(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6496051
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 4/00 20180101AFI20190325BHJP
G05D 1/02 20060101ALI20190325BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20190325BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20190325BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
H04W4/00 110
G05D1/02 H
H04W88/06
H04W76/10
B65G1/00 501C
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-4515(P2018-4515)
(22)【出願日】2018年1月15日
【審査請求日】2018年1月15日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0172163
(32)【優先日】2017年12月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515116054
【氏名又は名称】オ,ハクソ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オ,ハク ソ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨル グォン
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開平6−237212(JP,A)
【文献】
特開2017−182234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
G05D1/02
B65G1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人移送装置の無人車通信ユニットには、初期化設定関連の情報伝送のための初期化設定送信モジュールが備えられ、各設備に設けられる設備用通信ユニットには、初期化設定関連の情報受信のための初期化設定受信モジュールが備えられて前記無人移送装置を介して各設備間に搬送物を移送させる自動搬送システムでの前記無人移送装置と各設備間のRF通信方法において、
前記無人移送装置に無人車IDとRFチャンネル情報を含む無人車RF初期化情報が登録された前記無人車通信ユニットを備えた状態で、該無人車通信ユニットは前記初期化設定送信モジュールを通して無人車RF初期化情報を設備側に送出する第11ステップ、
設備IDを含む設備RF初期化情報が登録された前記設備用通信ユニットが設備に備えられた状態で、該設備用通信ユニットは前記初期化設定受信モジュールを通して前記無人車通信ユニットから認可される前記無人車RF初期化情報を受信する第12ステップ、
前記設備用通信ユニットで前記初期化設定受信モジュールを通して受信した前記無人車RF初期化情報を基にして第2RF通信モジュールを初期化する第13ステップ、
前記設備用通信ユニットで前記第2RF通信モジュールを通し前記設備RF初期化情報をRF信号に変換して前記無人移送装置に伝送する第14ステップ、
前記無人車通信ユニットで前記設備用通信ユニットから認可される前記設備RF初期化情報を基にして第1RF通信モジュールを初期化する第15ステップ、及び、
前記無人車通信ユニットの前記第1RF通信モジュールと前記設備用通信ユニットの前記第2RF通信モジュールを通し搬送物移籍材関連の情報をRF信号で送受信する第16ステップを含んで構成されることを特徴とする自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【請求項2】
前記RFチャンネル情報は、初期化設定用第1周波数に当たる第1チャンネル情報と、制御データ通信用の第2周波数に当たる第2チャンネル情報からなるものの、前記第2周波数は第1周波数より周波数帯の域幅が大きく設定され、
第11ステップで前記無人車通信ユニットは前記第1チャンネル情報を含む前記無人車RF初期化情報を設備側に送出し、
第14ステップで前記設備用通信ユニットは第1周波数を用いて前記第2チャンネル情報を含む前記設備RF初期化情報を前記無人移送装置に伝送した後、前記第2RF通信モジュールを第2周波数に初期化し、
第15ステップで前記無人車通信ユニットは前記第1RF通信モジュールを第2周波数に初期化設定し、
第16ステップで前記無人車通信ユニットと前記設備用通信ユニットは第2周波数を用いて移籍材関連の制御データをRF信号で送受信することを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【請求項3】
前記第11ステップで前記無人車通信ユニットは該当位置に対応する設備IDが含まれた前記無人車RF初期化情報を前記初期化設定送信モジュールを通し設備側に送出して、
第13ステップで前記設備用通信ユニットは前記初期化設定受信モジュールを介して受信された前記無人車RF初期化情報に自分の設備IDが含まれた場合に限って前記第2RF通信モジュールに対するRF初期化設定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【請求項4】
前記設備側には自分の設備IDと前記RFチャンネル及び通信媒体のうち、一つ以上を含む前記設備RF初期化情報に当たるバーコードが貼付されて構成され、
前記第11ステップで前記無人車通信ユニットはバーコード認識手段を通し当該設備に対する設備IDを獲得し、獲得した設備IDを含む前記無人車RF初期化情報を前記初期化設定送信モジュールを通して設備側に送出することを特徴とする請求項3に記載の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【請求項5】
前記バーコード認識手段は、バーコード位置認識センサーと、バーコートリーダーを含んで構成され、
前記無人車通信ユニットは前記バーコード位置認識センサーによって所定の位置に到着したことを認識してバーコード読み取りの命令を与えるTRIG信号ライン、前記バーコートリーダーを通し読み取られたバーコード情報を無人車制御機で受信するRxD信号ライン、前記無人車制御機でバーコード情報に対する応答信号を前記バーコートリーダーに伝送するTxD信号ライン、前記バーコートリーダーがバーコードの読み取りが完了したことを前記無人車制御機に伝送するOK信号ライン、及び、前記バーコートリーダーがバーコードの読み取りにエラーが発生したことを前記無人車制御機に伝送するNG信号ラインを連結してバーコード情報を認識することを特徴とする請求項4に記載の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【請求項6】
前記初期化設定送信モジュール及び前記初期化設定受信モジュールは、超音波、IR光、及び無線周波数の中の一つの通信媒体を用いて前記無人車RF初期化情報を送受信することを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【請求項7】
無線移送装置を通し各設備間に搬送物を移送させる自動搬送システムで無人車通信ユニットと各設備用通信ユニット間のRF通信方法において、
設備ID及びRFチャンネルを含む設備RF初期化情報が登録された前記設備用通信ユニットが設備に付加された状態で、前記設備用通信ユニットは初期化設定送信モジュールを通し所定の周期毎に前記設備RF初期化情報を送出する第21ステップ、
無人車IDを含む無人車RF初期化情報が登録された前記無人車通信ユニットを具備した無人移送装置が作業する設備周辺で該当設備から送出される前記設備RF初期化情報を初期化設定受信モジュールを通し受信する第22ステップ、
前記無人車通信ユニットは前記初期化設定受信モジュールを通し受信された前記設備RF初期化情報を基にして第1RF通信モジュールを初期化する第23ステップ、及び、
前記無人車通信ユニットの前記第1RF通信モジュールと前記設備用通信ユニットの第2RF通信モジュールを通し搬送物移籍材関連の情報をRF信号で送受信する第24ステップを含んで構成されることを特徴とする自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【請求項8】
前記第21ステップで前記設備用通信ユニットは前記無人車IDが含まれた前記設備RF初期化情報を前記初期化設定送信モジュールを通し所定の周期毎に送出し、
第23ステップで前記無人車通信ユニットは前記初期化設定受信モジュールを通し受信された前記設備RF初期化情報に自分の無人車IDが含まれた場合に限って前記第1RF通信モジュールに対するRF初期化設定処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【請求項9】
前記初期化設定送信モジュール及び前記初期化設定受信モジュールは、超音波、IR光、及び無線周波数の中の一つの通信媒体を用いて前記設備RF初期化情報を送受信することを特徴とする請求項7に記載の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法に係り、より詳しくは、無人移送装置と製造設備に備えられる別途の通信モジュールを用いて無人移送装置と製造設備間のRF通信環境を設けることで、既設置された光通信方式の自動搬送システムに対する構造変更を最小化し、且つ、RF通信方式の自動搬送システムを構築する自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体素子または液晶表示装置などの製造工程では自動搬送システム(Automated Material Handling System:AMHS)を用いて資材物品を各製造工程の製造装置に移送して資材物品から各製造装置の工程によって製品製造が行われるようにしている。このような自動搬送システムは半導体基板又は液晶基板を、受納しているキャリアから製造工程ライン上に設けられた各製造設備に移送し、又、各製造設備で工程を完了した物品をさらに受納して次の工程の製造装置に移送するために無人移送装置を利用する。
このような搬送物の無人移送装置には、移動方式によって自らルートを判断して走行するAGV(Automated Guided Vehicle)、底面に設置されたガイドレールを追って走行するRGV(Rail Guided Vehicle)、天頂面に設置されたガイドレールを追って走行するOHT(Overhead Hoist Transport)等々がある。このような無人移送装置はそれぞれ自体の運転走行によるか、又は、底面に設置されたガイドレールや天頂面に設置されたガイドレールを追って製造設備に移動した後、作動アーム、ホイスト及び/又はハンドを用いて製造設備に搬送物を搬送/搬入する。
このような搬送物の搬送/搬入は製造工程ラインの全体を制御するメインコントローラの制御下で無人移送装置と製造工程ライン上に設置された各製造設備に各々搭載されたホストコンピューターにより行われる。更に、搬送物の搬送/搬入時には、無人移送装置と製造設備を連動動作させる必要があるので、無人移送装置と製造設備の双方にIR(Infrared)を利用した光通信方式の伝送装置をそれぞれ設置し、互いに必要なデータの送受信することによって搬送物の搬送/搬入を円滑に実施している。
【0003】
図1は、従来のIR光通信方式を採用した自動搬送システムの通信システムを説明する概略図である。このような方式で通信を実施する場合には、無人移送装置と製造設備との間の通信ユニットができるだけ近い距離に設けられなければならないという制約がある。このため、天頂で動作する無人移送装置の通信ユニットとIR光通信を行うためには、製造設備の通信ユニットも同様に天頂に設置する必要がある。
このような制約のある設置条件のために、一般に数千台に及ぶ製造設備から5m以内の高さの天頂に設備用通信ユニットのケーブルが長く設置されなければならないが、工場内部の美観及び管理に困難があるだけでなく、固有IDを使用せずに通信を行うので、隣接した通信装置間に干渉が生ずる恐れがある。
この光通信方式の欠点を避けるために、通信ユニットをRF(Radio−Frequency)方式に交替すると、IDを介してデータを伝送するので、干渉の問題を回避することができ、設備用の通信ユニットを天頂に設置しなくても無人移送装置と製造設備間の通信を行えるようになる。
【0004】
図2は、従来のRF通信方式を利用した自動搬送システムの通信システムを説明する概略図である。このようなRF通信方式では、各製造設備ごとに固有のIDが与えられるので、無人移送装置側では該製造設備に対するID及び通信チャンネル情報を認識して、無人車制御機からこれをRF通信モジュールにセッティングしてから製造設備との通信が行われる。この時、各製造設備の通信モジュールには自分のID及び通信チャンネル情報があらかじめ入力される。
また、最近では、
図3に示したように、無人移送装置にIR通信モジュールとRF通信モジュールを共に備えた通信ユニットを装備することによって、IR通信とRF通信を選択的に利用する自動搬送システムも提案されている。このような通信方式では製造設備の位置に関係した周辺環境からの干渉などによるデータ伝送のエラーを最小化させるように光通信方式とRF通信方式のどちらか一つを選択的に利用することができる。
【0005】
しかしながら、従来の光通信方式の自動搬送システムが工場内に既に構築されているか、既存システムをそのまま使用すべき状態で
図2、又は
図3のようなRF通信方式の自動搬送システムを構築しようとする場合、従来のIR光通信方式の自動搬送システムには通信モジュールにIDを設定する機能が全く搭載されていないため、IR方式からRF方式への切り替え又はIR方式からIR方式とRF方式の併用方式へ切り替えには、通信モジュールの交替又は追加時に無人移送装置の無人車制御機の構造までも全体的に変更する必要がある。
すなわち、IR光通信方式では、
図1に示したように、無人移送装置の無人車制御機と通信モジュール間に入力/出力端子のみ連結する構造で構成されるか、
図2及び
図3に示したように、RF通信方式ではシリアル(Serial)端子を介してID及びチャンネル設定を行うように構成されるので、無線移送装置の無人車制御機を新たに設置しなければならない。
以上のとおり、既存の光通信方式の自動搬送システムをRF通信方式の自動搬送システムに変更するためには、無人移送装置の全体を変更又は交替する作業が必要となり、設備ラインを長期間に亘り停止する必要があるので、多くの時間や費用がかかり、また、使用者の不便さを伴うという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許 第10−1527686号
【特許文献2】韓国登録特許 第10−1616706号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、既存に設置されたIR通信方式の自動搬送システムに、RF通信方式の無人移送装置と製造設備のRF通信ユニットのみを交替する簡単な方法で無人移送装置と設備間のRF通信を行うことができるようにする自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためなされた本発明の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法は、無人移送装置の無人車通信ユニットには、初期化設定関連の情報伝送のための初期化設定送信モジュールが備えられ、各設備に設けられる設備用通信ユニットには、初期化設定関連の情報受信のための初期化設定受信モジュールが備えられ、無人移送装置を介して各設備間に搬送物を移送させる自動搬送システムでの無人移送装置と各設備間のRF通信方法において、無人移送装置に無人車IDとRFチャンネル情報を含む無人車RF初期化情報が登録された無人車通信ユニットを備えた状態で、無人車通信ユニットは初期化設定送信モジュールを通て無人車RF初期化情報を設備側に送出する第11ステップ、設備IDを含む設備RF初期化情報が登録された設備用通信ユニットが設備に備えられた状態で、設備用通信ユニットは初期化設定受信モジュールを通して無人車通信ユニットから認可される無人車RF初期化情報を受信する第12ステップ、設備用通信ユニットで初期化設定受信モジュールを通し
て受信した無人車
RF初期化情報を基にして第2RF通信モジュールを初期化する第13ステップ、設備用通信ユニットで第2RF通信モジュールを通し設備RF初期化情報をRF信号に変換して無人移送装
置に伝送する第14ステップ、無人車通信ユニットで設備用通信ユニットから認可される設備RF初期化情報を基にして第1RF通信モジュールを初期化する第15ステップ、及び、無人車通信ユニットの第1RF通信モジュールと設備用通信ユニットの第2RF通信モジュールを通し搬送物の移籍材関連情報をRF信号で送受信する第16ステップを含んで構成されることを特徴とする。
【0009】
RFチャンネル情報は、初期化設定用の第1周波数に当たる第1チャンネル情報と、制御データ通信用の第2周波数に当たる第2チャンネル情報からなるものの、第2周波数は第1周波数より周波数帯の域幅が大きく設定され、第11ステップで無人車通信ユニットは第1チャンネル情報を含む無人車RF初期化情報を設備側に送出し、第14ステップで設備用通信ユニットは第1周波数を用いて第2チャンネル情報を含む設備RF初期化情報を無人移送装
置に伝送した後、第2RF通信モジュールを第2周波数に初期化し、第15ステップで無人車通信ユニットは第1RF通信モジュールを第2周波数に初期化設定し、第16ステップで無人車通信ユニットと設備用通信ユニットは第2周波数を用いて移籍材関連の制御データをRF信号で送受信することが好ましい。
第11ステップで無人車通信ユニットは該当位置に対応する設備IDが含まれた無人車RF初期化情報を初期化設定送信モジュールを通し設備側に送出して、第13ステップで設備用通信ユニットは初期化設定受信モジュールを介して受信された無人車RF初期化情報に自分の設備IDが含まれた場合に限って第2RF通信モジュールに対するRF初期化設定処理を行うことができる。
【0010】
設備側には自分の設備IDとRFチャンネル及び通信媒体のうち
、一つ以上を含む設備RF初期化情報に当たるバーコードが貼付されて構成され、第11ステップで無人車通信ユニットはバーコード認識手段を通して当該設備に対する設備IDを獲得し、獲得した設備IDを含む無人車RF初期化情報を初期化設定送信モジュールを通して設備側に送出することができる。
バーコード認識手段は、バーコード位置認識センサーと、バーコートリーダーを含んで構成され、無人車通信ユニットはバーコード位置認識センサーによって所定の位置に到着したことを認識してバーコード読み取りの命令を与えるTRIG信号ライン、バーコートリーダーを通し読み取られたバーコード情報を無人車制御機で受信するRxD信号ライン、無人車制御機でバーコード情報に対する応答信号をバーコートリーダーに伝送するTxD信号ライン、バーコートリーダーがバーコードの読み取りが完了したことを無人車制御機に伝送するOK信号ライン、及び、バーコートリーダーがバーコードの読み取りにエラーが発生したことを無人車制御機に伝送するNG信号ラインを連結してバーコード情報を認識することが好ましい。
初期化設定送信モジュール及び初期化設定受信モジュールは
、超音波、IR光、及
び無線周波数の中の一つの通信媒体
を用いて前記無人車RF初期化情報を送受信することが
好ましい。
【0011】
上記の目的を達成するためになされた本発明の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法は、無線移送装置を通し各設備間に搬送物を移送させる自動搬送システムで無人車通信ユニットと各設備用通信ユニット間のRF通信方法において、設備ID及びRFチャンネルを含む設備RF初期化情報が登録された設備用通信ユニットが設備に付加された状態で、設備用通信ユニットは初期化設定送信モジュールを通し所定の周期毎に設備RF初期化情報を送出する第21ステップ、無人車IDを含む無人車RF初期化情報が登録された無人車通信ユニットを具備した無人移送装置が作業する設備周辺で該当設備から送出される設備RF初期化情報を初期化設定受信モジュールを通し受信する第22ステップ、無人車通信ユニットは初期化設定受信モジュールを通し受信された設備RF初期化情報を基にして第1RF通信モジュールを初期化する第23ステップ、及び、無人車通信ユニットの第1RF通信モジュールと設備用通信ユニットの第2RF通信モジュールを通し搬送物移籍材関連の情報をRF信号で送受信する第24ステップを含んで構成されることを特徴とする。
【0012】
第21ステップで設備用通信ユニットは無人車IDが含まれた設備RF初期化情報を初期化設定送信モジュールを通し所定の周期毎に送出し、第23ステップで無人車通信ユニットは初期化設定受信モジュールを通し受信された設備RF初期化情報に自分の無人車IDが含まれた場合に限って第1RF通信モジュールに対するRF初期化設定処理を行うことができる。
初期化設定送信モジュール及び初期化設定受信モジュールは
、超音波、IR光、及
び無線周波数の中の一つの通信媒体
を用いて前記設備RF初期化情報を送受信することが
好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、無人移送装置と製造設備に備えられた光通信モジュールまたはRF送受信モジュールを採用して無人移送装置と製造設備間のRF通信環境を構築することで、無人移送装置と設備側の通信ユニットだけを交替する簡単な方法で既設置された光通信方式の自動搬送システムをRF通信方式の自動搬送システムで容易に構築できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来のIR光通信方式を利用した自動搬送システムの通信システムを説明する概略図である。
【
図2】従来のRF通信方式を利用した自動搬送システムの通信システムを説明する概略図である。
【
図3】従来のIR光通信方式及びRF通信方式を利用した自動搬送システムの通信システムを説明する概略図である。
【
図4】本発明が適用される自動搬送システムで無人車通信ユニットと設備用通信ユニットの内部構成を機能的に分類して示したブロック構成図である。
【
図5】本発明による自動搬送システムで無人移送装置と設備間のRF通信方法を説明するための図面である。
【
図6】本発明が適用されるもう一つの自動搬送システムの概略的な構成を示した図面である。
【
図7】本発明が適用される自動搬送システムで無人車通信ユニットと設備用通信ユニットの内部構成を機能的に分類して示したブロック構成図である。
【
図8】本発明による自動搬送システムで無人移送装置と設備間のRF通信方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
以下では無人車通信ユニットと設備用通信ユニット間のRF通信のための初期設定情報を“RF初期化情報”と定義し、無人移送装置に対するRF初期化情報を“無人車RF初期化情報”、製造設備に対するRF初期化情報を“設備RF初期化情報”と定義する。
また、本発明は無人移送装置と製造設備間の制御情報を送受信するための通信媒体とRF初期化設定のための通信媒体をそれぞれ具備して、これを通して上位側の変更がなくても既存システムを容易にRFシステムにアップグレードさせることが可能なことが重要なポイントである。この時、RF初期化設定のための通信媒体には超音波、IR光、無線周波数などが利用できる。無線周波数を用いてRF初期化設定を行う場合、既存システムの無線モジュールを利用することも可能である。
以下に説明する実施例では、RF初期化設定のための通信媒体をIRとして説明した。
【0016】
図4は本発明が適用される自動搬送システムで無人車通信ユニットと設備用通信ユニットの内部構成を機能的に分類して示したブロック構成図である。本発明の自動搬送システムに利用されるRF通信システムは、無線移送装置を通し各製造設備間に搬送物を移送させる自動搬送システムと、無人移送装置に備えられる無人車通信ユニット(100)と各製造設備に備えられる設備用通信ユニット(200)が互いにデータを交換する通信システムである。
図4に示したとおり、無人車通信ユニット(100)は無人移送装置の無人車制御機と入出力信号ラインを通し連結してデータ通信を行い、設備用通信ユニット(200)は製造設備の設備制御機と入出力信号ラインを通し連結してデータ通信を行う。
無人車通信ユニット(100)は第1コントローラ(110)と第1RF通信モジュール(120)及び、IR送信モジュール(130)を含み、設備用通信ユニット(200)は第2コントローラ(210)と、第2RF通信モジュール(220)及び、IR受信モジュール(230)を含む。
【0017】
無人車通信ユニット(100)の第1コントローラ(110)は無人移送装置の無人車制御機から提供されている情報を基にしてIR送信モジュール(130)又は第1RF通信モジュール(120)を介して設備用通信ユニット(200)とのデータ通信を行う。
この時、無人車通信ユニット(100)の第1コントローラ(110)はIR送信モジュール(130)を通しRF初期化情報を設備用通信ユニット(200)に伝送し、第1RF通信モジュール(120)を通し搬送物移送関連の制御情報を設備用通信ユニット(200)に伝送する。
無人車通信ユニット(100)の第1RF通信モジュール(120)は第1コントローラ(110)と信号を交換する入出力回路と、RF変調回路、及びRFアンテナなどを含んで、第1コントローラ(110)から認可される制御データをRF通信方式で設備用通信ユニット(200)に伝送すると共に、設備用通信ユニット(200)からRF信号形態で受信される設備側RF初期化情報を受信する。
【0018】
無人車通信ユニット(100)のIR送信モジュール(130)は第1コントローラ(110)から提供されている信号をIR信号に変調するIR変調回路とIRやLEDなどの光源を含み、第1コントローラ(110)から認可される無人車側RF初期化情報をIR通信方式で設備用通信ユニット(200)に伝送する。
また、設備用通信ユニット(200)の第2コントローラ(210)はポート名などの製造設備識別情報、すなわち、設備用ID及びチャンネル情報を含む設備RF初期化情報を保存し、無人車通信ユニット(100)で設備用通信ユニット(200)に転送されたデータを分析して識別情報を抽出する。第2RF通信モジュール(220)は抽出した識別情報が該当製造設備の識別情報と一致する場合にだけ応答信号を生成して第2RF通信モジュール(220)に伝達する。
この時、第2コントローラ(210)はIR受信モジュール(230)を介して受信されたIR信号から無人移送装置に対する無人車RF初期化情報を抽出し、抽出された無人車RF初期化情報で初期化することによって、第2RF通信モジュール(220)を通し自分の設備RF初期化情報を無人移送装置で伝送する。
【0019】
設備用通信ユニット(200)の第2RF通信モジュール(220)は第1RF通信モジュール(120)と同じ構造で形成され、無人移送装置とRF通信がなされるようにする。そして、第1RF通信モジュール(120)で転送されたデータを受信して、これに対応する応答信号を発信することによって、第1RF通信モジュール(120)と第2RF通信モジュール(220)間の通信リンクを構築する。
設備用通信ユニット(200)のIR受信モジュール(230)は、無人車通信ユニット(100)のIR送信モジュール(130)と対応する位置に配置され、IR送信モジュール(130)から発生されるIR信号を受信するとともに、受信したIR信号を分析して無人車用RF初期化情報を抽出する。
即ち、無人車通信ユニット(100)はIR送信モジュール(130)を通して無人車RF初期化情報を設備用通信ユニット(200)のIR受信モジュール(230)に伝送して、設備用通信ユニット(200)は無人車RF初期化情報で第2RF通信モジュール(220)を初期化し、これを通して設備RF初期化情報を無人車通信ユニット(100)の第1RF通信モジュール(120)に伝送することによって、無人車通信ユニット(100)と設備用通信ユニット(200)間のRFリンクを設定してRF通信を行う。
したがって、本発明では、無人移送装置の無人車制御機の構造を変更させずとも 無人車通信ユニット(100)と設備用通信ユニット(200)間のRF初期化設定を行い、互いにRF通信を行うことができる。
【0020】
図5は本発明の自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法を説明するための図面である。
図5に示したとおり、無人移送装置を通して各製造設備間に搬送物を移送させる自動搬送システムで、無人車通信ユニット(100)と各設備用通信ユニット(200)間のRF通信方法は、次のようなステップからなる。
まず、無人車通信ユニット(100)には無人移送装置に対応する無人車ID及び、RFチャンネル情報を含む無人車用RF初期化情報が予め登録される(ST110)。この時、RFチャンネル情報は互いに異なる周波数帯のうちの一つ以上からなる。
例えば、RFチャンネル情報は設備用通信ユニット(200)と送受信するデータの種類によって互いに異なる周波数に設定されるか、又は製造設備位置などにともなう電波環境を考慮して互いに異なる周波数に設定される。また、データの種類によって互いに異なる周波数に設定される場合においては、割り受けた周波数帯内でRF初期化情報の伝送時には、第1周波数、搬送物制御情報の伝送時には、第2周波数に分けて伝送するようにチャンネル情報が設定される。ここで第1周波数は第2周波数帯に比べてその域幅が小さく設定されることが望ましい。
【0021】
また、RF初期化情報は製造設備のポートが二以上の場合において、製造設備のポート番号がRF初期化設定パラメーターとして追加することができる。
一方、設備用通信ユニット(200)には当該設備に対応する設備IDを含む設備RF初期化情報が予め登録される(ST120)。
上記のとおり、無人車通信ユニット(100)と設備用通信ユニット(200)は、自らのRF初期化情報が予め登録された状態で、無人移送装置の無人車制御機、及び製造設備の設備制御機をそれぞれ割り付ける。この時、無人車通信ユニット(100)は無人車制御機によってデータ伝送処理を行わない待機モードに設定され、設備用通信ユニット(200)はIR信号を受信するためのIR受信モードに設定される。
ここで、無人車通信ユニット(100)と設備用通信ユニット(200)は自らのRF初期化情報を別途の設定ツールを用いて設定した後、無人車及び設備に割り付けるか、又は、無人車及び割り付けた状態で、別途のツールを利用して設定することが可能である。
【0022】
上記の状態で無人移送装置が移動し製造設備の所定の位置に停車すれば、無人車制御機は無人車通信ユニット(100)で通信可能モードに設定し得る制御信号を提供する。すなわち、無人車通信ユニット(100)は通信可能モードに設定された状態から製造設備側へ目的とする情報を伝送する。
無人車通信ユニット(100)は無人車制御機から入力される通信可能モード制御信号が活性化されると、無人車RF初期化情報をIR信号に変換し、これをIR送信モジュール(130)を通し設備用通信ユニット(200)のIR受信モジュール(230)に伝送する(ST130)。この時、無人車RF初期化情報は基本的に無人車ID及びRFチャンネル情報を含み、RFチャンネル情報は初期化設定のための第1周波数に対応する第1チャンネル情報とすることができる。また、無人車RF初期化情報は設備IDを追加的に含むことができる。
設備用通信ユニット(200)は無人車通信ユニット(100)から伝送されるIR信号がIR受信モジュール(230)を通し受信されると、受信されたIR信号を分析し無人車RF初期化情報を抽出して、抽出された無人車RF初期化情報で第2RF通信モジュール(220)を初期化する(ST140)。
【0023】
設備用通信ユニット(200)の第2RF通信モジュール(220)は、登録された無人車RF初期化情報を用いて設備RF初期化情報をRF信号で無人車通信ユニット(100)に送信する(ST150)。すなわち、第2RF通信モジュール(220)は第1周波数を用いて制御データを送受信するための設備RF初期化情報を伝送する。
無人車通信ユニット(100)は設備用通信ユニット(200)から転送されるRF信号を第1RF通信モジュール(120)を通し受信し、受信したRF信号を分析して設備RF初期化情報を抽出し、抽出された設備RF初期化情報で第1RF通信モジュール(120)を初期化する(ST160)。
そして、設備用通信ユニット(200)の第2RF通信モジュール(220)は、第1周波数を用いて設備RF初期化情報を無人車通信ユニット(100)に伝送した後、制御データを送受信するための設備RF初期化情報に再び初期化される(ST170)。
【0024】
これに続き、無人車通信ユニット(100)は、無人車制御機から搬送物移送のための制御情報(無人車通信ユニットの入力信号)を受信すると、これを第1RF通信モジュール(120)を通しRF信号に変換して設備用通信ユニット(200)側に伝送する。設備用通信ユニット(200)は無人車通信ユニット(100)から伝送されるRF信号を第2RF通信モジュール(220)を通し受信して設備制御機に伝送(設備用通信ユニットの出力信号)とともに、無人車制御情報受信に対する応答信号で設備制御機で入力される制御情報(設備用通信ユニットの入力信号)をRF信号で無人車通信ユニット(100)に伝送する。そして、無人車通信ユニット(100)は無人車制御機から受信した設備制御信号を伝送(無人車通信ユニットの出信号)する一連のRF通信を行う(ST180)。
この時、ST150ステップで設備用通信ユニット(200)は、第2RF通信モジュール(220)を通し第1周波数を利用して無人車側に制御データ伝送のための第2チャンネル情報を伝送し、これに対してST160ステップで無人車通信ユニット(100)は第1RF通信モジュール(120)を第2チャンネル情報に対応する第2周波数に初期化することによって、無人車通信ユニット(100)と設備用通信ユニット(200)は第2周波数を用いたRF通信を通し制御データを送受信することができる。
【0025】
一方、
図5において、無人車通信ユニット(100)は該当位置に当たる設備IDが追加的に含まれた無人車RF初期化情報をIR送信モジュール(130)を通し設備側に送出することができる。そして、設備用通信ユニット(200)はIR受信モジュール(230)を通し受信された無人車RF初期化情報に自分の設備IDが含まれた場合に限って、第2RF通信モジュール(220)に対応したRF初期化設定処理を行う。
この時、無人車通信ユニット(100)は別途のバーコード認識手段を通し設備IDを獲得し、これを含むように無人車RF初期化情報を再生成することができる。バーコード認識手段を通し設備IDを獲得する場合、その製造設備の一側に自分の設備IDを含む設備RF初期化情報に対応するバーコードを貼付しなければならないことは当然であるが、既存の自動搬送システムにバーコード認識手段が設置された場合には、これをそのまま利用できる。
また、無人車通信ユニット(100)にバーコード認識手段が備えられ、製造設備の一側にバーコードが貼付される構成は、
図3のように多様な通信媒体(RFまたはIR)を選択的に利用して制御情報を伝送するシステムにも適用される。
【0026】
このようなシステムでは、設備IDを通信媒体情報が追加的に含まれるバーコードに割り付けることができる。そして、無人車通信ユニット(100)はバーコード認識手段を通し受信されたバーコードで通信媒体情報を確認することによって、その通信媒体を用いて制御情報を伝送する。この時、RF通信媒体に対しては、
図5のフローチャートに示した方法でRF初期化設定を行う。
また、本発明は、無人移送装置と製造設備間の制御情報送受信時にRF通信を行うか、又はIR通信を選択的に利用するシステムにも適用して実施できる。このようなシステムに適用される場合、製造設備側に割り付けられるバーコードは通信媒体情報を追加的に含むことができる。
また、バーコード認識手段を具備する自動搬送システムにおいては、
図6に示したとおり無人車制御機とバーコートリーダー間にバーコード位置認識センサーを連結して、バーコード認識結果(OK、NG)などの入出力信号とシリアル通信信号を無人車通信ユニット(100)に連結してバーコード情報をより正確に認識できるように構成する。
【0027】
すなわち、バーコード位置認識センサーによって設定位置に到着したことが認識されるとバーコードを読み取るよう命令を与えるTRIG信号ライン、バーコートリーダーより読み取られたコード情報を無人車制御機で受信するRxD信号ライン、無人車制御機でバーコード情報に対する応答信号をバーコートリーダーに伝送するTxD信号ライン、バーコートリーダーがバーコードの読み取りが完了したことを無人車制御機に伝送するOK信号ライン、及び、バーコートリーダーがバーコードの読み取りにエラーが発生したことを無人車制御機に伝送するNG信号ラインが無人車通信ユニット(100)に連結される。
一方、実施例においては、無人車通信ユニット(100)のRF初期化パラメーターとしてRF、ID及びRFチャンネルのみを提示したが、製造設備(300)のポートが二以上の場合には、製造設備(300)のポート番号をRF初期化設定パラメーターに追加することができる。このポート番号の設定動作は上述したRF、ID及びRFチャンネルに対する設定値の登録過程と同様である。
【0028】
図7は本発明が適用される自動搬送システムで無人車通信ユニットと設備用通信ユニットの内部構成を機能的に分類して示したブロック構成図である。以下では、
図4に示した構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を用いてその詳細な説明は省略する。
図7に示したとおりに適用される第2実施例による自動搬送システム用のRF通信システムでは、無人車通信ユニット(100)にIR受信モジュール(150)が備えられ、設備用通信ユニット(200)にIR送信モジュール(250)が備えられて構成される。
すなわち、設備用通信ユニット(200)はIR送信モジュール(250)を通し所定の周期毎に設備RF初期化情報を伝送し、無人車通信ユニット(100)はIR受信モジュール(150)を通し受信される設備RF初期化情報を利用して第1RF通信モジュール(120)を通し無人車用RF初期化情報を設備用通信ユニット(200)の第2RF通信モジュール(220)で伝送することによって、無人車通信ユニット(100)と設備用通信ユニット(200)間でRF通信を行う。
【0029】
図8は、本発明による自動搬送システムにおける無人移送装置と設備間のRF通信方法を説明するための図面である。
まず、無人車通信ユニット(100)には無人移送装置に対応する無人車IDを含む無人車用RF初期化情報が登録される(ST210)。
また、設備用通信ユニット(200)にはその設備に対応される設備ID及びRFチャンネル情報を含む設備RF初期化情報が登録される(ST220)。
上記の状態から設備用通信ユニット(200)は所定の周期毎にIR送信モジュール(250)を通し設備RF初期化情報をIR(光)を用いて送出する(ST230)。この時、設備用通信ユニット(200)の第2RF通信モジュール(220)はRF信号受信待機状態で設定される。そして、設備用通信ユニット(200)は無人車IDが含まれた設備RF初期化情報をIR(光)を用いて送出できる。
【0030】
以後、無人移送装置が移動し製造設備の想定位置へ進入して設備用通信ユニット(200)のIR信号の半径に接近すれば、設備用通信ユニット(200)から伝送されるIR信号、すなわち、設備RF初期化情報が無人車通信ユニット(100)のIR受信モジュール(150)に受信される(ST240)。つまり、無人車通信ユニット(100)は受信されたIR信号を分析して設備RF初期化情報を抽出し、抽出された設備RF初期化情報を基にして第1RF通信モジュール(120)を初期化する(ST250)。この時、無人車通信ユニット(100)はIR受信モジュール(150)を通し受信された設備RF初期化情報に自分の無人車IDが含まれた場合に限って第1RF通信モジュールに対するRF初期化設定処理を行うことができる。
そして、無人車通信ユニット(100)は無人車制御機から入力される情報を基にして伝送モードに設定するとともに、設備用通信ユニット(200)と搬送物移送のための制御データをRF送受信する(ST260)。
【符号の説明】
【0031】
100 : 無人車通信ユニット
110 : 第1コントローラ
120 : 第1RF通信モジュール
130、250 : IR送信モジュール
150、230 : IR受信モジュール
200 : 設備用通信ユニット
210 : 第2コントローラ
220 : 第2RF通信モジュール
300 : 製造設備
【要約】
【課題】既に設置されたIR通信方式の自動搬送システムに、簡単な方法で無人移送装置と設備間のRF通信を行うことができる通信方法を提供する。
【解決手段】無人移送装置の無人車通信ユニットには、初期化設定送信モジュールが備えられ、設備用通信ユニットには、初期化設定受信モジュールが備えられ、無人移送装置に無人車IDとRFチャンネル情報を含む無人車RF初期化情報が登録された無人車通信ユニットを備える状態で、無人車RF初期化情報を設備側に送出し、設備用通信ユニットが設備に備えられた状態で、無人車RF初期化情報を受信し、無人車初期化情報を基にして第2RF通信モジュールを初期化する設備RF初期化情報をRF信号に変換して伝送し、第1RF通信モジュールを初期化し、移籍材関連情報をRF信号で送受信することを特徴とする。
【選択図】
図5