(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496047
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】マスク構造
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20190325BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 Z
A41D13/11 M
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-564479(P2017-564479)
(86)(22)【出願日】2016年6月8日
(65)【公表番号】特表2018-524487(P2018-524487A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】CN2016085255
(87)【国際公開番号】WO2016197942
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】201510315141.7
(32)【優先日】2015年6月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510336428
【氏名又は名称】林淨植
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】林淨植
【審査官】
北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭50−078182(JP,A)
【文献】
実開昭50−068595(JP,U)
【文献】
中国実用新案第203015893(CN,U)
【文献】
中国実用新案第201248380(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1マスク体と、
前記第1マスク体に設けられた主濾過層と、
前記第1マスク体に設けられた空気隔離体と、
前記空気隔離体および前記第1マスク体と接着された第2マスク体と、を備え、
前記主濾過層の面積は、前記第1マスク体の面積よりも小さく、
前記空気隔離体は環状であり、
前記空気隔離体の内周部の全体は、前記主濾過層の外周部と重なり、
前記第1マスク体および前記第2マスク体はそれぞれ、濾過領域と接着領域とを含み、
前記第1マスク体の前記濾過領域の位置は、前記第2マスク体の前記濾過領域の位置に対応し、
前記第1マスク体の前記接着領域の位置は、前記第2マスク体の前記接着領域の位置に対応し、
前記主濾過層の全体は、前記第1マスク体の前記濾過領域および前記第2マスク体の前記濾過領域の内に位置し、
前記空気隔離体は、前記第1マスク体の前記接着領域と前記第2マスク体の前記接着領域とに接合されており、
前記主濾過層は、(i)前記第1マスク体の前記接着領域と、(ii)前記第2マスク体の前記接着領域と、(iii)前記第1マスク体、前記空気隔離体、および前記第2マスク体の接着している部分と、の内に位置せず、
前記主濾過層は、前記第1マスク体の前記濾過領域および前記第2マスク体の前記濾過領域の内に位置していることを特徴とするマスク構造。
【請求項2】
前記第1マスク体は、保護層を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマスク構造。
【請求項3】
前記第2マスク体は、皮膚親和性の層を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマスク構造。
【請求項4】
前記第2マスク体は、前記皮膚親和性の層と前記主濾過層との間に設けられた1つ以上の二次濾過層をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のマスク構造。
【請求項5】
前記1つ以上の二次濾過層は、塵埃濾過層または静電層を含むことを特徴とする、請求項4に記載のマスク構造。
【請求項6】
前記1つ以上の二次濾過層は、塵埃濾過層および静電層を含むことを特徴とする、請求項4に記載のマスク構造。
【請求項7】
前記空気隔離体の材料は、ゴム、プラスチック、金属、およびその他の非通気性材料からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のマスク構造。
【請求項8】
前記主濾過層は、殺菌材料または吸着材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載のマスク構造。
【請求項9】
前記吸着材料は、複数の活性炭粒子であることを特徴とする、請求項8に記載のマスク構造。
【請求項10】
前記空気隔離体は、第1環状部と第2環状部とを含み、
前記第1環状部は、前記第1マスク体の前記接着領域および前記第2マスク体の前記接着領域の内に位置し、
前記第2環状部は、前記第1環状部に対して内側に設けられ、前記第1マスク体の前記濾過領域および前記第2マスク体の前記濾過領域の内に位置することを特徴とする、請求項1
に記載のマスク構造。
【請求項11】
前記第2環状部の全体は、前記第1マスク体と前記主濾過層との間に位置することを特徴とする、請求項10に記載のマスク構造。
【請求項12】
前記第2環状部の全体は、前記第2マスク体と前記主濾過層との間に位置することを特徴とする、請求項10に記載のマスク構造。
【請求項13】
前記第2環状部は、第1隔離シートと第2隔離シートとを含み、
前記第1隔離シートは、前記第1マスク体と前記主濾過層との間に位置し、
前記第2隔離シートは、前記第2マスク体と前記主濾過層との間に位置することを特徴とする、請求項10に記載のマスク構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概ねマスク構造に関する。特に、マスク体と濾過層とを含み、濾過層の面積がマスク体の面積よりも小さいマスク構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般のマスクは、環境にある塵埃、細菌、およびウイルスなどの有害物を濾過し隔離するといった機能を果たす。これによって、環境にある有害物が使用者の口または鼻を介して消化器系または呼吸器系に侵入することを低減または防止し、マスクの使用者を保護する。たとえば、医療関係者または病院内の様々な立場の従業員がマスクを着用することによって、自らを保護することができる。さらに、マスクの着用によって、使用者の唾液および呼気による汚染を防止できる。たとえば、病院の集中治療室にいる患者を訪問する人や、配膳業者の従業員がマスクを着用することができると、当該訪問者または従業員の唾液または飛沫による汚染を阻止することができる。これによって、の向上、および感染症の蔓延の防止を図ることができる。
【0003】
一般人にとって、インフルエンザに対する最も直接的な予防対策としては、ウイルスが伝染しやすい場所を避けること、頻繁に手を洗うこと、およびマスクを着用することがある。SARSが数回世界的に流行した後、マスクの使用および需要が著しく増加している。このため、マスクは繰返し改善されてきた。
【0004】
現在、マスクは、抗菌性マスク、活性炭マスク、および高効率濾過マスク(N95マスクなど)に分類されている。ここで、活性炭マスクについて詳細に説明する。活性炭マスクは通常、2層の保護層と、該2層の保護層の間に設けられた活性炭濾過層とを含む。そして、2層の保護層と活性炭濾過層とが互いに接着されている。残念ながら、活性炭粒子が2層の保護層の間に挟まれるため、2層の保護層の接着が密接でなくなる。活性炭粒子は2層の保護層の間の空間から漏出するため、使用者は、2層の保護層の間から漏出した複数の活性炭粒子によって簡単に汚され得る。製造の環境および設備も汚染され得るため、高清浄度が必要な環境(クレーンルームなど)における活性炭マスクの使用は不可能になる。代替的に、2層の保護層の間に非活性炭濾過層が設けられるが、非活性炭濾過層が厚すぎるため、2層の保護層を完全に接着することができなくなる。上記の問題を軽減するために、複数の活性炭粒子の密度を低下させるか、濾過の厚さを低減する必要があるが、これは、マスクの寿命を短くする。
【0005】
本発明は、上述したような先行技術の欠点を改善し、マスク構造を提供する。本発明によると、主濾過層がマスク構造の接着部に位置しないように、主濾過層の面積が小さくなっている。これにより、上記の問題を避けることができ、マスクの製造コストの軽減ができ、また、製造効率および生産量の向上も図ることができる。さらに、マスク構造の内側および外側の空気が主濾過層のみを通れるように、マスク構造の接着部に空気隔離体が設けられている。つまり、マスク構造の内側および外側の空気は必ず主濾過層によって濾過される。濾過されていない空気がマスク構造の中に入ることがないため、外部の汚染粒子、細菌、またはウイルスがマスク構造の中に入ることを防止できる。また、マスク構造の内側で発生した細菌またはウイルスが外側に広がることを防止できる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的の一つは、主濾過層を含むマスク構造を提供することである。マスク体の外周部に付着した濾過材料に起因して、マスク体の接着が密接でなくなることを防止するために、主濾過層の面積は、マスク構造のマスク体の面積よりも小さい。さらに、主濾過層の濾過材料がマスク構造から漏出することも防止できる。
【0007】
本発明の他の目的は、マスク構造の内側および外側の空気が主濾過層のみを通るように該空気を導くために、マスク体の外周部に接合された空気隔離体を含むマスク構造を提供することである。これによって、汚染粒子、細菌、またはウイルスを含む、マスク構造の内側および外側の空気が、主濾過層を通過するように強いられるので、汚染粒子、細菌、またはウイルスを含む、マスク構造の内側および外側の空気が、主濾過層によって濾過されずにマスク構造の
外側および内側に広がることを防止することができる。
【0008】
本発明のさらなる目的は、主濾過層における濾過材料の密度を高めるための空気隔離体を含むマスク構造を提供し、それによってマスク構造の寿命を延長することである。さらに、主濾過層に、厚手で重みのある材料を採用することが出来る。
【0009】
本発明に係るマスク構造は、第1マスク体と、主濾過層と、空気隔離体と、第2マスク体とを含む。主濾過層は第1マスク体に設けられている。主濾過層の面積は、第1マスク体の面積よりも小さい。空気隔離体は、主濾過層の外周部に隣接するように第1マスク体に設けられている。また、第2マスク体は、空気隔離体および第1マスク体と接着されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るマスク構造の概略図を示す。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るマスク構造の分解図を示す。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るマスク構造が使用されている状態を示す図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るマスク構造が使用されている状態を示す図である。
【
図5】本発明の第3実施形態に係るマスク構造が使用されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の構造、特徴、および効果の理解および認識を深めるために、本発明の詳細な説明を、実施の形態および添付図面と共に、以下に提供する。
【0012】
まず、本発明の第1実施形態に係るマスク構造の概略図および分解図を示す、
図1および
図2に参照する。
図1および
図2に示すように、本実施形態は、第1マスク体10と、主濾過層11と、空気隔離体12と、第2マスク体13とを含むマスク構造1を提供する。第1マスク体10、主濾過層11、および第2マスク体13はいずれも通気性材料であり、一方、空気隔離体12は、非通気性材料である。主濾過層11は、第1マスク体10に設けられ、第1マスク体10の面積よりも小さい面積を有する。主濾過層11は、殺菌材料または吸着材料を含んでもよい。主濾過層11は、1mmを超える厚さを有する、厚手で重みのある材料であってもよい。本実施形態に係る主濾過層11は、活性炭粒子の吸着性材料を複数含む。空気隔離体12は、第1マスク体10に設けられ、環状である。空気隔離体12の内周部は主濾過層11の外周部と重なる。第2マスク体13は、主濾過層11および空気隔離体12を覆う。そして、第2マスク体13、空気隔離体12、および第1マスク体10は接着されて、マスク構造1を形成する。接着は、例えば、熱プレスまたは超音波溶融を用いて行われるが、これに限定されない。
【0013】
言い換えれば、本実施形態に係るマスク構造1の第1マスク体10および第2マスク体13をそれぞれ、濾過領域101、131および接着領域102、132に区画することができる。第1マスク体10の濾過領域101は第2マスク体13の濾過領域131に対応する。同様に、第1マスク体10の接着領域102は第2マスク体13の接着領域132に対応する。主濾過層11は、第1マスク体10の濾過領域101および第2マスク体13の濾過領域131の内に位置する。したがって、主濾過層11の面積は、第1マスク体10および第2マスク体13のそれぞれの面積よりも小さい。
【0014】
図3に示すように、空気隔離体12は、第1環状部121と第2環状部122とを含む。第2環状部122は、第1環状部121の内側に設けられている。空気隔離体12の外周部は第1環状部121に位置し、空気隔離体12の内周部は第2環状部122に位置する。第1環状部121は第1マスク体10の接着領域102および第2マスク体13の接着領域132の内に位置する。第2環状部122は濾過領域101内および濾過領域131の内に位置する。これによって、空気隔離体12の内周部は主濾過層11の外周部と重なる。本実施形態によると、空気隔離体12の第2環状部122は第1マスク体10と主濾過層11との間に位置する。代替的に、空気隔離体12の第2環状部122は、
図4に示すように、第2マスク体13と主濾過層11との間に位置してもよい。
【0015】
さらに、空気隔離体12の第1環状部121は、第1マスク体10の接着領域102および第2マスク体13の接着領域132に接合されている。空気隔離体12の第2環状部122および主濾過層11は、第1マスク体10、空気隔離体12、および第2マスク体13が接着された部分に位置しない。
【0016】
上述のように、マスク構造1の主濾過層11の面積は、第1マスク体10および第2マスク体13の面積よりも小さい。主濾過層11は、その全体が第1マスク体10および第2マスク体13内に位置し、第1マスク体10、空気隔離体12、および第2マスク体13が接着された部分には位置しない。これによって、第1マスク体10、空気隔離体12、および第2マスク体13が接着された部分において、活性炭粒子が主濾過層11に付着することに起因する、密接でない接着が起こらない。主濾過層が殺菌材料である場合、または1mmを超える厚さを有する厚手で重みのある材料である場合も、本実施形態に係るマスク構造が同様に適用される。すなわち、主濾過層11は第1マスク体10、空気隔離体12、および第2マスク体13が接着された部分に位置しない。そして、当該接着部部分において、主濾過層11の濾過材料の付着に起因する、または主濾過層11の過剰な厚さに起因する密接でない接着が起こらない。
【0017】
第1マスク体10、空気隔離体12、および第2マスク体13が接着された部分における接着が密接であるため、マスク構造1の使用時に、主濾過層11の活性炭粒子またはその他の濾過材料が、第1マスク体10および第2マスク体13が接着された部分から漏出することがなく、使用者および使用者の環境を汚染するといったことが起こらない。接着が密接であるため、マスク構造の製造時に、製造の設備および環境に対する汚染が起こらず、このため製造効率および生産量が向上される。さらに、本実施形態に係るマスク構造1の主濾過層11の面積が、第1マスク体10および第2マスク体13の面積よりも小さいため、マスク構造1の製造コストが低減される。また、本実施形態に係るマスク構造1の主濾過層11における殺菌材料または吸着材料の密度を高めることが可能なため、マスク構造1の寿命を効果的に延長することができる。
【0018】
本発明の第1実施形態に係るマスク構造が使用されている状態を示す
図3に参照する。
図3に示すように、使用者が本実施形態に係るマスク構造1を着用する。使用者が息を吸うと共に、マスク構造1の外側にある空気がマスク構造1に入る。空気隔離体12の材料が非通気性材料であるため、外部の空気は、空気隔離体12を通ることができず、その代わりに、空気隔離体12に沿って流れ、第1マスク体10の濾過領域に入る。言い換えれば、空気隔離体12は、外部の空気が第1マスク体10の濾過領域101のみを通って主濾過層11を通過するように、該空気を導く。その後、空気は第2マスク体13の濾過領域131を介してマスク構造1の中に入る。特に、空気隔離体12の内周部は主濾過層11の外周部と重なる。このため、外部の空気が、空気隔離体12と主濾過層11との間の隙間を通るといったことが起こらない。つまり、外部の空気は、主濾過層11以外の領域を通ることがない。これによって、外部の空気を全て主濾過層11によって濾過することができる。当然ながら、使用者がマスク構造1の内側で吐き出す空気は、順に、第2マスク体13の濾過領域131から主濾過層11へ、そして第1マスク体10の濾過領域101へと排出され得る。ここで、詳細な説明を省略する。
【0019】
本実施形態に係るマスク構造1は立体的なマスク構造1である。第1マスク体10、主濾過層11、空気隔離体12、および第2マスク体13は本来平面状である。第1マスク体10、主濾過層11、空気隔離体12、および第2マスク体13は、組み立てられる際、立体的なマスク構造1のプレス成形のための型に入れられる。代替的に、第1マスク体10、主濾過層11、空気隔離体12、および第2マスク体13は、組み立てられる前に立体的であってもよい。この場合、第1マスク体10、主濾過層11、空気隔離体12、および第2マスク体13をそのまま組み立てて、立体的なマスク構造1を形成することができる。代替的に、マスク構造1は平面状のマスクであってもよい。ここで、詳細な説明を省略する。
【0020】
さらに、本実施形態に係る第1マスク体10は、主濾過層11に対する汚染を予防するための保護層である。第2マスク体13は、皮膚に対する刺激を防止し、マスク構造1の着用時の快適性を向上させるための、皮膚親和性の層である。本実施形態に係る空気隔離体12の材料は、プラスチック、ゴム、金属およびその他の非通気性材料からなる群から選択してもよい。プラスチック材料は、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、またはポリエチレン(PE)であってもよい。上述した第1マスク体10および第2マスク体13の構造ならびに空気隔離体12の材料は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明はこれに限定されない。
【0021】
次に、本発明の第3実施形態に係るマスク構造が使用されている状態を示す
図5に参照する。
図5に示すように、前の実施形態に係る空気隔離体12の第1環状部121および第2環状部122は両方とも単層構造である。これに対し、本実施形態に係る空気隔離体12の第2環状部122は二重層構造である。具体的に、第1隔離シート1221と第2隔離シート1222とを含む。これによって、第2環状部122の第1隔離シート1221および第2隔離シート1222は、主濾過層11の外周部を挟むことができる。第1隔離シート1221は、第1マスク体10と主濾過層11との間に位置し、第2隔離シート1222は、主濾過層11と第2マスク体13との間に位置する。本実施形態に係る空気隔離体12の機能は、前の実施形態と同様である。相違点は、その構造のみである。
【0022】
本実施形態に係るマスク構造1は、皮膚親和性の層133と主濾過層11との間に設けられた二次濾過層14をさらに含む。本実施形態に係る二次濾過層14は、主濾過層11に濾過されない塵埃の粒子を濾過するための塵埃濾過層であり、塵埃の粒子がマスク構造1の中に入ることを防止する。二次濾過層14の代わりに静電層を設けてもよい。静電層は、主濾過層11に濾過されない汚染粒子を引き付けて、汚染粒子がマスク構造1の中に入ることを防止できる。代替的に、マスク構造1に2層の二次濾過層14を設けてもよい。つまり、マスク構造1内に塵埃濾過層と静電層とを設けてもよい。これらの層の機能は上述したため、ここでの詳細の説明は省略する。
【0023】
要約すれば、本発明はマスク構造を提供する。主濾過層は第1マスク体と第2マスク体との間に設けられる。主濾過層の面積は、第1マスク体および第2マスク体の面積よりも小さいため、主濾過層は第1マスク体の濾過領域および第2マスク体の濾過領域の内に位置する。そのため、マスク構造のコストが効果的に低減される。さらに、空気隔離体は、第1マスク体と第2マスク体との間に設けられ、第1マスク体の接着領域および第2マスク体の接着領域の内に位置する。このため、主濾過層は第1マスク体の接着領域および第2マスク体の接着領域の内に位置せず、第1マスク体、空気隔離体、および第2マスク体の接着に対する、主濾過層の厚さおよび濾過材料による影響を避けることができる。第1マスク体および第2マスク体が接着されている部分からの、主濾過層の濾過材料の漏出を防止することもできる。
【0024】
さらに、空気隔離体は、マスク構造の内側および外側の空気が主濾過層の外側の領域を通ることを防止することができる。言い換えれば、マスク構造の内側および外側の空気は必ず主濾過層を通り、主濾過層によって濾過される。このため、外部の空気に含まれる汚染粒子、細菌、またはウイルスがマスク構造の中に入り使用者によって吸入されることを防止する。また、マスク構造の内側の汚染粒子、細菌、またはウイルスがマスク構造の外側に広がることも防止する。さらに、本発明に係るマスク構造の寿命を効果的に延長するために、本発明に係るマスク構造において高密度の主濾過層、または厚手で重みのある材料からなる主濾過層を採用することができる。
【0025】
本発明は、その新規性、非自明性、および有用性に基づき、法定の要件に適合している。しかしながら、上記の説明は本発明の実施形態に過ぎず、本発明の領域および範囲を限定するものではない。本発明の請求項に示した形状、構造、特徴、または精神ついて為される等価な変更または修正は当該請求項に含まれる。