(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溝部が延在する方向は、前記保持空間から前記破断部に延在する前記力布の少なくとも一部の延在方向と同一の方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の取付部材。
前記保持空間は、前記サイドフレームの、シート幅方向における外側の端部と内側の端部との間に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の取付部材。
前記力布の他端部は、前記エアバッグモジュールと前記サイドフレームとがボルトで接続される部分よりも、シート幅方向の内側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載のエアバッグモジュール装備シート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る取付部材及びエアバッグモジュール装備シートについて、
図1〜
図10を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエアバッグモジュール装備シートの外観図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るエアバッグモジュール装備シートのシートフレームの斜視図である。
図3は、
図1のA−A断面図であって、本発明の一実施形態に係る力布を破断部とサイドフレームとの間に配置した説明図である。
図4は、本発明の一実施形態に係るトリムカバーと力布を破断部で共縫いした状態を示す説明図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る力布を、取付部材を介してサイドフレームに連結した状態を示す断面説明図である。
図6は、本発明の一実施形態に係る力布を、取付部材を介してサイドフレームに連結した状態を示す斜視図である。
図7は、本発明の一実施形態に係る取付部材の斜視図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る取付部材の斜視図である。
図9は、本発明の一実施形態に係る取付部材の側面図である。
図10は、本発明の一実施形態に係る力布を、本発明の他の実施形態に係る取付部材を介してサイドフレームに連結した状態を示す斜視図である。
【0028】
本実施の形態に係るエアバッグモジュール装備シートとしての車両用シートSは、
図1で示すように、シートバックS1、着座部S2、ヘッドレストS3より構成されている。
車両用シートSの中には、
図2に示すようなシートフレームFが設けられている。シートフレームFは、シートバックS1のフレームであるシートバックフレーム1と、着座部S2のフレームである着座フレーム2とから構成されている。着座フレーム2とシートバックフレーム1は、リクライニング機構3を介して連結されている。シートバックフレーム1および着座フレーム2の外側には、クッションおよびトリムカバーが設けられることで、シートバックS1および着座部S2が構成される。
【0029】
シートバックS1は、
図1乃至
図3に示すように、シートバックフレーム1と、シートバックフレーム1上に載置されるクッションパッド5と、シートバックフレーム1及びクッションパッド5を覆うトリムカバー4と、トリムカバー4の破断部40に一端が縫い付けられた力布32を主要構成要素とする。
シートバックフレーム1は、
図1,
図2に示すように、左右に離間して配置され上下方向に延在するサイドフレーム10と、このサイドフレーム10の上端部を連結する上部フレーム21と、下端部を連結する下部フレーム22とにより枠状に構成されている。
上部フレーム21には、ピラー支持部23が設けられ、ピラー支持部23には、不図示のヘッドレストフレームが設けられる。ヘッドレストフレームの外側にクッション部材を設けることでヘッドレストS3が構成される。
【0030】
サイドフレーム10は、板金をプレス加工して成形され、上方よりも下方の幅が広くなるように湾曲した略板体からなる。
図3に示すように、ほぼ平板状の側板11と、この側板11の前端部を内側にU字状に折り返してなる前縁部12と、後端部をL字型に内側に屈曲させた後縁部13とを有している。
サイドフレーム10には、乗員を後方から支持するSバネからなる一対の架設部材25の両端が係止される係止孔を備えた係止部15と、取付部材50を取付けるための一対の切起こし部16とが設けられている。
切起こし部16は、側板11の前縁部12に近い部分が、先端が前縁部12に対向するように湾曲して前縁部12側に切起こされてなる。切起こし部16先端16aのシート上下方向中央には、取付部材50の突起64が係止される係止孔16bが設けられている。
【0031】
切起こし部16は、側板11の上端近くと下端近くに一対設けられ、架設部材25の係止部15を挟むように、係止部15の上方と下方に形成されている。
サイドフレーム10の前後の幅の狭い前後幅狭部は、サイドフレーム10下方の前後の幅の広い前後幅広部よりも剛性が低いが、上方の切起こし部16は、サイドフレーム10の前後幅狭部の中でも、上部フレーム21近くに配置されるため、剛性を補うことができている。
サイドフレーム10には、
図3に示すように、シート外側の面に、エアバッグモジュール6が固定されている。
【0032】
本実施形態のエアバッグモジュール6は、公知の構成からなり、
図3に示すように、インフレータ6aと、折り畳まれたエアバッグ6bと、インフレータ6aを保持するリテーナ6cと、インフレータ6aとエアバッグ6bを格納するモジュールケース6dを備えている。
エアバッグモジュール6は、インフレータ6aをリテーナ6cで保持し、リテーナ6cの締付けボルト18を、エアバッグ6bより外部に突出させて、インフレータ6aをリテーナ6cと一体にエアバッグ6bの取付基部寄り内部に組み付け、更に、リテーナ6cの締付けボルト18を外部に突出させて全体をモジュールケースの内部に収容し、衝撃センサー等の関連機器と回路構成するのに必要なハーネス,コネクタを備えることにより組み立てられている。
モジュールケース6dは、開閉可能なリッドをケース本体にヒンジ接続して構成されている。
【0033】
インフレータ6aは、エアバッグ6b内に配設され、エアバッグ6bは、インフレータ6aから噴出されるガスによってシートS前方に展開するようになっている。
なお、本実施形態では、エアバッグモジュール6を、モジュールケース6dを備えたものから構成しているが、これに限定されるものでなく、ケースレスのものとして構成してもよい。
クッションパッド5には、
図3に示すように、エアバッグモジュール6を格納するための空間7が形成されている。
【0034】
トリムカバー4は、公知の材料からなり、
図3,
図4に示すように、座面中央から左右の土手面を被包する前面マチ部41と周側面から背面に至る側面マチ部42とを縫い合わせ、更に、側面マチ部42の前面マチ部41逆側の端部に後面マチ部43を縫い合わせることにより袋状に縫製されている。
前面マチ部41と側面マチ部42との土手部において膨出した頂点には、破断部40が形成されている。破断部40は、前面マチ部41と側面マチ部42の端部を、通常の使い勝手に耐えられる強度を保ちつつ、エアバッグの膨張による引張力で裂断可能なように、相互に縫製されている。
【0035】
図4に示すように、破断部40には、力布32が共縫いされている。
力布32は、伸縮性の小さい布状素材からなり、エアバッグの膨張による応力を破断部40に伝達する役割を果たす。力布32は、特許請求の範囲の案内部材に対応する。
【0036】
力布32は、
図4に示すように、略矩形の布からなる。破断部40に対向する辺35には、両端に、矩形状に突出したトリムプレート37取付用の取付部36が、それぞれ複数設けられている。
係止片としてのトリムプレート37は、硬質樹脂製からなる矩形の板体である。トリムプレート37は、力布32の取付部36の端末の形状を保持するために用いられる。力布32の端末にトリムプレート37が固定されていることにより、力布32の端末を保持空間55に差込む際の作業性が向上する。本実施形態では、力布32の取付部36にトリムプレート37を固定しているが、これに限定されるものではなく、トリムプレート37を用いずに、力布32の取付部36の端末を複数回折り返して縫成したものや、複数重に巻回して縫成したもの、複数重に巻回して縫成したものを一方向に押し潰したものを取付部材50の保持空間55に挿入してもよい。
【0037】
力布32は、
図3に示すように、破断部40より空間7へ引き込まれている。力布32の取付部36に固定されたトリムプレート37は、取付部材50を介してサイドフレーム10の前縁部12に係止されている。
また、
図3に示すように、トリムカバー4の側面マチ部42と後面マチ部43の縫合部44には、力布31の一端が縫い付けられており、この力布31の他端には、係止フック33が縫合により固定されている。力布31は、エアバッグモジュール6の後方で後面マチ部43の前方に配置されたクッションパッド5とエアバッグモジュール6との間の空間に引き込まれ、係止フック33がサイドフレーム10の後縁部13に係止されている。
【0038】
取付部材50は、硬質樹脂から一体成形されてなり、
図5に示すように、サイドフレーム10の前縁部12の内壁の断面U字状の形状に略沿った断面略U字状の外面形状を有するフランジ当接部51と、フランジ当接部51の前縁部12端部側に形成された掛け止め部52と、掛け止め部52のフランジ当接部51逆側の端部が力布32の延長側へ延出し、前縁部12の外側の面に覆い被さるように設けられた延出部54を備えている。延出部54の内面には、上下方向に延びる突起54aが2本設けられ、前縁部12の外面に当接可能となっている。
掛け止め部52には、フランジ当接部51の前縁部12端部側に、取付部材50を前縁部12に掛け止めるための溝53が、フランジ当接部51から連続して形成されている。溝53は、フランジ当接部51と、フランジ当接部51の前縁部12側端部から分岐する延出部54との間の空間からなる。溝53は、前縁部12の端部を挟持している。
フランジ当接部51には、トリムプレート37を内部に保持して係止する保持空間55と、保持空間55から引き出される力布32の通路69が形成されている。
【0039】
保持空間55は、トリムプレート37を内部に係止可能な大きさの空間からなり、上端及び下端が開放されて、上端から下端まで達する開口として形成されている。
保持空間55は、側板11の延出方向と、前縁部12が側板11から起立する方向との間の方向に向かって伸びる面に沿って形成された直方体状の空間からなる。
保持空間55は、一端に通路69が形成された第一の面56と、第一の面56に平行に対向する第二の面57とに挟まれた空間である。
通路69は、第一の面56と第二の面57をつなぐ壁面が第一の面56側に延長した面と、第一の面56の前縁部12寄りの端部56aとの間に形成され、第一の面56を内側の面とした第一の壁部59と、フランジ当接部51から前縁部12逆側に延出した第二の壁部60との間に形成された空間に連続している。
【0040】
第二の面57には、前縁部12から遠い側、つまり通路69から遠い側の端部57dの近傍に、第二の面57から突出する突出部58が形成されている。
突出部58は、断面三角形状からなり、取付部材50の上端から下端まで同じ形状で延びるように形成されている。
突出部58は、前縁部12に近い側、つまり通路69に近い側の面58aが、第二の面57との間の角度が鋭角で、傾斜の緩やかな面であり、通路69に遠い側の面58bが、第二の面57に略直交する面として形成されている。ここで、略直交とは、80°から100°程度の角度をいう。
面58aが第二の面57となす角度は、面58bが第二の面57となす角度よりも小さくなっている。
【0041】
なお、面58bは、第二の面57との間の角度が鈍角になるように形成され、面58bと面58aの傾斜方向が同じ方向で、突出部58の先端58c側が、面58bが第二の面57から立ち上がる基部に覆い被さるような形状となっていてもよい。
突出部58の先端58cは、トリムプレート37を保持空間55に配置したときに、トリムプレート37の通路69に遠い側の端部37aよりも若干中央側の位置に対向する位置に形成されている。これにより、エアバッグモジュール6の展開時に、トリムプレート37を、端部37aを中心として回転させ、かつ端部37aが第二の面57上を通路69側に滑らせようとする力が掛かったときに、端部37aに近い位置に先端58cを当接させて、トリムプレート37が通路69側に滑りにくくすることができる。
第二の面57の前縁部沿設面62側の部分は、
図6に示すように、上端側及び下端側が直方体状に切欠かれ、上下方向の中央部分のみが、第二の面57上にある。このように、第二の面57の前縁部沿設面62側の部分が切り欠かれているため、第二の壁部60の取付部材50本体に対する撓み量が大きくなり、取付部材50の組付けが容易になる。また、トリムプレート37及び力布32の保持空間55への挿入が容易になる。
【0042】
フランジ当接部51の前縁部12に沿って伸びる前縁部沿設面62の逆側の面は、
図5に示すように、湾曲した外側面61となっている。外側面61は、延出部54の根元から通路69まで連続しており、外側面61の通路69側の端部側は、保持空間55の第一の面56を内面とする第一の壁部59を構成している。
外側面61は、
図6に示すように、溝53を深さ方向に延長した位置において、上端側及び下端側が断面扇形の扇柱状に切欠かれ、上下方向の中央部分のみが突出した突出部61aとして形成されている。突出部61aは、延出部54と外側面61の第一の壁部59側の面とを、力布32の延設面に沿って橋渡すように伸びている。このように、突出部61aの上下が切り欠かれているため、突出部61a上下の切欠き部分に人差し指と中指を当てて取付部材50を掴むことが可能となり、サイズの小さい取付部材50の取り扱いが容易になると同時に、取付部材50を切起こし部16に係止させる作業が容易になる。
【0043】
また、フランジ当接部51の前縁部12に沿って伸びる前縁部沿設面62は、側板11側に延出して側板11に沿って伸びる側板沿設部63まで連続し、更に側板沿設部63から前縁部12逆側に延出して、第一の壁部59に覆い被さるようにして、第一の壁部59との間に通路69を形成する第二の壁部60に連続している。
前縁部沿設面62は、
図6、
図8に示すように、保持空間55を、上下方向に垂直な横断面における長尺方向の前縁部12側に延長した位置において、上端側及び下端側が柱状に切欠かれ、上下方向の中央部分のみが突出した突出部62aとして形成されている。突出部62aは、第二の壁部60と溝53の内壁面とを、前縁部12の内側の面に沿って橋渡すように伸びている。このように、突出部62aの上下が切り欠かれているため、突出部61a上下の切欠き部分に人差し指と中指を当てると同時に、突出部62aに親指を当てて取付部材50を掴むことが可能となり、サイズの小さい取付部材50の取り扱いが容易になると同時に、取付部材50を切起こし部16に係止させる作業が容易になる。
前縁部沿設面62には、溝部53に近い位置と、前縁部沿設面62のR形状の頂点の位置に、上下方向に延びる突起62aが設けられ、前縁部12に当接可能となっている。また、側板沿設部63にも上下方向に延びる突起63aが設けられ、側板11に当接可能となっている。
【0044】
第二の壁部60は、側板沿設部63から連続して前縁部12逆側に延びる略板体の部分からなり、側板11及び側板沿設部63の外面に対し、略鋭角の角度を持って、第一の壁部59側に傾斜している。また、第二の壁部60の先端は、先端側が薄くなったテーパ状のテーパ部60aを備えている。
第二の壁部60の通路69逆側の外側面であって、テーパ部60aの付け根の部分には、上下方向の中央の一部分に、
図6に示すように、先端が頂部となった断面三角形状の突起64が形成されている。
この突起64は、サイドフレーム10に設けられた切起こし部16の係止孔16bに係止され、取付部材50を切起こし部16に位置決めすると同時に、一般使用時及びエアバッグモジュール6の膨張時に、取付部材50がサイドフレーム10から外れることを抑制する。
突起64は、
図5に示すように、つまり、テーパ部60aの付け根側の面64aは、テーパ部60a先端側の面64bよりも、テーパ部60aに対して緩やかな傾斜になるように形成されており、取付部材50の組付け時に突起64が係止孔16b内に入り易くすると共に、組付け後には突起64が係止孔16bから抜けにくくされている。
【0045】
第二の壁部60は、
図9に示すように、上下の端部側が斜めに切り欠かれた形状からなり、保持空間55及び通路69への力布32の挿入の作業性を向上している。
第二の壁部60の外側面には、直方体の一端側を斜めに切り欠いた形状からなる突起が、斜めに切り欠いた斜辺60c、60dに沿って形成されており、第二の壁部60を切起こし部16に係止させる際の位置決めの役割を果たしている。
なお、保持空間55は、上端又は下端の一方、好ましくは上端のみが開放され、他方が閉塞されていてもよい。保持空間55の上端が開放され、下端が閉塞された取付部材50は、左右のサイドフレーム10のいずれか一方のみに用いる場合に特に適している。保持空間55の上端及び下端の双方が開放された取付部材50は、左右のサイドフレーム10の双方に用いる場合に特に適している。このとき、左右のうち一方のサイドフレーム10に用いるときに上端だった側は、他方のサイドフレーム10に用いるときに下端側となる。
【0046】
図5に示すように、取付部材50は、保持空間55内に、力布32の端部が縫着されたトリムプレート37が保持された状態で、溝53が、サイドフレーム10の前縁部12に係止されることにより、サイドフレーム10に取付けられる。
取付部材50を介した力布32のサイドフレーム10への取付は、次の手順で行われる。
作業者はまず、力布32の取付部36を、トリムプレート37と取付部36の境界で一回折り曲げた状態で、トリムプレート37及び力布32を保持空間55及び通路69に押し込んで、力布32が取付けられたトリムプレート37と取付部材50との連結を完了する。
次いで、取付部材50の溝53を、サイドフレーム10の前縁部12の切起こし部16に隣接した位置に係止し、前縁部沿設面62を前縁部12に押し付けながら、外側面61を側板11側に押し込む。
第二の壁部60の突起64は、最初は切起こし部16の先端16aに当接するが、押し込む力により、第二の壁部60が第一の壁部59側に撓んで、突起64が、切起こし部16の先端16aと係止孔16bとの間の部分の内面に当接しながら係止孔16b方向に摺動し、係止孔16bに係止する。以上で、取付部材50のサイドフレーム10への取付作業が完了する。
以上の作業を、すべての取付部材50について行い、取付部材50を介した力布32のサイドフレーム10への取付を完了する。
【0047】
エアバッグモジュール6が膨張する際には、力布32に掛かる矢印F1方向の力が、トリムプレート37に伝達し、トリムプレート37の通路69に近い側の端部37bを通路69内に引き込もうとする力が働く。
このとき、トリムプレート37は、通路69に遠い側の端部37aを軸として、端部37bが通路69に引き込まれるR1方向に回転させようとする力と、R1方向の回転の軸となる端部37aを第一の面56上を通路69に近い側にスライドさせようとする力を受ける。第一の面56には、突出部58が形成されているため、トリムプレート37は、これらの二つの力を受けたときでも、これらの力が一定の力を超えるまでは、端部37aを覆う力布32と突出部58との間の摩擦力により、R1方向の回転と通路69に近い側への摺動が抑制される。
【0048】
その後、エアバッグモジュール6の膨張により、力布32に掛かる矢印F1方向の力が一定の力を超えると、突出部58によって移動が抑制されていたトリムプレート37が、通路69内に引き込まれる。それと同時に、トリムプレート37がR1方向に回転する力により、第一の壁部59が撓んで第一の壁部59の先端がR2方向に開き、トリムプレート37が通路69内を通って保持空間55から引っ張り出される。トリムプレート37が保持空間55から外れることにより、力布32とサイドフレーム10との連結が解除され、エアバッグ6bが膨出する。また、エアバッグ6bの膨出力を力布32が破断部40に伝達して破断部40が破断し、エアバッグ6bが、車両の車室内に膨出する。
【0049】
なお、
図10に示すように、通路69を、第一の面56の側板沿設部63側の端部ではなく、第一の面56内から立設させることにより、第一の面56の側板沿設部63側の端部と通路69との間に、段差56cを形成してもよい。
段差56cを形成することにより、エアバッグモジュール6展開時に、トリムプレート37の端部37bに掛かる力が一定の力を超えるまでは、段差56cに押し付けられて、端部37bが通路69内に引き込まれることが抑制される。
本明細書では、シートバックフレーム1のサイドフレーム10に取付部材50を取付けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、着座フレーム2の側部又はサイドフレームに取付部材50を取付け可能であることは当然である。その場合、着座フレーム2の側部又はサイドフレームに、切起こし部16を形成し、切起こし部16に、取付部材50を取付ける。