(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続処理部は、前記第2クライアントの前記連絡先情報に対応する識別情報を前記第1クライアントに送信し、前記第1クライアントにより送信された接続指示を受信し、
前記接続指示は前記識別情報を含み、さらに、前記識別情報に対応する前記連絡先情報に従って、前記第1クライアントを前記第2クライアントに接続するよう構成されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に従った接続確立方法は、ユーザAとユーザBとの間でサービスを実行しようとしていて、サービス制限条件が満たされたときの接続の確立に適用される。接続確立方法を適用可能な適用場面を、以下の2つの場面を例として簡単に説明する。
【0017】
例えば、ユーザのチャンは買い物に行くために道路の端に自動車を停める。しかし、チャンは自動車に連絡先情報を残すのを忘れる。ユーザのワンが車を運転してやって来るが、チャンの車を進路から除く必要があり、停車しなければならない。このような場面では、ワンがチャンに連絡を取る必要のある状況が生じる。このような「自動車移動」の必要に起因する接続要求は「自動車移動」サービスと呼ぶことができ、チャンに接続するというワンの要求は自動車移動サービスに起因する。
【0018】
他の例として、チャンはモール内のレストランで食事の行列の中で待っている。行列には多くの人がおり、発行済待ち番号は100に達している。そして、チャンの前の行列は50人の人がいる。チャンは待ち時間が長すぎると考え、連絡先情報をレストランに残さずにモール内を回る。チャンの番が近づくと、レストランはチャンに連絡を取ってすぐに戻るように伝えたい。このような場面では、レストランがチャンに連絡する必要のある状況が生じる。このような「行列」の必要に起因する接続要求は「行列」サービスと呼ぶことができ、チャンに接続するというレストランの要求は行列サービスに起因する。
【0019】
詳細には列挙しないが、多くの同様の例が確実に存在し、本発明の実施形態にかかる接続確立方法の目的が、戻ってきて自動車を移動させてもらうためにワンがチャンに連絡する、または、戻ってきてレストランで食事をしてもらうためにレストランがチャンに連絡する、といった、ユーザAとユーザBとの間でサービスが処理されるときの接続の確立を実現することにあることが、上述の例からわかるだろう。さらに、チャンからすると、彼は自動車移動または行列といったサービスの必要からのみ連絡を受けるのであり、ランダムに煩わされることはない。本発明の実施形態にかかる接続確立方法は、
図1に示すシステム構成を含む。
図1に示すように、システムはサーバ11、第1クライアント12および第2クライアント13を備える。
【0020】
ここで、第1クライアント12および第2クライアント13は、接続されるユーザAおよびユーザBにそれぞれ対応し、サーバ11はこれらのクライアントに対応するサーバである。例として、上述の自動車移動の場面では、チャンとワンはいずれも、自分のスマートフォンに「Alipay(登録商標)ウォレット」をインストールしている。チャンのスマートフォンのAlipayウォレットを第1クライアント、ワンのスマートフォンのAlipayウォレットを第2クライアントと呼んでよく、これに対応して、サーバ11はAlipayサーバである。自動車移動サービスのための接続の確立は、AlipayサーバとAlipayウォレットとの連携を通して実現される。他の例として、上述の行列の場面では、レストランは端末にAlipayウォレットをインストールし、チャンも携帯電話にAlipayウォレットをインストールしている。行列サービスのための確立は、同様に、AlipayサーバとAlipayウォレットとの連携を通して実現される。
【0021】
第1クライアントと第2クライアントは、上述のAlipayウォレットでなくてよい点に留意されたい。本発明の実施形態は、クライアントまたはサーバの態様を限定するものではない。それらは、実施形態に従った接続確立方法を実施できれば足りる。本発明に従った接続確立方法の主要な実行フローをまず以下に説明する。その後、上述した自動車移動の場面および行列の場面を参照して方法の実行について具体的に説明する。
図2を参照すると、接続確立方法の実行フローが記載されている。方法はサーバにより実行され、以下を含む:
【0022】
201.第1クライアントから送信されたサービス接続要求を受信すること。ここで、サービス接続要求は、サービス識別子と、接続が要求される第2クライアントのクライアント識別子と、を備える。
【0023】
202.接続参考情報を取得し、接続参考情報がサービス識別子に対応するサービス制限条件を満たすと判断されると、第1クライアントとクライアント識別子に対応する第2クライアントとの接続を確立すること。
【0024】
図3には、接続確立方法の実行フローが記載されている。方法はクライアントにより実行され、以下を含む:
【0025】
301.サーバにサービス接続要求を送信すること。ここでサービス接続要求は、サービス識別子と、接続が要求される第2クライアントのクライアント識別子と、を含む。
【0026】
302.接続参考情報がサービス識別子に対応するサービス制限条件を満たすとサーバが判断すると、クライアント識別子に対応する第2クライアントとのサーバを介した接続を確立すること。
【0027】
ステップ201および301において、サービス接続要求は、第1クライアントからサーバに送信されてよい。例えば自動車移動の場面でAlipayクライアントを使用すると、機能オプション「自動車移動」がクライアントの「Alipayウォレット」に設定されてよい。自動車を移動してほしいワンが機能オプション「自動車移動」を選択すると、クライアントはサーバに、サービス接続要求を送信する。要求送信は機能オプション「自動車移動」のクリックにより起動されるので、要求は「自動車移動」サービスを識別する情報、例えば「01」を含み、これがサービス識別子に相当する。これに代えて、ワンが機能オプション「自動車移動」を選択したときに、この機能に含まれる下位メニューが表示されてよい。下位メニューで実行される動作により送信される要求も、自動車移動サービス識別子を含んでよい。この場面で、サービス接続要求に含まれるクライアント識別子は、例えば、ナンバープレートの番号である。詳細は
図5に示す実施形態を参照されたい。
【0028】
加えて、上記サービス接続要求に含まれる接続が要求される第2クライアントのクライアント識別子は、第1クライアントにより接続される対象が第2クライアントであることをサーバに通知するのに用いられる。例えば行列の場面でAlipayクライアントを使用する場合、Alipayウォレットがレストランの端末にインストールされていて、機能オプション「行列」がAlipayウォレットに設定されている。機能オプション「行列」は、行列用の2次元バーコードを提供する。チャンがレストランで食事の列に並んでいるとき、彼は携帯電話のAlipayウォレットを使って行列用の2次元バーコードをスキャンすることができる。Alipayウォレットが上記2次元バーコードスキャンした後、レストランの端末はチャンのAlipayウォレットの識別子、例えばAlipayウォレットのアカウント番号を取得することができ、アカウント番号はクライアント識別子に対応する。レストランが行列機能を用いてサーバにサービス接続要求を送信すると、クライアント識別子が共に送られる。こうした場面で、サービス接続要求に含まれるサービス識別子は、行列機能を表すために用いられる情報である。例えば、行列サービス処理のためにウェイターがレストランの行列端末にインストールされているAlipayウォレットで機能オプション「行列」を入力すると、接続要求が、サービスのインタフェースから送信されたときに、「行列」機能に対応する識別子、すなわちサービス識別子とともに自動で送られる。
【0029】
ステップ202で、サービス接続要求を受信すると、サーバは接続参考情報を取得し、接続参考情報がサービス識別子に対応するサービス制限条件を満たすかを判断する必要がある。サービス制限条件を満たすときに限り、サーバは第1クライアントと第2クライアントとの間の接続確立を許可する。
【0030】
再び自動車移動の場面を例として、自動車を停めたチャンはランダムに連絡されたくはないが、一般に、他人が彼の自動車を移動させたいときには連絡を受けることを望む。したがって、自動車移動の状況の特性に従って、サービス制限条件を、「チャンとワンの自動車が100m以内の距離にある」と設定することができる。自動車の移動が必要な状況では、通常、停めた自動車が道路を塞いでいることが原因であり、塞がれている自動車は停めた自動車の比較的近くにある。さらに、「チャンとワンの自動車が100m以内の距離にある」とのサービス制限条件は、判断をより容易にするため数値化されて、「第1クライアントと第2クライアントとの距離が100m以内」と設定されてよい。第1クライアントの位置は、チャンが自動車を停めたときに第1クライアントを介してサーバに報告した位置、すなわち自動車を停めた位置であってよい。一方、第2クライアントの位置は、現在ワンの自動車が塞がれているときにワンが第2クライアントを介してサーバに報告した位置である。この例では、第1クライアントおよび第2クライアントが報告する位置情報は接続参考情報と言うことができ、サーバはこれに基づいて、サービス制限条件を満たすか否かを判断する。サーバが接続参考情報を取得するには、例えばクライアントが主体的に報告を行ったりサーバが報告要求を送ったりするなど、さまざまな方法があり得る。
【0031】
加えて、このステップで2つのクライアントが接続されるにあたり、サーバが第1クライアントおよびクライアント識別子に対応する第2クライアントの間の接続を確立するのにもさまざまな方法があり得る。例えば、第1クライアントと第2クライアントとの間の転送装置として、サーバは、第1クライアントから第2クライアントに送信されるべきメッセージを直接送信してよく、これに代えて、サーバは、事前に記憶した第2クライアントの連絡先情報を第1クライアントに提供し、第1クライアントがサーバを介して転送することなく第2クライアントに独立に連絡をとるようにしてもよい。このような場合、例えば、第2クライアントに対応するチャンの電話番号が第1クライアントに送信され、電話番号を取得すると、第1クライアントのユーザのワンはチャンに直接電話をかける。このとき、クライアントに対応するユーザの間で現に連絡が取られている。記載を簡潔にするため、これらをまとめて本発明の実施形態の第1クライアントと第2クライアントとの間の接続という。他の接続方法は詳細に列挙しない。
【0032】
本発明の実施形態にかかる接続確立方法では、サーバは、サービス制限条件が満たされると、2つのクライアントが接続を確立するよう制御し、クライアントがインストールされている限り、クライアントに設定された機能オプションを通してユーザがサーバに接続を要求可能となる。これは大変便利である。接続確立方法の具体的な適用を、いくつかの場面の例を参照しつつ以下に説明する。
【0033】
例として、
図4に示す自動車移動場面を参照すると、チャンは自動車41を路上に停め、ワンは自動車42でその場所にやって来てチャンの自動車が道路を塞いでいて動かす必要があることに気付く。このとき、ワンはチャンに連絡し始める。
図5に示す実行フローを参照し、第2クライアントがチャンの携帯電話にインストールされ、第1クライアントがワンの携帯電話にインストールされ、これらのクライアントが例えばAlipayウォレットであるとすると、チャンが駐車を始めたときからワンがチャンに連絡するときまでの全体の処理フローは、以下を含んでよい:
【0034】
501.第2クライアントがサーバに駐車情報を報告する。駐車情報は、接続参考情報を含む。
【0035】
本実施形態で、駐車情報は、第2クライアントのクライアント識別子と、接続参考情報と、の2つの部分を含む。
【0036】
ここで、第2クライアントのクライアント識別子は、第2クライアントを識別するために用いられる情報である。例えば、第2クライアントがAlipayウォレットであると、クライアント識別子はAlipayウォレットのアカウント番号であってよく、第2クライアントと対応関係を有する情報であってよい。例えば、サーバ側はユーザのAlipayウォレットとユーザのナンバープレートの番号との対応関係を記憶し、そしてサーバは、ナンバープレートの番号に基づいて対応するAlipayウォレットを発見する。このような場合では、ナンバープレートの番号は、本実施形態における第2クライアントのクライアント識別子とも言える。別の例では、サーバ側はユーザのAlipayウォレットとユーザの行列番号との対応関係を記憶する。サーバがユーザの行列番号の通知を受けると、サーバは行列番号に基づいてユーザのAlipayウォレットを発見することができる。このとき、ユーザの行列番号はクライアント識別子とも言える。換言すると、本実施形態のクライアント識別子は、クライアント自身の情報(例えばAlipayウォレットのアカウント番号)、または、クライアントと対応関係を有する情報(例えばAlipayウォレットに対応するナンバープレートの番号)を含む。
【0037】
ここで、接続参考情報は、サービス制限条件の判断時にサーバが用いる。具体的には、サービス接続確立に要求されるサービス制限条件に合致するかをサーバが判断するときに、接続参考情報が必要となる。例えば、本実施形態の接続参考情報は駐車位置情報であってよく、サーバは、位置情報に基づいて、それが位置範囲内であるかを判断してよい。これに代えて、接続参考情報は別の場合においては時間情報であってよい。
【0038】
例えば、チャンは自動車41を停めると、携帯電話の第2クライアント、すなわちAlipayウォレットを起動する。
図6はAlipayウォレットの一部である画面インタフェースを示す。インタフェースは多数のアプリ機能を含み、そうした機能オプションの1つが「駐車したい」である。チャンがこの機能を選択すると、Alipayウォレットクライアントは駐車情報をサーバに報告する。
【0039】
本実施形態で駐車情報は、第2クライアント識別子(例えばAlipayウォレットのアカウント番号、チャンの自動車のナンバープレートの番号)、およびチャンの自動車の駐車位置を含んでよい。ここで、ナンバープレートの番号については、チャンが「駐車したい」機能をクリックした後に、チャンが自分のナンバープレートの番号を入力するよう、入力ページが表示されてよい。また、駐車位置については、第2クライアントが位置機能を有効化して位置情報を取得してよく、位置情報は緯度と経度の座標であってよい。さらに、このステップで報告されるチャンの自動車の駐車位置は、その後のサーバによるサービス制限条件の判断に用いられるので、駐車位置情報は接続参考情報と言える。
【0040】
502.サーバは、第2クライアントが報告する駐車情報を記憶する。
【0041】
例えば、このステップで、サーバは、駐車情報の間の対応関係、例えば、Alipayウォレットのアカウント番号、チャンの自動車のナンバープレートの番号、およびチャンの自動車の駐車位置の間の対応関係を記憶する。さらに、サーバ側は通常、第2クライアントに対応するユーザであるチャンの連絡先情報、例えば電話番号を、第2クライアントの登録の間に取得し、電話番号は第2クライアントの識別子とまとめて管理される。すなわち、サーバ側はチャンの電話番号を上述の対応関係とともにまとめて管理することも可能である。
【0042】
503.サーバは、第1クライアントが送信するサービス接続要求を受信する。ここで、サービス接続要求は、サービス識別子と、接続が要求される第2クライアントのクライアント識別子と、を含む。
【0043】
例えば、自動車を動かしてもらいたいチャンは、携帯電話上の第1クライアント、すなわちAlipayウォレットを起動し、Alipayウォレットには
図6に示すものと同様のインタフェースが表示される。インタフェースは、さらに、「自動車移動」機能を含む。ワンが機能オプション「自動車移動」をクリックすると、ワンが動かしてもらいたい自動車のナンバープレートの番号を入力するように、入力ボックスまたは下位インタフェースがポップアップしてよい。ここで、ワンはチャンの自動車のナンバープレートの番号を入力し、「送信」をクリックしてサーバにサービス接続要求を送信する。501で上述したように、サーバはナンバープレートの番号とAlipayウォレットとの対応関係を記憶しているので、このステップでワンが入力したチャンの自動車のナンバープレートの番号は、「第2クライアントのクライアント識別子」と言える。ナンバープレートの番号と第2クライアントのAlipayアカウント番号との間に対応関係があるので、ナンバープレートの番号は第2クライアントに対応するクライアント識別子としても扱われることに留意されたい。要求に含まれるサービス識別子は、「自動車移動」サービスを示す情報である。
【0044】
このステップで、さらに、ワンが機能オプション「自動車移動」を選択した後、第1クライアントはさらに、自動的に位置情報を取得し、サービス接続要求に含めてサーバに報告してもよい。位置情報はワンの現在地と同等であり、位置情報はサーバによる後の判断における接続参考情報にもなる。
【0045】
504.サーバは、接続参考情報が、サービス識別子に対応するサービス制限条件を満たすか判断する。
【0046】
例えば、サーバは、第1クライアントと第2クライアントが報告する位置情報に従って、それぞれが距離閾値を満たすかを判断してよい。サービス制限条件は、位置情報に対応する距離範囲閾値である。例えば、自動車移動サービスに対応するサービス制限条件は、「2つの間の距離は100m以内」であり、条件はサーバに事前に記憶されてよい。
【0047】
サービス接続要求の中のナンバープレートの番号および502で記憶された対応関係に従って、サーバはナンバープレートに対応する第1位置情報、すなわち、チャンの自動車の駐車位置を取得し、第1クライアントに対応する第1位置情報と第2クライアントから報告された第2位置情報との間の距離が100m未満であるかを判断する。真であれば、サービス制限条件は満たされ、続いて505が実行される。偽であれば、サービス制限条件は満たされず、サーバは第1クライアントに、「接続拒否」のようなプロンプトを返してよい。
【0048】
505.サーバは第1クライアントに、クライアント識別子に対応する第2クライアントの連絡先情報を送信する。
【0049】
例えば、サービス制限条件が満たされているかを判断するとき、サーバは、電話番号といったチャンの連絡先情報を、502で記憶された対応関係に従って取得してよく、チャンの電話番号を第1クライアントに送信する。この時点で、電話番号は現に第2クライアントのユーザの連絡先情報であり、第1クライアントのユーザであるワンは第2クライアントのユーザであるチャンに電話連絡を確立することができる。
【0050】
サーバは、第1クライアントと第2クライアントとの間で直接接続を確立するようにしてもよい。例えば、ワンが第1クライアントを通して「自動車移動」機能を選択して第1クライアントからサーバにサービス接続要求を送信したとき、サーバは要求に含まれるナンバープレート番号に従って対応するチャンの電話番号を発見し、その電話番号に自動でメッセージ(例えば自動車移動依頼メッセージ)を送信してよい。これも、2つのクライアント間での接続の確立として取り扱ってよい。これに代えて、サーバは、ナンバープレート番号に従って発見されたチャンのAlipayウォレットに自動車移動依頼メッセージを送信し、自動車に戻って動かすようチャンに促してもよい。加えて、チャンとワンとの間での接続が達成される限り、列挙はしないが他の方法も使用することができる。
【0051】
さらに、サーバが上述の要求に含まれるナンバープレート番号に従って対応するチャンの電話番号を発見したとき、電話番号に対応する識別情報(「小番号」ともいう)が生成されてよく、例えば、識別情報「12589」がチャンの電話番号に対応して使用され、「12589」が第1クライアントに返される。ワンが識別情報「12589」に連絡を取るとき、例えば、第1クライアントから送信された接続指示が受信され、接続指示には識別情報が含まれ、サーバは、識別情報に対応する電話番号にメッセージまたは音声メッセージを送信する。このようにすると、チャンの電話番号はより機密に保たれ、安全性が高まる。
【0052】
例として、別の適用場面もまた自動車移動場面であり、
図4に示す場面に類似している。相違点は、自動車移動のユーザが使用する機能オプション「自動車移動」のみがAlipayウォレット内に設定されており、機能オプション「駐車したい」は駐車するユーザには提供されなくてよいという点である。代わりに、他の方法が代替物として提供される。具体的には、自動車を停めたいチャンは、自動車にあるハードウェア、例えばBluetooth(登録商標)チップを取り付けてよい。Bluetoothチップはマーカとも言い、Bluetoothチップはチップを識別するIDを含む。IDのことをマーカ識別子ともいう。
【0053】
ワンが自動車を動かしてもらいたいとき、彼はAlipayウォレット、すなわち第1クライアントを起動し、Alipayウォレットの「自動車移動」機能を入力する。自動車移動機能が選択されると、ワンはチャンの自動車に近づくよう促される。距離がBluetooth通信の要件を満たすほど短くなると、ワンのAlipayウォレットは、Bluetooth経由でチャンの自動車に取り付けられたBluetoothチップのIDを取得し、サーバにサービス接続要求を送信する。このとき、接続要求には自動車移動サービス識別子とBluetoothチップのIDとが含まれる。この実施形態では、BluetoothチップのIDは、差し当たり、第2クライアントのマーカ識別子と言える。なぜなら、サーバ側は、チャンのAlipayウォレットのアカウント番号、自動車のBluetoothチップのID、およびチャンの連絡先情報の間の対応関係を事前に記憶しているからである。
【0054】
サーバ側で、Alipayウォレットから送信されたサービス接続要求にBluetoothチップのIDが含まれることが発見されると、IDは十分近づいたときにはじめて取得できるので、ワンが既にチャンの自動車の近くにいることがわかる。サーバは、サービス制限条件が満たされたと判断する。続いて、サーバはBluetoothチップのIDに対応するチャンの連絡先情報を取得し、ワンがチャンに連絡を取れるよう第1クライアントに返信する。
【0055】
例として、方法は行列の場面にもさらに適用可能である。ショッピングモール内のレストランで、チャンはレストランに食事に向かう。彼はAlipayウォレットを起動し、レストランの受付にある行列端末で行列用2次元バーコードをスキャンする。行列番号を入手すると、彼は近くの店にショッピングに向かう。レストランの受付にある行列端末にはAlipayウォレットがインストールされていてよく、これにより行列機能が提供される。行列機能は、上述した行列用2次元バーコードを提供する。チャンがスキャンして番号を入手すると、レストランの行列端末の第1クライアント(Alipayウォレット)は第2クライアント、すなわちチャンの携帯電話のAlipayウォレットの識別子(例えばアカウント番号)を取得し、Alipayサーバに、チャンのAlipayウォレットの識別子とサービス識別子(すなわち行列サービス情報)とを報告する。
【0056】
チャンの番号が近づくと、レストランは行列端末のAlipayウォレットの行列機能により、チャンに連絡し、
図7に示すフローが実行される。
【0057】
701.第1クライアントが、サーバにサービス接続要求を送信する。
【0058】
例えば、レストランは行列端末のAlipayウォレットの行列機能を起動し、以前に行なわれたチャンのスキャンおよび番号取得に関する情報を発見する。Alipayウォレットの行列機能により、チャンへの連絡の始動オプションがレストランに提供可能である。例えば、チャンの行列番号に「連絡」ボタンが追加され、インタフェースに表示される。
【0059】
レストランのウェイターが「連絡」ボタンをクリックすると、第1クライアント、すなわち行列端末のAlipayウォレットは、行列サービスを示すサービス識別子と第2クライアントのクライアント識別子とを含むサービス接続要求をサーバに送信する。
【0060】
例えば、上記「接続」ボタンは、第1クライアントにより取得されたチャンのAlipayウォレットのアカウント番号とまとめられてもよい。ウェイターがボタンをクリックすると、Alipayウォレットのアカウント番号とサービス識別子(行列サービスであることを示すため用いられる)がサービス接続要求に含めて送信される。Alipayウォレットのアカウント番号は、第2クライアントのクライアント識別子と同等である。
【0061】
別の例では、701の実行に先行して、チャンがスキャンして番号を取得した後に、行列端末の第1クライアントは、チャンのAlipayウォレットのアカウント番号、行列番号、およびサービス識別子をすべてサーバに報告する。サーバ側では、Alipayウォレットのアカウント番号と行列番号との対応関係を含む、これらの情報の間の対応関係を記録する。こうした状況では、第1クライアントが「連絡」ボタンをクリックして要求を送信すると、要求はサービス識別子と行列番号をと含み、行列番号は第2クライアントのクライアント識別子と言える。
【0062】
702.サーバが、接続参考情報を取得する。
【0063】
例えば、この実施形態で、行列サービスに対応するサービス制限条件が「現在時刻が番号取得から3時間以内であり、第2クライアントの現在位置が店舗の地理的位置の範囲内」であることが考えられる。言い換えると、レストランがチャンに連絡する時刻はチャンがレストランで番号を取得してから3時間以内であり、さらに、チャンの現在位置はレストランから遠すぎない、例えば500mの範囲内である。
【0064】
サーバは、サービス制限条件を判断するために、接続参考情報の取得が必要となる。接続参考情報は、現在時刻、チャンの位置、およびレストランの場所を含む。ここで、現在時刻は容易に取得可能である。チャンの位置の取得については、サーバを介して第2クライアント、すなわちチャンのAlipayウォレットに位置取得指示を送信してよく、チャンのAlipayウォレットが位置情報を特定し取得すると、位置情報はサーバに返送される。レストランの場所については、サーバが事前に記憶しておいてよい。他の取得の方法も確かに可能であり、その1つだけをここに示している。
【0065】
703.サーバが、接続参考情報がサービス制限条件を満たすか判断する。
【0066】
例えば、サーバは現在時刻が、チャンが番号を取得した時刻から3時間(時間範囲閾値)以内であるかを判断する。チャンが番号を取得した時刻は、701でレストランクライアントがアップロードを実行したときにサーバで記憶されてよい。さらに、サーバは、チャンの現在位置とレストランとの間の距離が1000m(距離範囲閾値)以内であるかを判断する。
【0067】
接続参考情報がサービス制限条件を満たすとサーバが判断すると、704に進む。
【0068】
704.サーバが、第2クライアントの連絡先情報を第1クライアントに送信する。
【0069】
サーバは、チャンのAlipayアカウント番号、チャンの行列番号、およびチャンの連絡先情報の予め記憶された対応関係に従ってチャンの番号を発見し、チャンに連絡をとれるようこれを店舗の第1クライアントに送信してよい。これに代えて、
図5に示した実施例で説明したように、サーバはチャンに直接連絡する。
【0070】
さらに、連絡されるチャンの要求により適合するために、サーバは、チャンが第2クライアントを介してアップロードするサービス制限条件を受信してよい。例えば、チャンはAlipayウォレットを介して、彼に連絡を取るために彼が求める条件を設定することができる。例えば、「現在時刻は番号取得時から1時間以内である」が、チャンに連絡を取るためのサービス制限条件として設定される。
【0071】
別の場面の例はここで述べない。本発明の実施形態に従った接続確立方法は、すべての同様な応用で使用することができ、方法はサービス制限条件または接続のしかたに厳密な制限を強いるものではない。例えば、サービス制限条件は、同一Wi-Fi(登録商標)範囲内に制限され、または同一地理的範囲内に制限され、または同一Bluetooth範囲内に制限され、または同一許可範囲内に制限されてよい。接続のしかたは、電話接続、インスタントメッセージング接続、および支払接続を含むがこれに限らない。接続確立方法はクライアントおよびサーバに基づいて実装される。さらに、このような接続の確立はサービスに対応し、サービスを実現するため開始されるサービス接続である。さらに、サービスに対応するサービス制限条件が満たされる必要がある。この方法は、サービス実行の要求を満たすとともに、接続される端末がランダムに煩わされないという要求も満たす。のみならず、これらの要求を非常に便利に実現することができる。
【0072】
上述の方法を実行するため、本発明の実施形態はさらに接続確立装置を提供し、この装置はサーバに適用可能である。
図8に示すように、装置は要求受信部81と接続処理部82とを備え、
【0073】
要求受信部81は、第1クライアントから送信されたサービス接続要求を受信するよう構成され、サービス接続要求は、サービス識別子と、接続を要求される第2クライアントのクライアント識別子と、を含み、
【0074】
接続処理部82は、接続参考情報を取得し、接続参考情報がサービス識別子に対応するサービス制限条件を満たすと判断されると、第1クライアントと、クライアント識別子に対応する第2クライアントと、の間の接続を確立するよう構成される。
【0075】
さらに、接続参考情報は、位置情報または時間情報のうち少なくとも1つを含む。
【0076】
さらに、接続処理部82は、クライアント識別子が対応する第2クライアントの連絡先情報を第1クライアントに送信し、連絡先情報に従って第1クライアントが第2クライアントが第2クライアントとの接続を確立するよう、構成される。
【0077】
さらに、接続処理部82は、第2クライアントの連絡先情報に対応する識別情報を第1クライアントに送信し、第1クライアントにより送信された接続指示を受信し、接続指示は識別情報を含み、さらに、識別情報に対応する連絡先情報に従って、第1クライアントを第2クライアントに接続するよう、具体的に構成される。
【0078】
上述の方法を実行するため、本発明の実施形態はさらに接続確立装置を提供し、この装置はクライアントに適用可能である。
図9に示すように、装置は要求送信部91と接続確立部92とを備え、
【0079】
要求送信部91は、サーバにサービス接続要求を送信するよう構成され、サービス接続要求は、サービス識別子と、接続を要求される第2クライアントのクライアント識別子と、を含み、
【0080】
接続確立部92は、接続参考情報がサービス識別子に対応するサービス制限条件を満たすとサーバが判断すると、クライアント識別子に対応する第2クライアントとのサーバを介した接続を確立するよう構成される。
【0081】
さらに、
図10を参照すると、装置は、接続参考情報またはサービス制限条件をサーバに送信するよう構成される情報報告部93をさらに備えてよい。
【0082】
ここまで、本発明の好ましい実施形態のみを説明したが、これは本発明を限定するものではない。本発明の精神と原理の範囲でなされる変更、均等物への置換、改良は、すべて、本発明の範囲に包含される。