(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
概して、一実施形態によれば、磁気メモリ装置は、磁気抵抗効果素子を有する磁気メモリチップ;互いにスペースを空けて配置されている第1及び第2の部分を有している磁性層、前記第1の部分は前記磁気メモリチップの第1の主面を覆うこと、前記第2の部分は前記磁気メモリチップの前記第1の主面に対向している第2の主面を覆うこと;前記磁性層が搭載された回路基板;及び 前記第1及び第2の主面に平行な第1の方向において、前記磁気メモリチップと前記回路基板を接続しているボンディングワイヤを具備する。前記第1の部分は前記第2の部分よりも前記回路基板に近い。前記第1の方向において、前記第1及び第2の部分の各々は前記メモリチップのサイズよりも大きなサイズを有する。
【0008】
前記第1及び第2の主面に平行かつ前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記第1及び第2の部分の一つは前記磁気メモリチップの複数の側面を覆う。前記第1の部分は前記第2の部分よりも前記回路基板に近い。前記第1の方向において、前記第1及び第2の部分の各々は前記メモリチップのサイズよりも大きなサイズを有する。前記第1及び第2の主面に平行かつ前記第1の方向に直交する第2の方向において、前記第1及び第2の部分の一つは前記磁気メモリチップの複数の側面を覆う。
(実施形態)
以下の実施形態は、磁気抵抗効果素子に印加される磁界の強度を、磁気メモリチップを取り囲む磁性層(磁気シールド層)により制御するための技術を提案する。
【0009】
例えば、磁気メモリチップの全ての断面において、磁気メモリチップを取り囲む磁性層は、それが部分的に途切れるスペースを備える。このような磁性層は、開ループ構造(open loop structure)の磁性層と称される。また、磁気メモリチップの一断面において、開ループ構造の磁性層のスペースの幅は、制御可能である。
【0010】
この場合、開ループ構造の磁性層内の磁石からの磁力線の一部は、例えば、磁性層に設けられたスペースから外部に放出される。即ち、このスペースの幅を制御することにより、磁気抵抗効果素子に印加される磁界の強さを制御することができる。
【0011】
従って、例えば、磁性層内に設けられる磁石の種類やサイズを変えなくても、磁気抵抗効果素子の磁化反転特性のシフトを制御し、磁気メモリ装置の性能を向上させることができる。
【0012】
尚、以下の実施形態は、開ループ構造の磁性層のスペースの幅を制御するため、開ループ構造の磁性層は、少なくとも2つの部分(第1及び第2の部分)を備える。即ち、第1及び第2の部分の端におけるスペースの幅を制御することにより、磁気抵抗効果素子に印加される磁界の強度を制御することができる。
【0013】
第1の実施形態
図1乃至
図3は、磁気メモリ装置の第1の実施形態を示している。
図1は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図2は、
図1のII−II線に沿う断面図であり、
図3は、
図1のIII−III線に沿う断面図である。
【0014】
磁気メモリチップ10は、メモリセルとしての磁気抵抗効果素子を備える。磁気抵抗効果素子は、例えば、
図12に示すように、可変の磁化を持つ記憶層(磁性層)23と、不変の磁化を持つ参照層(磁性層)25と、これらの間の非磁性絶縁層(トンネルバリア層)24と、を備える。
【0015】
ここで、不変の磁化とは、書き込み前後において磁化方向が変化しないこと、可変の磁化とは、書き込み前後において磁化方向が逆向きに変化し得ることを意味する。
【0016】
また、書き込みとは、スピン注入電流(スピン偏極された電子)を磁気抵抗効果素子に流すことにより記憶層の磁化にスピントルクを与えるスピントランスファ書き込みを意味する。
【0017】
図12の例は、参照層25が記憶層23上に配置されるトップピン型を示すが、これを、参照層25が記憶層23下に配置されるボトムピン型に代えることは可能である。
【0018】
また、
図12の例は、記憶層23及び参照層25が磁気メモリチップ10の下面(第1の主面)及び上面(第2の主面)に垂直な方向に磁化を有する垂直磁化型を示すが、これを、記憶層23及び参照層25が磁気メモリチップ10の下面及び上面に平行な方向に磁化を有する面内磁化型に代えることは可能である。
【0019】
磁性層11は、互いにスペースを空けて配置される第1の部分11a及び第2の部分11bを備える。即ち、磁性層11は、それが部分的に途切れるスペース(開ループ構造)を有する。磁性層11は、回路基板12上に配置される。
【0020】
回路基板12は、例えば、複数の配線層を備える多層基板である。回路基板12は、複数の外部端子17を備える。複数の外部端子17は、例えば、BGA(Ball grid array)としての複数の半田ボールである。
【0021】
第1の部分11aは、第2の部分11bよりも回路基板12に近い。即ち、第1の部分11aは、回路基板12上に配置され、磁気メモリチップ10の下面(第1の主面)を覆う。また、第2の部分11bは、磁気メモリチップ10の上面(第1の主面に対向する第2の主面)を覆う。
【0022】
磁気メモリチップ10の下面及び上面に平行な第1の方向において、ボンディングワイヤ13は、磁気メモリチップ10と回路基板12とを接続する。磁気メモリチップ10は、ボンディングワイヤ13を介して、外部端子17に接続される。
【0023】
ここで、スペーサ(例えば、絶縁体)15は、磁気メモリチップ10と第2の部分11bとの間に配置される。また、第1の方向において、第1及び第2の部分11a,11bは、磁気メモリチップ10の2つの側面を覆わない。
【0024】
これにより、第1の方向において、第1及び第2の部分11a,11bのサイズを磁気メモリチップ10のサイズよりも大きくしても、ボンディングワイヤ13を磁気メモリチップ10に接続するためのエリアを確保できる。
【0025】
また、磁気メモリチップ10の下面及び上面に平行かつ第1の方向に直交する方向を第2の方向としたとき、第1及び第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bのサイズを磁気メモリチップ10のサイズよりも大きくすることにより、磁気メモリチップ10のエッジの近傍における磁界の乱れが防止できる。
【0026】
従って、磁気メモリチップ10のエッジの近傍に配置される磁気抵抗効果素子に安定した磁界を印加できる。
【0027】
磁気メモリチップ10のエッジの近傍における磁界の乱れを有効に防止するためには、第1及び第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bは、磁気メモリチップ10のサイズの120%又はそれよりも大きいサイズを有するのが望ましい。即ち、第1及び第2の部分11a,11bは、磁気メモリチップ10の両辺から、それぞれ磁気メモリチップ10のサイズの10%又はそれよりも大きい幅だけ突出するのが望ましい。
【0028】
例えば、第1及び第2の方向において、磁気メモリチップ10のサイズが、10mm程度であるとき、第1及び第2の部分11a,11bのサイズは、12mm又はそれよりも大きいのが望ましい。
【0029】
永久磁石14は、磁気メモリチップ10の下面に隣接して配置される。即ち、永久磁石14は、磁気メモリチップ10と第1の部分11aとの間に配置される。永久磁石14は、例えば、磁気抵抗効果素子の磁化反転特性のシフトをキャンセルするために設けられる。従って、永久磁石14による磁化反転特性のシフトのキャンセルが不要であるときは、永久磁石14は省略してもよい。
【0030】
樹脂16は、回路基板12上に配置され、磁気メモリチップ10、第1及び第2の部分11a,11bを備える磁性層11、ボンディングワイヤ13、永久磁石14、及び、スペーサ15を覆う。
【0031】
磁性層11の開ループ構造について説明する。
【0032】
第2の方向において、第2の部分11bは、磁気メモリチップ10の2つの側面を覆う。即ち、磁気メモリチップ10の下部に位置する第1の部分11aは、プレート形を有し、磁気メモリチップ10の上部に位置する第2の部分11bは、逆U字形(reverse U-form)を有する。
【0033】
また、第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bは、それぞれ第1及び第2の端を有し、第1及び第2の部分間のスペースは、第1及び第2の端において最も狭い。その幅は、Sminである。
【0034】
開ループ構造のスペースの幅Sminを制御することにより、磁気メモリチップ10を外部磁界から遮蔽すると共に、磁気抵抗効果素子に印加される磁界の強さを制御し、磁気抵抗効果素子の磁化反転特性を制御できる。
【0035】
開ループ構造のスペースの幅Sminは、第1及び第2の部分間のスペースの最大値Smaxの1/2又はそれよりも小さいのが望ましい。また、磁気メモリチップ10の厚さがtchipであるとき、開ループ構造のスペースの幅Sminは、tchipの近傍、又は、それよりも大きいのが望ましい。例えば、磁気メモリチップ10の厚さが0.1mm程度であるとき、開ループ構造のスペースの幅Sminは、0.05〜0.3mmの範囲内の値、例えば、0.15mm程度であるのが望ましい。
【0037】
磁性層11、即ち、第1及び第2の部分11a,11bは、高い透磁率及び高い飽和磁化を有する材料を備えるのが望ましい。例えば、磁性層11は、Ni、Fe、Co、Ni-Fe合金、Fe-Co合金、Fe
2O
4など、を含むのが望ましい。また、磁性層11がFe
2O
4を含むとき、Fe
2O
4は、さらに、Mn、Zn、Niなど、を含んでいてもよい。磁性層11は、42アロイ、パーマロイなど、を使用することができる。
【0038】
第1及び第2の部分11a,11bは、同じ材料を備えていてもよいし、互いに異なる材料を備えていてもよい。
【0039】
後者の場合、第1及び第2の部分11a,11bのうち、磁力線の流れに対して下流に存在する部分の透磁率又は飽和磁束密度は、磁力線の流れに対して上流に存在する部分の透磁率又は飽和磁束密度よりも大きくするのが望ましい。
【0040】
例えば、
図12の例では、磁力線の流れに対して、第1の部分11aが下流に存在するため、第1の部分11aの透磁率又は飽和磁束密度は、第2の部分11bの透磁率又は飽和磁束密度よりも大きくするのが望ましい。
【0041】
この場合、上流側の第2の部分11bは、大量の磁力線をキャッチし、これを下流側の第1の部分11aに導く。下流側の第1の部分11aは、上流側の第2の部分11bよりも、高い透磁率又は飽和磁束密度を有するため、上流側の第2の部分11bでキャッチした磁力線を全て受け取ることができる。
【0042】
尚、下流側の材料が、例えば、パーマロイのとき、上流側の材料は、パーマロイよりも低い透磁率又は飽和磁束密度を有する42アロイとすればよい。
【0043】
この関係が逆のときは、下流側で全ての磁力線を受け取ることができず、これが漏れ磁界となって、磁気抵抗効果素子に悪影響を与えるため、望ましくない。
【0044】
また、第1及び第2の部分11a,11bは、同じ厚さを有していてもよいし、互いに異なる厚さを有していてもよい。
【0045】
後者の場合、上記と同様の理由により、第1及び第2の部分11a,11bのうち、磁力線の流れに対して下流に存在する部分の厚さは、磁力線の流れに対して上流に存在する部分の厚さよりも厚くするのが望ましい。
【0046】
永久磁石14は、高い磁気異方性及び高い磁力を有する材料を備えるのが望ましい。例えば、永久磁石14は、Co-Cr合金、Sm-Co合金、Co-Pt合金、Fe-Pt合金、Nd-Fe合金、Mn-Al合金、Al-Ni-Co合金など、を含むのが望ましい。永久磁石14は、フェライト、アルニコ、サマコバ、ネオジウムなど、を使用することができる。
【0047】
尚、磁気メモリチップ10、磁性層11、回路基板12、永久磁石14、及び、スペーサ15の界面エリアは、接着シートを含んでいてもよい。
【0048】
図4及び
図5は、磁気メモリ装置の第1の変形例を示している。
図4は、
図1のII−II線に沿う断面図であり、
図5は、
図1のIII−III線に沿う断面図である。
【0049】
この変形例は、
図2及び
図3と比べると、磁気メモリチップ10、永久磁石14、及び、スペーサ15の積層順序が異なる。
【0050】
磁気メモリチップ10は、第1の部分11a上に配置される。スペーサ15は、磁気メモリチップ10上に配置される。永久磁石14は、スペーサ15と第2の部分11bとの間に配置される。即ち、永久磁石14は、磁気メモリチップ10の上面に隣接して配置される。
【0051】
その他の点については、
図2及び
図3と同じである。従って、
図2及び
図3と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0052】
図6及び
図7は、磁気メモリ装置の第2の変形例を示している。
図6は、
図1のII−II線に沿う断面図であり、
図7は、
図1のIII−III線に沿う断面図である。
【0053】
この変形例は、
図2及び
図3と比べると、磁気メモリチップ10上にスペーサが存在しない点が異なる。このため、永久磁石14は、磁気メモリチップ10上に配置され、スペーサとしての機能を兼ね備える。
【0054】
その他の点については、
図2及び
図3と同じである。従って、
図2及び
図3と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0055】
図8及び
図9は、磁気メモリ装置の第3の変形例を示している。
図8は、
図1のII−II線に沿う断面図であり、
図9は、
図1のIII−III線に沿う断面図である。
【0056】
この変形例は、
図2及び
図3と比べると、複数の磁気メモリチップ10−1,10−2が積み重ねられている点が異なる。
【0057】
永久磁石14は、第1の部分11a上に配置される。磁気メモリチップ10−1は、永久磁石14上に配置される。スペーサ15−1は、磁気メモリチップ10−1上に配置される。磁気メモリチップ10−2は、スペーサ15−1上に配置される。スペーサ15−2は、磁気メモリチップ10−2上に配置される。
【0058】
この変形例では、磁気メモリチップ10−1,10−2の数は、2つであるが、これに代えて、3つ又はそれより多くしてもよい。この場合、磁気メモリチップとスペーサを1つのペアとして、複数のペアを積み重ねていけばよい。
【0059】
その他の点については、
図2及び
図3と同じである。従って、
図2及び
図3と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0060】
図10及び
図11は、磁気メモリ装置の第4の変形例を示している。
図10は、
図1のII−II線に沿う断面図であり、
図11は、
図1のIII−III線に沿う断面図である。
【0061】
この変形例は、
図2及び
図3と比べると、第1及び第2の部分11a,11b間に永久磁石が存在しない点が異なる。即ち、この変形例は、磁気メモリチップ10の外部の永久磁石により磁気抵抗効果素子の磁化反転特性のシフトの調整を行わない例である。
【0062】
但し、この変形例において、永久磁石と同様の機能を持つ磁性層(磁気抵抗効果素子に積層されるシフトキャンセル層を含む)が、磁気メモリチップ10内に配置されていてもよい。
【0063】
磁気メモリチップ10は、第1の部分11a上に配置される。スペーサ15は、磁気メモリチップ10上に配置される。
【0064】
その他の点については、
図2及び
図3と同じである。従って、
図2及び
図3と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0065】
図12は、第1の実施形態の磁力線の形を示している。
【0066】
永久磁石14からの磁力線MFは、第1及び第2の部分11a,11bを経由して、再び、永久磁石14へ戻る。即ち、永久磁石14からの磁力線MFは、閉磁路(closed magnetic path)を描く。また、磁力線MFの一部Pは、第1及び第2の部分11a,11b間のスペースから外部へ放出される。即ち、スペースの幅Sを制御することにより、磁気抵抗効果素子MTJに印加される磁界の強さを制御できる。
【0067】
尚、同図において、10は、磁気メモリチップ、21は、半導体基板、22は、層間絶縁層、23は、記憶層、24は、非磁性絶縁層(トンネルバリア層)、25は、参照層、MAは、メモリセルアレイである。
【0069】
これらの図は、
図2の断面に対応する。ここでは、磁気メモリの製造方法を説明することを目的とするため、
図3の断面に対応する図面は省略する。
【0070】
まず、
図13Aに示すように、回路基板12上に第1の部分11aが形成される。続けて、第1の部分11a上に永久磁石14が形成され、永久磁石14上に磁気メモリチップ10が形成される。この後、ワイヤボンディング工程により、磁気メモリチップ10と回路基板12とが、ボンディングワイヤ13により接続される。
【0071】
次に、
図13Bに示すように、磁気メモリチップ10上にスペーサ15が形成される。また、スペーサ15上に第2の部分11bが形成される。
【0072】
ここで、回路基板12、第1の部分11a、永久磁石14、磁気メモリチップ10、スペーサ15、及び、第2の部分11bの位置関係が互いにずれないように、これらの間に接着シートなどを介在させておくのが望ましい。
【0073】
この後、モールド工程により、樹脂16が回路基板12上に形成される。樹脂16は、第1の部分11a、永久磁石14、磁気メモリチップ10、スペーサ15、及び、第2の部分11bを覆い、これらを保護する。
【0074】
最後に、
図13Cに示すように、回路基板12にBGAとしての複数の外部端子(例えば、半田ボール)17を形成する。
【0075】
これにより、第1の実施形態に係わる磁気メモリ装置が完成する。
【0076】
以上、第1の実施形態によれば、磁気シールド層としての磁性層内に設けられる磁石の種類やサイズを変えなくても、磁気抵抗効果素子の磁化反転特性のシフトを制御し、磁気メモリ装置の性能を向上させることができる。
【0077】
第2の実施形態
図14乃至
図16は、磁気メモリ装置の第2の実施形態を示している。
図14は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図15は、
図14のXV−XV線に沿う断面図であり、
図16は、
図14のXVI−XVI線に沿う断面図である。
【0078】
第2の実施形態は、上述の第1の実施形態と比べると、第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bの端の構造が異なる。
【0079】
即ち、第2の実施形態では、第1及び第2の部分11a,11bが幅Sminで対向するエリアが、上述の第1の実施形態のそれよりも広い。この構造では、第1の実施形態よりも、外部へ放出される磁力線の制御を高精度に行える。但し、このエリアを広くすることは、磁気メモリ装置のサイズを大きくすることを意味するため、このエリアのサイズは、磁力線の制御と、磁気メモリ装置のサイズと、を鑑みて決定される。
【0080】
その他の点については、上述の第1の実施形態(
図1乃至
図3)と同じである。
【0081】
従って、上述の第1の実施形態で説明した要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第2の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0082】
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0083】
第3の実施形態
図17乃至
図19は、磁気メモリ装置の第3の実施形態を示している。
図17は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図18は、
図17のXVIII−XVIII線に沿う断面図であり、
図19は、
図17のXIX−XIX線に沿う断面図である。
【0084】
第3の実施形態は、上述の第1の実施形態と比べると、第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bの端の構造が異なる。
【0085】
即ち、第3の実施形態では、第2の方向において、第1の部分11aのサイズが第2の部分11bのサイズよりも大きく、かつ、第1の部分11aが第2の部分11bの一部を覆う。この構造では、第1の実施形態よりも、外部へ放出される磁力線の制御を高精度に行える。
【0086】
その他の点については、上述の第1の実施形態(
図1乃至
図3)と同じである。
【0087】
従って、上述の第1の実施形態で説明した要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第3の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0088】
第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
第4の実施形態
図20乃至
図22は、磁気メモリ装置の第4の実施形態を示している。
図20は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図21は、
図20のXXI−XXI線に沿う断面図であり、
図22は、
図20のXXII−XXII線に沿う断面図である。
【0090】
第4の実施形態は、上述の第1の実施形態と比べると、第2の方向において、第1の部分11aが磁気メモリチップ10の2つの側面を覆う点が異なる。
【0091】
即ち、第4の実施形態では、磁気メモリチップ10の下部に位置する第1の部分11aがU字形(U-form)を有し、磁気メモリチップ10の上部に位置する第2の部分11bがプレート形を有する。
【0092】
また、第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bは、それぞれ第1及び第2の端を有し、第1及び第2の部分間のスペースは、第1及び第2の端において最も狭い。その幅は、Sminである。
【0093】
その他の点については、上述の第1の実施形態(
図1乃至
図3)と同じである。
【0094】
従って、上述の第1の実施形態で説明した要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第2の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0095】
第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0096】
第5の実施形態
図23乃至
図25は、磁気メモリ装置の第5の実施形態を示している。
図23は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図24は、
図23のXXIV−XXIV線に沿う断面図であり、
図25は、
図23のXXV−XXV線に沿う断面図である。
【0097】
第5の実施形態は、上述の第4の実施形態と比べると、第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bの端の構造が異なる。
【0098】
即ち、第5の実施形態では、第1及び第2の部分11a,11bが幅Sminで対向するエリアが、上述の第4の実施形態のそれよりも広い。この構造では、第4の実施形態よりも、外部へ放出される磁力線の制御を高精度に行える。但し、このエリアを広くすることは、磁気メモリ装置のサイズを大きくすることを意味するため、このエリアのサイズは、磁力線の制御と、磁気メモリ装置のサイズと、を鑑みて決定される。
【0099】
その他の点については、上述の第4の実施形態と同じである。
【0100】
従って、上述の第4の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第5の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0101】
第5の実施形態においても、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0102】
第6の実施形態
図26乃至
図28は、磁気メモリ装置の第6の実施形態を示している。
図26は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図27は、
図26のXXVII−XXVII線に沿う断面図であり、
図28は、
図26のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。
【0103】
第6の実施形態は、上述の第4の実施形態と比べると、第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bの端の構造が異なる。
【0104】
即ち、第6の実施形態では、第2の方向において、第2の部分11bのサイズが第1の部分11aのサイズよりも大きく、かつ、第2の部分11bが第1の部分11aの一部を覆う。この構造では、第4の実施形態よりも、外部へ放出される磁力線の制御を高精度に行える。
【0105】
その他の点については、上述の第4の実施形態と同じである。
【0106】
従って、上述の第4の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第6の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0107】
第6の実施形態においても、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】
第7の実施形態
図29乃至
図31は、磁気メモリ装置の第7の実施形態を示している。
図29は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図30は、
図29のXXX−XXX線に沿う断面図であり、
図31は、
図29のXXXI−XXXI線に沿う断面図である。
【0109】
第7の実施形態は、上述の第1の実施形態と比べると、第1及び第2の部分11a,11bが平行平板(parallel plate)の関係を有している点が異なる。
【0110】
即ち、第7の実施形態では、第1及び第2の部分11a,11b間のスペースの幅は、ほぼ一定(Smax)である。
【0111】
第1の部分11aは、回路基板12上に配置され、永久磁石14は、第1の部分11a上に配置され、磁気メモリチップ10は、永久磁石14上に配置され、スペーサ15は、磁気メモリチップ10と第2の部分11bとの間に配置される。
【0112】
この構造では、永久磁石14が磁気メモリチップ10に隣接して配置され、かつ、第1及び第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bの各々が磁気メモリチップ10のサイズよりも大きなサイズを有する。
【0113】
従って、第7の実施形態においても、磁気メモリチップ10内の磁気抵抗効果素子の磁化反転特性のシフトを制御し、磁気メモリ装置の性能を向上させることができる。
【0114】
その他の点については、上述の第1の実施形態(
図1乃至
図3)と同じである。
【0115】
従って、上述の第1の実施形態で説明した要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第7の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0116】
第8の実施形態
図32乃至
図34は、磁気メモリ装置の第8の実施形態を示している。
図32は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図33は、
図32のXXXIII−XXXIII線に沿う断面図であり、
図34は、
図33のXXXIV−XXXIV線に沿う断面図である。
【0117】
第8の実施形態は、上述の第1の実施形態において、第1及び第2の部分11a,11bの第1及び第2の端を互いに結合した点に特徴を有する。
【0118】
磁気メモリチップ10を外部磁界から有効に遮蔽し、かつ、永久磁石14からの磁界を効率よく磁気メモリチップ10に印加するためには、磁性層11(第1及び第2の部分11a,11b)が閉ループ構造(closed loop structure)であるのが望ましい。この場合、永久磁石14からの磁界は、閉磁路(closed magnetic path)を描く。
【0119】
その他の点については、上述の第1の実施形態と同じである。
【0120】
従って、上述の第1の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第8の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0121】
第9の実施形態
図35乃至
図37は、磁気メモリ装置の第9の実施形態を示している。
図35は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図36は、
図35のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図であり、
図37は、
図35のXXXVII−XXXVII線に沿う断面図である。
【0122】
第9の実施形態は、上述の第2の実施形態において、第1及び第2の部分11a,11bの第1及び第2の端を互いに結合した点に特徴を有する。
【0123】
この場合、第8の実施形態と同様に、磁気メモリチップ10を外部磁界から有効に遮蔽し、かつ、永久磁石14からの磁界を効率よく磁気メモリチップ10に印加できる。
【0124】
その他の点については、上述の第2の実施形態と同じである。
【0125】
従って、上述の第2の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第9の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0126】
第10の実施形態
図38乃至
図40は、磁気メモリ装置の第10の実施形態を示している。
図38は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図39は、
図38のXXXIX−XXXIX線に沿う断面図であり、
図40は、
図38のXL−XL線に沿う断面図である。
【0127】
第10の実施形態は、上述の第3の実施形態において、第1及び第2の部分11a,11bの第1及び第2の端を互いに結合した点に特徴を有する。
【0128】
この場合、第8の実施形態と同様に、磁気メモリチップ10を外部磁界から有効に遮蔽し、かつ、永久磁石14からの磁界を効率よく磁気メモリチップ10に印加できる。
【0129】
その他の点については、上述の第3の実施形態と同じである。
【0130】
従って、上述の第3の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第10の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0131】
第11の実施形態
図41乃至
図43は、磁気メモリ装置の第11の実施形態を示している。
図41は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図42は、
図41のXLII−XLII線に沿う断面図であり、
図43は、
図41のXLIII−XLIII線に沿う断面図である。
【0132】
第11の実施形態は、上述の第4の実施形態において、第1及び第2の部分11a,11bの第1及び第2の端を互いに結合した点に特徴を有する。
【0133】
この場合、第8の実施形態と同様に、磁気メモリチップ10を外部磁界から有効に遮蔽し、かつ、永久磁石14からの磁界を効率よく磁気メモリチップ10に印加できる。
【0134】
その他の点については、上述の第4の実施形態と同じである。
【0135】
従って、上述の第4の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第11の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0136】
第12の実施形態
図44乃至
図46は、磁気メモリ装置の第12の実施形態を示している。
図44は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図45は、
図44のXLV−XLV線に沿う断面図であり、
図46は、
図44のXLVI−XLVI線に沿う断面図である。
【0137】
第12の実施形態は、上述の第5の実施形態において、第1及び第2の部分11a,11bの第1及び第2の端を互いに結合した点に特徴を有する。
【0138】
この場合、第8の実施形態と同様に、磁気メモリチップ10を外部磁界から有効に遮蔽し、かつ、永久磁石14からの磁界を効率よく磁気メモリチップ10に印加できる。
【0139】
その他の点については、上述の第5の実施形態と同じである。
【0140】
従って、上述の第5の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第12の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0141】
第13の実施形態
図47乃至
図49は、磁気メモリ装置の第13の実施形態を示している。
図47は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図48は、
図47のXLVIII−XLVIII線に沿う断面図であり、
図49は、
図47のXLIX−XLIX線に沿う断面図である。
【0142】
第13の実施形態は、上述の第6の実施形態において、第1及び第2の部分11a,11bの第1及び第2の端を互いに結合した点に特徴を有する。
【0143】
この場合、第8の実施形態と同様に、磁気メモリチップ10を外部磁界から有効に遮蔽し、かつ、永久磁石14からの磁界を効率よく磁気メモリチップ10に印加できる。
【0144】
その他の点については、上述の第6の実施形態と同じである。
【0145】
従って、上述の第6の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。また、第13の実施形態においても、上述の第1の実施形態における第1乃至第4の変形例(
図4乃至
図11)を適用できる。
【0146】
第14の実施形態
図50乃至
図52は、磁気メモリ装置の第14の実施形態を示している。
図50は、磁気メモリ装置の斜視図であり、
図51は、
図50のLI−LI線に沿う断面図であり、
図52は、
図50のLII−LII線に沿う断面図である。
【0147】
第14の実施形態は、上述の第1乃至第13の実施形態と比べると、ボンディングワイヤ13を接続するエリアを確保するためのスペーサを省略した点が異なる。この場合、ボンディングワイヤ13を接続するエリアを確保するために、第1の方向において、磁気メモリチップ10の上部に配置される第2の部分11bのサイズは、磁気メモリチップ10のサイズよりも小さい。
【0148】
第1の部分11aは、回路基板12上に配置され、永久磁石14は、第1の部分11a上に配置され、磁気メモリチップ10は、永久磁石14上に配置され、第2の部分11bは、磁気メモリチップ10上に配置される。
【0149】
第1の方向において、第1の部分11aは、磁気メモリチップ10のサイズよりも大きなサイズを有する。これに対し、第1の方向において、第2の部分11bは、磁気メモリチップ10のサイズよりも小さなサイズを有する。
【0150】
尚、本例では、第1及び第2の部分11a,11bは、平行平板の関係(第7の実施形態に対応)を有する。但し、これに代えて、第2の方向において、第1及び第2の部分11a,11bの第1及び第2の端は、第1乃至第6の実施形態、並びに、第8乃至第13の実施形態のような構造を有していてもよい。
【0151】
その他の点については、上述の第1乃至第13の実施形態と同じである。
【0152】
従って、上述の第1乃至第13の実施形態の要素と同じ要素には、同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
(適用例)
上述の各実施形態において、磁気メモリチップが磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)であるときの適用例を説明する。
【0154】
メモリセルアレイ30は、複数のメモリセルを備える。ロウデコーダ31a及びカラムデコーダ31bは、アドレス信号Addに基づいて、メモリセルアレイ30内の複数のメモリセルのうちの1つをランダムアクセスする。
【0155】
カラム選択回路32は、カラムデコーダ31bからの信号に基づいて、メモリセルアレイ30とセンスアンプ33とを互いに電気的に接続する役割を有する。
【0156】
リード/ライト制御回路34は、リード時に、メモリセルアレイ30内の選択された1つのメモリセルにリード電流を供給する。センスアンプ33は、リード電流を検出することにより、選択された1つのメモリセル内に記憶されたデータを判別する。
【0157】
また、リード/ライト制御回路34は、ライト時に、メモリセルアレイ30内の選択された1つのメモリセルにライト電流を供給することにより、選択された1つのメモリセルにデータを書き込む。
【0158】
制御回路35は、ロウデコーダ31a、カラムデコーダ31b、センスアンプ33、及び、リード/ライト制御回路34の動作を制御する。
【0160】
本例では、MRAMのメモリセルは、選択トランジスタ(例えば、FET)STと磁気抵抗効果素子MTJとを備える。
【0161】
選択トランジスタSTは、半導体基板21内のアクティブエリアAA内に配置される。アクティブエリアAAは、半導体基板21内の素子分離絶縁層20により取り囲まれる。本例では、素子分離絶縁層20は、STI(Shallow Trench Isolation)構造を有する。
【0162】
選択トランジスタSTは、半導体基板21内のソース/ドレイン拡散層27a,27bと、これらの間において半導体基板21内に形成されるゲート絶縁層28及びゲート電極(ワード線)29と、を備える。本例の選択トランジスタSTは、ゲート電極29が半導体基板21内に埋め込まれる、いわゆる埋め込みゲート構造を有する。
【0163】
層間絶縁層(例えば、酸化シリコン層)22aは、選択トランジスタSTを覆う。コンタクトプラグBEC,SCは、層間絶縁層22a内に配置される。コンタクトプラグBECは、ソース/ドレイン拡散層27aに接続され、コンタクトプラグSCは、ソース/ドレイン拡散層27bに接続される。コンタクトプラグBEC,SCは、例えば、W, Ta, Ru, Tiのうちの1つを含む。
【0164】
磁気抵抗効果素子MTJは、コンタクトプラグBEC上に配置される。磁気抵抗効果素子MTJは、記憶層23、非磁性絶縁層24、参照層25、及び、キャップ層26を備える。
【0165】
磁気抵抗効果素子MTJの抵抗は、磁気抵抗効果により、記憶層23及び参照層25の相対的な磁化方向に依存して変化する。例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗は、記憶層23及び参照層25の磁化方向が同じであるパラレル状態のときに低くなり、記憶層23及び参照層25の磁化方向が逆であるアンチパラレル状態のときに高くなる。
【0166】
記憶層23及び参照層25は、例えば、CoFeB、MgFeOなど、を備える。
【0167】
垂直磁化を持つ磁気抵抗効果素子MTJの場合、記憶層23及び参照層25は、垂直磁気異方性を持つTbCoFe、CoとPtが積層された人工格子、L1oに規則化されたFePtなど、を備えるのが望ましい。この場合、記憶層23と非磁性絶縁層24との間、又は、非磁性絶縁層24と参照層25との間に、それぞれ界面層としてのCoFeBを備えているのが望ましい。
【0168】
非磁性絶縁層24は、例えば、MgO、AlOなどを備える。非磁性絶縁層24は、Al、Si、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Zr、Hfなど、の酸化物であってもよい。非磁性絶縁層24にMgOを用いた場合、抵抗値の制約上、その厚さは、1nm程度に設定される。
【0169】
コンタクトプラグTECは、磁気抵抗効果素子MTJ上に配置される。層間絶縁層(例えば、酸化シリコン層)22bは、磁気抵抗効果素子MTJを覆う。
【0170】
ビット線BL1は、コンタクトプラグTECを介して、磁気抵抗効果素子MTJに接続される。ビット線BL2は、コンタクトプラグSCを介して、ソース/ドレイン拡散層27bに接続される。ビット線BL2は、例えば、リード時に、接地電位が印加されるソース線SLとしても機能する。
【0171】
図57は、不揮発キャッシュシステムの例を示している。
【0172】
MRAMは、プロセッサシステムのキャッシュメモリとして使用することにより、プロセッサシステムの低消費電力化を図ることができる。
【0173】
即ち、MRAMは、無限の書き換え回数、高速リード/ライト、大容量など、の特徴を有する。従って、キャッシュメモリとして一般的に使用されるSRAMやDRAMなどの揮発メモリを、不揮発メモリであるMRAMに置き換えて、低消費電力プロセッサシステムを実現することができる。
【0174】
CPU41は、SRAM42、DRAM43、フラッシュメモリ44、ROM45、及び、MRAM46を制御する。
【0175】
MRAM46は、SRAM42、DRAM43、フラッシュメモリ44、及び、ROM45の代替として使用することが可能である。これに伴い、SRAM42、DRAM43、フラッシュメモリ44、及び、ROM45の少なくとも1つを省略してもよい。
【0176】
MRAM46は、不揮発キャッシュメモリ(例えば、L2キャッシュ)として使用することが可能である。
(むすび)
以上、実施形態によれば、磁気メモリチップを外部磁界から有効に遮蔽することができる。また、磁気シールド層としての磁性層内に設けられる磁石の種類やサイズを変えなくても、磁気抵抗効果素子の磁化反転特性のシフトを制御し、磁気メモリ装置の性能を向上させることができる。
【0177】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実際に、ここに述べたこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、さらに、発明の要旨を逸脱しない範囲で、ここに述べた複数の実施形態において種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。添付した特許請求の範囲及びその均等はこのような形態及び修正を含むことを意図している。