1000、レスカ社)を用いるプローブタック法(レスカ法:試料の粘着面を上にして置き、その上部からプローブを粘着面に押し付け、引き剥がす方法)により得られる測定数値で表現すると、30N/cm
2以上である(http://www.rhesca.co.jp/main/technical/technical.htmlの「粘着物質の物性測定法」参照)。
【0048】
<工程(C)(貼り合わせ工程)>
次に、
図1Eに示すように、画像表示部材6に、光透過性カバー部材2をその仮硬化樹脂層5側から貼り合わせる。貼り合わせは、公知の圧着装置を用いて、10℃〜80℃で加圧することにより行うことができる。
【0049】
<工程(D)(本硬化工程)>
次に、
図1Fに示すように、画像表示部材6と光透過性カバー部材2との間に挟持されている仮硬化樹脂層5に対し紫外線を照射して本硬化させる。さらに必要に応じて,光透過性カバー部材2の遮光層と画像表示部材6との間の樹脂層に紫外線を照射することにより、該樹脂層を本硬化させる。これにより、画像表示部材6と光透過性カバー部材2とを光透過性硬化樹脂層7を介して積層して画像表示装置10(
図1G)を得る。
【0050】
画像表示部材6としては、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、プラズマ表示パネル、タッチパネル等を挙げることができる。ここで、タッチパネルとは、液晶表示パネルのような表示素子とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた画像表示・入力パネルを意味する。
【0051】
また、本工程において本硬化させるのは、仮硬化樹脂層5を十分に硬化させて、画像表示部材6と光透過性カバー部材2とを接着し積層するためである。このような本硬化のレベルは、遮光層1上及び光透過性カバー部材2上の両者の光透過性硬化樹脂層7の硬化率(ゲル分率)が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上となるようなレベルである。
【0052】
なお、光透過性硬化樹脂層7の光透過性のレベルは、画像表示部材6に形成された画像が視認可能となるような光透過性であればよい。
【0053】
以上、
図1A〜
図1Gでは、光透過性カバー部材の遮光層側形成表面に光硬化性樹脂組成物を塗布した例を説明したが、以下の
図2A〜
図2Fでは、画像表示部材表面に光硬化性樹脂組成物を塗布した例を説明する。なお、
図1A〜
図1Gと
図2A〜
図2Fとにおいて同じ図番は同一の構成要素を表している。
【0054】
<工程(AA)(塗布工程)>
まず、
図2Aに示すように、画像表示部材6の表面に光硬化性樹脂組成物3を平坦になるように塗布する。この場合の塗布厚は、遮光層と光透過性カバー部材の遮光層形成側表面とで形成される段差がキャンセルされるように、遮光層の厚さの好ましくは1.2〜12.5倍、より好ましくは2.5〜4倍の厚さで塗布する。
【0055】
なお、この光硬化性樹脂組成物3の塗布は、必要な厚みが得られるように複数回行ってもよい。
【0056】
<工程(BB)(仮硬化工程)>
次に、
図2Bに示すように、少なくとも遮光層1上に位置する光硬化性樹脂組成物3に対し紫外線を照射して仮硬化させる(
図2C)。ここで、少なくとも遮光層1上に位置する画像表示部材6上の光硬化性樹脂組成物3を液状から著しく流動しない状態に仮硬化させるのは、遮光層1と光透過性カバー部材2の遮光層形成側表面との間の段差をキャンセルするためである。また、塗布領域の外周を硬化させることで塗布形状を維持し、紫外線が照射されにくい遮光層1上の硬化状態を予め高めておくためである。
【0057】
このような仮硬化は、
図2Bに示すように、例えば紫外線を減衰させる減衰板2を紫外線光源と光硬化性樹脂組成物3との間に設置することにより得ることができる。また、例えば光を遮蔽する遮蔽板を紫外線光源と光硬化性樹脂組成物3との間に設置し、パネル周縁部は露出、パネル主面部は遮蔽板によって遮蔽しても良い。また、紫外線の照射時間の一部期間に遮蔽板を設置するようにしても良い。
【0058】
遮光層1に対向する仮硬化樹脂層5aの硬化率(ゲル分率)は、好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜70%となるようなレベルである。これにより、工程(D)の本硬化工程において、パネル主面部である光透過性カバー部材2上の光透過性硬化樹脂層7を完全硬化させる際、遮光層1上の光透過性硬化樹脂層7も完全硬化させることができる。
【0059】
また、光透過性カバー部材2表面に対向する仮硬化樹脂層5bの硬化率は、好ましくは0〜80%、より好ましくは20〜70%である好ましい。仮硬化樹脂層の硬化率が80%を超えると、界面剥離が生じ易くなり、接着状態が悪くなる傾向にある。
【0060】
また、遮光層1と光透過性カバー部材2との間から樹脂組成物が排除されるのを防ぐため、遮光層1上の仮硬化樹脂層5aの硬化率は、光透過性カバー部材2表面の仮硬化樹脂層5bの硬化率よりも高いことが好ましい。
【0061】
<工程(CC)(貼り合わせ工程)>
次に、
図2Dに示すように、画像表示部材6の仮硬化樹脂層5に、光透過性カバー部材2をその遮光層1側から貼り合わせる。貼り合わせは、公知の圧着装置を用いて、10〜80℃で加圧することにより行うことができる。
【0062】
<工程(DD)(本硬化工程)>
次に、
図2Eに示すように、画像表示部材6と光透過性カバー部材2との間に挟持されている仮硬化樹脂層5に対し紫外線を照射して本硬化させる。さらに必要に応じて,光透過性カバー部材2の遮光層と画像表示部材6との間の樹脂層に紫外線を照射することにより,該樹脂層を本硬化させる。これにより、画像表示部材6と光透過性カバー部材2とを光透過性硬化樹脂層7を介して積層して画像表示装置10(
図2F)を得る。
【0063】
画像表示部材6としては、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、プラズマ表示パネル、タッチパネル等を挙げることができる。
【0064】
また、本工程において本硬化のレベルは、遮光層1上及び光透過性カバー部材2上の両者の光透過性硬化樹脂層7の硬化率(ゲル分率)が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上となるようなレベルである。
【0065】
なお、光透過性硬化樹脂層7の光透過性のレベルは、画像表示部材6に形成された画像が視認可能となるような光透過性であればよい。
【0066】
以上のように、本実施の形態の画像表示装置の製造方法によれば、光透過性硬化樹脂を遮光部が設けられた保護パネルに塗布した後、遮光部側から紫外光を照射し仮硬化させる際に、保護パネル周縁部を露出、パネル主面部を減衰部材や遮蔽部材によって紫外線の入射を制限することで、遮光部上の光透過性硬化樹脂の硬化反応率を高めることができる。その後、遮蔽部材を取り除いて、画像表示部材を貼り合わせ、保護パネル側から紫外光を照射することにより、保護パネルの周縁部の光透過性硬化樹脂の硬化率を、保護パネルの主面部上の硬化率と同等に高くすることができる。
【実施例】
【0067】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0068】
<実験例1>
実施例1
(工程(A)(塗布工程))
まず、45(w)×80(l)×0.4(t)mmのサイズのガラス板を用意し、このガラス板の周縁部全域に、乾燥厚で40μmとなるように4mm幅の遮光層を、熱硬化タイプの黒色インク(MRXインキ、帝国インキ製造社)を用いて、スクリーン印刷法により塗布し、乾燥させることにより、遮光層付きガラス板を用意した。
【0069】
また、ポリイソプレンの骨格を持つアクリル系オリゴマー(UC203、(株)クラレ)40質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(FA512M、日立化成工業(株))20質量部、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA、日本化成(株))3質量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート(ライトエステルTHF、共栄社化学(株))15質量部、ラウリルアクリレート(ライトエステルL、共栄社化学社製)、ポリブタジエン重合体(Polyoil110、デグサ(株))20質量部、水添テルペン樹脂(P85、ヤスハラケミカル(株))45質量部、光重合開始剤(Irg184D、BASF(株))4質量部を均一に配合して光硬化性樹脂組成物を調整した。この光硬化性樹脂組成物は、硬化率0%から90%までの間で、3.4%の全硬化収縮率を示すものであった。また、この光硬化性樹脂組成物の粘度(コーンプレートレオメーター、25℃、コーン及びプレートC35/2、回転数10rpm)は、約6000mPa・sであった。
【0070】
次に、この光硬化性樹脂組成物を、樹脂用ディスペンサーを用いて遮光層付きガラス板の遮光層形成面の全面に吐出し、平均200μmの光硬化性樹脂組成物膜を形成した。この光硬化性樹脂組成物膜は、
図1(B)のように遮光層のほぼ全域に跨るように形成されており、40μm厚の遮光層よりも160μmほど厚く形成されていた。
【0071】
(工程(B)(仮硬化工程))
次に、遮蔽板を紫外線光源と光硬化性樹脂組成物との間に設置し、紫外線照射装置(LC−8、浜松ホトニクス製)を使って、光硬化性樹脂組成物膜を仮硬化させ、仮硬化樹脂層を形成した。FT−IR測定チャートにおけるベースラインからの1640〜1620cm
−1の吸収ピーク高さを指標として求めた、紫外線照射後の光硬化性樹脂組成物膜、即ち、仮硬化樹脂層の硬化率は、遮光層上で約30%、光透過性カバー部材表面上で約0%であった。
【0072】
(工程(C)(貼り合わせ工程))
次に、40(W)×70(L)mmのサイズの液晶表示素子の偏光板が積層された面に、工程(B)で得たガラス板をその仮硬化樹脂層側が偏光板側となるように載置し、ガラス板側からゴムローラで加圧して、ガラス板を貼り付けた。貼り付けられた状態でガラス板側から液晶表示素子を目視観察した場合、遮光層の周囲に気泡は確認されなかった。
【0073】
(工程(D)(本硬化工程))
次に、この液晶表示素子に対し、ガラス板側から、紫外線照射装置(LC−8、浜松ホトニクス製)を使って紫外線(50mW/cm
2)を照射することにより、光透過性カバー部材上の光透過性硬化樹脂層の硬化率を95%以上に硬化させ、光透過性硬化樹脂層を形成した。遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約90%であった。これにより、液晶表示素子に、光透過性カバー部材としてのガラス板が光透過性硬化樹脂層を介して積層された液晶表示装置が得られた。
【0074】
<評価>
実施例1の各工程における遮光層と画像表示部材との間からの光硬化性樹脂組成物の排除の有無を以下に説明するように目視観察した。また、液晶表示装置の接着状態の評価を以下に説明するように行った。
【0075】
(遮光層と画像表示部材との間からの光硬化性樹脂組成物の排除)
実施例1の各工程の結果物における遮光層と画像表示部材との間からの光硬化性樹脂組成物の排除の有無を、目視観察した。その結果、いずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。
【0076】
(接着状態の評価)
液晶表示装置を作成する際に、
図3に示すように、液晶表示素子に代えて40(W)×70(L)mmのサイズのガラスベース30を使用し、そのガラスベース30に対し、仮硬化樹脂層が形成されたガラス板31を、仮硬化樹脂層側から十文字に貼り合わせることによりガラス接合体を得た。そして、その下側に位置するガラスベース30を固定し、上側に位置するガラス板31を直上方向に引き剥がし、その剥離性状を目視観察し、以下の基準で接着状態を評価したところ、“A”評価であった。
ランク 基準
A: 凝集破壊が生じた場合
B: 凝集破壊と界面剥離とが混在している場合
C: 界面剥離が生じた場合
【0077】
実施例2
実施例1の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約50%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。また、接着状態は“A”評価であった。
【0078】
実施例3
実施例1の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約70%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。また、接着状態は“A”評価であった。
【0079】
実施例4
実施例1の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約80%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。また、接着状態は“B”評価であった。
【0080】
比較例1
実施例1の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約90%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。但し、接着状態は“C”評価であった。
【0081】
比較例2
実施例1の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約10%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約80%であり、本硬化工程(工程(D))において光硬化性樹脂組成物の排除が観察された。また、接着状態は“A”評価であった。
【0082】
【表1】
【0083】
表1の比較例1に示すように、工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率を約90%とした場合、遮光層上の硬化樹脂層において界面剥離が生じてしまい、接着状態は“C”評価であった。
【0084】
比較例2に示すように、工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率を約10%とした場合、工程(D)(本硬化工程)において、遮光層上及び光透過性カバー部材上の全面で、硬化率90%以上の完全硬化を得ることができなかった。また、遮光層と画像表示部材との間からの光硬化性樹脂組成物の排除が確認された。
【0085】
一方、実施例1〜4に示すように、工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率を30〜80%とすることで、工程(D)(本硬化工程)において、遮光層上及び光透過性カバー部材上の全面で、硬化率90%以上の完全硬化を得ることができた。また、遮光層と画像表示部材との間からの光硬化性樹脂組成物の排除も確認されなかった。また、接着状態も実施例4を除き、全て“A”評価であった。
【0086】
<実験例2>
実施例5
実施例1の工程(B)(仮硬化工程)において、表面に凹凸が形成されている石英製の減衰板を紫外線光源と光硬化性樹脂組成物との間に設置し、紫外線の入射に対し、保護パネル周縁部を露出し、パネル主面部を減衰板によって制限した。そして、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約70%、光透過性カバー部材表面上の仮硬化樹脂層の硬化率が約20%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。また、接着状態は“A”評価であった。
【0087】
実施例6
実施例5の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約70%、光透過性カバー部材表面上の仮硬化樹脂層の硬化率が約40%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。また、接着状態は“A”評価であった。
【0088】
実施例7
実施例5の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約70%、光透過性カバー部材表面上の仮硬化樹脂層の硬化率が約60%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。また、接着状態は“B”評価であった。
【0089】
実施例8
実施例5の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約70%、光透過性カバー部材表面上の仮硬化樹脂層の硬化率が約80%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。また、接着状態は“B”評価であった。
【0090】
比較例3
実施例5の工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率が約70%、光透過性カバー部材表面上の仮硬化樹脂層の硬化率が約90%となるように紫外線を照射した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置及び接着強度測定用のガラス接合体を作成した。その結果、遮光層上の光透過性硬化樹脂層の硬化率は約95%であり、各工程のいずれの工程の結果物並びに最終的な液晶表示装置にも光硬化性樹脂組成物の排除は観察されなかった。また、接着状態は“C”評価であった。
【0091】
【表2】
【0092】
表2の比較例3に示すように、工程(B)(仮硬化工程)において、光透過性カバー部材上の仮硬化樹脂層の硬化率が約90%の場合、光透過性カバー部材上の硬化樹脂層において、界面剥離が生じてしまい、接着状態が“C”であった。
【0093】
一方、実施例5〜8に示すように、工程(B)(仮硬化工程)において、遮光層上の仮硬化樹脂層の硬化率を光透過性カバー部材上の仮硬化樹脂層の硬化率よりも高くすることで、工程(D)(本硬化工程)において、遮光層上及び光透過性カバー部材上の全面で、硬化率90%以上の完全硬化を得ることができた。また、遮光層と画像表示部材との間からの光硬化性樹脂組成物の排除も確認されなかった。また、接着状態も実施例8を除き、全て“A”評価であった。